JP2011077341A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の波長の光を出射する窒化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】六方晶系窒化物半導体からなる基板5と、基板5の主面に含まれる第1の領域上に設けられた半導体部2bと、基板5の主面に含まれており第1の領域に隣接する第2の領域上に設けられた半導体部4bとを備え、半導体部2bは、InGaNからなる井戸層を含む発光層を有し、半導体部4bは、InGaNからなる井戸層を含んでおり半導体部2bの発光層の発光波長と異なる発光波長の発光層を有し、基板5のうち第1の領域上の第1の部分のc軸方向と基板5の主面の法線方向との成す第1の角度と、基板5のうち第2の領域上の第2の部分のc軸方向とこの法線方向との成す第2の角度とは異なっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体発光素子に関する。
近年、複数の波長の光を出射する発光素子の開発が行われている。特許文献1には、650nm及び780nmの二波長のレーザ光を出射する半導体レーザアレイが開示されている。この半導体レーザアレイは、GaAs基板と、650nmのレーザ光を出射するレーザ素子部と、780nmの波長のレーザ光を出射するレーザ素子部とを備え、この二個のレーザ素子部は、GaAs基板上に設けられている。特許文献2には、少なくとも三個のレーザダイオードがプレート上に設けられた複数の波長のレーザ光を出射する多波長レーザダイオードが開示されている。この三個のレーザダイオードはプレート上にプレート表面に沿って並列に設けられている。この三個のレーザダイオードのうちの一部はGaN基板で結晶成長されたものであり、残りはGaAs基板上で結晶成長されたものである。特許文献3には、少なくとも三個のレーザダイオードがプレート上に接合された複数の波長のレーザ光を出射する多波長レーザダイオードが開示されている。この三個のレーザダイオードはプレート上に積層されて設けられている。この三個のレーザダイオードのうち、一部はGaN基板上で結晶成長されたものであり、残りはGaAs基板上で結晶成長されたものである。特許文献4には、三個のLDがプレート上に接合された複数の波長のレーザ光を出射する多波長レーザが開示されている。この三個のLDはGaN基板上にGaN基板表面に沿って並列に設けられている。この三個のLDのうち、一部はGaN基板上で結晶成長されたものであり、残りはGaAs基板上で結晶成長されたものである。非特許文献1には、GaN基体に設けられた三つの異なるファセットと、それぞれのファセット上に結晶成長されたLEDとを有する発光素子が開示されている。それぞれのLEDは、ファセットが異なることによってInの含有率も異なっており、このため、発光波長も異なっている。
特開2000−011417号公報 特開2006−135306号公報 特開2006−135323号公報 特開2008−294322号公報 特開2006−315947号公報
M.Funato, T.Kotani, T.Kondou, Y.Kawakami, Y Narukawa and T.Mukai, "Tailoredemission color synthesis using microfacet quantum wells consisting of nitridesemiconductors wihout phosphors", APPLIED PHYSICS LETTERS 88, 261920 (2006)
GaNは広い範囲の発光波長を実現できる材料であり、多波長発光素子の発光部位を複数の材料系の組み合わせではなくGaNのみで構成することができる。しかし、特許文献1〜4の技術の場合、GaNは化学的に比較的安定しているのでエッチング等による加工が困難であり、従って、異なる発光波長を有する複数のGaNでアライメントの精度に優れたの半導体レーザアレイを作製することは容易ではない。また、非特許文献1の場合においてLEDに替えてLDを製造する場合、異なる複数のファセット上のそれぞれにLDを形成しなければならないのでデバイスプロセスが容易ではない。以上のことから、加工が困難なGaNにおいても多波長の発光素子の開発が望まれている。そこで、本発明は、上記の事項を鑑みてなされたものであり、複数の波長の光を出射する窒化物半導体発光素子を提供することを目的としている。
本発明の窒化物半導体発光素子は、六方晶系窒化物半導体からなる基板と、前記基板の主面に含まれる第1の領域上に設けられた第1の窒化物半導体部と、前記主面に含まれる第2の領域上に設けられた第2の窒化物半導体部とを備え、前記第1の窒化物半導体部は、InGaNからなる第1の井戸層を含む第1の発光層を有し、前記第2の窒化物半導体部は、InGaNからなる第2の井戸層を含んでおり前記第1の発光層の発光波長と異なる発光波長の第2の発光層を有し、前記基板のうち前記第1の領域上の第1の部分のc軸方向と前記主面の法線方向との成す第1の角度と、前記基板のうち前記第2の領域上の第2の部分のc軸方向と前記法線方向との成す第2の角度とは異なっている、ことを特徴とする。従って、第1の窒化物半導体部と第2の窒化物半導体部とのそれぞれの発光波長が異なるので、複数の発光波長を有する窒化物半導体からなる発光素子が提供できる。なお、用途に応じて、第1の窒化物半導体部と第2の窒化物半導体部を隣接させるようにしてもよい。
本発明の窒化物半導体発光素子では、前記第1の角度と前記第2の角度との差は5度以上であるのが好ましい。このように、第1の角度と前記第2の角度との差は5度以上なので、第1の窒化物半導体部の発光波長と第2の窒化物半導体部の発光波長との差は比較的大きいものとなる。
本発明の窒化物半導体発光素子では、前記第1の井戸層のIn組成が、前記第2の井戸層のIn組成と異なっている。このように、発光層のIn組成を調整することによって第1の窒化物半導体部と第2の窒化物半導体部の発光波長の調整が可能となる。
本発明の窒化物半導体発光素子では、前記第1の窒化物半導体部は、InGaNからなる第1の光ガイド層を有し、前記第2の窒化物半導体部は、InGaNからなる第2の光ガイド層を有し、前記第1の光ガイド層のIn組成は、前記第2の光ガイド層のIn組成と異なる。これにより、発光波長の異なる前記第1の窒化物半導体部と前記第2の窒化物半導体部のそれぞれに適した光導波構造とすることができる。
本発明の窒化物半導体発光素子では、前記第1の井戸層の発光波長は、430nm以上480nm以下の範囲内にあるのが好ましい。この場合、第1の発光層は青色光を発光する。
本発明の窒化物半導体発光素子では、前記第2の井戸層の発光波長は、500nm以上550nm以下の範囲内にあるのが好ましい。この場合、第2の発光層は緑色光を発光する。
本発明の窒化物半導体発光素子では、前記第2の角度は、63度以上80度以下の範囲内又は100度以上117度以下の範囲内にあるのが好ましい。第2の角度が63度以上80度以下の範囲内又は100度以上117度以下の範囲内にあるとき、第2の発光層でInの取り込みや高In組成のInGaNの結晶品質が優れたものになり、高輝度な緑色光を実現しやすくなる。
本発明の窒化物半導体発光素子では、前記第1の窒化物半導体部及び前記第2の窒化物半導体部は光を導波するための導波路を有し、前記第1の部分のc軸方向は前記第1の窒化物半導体部の導波路の延びている方向に直交し、前記第2の部分のc軸方向は前記第2の窒化物半導体部の導波路の延びている方向に直交していてもよく、または、前記第1の窒化物半導体部及び前記第2の窒化物半導体部は光を導波するための導波路を有し、前記第1の部分のc軸方向は前記第1の窒化物半導体部の導波路の延びている方向と前記主面の法線方向とによってなる平面に平行し、前記第2の部分のc軸方向は前記第2の窒化物半導体部の導波路の延びている方向と前記主面の法線方向とによってなる平面に平行していてもよく、または、前記第1の窒化物半導体部及び前記第2の窒化物半導体部は光を導波するための導波路を有し、前記第1の部分のc軸方向は前記第1の窒化物半導体部の導波路の延びている方向に直交し、前記第2の部分のc軸方向は前記第2の窒化物半導体部の導波路の延びている方向と前記主面の法線方向とによってなる平面に平行していてもよい。c軸方向が導波路の延びている方向に直交している場合、へき開によって光の出射端面を形成しやすくなる。c軸方向が導波路の延びている方向と主面の法線方向とによってなる平面に平行している場合、光学異方性によって導波路方向の利得が大きくなる。
本発明によれば、複数の波長の光を出射する窒化物半導体を用いた窒化物半導体発光素子を提供できる。
実施形態に係る窒化物半導体多波長レーザの構成を示す図である。 実施形態に係る窒化物半導体多波長レーザの製造方法を説明するための図である。 実施形態に係る窒化物半導体多波長レーザの製造方法を説明するための図である。 実施形態に係る窒化物半導体多波長レーザの製造方法を説明するための図である。 実施形態に係る窒化物半導体多波長レーザの他の製造方法を説明するための図である。 実施形態に係る窒化物半導体多波長レーザの他の製造方法を説明するための図である。 実施形態に係る窒化物半導体多波長レーザの他の製造方法を説明するための図である。 実施例1の窒化物半導体多波長レーザの構成を説明するための図である。 実施例1〜実施例3の窒化物半導体多波長レーザの構成を説明するための図である。 実施例2の窒化物半導体多波長レーザの構成を説明するための図である。 実施例3の窒化物半導体多波長レーザの構成を説明するための図である。 実施形態に係る窒化物半導体多波長レーザの発振特性を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、可能な場合には、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1は、実施形態に係る窒化物半導体多波長レーザ1(窒化物半導体発光素子)の構成を説明するための図である。窒化物半導体多波長レーザ1は、LD2及びLD4を備え、LD2及びLD4は共通のn電極3上に設けられている。
LD2は、GaN基板2a、半導体部2b、p電極2c及びn電極2dを有する。GaN基板2aは、六方晶系窒化物半導体からなる基板5に含まれておりGaN基板2aの主面S2(基板5の主面S5に含まれる第1の領域であり、半導体部2bとの界面)から延びている基板5の第1の部分である。基板5は窒化物半導体多波長レーザ1の基板である。半導体部2bは、GaN基板2aの主面S2上に設けられている。半導体部2bは、GaN基板2aの主面S2上にエピタキシャル成長によって形成されたものとなっている。半導体部2bは、GaN基板2a上に順に設けられたGaN層2e、クラッド層2f、ガイド層2g、発光層2h、ガイド層2i、電子ブロック層2j、クラッド層2k及びコンタクト層2mを有する。GaN基板2a上にGaN層2eが設けられ、GaN層2e上にクラッド層2fが設けられ、クラッド層2f上にガイド層2gが設けられ、ガイド層2g上に発光層2hが設けられ、発光層2h上にガイド層2iが設けられ、ガイド層2i上に電子ブロック層2jが設けられ、電子ブロック層2j上にクラッド層2kが設けられ、クラッド層2k上にコンタクト層2mが設けられている。発光層2hは、InGaNからなる複数の井戸層を含む多重量子井戸構造を有する。発光層2hは、InGaNを井戸層とする単一量子井戸構造としてもよい。発光層2hの発光波長は、430nm以上480nm以下の範囲内にあり、発光層2hは青色レーザ光を発光する。クラッド層2k及びコンタクト層2mは、電子ブロック層2j上においてリッジ形状の導波路21を成す。電子ブロック層2j上には、リッジ形状の導波路21に沿って絶縁膜23が設けられている。そして、導波路21及び絶縁膜23上にp電極2cが設けられている。また、GaN基板2aの裏面(主面S2の反対側にある面)にはn電極2dが設けられており、n電極2dはGaN基板2aに接している。n電極2dは、n電極3の一部であり、GaN基板2a及び半導体部2bに重なっている部分である。
GaN層2eはn型ドープされたGaNからなる。クラッド層2fはn型ドープされたInAlGaNからなる。ガイド層2gはInGaNからなる。発光層2hは、InGaNからなる複数の井戸層とGaNからなる複数のバリア層とを含み、この井戸層とバリア層とが交互に積層されてなる。ガイド層2iはInGaNからなる。電子ブロック層2jはp型ドープされたAlGaNからなる。クラッド層2kはp型ドープされたInAlGaNからなる。コンタクト層2mはp型ドープされたGaNからなる。p電極2cは例えばNi/Auオーミック電極とTi/Auパッド電極からなり、n電極2d(n電極3)は例えばTi/Alオーミック電極とTi/Auパッド電極からなる。絶縁膜23はSiOからなる。LD2の幅W2(導波路21のリッジ状に延びている方向に対し直交する方向のLD2の厚み)は、0.5mm程度である。
LD4は、GaN基板4a、半導体部4b、p電極4c及びn電極4dを有する。GaN基板4aは、六方晶系窒化物半導体からなる基板5に含まれておりGaN基板4aの主面S4(基板5の主面S5に含まれる第2の領域であり、半導体部4bとの界面)から延びている基板5の第2の部分である。基板5は、GaN基板2a及びGaN基板4aからなる。半導体部4bは、GaN基板4aの主面S4上に設けられている。基板5の主面S5は、LD2の主面S2とLD4の主面S4とからなり、主面S2は主面S4に隣接している。半導体部4bは、GaN基板4aの主面S4上にエピタキシャル成長によって形成されたものとなっている。半導体部4bは、GaN基板4a上に順に設けられたGaN層4e、クラッド層4f、ガイド層4g、発光層4h、ガイド層4i、電子ブロック層4j、クラッド層4k及びコンタクト層4mを有する。GaN基板4a上にGaN層4eが設けられ、GaN層4e上にクラッド層4fが設けられ、クラッド層4f上にガイド層4gが設けられ、ガイド層4g上に発光層4hが設けられ、発光層4h上にガイド層4iが設けられ、ガイド層4i上に電子ブロック層4jが設けられ、電子ブロック層4j上にクラッド層4kが設けられ、クラッド層4k上にコンタクト層4mが設けられている。発光層4hは、InGaNからなる複数の井戸層を含む多重量子井戸構造を有する。発光層2hは、InGaNを井戸層とする単一量子井戸構造としてもよい。発光層4hの井戸層のIn組成は、LD2の発光層2hのIn組成と異なっており、発光層4hの発光波長は、500nm以上550nm以下の範囲内にあり、発光層4hは緑色レーザ光を発光する。クラッド層4k及びコンタクト層4mは、電子ブロック層4j上においてリッジ形状の導波路41を成す。電子ブロック層4j上には、リッジ形状の導波路41に沿って絶縁膜43が設けられている。そして、導波路41及び絶縁膜43上にp電極4cが設けられている。また、GaN基板4aの裏面(主面S4の反対側にある面)にはn電極4dが設けられており、n電極4dはGaN基板4aに接している。n電極4dは、n電極3の一部であり、GaN基板4a及び半導体部4bに重なっている部分である。n電極3は、n電極2d及びn電極4dからなる。
GaN層4eはn型ドープされたGaNからなる。クラッド層4fはn型ドープされたInAlGaNからなる。ガイド層4gはInGaNからなる。ガイド層4gのIn組成は、LD2のガイド層2gのIn組成と異なっている。発光層4hは、InGaNからなる複数の井戸層とGaNからなる複数のバリア層とを含み、この井戸層とバリア層とが交互に積層されてなる。ガイド層4iはInGaNからなる。電子ブロック層4jはp型ドープされたAlGaNからなる。クラッド層4kはp型ドープされたInAlGaNからなる。コンタクト層4mはp型ドープされたGaNからなる。p電極4cは例えばNi/Auオーミック電極とTi/Auパッド電極からなり、n電極4d(n電極3)は例えばTi/Alオーミック電極とTi/Auパッド電極からなる。絶縁膜43はSiOからなる。LD4の幅W4(導波路41のリッジ状に延びている方向に対し直交する方向のLD4の厚み)は、0.5mm程度である。
GaN基板2aのc軸方向とGaN基板2aの主面S2の法線方向との成す第1の角度(オフ角)と、GaN基板4aのc軸方向とGaN基板4aの主面S4の法線方向との成す第2の角度(オフ角)とは異なっている。具体的には、図8に示す実施例1における角度θ21(第1の角度)と角度θ41(第2の角度)との差、図10に示す実施例2における角度θ22(第1の角度)と角度θ42(第2の角度)との差、及び、図12に示す実施例3における角度θ23(第1の角度)と角度θ43(第2の角度)との差は、何れも5度以上である。第1の角度と第2の角度との差が10度程度の場合、LD2とLD4のIn組成に10%程度の差が生じるので、LD2及びLD4を青色・緑色に分けることが可能になるが、発光波長はIn組成だけでなくピエゾ分極にも依存し、ピエゾ分極もオフ角に応じて変化するので、第1の角度と第2の角度との差を5度とした。特に、第2の角度(角度θ41,θ42及びθ43)は、63度以上80度以下の範囲内又は100度以上117度以下の範囲内にある。第2の角度が63度以上80度以下の範囲内又は100度以上117度以下の範囲内にあるとき、第2の発光層でInの取り込みや高In組成のInGaNの結晶品質が優れたものになり、緑色光を実現しやすくなる。なお、図8、図10及び図12の何れにおいても、GaN基板2aの主面S2の法線方向とGaN基板4aの主面S4の法線方向とは、共に、基板5の主面S5の法線方向と同一であり、z軸方向と記載している。
次に、図2〜図4を参照して、窒化物半導体多波長レーザ1の製造方法の概略を説明する。まず、図2(A)に示すように、複数のGaN基体2n及び複数のGaN基体4nを用意する。GaN基体2n及びGaN基体4nは、何れも、HVPE(hydride vapor phase epitaxy)によって作製されたGaNインゴットから切り出された部分であり、略同一の寸法の直方体の形状を有する。GaN基体2nの結晶方位はGaN基体4nの結晶方位と異なっている。次に、GaN基体2nとGaN基体4nとを交互に一列に並べる。隣接するGaN基体2nとGaN基体4nとは接している(以上、図2(A))。
次に、図2(B)に示すように、交互に一列に並べた複数のGaN基体2nとGaN基体4nの全体を下地基板として再度HVPEによってGaN層を結晶成長させる。このようにして結晶成長したGaN層のうちGaN基体2n上に形成された部分(GaN基体2p)の結晶方位はGaN基体2nの結晶方位と同一であり、GaN基体4n上に形成された部分(GaN基体4p)の結晶方位は、GaN基体4nの結晶方位と同一である。このようにして、複数のGaN基体2p及びGaN基体4pが交互に並んだGaNインゴットが形成される(以上、図2(B))。
次に、図2(B)及び図2(C)に示すように、GaN基体2p及びGaN基体4pからなるGaNインゴットから基板部5aを切り出す。基板部5aのうちGaN基体2pに含まれていた部分はGaN基板2aとなっており、基板部5aのうちGaN基体4pに含まれていた部分はGaN基板4aとなっている。GaN基板2aは、結晶成長のプロセスによって、隣接するGaN基板4aに接合した状態となっているが、このGaN基板2aとGaN基板4aとの界面には結晶欠陥が生じている。
次に、図3(A)に示すように、MOVPE(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)によって、LD用の積層構造体をエピタキシャル成長させる。このLD用の積層構造体のうちGaN基板2a上の部分(積層体2q)は、図1に示す半導体部2bと同様の積層構造を有し、GaN基板4a上の部分(積層体4q)は、図1に示す半導体部4bと同様の積層構造を有する。GaN基板2aの結晶方位はGaN基板4aの結晶方位と異なっているので、積層体2qの発光層内に取り込まれるInの組成比は、積層体4qの発光層内に取り込まれるInの組成比と異なる。このように、積層体2qの発光波長と積層体4qの発光波長とは異なることとなり、このようにして、異なる発光波長(例えば青色の発光波長及び緑色の発光波長)の二つのLDが一回のエピタキシャル成長によって得られる(以上、図3(A))。積層体2qと積層体4qは同一の表面を有しているので、デバイスプロセスが容易になる。
次に、図3(B)に示すように、ドライエッチングと真空蒸着とを用いて、積層体2qにリッジ形状の導波路21を設け、積層体4qにリッジ形状の導波路41を設ける。これによって、リッジ形状の導波路21を有する半導体部2bがGaN基板2a上に形成され、リッジ形状の導波路41を有する半導体部4bがGaN基板4a上に形成される。そして、導波路21及び導波路41が所定長となるようにGaN基板2a、GaN基板4a、積層体2q及び積層体4qをへき開する(以上、図3(B))。
次に、絶縁膜(絶縁膜23及び絶縁膜43に対応)と、p電極2c及びp電極4cと、n電極3とを設けた後に、図3(B)及び図4(A)に示す切断面L1に沿った切断を行ってチップ化することによって、図3(C)及び図4(B)に示すように、複数の窒化物半導体多波長レーザ1を得る。切断面L1は、隣接するLD2とLD4との界面を含む面であり、隣接する切断面L1の間にはLD2とLD4とが含まれる。切断面L1同士の間隔は、LD2及びLD4の幅(LD2及びLD4の並んでいる方向にとったLD2の厚みとLD4の厚みとの合計)程度(1mm程度)である。なお、この切断処理の前に、LD2及びLD4のへき開面(端面)に対し、所望の反射率を実現するための端面コートを施しておく。LD2及びLD4は、同一の導波路形成プロセスを経ており、さらに同一のへき開面(端面)を有しているので、LD2の発光波長の光軸とLD4の発光波長の光軸とは高精度で一致することとなる。
なお、図2〜図4に示す製造方法に限らず、図5〜図7に示す製造方法によって窒化物半導体多波長レーザ1を製造してもよい。まず、図5(A)に示すように、二つのGaN基体2nと、二つのGaN基体4nとを、交互に一列に並べる。隣接するGaN基体2nとGaN基体4nとは接しており、隣接するGaN基体2n同士も接しており、隣接するGaN基体4n同士も接している(以上、図5(A))。
次に、図5(B)に示すように、上記のようにして一列並べられた複数のGaN基体2nとGaN基体4nの全体を下地基板として再度HVPEによってGaN層を結晶成長させる。このようにして結晶成長したGaN層のうちGaN基体2n上に形成された部分(GaN基体2p)の結晶方位はGaN基体2nの結晶方位と同一であり、GaN基体4n上に形成された部分(GaN基体4p)の結晶方位は、GaN基体4nの結晶方位と同一である。このようにして、GaN基体2p及びGaN基体4pからなるGaNインゴットが形成される(以上、図5(B))。
次に、図5(B)及び図5(C)に示すように、GaN基体2p及びGaN基体4pからなるGaNインゴットから基板部5bを切り出す。基板部5bのうちGaN基体2pに含まれていた部分はGaN基板2aとなっており、基板部5bのうちGaN基体4pに含まれていた部分はGaN基板4aとなっている。GaN基板2aは、結晶成長のプロセスによって、隣接するGaN基板2a及びGaN基板4aに接合した状態となっているが、GaN基板4aとの界面には結晶欠陥が生じている。
次に、図6(A)に示すように、MOVPEによって、LD用の積層構造体をエピタキシャル成長させる。このLD用の積層構造体のうちGaN基板2a上の部分(積層体2q)は、図1に示す半導体部2bと同様の積層構造を有し、GaN基板4a上の部分(積層体4q)は、図1に示す半導体部4bと同様の積層構造を有する。GaN基板2aの結晶方位はGaN基板4aの結晶方位と異なっているので、積層体2qの発光層内に取り込まれるInの組成比は、積層体4qの発光層内に取り込まれるInの組成比と異なる。このように、積層体2qの発光波長と積層体4qの発光波長とは異なることとなり、このようにして、異なる発光波長(例えば青色の発光波長及び緑色の発光波長)の二つのLDが一回のエピタキシャル成長によって得られる(以上、図6(A))。積層体2qと積層体4qは同一の表面を有しているので、デバイスプロセスが容易になる。
次に、図6(B)に示すように、ドライエッチングと真空蒸着とを用いて、積層体2qにリッジ形状の導波路21を設け、積層体4qにリッジ形状の導波路41を設ける。これによって、リッジ形状の導波路21を有する半導体部2bがGaN基板2a上に形成され、リッジ形状の導波路41を有する半導体部4bがGaN基板4a上に形成される。そして、導波路21及び導波路41が所定長となるようにGaN基板2a、GaN基板4a、積層体2q及び積層体4qをへき開する(以上、図6(B))。
次に、絶縁膜(絶縁膜23及び絶縁膜43に対応)と、p電極2c及びp電極4cと、n電極3とを設けた後に、図6(B)及び図7(A)に示す切断面L2に沿った切断を行ってチップ化することによって、図6(C)及び図7(B)に示すように、複数の窒化物半導体多波長レーザ1を得る。切断面L2は、隣接する二つのLD2の界面、又は、隣接する二つのLD4の界面を含む面であり、隣接する二つの切断面L2の間にはLD2とLD4とが含まれる。切断面L2同士の間隔は、LD2及びLD4の幅(LD2及びLD4の並んでいる方向にとったLD2の厚みとLD4の厚みとの合計)程度(1mm程度)である。なお、この切断処理の前に、LD2及びLD4のへき開面(端面)に対し、所望の反射率を実現するための端面コートを施しておく。LD2及びLD4は、同一の導波路形成プロセスを経ており、さらに同一のへき開面(端面)を有しているので、LD2の発光波長の光軸とLD4の発光波長の光軸とは高精度で一致することとなる。
なお、図3(A)に示す積層体2qにリッジ形状の二つの導波路21を形成し、図3(A)に示す積層体4qにリッジ形状の二つの導波路41を形成することによって、図6(B)に示す構造を実現してもよい。この場合、GaN基体2n及びGaN基体4nのそれぞれの幅(GaN基体2n及びGaN基体4nの並んでいる方向にとったGaN基体2n及びGaN基体4nのそれぞれの厚み)は、上記幅0.5mmの2倍程度(1mm程度)にでき、GaN基板を並べる工程を簡略化できる。積層体2qの幅(GaN基体2n及びGaN基体4nの並んでいる方向にとった積層体2qの厚み)は上記幅0.5mmの2倍程度(1mm程度)となり、積層体4qの幅(GaN基体2n及びGaN基体4nの並んでいる方向にとった積層体4qの厚み)も上記幅0.5mmの2倍程度(1mm程度)となる。
(実施例1)図8及び図9を参照して、実施形態に係る窒化物半導体多波長レーザ1の実施例1について説明する。図8に示すように、LD2のGaN基板2aのc軸方向はLD2の導波路21の延びている方向(y軸方向)に直交し、LD4のGaN基板4aのc軸方向はLD4の半導体部4bの導波路41の延びている方向(y軸方向)に直交している。すなわち、GaN基板2aのc軸方向は、導波路21(y軸)に直交する面(zx面)に平行し、GaN基板4aのc軸方向は、導波路41(y軸)に直交する面(zx面)に平行している。GaN基板2aのc軸方向と基板5の主面S5の法線方向(z軸方向)との成す第1の角度(角度θ21)は2度であり(主面S5がa軸方向2度オフ面)、GaN基板4aのc軸方向と基板5の主面S5の法線方向(z軸方向)との成す第2の角度(角度θ41)は75度である(主面S5がm軸方向75度オフ面)。GaN基板2aのm軸方向はy軸方向と等価な方向であり、GaN基板4aのa軸方向もy軸方向と等価な方向である。
図9に示すように、GaN層2eはn型ドープされたGaNからなり、500nm程度の厚みを有する。クラッド層2fは、n型ドープされたInAlGaNからなり、1.5μm程度の厚みを有する。クラッド層2fのIn,Al,Gaの組成比は、それぞれ、0.02,0.09,0.89である。ガイド層2gは、InGaNからなり、200nm程度の厚みを有する。ガイド層2gのIn,Gaの組成比は、それぞれ、0.02,0.98である。
発光層2hは、複数のバリア層2rと複数の井戸層2sとからなり、バリア層2rと井戸層2sとが交互に積層されている。バリア層2rは、GaNからなり、15nm程度の厚みを有する。井戸層2sは、InGaNからなり、3nm程度の厚みを有する。井戸層2sのIn,Gaの組成比は、それぞれ、0.20,0.80である。
ガイド層2iは、InGaNからなり、200nm程度の厚みを有する。ガイド層2iのIn,Gaの組成比は、それぞれ、0.02,0.98である。電子ブロック層2jは、p型ドープされたAlGaNからなり、20nm程度の厚みを有する。電子ブロック層2jのAl,Gaの組成比は、それぞれ、0.12,0.88である。クラッド層2kは、p型ドープされたInAlGaNであり、400nm程度の厚みを有する。クラッド層2kのIn,Al,Gaの組成比は、それぞれ、0.02,0.09,0.89である。コンタクト層2mは、p型ドープされたGaNからなり、50nm程度の厚みを有する。
また、GaN層4eは、n型ドープされたGaNからなり、500nm程度の厚みを有する。クラッド層4fは、n型ドープされたInAlGaNからなり、1.5μm程度の厚みを有する。クラッド層4fのIn,Al,Gaの組成比は、それぞれ、0.02,0.09,0.89である。ガイド層4gは、InGaNからなり、200nm程度の厚みを有する。ガイド層4gのIn,Gaの組成比は、それぞれ、0.03,0.97である。
発光層4hは、複数のバリア層4rと複数の井戸層4sとからなり、バリア層4rと井戸層4sとが交互に積層されている。バリア層4rは、GaNからなり、15nm程度の厚みを有する。井戸層4sは、InGaNからなり、3nm程度の厚みを有する。井戸層4sのIn,Gaの組成比は、それぞれ、0.30,0.70である。
ガイド層4iは、InGaNからなり、200nm程度の厚みを有する。ガイド層4iのIn,Gaの組成比は、それぞれ、0.03,0.97である。電子ブロック層4jは、p型ドープされたAlGaNからなり、20nm程度の厚みを有する。電子ブロック層4jのAl,Gaの組成比は、それぞれ、0.12,0.88である。クラッド層4kは、p型ドープされたInAlGaNであり、400nm程度の厚みを有する。クラッド層4kのIn,Al,Gaの組成比は、それぞれ、0.02,0.09,0.89である。コンタクト層4mは、p型ドープされたGaNからなり、50nm程度の厚みを有する。
実施例1に係る窒化物半導体多波長レーザ1の製造方法を説明する。実施例1に係る窒化物半導体多波長レーザ1は図2〜図4に示す製造方法(特に、積層体2qにリッジ形状の二つの導波路21を形成し、積層体4qにリッジ形状の二つの導波路41を形成する製造方法)によって製造された。まず、HVPEによって作製されたGaNインゴットから切り出した幅1mm程度の複数のGaN基体2n(a軸方向2度オフの結晶方位)と、HVPEによって作製された他のGaNインゴットから切り出した幅1mm程度の複数のGaN基体4n(m軸方向75度オフの結晶方位)とを用意してGaN基体2nとGaN基体4nとを交互に並べた。次に、この複数のGaN基体2n及びGaN基体4nの全体を下地基板として再度HVPEによってGaN基体2p及びGaN基体4pを結晶成長させ、複数のGaN基体2p及びGaN基体4pが交互に並んだGaNインゴットを形成した。次に、このGaNインゴットから基板部5aを切り出した。
次に、基板部5a上に、積層体2q及び積層体4qを、MOVPEによってエピタキシャル成長させた。まず、基板部5aを、NH+H雰囲気、摂氏1050度の条件で10分程度保持し、前処理(サーマルクリーニング)を行った後に、n型ドープされたGaN層(GaN層2e及びGaN層4e)を摂氏1050度程度で基板部5a上に成長させる。
次に、温度を摂氏840度に下げ、クラッド層2f及びクラッド層4fを成長させ、更に、ガイド層2g及びガイド層4gを成長させた。次に、発光層2h及び発光層4hを成長させた。バリア層2r及びバリア層4rを摂氏840度程度で成長させ、井戸層2s及び井戸層4sを摂氏740度程度で成長させた。次に、摂氏840度のもとで、ガイド層2i及びガイド層4iを成長させた。
なお、基板部5aのGaN基板2aとGaN基板4aとは結晶方位が異なっているので、GaN基板2a上に成長させたガイド層2g、井戸層2s及びガイド層2iのIn組成比と、GaN基板4a上に成長させたガイド層4g、井戸層4s及びガイド層4iのIn組成比とは異なっていた。
次に、摂氏1000度程度のもとで電子ブロック層2j及び電子ブロック層4jを成長させた。更にこの後、摂氏840度程度のもとで、クラッド層2k及びクラッド層4kを成長させ、更に、コンタクト層2m及びコンタクト層4mを成長させた。以上によって積層体2q及び積層体4qを形成した。
次に、積層体2q及び積層体4qに対しドライエッチングと真空蒸着とを行うことによって、ストライプ幅2μm程度のリッジ形状の導波路21を積層体2q毎に二つ形成し、同様のリッジ形状の導波路41を積層体4q毎に二つ形成した。次に、基板部5aの裏面(半導体部2b及び半導体部4bとの界面の反対側にあり、露出している面)を、へき開を容易にするために基板部5aの厚みが100μm程度になるまで研磨した。
そして、電子ブロック層2j上に導波路21を挟むようにして絶縁膜23を形成し、電子ブロック層4j上に導波路41を挟むようにして絶縁膜43を形成した後に、導波路21及び絶縁膜23上にp電極2cを形成し、導波路41及び絶縁膜43上にp電極4cを形成した。更に、基板部5aの裏面にn電極3を形成した。そして、導波路21及び導波路41の長さが600μm程度となるようにへき開を行った。ここで、GaN基板2a及び積層体2qに対するへき開はm面へき開であり、GaN基板4a及び積層体4qに対するへき開はa面へき開であった。次に、このへき開によって生じた端面に対し、波長490nmの光の反射率が80%及び95%のSiO/TiOからなる誘電体多層膜を蒸着した。そして、積層体2qの二つの導波路21の間の切断面(切断面L2に対応)及び積層体4qの二つの導波路41の間の切断面(切断面L2に対応)に沿った切断を行ってチップ化することによって、複数の窒化物半導体多波長レーザ1を得た。
窒化物半導体多波長レーザ1のLD2は、460nmで発振し、窒化物半導体多波長レーザ1のLD4は、520nmで発振した。なお、誘電体多層膜の反射率は波長490nmを中心に調整しているので、LD2とLD4の両方にほぼ所望の反射率を提供することができる。このようにして、MOVPE成長とデバイスプロセスが簡便な多波長発光素子が提供される。本実施例は、光の三原色のうちの青色光と緑色光を含んでいるので、例えば映像表示機器の光源に応用できる。
(実施例2)図10を参照して、実施形態に係る窒化物半導体多波長レーザ1の実施例2について説明する。図10に示すように、LD2のGaN基板2aのc軸方向はLD2の導波路21の延びている方向(y軸方向)に直交し、LD4のGaN基板4aのc軸方向はLD4の半導体部4bの導波路41の延びている方向(y軸方向)と基板5の主面S5の法線方向(z軸方向)とによってなる平面(yz平面)に平行している。GaN基板2aのc軸方向は、導波路21(y軸)に直交する面(zx面)に平行している。GaN基板2aのc軸方向と基板5の主面S5の法線方向(z軸方向)との成す第1の角度(角度θ22)は2度であり(主面S5がa軸方向2度オフ面)、GaN基板4aのc軸方向と基板5の主面S5の法線方向(z軸方向)との成す第2の角度(角度θ42)は75度である(主面S5がm軸方向75度オフ面)。GaN基板2aのm軸方向はy軸方向と等価な方向であり、GaN基板4aのa軸方向はx軸方向と等価な方向である。主面S5がm軸方向75度オフ面となっているGaN基板4a上に形成された半導体部4bからの発光は正の偏光度を有する。ここで、偏光度は、発光を素子表面から観測した場合に、オフ方向に垂直な成分の発光がオフ方向に平行な成分の発光よりも強いときに、正としている。このLD4から発光されるレーザ光のオフ垂直成分は、このレーザ光のオフ平行成分よりも強い(図12)。レーザ発振にはTEモードが寄与するので、LD4のようにオフ垂直成分がTEモードに一致するように導波路を形成すれば、しきい値電流を低減できる。
実施例2の半導体部2b及び半導体部4bの構成は、図9に示す実施例1の場合と同様であった。実施例2に係る窒化物半導体多波長レーザ1の製造方法も、実施例1の場合の製造方法と同様であった。実施例2の場合におけるGaN基板4a及び積層体4qの端面はへき開性のある結晶面ではないが、GaN基板2a及び積層体2qのm面へき開に引きずられて良好に割れた。
(実施例3)図11を参照して、実施形態に係る窒化物半導体多波長レーザ1の実施例2について説明する。図11に示すように、LD2のGaN基板2aのc軸方向はLD2の導波路21の延びている方向(y軸方向)と基板5の主面S5の法線方向(z軸方向)とによってなる平面(yz平面)に平行し、LD4のGaN基板4aのc軸方向はLD4の半導体部4bの導波路41の延びている方向(y軸方向)と基板5の主面S5の法線方向(z軸方向)とによってなる平面(yz平面)に平行している。GaN基板2aのc軸方向と基板5の主面S5の法線方向(z軸方向)との成す第1の角度(角度θ23)は90度であり(主面S5がm面)、GaN基板4aのc軸方向と基板5の主面S5の法線方向(z軸方向)との成す第2の角度(角度θ43)は70度である(主面S5がm軸方向70度オフ面)。GaN基板2aのm軸方向はz軸方向と等価な方向であり、GaN基板4aのa軸方向はx軸方向と等価な方向である。主面S5がm面となっているGaN基板2a上に形成された半導体部2bからの発光と、主面S5がm軸方向70度オフ面となっているGaN基板4a上に形成された半導体部4bからの発光とは何れも正の偏光度を有するので、LD2及びLD4に対するしきい値電流は何れも低減される。
実施例3の半導体部2b及び半導体部4bの構成は、図9に示す実施例1の場合と同様であった。実施例3に係る窒化物半導体多波長レーザ1の製造方法については、井戸層2s及び井戸層4sの成長温度を摂氏750度程度とし、ガイド層2g及びガイド層4gと、ガイド層2i及びガイド層4iと、バリア層2r及びバリア層4rとの成長温度を摂氏850度程度としたことを除けば、実施例1の場合の製造方法と同様であった。実施例3の場合におけるGaN基板4a及び積層体4qの端面はへき開性のある結晶面ではないが、GaN基板2a及び積層体2qのc面へき開に引きずられて良好に割れた。
1…窒化物半導体多波長レーザ、2,4…LD、21,41…導波路、23,43…絶縁膜、2a,4a…GaN基板、2b,4b…半導体部、2c,4c…p電極、2d,3,4d…n電極、2e,4e…GaN層、2f,4f,2k,4k…クラッド層、2g,4g,2i,4i…ガイド層、2h,4h…発光層、2j,4j…電子ブロック層、2m,4m…コンタクト層、2n,4n,2p,4p…GaN基体、2q,4q…積層体、2r,4r…バリア層、2s,4s…井戸層、5…基板、5a,5b…基板部、S2,S4,S5…主面。

Claims (10)

  1. 六方晶系窒化物半導体からなる基板と、
    前記基板の主面に含まれる第1の領域上に設けられた第1の窒化物半導体部と、
    前記主面に含まれる第2の領域上に設けられた第2の窒化物半導体部と
    を備え、
    前記第1の窒化物半導体部は、InGaNからなる第1の井戸層を含む第1の発光層を有し、
    前記第2の窒化物半導体部は、InGaNからなる第2の井戸層を含んでおり前記第1の発光層の発光波長と異なる発光波長の第2の発光層を有し、
    前記基板のうち前記第1の領域上の第1の部分のc軸方向と前記主面の法線方向との成す第1の角度と、前記基板のうち前記第2の領域上の第2の部分のc軸方向と前記法線方向との成す第2の角度とは異なっている、
    ことを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記第1の角度と前記第2の角度との差は5度以上である、ことを特徴とする請求項1に記載に窒化物半導体発光素子。
  3. 前記第1の井戸層のIn組成は、前記第2の井戸層のIn組成と異なる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記第1の窒化物半導体部は、InGaNからなる第1の光ガイド層を有し、
    前記第2の窒化物半導体部は、InGaNからなる第2の光ガイド層を有し、
    前記第1の光ガイド層のIn組成は、前記第2の光ガイド層のIn組成と異なる、ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記第1の井戸層の発光波長は、430nm以上480nm以下の範囲内にある、ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記第2の井戸層の発光波長は、500nm以上550nm以下の範囲内にある、ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記第2の角度は、63度以上80度以下の範囲内又は100度以上117度以下の範囲内にある、ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 前記第1の窒化物半導体部及び前記第2の窒化物半導体部は光を導波するための導波路を有し、前記第1の部分のc軸方向は前記第1の窒化物半導体部の導波路の延びている方向に直交し、前記第2の部分のc軸方向は前記第2の窒化物半導体部の導波路の延びている方向に直交している、ことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  9. 前記第1の窒化物半導体部及び前記第2の窒化物半導体部は光を導波するための導波路を有し、前記第1の部分のc軸方向は前記第1の窒化物半導体部の導波路の延びている方向と前記主面の法線方向とによってなる平面に平行し、前記第2の部分のc軸方向は前記第2の窒化物半導体部の導波路の延びている方向と前記主面の法線方向とによってなる平面に平行している、ことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  10. 前記第1の窒化物半導体部及び前記第2の窒化物半導体部は光を導波するための導波路を有し、前記第1の部分のc軸方向は前記第1の窒化物半導体部の導波路の延びている方向に直交し、前記第2の部分のc軸方向は前記第2の窒化物半導体部の導波路の延びている方向と前記主面の法線方向とによってなる平面に平行している、ことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
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