JP2011082601A - 配電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ペア線に複数の給電ユニットが並列に接続される場合にペア線を通信線として用いた通信を良好に行うことのできる配電システムを提供する。
【解決手段】給電回路52の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しくした給電ユニット51が同直流供給線路22に対し複数並列に接続されたとすると、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが上記特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなる。その結果、給電ユニット51の給電に伴う電圧波形に信号が乗りにくくなり、配電システムにおける直流供給線路を通信線として用いた通信に通信不良が生じるおそれがある。しかし、複数の給電ユニット51が直流供給線路22に接続されているときには、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが上記特性インピーダンス値Z0に近づくよう、各給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスがそれぞれ可変設定される。
【選択図】図2
【解決手段】給電回路52の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しくした給電ユニット51が同直流供給線路22に対し複数並列に接続されたとすると、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが上記特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなる。その結果、給電ユニット51の給電に伴う電圧波形に信号が乗りにくくなり、配電システムにおける直流供給線路を通信線として用いた通信に通信不良が生じるおそれがある。しかし、複数の給電ユニット51が直流供給線路22に接続されているときには、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが上記特性インピーダンス値Z0に近づくよう、各給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスがそれぞれ可変設定される。
【選択図】図2
Description
本発明は、住宅等に用いられる配電システムに関する。
従来より、給電ユニット及び端末が同一のペア線に接続され、給電ユニットに設けられた給電回路によりペア線を介して端末への給電を行うとともに、そのペア線を通信線として用いる配電システムが知られている。
また、そもそも、電力供給を伴わないペア線を用いた通信に関しては、それを良好に行うために同通信線を終端することが一般的に行われている(特許文献1参照)。上記のような配電システムでは、通常は図14に示されるように、通信線を兼用する電力線(ペア線)に対し一つの給電ユニットが接続されており、その給電ユニットの給電回路のインピーダンスをペア線の特性インピーダンス値と等しくすることで、ペア線を上記給電ユニットにて終端することが考えられる。一方、ペア線に接続された端末のインピーダンスは同ペア線の特性インピーダンス値よりも十分に高い値となることから、上述したようにペア線を給電ユニットにて終端することにより、ペア線を用いた通信において上記端末のインピーダンスの影響をほぼ無視できるようになる。
これは、ペア線に接続された各種機器全体のインピーダンスをZtotal とし、給電ユニットの給電回路のインピーダンスをZtとし、各端末のインピーダンスをZ1〜Znとすると、それらZtotal 、Zt、Z1、・・・Znに式「(1/Ztotal )=(1/Zt)+(1/Z1)+・・・+(1/Zn)」で示される関係があるためである。この式から分かるように、インピーダンスZtがペア線の特性インピーダンス値と等しい小さい値になり、各端末のインピーダンスZ1〜Znが上記特性インピーダンス値よりも十分に高い値になると、全体のインピーダンスZtotal は、ほぼインピーダンスZtによって決まり、インピーダンスZ1〜Znの影響をほとんど受けなくなる。
また、給電ユニットの給電回路のインピーダンスがペア線の特性インピーダンス値と等しい小さい値にすれば、給電ユニットの給電に伴う電圧波形にノイズが乗ったときに給電ユニットや端末といった各種機器からの送信を行えなくなってしまうという通信不良を招くといった不具合が生じることもない。
ここで、上記ペア線を用いた通信を行う給電ユニットや端末等の各種機器においては、上記電圧波形が一定のレベル(キャリア検出レベル)を越えて大きくなると、それを他の機器の送信中であると判断して自機からの送信を禁止する機能を有している。このため、給電ユニット及び端末といった機器は、上記電圧波形にノイズが乗って同波形がキャリア検出レベルを越えて大きくなると、それを他の機器の送信中であると誤判断して自機からの送信を禁止してしまい、上述したように送信を行えなくなって通信不良を招くこととなる。
しかし、給電ユニットの給電回路のインピーダンスをペア線の特性インピーダンス値と等しい小さい値にすれば、電流が流れやすくなって給電ユニットの給電に伴う電圧が下がるため、上記電圧波形にノイズが乗っても同波形がキャリア検出レベルを越えて大きくなることはなくなる。従って、ノイズの乗った上記電圧波形がキャリア検出レベルを越えて大きくなることに起因して、給電ユニット及び端末といった機器が送信を行えなくなり、通信不良を招くという上記不具合が生じることを回避できる。
ところで、上記配電システムにおいては、給電ユニットの追加等により、ペア線に対し複数の給電ユニットが並列に接続される場合がある。この場合、各給電ユニットすべてで給電回路のインピーダンスがペア線の特性インピーダンス値と等しい値になると、それら給電ユニットの並列等価インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値に対し過度に小さくなる。このように各給電ユニットの並列等価インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値に対し過度に小さくなると、給電ユニットの給電に伴う電圧が下がって上記電圧波形に信号が乗りにくくなり、通信不良を招くおそれがある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ペア線に複数の給電ユニットが並列に接続される場合にペア線を通信線として用いた通信を良好に行うことのできる配電システムを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、給電ユニット及び端末が同一のペア線に接続され、前記給電ユニットに設けられた給電回路により前記ペア線を介して前記端末への給電を行うとともに、前記ペア線を通信線として用いる配電システムにおいて、複数の前記給電ユニットが同一のペア線に並列に接続されているとき、各給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスの並列等価インピーダンスが前記ペア線の特性インピーダンス値に近づくよう、前記各給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスを可変とする制御部を備えた。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、給電ユニット及び端末が同一のペア線に接続され、前記給電ユニットに設けられた給電回路により前記ペア線を介して前記端末への給電を行うとともに、前記ペア線を通信線として用いる配電システムにおいて、複数の前記給電ユニットが同一のペア線に並列に接続されているとき、各給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスの並列等価インピーダンスが前記ペア線の特性インピーダンス値に近づくよう、前記各給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスを可変とする制御部を備えた。
給電回路のインピーダンスをペア線の特性インピーダンス値と等しくした給電ユニットが同ペア線に対し複数並列に接続されると、各給電ユニットの並列等価インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値に対し過度に小さくなり、給電ユニットの給電に伴う電圧波形に信号が乗りにくくなって通信不良を招くおそれがある。しかし、上記構成によれば、複数の給電ユニットがペア線に接続されているときには、各給電ユニットの並列等価インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値に近づくよう、各給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスがそれぞれ可変とされる。これにより、各給電ユニットの並列等価インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値に対し過度に小さくなることを抑制でき、ひいては上記通信不良が生じることを抑制できる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスは、前記ペア線の特性インピーダンス値と略同等の値とした第1のインピーダンスと、それよりも高い値である第2のインピーダンスとの二つの値の間で切り替え可能であり、前記制御部は、前記ペア線に最初に接続された前記給電ユニットに関してはその給電回路の入力インピーダンスを前記第1のインピーダンスとし、複数の前記給電ユニットのうち前記ペア線に最初に接続されたのではない前記給電ユニットに関してはその給電回路の入力インピーダンスを前記第2のインピーダンスとすることを要旨とした。
上記構成によれば、給電ユニットの追加によりペア線に対し複数の給電ユニットが並列に接続されているとき、各給電ユニットのうち最初に接続された給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値と等しくなり、他の給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値よりも高い値となる。このため、各給電ユニットの並列等価インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値に対し過度に小さくなることを抑制でき、ひいては給電ユニットの給電に伴う電圧波形に信号が乗りにくくなって通信不良が生じることを抑制できるようになる。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記制御部は、前記ペア線に接続された複数の前記給電ユニットにそれぞれ対応した異なる起動時間を予め記憶しており、各給電ユニットに対し同時に電源投入された後、その電源投入時点からの経過時間が各給電ユニットに対応した前記起動時間に達する毎に、その起動時間に対応した給電ユニットを起動させることを要旨とした。
上記構成によれば、ペア線に接続された各給電ユニットに対し同時に電源投入がなされた後、最初に起動した給電ユニットの給電回路のインピーダンスがペア線の特性インピーダンス値と等しくなり、その後に起動した他の給電ユニットの給電回路のインピーダンスがペア線の特性インピーダンス値よりも高い値となる。このため、各給電ユニットに対し同時に電源投入された場合に、一つの給電ユニットの給電回路のインピーダンスをペア線の特性インピーダンス値と等しくし、他の給電ユニットの給電回路のインピーダンスをペア線の特性インピーダンス値よりも高い値とすることができる。
請求項4記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記制御部は、前記ペア線に接続された複数の前記給電ユニットに対し同時に電源投入されたとき、各給電ユニット毎に異なる起動時間を割り当て、その電源投入時点からの経過時間が各給電ユニットに対応した前記起動時時間に達する毎に、その起動時間に対応した給電ユニットを起動させることを要旨とした。
上記構成によれば、ペア線に接続された各給電ユニットに対し同時に電源投入がなされた後、最初に起動した給電ユニットの給電回路のインピーダンスがペア線の特性インピーダンス値と等しくなり、その後に起動した他の給電ユニットの給電回路のインピーダンスがペア線の特性インピーダンス値よりも高い値となる。このため、各給電ユニットに対し同時に電源投入された場合に、一つの給電ユニットの給電回路のインピーダンスをペア線の特性インピーダンス値と等しくし、他の給電ユニットの給電回路のインピーダンスをペア線の特性インピーダンス値よりも高い値とすることができる。また、電源投入後に給電ユニットが起動するまでの時間として異なる起動時間をそれぞれ任意の給電ユニットに割り当てることができるため、最初に起動する給電ユニット、すなわち給電回路のインピーダンスをペア線の特性インピーダンス値と等しい値(第1のインピーダンス)とする給電ユニットを任意に定めることができる。
請求項5記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記給電ユニットは、前記ペア線に接続されたときに電圧を検出する電圧検出回路を備え、前記制御部は、前記給電ユニットの電圧検出回路によって検出された電圧に基づき前記ペア線に既に給電ユニットが接続されているか否かを判断することを要旨とした。
上記構成によれば、給電ユニットがペア線に接続されたとき、その給電ユニットの電圧検出回路により電圧が検出される。このときの電圧は、ペア線に対し既に給電ユニットが接続されて給電が行われているか否かによって異なる値となる。このため、上記電圧に基づきペア線に対し既に給電ユニットが接続されているか否かを的確に判断することができる。
請求項6記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記給電ユニットは、前記ペア線に接続されたときに新規参入通知を送信する一方、前記ペア線に接続された状態で新規参入通知を受信したときには自機の給電回路の入力インピーダンス情報を送信するものであり、前記制御部は、前記新規参入通知を受信したとき、前記ペア線に接続された各給電ユニットからの入力インピーダンス情報に基づき、給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとなっている給電ユニットが既に存在しているか否かを判断し、同給電ユニットが既に存在しているときには前記新規参入通知を送信した給電ユニットにおける給電回路の入力インピーダンスを前記第2のインピーダンスとし、存在していないときには前記新規参入通知を送信した給電ユニットにおける給電回路の入力インピーダンスを前記第1のインピーダンスとすることを要旨とした。
上記構成によれば、ペア線に対し新規に給電ユニットが接続されると、その給電ユニットからの新規参入通知により、ペア線に対し既に接続されている給電ユニットから入力インピーダンス情報が送信される。従って、上記入力インピーダンス情報に基づき、入力インピーダンスが第1のインピーダンスとなっている給電ユニットが既に存在しているか否かを的確に判断することができ、その判断結果に応じて上記新規に接続された給電ユニットの入力インピーダンスを第1のインピーダンスと第2のインピーダンスとのいずれか適切な方の値に定めることができる。
ここで、配電システムにおいてはペア線の途中に直流カット用のコンデンサが設けられる場合があり、この場合にはペア線に対し新規に給電ユニットが接続されたとき、請求項5記載の発明のように電圧に基づいて同ペア線に対し既に給電ユニットが接続されているか否かを判断することはできない。しかし、上記構成によれば、こうした状況のもとでも、上述した効果が得られるようになる。これは、新規参入通知や入力インピーダンス情報といった信号に関しては、電圧波形に乗せるかたちでペア線を介してやり取りされるため、そのペア線に上述したような直流カット用のコンデンサが設けられていても、同コンデンサを跨いでやり取りが可能なためである。
請求項7記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスは、前記ペア線の特性インピーダンス値と略同等の値とした第1のインピーダンスと、それよりも高い値である第2のインピーダンスとの二つの値の間で切り替え可能であり、前記ペア線に接続された各給電ユニットにはそれぞれ前記制御部が設けられており、前記各給電ユニットの制御部は、前記各給電ユニットに対し同時に電源投入されたとき、(A)他の給電ユニットに向けて終端確認通知を周期的に送信する一方、(B)他の給電ユニットの制御部からの終端確認通知を受信したときには前記終端確認通知の送信を中断して自機の給電回路の入力インピーダンス情報を他の給電ユニットに向けて送信し、(C)自機以外のすべての給電ユニットの入力インピーダンス情報に基づき、他の給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスがすべて前記第2のインピーダンスであれば各給電ユニットのうちのいずれか一つの給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスを前記第1のインピーダンスとし、前記他の給電ユニットにおいて給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとされたものが既に存在していれば自機の給電回路の入力インピーダンスを第2のインピーダンスとすることを要旨とした。
上記構成によれば、ペア線に接続された各給電ユニットに対し同時に電源投入がなされると、上記(A)〜(C)の処理を通じて各給電ユニットの給電回路の入力インピーダンス値が次のように定められる。すなわち、各給電ユニットのうち、いずれか一つの給電ユニットで給電回路の入力インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値と等しくされ、他の給電ユニットで給電回路の入力インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値よりも高い値とされる。このため、ペア線に接続された各給電ユニットに対し同時に電源投入がなされたとき、各給電ユニットの並列等価インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値に対し過度に小さくなることを抑制でき、ひいては給電ユニットの給電に伴う電圧波形に信号が乗りにくくなって通信不良が生じることを抑制できるようになる。
請求項8記載の発明では、請求項7記載の発明において、前記各給電ユニットのうち、いずれか一つの給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとされ、他の給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスが前記第2のインピーダンスとされた状態が確定した後、給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとされた給電ユニットの制御部は、周期的に終端生存通知を他の給電ユニットに送信し、前記他の給電ユニットの制御部は、前記終端生存通知を受信できないときに前記(A)〜(C)の処理を実行することを要旨とした。
上記構成によれば、ペア線に接続された各給電ユニットのうち、給電回路の入力インピーダンスが第1のインピーダンス(ペア線の特性インピーダンス値)となっている給電ユニットがペア線から分離されたとき、上記(A)〜(C)の処理を通じて残りの給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスが次のように定められる。すなわち、各給電ユニットのうち、いずれか一つの給電ユニットで給電回路の入力インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値と等しくされ、他の給電ユニットで給電回路の入力インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値よりも高い値とされる。このため、給電回路の入力インピーダンスが第1のインピーダンスである給電ユニットがペア線から分離されたときも、各給電ユニットの並列等価インピーダンスをペア線の特性インピーダンス値に対し過度に離れることのない適切な値とすることができる。
請求項9記載の発明では、請求項7記載の発明において、前記各給電ユニットのうち、いずれか一つの給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとされ、他の給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスが前記第2のインピーダンスとされた状態が確定した後、給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとされた給電ユニットの制御部は、周期的に自機の給電回路の入力インピーダンスを前記第2のインピーダンスに切り替えて終端確認通知を前記ペア線に接続された他の給電ユニットに送信する一方、その終端確認通知に応答して前記他の給電ユニットから送信された同給電ユニットの入力インピーダンス情報に基づき、前記他の給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスがすべて前記第2のインピーダンスであれば各給電ユニットのうちのいずれか一つの給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスを前記第1のインピーダンスとし、前記他の給電ユニットにおいて給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとされたものが既に存在していれば自機の給電回路の入力インピーダンスを第2のインピーダンスとすることを要旨とした。
上記構成によれば、給電回路の入力インピーダンスが第1のインピーダンス(ペア線の特性インピーダンス値)とされた給電ユニットは、周期的に給電回路の入力インピーダンスを第2のインピーダンス(ペア線の特性インピーダンス値よりも高い値)に切り替えて終端確認通知を送信する。そして、その終端確認通知に基づき、他の給電ユニットが各々入力インピーダンス情報を送信する。従って、ペア線に対し新規に給電ユニットが接続されると、その給電ユニットも上記終端確認通知に基づき自機の入力インピーダンス情報を送信することになる。そして、ペア線に接続された各給電ユニットの入力インピーダンス情報に基づき、各給電ユニットのうちのいずれか一つの給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値と等しくされ、他の給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスがペア線の特性インピーダンス値よりも高い値とされる。このため、ペア線に対し新規に給電ユニットが接続されたときに、各給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスを上述したように適切に定めることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明を住宅等の電力供給システムに適用した第1実施形態を図1及び図2に従って説明する。
以下、本発明を住宅等の電力供給システムに適用した第1実施形態を図1及び図2に従って説明する。
図1に示すように、住宅には、宅内に設置された各種機器(照明機器、エアコン、家電、オーディオビジュアル機器等)に電力を供給する電力供給システム1が設けられている。電力供給システム1は、家庭用の商用交流電源(AC電源)2を電力として各種機器を動作させる他に、太陽光により発電する太陽電池3の電力も各種機器に電源として供給する。電力供給システム1は、直流電源(DC電源)を入力して動作するDC機器5の他に、交流電源(AC電源)を入力して動作するAC機器6にも電力を供給する。
電力供給システム1には、同システム1の分電盤としてコントロールユニット7及びDC分電盤(直流ブレーカ内蔵)8が設けられている。また、電力供給システム1には、住宅のDC機器5の動作を制御する機器として制御ユニット9及びリレーユニット10が設けられている。
コントロールユニット7には、交流電源を分岐させるAC分電盤11が交流系電力線12を介して接続されている。コントロールユニット7は、このAC分電盤11を介して商用交流電源2に接続されるとともに、直流系電力線13を介して太陽電池3に接続されている。コントロールユニット7は、AC分電盤11から交流電力を取り込むとともに太陽電池3から直流電力を取り込み、これら電力を機器電源として所定の直流電力に変換する。そして、コントロールユニット7は、この変換後の直流電力を、直流系電力線14を介してDC分電盤8に出力したり、又は直流系電力線15を介して蓄電池16に出力して同電力を蓄電したりする。コントロールユニット7は、AC分電盤11から交流電力を取り込むのみならず、太陽電池3や蓄電池16の直流電力を交流電力に変換してAC分電盤11に供給することも可能である。コントロールユニット7は、信号線17を介してDC分電盤8とのデータのやり取りを実行する。
DC分電盤8は、直流電力対応の一種のブレーカである。DC分電盤8は、コントロールユニット7から入力した直流電力を分岐させ、その分岐後の直流電力を、直流系電力線18を介して制御ユニット9に出力したり、直流系電力線19を介してリレーユニット10に出力したりする。また、DC分電盤8は、信号線20を介して制御ユニット9とのデータのやり取りをしたり、信号線21を介してリレーユニット10とのデータのやり取りをしたりする。
制御ユニット9には、複数のDC機器5,5…が接続されている。これらDC機器5は、直流電力及びデータの両方を1対の線によって搬送可能な直流供給線路22を介して制御ユニット9と接続されている。直流供給線路22は、DC機器の電源となる直流電圧に、高周波の搬送波によりデータを電送する通信信号を重畳する、いわゆる電力線搬送通信により、1対の線で電力及びデータの両方をDC機器5に搬送する。制御ユニット9は、直流系電力線18を介してDC機器5の直流電源を取得し、DC分電盤8から信号線20を介して得る動作指令を基に、どのDC機器5をどのように制御するのかを把握する。そして、制御ユニット9は、指示されたDC機器5に直流供給線路22を介して直流電圧及び動作指令を出力し、DC機器5の動作を制御する。
制御ユニット9には、宅内のDC機器5の動作を切り換える際に操作するスイッチ23が直流供給線路22を介して接続されている。また、制御ユニット9には、例えば赤外線リモートコントローラからの発信電波を検出するセンサ24が直流供給線路22を介して接続されている。よって、DC分電盤8からの動作指示のみならず、スイッチ23の操作やセンサ24の検知によっても、直流供給線路22に通信信号を流してDC機器5が制御される。
リレーユニット10には、複数のDC機器5,5…がそれぞれ個別の直流系電力線25を介して接続されている。リレーユニット10は、直流系電力線19を介してDC機器5の直流電源を取得し、DC分電盤8から信号線21を介して得る動作指令を基に、どのDC機器5を動作させるのかを把握する。そして、リレーユニット10は、指示されたDC機器5に対し、内蔵のリレーにて直流系電力線25への電源供給をオンオフすることで、DC機器5の動作を制御する。また、リレーユニット10には、DC機器5を手動操作するための複数のスイッチ26が接続されており、スイッチ26の操作によって直流系電力線25への電源供給をリレーにてオンオフすることにより、DC機器5が制御される。
DC分電盤8には、例えば壁コンセントや床コンセントの態様で住宅に建て付けられた直流コンセント27が直流系電力線28を介して接続されている。この直流コンセント27にDC機器のプラグ(図示略)を差し込めば、同機器に直流電力を直接供給することが可能である。
また、商用交流電源2とAC分電盤11との間には、商用交流電源2の使用量を遠隔検針可能な電力メータ29が接続されている。電力メータ29には、商用電源使用量の遠隔検針の機能のみならず、例えば電力線搬送通信や無線通信の機能が搭載されている。電力メータ29は、こうした電力線搬送通信や無線通信等を介して検針結果を電力会社等に送信する。
電力供給システム1には、宅内の各種機器をネットワーク通信によって制御可能とするネットワークシステム30が設けられている。ネットワークシステム30には、同システム30のコントロールユニットとして宅内サーバ31が設けられている。宅内サーバ31は、インターネットなどのネットワークNを介して宅外の管理サーバ32と接続されるとともに、信号線33を介して宅内機器34に接続されている。また、宅内サーバ31は、DC分電盤8から直流系電力線35を介して取得する直流電力を電源として動作する。
宅内サーバ31には、ネットワーク通信による宅内の各種機器の動作制御を管理するコントロールボックス36が信号線37を介して接続されている。コントロールボックス36は、信号線17を介してコントロールユニット7及びDC分電盤8に接続されるとともに、直流供給線路38を介してDC機器5を直接制御可能である。コントロールボックス36には、例えば使用したガス量や水道量を遠隔検針可能なガス/水道メータ39が接続されるとともに、ネットワークシステム30の操作パネル40に接続されている。操作パネル40には、例えばドアホン子器やセンサやカメラからなる監視機器41が接続されている。
宅内サーバ31は、ネットワークNを介して宅内の各種機器の動作指令を入力すると、コントロールボックス36に指示を通知して、各種機器が動作指令に準じた動作をとるようにコントロールボックス36を動作させる。また、宅内サーバ31は、ガス/水道メータ39から取得した各種情報を、ネットワークNを通じて管理サーバ32に提供可能であるとともに、監視機器41で異常検出があったことを操作パネル40から受け付けると、その旨もネットワークNを通じて管理サーバ32に提供する。
以上のように構成された電力供給システム1の制御ユニット9とDC機器5とを直流供給線路22により接続した部分において、制御ユニット9は本発明の配電システムにおける制御部として機能し、直流供給線路22は同配電システムのペア線として機能し、DC機器5は同配電システムの端末として機能する。また、上記配電システムにおいては、直流供給線路22に給電ユニットが接続され、その給電ユニットの給電回路により同ユニットと同一の直流供給線路22上に接続されたDC機器5への給電が行われる。更に、同一の直流供給線路22上に接続された制御ユニット9、DC機器5、及び給電ユニットは、その直流供給線路22を通信線として互いに通信可能となっている。
図2は、上記配電システムの構成を示す概略図である。同配電システムにおいては、直流供給線路22に対し、一つの制御ユニット9及び複数のDC機器5が接続されるとともに、複数の給電ユニット51が並列に接続されている。この配電システムのように、一つの直流供給線路22に対し複数の給電ユニット51が並列に接続される理由としては、DC機器5の増設等による給電不足解消のために給電ユニット51が追加接続された等の理由があげられる。なお、同配電システムに設けられた給電ユニット51やDC機器5等の各種機器は、給電ユニット51の給電に伴う電圧波形が一定のレベル(キャリア検出レベル)を越えて大きくなると、それを他の機器の送信中であると判断して自機からの送信を禁止する機能を有している。
上記配電システムの各給電ユニット51は、直流供給線路22を介してDC機器5への給電を行う給電回路52を備えており、この給電回路52の入力インピーダンスを連続的もしくは段階的に可変可能となっている。また、制御ユニット9は、上述したように同一の直流供給線路22に対し複数の給電ユニット51が並列に接続されているときには、各給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスをそれぞれ次のように可変設定する。すなわち、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に近づくよう、各給電ユニット51毎に給電回路52の入力インピーダンスを可変設定する。
より詳しくは、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0よりも高い値である場合には、その並列等価インピーダンスが上記特性インピーダンス値Z0に向けて低くなるよう、各給電ユニット51毎に給電回路52の入力インピーダンスを可変設定する。また、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0よりも低い値である場合には、その並列等価インピーダンスが上記特性インピーダンス値Z0に向けて高くなるよう、各給電ユニット51毎に給電回路52の入力インピーダンスを可変設定する。
以上詳述したように本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)仮に、給電回路52の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しくした給電ユニット51が同直流供給線路22に対し複数並列に接続されたとすると、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなる。その結果、給電ユニット51の給電に伴う電圧波形に信号が乗りにくくなり、配電システムにおける直流供給線路22を通信線として用いた通信に不良が生じるおそれがある。しかし、複数の給電ユニット51が直流供給線路22に接続されているときには、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に近づくよう、各給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスがそれぞれ可変設定される。これにより、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなることを抑制でき、ひいては上記通信不良が生じることを抑制して通信を良好に行うことができる。
(1)仮に、給電回路52の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しくした給電ユニット51が同直流供給線路22に対し複数並列に接続されたとすると、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなる。その結果、給電ユニット51の給電に伴う電圧波形に信号が乗りにくくなり、配電システムにおける直流供給線路22を通信線として用いた通信に不良が生じるおそれがある。しかし、複数の給電ユニット51が直流供給線路22に接続されているときには、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に近づくよう、各給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスがそれぞれ可変設定される。これにより、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなることを抑制でき、ひいては上記通信不良が生じることを抑制して通信を良好に行うことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図3〜図5に基づき説明する。
この実施形態は、直流供給線路22に既に接続された給電ユニット51が起動した状態で、同直流供給線路22に対し他の給電ユニット51を追加接続するような場合に、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなることを抑制するものである。
次に、本発明の第2実施形態を図3〜図5に基づき説明する。
この実施形態は、直流供給線路22に既に接続された給電ユニット51が起動した状態で、同直流供給線路22に対し他の給電ユニット51を追加接続するような場合に、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなることを抑制するものである。
図3は、この実施形態における配電システムの構成を示す概略図である。同配電システムの給電ユニット51は、給電回路52の入力インピーダンスを第1のインピーダンスZaと第2のインピーダンスZbとの二つの値の間で切り換え可能となっている。なお、上記第1のインピーダンスZaは直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しい値に設定されており、上記第2のインピーダンスZbは直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し十分に高い値に設定されている。
また、上記配電システムにおいては、第1実施形態のように制御ユニット9が制御部として機能する代わりに、各給電ユニット51にそれぞれ制御部53が設けられている。また、各給電ユニット51には、図4に示されるような電圧検出回路54及びインピーダンス切替回路55も設けられている。この電圧検出回路54は、自身の属する給電ユニット51の直流供給線路22に対する接続時に電圧を検出するためのものである。一方、インピーダンス切替回路55は、自身の属する給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを第1のインピーダンスZaと第2のインピーダンスZbとの間で切り替えるためのものである。
給電ユニット51に設けられた制御部53(図3)は、自身の属する給電ユニット51が直流供給線路22に接続されたとき、電圧検出回路54によって検出された電圧に基づき、直流供給線路22に既に起動状態の他の給電ユニット51が接続されているか否かを判断する。言い換えれば、制御部53は、自身の属する給電ユニット51が直流供給線路22に対し最初に接続された給電ユニットであるか否かを判断する。なお、給電ユニット51が直流供給線路22に対し接続されたときの電圧に基づき、その直流供給線路22に対し既に他の給電ユニット51が接続されているか否かを判断できるのは、上記電圧が直流供給線路22に対し既に起動状態の他の給電ユニット51が接続されているか否かによって異なる値となるためである。
そして、制御部53は、自身の属する給電ユニット51が最初に直流供給線路22に対し接続される給電ユニットであれば、給電回路52の入力インピーダンスをインピーダンス切替回路55を通じて上記第1のインピーダンスZaに切り替える。また、制御部53は、直流供給線路22に対し自機の他に給電ユニット51が接続されていれば、自機の給電回路52の入力インピーダンスを上記第2のインピーダンスZbに切り替える。図5は、直流供給線路22に対し新規に給電ユニット51が接続されたとき、直流供給線路22に対する起動状態の他の給電ユニット51の接続の有無に応じて、上記新規の給電ユニット51における給電回路52の入力インピーダンスがどのような態様で切り替えられるかを示した表である。
本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(2)給電ユニット51の追加により直流供給線路22に対し複数の給電ユニット51が並列に接続されているとき、各給電ユニット51のうち最初に接続された給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しい値(第1のインピーダンスZa)となる。また、他の給電ユニット51における給電回路52の入力インピーダンスは、直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し十分に高い値(第2のインピーダンスZb)となる。このため、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなることを抑制でき、ひいては給電ユニット51の給電に伴う電圧波形に信号が乗りにくくなって通信不良が生じることを抑制し、通信を良好に行うことができるようになる。
(2)給電ユニット51の追加により直流供給線路22に対し複数の給電ユニット51が並列に接続されているとき、各給電ユニット51のうち最初に接続された給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しい値(第1のインピーダンスZa)となる。また、他の給電ユニット51における給電回路52の入力インピーダンスは、直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し十分に高い値(第2のインピーダンスZb)となる。このため、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなることを抑制でき、ひいては給電ユニット51の給電に伴う電圧波形に信号が乗りにくくなって通信不良が生じることを抑制し、通信を良好に行うことができるようになる。
(3)給電ユニット51が直流供給線路22に接続されたとき、その給電ユニット51の電圧検出回路54により電圧が検出される。このときの電圧は、直流供給線路22に対し既に給電ユニット51が接続されて給電が行われているか否かによって異なる値となる。このため、上記電圧に基づき直流供給線路22に対し既に給電ユニット51が接続されているか否かを的確に判断することができる。そして、その判断結果に基づき、直流供給線路22に接続された給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを、第1のインピーダンスZaと第2のインピーダンスZbとのいずれか適切な方に切り替えることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図6に基づき説明する。
この実施形態は、直流供給線路22に未起動状態の複数の給電ユニット51が接続されている状況のもと、各給電ユニット51を起動させるべくそれらに対し同時に電源投入がなされた場合に、それら給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなることを抑制するものである。より詳しくは、上記のように電源投入がなされた場合にも、一つの給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しくし、他の給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0よりも高い値とすることを可能としたものである。
次に、本発明の第3実施形態を図6に基づき説明する。
この実施形態は、直流供給線路22に未起動状態の複数の給電ユニット51が接続されている状況のもと、各給電ユニット51を起動させるべくそれらに対し同時に電源投入がなされた場合に、それら給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなることを抑制するものである。より詳しくは、上記のように電源投入がなされた場合にも、一つの給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しくし、他の給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0よりも高い値とすることを可能としたものである。
図6は、この実施形態における配電システムの構成を示す概略図である。同配電システムは第2実施形態の配電システムと同一の構成となっている。ただし、この実施形態における各給電ユニット51の制御部53はそれぞれ、予め定められた起動時間t1,t2,t3を記憶しており、各給電ユニット51に対し同時に電源投入されたときには同電源投入時点からの経過時間が上記起動時間t1,t2,t3に達してから自機を起動する。なお、各給電ユニット51毎に定められる起動時間t1,t2,t3はそれぞれ、互いに異なる値となるよう定められている。ちなみに、この実施形態では、起動時間t1,t2,t3は「t2<t1<t3」の関係を有するように定められている。
この場合、直流供給線路22に接続された未起動の各給電ユニット51に対し同時に電源投入がなされると、その電源投入時点からの経過時間が起動時間t2に達したとき、その起動時間t2に定められた給電ユニット51が起動する。このときには、他に起動状態で直流供給線路22に接続された給電ユニット51は存在しないため、上記起動した給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しい値(第1のインピーダンスZa)とされる。その後、電源投入時点からの経過時間が起動時間t1,t3に達すると、その時点で起動時間t1,t3に定められた給電ユニット51が起動する。このときには、既に起動状態で直流供給線路22に接続された給電ユニット51(この例では起動時間t2に定められた給電ユニット51)が存在するため、上記起動時間t1,t3に定められた給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0よりも高い値(第2のインピーダンスZb)とされる。
この実施形態によれば、第2実施形態の(2)及び(3)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(4)直流供給線路22に接続された各給電ユニット51に対し同時に電源投入がなされた後、最初に起動した給電ユニット51(この例では起動時間t2に定められた給電ユニット51)の給電回路52の入力インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しい値(第1のインピーダンスZa)になる。そして、その後に起動した他の給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスは、直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0よりも高い値(第2のインピーダンスZb)となる。このため、各給電ユニット51に対し同時に電源投入された場合に、一つの給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しくし、他の給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0よりも高い値とすることができる。
(4)直流供給線路22に接続された各給電ユニット51に対し同時に電源投入がなされた後、最初に起動した給電ユニット51(この例では起動時間t2に定められた給電ユニット51)の給電回路52の入力インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しい値(第1のインピーダンスZa)になる。そして、その後に起動した他の給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスは、直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0よりも高い値(第2のインピーダンスZb)となる。このため、各給電ユニット51に対し同時に電源投入された場合に、一つの給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しくし、他の給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0よりも高い値とすることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図7に基づき説明する。
第2実施形態の配電システムにおいて、直流供給線路22の途中に直流カット用のコンデンサが設けられる場合、直流供給線路22に対し新規に給電ユニット51が接続されたときに電圧に基づいて同直流供給線路22に対し既に起動状態の給電ユニット51が接続されているか否かを判断できない。この実施形態は、こうした問題に対応することを目的としたものである。
次に、本発明の第4実施形態を図7に基づき説明する。
第2実施形態の配電システムにおいて、直流供給線路22の途中に直流カット用のコンデンサが設けられる場合、直流供給線路22に対し新規に給電ユニット51が接続されたときに電圧に基づいて同直流供給線路22に対し既に起動状態の給電ユニット51が接続されているか否かを判断できない。この実施形態は、こうした問題に対応することを目的としたものである。
図7は、この実施形態における配電システムの構成を示す概略図である。同配電システムにおいては、上述したように直流供給線路22の途中に直流カット用のコンデンサ56が設けられている。また、給電ユニット51は、第2実施形態のような電圧検出回路54(図4)を備えておらず、第2実施形態のものと比較して次のような機能が追加されている。すなわち、上記給電ユニット51においては、直流供給線路22に接続されたときに新規参入通知を他の給電ユニット51及びその制御部53に向けて送信する機能が追加されている。更に、給電ユニット51においては、直流供給線路22に接続された状態で他の給電ユニット51からの新規参入通知を受信したとき、自機の給電回路52の入力インピーダンス情報を他の給電ユニット51の制御部53に向けて送信する機能も追加されている。なお、ここでの入力インピーダンス情報とは、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZa(=Z0)であるか、あるいは第2のインピーダンスZb(>>Z0)であるかに関する情報である。
各給電ユニット51に設けられた制御部53は、自機以外の給電ユニット51からの新規参入通知を受信したとき、直流供給線路22に接続された各給電ユニット51の入力インピーダンス情報を収集する。そして、各給電ユニット51に設けられた制御部53のうち、直流供給線路22に既に接続されていた給電ユニット51すべての入力インピーダンス情報が最初にそろった制御部53は、それら情報に基づき、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとなっている給電ユニット51が既に存在しているか否かを判断する。そして、上記制御部53は、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとなっている給電ユニット51が既に存在しているときには、上記新規参入通知を送信した給電ユニット51における給電回路52の入力インピーダンスを第2のインピーダンスZbとする。また、上記制御部53は、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとなっている給電ユニット51が存在していないときには、上記新規参入通知を送信した給電ユニット51における給電回路52の入力インピーダンス記第1のインピーダンスZaとする。
本実施形態によれば、第2実施形態の(2)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(5)直流供給線路22に対し新規に給電ユニット51が接続されると、その給電ユニット51からの新規参入通知に基づき、直流供給線路22に対し既に接続されている給電ユニット51から自機の入力インピーダンス情報が送信される。そして、直流供給線路22に対し既に接続されている給電ユニット51すべての入力インピーダンス情報に基づき、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとなっている給電ユニット51が既に存在しているか否かが的確に判断される。こうした判断の結果に応じて、直流供給線路22に対し新規に接続された給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを、的確に第1のインピーダンスZaと第2のインピーダンスZbとのいずれか適切な方の値に定めることができる。
(5)直流供給線路22に対し新規に給電ユニット51が接続されると、その給電ユニット51からの新規参入通知に基づき、直流供給線路22に対し既に接続されている給電ユニット51から自機の入力インピーダンス情報が送信される。そして、直流供給線路22に対し既に接続されている給電ユニット51すべての入力インピーダンス情報に基づき、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとなっている給電ユニット51が既に存在しているか否かが的確に判断される。こうした判断の結果に応じて、直流供給線路22に対し新規に接続された給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを、的確に第1のインピーダンスZaと第2のインピーダンスZbとのいずれか適切な方の値に定めることができる。
なお、こうした効果に関しては、直流供給線路22の途中に直流カット用のコンデンサ56が設けられており、そのために直流供給線路22に対し新規に給電ユニット51が接続されたときに電圧に基づいて同直流供給線路22に対し既に給電ユニット51が接続されているか否かを判断できない場合でも得られる。これは、新規参入通知や入力インピーダンス情報といった信号に関しては、電圧波形に乗せるかたちで直流供給線路22を介してやり取りされるため、直流供給線路22の途中に上述したような直流カット用のコンデンサ56が設けられていても、同コンデンサ56を跨いでやり取りが可能なためである。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態を図8に基づき説明する。
この実施形態は、第4実施形態の配電システムにおいて、直流供給線路22に未起動状態の複数の給電ユニット51が接続されている状況のもと、各給電ユニット51を起動させるべくそれらに対し同時に電源投入がなされた場合に対処するためのものである。すなわち、この実施形態では、上記のように電源投入がなされた場合にも、一つの給電ユニット51の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しくし、他の給電ユニット51の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0よりも高い値とすることを実現可能となっている。
次に、本発明の第5実施形態を図8に基づき説明する。
この実施形態は、第4実施形態の配電システムにおいて、直流供給線路22に未起動状態の複数の給電ユニット51が接続されている状況のもと、各給電ユニット51を起動させるべくそれらに対し同時に電源投入がなされた場合に対処するためのものである。すなわち、この実施形態では、上記のように電源投入がなされた場合にも、一つの給電ユニット51の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しくし、他の給電ユニット51の入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0よりも高い値とすることを実現可能となっている。
この実施形態の給電ユニット51の制御部53は、第4実施形態のものと比較して、次の(A)〜(C)の処理を行う機能が追加されている。
(A)給電ユニット51に対し電源投入がなされたとき、それに基づき周期的に終端確認通知を他の給電ユニット51の制御部53に向けて送信する。
(A)給電ユニット51に対し電源投入がなされたとき、それに基づき周期的に終端確認通知を他の給電ユニット51の制御部53に向けて送信する。
(B)他の給電ユニット51の制御部53からの終端確認通知を受信したとき、上記終端確認通知の送信を中断して自機の給電回路52の入力インピーダンス情報を他の給電ユニット51の制御部53に向けて送信する。
(C)自機以外の給電ユニット51からの新規参入通知を受信したとき、直流供給線路22に接続された各給電ユニット51の入力インピーダンス情報を収集する。そして、直流供給線路22に既に接続されていた給電ユニット51すべての入力インピーダンス情報がそろったとき、それら入力インピーダンス情報に基づき、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとなっている給電ユニット51が既に存在しているか否かを判断する。ここで、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとなっている給電ユニット51が存在していないときには、自機の給電回路52の入力インピーダンスを第1のインピーダンスZaとする。また、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとなっている給電ユニット51が既に存在しているときには、自機の給電回路52の入力インピーダンスを第2のインピーダンスZbとする。
次に、直流供給線路22に未起動状態の複数の給電ユニット51が接続されている状況のもと、各給電ユニット51を起動させるべくそれらに対し同時に電源投入がなされたとき、各給電ユニット51の制御部53にて行われる処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。
なお、このフローチャートに示される一連の処理は、各給電ユニット51の制御部53により、上記のように各給電ユニット51に対し同時に電源投入がなされたときに開始される。ちなみに、このフローチャートにおいては、ステップ(以下、単にSと表記する)101が上記(A)の処理に相当し、S102〜S104の処理が上記(B)の処理に相当し、S105〜S108の処理が上記(C)の処理に相当する。
上記のように各給電ユニット51に対し電源投入がなされると、制御部53は他の制御部53に向けて周期的に終端確認通知を送信する(S101)。また、制御部53は、他の制御部53からの終端確認通知を受信すると(S102:YES)、終端確認通知の送信を中断し(S103)、自機の入力インピーダンス情報を他の給電ユニット51の制御部53に向けて送信する(S104)。そして、制御部53は、自機以外の給電ユニット51すべての入力インピーダンス情報がそろったか否かを判断する(S105)。
上記電源投入時、各給電ユニット51における給電回路52の入力インピーダンスが適切に設定されておらず、各給電ユニット51の並列等価インピーダンス値が直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対して大きすぎたり小さすぎたりすると、各給電ユニット51の制御部53間で通信不良が生じる可能性がある。また、各制御部53から送信される信号の衝突等によって制御部53間で通信不良が生じる可能性もある。こうした状況のもとでも、制御部53間での終端確認通知や入力インピーダンス情報のやり取りが実現されるよう、それらのやり取りが可能になるまで制御部53からの終端確認通知の送信や入力インピーダンス情報の送信が周期的に実行される。
そして、制御部53間での通信が可能になり、上記終端確認通知及び上記入力インピーダンス情報のやり取りが可能になると、制御部53は、自機以外の各給電ユニット51すべての入力インピーダンス情報を取得可能となる。そして、自機以外の各給電ユニット51すべての入力インピーダンス情報を取得した制御部53においては、S105で肯定判定がなされ、それら入力インピーダンス情報に基づき、自機以外の給電ユニット51の入力インピーダンスすべてが第2のインピーダンスZbとなっているか否かを判断する(S106)。ここで肯定判定であれば、上記制御部53は、自機の給電回路52の入力インピーダンスを第1のインピーダンスZaに設定(S107)、言い換えれば自機を終端に設定する。その後、今回の終端設定が二回目のものであるか否かを判断するための終端仮確定フラグFが「0(初回)」であるか否かを判断する(S107)。ここで「F=0」であれば、終端仮確定フラグを「1」に設定し(S110)、その後にS101以降の処理が繰り返される。
そして、上記終端仮確定フラグFが「1(初回でない)」に設定された状態でステップ107で肯定判定がなさると、続くS109の処理で否定判定され、制御部53は、自機の給電回路52の入力インピーダンスを第1のインピーダンスZaに維持して同入力インピーダンスを確定する(S111)。その後、制御部53は、終端仮確定フラグFを「0」にリセットし(S112)、図8のフローチャートで示される一連の処理を終了する。一方、S101以降の処理を実行する過程において、S106で否定判定がなされる場合、すなわち自機以外の給電ユニット51において入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaに設定されたものが存在する場合、制御部53は、自機の給電ユニット51の入力インピーダンスを第2のインピーダンスZbに設定する(S108)。その後、制御部53は、上記S112の処理を実行し、図8のフローチャートで示される一連の処理を終了する。
こうした一連の処理を各給電ユニット51の制御部53すべてで実行することにより、それら各給電ユニット51に対し同時に電源投入がなされたときにも、各給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを適切に設定することが可能になる。すなわち、各給電ユニット51のうちいずれか一つの給電ユニット51で入力インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しい値(第1のインピーダンスZa)とし、他の給電ユニット51の入力インピーダンスを上記特性インピーダンス値Z0よりも高い値(第2のインピーダンスZb)とすることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、第4実施形態の(5)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(6)直流供給線路22に接続された各給電ユニット51に対し同時に電源投入がなされると、上記(A)〜(C)の処理を通じて各給電ユニット51の給電回路のインピーダンス値が次のように定められる。すなわち、各給電ユニット51のうち、いずれか一つの給電ユニット51で給電回路52の入力インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しくされ、他の給電ユニット51で給電回路52の入力インピーダンスが上記特性インピーダンス値Z0よりも高い値とされる。このため、直流供給線路22に接続された各給電ユニット51に対し同時に電源投入がなされたとき、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなることを抑制でき、ひいては給電ユニット51の給電に伴う電圧波形に信号が乗りにくくなって通信不良が生じることを抑制できる。
(6)直流供給線路22に接続された各給電ユニット51に対し同時に電源投入がなされると、上記(A)〜(C)の処理を通じて各給電ユニット51の給電回路のインピーダンス値が次のように定められる。すなわち、各給電ユニット51のうち、いずれか一つの給電ユニット51で給電回路52の入力インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しくされ、他の給電ユニット51で給電回路52の入力インピーダンスが上記特性インピーダンス値Z0よりも高い値とされる。このため、直流供給線路22に接続された各給電ユニット51に対し同時に電源投入がなされたとき、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に小さくなることを抑制でき、ひいては給電ユニット51の給電に伴う電圧波形に信号が乗りにくくなって通信不良が生じることを抑制できる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態を図9〜図11に基づき説明する。
この実施形態は、第5実施形態の配電システムにおいて、直流供給線路22に接続された各給電ユニット51のうち、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZa(=Z0)となっている給電ユニット51が直流供給線路22から分離された場合に対処するためのものである。すなわち、この実施形態では、上記のように給電ユニット51が直流供給線路22から分離された場合にも、同直流供給線路22に接続された各給電ユニット51の並列等価インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に離れることのない適切な値とすることを実現可能となっている。
次に、本発明の第6実施形態を図9〜図11に基づき説明する。
この実施形態は、第5実施形態の配電システムにおいて、直流供給線路22に接続された各給電ユニット51のうち、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZa(=Z0)となっている給電ユニット51が直流供給線路22から分離された場合に対処するためのものである。すなわち、この実施形態では、上記のように給電ユニット51が直流供給線路22から分離された場合にも、同直流供給線路22に接続された各給電ユニット51の並列等価インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に離れることのない適切な値とすることを実現可能となっている。
この実施形態では、第5実施形態において、各給電ユニット51のうち、いずれか一つの給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとされ、他の給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスが第2のインピーダンスZbとされた状態が確定した後、図9及び図11のフローチャートに示される一連の処理が行われる。
図9のフローチャートに示される処理は、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとされた給電ユニット51の制御部53により周期A毎に実行される。この制御部53は、周期A毎に終端生存通知をマルチキャストで他の給電ユニット51の制御部53に送信する(S201)。なお、このときの各給電ユニット51(制御部53)間の通信は、例えば図10のシーケンス図で示される態様で行われる。
図11のフローチャートに示される一連の処理は、給電回路52の入力インピーダンスが第2のインピーダンスZbとされた給電ユニット51の制御部53により周期的に実行される。この制御部53は、図11に示される処理を周期的に実行することにより、上記終端生存通知を受信できない期間が上記周期Aを越えて長くなったか否かを判断する(S301)。ここで肯定判定であれば、上記制御部53は、今まで第1のインピーダンスZaとされていた給電ユニット51、言い換えれば終端していた給電ユニット51が直流供給線路22から取り外されたと判断し、終端再設定処理として第5実施形態における図8のフローチャートに示される処理を実行する(S302)。
本実施形態によれば、第5実施形態の(6)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(7)直流供給線路22に接続された各給電ユニット51のうち、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZa(=Z0)となっている給電ユニット51が直流供給線路22から分離されたとき、第5実施形態の(A)〜(C)の処理を通じて残りの給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスが次のように定められる。すなわち、各給電ユニット51のうち、いずれか一つの給電ユニット51で入力インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しい値(Za)とされ、他の給電ユニット51で入力インピーダンスが上記特性インピーダンス値Z0よりも高い値(Zb)とされる。このため、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaである給電ユニット51が直流供給線路22から分離されたときも、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に離れることのない適切な値とすることができる。
(7)直流供給線路22に接続された各給電ユニット51のうち、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZa(=Z0)となっている給電ユニット51が直流供給線路22から分離されたとき、第5実施形態の(A)〜(C)の処理を通じて残りの給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスが次のように定められる。すなわち、各給電ユニット51のうち、いずれか一つの給電ユニット51で入力インピーダンスが直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しい値(Za)とされ、他の給電ユニット51で入力インピーダンスが上記特性インピーダンス値Z0よりも高い値(Zb)とされる。このため、給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaである給電ユニット51が直流供給線路22から分離されたときも、各給電ユニット51の並列等価インピーダンスを直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0に対し過度に離れることのない適切な値とすることができる。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態を図12及び図13に基づき説明する。
この実施形態は、第5実施形態の配電システムにおいて、第4実施形態に対応する部分の処理の代わりに、図12のフローチャートに示される一連の処理を行うようにしたものである。
次に、本発明の第7実施形態を図12及び図13に基づき説明する。
この実施形態は、第5実施形態の配電システムにおいて、第4実施形態に対応する部分の処理の代わりに、図12のフローチャートに示される一連の処理を行うようにしたものである。
図12のフローチャートに示される一連の処理は、次のように開始される。すなわち、各給電ユニット51のうち、いずれか一つで入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとされ、他の給電ユニット51で入力インピーダンスが第2のインピーダンスZbとされた状態が確定した後、入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとされた給電ユニット51の制御部53により開始される。
この制御部53は、周期B毎に自機の給電回路52の入力インピーダンスを第1のインピーダンスZaから第2のインピーダンスZbに切り替え、且つマルチキャストで終端確認通知を自機以外の給電ユニット51の制御部53に向けて送信する(S401)。このように送信された終端確認通知を他の給電ユニット51の制御部53が受信すると、それら制御部53は自機の入力インピーダンス情報を終端確認通知を送信した制御部53に向けてユニキャストで送信する。
このため、終端確認通知を送信した制御部53には、自機以外の給電ユニット51すべての入力インピーダンス情報が集まる。そして、この制御部53は、自機以外の給電ユニット51すべての入力インピーダンス情報がそろったか否かを判断する(S402)。同制御部53は、上記のようにそろった入力インピーダンス情報に基づき、自機以外の給電ユニット51の入力インピーダンスすべてが第2のインピーダンスZbとなっているか否かを判断する(S403)。ここで肯定判定であれば、上記制御部53は、自機の給電回路52の入力インピーダンスを第1のインピーダンスZaに設定(S404)、言い換えれば自機を終端に設定する。一方、S403で否定判定がなされる場合、すなわち自機以外の給電ユニット51において入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaに設定されたものが存在する場合、制御部53は、自機の給電ユニット51の入力インピーダンスを第2のインピーダンスZbに設定する(S405)。
なお、図12のフローチャートに示される一連の処理が実行されるときの各給電ユニット51(制御部53)間の通信は、図13のシーケンス図で示される態様で行われる。
本実施形態によれば、第5実施形態の(6)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
本実施形態によれば、第5実施形態の(6)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(8)給電回路52の入力インピーダンスが第1のインピーダンスZa(=Z0)とされた給電ユニット51は、周期的に給電回路52の入力インピーダンスを第2のインピーダンスZb(>>Z0)に切り替えて終端確認通知を送信する。そして、その終端確認通知に基づき、他の給電ユニット51が各々入力インピーダンス情報を送信する。従って、直流供給線路22に対し新規に給電ユニット51が接続されると、その給電ユニット51も上記終端確認通知に基づき自機の入力インピーダンス情報を送信することになる。そして、直流供給線路22に接続された各給電ユニット51の入力インピーダンス情報に基づき、各給電ユニット51のうちのいずれか一つで入力インピーダンスが特性インピーダンス値Z0と等しい値(Za)とされ、他の給電ユニット51で入力インピーダンスが特性インピーダンス値Z0よりも高い値(Zb)とされる。より詳しくは、上記終端確認通路を送信した制御部53は、上記入力インピーダンス情報に基づき、入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとなっている給電ユニット51がなければ、自機の入力インピーダンスを第1のインピーダンスZaとする。また、上記制御部53は、上記入力インピーダンス情報に基づき、入力インピーダンスが第1のインピーダンスZaとなっている給電ユニット51が存在していれば、自機の入力インピーダンスを第2のインピーダンスZbとする。これにより、直流供給線路22に対し新規に給電ユニット51が接続されたときに、各給電ユニット51の給電回路52の入力インピーダンスを上述したように適切に定めることができる。
[その他の実施形態]
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第7実施形態において、終端確認通知を送信した制御部53は、自機以外の給電ユニット51すべての入力インピーダンス情報に基づき自機以外の給電ユニット51すべてが第2のインピーダンスZbである旨判断したとき、自機以外の給電ユニット51のいずれか一つの入力インピーダンスを第1のインピーダンスZaとするものであってもよい。
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第7実施形態において、終端確認通知を送信した制御部53は、自機以外の給電ユニット51すべての入力インピーダンス情報に基づき自機以外の給電ユニット51すべてが第2のインピーダンスZbである旨判断したとき、自機以外の給電ユニット51のいずれか一つの入力インピーダンスを第1のインピーダンスZaとするものであってもよい。
・第5及び第6実施形態において、図8のフローチャートで示される一連の処理を実行するに当たり、S109〜S112の処理を省略し、S107で給電ユニット51の入力インピーダンスを第1のインピーダンスZaに設定したときに、直ちにそれを確定するようにしてもよい。
・第5実施形態において、(C)の処理、より詳しくはS107の処理に関し、自機ではなく他の給電ユニット51のいずれか一つの入力インピーダンスを第1のインピーダンスZaとしてもよい。この場合、S111の処理では、その第1のインピーダンスZaとされた給電ユニット51の入力インピーダンスが維持されて確定されることとなる。
・第2〜第4実施形態において、各給電ユニット51の制御部53の機能を制御ユニット9に持たせ、同制御ユニット9が制御部の役割を担うようにしてもよい。
・第3実施形態において、制御部53は、直流供給線路22に接続された複数の給電ユニット51に対し同時に電源投入されたとき、各給電ユニット51毎に異なる起動時間を任意の給電ユニット51に割り当てるものであってもよい。この場合も、第3実施形態の(4)と同等の効果が得られる。また、電源投入後に給電ユニット51が起動するまでの時間として異なる起動時間をそれぞれ任意の給電ユニット51に割り当てることができるため、最初に起動する給電ユニット51、すなわち入力インピーダンスを第1のインピーダンスZa(=Z0)とする給電ユニット51を任意に定めることができる。
・第3実施形態において、制御部53は、直流供給線路22に接続された複数の給電ユニット51に対し同時に電源投入されたとき、各給電ユニット51毎に異なる起動時間を任意の給電ユニット51に割り当てるものであってもよい。この場合も、第3実施形態の(4)と同等の効果が得られる。また、電源投入後に給電ユニット51が起動するまでの時間として異なる起動時間をそれぞれ任意の給電ユニット51に割り当てることができるため、最初に起動する給電ユニット51、すなわち入力インピーダンスを第1のインピーダンスZa(=Z0)とする給電ユニット51を任意に定めることができる。
・第2〜第7実施形態において、第1のインピーダンスZaは、直流供給線路22の特性インピーダンス値Z0と等しい値ではなく、略同等の値であってもよい。
1…電力供給システム、2…商用交流電源、3…太陽電池、4…燃料電池、5…DC機器、6…AC機器、7…コントロールユニット、8…DC分電盤、9…制御ユニット、10…リレーユニット、11…AC分電盤、12…交流系電力線、13…直流系電力線、14…直流系電力線、15…直流系電力線、16…蓄電池、17…信号線、18…直流系電力線、19…直流系電力線、20…信号線、21…信号線、22…直流供給線路、23…スイッチ、24…センサ、25…直流系電力線、26…スイッチ、27…直流コンセント、28…直流系電力線、29…電力メータ、30…ネットワークシステム、31…宅内サーバ、32…管理サーバ、33…信号線、34…宅内機器、35…直流系電力線、36…コントロールボックス、37…信号線、38…直流供給線路、39…ガス/水道メータ、40…操作パネル、41…監視機器、51…給電ユニット、52…給電回路、53…制御部、54…電圧検出回路、55…インピーダンス切替回路、56…コンデンサ。
Claims (9)
- 給電ユニット及び端末が同一のペア線に接続され、前記給電ユニットに設けられた給電回路により前記ペア線を介して前記端末への給電を行うとともに、前記ペア線を通信線として用いる配電システムにおいて、
複数の前記給電ユニットが同一のペア線に並列に接続されているとき、各給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスの並列等価インピーダンスが前記ペア線の特性インピーダンス値に近づくよう、前記各給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスを可変とする制御部を備えた
ことを特徴とする配電システム。 - 請求項1記載の配電システムにおいて、
前記給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスは、前記ペア線の特性インピーダンス値と略同等の値とした第1のインピーダンスと、それよりも高い値である第2のインピーダンスとの二つの値の間で切り替え可能であり、
前記制御部は、前記ペア線に最初に接続された前記給電ユニットに関してはその給電回路の入力インピーダンスを前記第1のインピーダンスとし、複数の前記給電ユニットのうち前記ペア線に最初に接続されたのではない前記給電ユニットに関してはその給電回路の入力インピーダンスを前記第2のインピーダンスとする
ことを特徴とする配電システム。 - 請求項2記載の配電システムにおいて、
前記制御部は、前記ペア線に接続された複数の前記給電ユニットにそれぞれ対応した異なる起動時間を予め記憶しており、各給電ユニットに対し同時に電源投入された後、その電源投入時点からの経過時間が各給電ユニットに対応した前記起動時間に達する毎に、その起動時間に対応した給電ユニットを起動させる
ことを特徴とする配電システム。 - 請求項2記載の配電システムにおいて、
前記制御部は、前記ペア線に接続された複数の前記給電ユニットに対し同時に電源投入されたとき、各給電ユニット毎に異なる起動時間を割り当て、その電源投入時点からの経過時間が各給電ユニットに対応した前記起動時間に達する毎に、その起動時間に対応した給電ユニットを起動させる
ことを特徴とする配電システム。 - 請求項2記載の配電システムにおいて、
前記給電ユニットは、前記ペア線に接続されたときに電圧を検出する電圧検出回路を備え、
前記制御部は、前記給電ユニットの電圧検出回路によって検出された電圧に基づき前記ペア線に既に給電ユニットが接続されているか否かを判断する
ことを特徴とする配電システム。 - 請求項2記載の配電システムにおいて、
前記給電ユニットは、前記ペア線に接続されたときに新規参入通知を送信する一方、前記ペア線に接続された状態で新規参入通知を受信したときには自機の給電回路の入力インピーダンス情報を送信するものであり、
前記制御部は、前記新規参入通知を受信したとき、前記ペア線に接続された各給電ユニットからの入力インピーダンス情報に基づき、給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとなっている給電ユニットが既に存在しているか否かを判断し、同給電ユニットが既に存在しているときには前記新規参入通知を送信した給電ユニットにおける給電回路の入力インピーダンスを前記第2のインピーダンスとし、存在していないときには前記新規参入通知を送信した給電ユニットにおける給電回路の入力インピーダンスを前記第1のインピーダンスとする
ことを特徴とする配電システム。 - 請求項1記載の配電システムにおいて、
前記給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスは、前記ペア線の特性インピーダンス値と略同等の値とした第1のインピーダンスと、それよりも高い値である第2のインピーダンスとの二つの値の間で切り替え可能であり、
前記ペア線に接続された各給電ユニットにはそれぞれ前記制御部が設けられており、
前記各給電ユニットの制御部は、前記各給電ユニットに対し同時に電源投入されたとき、(A)他の給電ユニットに向けて終端確認通知を周期的に送信する一方、(B)他の給電ユニットの制御部からの終端確認通知を受信したときには前記終端確認通知の送信を中断して自機の給電回路の入力インピーダンス情報を他の給電ユニットに向けて送信し、(C)自機以外のすべての給電ユニットの入力インピーダンス情報に基づき、他の給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスがすべて前記第2のインピーダンスであれば各給電ユニットのうちのいずれか一つの給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスを前記第1のインピーダンスとし、前記他の給電ユニットにおいて給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとされたものが既に存在していれば自機の給電回路の入力インピーダンスを第2のインピーダンスとする
ことを特徴とする配電システム。 - 請求項7記載の配電システムにおいて、
前記各給電ユニットのうち、いずれか一つの給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとされ、他の給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスが前記第2のインピーダンスとされた状態が確定した後、給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとされた給電ユニットの制御部は、周期的に終端生存通知を他の給電ユニットに送信し、前記他の給電ユニットの制御部は、前記終端生存通知を受信できないときに前記(A)〜(C)の処理を実行する
ことを特徴とする配電システム。 - 請求項7記載の配電システムにおいて、
前記各給電ユニットのうち、いずれか一つの給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとされ、他の給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスが前記第2のインピーダンスとされた状態が確定した後、給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとされた給電ユニットの制御部は、周期的に自機の給電回路の入力インピーダンスを前記第2のインピーダンスに切り替えて終端確認通知を前記ペア線に接続された他の給電ユニットに送信する一方、その終端確認通知に応答して前記他の給電ユニットから送信された同給電ユニットの入力インピーダンス情報に基づき、前記他の給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスがすべて前記第2のインピーダンスであれば各給電ユニットのうちのいずれか一つの給電ユニットの給電回路の入力インピーダンスを前記第1のインピーダンスとし、前記他の給電ユニットにおいて給電回路の入力インピーダンスが前記第1のインピーダンスとされたものが既に存在していれば自機の給電回路の入力インピーダンスを第2のインピーダンスとする
ことを特徴とする配電システム。
Priority Applications (1)
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JP2009230608A JP2011082601A (ja) | 2009-10-02 | 2009-10-02 | 配電システム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9100105B2 (en) | 2011-08-11 | 2015-08-04 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Splitter |
-
2009
- 2009-10-02 JP JP2009230608A patent/JP2011082601A/ja active Pending
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US9100105B2 (en) | 2011-08-11 | 2015-08-04 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Splitter |
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