以下、本発明による実施形態について、図1から3を用いて説明する。
撮像システム100は、被写体像を撮像可能な位置に設けられる端末装置200と、端末装置200と離れた位置に設けられる中央制御機300を備える。
端末装置200は、撮像装置210と、端末演算部220と、車両検出部230と、近赤外照明部240と、端末記録部250と、端末通信制御部260とを備える。
中央制御機300は、中央通信制御部310と、アラーム320と、中央記録部330と、中央演算部340とを備える。
撮像装置210は、撮像光学系を構成する撮像レンズ211と、撮像素子である第1のCCD512及び第2のCCD515と、偏光フィルタ517と、光路分割用プリズムであるビームスプリッタ813とを備える。
撮像レンズ211は、深い被写界深度を実現するための焦点距離と絞りを有し、パンフォーカス撮影が可能である。これにより、撮像レンズ211は、撮像装置210からの距離が10mから100mまでの間に存在する被写体に同時に合焦することが可能である。
第1のCCD512及び第2のCCD515は、撮像レンズ211及びコート面818からの光路長が互いに等しくなるような位置に設けられる。
第1及び第2のCCD512、515は、1メガピクセルクラス以上の画素数を有するとともに、撮像レンズ211からの被写体像が結像する長方形の第1及び第2の撮像面519、520を各々有する。第1及び第2の撮像面519、520は互いに同じ縦横比、面積、ピクセル数を備える。
撮像レンズ211の光軸方向が第2の撮像面519の短辺方向と平行となるように、かつ端末装置200の重力方向が第1の撮像面519と直角となるように、端末装置200の内部に第1のCCD512が設けられる。また、撮像レンズ211の光軸方向が第2の撮像面520と直角となるように、かつ端末装置200の重力方向が第2の撮像面520の短辺方向と一致するように、端末装置200の内部に第2のCCD515が設けられる。第1の撮像面519が可視光線撮像領域を成し、第2の撮像面520が近赤外線撮像領域を成す。第1及び第2のCCD512、515は、第1及び第2の撮像面519、520、すなわち可視光線撮像領域519及び近赤外線撮像領域520に結像した被写体像を同時に撮像する。撮像は1秒間に10回行われ、第1及び第2のCCD512、515は1秒間に10フレームから成る動画を端末演算部220及び端末記録部250に出力する。
偏光フィルタ517は、特定の偏光状態を有する光のみを透過する光学フィルタであり、近赤外線撮像領域520の全面を覆うように第2のCCD515に取り付けられる。
ビームスプリッタ813は、正方形の底面を有する四角柱であって、直角プリズム813aおよび813bを2つ貼り合わせて形成されている。直角プリズム813aおよび813bは同一の三角柱形状を有し、直角三角形の頂面及び底面と四角形の側面を備える。四角形の側面のうち、頂面及び底面の直角を形成しない側面が長方形の貼り合わせ面を成す。2つの直角プリズムの一方(たとえば直角プリズム813a)の貼り合わせ面には、可視光域を反射し近赤外光域を透過する機能を備えるコーティングが施されて、長方形のコート面818を成す。すなわち、コート面818を挟むように互いの直角プリズム813a、813bの貼り合わせ面どうしが張り合わされる。コート面818が撮像レンズ211と対向し、コート面818の中心が撮像レンズ211の光軸上に位置し、かつ第1及び第2のCCD512、515の撮像面に照射される光路の全てがコート面818に照射されるように、ビームスプリッタ813が光路上に設けられる。
撮像レンズ211からビームスプリッタ813に入射した光は、コート面818により可視光と近赤外光とに分離される。可視光は、コート面818で反射されて、第1のCCD512に向けて射出する。近赤外光は、コート面818を透過して、第2のCCD515に向けて射出する。コート面818が可視光と近赤外光とを分離するため、可視光カットフィルタ及び赤外カットフィルタを設ける必要がない。
これらの構成により、第1のCCD512は遠方の被写体をカラー画像で撮像し、第2のCCD515は近方の被写体を近赤外線画像で撮像する(図3参照)。
撮像装置210は、例えば、高速道路の走行車線監視のために走行車線上方に設置され、遠方から接近する車を撮影する。第1及び第2のCCD512、515の撮像面上に結像する被写体像の天地は、撮像レンズ211の機能により被写体の天地と反転する。そのため、被写体、例えば走行して接近してくる車が、撮像装置210に対して比較的遠方に位置しているときは、車の被写体像は下方の可視光線撮像領域519に位置する。そして、車が接近してきて、撮像装置210に対して比較的近距離に位置すると、車の被写体像は上方の近赤外線撮像領域520に位置する。これにより、比較的遠方に位置する被写体に関してはカラー画像が得られ、比較的近距離に位置する被写体に関しては赤外線撮影画像が得られる(図3参照)。
車両検出部230は、撮像装置210の撮像可能範囲内であって、近赤外線撮像領域520に結像する被写体像の位置を検出可能な場所に取り付けられるループコイルであり、車両の通過を検知する。端末演算部220及び近赤外照明部240と電気的に接続され、車両を検出したとき端末演算部220及び近赤外照明部240に車両検出信号を送信する。
近赤外照明部240は、道路を走行する車両を照明可能な場所、かつ近赤外線撮像領域520に結像する被写体像を照明可能な位置、例えば路側帯や道路上のフリーフロー型ゲートに設けられる。車両検出部230から車両検出信号を受信したとき、近赤外光を車両に向けて照射する。
端末演算部220は、車両検出部230から車両検出信号を、また第1のCCD512から動画を受信して、画像処理を行う。画像処理では、後述する蛇行記録処理、路側帯通行記録処理、車色記録処理、車種記録処理を実行する。これらの記録処理において、端末演算部220は、近赤外線撮像領域520に結像した自動車登録番号標又は車両番号標(いわゆるナンバープレート)及び運転者を撮像して静止画を作成し、端末記録部250に送信する。
端末記録部250は、ハードディスク、あるいはDRAMなどの半導体記憶装置からなる記憶手段であって、撮像装置210から受信した動画や端末演算部220から受信した静止画を一時的に記憶する。
端末通信制御部260は、有線あるいは無線通信により、中央制御機300と電気的に接続される。そして、端末記録部250が記録している静止画及び動画のうち、各記録処理において後述する条件に合致するものを中央制御機300に送信する。
中央制御機300が備える中央通信制御部310は、静止画及び動画を受信し、中央記録部330に送信する。また、端末通信制御部260から静止画あるいは動画を受信したときに、アラーム320に警報信号を送信する。
中央記録部330は、ハードディスク等の記録手段であって、中央通信制御部310から受信した静止画及び動画を記録する。
アラーム320は、スピーカ、ディスプレイ、あるいは警告灯であって、中央通信制御部310から警報信号を受信したとき、警告音を発したり、警告画像を表示したり、警告光を明滅したりする。
中央演算部340は、静止画に含まれるナンバープレートから車両の自動車登録番号等を読み出して、監視対象登録番号と一致するか否かを判断する。
次に、図4及び5を用いて蛇行記録処理について説明する。蛇行記録処理は、端末装置200が撮影を開始可能となったときに、端末演算部220が実行を開始する。
ステップS401において、蛇行イニシャルセット処理が実行される。蛇行イニシャルセット処理は、撮像装置210が撮像した画像において、走行車線が占める領域、すなわち走行車線エリアを抽出し、抽出した走行車線エリアに車線番号を割り当て、動画から1つのフレームを抽出する処理であり、詳細に関しては後述される。なお、走行車線は、道路上において白線や黄線などにより所定の幅で区切られた、車両が通行する領域をいう。また、動画から1つのフレームを抽出する作業をキャプチャと呼び、蛇行イニシャルセット処理においてキャプチャしたフレームを0番目のフレームと呼ぶ。
ステップS402では、車線変更回数パラメータmに0を代入して初期化する。車線変更回数パラメータmは、観察対象となった車両が行った車線変更の数を示すパラメータである。
ステップS403では、フレーム番号パラメータnに1を代入して初期化する。フレーム番号パラメータnは、撮像装置210が出力した動画に含まれるフレームに対し、連続的に割り振られる番号である。
ステップS404では、n+1番目及びn+2番目のフレームを動画からキャプチャする。n+2番目のフレームは、n+1番目のフレームから所定時間後に取得したフレームである。所定時間は、例えば0.1秒である。
ステップS405では、0番目のフレームまたはn番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分P、及びn+2番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分Qを算出する。これにより、特定のフレームとそのフレームから所定時間後のフレームとの間で異なる値を持つ画素が抽出される。フレーム間で異なる画素は、特定のフレームを撮像した瞬間から所定時間後のフレームを撮像した瞬間までの間に移動した被写体像、すなわち移動体を表現する。
ステップS406では、差分P及び差分Qを所定の閾値を用いて二値化する。そして、二値化された差分Pと二値化された差分Qとの論理積Rをとる。所定の閾値を用いて二値化することにより、移動体を表現しない画素、すなわちノイズを除去することができる。二値化された差分Pと差分Qとの論理積Rをとることにより、特定のフレームと所定時間後のフレームとに含まれる移動体を特定することができる。この特定作業をマーキングと呼ぶ。
ステップS407では、ステップS406においてマーキングした移動体が位置する走行車線エリアとその走行車線エリアの車線番号を算出する。これにより、移動体が現在位置する走行車線を特定する。
ステップS408では、撮像装置210が出力した動画からフレームを1つキャプチャする。そして、フレームをキャプチャするたびに、フレーム番号パラメータnを1つ増やす。これにより、ステップS404においてキャプチャした2つのフレームと合わせて、3つのフレームがキャプチャされていることになる。以下、直近にキャプチャされたフレームをn+2番目のフレーム、次の直近にキャプチャされたフレームをn+1番目のフレーム、さらに次の直近にキャプチャされたフレームをn番目のフレームとして説明する。
ステップS409では、n番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分S、及びn+2番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分Tを算出する。これにより、特定のフレームを撮像した瞬間から所定時間後のフレームを撮像した瞬間までの間に移動した被写体像、すなわち移動体が抽出される。
ステップS410では、差分S及び差分Tを所定の閾値を用いて二値化する。そして、二値化された差分Sと二値化された差分Tとの論理積Uをとる。所定の閾値を用いて二値化することにより、移動体を表現しない画素、すなわちノイズを除去することができる。二値化された差分Sと差分Tとの論理積Uをとることにより、特定のフレームと所定時間後のフレームとに含まれる移動体をマーキングすることができる。
ステップS411では、ステップS410においてマーキングした移動体が位置する走行車線エリアとその走行車線エリアの車線番号を算出する。これにより、移動体が現在位置する走行車線を特定する。
ステップS412では、ステップS407において算出した車線番号と、ステップS411において算出した車線番号とが異なるかを判断する。異なる場合、処理はステップS413に進む。同じ場合、処理はステップS414に進む。
ステップS413では、車線変更回数パラメータmを1だけ増やす。ステップS412において、車線番号が異なる場合、移動体が走行車線を変更したと考えられるためである。
ステップS414では、車線変更回数パラメータmが最大車線変更回数mMAX以上であるか否かを判断する。最大車線変更回数mMAXは、移動体に許される車線変更回数の最大値であり、蛇行記録処理を実行する前にユーザが決定する。車線変更回数パラメータmが最大車線変更回数mMAX以上である場合、処理はステップS415に進み、そうでない場合、処理はステップS408に進む。
ステップS415では、撮像装置210から受信した動画から複数のフレームをキャプチャする。移動体が行った全ての走行車線変更を記録するように、複数のフレームの撮像間隔及び枚数が決定される。本実施形態においては、0.1秒ごとに10枚のフレームをキャプチャする。
ステップS416では、ステップS415においてキャプチャした全てのフレームを、端末通信制御部260を介して中央制御機300へ送信させる。中央制御機300では、受信した全てのフレームが中央記録部330に記憶される。そして、処理が終了する。
蛇行イニシャルセット処理について説明する。
ステップS501では、撮像装置210が撮像した画像において、走行車線が占める領域、すなわち走行車線エリアを抽出する。走行車線エリアは、走行車線と走行車線とを区切る白線又は黄線を端末演算部220が画像処理を行うことにより認識される。また、路側帯を通行する車両を検知するため、路側帯も1つの走行車線エリアとして認識される。
次のステップS502では、抽出した走行車線エリアに番号を割り当てる。図3に示される画像を得る場合、近赤外映像で撮像された車両が存在する走行車線の右側に位置する路側帯を車線番号L1、近赤外映像で撮像された車両が存在する最も右の走行車線を車線番号L2、その左の走行車線を車線番号L3、撮像された車両が存在しない最も左に位置する走行車線を車線番号L4とする。
次のステップS503では、動画から1つのフレームを抽出する。あらかじめ観察対象が存在しない走行車線を撮像しておくことにより、移動体の検出を容易にする。そして、処理が終了する。
蛇行記録処理によれば、車線変更を最大車線変更回数mMAX以上繰り返す車両を自動的に撮像及び記録することができる。
次に、図6及び7を用いて路側帯通行記録処理について説明する。路側帯通行記録処理は、端末装置200が撮影を開始可能となったときに、端末演算部220が実行を開始する。
ステップS601において、通行イニシャルセット処理が実行される。通行イニシャルセット処理は、走行車線エリアに車線番号を割り当て、最大路側帯通行回数mMAXを設定し、動画から1つのフレームを抽出し、そして路側帯を認識する処理であり、詳細に関しては後述される。最大路側帯通行回数mMAXは、移動体が路側帯を通行した回数、より詳しくは期間の最大値であり、ユーザが決定する。なお、通行イニシャルセット処理においてキャプチャしたフレームを0番目のフレームと呼ぶ。
ステップS602では、確認回数パラメータmに0を代入して初期化する。確認回数パラメータmは、観察対象となった車両が路側帯を通行した回数、より詳しくは期間を示すパラメータである。
ステップS603では、フレーム番号パラメータnに1を代入して初期化する。フレーム番号パラメータnは、撮像装置210が出力した動画に含まれるフレームに対し、連続的に割り振られる番号である。
ステップS604では、n+1番目及びn+2番目のフレームを動画からキャプチャする。n+2番目のフレームは、n+1番目のフレームから所定時間後に取得したフレームである。所定時間は、例えば0.1秒である。
ステップS605では、0番目のフレームまたはn番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分P、及びn+2番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分Qを算出する。これにより、特定のフレームとそのフレームから所定時間後のフレームとの間で異なる値を持つ画素が抽出される。フレーム間で異なる画素は、特定のフレームを撮像した瞬間から所定時間後のフレームを撮像した瞬間までの間に移動した被写体像、すなわち移動体を表現する。
ステップS606では、差分P及び差分Qを所定の閾値を用いて二値化する。そして、二値化された差分Pと二値化された差分Qとの論理積Rをとる。所定の閾値を用いて二値化することにより、移動体を表現しない画素、すなわちノイズを除去することができる。二値化された差分Pと差分Qとの論理積Rをとることにより、特定のフレームと所定時間後のフレームとに含まれる移動体を特定することができる。
ステップS607では、フレーム番号パラメータnを1増やす。
ステップS608では、撮像装置210が出力した動画からフレームを1つキャプチャする。これにより、ステップS604においてキャプチャした2つのフレームと合わせて、3つのフレームがキャプチャされていることになる。以下、直近にキャプチャされたフレームをn+2番目のフレーム、次の直近にキャプチャされたフレームをn+1番目のフレーム、さらに次の直近にキャプチャされたフレームをn番目のフレームとして説明する。
ステップS609では、n番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分S、及びn+2番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分Tを算出する。これにより、特定のフレームを撮像した瞬間から所定時間後のフレームを撮像した瞬間までの間に移動した被写体像、すなわち移動体が抽出される。
ステップS610では、差分S及び差分Tを所定の閾値を用いて二値化する。そして、二値化された差分Sと二値化された差分Tとの論理積Uをとる。所定の閾値を用いて二値化することにより、移動体を表現しない画素、すなわちノイズを除去することができる。二値化された差分Sと差分Tとの論理積Uをとることにより、特定のフレームと所定時間後のフレームとに含まれる移動体をマーキングすることができる。
ステップS611では、フレーム番号パラメータnを1増やす。
ステップS612では、移動体が路側帯に位置するか否かを判断する。判断は、ステップS610においてマーキングされた移動体が路側帯に相当する走行車線エリア内に存在するか否かを画像処理することにより決定する。移動体が路側帯に位置する場合、処理はステップS613に進み、そうでない場合、処理はステップS608に戻る。
ステップS613では、確認回数パラメータmを1増やす。ステップS612において、移動体が路側帯に位置するためである。
ステップS614では、確認回数パラメータmが最大路側帯通行確認回数mMAX以上であるか否かを判断する。フレームは所定の周期で取得されるため、路側帯に位置する移動体を撮像したフレームの数を数えることにより、移動体が路側帯に存在する時間を測定することができる。確認回数パラメータmが最大路側帯通行確認回数mMAX以上である場合、処理はステップS615に進み、そうでない場合、処理はステップS608に戻る。
ステップS615では、車両検出部230からの信号を用いて、移動体が撮影ポイントに位置するか否かを判断する。車両検出部230を成すループコイルを撮影ポイントに設置し、ループコイルが送信した車両検出信号を受信したときに、移動体が撮影ポイントに位置すると判断する。移動体が撮影ポイントに位置する場合、処理がステップS616に進み、そうでない場合、処理はステップS608に戻る。
ステップS616では、撮像装置210から受信した動画から複数のフレームをキャプチャする。移動体が行った全ての車線変更を記録するように、複数のフレームの撮像間隔及び枚数が決定される。本実施形態においては、0.1秒ごとに10枚のフレームをキャプチャする。
ステップS617では、ステップS616においてキャプチャした全てのフレームを端末通信制御部260に中央制御機300へ送信させる。そして、処理が終了する。
通行イニシャルセット処理について説明する。
ステップS701では、撮像装置210が撮像した画像において、走行車線が占める領域、すなわち走行車線エリアを抽出する。走行車線エリアは、走行車線と走行車線とを区切る白線又は黄線を端末演算部220が画像処理を行うことにより認識される。また、路側帯を通行する車両を検知するため、路側帯も1つの走行車線エリアとして認識される。そして、抽出した走行車線エリアに番号を割り当てる。図3に示される画像を得る場合、近赤外映像で撮像された車両が存在する走行車線の右側に位置する路側帯を車線番号L1、近赤外映像で撮像された車両が存在する最も右の走行車線を車線番号L2、その左の走行車線を車線番号L3、撮像された車両が存在しない最も左に位置する走行車線を車線番号L4とする。
ステップS702では、最大路側帯通行確認回数mMAXを取得する。
次のステップS703では、動画から1つのフレームを抽出する。あらかじめ観察対象が存在しない走行車線を撮像しておくことにより、移動体の検出を容易にする。
ステップS704では、路側帯を構成するエリアを路側帯エリアとして認識する。そして、処理が終了する。
路側帯通行記録処理によれば、最大路側帯通行確認回数mMAX以上路側帯に存在する車両を自動的に撮像及び記録することができる。
次に、図8及び9を用いて車色記録処理について説明する。車色記録処理は、端末装置200が撮影を開始可能となったときに、端末演算部220が実行を開始する。
ステップS801において、車色イニシャルセット処理が実行される。車色イニシャルセット処理は、検出対称となる車色を設定する処理であり、詳細に関しては後述される。検出対称となる車色は、ユーザにより決定される。
ステップS802では、フレーム番号パラメータnに0を代入して初期化する。フレーム番号パラメータnは、撮像装置210が出力した動画に含まれるフレームに対し、連続的に割り振られる番号である。
ステップS803では、n+1番目及びn+2番目のフレームを動画からキャプチャする。n+2番目のフレームは、n+1番目のフレームから所定時間後に取得したフレームである。所定時間は、例えば0.1秒である。
ステップS804では、n番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分P、及びn+2番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分Qを算出する。これにより、特定のフレームとそのフレームから所定時間後のフレームとの間で異なる値を持つ画素が抽出される。フレーム間で異なる画素は、特定のフレームを撮像した瞬間から所定時間後のフレームを撮像した瞬間までの間に移動した被写体像、すなわち移動体を表現する。
ステップS805では、差分P及び差分Qを所定の閾値を用いて二値化する。そして、二値化された差分Pと二値化された差分Qとの論理積Rをとる。所定の閾値を用いて二値化することにより、移動体を表現しない画素、すなわちノイズを除去することができる。二値化された差分Pと差分Qとの論理積Rをとることにより、特定のフレームと所定時間後のフレームとに含まれる移動体を特定することができる。
ステップS806では、マーキングした移動体に関して算出した論理積Rに対しn+1番目のフレームを加算して、色情報を有する色認識画像Cを算出する。
ステップS807では、移動体の車色が検索対象の車色(目的色)と一致するか否かを判断する。移動体の車色が検索対象の色と合致する場合、処理がステップS808に進み、そうでない場合、処理はステップS802に戻る。
ステップS808では、撮像装置210が出力した動画からフレームを1つキャプチャする。ここでキャプチャされるフレームはカラー画像である。これにより、カラー画像を端末記録部250に記録し、移動体の車体の色を認識することができる。
ステップS809では、フレーム番号パラメータnを1増やす。
ステップS810では、撮像装置210が出力した動画からフレームを1つキャプチャする。これにより、ステップS803及びS808においてキャプチャした3つのフレームと合わせて、4つのフレームがキャプチャされていることになる。このうち、直近にキャプチャされた3つのフレームを用いて、以下の処理を行う。以下、直近にキャプチャされたフレームをn+2番目のフレーム、次の直近にキャプチャされたフレームをn+1番目のフレーム、さらに次の直近にキャプチャされたフレームをn番目のフレームとして説明する。
ステップS811では、n番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分S、及びn+2番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分Tを算出する。これにより、特定のフレームを撮像した瞬間から所定時間後のフレームを撮像した瞬間までの間に移動した被写体像、すなわち移動体が抽出される。
ステップS812では、差分S及び差分Tを所定の閾値を用いて二値化する。そして、二値化された差分Sと二値化された差分Tとの論理積Uをとる。所定の閾値を用いて二値化することにより、移動体を表現しない画素、すなわちノイズを除去することができる。二値化された差分Sと差分Tとの論理積Uをとることにより、特定のフレームと所定時間後のフレームとに含まれる移動体をマーキングすることができる。
ステップS813では、車両検出部230からの信号を用いて、移動体が撮影ポイントに位置するか否かを判断する。車両検出部230を成すループコイルを撮影ポイントに設置し、ループコイルが送信した車両検出信号を受信したときに、移動体が撮影ポイントに位置すると判断する。移動体が撮影ポイントに位置する場合、処理がステップS814に進み、そうでない場合、処理はステップS809に戻る。
ステップS814では、撮像装置210から受信した動画から複数のフレームをキャプチャする。移動体が行った全ての車線変更を記録するように、複数のフレームの撮像間隔及び枚数が決定される。本実施形態においては、0.1秒ごとに10枚のフレームをキャプチャする。
ステップS815では、ステップS814においてキャプチャした全てのフレームを端末通信制御部260に中央制御機300へ送信させる。そして、処理が終了する。
車色イニシャルセット処理について説明する。
ステップS901では、検出対称となる車色をユーザが設定する。車色は、HSV(色相、彩度、明度)、RGB(赤、緑、青)色空間などを用いて設定される。ユーザが設定した後に、処理が終了する。
車色記録処理によれば、所望の車色を有する車両を自動的に撮像及び記録することができる。
次に、図10及び11を用いて車種記録処理について説明する。車種記録処理は、端末装置200が撮影を開始可能となったときに、端末演算部220が実行を開始する。
ステップS1001において、車種イニシャルセット処理が実行される。車種イニシャルセット処理は、車種情報を設定し、最大車種検出回数mMAXを設定し、動画から1つのフレームを抽出する処理であり、詳細に関しては後述される。最大車種検出回数mMAXは、所望の車種(目的車種)に該当する移動体を撮像したフレームの数であり、ユーザが決定する。なお、通行イニシャルセット処理においてキャプチャしたフレームを0番目のフレームと呼ぶ。
ステップS1002では、確認回数パラメータmに0を代入して初期化する。確認回数パラメータmは、所望の車種に該当する移動体を撮像した回数を示すパラメータである。
ステップS1003では、フレーム番号パラメータnに1を代入して初期化する。フレーム番号パラメータnは、撮像装置210が出力した動画に含まれるフレームに対し、連続的に割り振られる番号である。
ステップS1004では、n+1番目及びn+2番目のフレームを動画からキャプチャする。n+2番目のフレームは、n+1番目のフレームから所定時間後に取得したフレームである。所定時間は、例えば0.1秒である。
ステップS1005では、n番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分P、及びn+2番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分Qを算出する。これにより、特定のフレームとそのフレームから所定時間後のフレームとの間で異なる値を持つ画素が抽出される。フレーム間で異なる画素は、特定のフレームを撮像した瞬間から所定時間後のフレームを撮像した瞬間までの間に移動した被写体像、すなわち移動体を表現する。
ステップS1006では、差分P及び差分Qを所定の閾値を用いて二値化する。そして、二値化された差分Pと二値化された差分Qとの論理積Rをとる。所定の閾値を用いて二値化することにより、移動体を表現しない画素、すなわちノイズを除去することができる。二値化された差分Pと差分Qとの論理積Rをとることにより、特定のフレームと所定時間後のフレームとに含まれる移動体を特定することができる。
ステップS1007では、フレーム番号パラメータnを1増やす。
ステップS1008では、撮像装置210が出力した動画からフレームを1つキャプチャする。これにより、ステップS1004においてキャプチャした2つのフレームと合わせて、3つのフレームがキャプチャされていることになる。以下、直近にキャプチャされたフレームをn+2番目のフレーム、次の直近にキャプチャされたフレームをn+1番目のフレーム、さらに次の直近にキャプチャされたフレームをn番目のフレームとして説明する。
ステップS1009では、フレーム番号パラメータnを1増やす。
ステップS1010では、n番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分S、及びn+2番目のフレームとn+1番目のフレームとの差分Tを算出する。これにより、特定のフレームを撮像した瞬間から所定時間後のフレームを撮像した瞬間までの間に移動した被写体像、すなわち移動体が抽出される。
ステップS1011では、差分S及び差分Tを所定の閾値を用いて二値化する。そして、二値化された差分Sと二値化された差分Tとの論理積Uをとる。所定の閾値を用いて二値化することにより、移動体を表現しない画素、すなわちノイズを除去することができる。二値化された差分Sと差分Tとの論理積Uをとることにより、特定のフレームと所定時間後のフレームとに含まれる移動体をマーキングすることができる。
ステップS1012では、移動体が所望の車種に該当するか否かを判断する。判断は、ステップS1010においてマーキングされた移動体が目的車種に該当するか否かを画像処理することにより決定する。移動体が目的車種に該当する場合、処理はステップS1013に進み、そうでない場合、処理はステップS1014に進む。
ステップS1013では、確認回数パラメータmを1増やす。ステップS1012において、移動体が目的車種に該当するためである。
ステップS1014では、確認回数パラメータmが最大車種検出回数mMAX以上であるか否かを判断する。目的車種に該当する移動体を撮像したフレームの数を数え、その数が最大車種検出回数mMAX以上であるときに、移動体が目的車種に該当すると判断する。これにより、目的車種検出の確度を上げることができる。確認回数パラメータmが最大車種検出回数mMAX以上である場合、処理はステップS1015に進み、そうでない場合、処理はステップS1008に戻る。
ステップS1015では、車両検出部230からの信号を用いて、移動体が撮影ポイントに位置するか否かを判断する。車両検出部230を成すループコイルを撮影ポイントに設置し、ループコイルが送信した車両検出信号を受信したときに、移動体が撮影ポイントに位置すると判断する。移動体が撮影ポイントに位置する場合、処理がステップS1016に進み、そうでない場合、処理はステップS1008に戻る。
ステップS1016では、撮像装置210から受信した動画から複数のフレームをキャプチャする。移動体が行った全ての車線変更を記録するように、複数のフレームの撮像間隔及び枚数が決定される。本実施形態においては、0.1秒ごとに10枚のフレームをキャプチャする。
ステップS1017では、ステップS1016においてキャプチャした全てのフレームを端末通信制御部260に中央制御機300へ送信させる。そして、処理が終了する。
車種イニシャルセット処理について説明する。
ステップS1101では、検出対称となる車種をユーザが入力する。
ステップS1102では、最大車種検出回数mMAXを取得する。
次のステップS1103では、動画から1つのフレームを抽出する。あらかじめ観察対象が存在しない走行車線を撮像しておくことにより、移動体の検出を容易にする。そして処理が終了する。
車種記録処理によれば、所望の車種に該当する車両を自動的に撮像及び記録することができる。
本実施形態によれば、安価な小型の撮像素子を用いて、移動体の移動を監視しながら、移動体の詳細な画像を撮像することが可能となる。
また、1つの撮像素子の撮像面を複数に分けて各々別個のフィルタを設ける手間を省くことができる。さらに、ハーフミラーを用いて光路を分割すると、ハーフミラーの光入射面の裏面で光が反射して被写体像が劣化することがある。しかし、プリズムによるビームスプリッタ813を用いることにより、被写体像の劣化を防止できるとともに、ハーフミラーを用いて光路を分割する構成に対して、可視光カットフィルタ及び赤外カットフィルタを設ける手間を省くことができる。
なお、本実施形態において、撮像レンズ211及びコート面818からの光路長が互いに等しくなるような位置に第1のCCD512及び第2のCCD515を設けずに、第1のCCD512とビームスプリッタ813との間に光路長調整フィルタを設けても良い。
なお、撮像素子はCCDに限定されず、CMOS等であっても良い。また、CCDの画素数は、1メガピクセルクラス以上に限定されない。さらに、撮像は1秒間に10回に限定されない。
近赤外線撮像領域520と可視光線撮像領域519とは、互いに同じ縦横比、面積、ピクセル数でなくても良く、目的や撮影状況に応じて、いずれか一方の縦横比、面積、ピクセル数を他方と異なるものにしてもよい。
また、移動体が撮影ポイントに位置するか否かの判別処理としてループコイルの受信信号を用いたが、これに代わって、抽出した移動体の像の撮像素子面上での移動速度及び移動方向を算出し、この移動速度および移動方向に基づいて、近赤外線撮像領域520内の撮影ポイントに対応する領域に達するタイミングを予測して、近赤外線撮影を行うようにしても良い。
車両検出部230はループコイルでなくても良く、赤外線センサ、音波センサ等の車両の位置を検出可能なものであればよい。
なお、車両の代わりに果物を監視対象物とすることもできる。判別条件として色の代わりに果物の糖度を用いることにより、果物を選果することが可能である。また、車種の代わりに果物の種類や大きさを用いることにより、他品種の果物を選り分けることが可能である。
さらに、車両の代わりに小包を監視しても良い。目的地、大きさ、形状に応じて小包を選別することができる。