JP2004271528A - 釣合い試験方法および釣合い試験機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータ2の軸受孔6に挿入可能な軸受マンドレル5を準備する。当該軸受マンドレル5には軸方向に離れた第1軸受領域7および第2軸受領域8を設ける。第1軸受領域7および第2軸受領域8に対して軸受マンドレル5内部から液状流体を供給する。軸受マンドレル5が挿入されたロータ2の軸受孔6と軸受マンドレル5との間の摩擦および隙間は上記供給流体によって吸収される。よってロータ2をスムーズに回転させることができ、ロータ2の不釣り合いを測定できる。
【選択図】 図1
Description
また、支持流体として液体を用いる場合は、液体の漏れ(液体流出)を防がないと、ロータを濡らすことになり、測定結果に誤差が含まれることになる。
請求項4記載の発明は、上記軸受マンドレルには、さらに、軸受マンドレルの根元側周面に開口した回収孔が設けられていることを特徴とする、請求項3記載の釣合い試験機である。
この発明によれば、軸受を正確に維持して、ロータを非常に静かに、かつスムーズに回転させることができる。よって、縦方向に延びるロータの一部に形成された軸受孔を有し、ジャーナルを備えていないロータであっても支持装置で安定して保持し、高精度な釣合い試験を行うことができる。
第1の軸受領域においても、第2の軸受領域においても、油または油含有液を支持流体とするので、液体の供給および流出を簡単に行うことができる。
第2の軸受領域におけるロータ下面の支持は、球状に形成された支持表面で実施されるので、軸方向の軸受表面に生じ得る軸方向表面誤差によっては、ロータ軸の偏位をもたらさない。球状支持装置の角度変化によって、軸方向表面誤差は、ロータに強制モーメントを加えることなく相殺される。
図1は、釣合い試験機における、有底孔を有するロータのための軸受マンドレルを備えた支持装置の略図である。
図1において、2点鎖線で示されたものが、被試験体としてのロータ2である。このロータ2を支持するための支持装置1は、釣合い試験機の振動ブリッジ3に固定されている。振動ブリッジ3は、図示では2本だけが示されているが、たとえば4本の支持ばね4によって、釣合い試験機の枠に対して振動可能に連結されている。ロータ2は、図示していない駆動装置(たとえばロータ2に対してエアを吹き付ける装置等)によって、回転される。回転されるロータ2に不釣合いが存在する場合は、ロータ2の回転に伴って振動ブリッジ3に不釣合いに起因する振動が現れる。この振動が測定されることにより、ロータ2の不釣合いを測定することに利用される。
ロータ2の下部には、下面から上方へ向かって垂直に形成された有底のロータ孔6が備えられている。このロータ孔6に軸受マンドレル5が挿入されるようにロータをセットすることにより、ロータ2は回転自在に保持される。ロータ2の重心Sは、ロータ孔6の広がりの外、つまり軸受領域外の、軸方向延長線上に存在する。
一方、軸受マンドレル5は、その直径が、3段階に分かれており、最下方部の直径の大きな軸受平面8を含む第2軸受領域、その上に延びる直径のやや小さな中間領域およびさらにその上に延びる直径のさらに小さな、軸受平面7を含む第1軸受領域を有する。軸方向に上下に離れた2つの領域、すなわち軸受平面7を含む第1軸受領域および軸受平面8を含む第2軸受領域の2つの領域により、後述するように流体を介在させながらロータ孔6、ひいてはロータ2を安定して回転可能に支持することができる。これがこの実施形態の構造上の特徴の1つである。
そのために、軸受マンドレル5の内部には、軸方向に、軸下方から第1の軸受領域および第2の軸受領域までそれぞれ延びる流体供給管11が形成されている(図2)。第1の軸受領域まで延びる流体供給管11の先端は、軸受平面7上に配置された第1の小孔10に連通しており、第1軸受領域周面に第1の小孔10が開口している。また、第2軸受領域まで延びる流体供給管11の先端は、軸受平面8上に形成された第2の小孔に連通し、第2の軸受領域の周面には小孔10が開口している。これにより、第1軸受領域では、軸受マンドレル7の周面に小孔10から流体(油など)が供給される。同様に、第2軸受領域にはその周面に小孔10から流体(油など)が供給される。
図2〜図4を参照して、軸受マンドレル5における上方の第1軸受平面7および下方の第2軸受平面8に対し供給される流体の供給路(小孔10)は、軸受マンドレル5の円周面上に等しい角度間隔でたとえば4つ配置されている。すなわち、小孔10は、軸受平面7において、軸受マンドレル5の円周面上に90度間隔で4個開口しており、軸受平面8において90度間隔で4個開口している。そして、液体供給管11は、それぞれの小孔10に連通するように、軸受マンドレル5内に合計8本が形成されている。各供給管に対しては、室構築部14内に形成された流路および円環状室15を通じて、流体が供給される。
図4を参照して、軸受マンドレル5の中心には、軸方向に貫通する流体出口管21が形成されている。また、第1軸受領域および第2軸受領域間に位置する中間領域には、軸受マンドレル5の外周面に開口し、中心の流体出口管21に連通する複数の回収孔20(第2の孔)が、周方向に等しい角度間隔をあけて、たとえば4つ、また、軸方向に等しい間隔をあけて4つ形成されている。さらに、第2軸受領域の下端部には、斜め下方に向かって中心軸方向へ連通した回収孔20が、周方向に等間隔あけてたとえば4つ形成されている。そして流体出口管21の下端部は、室構築部14に形成された第2の流体室16に連通している。それゆえ、軸受マンドレル5の外周面に供給された流体のうち、余剰の流体は回収孔20から軸受マンドレル5内へ流入し、流体出口管21および第2の流体室16を通って回収される。
流体出口管31は、図6に示すように、軸受マンドレル5の軸方向に直交方向の切断面で見たときに、軸中心から周面に寄った位置に、周方向に等間隔に4つ形成されている。これら各流体出口管31は、上下に貫通した管となっている。そして軸受マンドレル5の中間領域において、周面に、周方向に等間隔で開口した4つの回収孔20に連通している。また回収孔20は、軸方向に等間隔に4段形成されている。
そして回収孔20および流体出口管31を通って回収される流体は、室構築部14に形成された円環状の第2の流体室16から排出管を通って排出される。
以上説明した第1の小孔10の数や第2の小孔(回収孔)20の数や配置は、ロータの形状、傾斜度、および重量などに応じて決められ、上記実施形態のものに限られない。
この発明によって支持されるロータ2は、第1図に示した形状に限られない。この実施形態では、ロータ2はターボファンを取り上げたが、それに限らず、回転コンプレッサ、弾み車等のような固有の軸受ジャーナルがない全てのロータであって、有底孔または貫通孔を有するロータに対して、この発明は適用することができる。
2 ロータ
3 振動ブリッジ
4 支持ばね
5 軸受マンドレル
6 ロータ孔
7 第1軸受平面
8 第2軸受平面
10 小孔(流体供給孔)
11 流体供給管
20 孔(流体回収孔)
21,31 流体出口管
46 軸受円板
Claims (5)
- ジャーナルを備えておらず、かつ、軸受孔を有するロータを釣合い試験するための方法であって、
上記ロータの軸受孔に挿入可能な軸受マンドレルを準備し、当該軸受マンドレルには軸方向に離れた第1軸受領域および第2軸受領域を設け、
第1軸受領域および第2軸受領域に対して軸受マンドレル内部から液状流体を供給し、軸受マンドレルが挿入されたロータの軸受孔と軸受マンドレルとの間の摩擦および隙間を上記供給流体によって吸収し、
それによってロータをスムーズに回転させることができ、ロータの不釣り合いを測定するようにしたことを特徴とする、ロータの釣合い試験方法。 - 釣合い試験機であって、
ジャーナルを備えておらず、かつ、軸受孔を有するロータを支持するための支持装置を含み、
当該支持装置には、ロータの上記軸受孔に挿入される軸受マンドレルが備えられ、
軸受マンドレルには、軸受マンドレル内から軸受マンドレルの周面へ液状流体を供給するための小孔と、軸受マンドレル周面に供給される液状流体を回収するための回収孔とが備えられていることを特徴とする釣合い試験機。 - 上記軸受マンドレルは、軸方向に離れた第1軸受領域および第2軸受領域を有し、
上記小孔は第1軸受領域および第2軸受領域にそれぞれ開口され、
上記回収孔は第1軸受領域および第2軸受領域の間の中間領域に少なくとも開口されていることを特徴とする、請求項2記載の釣合い試験機。 - 上記軸受マンドレルには、さらに、軸受マンドレルの根元側周面に開口した回収孔が設けられていることを特徴とする、請求項3記載の釣合い試験機。
- 上記軸受マンドレルは垂直に配置され、軸受マンドレルの根元側には、軸受マンドレルに対して同心円状に配置され、その下面が球面状をして水平方向に偏位自在に配置された軸受円板をさらに有することを特徴とする請求項4記載の釣合い試験機。
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