JP2011077438A - 光学特性計測方法及び装置、並びに露光方法及び装置 - Google Patents

光学特性計測方法及び装置、並びに露光方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】投影光学系の像面側に配置する光学系の構成を簡素化して、投影光学系の光学特性を高精度に計測する。
【解決手段】投影光学系PLの波面収差を計測する計測装置20において、投影光学系PLの物体面側に配置され、照明光ILの一部を投影光学系PLに導く導入光学系21と、投影光学系PLの像面側に配置され、投影光学系PLを通過した照明光ILの一部を球面波に変換して投影光学系PLに戻す微小ミラー23と、導入光学系21の一部を共用し、投影光学系PLを介して戻される光を計測光として取り出す受光光学系25と、その計測光を受光して、投影光学系PLの波面収差を計測する波面計測系26と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、被検光学系の波面収差等の光学特性を計測する光学特性計測技術、及びその光学特性計測技術を用いる露光技術に関する。
例えば半導体デバイス等のマイクロデバイス(電子デバイス)を製造するためのリソグラフィ工程中で、レチクル(又はフォトマスク等)のパターンを投影光学系を介してウエハ(又はガラスプレート等)の各ショット領域に転写露光するために一括露光型又は走査露光型等の露光装置が使用されている。これらの露光装置においては、投影光学系の波面収差等の光学特性を所定の状態に維持するために、従来より様々な計測装置が使用されている。
例えば投影光学系の波面収差を計測するために、投影光学系を介して計測用開口の一次像を像面側に投影し、その像面側に移動可能に配置されたウエハステージ又は計測用ステージに設けた計測系において、その一次像からの光束を複数に波面分割し、このように波面分割された複数の光束によって形成された二次像の横シフト量等を求めるシャック・ハルトマン(Shack-Hartmann)方式の計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−71514号公報
最近の露光装置においては、ウエハステージ又は計測用ステージに搭載すべき計測装置又はセンサ等の種類が増加している。従って、ウエハステージ又は計測用ステージの構成の複雑化又は大型化を抑制するためには、光学特性を計測する計測装置の計測系を投影光学系の物体面側、例えばレチクルステージに配置し、投影光学系の像面側に配置する光学系をできるだけ小型化することが望ましい。
本発明は、このような課題に鑑み、投影光学系の像面側に配置する光学系の構成を簡素化して、投影光学系の光学特性を高精度に計測することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、第1面のパターンの像を第2面に形成する投影光学系の光学特性を計測する装置において、照明光でその第1面を照明する照明系と、その第1面側に配置され、その照明光の少なくとも一部をその投影光学系に導く導入用光学系と、その第2面側に配置され、その導入用光学系及びその投影光学系を通過したその照明光の少なくとも一部を球面波に変換してその投影光学系に戻す球面波生成部材と、その第1面側に配置され、その導入用光学系の一部を共用し、その投影光学系を介して戻されるその球面波に対応する計測光を取り出す計測用光学系と、その計測用光学系で取り出されたその計測光を受光して、その投影光学系の光学特性を計測する計測系と、を備える光学特性計測装置が提供される。
また、本発明の第2の態様によれば、照明光学系からの照明光でパターンを照明し、その照明光でそのパターン及び投影光学系を介して物体を露光する露光装置において、その
投影光学系の光学特性を計測するために本発明の第1の態様による光学特性計測装置を備え、その照明光学系がその光学特性計測装置のその照明系を兼用する露光装置が提供される。
また、本発明の第3の態様によれば、第1面のパターンの像を第2面に形成する投影光学系の光学特性を計測する方法において、照明光をその第1面に向けて照射する工程と、その照明光の一部をその投影光学系に導く工程と、その投影光学系を介してその第2面側に照射されるその照明光を実質的に球面波としてその投影光学系に戻す工程と、その投影光学系を介してその第1面側に戻されたその球面波に対応するその照明光を計測光として取り出す工程と、その計測光を受光して、その投影光学系の光学特性を計測する工程と、を含む光学特性計測方法が提供される。
また、本発明の第4の態様によれば、照明光でパターンを照明し、その照明光でそのパターン及び投影光学系を介して物体を露光する露光方法において、本発明の第3の態様による光学特性計測方法を用いてその投影光学系の光学特性を計測する露光方法が提供される。
本発明によれば、第1面側の導入用光学系からの照明光が、投影光学系を介して第2面(投影光学系の像面)側の球面波生成部材に入射し、球面波生成部材からの照明光が投影光学系に戻される。そして、投影光学系に戻された照明光が、第1面側で計測用光学系を介して計測系に入射する。従って、第2面側に配置する光学系の構成を簡素化できるとともに、第2面側から投影光学系に戻される照明光は実質的に球面波であるため、投影光学系の光学特性を高精度に計測できる。
第1の実施形態の露光装置の概略構成を示す一部が切り欠かれた図である。 投影光学系PLの波面収差を計測中の計測装置20を示す図である。 図2の投影光学系PLに局所液浸機構80を付加した状態を示す一部が切り欠かれた図である。 (A)は計測装置20を校正中の光学系の一例の要部を示す図、(B)は計測装置20の第1変形例の要部を示す図である。 (A)は計測装置20の校正動作の一例を示すフローチャート、(B)は計測装置20を用いた計測動作の一例を示すフローチャートである。 計測装置20の第2変形例の要部を示す図である。 (A)は第1の実施形態の第3変形例の計測装置20Aを示す一部が切り欠かれた図、(B)は図7(A)中の導入光学系21Aを示す平面図である。 第2の実施形態の計測装置20B及び投影光学系PLを示す図である。 第3の実施形態の計測装置20C及び投影光学系PLを示す図である。 第3の実施形態の変形例の計測装置20D及び投影光学系PLを示す図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態につき図1〜図5を参照して説明する。
図1は本実施形態の露光装置EXの概略構成を示す。図1において、露光装置EXは、露光光源1と、露光光源1からの照明光IL(露光光)でレチクルR(マスク)のパターン面を照明する照明光学系ILSと、レチクルRを保持するレチクルステージRSTと、そのパターン面(物体面)のパターンの像をウエハWの表面(像面)に投影する投影光学系PLと、ウエハWを保持して移動するウエハステージWSTと、装置全体の動作を統括
的に制御するコンピュータよりなる主制御系11と、その他の計測装置及び駆動装置等とを備えている。露光光源1としては、ArFエキシマレーザ光源(波長193nm)が使用されているが、その他にKrFエキシマレーザ光源(波長248nm)又は水銀ランプ等も使用できる。
露光光源1から射出されるほぼ直線偏光の照明光ILは、ビーム送光系2を介して、照明光ILの偏光状態を互いに異なる方向の直線偏光又は円偏光等に変換する偏光状態可変部3に入射する。偏光状態可変部3を通過した照明光ILは、光束の断面形状を変化させるためのビーム形状可変部4を介して、マイクロフライアイレンズ(又はフライアイレンズ)5に入射する。マイクロフライアイレンズ5の射出面(照明光学系ILSの瞳面)に多数の二次光源からなる面光源が形成される。なお、さらに照明光ILの光量分布を制御するための回折光学素子等を設けてもよい。また、マイクロフライアイレンズ5の代わりに、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)等のオプティカルインテグレータを使用しても良い。また、照明光学系ILSの瞳面には、通常照明、輪帯照明、2極照明、変形照明等の種々の照明に切り替えるための可変開口絞り部(不図示)が設置されている。
マイクロフライアイレンズ5から射出された照明光ILは、第1リレー光学系6、レチクルブラインド7、第2リレー光学系8A、コンデンサ光学系8B、及び光路折り曲げ用のミラー9を介して、レチクルRのパターン面(下面)の照明領域を均一な照度分布で照明する。ビーム送光系2からコンデンサ光学系8B及びミラー9までの部材を含んで照明光学系ILSが構成されている。露光光源1、偏光状態可変部3、及びビーム形状可変部4の動作は、主制御系11内の照明系制御部によって制御されている。
照明光ILのもとで、レチクルRの照明領域内のパターンは、投影光学系PLを介して投影倍率β(例えば1/4,1/5等の縮小倍率)で、ウエハWの一つのショット領域内の露光領域(照明領域と光学的に共役な領域)に転写露光される。ウエハWは、シリコン又はSOI(silicon on insulator)等からなる直径が200〜450mm程度の円板状の基材の表面にフォトレジスト(感光剤)を塗布したものである。投影光学系PLは、一例として屈折系であるが、その外に反射屈折系等も使用可能である。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行な方向にX軸を、図1の紙面に垂直な方向にY軸を取って説明する。
図1に示すように、投影光学系PLを構成する所定の光学部材、例えばレンズエレメント14A,14Bは、不図示のレンズ枠及びZ方向に伸縮可能な3箇所の駆動素子13A,13Bを介して鏡筒に支持されている。主制御系11内の結像特性制御部が、駆動系12を介して駆動素子13A,13Bを駆動することによって、レンズエレメント14A,14BのZ方向の位置、並びにX軸及びY軸に平行な軸の回り(θx方向及びθy方向)の傾斜角を制御できる。これによって、投影光学系PLの所定の結像特性(例えば所定の波面収差等)を補正できる。なお、駆動可能なレンズエレメント14A,14Bの位置及び個数は、制御対象の結像特性に応じて任意に設定可能である。
次に、レチクルRを吸着保持するレチクルステージRSTは、レーザ干渉計(不図示)の計測値に基づいて、レチクルベース(不図示)上の光軸AXに垂直な平面内でレチクルRの移動又は位置決めを行う。一方、ウエハWをウエハホルダ(不図示)を介して吸着保持するウエハステージWSTは、レーザ干渉計(不図示)の計測値に基づいて、ウエハベースWB上の光軸AXに垂直な平面内で連続移動及びステップ移動を行う。また、ウエハステージWSTには、不図示のオートフォーカスセンサの計測値に基づいて、ウエハWの表面を投影光学系PLの像面に合焦させるために、ウエハWのフォーカス位置(光軸AX方向の位置)、及びθx方向、θy方向の傾斜角を制御するZステージ機構も組み込まれ
ている。
露光時には、主制御系11内の露光制御部の制御のもとで不図示のアライメント系によってレチクルRとウエハWとのアライメントが行われた後、偏光状態可変部3によって照明光ILの偏光状態が所定状態に設定される。その後、露光光源1の発光を開始して、レチクルRのパターンを一括露光方式又は走査露光方式で投影光学系PLを介してウエハW上の1つのショット領域に転写する動作と、露光光源1の発光を停止して、ウエハWをステップ移動する動作とが繰り返される。これによって、ウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
また、本実施形態の露光装置が例えば米国特許出願公開第2005/259234号明細書に示すような液浸型である場合には、図3に示すように、投影光学系PLとウエハステージWSTの上面の部材(ウエハW又は後述の反射部材22)との間の局所的な液浸空間に、局所液浸機構80によって純水等の液体Lqが供給される。一例として、局所液浸機構80は、投影光学系PLの下端に配置されたリング状のノズルヘッド81と、ノズルヘッド81内に液体Lqを供給する液体供給装置82及び配管83と、ノズルヘッド81に設けたフィルタ部材84を介して液体Lqを回収する配管85及び液体回収装置86とを備えている。なお、局所液浸機構80の構成は任意である。
図1に戻り、露光装置EXの露光に際しては、投影光学系PLの光学特性としての結像特性が所定の状態に調整されている必要がある。そのためには、その結像特性を高精度に計測する必要がある。本実施形態の露光装置EXは、投影光学系PLの結像特性としての波面収差を計測するための計測装置20を備えている。計測装置20は、計測用の照明光ILを発生する照明系と、レチクルステージRSTの上面に設置可能な可動フレーム31と、可動フレーム31内に支持される波面計測系26を含む後述の本体部と、ウエハステージWSTの上面に設けられた反射部材22と、波面計測系26の検出信号を処理して投影光学系PLの波面収差を求める計測部(演算制御部)17とを備えている。可動フレーム31は、不図示の搬送機構によってレチクルステージRSTの上面にレチクルRの代わりに設置され、吸着保持される。本実施形態では、その照明系として照明光学系ILSが兼用されているが、専用の照明系を設けてもよい。計測部17は、求めた波面収差の情報を主制御系11内の結像特性制御部に供給する。なお、反射部材22は、ウエハステージWSTとは独立にウエハベースWB上を移動する計測ステージ等(不図示)に設けてもよい。
投影光学系PLの波面収差計測時には、図2に示すように、レチクルステージRSTの上面に可動フレーム31が設置される。また、投影光学系PLの物体面P1と光学的に共役な像面の露光領域内に、反射部材22の上面に形成された微小ミラー23が配置される。なお、図2及び図3等においては、説明の便宜上、レチクルステージRSTに比べて可動フレーム31を実際よりも大きく表している。
図2において、反射部材22の上面はウエハWの表面と同じ高さに設定されている。反射部材22は例えば照明光ILを透過するガラス板と、ガラス板の表面に形成され、照明光ILに対する反射防止膜と、ガラス板の裏面に形成され、照明光ILに対する反射率の低い吸収膜(又は遮光膜)とで構成されている。そして、微小ミラー23は、反射部材22の上面に形成された、照明光ILに対して高反射率の円形の金属(例えばクロム等)の膜である。微小ミラー23の直径dMは、次のように照明光ILの波長λの10倍〜200倍であることが好ましい。直径dMが式(1)の上限以下である場合には、投影光学系PLから微小ミラー23を含む領域に入射した照明光ILの一部が、微小ミラー23によって反射され、実質的に球面波よりなる反射光として投影光学系PLに入射する。
10×λ≦dM≦200×λ …(1)
また、反射部材22の上面に微小ミラー23に近接して反射球面24が形成されている。反射球面24は、反射部材22の上面に設けた凹の半球面の表面に照明光ILに対して高反射率の金属膜を蒸着したものである。反射球面24の半径は例えば数mmである。反射球面24の中心には例えば投影光学系PLによるピンホール(不図示)の像(点像)が形成され、その点像からの照明光は反射球面24で反射された後、その点像からの光束として投影光学系PLに戻される。なお、投影光学系PLの波面収差計測時には、反射球面24は必ずしも使用する必要はない。
図2において、計測装置20は、照明光学系ILSからの照明光ILの一部(ほぼ全部でもよい)を所定の開口数(開き角)を持つ光束として投影光学系PLに導く導入光学系21と、導入光学系21及び投影光学系PLを通過した照明光ILで照明された微小ミラー23で反射された後、投影光学系PLを介して戻される反射光の一部(ほぼ全部でもよい)を計測光ILRとして分岐する受光光学系25と、計測光ILRから波面収差情報を検出する波面計測系26とを有する。導入光学系21、受光光学系25、及び波面計測系26よりなる本体部が可動フレーム31に支持されている。また、導入光学系21は、照明光学系ILSからの照明光ILを−X方向及び−Z方向に順次折り曲げるミラー32A及び32Bと、−Z方向に向かう照明光ILをほぼ平行光束にする第1レンズ33と、その照明光ILのほぼ半分を+X方向に分岐するハーフミラー34と、分岐された照明光ILを集光する第2レンズ35と、集光された照明光ILをほぼ物体面P1の近傍に向けて−Z方向に折り曲げるプリズム型のミラー36とを有する。ミラー36の照明光ILの射出面は、物体面P1の僅かに上方に配置され、物体面P1は第2レンズ35の後側焦点面に配置されている。
なお、導入光学系21から投影光学系PLに導かれる照明光ILの開口数を調整するために、第1レンズ33は矢印A3で示すようにZ方向に移動可能である。さらに、その照明光ILの開き角を大きくするために、例えば導入光学系21のミラー32A,32Bの間に点線で示すように拡散板41を配置可能である。また、受光光学系25は、投影光学系PL及び物体面P1を介した反射光を−X方向に折り曲げるミラー36と、その反射光をほぼ平行光束に変換する第2レンズ35と、そのほぼ平行光束よりなる反射光のほぼ半分の計測光ILRを分岐するハーフミラー34とを有する。本実施形態では、導入光学系21の一部の光学部材(ハーフミラー34、第2レンズ35、及びミラー36)が、受光光学系25と兼用されている。
また、波面計測系26は、ハーフミラー34で分岐された計測光ILRを集光する第1リレーレンズ37Aと、その集光された計測光ILRをほぼ平行光束にする第2リレーレンズ37Bと、第2リレーレンズ37Bを通過した計測光ILRの光路上に配置され、Z方向に周期Pgで形成された回折格子38と、回折格子38から発生する0次光40、+1次回折光40A、及び−1次回折光40B(波面分割された光束)の干渉縞(シアリング干渉による干渉縞)を受光するCCD又はCMOS等からなる2次元の撮像素子39とを有する。
撮像素子39の受光面と回折格子38との間隔をLt、照明光ILの波長をλ、所定の整数又は半整数をnとすると、間隔Lt、周期Pg、及び波長λは次のいわゆるトールボット(Talbot)条件を満たす。
Lt=2・n・Pg2/λ …(2)
n(トールボット次数)=1/2,1,3/2,2,… …(3)
なお、トールボット条件の詳細は、「応用光学1(鶴田著)」(p. 178-181,培風館,1990年)に記載されている。トールボット条件は、撮像素子39の受光面に回折格子38によるシアリング干渉の干渉縞が高いコントラストで形成されるための条件である。言い
換えると、波面計測系26はトールボット干渉計を構成している。投影光学系PLに波面収差がない場合には、微小ミラー23から発生する球面波は投影光学系PLの瞳面で点線A1で示す平面波となるが、実際には或る程度の波面収差が残存しているため、その球面波はその瞳面で実線A2で示す非平面波となる。投影光学系PLの波面収差に応じて、投影光学系PLから受光光学系25を介して波面計測系26に入射する計測光ILRの波面が変化し、撮像素子39の受光面に形成される干渉縞の強度分布が変化する。計測部17は、撮像素子39の検出信号からその干渉縞の強度分布を求め、この強度分布からシアリング波面(位相分布)を求め、このシアリング波面から計測光ILRの波面、ひいては投影光学系PLを含む光学系の波面(波面収差)を求める。
なお、図3に示すように、局所液浸機構80を備えた露光装置においても、図2の場合と同様に計測装置20を用いて投影光学系PLの波面収差を計測できる。本実施形態によれば、液浸法を適用する場合にも、液体Lqが供給される領域には微小ミラー23を配置するのみでよいため、液体Lqがある状態での投影光学系PLの波面収差を容易に計測可能である。
また、受光光学系25及び波面計測系26自体の波面収差が無視できる場合には、波面計測系26を介して計測される波面がそのまま投影光学系PLの波面となる。しかしながら、実際には、受光光学系25及び波面計測系26にも僅かではあるが波面収差がある。従って、計測装置20を用いて投影光学系PLの波面収差を計測する場合には、予め受光光学系25及び波面計測系26のみの波面収差(又は計測光ILRの波面)を計測しておく必要がある。このように受光光学系25及び波面計測系26のみの波面収差(又は波面)を計測することが、計測装置20の校正(キャリブレーション)である。
本実施形態では、計測装置20の校正時には、一例として、図4(A)に示すように、投影光学系PLの物体面P1に、反射部材22Rの上面の微小ミラー23Rが設置される。反射部材22Rの上面に微小ミラー23Rに近接して反射球面24Rが形成されている。反射部材22Rの構成は図2の反射部材22と同様であるが、微小ミラー23R及び反射球面24Rは、図2の微小ミラー23及び反射球面24をそれぞれ投影光学系PLの投影倍率βの逆数倍で拡大したものである。この状態で、波面計測系26によって計測光ILRの波面が計測される。通常の露光時及び投影光学系PLの波面収差の計測時には、反射部材22Rは不図示の移動機構によって照明光ILの光路外の領域に退避する。
以下、計測装置20の校正時の動作の一例につき図5(A)のフローチャートを参照して説明する。この動作は主制御系11及び計測部17によって制御されるとともに、例えば露光工程中に定期的に実行される。なお、この校正動作は、計測装置20による計測動作の一部とみなすことも可能である。
まず、図5(A)のステップ101において、図1のレチクルステージRSTの上面(投影光学系PLの物体面P1上)に計測装置20の可動フレーム31(本体部)を配置する。次のステップ102において、図4(A)に示すように、物体面P1の例えば光軸AX上の計測点(光軸外でもよい)に反射部材22Rの微小ミラー23Rを配置する。次のステップ103において、照明光学系ILSから導入光学系21に照明光ILを照射する。照明光学系ILSは通常の照明条件で、コヒーレンスファクタ(σ値)が例えば最大に設定される。これによって、照明光ILのほぼ1/2が導入光学系21を介して微小ミラー23Rを含む照明領域を照明する(ステップ104)。
そして、微小ミラー23Rからの反射光が実質的に球面波として受光光学系25のミラー36に戻り、ミラー36で反射された光束のほぼ1/2が、受光光学系25のハーフミラー34を介して計測光ILRとして波面計測系26に取り込まれる(ステップ105)。この場合、計測光ILRは、受光光学系25及び波面計測系26のみの波面収差情報を
含んでいる。そこで、ステップ106において、波面計測系26によって計測光ILRの干渉縞を受光し、計測部17で波面計測系26の検出信号を処理して、受光光学系25及び波面計測系26の波面収差のみに起因する波面WA1を求め、この波面(位相分布)WA1を内部の記憶部に記憶する。
その後、ステップ107において、照明光ILの照射を停止させ、微小ミラー23Rが形成された反射部材22Rを照明光ILの光路から退避させるとともに、計測装置20の可動フレーム31をレチクルステージRSTの上面から退避させる。これによって、計測装置20の校正が終了する。
その後、図1の露光装置EXを用いた露光工程中で投影光学系PLの波面収差を計測する場合の動作の一例につき、図5(B)のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップ111において、ステップ101と同様に、レチクルステージRSTの上面に計測装置20の可動フレーム31(本体部)を配置する。そして、ステップ112において、ウエハステージWSTを駆動して、図2に示すように、反射部材22の微小ミラー23を投影光学系PLの像面の露光領域内の任意の計測点(図2では光軸AX上の計測点)に配置する。そして、照明光学系ILSからの照明光ILの照射を開始し(ステップ113)、照明光ILのほぼ1/2を導入光学系21を介して投影光学系PLに導く(ステップ114)。これにより、照明光ILが微小ミラー23が配置されている露光領域を照明する。
そして、微小ミラー23からの反射光が実質的に球面波として投影光学系PLに戻り(ステップ115)、投影光学系PLに戻された反射光のほぼ1/2が受光光学系25を介して計測光ILRとして波面計測系26に取り込まれる(ステップ116)。この場合、計測光ILRは、投影光学系PL、受光光学系25、及び波面計測系26の波面収差情報を含んでいる。そこで、ステップ117において、波面計測系26によって計測光ILRの干渉縞を受光し、計測部17で波面計測系26の検出信号を処理して波面WA2を求める。この後、照明光ILの照射が停止され、波面計測系26の可動フレーム31及び反射部材22(微小ミラー23)を照明光ILの光路から退避させる。
次のステップ118において、計測部17は、ステップ117で求めた波面WA2からステップ106で記憶した波面WA1を差し引いて、次のように投影光学系PLの波面収差のみに起因する波面WA3を求める。波面WA3は記憶部に記憶される。
WA3=WA2−WA1 …(4)
次のステップ119において、計測部17は、波面WA3から例えばゼルニケ多項式の係数の形で投影光学系PLの波面収差を求める。この波面収差の情報は主制御系11に供給される。次のステップ120において、主制御系11の結像特性制御部は、駆動系12を介して投影光学系PLの波面収差を補正する。その後、レチクルステージRSTにレチクルRがロードされ(ステップ121)、ウエハステージWSTに順次ロードされる複数のウエハの各ショット領域にレチクルRのパターンの像が露光される(ステップ122)。この際に、投影光学系PLの波面収差が補正されているため、常に高精度にレチクルRのパターンの像を投影光学系PLを介してウエハ上に露光できる。
本実施形態の効果等は次の通りである。
(1)本実施形態の投影光学系PLの波面収差(光学特性)を計測するための計測装置20は、照明光ILで投影光学系PLの物体面P1(第1面)を照明する照明光学系ILSと、投影光学系PLに関して物体面P1側に配置され、照明光ILの一部(全部でもよい)を投影光学系PLに導く導入光学系21と、投影光学系PLの像面(第2面)側に配置され、導入光学系21及び投影光学系PLを通過した照明光ILの一部(全部でもよい)を球面波に変換して投影光学系PLに戻す微小ミラー23(球面波生成部材)とを備えている。さらに、計測装置20は、物体面P1側に配置され、導入光学系21の一部を共
用し、投影光学系PLを介して戻されるその球面波に対応する計測光ILRを取り出す受光光学系25(計測用光学系)と、計測光ILRを受光して、投影光学系PLの波面(波面収差情報)を計測するシアリング干渉方式の波面計測系26と、を備えている。
また、計測装置20を用いた投影光学系PLの波面収差の計測動作(計測方法)は、照明光ILを物体面P1に向けて照射するステップ113と、照明光ILの一部を投影光学系PLに導くステップ114と、投影光学系PLを介して像面側に照射される照明光ILを実質的に球面波として投影光学系PLに戻すステップ115と、投影光学系PLを介して物体面P1側に戻されたその球面波に対応する照明光を計測光ILRとして取り出すステップ116と、計測光ILRを受光して、投影光学系PLの波面収差を計測するステップ117〜119とを含んでいる。
本実施形態によれば、導入光学系21からの照明光が、投影光学系PLを介して像面側の微小ミラー23に入射し、微小ミラー23からの照明光が投影光学系PLに戻される。そして、投影光学系PLに戻された照明光が、物体面P1側で受光光学系25を介して波面計測系26に入射する。従って、投影光学系PLの像面側に配置する光学系の構成を簡素化できるとともに、像面側から投影光学系PLに戻される照明光は実質的に球面波であるため、投影光学系PLの波面収差を高精度に計測できる。
(2)また、円形の微小ミラー23を用いて実質的に球面波を生成しているため、投影光学系PLの像面には微小ミラー23を配置するのみでよく、その像面側の光学系を最も簡素化できる。
(3)また、計測装置20は、物体面P1の近傍に照明光ILの光路に対して退避可能に配置され、照明光ILを受光光学系25に実質的に球面波として反射する微小ミラー23Rが形成された可動の反射部材22R(参照部材)を備えている。
また、上記の計測方法は、物体面P1の近傍で反射部材22Rによって、照明光ILを受光光学系25を介して計測光ILRとして波面計測系26に反射するステップ104,105と、波面計測系26で計測光ILRを受光して校正用の波面WA1を計測するステップ106とを含んでいる。
従って、その波面WA1を考慮することによって、受光光学系25及び波面計測系26の波面収差の影響を除去して、投影光学系PLの波面収差を高精度に計測できる。
(4)本実施形態の露光装置EXは、照明光学系ILSからの照明光ILでレチクルRのパターンを照明し、照明光ILでそのパターン及び投影光学系PLを介してウエハW(物体)を露光する露光装置において、投影光学系PLの波面収差を計測するために計測装置20を備え、照明光学系ILSが計測装置20の照明系を兼用している。
また、露光装置EXによる露光方法は、照明光ILでレチクルRのパターンを照明し、照明光ILでそのパターン及び投影光学系PLを介してウエハWを露光する露光方法において、本実施形態の計測方法を用いて投影光学系PLの波面収差を計測している。
本実施形態によれば、投影光学系PLの像面側の構成を簡素化して、投影光学系PLの波面収差を高精度に計測できる。また、照明光学系ILSを計測装置20の照明系として兼用しているため、別途専用の照明系を設ける必要がない。さらに、計測装置20のうちでウエハステージWST側にあるのは反射部材22(微小ミラー23)のみであるため、ウエハステージWSTの構成を簡素できる。従って、ウエハステージWSTには例えば照明光ILの露光量モニタ、及びレチクルRのアライメントマークの計測系(空間像計測系)等を余裕を持って配置可能である。
なお、本実施形態では、次のような変形が可能である。
(1)計測装置20の本体部を支持する可動フレーム31は、レチクルRと交換可能である。しかしながら、可動フレーム31は、例えばレチクルステージRSTのレチクルRが保持される領域に近接した領域に固定しておいてもよい。
(2)図2の反射部材22の上面には、微小ミラー23をX方向及びY方向に所定周期で複数個配置してもよい。この場合、それら複数の微小ミラー23を露光領域内に配置し、例えば照明光学系ILS内のレチクルブラインドで選択した一つの微小ミラー23のみを照明光ILで照明することによって、露光領域内の異なる計測点で順次投影光学系PLの波面収差を計測できる。
(3)また、反射部材22の上面には、例えば式(1)の条件を満たす範囲内で異なる直径の複数種類の微小ミラーを形成しておき、複数種類の微小ミラーを用いて投影光学系PLの波面収差を順次計測(評価)してもよい。
(4)計測装置20の校正時には、図4(B)に示すように、導入光学系21内の物体面P1と共役な面に微小開口(ピンホール)が形成された開口板42を配置し、物体面P1上で開口板42の微小開口と光学的に共役な位置に、反射部材22Rの反射球面24Rの中心を配置してもよい。この変形例では、反射球面24Rで反射された反射光が実質的に球面波として受光光学系25に戻り、その反射光の一部が計測光ILRとして波面計測系26に取り込まれる。従って、図4(A)の場合と同様に、受光光学系25及び波面計測系26の波面収差のみに対応する波面を計測できる。
さらに、図4(B)のように反射球面24Rを用いる場合には、投影光学系PLの物体面が、2点鎖線の面P1’で示すようにミラー36のプリズム内に位置していても、計測装置20の校正を行うことが可能である。即ち、この場合には、反射球面24Rの形状を球面の1/3〜1/4程度まで薄くしておき、反射球面24Rの中心をその面P1’に合わせればよい。
(5)計測装置20の校正時には、図6の変形例に示すように、導入光学系21内に照明光ILの開口数を増大するための拡散板41を配置し、物体面P1に微小開口が形成された開口板42Bを配置し、投影光学系PLの像面に微小ミラー23よりも大きいミラー23Wを配置してもよい。ミラー23Wは、一例として反射部材22の上面の微小ミラー23の近傍に形成されている。ミラー23Wは、投影光学系PLの像面に対して−Z方向(又は+Z方向でもよい)にデフォーカスしている。
図6において、照明光学系ILSからの照明光ILが導入光学系21を介して開口板42Bの微小開口を含む照明領域を照明し、その微小開口を通過した照明光ILは、投影光学系PLを介してミラー23Wを照明する。この際に、ミラー23Wはデフォーカスしているため、ミラー23Wからの反射光は、投影光学系PLを介して開口板42Bの微小開口を含む広い領域を照明する。従って、開口板42Bの微小開口を通過して受光光学系25に向かう反射光は、ほぼ球面波とみなすことができる。従って、その反射光の一部を受光光学系25によって取り出し、計測光ILRとして波面計測系26に供給することによって、受光光学系25及び波面計測系26のみの波面収差情報を含む波面を計測できる。
(6)図2の計測装置20は、照明光学系ILSからの照明光ILをX方向、Z方向、X方向、及びZ方向に順次折り曲げて投影光学系PLに導いている。
これに対して、図7(A)及び図7(B)の第3変形例で示すように、照明光学系ILSからの照明光ILをXY平面に平行な平面内で折り曲げてから投影光学系PLに導いてもよい。なお、図7(A)において図3(及び図2)に対応する部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図7(A)は第3変形例の計測装置20Aを示し、図7(B)は図7(A)中の導入光
学系21Aを示す平面図である。図7(A)において、計測装置20Aは、導入光学系21Aと、投影光学系PLの像面側の微小ミラー23が形成された反射部材22と、受光光学系25と、波面計測系26と、計測部17とを備えている。導入光学系21A、受光光学系25、及び波面計測系26よりなる本体部は、レチクルステージRST上に保持された可動フレーム31Aに支持されている。
図7(B)に示すように、導入光学系21Aは、照明光学系ILSからの照明光ILを+X方向に反射する直角プリズム型のミラー36Aと、照明光ILを平行光束にする第1レンズ33と、照明光ILを順次+Y方向、−X方向、及び−Y方向に反射するミラー32A,32B,32Cと、−Y方向に向かう照明光ILのほぼ1/2を+X方向に分岐するハーフミラー34と、第2レンズ35と、照明光ILを投影光学系PLに向けて−Z方向に反射する直角プリズム型のミラー36Bとを有する。また、ミラー36B、第2レンズ35、及びハーフミラー34を含んで、投影光学系PLから戻される反射光のほぼ1/2を計測光ILRとして波面計測系26に供給する受光光学系25が構成されている。図7(A)に示すように、ミラー36Aの反射面36Aaとミラー36Bの反射面36Baとは物体面P1の上方で、物体面P1に45°で交差するように近接して配置されている。この他の構成は図3及び図2の実施形態と同じである。
図7(A)及び図7(B)の第3変形例においては、導入光学系21Aは、照明光学系ILSからの照明光ILを反射するために物体面P1に45°で交差するように配置される反射面36Aaと、この反射面36Aaに近接して配置される反射面36Baとを有するミラー36A,36Bと、反射面36Aaで反射された照明光ILを反射面36Baに導くレンズ33及び35を含むリレー光学系とを有している。そして、照明光ILは、反射面36Baを介して投影光学系PLを往復し、その一部が計測光ILRとして波面計測系26に入射する。従って、計測装置20Aによれば、図3又は図2の計測装置20と同様に、投影光学系PLの像面側の構成を簡素化して投影光学系PLの波面収差を計測できる。
(7)上記の実施形態では、トールボット干渉計方式の波面計測系26を用いて投影光学系PLの波面収差を計測している。その外に、投影光学系PLの波面収差を計測するために、例えば特開2002−71514号公報に開示されているように、反射光をマイクロレンズアレイを介して撮像素子で受光するシャック・ハルトマン(Shack-Hartmann)方式等の計測系を用いてもよい。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態につき図8を参照して説明する。本実施形態でも第1の実施形態(図1)の露光装置EXと同様の露光装置を使用するが、計測装置を用いて投影光学系PL及び照明光学系ILSの開口数情報を計測する点が異なっている。以下、図8において、図2に対応する部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8は、本実施形態の計測装置20B及び投影光学系PLを示す。図8において、計測装置20Bは、照明系としての照明光学系ILSと、導入光学系21と、投影光学系PLの像面側でウエハステージWSTの上部に固定され、上面に微小ミラー23及び反射球面24が形成された反射部材22と、受光光学系25と、開口数情報計測系51と、開口数情報計測系51の検出信号を処理して投影光学系PL及び/又は照明光学系ILSの開口数を求める計測部17Bとを備えている。導入光学系21、受光光学系25、及び開口数情報計測系51よりなる本体部が、投影光学系PLの物体面P1側でレチクルステージRSTに保持された可動フレーム(不図示)に支持されている。
本実施形態では、導入光学系21中の物体面P1と共役な面に円形の微小開口が形成さ
れた開口板42が配置され、投影光学系PLの像面で開口板42の微小開口の像の位置に反射球面24の中心24aが配置される。開口板42の微小開口の像の直径は例えば数μmである。また、開口数情報計測系51は、反射球面24で反射され、投影光学系PL及び受光光学系25を介して取り込まれる実質的に平行光束の計測光ILRを受光する2次元の撮像素子39を含んで構成されている。撮像素子39の受光面と投影光学系PLの瞳面PPとは光学的にほぼ共役である。
図8の計測装置20Bにおいて、投影光学系PLの開口数を計測する場合には、開口板42の直前に例えば拡散板(不図示)を配置して、照明光ILの開口数を広くしておく。この状態で、照明光学系ILSからの照明光ILを導入光学系21及び投影光学系PLを介して反射球面24に導き、反射球面24からの反射光を投影光学系PL及び受光光学系25を介して開口数情報計測系51の撮像素子39で受光する。そして、計測部17Bにおいて、撮像素子39の検出信号から計測光ILRの光量分布の形状を求めることによって、投影光学系PLの瞳面PPにおける反射光の光量分布の形状(例えば近似した円形領域の半径等)、ひいては開口数を求めることができる。
このように投影光学系PLの開口数を求めた後、開口板42の直前の拡散板(不図示)を照明光ILの光路外に退避させてから、同様に撮像素子39の検出信号から開口数を求める。これによって、照明光学系ILSのコヒーレンスファクタ(σ値)、ひいては照明光学系ILSの開口数を求めることができる。即ち、本実施形態においては、計測装置20Bの本体部(21,25,51)を投影光学系PLの物体面P1側に配置し、像面側(ウエハステージWST側)には反射部材22(反射球面24)のみを配置するという構成で、投影光学系PL等の開口数を計測できる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態につき図9を参照して説明する。本実施形態でも第1の実施形態(図1)の露光装置EXと同様の露光装置を使用するが、計測装置を用いて投影光学系PL及び照明光学系ILSの偏光特性を計測する点が異なっている。以下、図9において、図8に対応する部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9は、本実施形態の計測装置20C及び投影光学系PLを示す。図9において、計測装置20Cは、照明光学系ILSと、開口板42が配置された導入光学系21と、微小ミラー23及び反射球面24が形成された反射部材22と、受光光学系25と、偏光情報計測系55と、偏光情報計測系55の検出信号を処理して投影光学系PL及び/又は照明光学系ILSの偏光特性を求める計測部17Cとを備えている。
偏光情報計測系55は、受光光学系25から取り込まれた計測光ILRが照射される回転可能な1/4波長板56と、1/4波長板56を通過した計測光ILRの光路上に配置された偏光ビームスプリッタ57と、偏光ビームスプリッタ57を通過した計測光ILRを受光する2次元の撮像素子39とを有する。撮像素子39の受光面と投影光学系PLの瞳面PPとは光学的にほぼ共役である。
本実施形態の計測装置20Cにおいては、例えば特開2006−179660号公報に開示されているように、回転移相子法によって、計測光ILRの各位置におけるストークスパラメータよりなる偏光特性を求めることができる。このために一例として、照明光学系ILSからの照明光ILを直線偏光に設定し、1/4波長板56を不図示の回転部を介して回転しながら、撮像素子39の検出信号が計測部17Cに取り込まれる。
また、例えば第1レンズ33とハーフミラー34との間に直線偏光板(不図示)を配置して、計測光ILRの偏光特性を求めることによって、投影光学系PLの偏光特性を計測
できる。その後、その偏光板を退避させて計測光ILRの偏光特性を求め、この偏光特性から投影光学系PLの偏光特性分の補正を行うことによって、照明光学系ILSの偏光特性を求めることができる。
この第3の実施形態においては、図10の変形例の計測装置20Dで示すように、図9の偏光情報計測系55の代わりに、レンズ58A及び58Bよりなるリレーレンズ系を備えた偏光情報計測系55Aを使用してもよい。この場合には、撮像素子39の受光面と投影光学系PLの瞳面PPとをより正確に光学的に共役にできる。
なお、上記の各実施形態では、投影光学系PL及び/又は照明光学系ILSの波面収差、開口数情報、又は偏光特性を求めているが、その他の投影光学系PL及び/又は照明光学系ILSの光学特性を求めるために本発明を適用してもよい。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスやマスク自体を製造するための露光装置にも広く適用できる。
また、本発明は、露光装置の投影光学系の光学特性の計測のみならず、各種の光学装置、例えば、天体望遠鏡、眼科的検査装置、又は携帯カメラ若しくは携帯電話に備えられる小型カメラの波面収差等の光学特性を計測する際にも同様に適用することができる。
このように本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EX…露光装置、ILS…照明光学系、PL…投影光学系、R…レチクル、W…ウエハ、17…計測部、20,20A〜20D…計測装置、21,21A…導入光学系、22…反射部材、23…微小ミラー、24…反射球面、25…受光光学系、26…波面計測系、38…回折格子、51…開口数情報計測系、55…偏光情報計測系

Claims (17)

  1. 第1面のパターンの像を第2面に形成する投影光学系の光学特性を計測する装置において、
    照明光で前記第1面を照明する照明系と、
    前記第1面側に配置され、前記照明光の少なくとも一部を前記投影光学系に導く導入用光学系と、
    前記第2面側に配置され、前記導入用光学系及び前記投影光学系を通過した前記照明光の少なくとも一部を球面波に変換して前記投影光学系に戻す球面波生成部材と、
    前記第1面側に配置され、前記導入用光学系の一部を共用し、前記投影光学系を介して戻される前記球面波に対応する計測光を取り出す計測用光学系と、
    前記計測用光学系で取り出された前記計測光を受光して、前記投影光学系の光学特性を計測する計測系と、
    を備えることを特徴とする光学特性計測装置。
  2. 前記球面波生成部材は微小ミラーであることを特徴とする請求項1に記載の光学特性計測装置。
  3. 前記微小ミラーの反射面は、直径が前記照明光の波長の10〜200倍の円形であることを特徴とする請求項2に記載の光学特性計測装置。
  4. 前記導入用光学系は、前記第1面と共役な位置に配置され、前記照明光を通す開口が形成された開口部材を有し、
    前記球面波生成部材は、前記照明光を反射する球面を有する反射部材であることを特徴とする請求項1に記載の光学特性計測装置。
  5. 前記導入用光学系は、前記照明系からの前記照明光を反射するために前記第1面に交差するように配置される第1反射面と、該第1反射面に近接して配置される第2反射面とを有する反射部材と、前記第1反射面で反射された前記照明光を前記第2反射面に導くリレー光学系とを有し、
    前記照明光は、前記第2反射面を介して前記投影光学系を往復することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。
  6. 前記第1面の近傍に前記照明光の光路に対して退避可能に配置され、前記照明光を前記計測用光学系に球面波として反射する参照部材を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。
  7. 前記計測系はシアリング干渉計を有し、前記投影光学系の波面情報を計測することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。
  8. 前記計測系は前記投影光学系の瞳面と光学的に共役な検出面を有し、前記照明系及び前記投影光学系の少なくとも一方の開口数情報を計測することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。
  9. 前記計測系は偏光ビームスプリッタを有し、前記照明系及び前記投影光学系の少なくとも一方の偏光特性情報を計測することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。
  10. 照明光学系からの照明光でパターンを照明し、前記照明光で前記パターン及び投影光学系を介して物体を露光する露光装置において、
    前記投影光学系の光学特性を計測するために請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光学特性計測装置を備え、
    前記照明光学系が前記光学特性計測装置の前記照明系を兼用することを特徴とする露光装置。
  11. 第1面のパターンの像を第2面に形成する投影光学系の光学特性を計測する方法において、
    照明光を前記第1面に向けて照射する工程と、
    前記照明光の一部を前記投影光学系に導く工程と、
    前記投影光学系を介して前記第2面側に照射される前記照明光を実質的に球面波として前記投影光学系に戻す工程と、
    前記投影光学系を介して前記第1面側に戻された前記球面波に対応する前記照明光を計測光として取り出す工程と、
    前記計測光を受光して、前記投影光学系の光学特性を計測する工程と、
    を含むことを特徴とする光学特性計測方法。
  12. 前記照明光の一部を前記投影光学系に導く工程は、前記第1面に交差するように配置される第1反射面で反射された前記照明光を、前記第1反射面に近接して配置される第2反射面を介して前記投影光学系に導くことを特徴とする請求項11に記載の光学特性計測方法。
  13. 前記第1面の近傍で前記照明光を前記計測光として反射する工程と、
    該反射された計測光を受光して校正用の光学特性を計測する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の光学特性計測方法。
  14. 前記投影光学系の光学特性を計測する工程は、前記計測光をシアリング干渉させて、前記投影光学系の波面情報を計測することを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の光学特性計測方法。
  15. 前記投影光学系の光学特性を計測する工程は、前記計測光を前記投影光学系の瞳面と光学的に共役な検出面で受光し、前記照明系及び前記投影光学系の少なくとも一方の開口数情報を計測することを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の光学特性計測方法。
  16. 前記投影光学系の光学特性を計測する工程は、前記計測系を偏光ビームスプリッタを介して受光し、前記照明系及び前記投影光学系の少なくとも一方の偏光特性情報を計測することを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の光学特性計測方法。
  17. 照明光でパターンを照明し、前記照明光で前記パターン及び投影光学系を介して物体を露光する露光方法において、
    請求項11から請求項16のいずれか一項に記載の光学特性計測方法を用いて前記投影光学系の光学特性を計測することを特徴とする露光方法。
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