JP2011076758A - 開閉器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 構成部品数を増やすことなく閉路動作時の衝撃による損傷を防止する、小型で信頼性の高い開閉器を提供することを目的とする。
【解決手段】 ダイナミックダンパ40を固定接触子1a側に設け、ダイナミックダンパ40の移動マス8に閉路動作時に生じる可動接触子1bと固定接触子1aとの間の衝撃エネルギーを運動エネルギーとして吸収させ、保持部9内で摺動することにより空気ダンパとして衝撃をダイナミックダンパ40に受容させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、真空遮断器等の開閉器に関するものであり、閉路動作を行うときに発生する固定・可動両接触子間のチャタリング現象の防止・低減に関するものである。
真空遮断器(VCB)等の開閉器では、真空バルブ(VST)の固定接触子が端子導体に支持固定されている。このため、遮断器の閉路動作により可動接触子が固定接触子に衝突するとき、衝撃力が固定接触子に、また反発力が可動接触子に作用し、接触部で安定な継続的閉合に至るまでの局面に於いて、両接触子が微小な開離・接触を繰返すチャタリング現象が発生する場合がある。
このチャタリング現象の原因は、真空バルブの両接触子、即ち固定側部材である固定接触子と、閉路動作時には操作機構により駆動され、固定接触子に接触・閉合する可動側部材である可動接触子とが衝突接触の衝撃により振動し、微小な開閉を繰返す事によることが知られている。
運用中の真空遮断器に於いてチャタリング現象が発生すると、開離期間に発生したアークにより両接触子が溶着したり、電路開閉の繰返しにより有害なサージ電圧が配電系統に発生するため、これを防止・抑制することが望まれている。
特許文献1では、開閉動作の衝撃による部品の損傷を防止するため、固定電極と固定板との間に、テーパー面を有するブロックとテーパー面を有するブロックを支持する弾性体とを設けることが開示されている。
これは、真空バルブの固定部材上に斜面を持つ部材を設け、この斜面にばねにより押付けられたもう一組の斜面を持つ部材を摺動押圧することにより、真空遮断器の閉路動作時に真空バルブの固定部材の振動を両部材間の摩擦により低減させる構成である。
即ち、固定接触子が設けられている真空バルブの固定部材を制限された範囲で真空バルブの軸方向(閉路動作時、可動接触子はこの方向に駆動される)に移動可能とし、閉路動作時の真空バルブの固定側への衝撃を摩擦により吸収することによりチャタリング防止・軽減を図るものである。
特開2006−269202号公報(0013段、図2)
しかしながら、従来の開閉器では、上記のように構成されているので、部品数が多く、両斜面部材の整合調整が必要であり、時間が掛かるので、部品コスト・組立コストが高価であるという問題点があった。
また、真空バルブの固定部材の振動を、それに直接接触する他の部材との摩擦により低減させるように構成されているため、振動減衰のためにはそれ自体が運動することが必要で、そのため効果が低い場合があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、構成部品数を増やすことなく閉路動作時の衝撃による損傷を防止する、小型で信頼性の高い開閉器を提供することを目的とする。
本発明に係る開閉器は、固定電極及びこの固定電極に接離自在に設けられる可動電極とからなるスイッチ部と、可動電極から延出する可動軸と、可動軸を駆動してスイッチ部を開閉する操作機構と、スイッチ部及び可動軸を内部に保持するフレームと、可動電極の駆動方向で、フレームに固定される固定電極の可動電極との接離する面との反対面の側に接して設けられ、閉路動作時には駆動方向に摺動可能に設けられる移動マスとを備えるものである。
本発明によれば、閉路動作時には駆動方向に摺動可能な移動マスを、可動電極の駆動方向で、固定電極の可動電極との接離する面との反対側の面に接して設け、閉路動作時に生じる可動 電極と固定電極との間の衝撃エネルギーを運動エネルギーとして吸収させ、摺動することにより衝撃を受容させることにより、固定・可動電極間に発生する振動を抑制でき、チャタリング現象を防止、低減することができる。
本発明に係る開閉器の実施の形態1における構成を示す外観図である。 本発明に係る開閉器の実施の形態1における構成を示す拡大断面図である。 本発明に係る開閉器の実施の形態1における構成を示す拡大断面図である。 本発明に係る開閉器の実施の形態2における構成を示す拡大断面図である。 本発明に係る開閉器の実施の形態3における構成を示す拡大断面図である。 本発明に係る開閉器の実施の形態3における構成を示す拡大断面図である。
実施の形態1.
以下、本発明に係る開閉器の各種実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る実施の形態1における開閉器100の構成を示す外観正面図である。
図1において、開閉器100は、絶縁フレーム3と、操作機構30と、絶縁フレーム3および操作機構30を支持する支持板12と、可動側回路導体5と、固定側回路導体4とから構成されている。
図2及び図3は、本発明に係る実施の形態1における開閉器100の開閉動作部50の構成を示す拡大断面図である。図2は開路している状態を示し、図3は閉路動作した直後の状態を示す。
図2において、開閉動作部50は、真空バルブ1と、支持導体2と、絶縁フレーム3と、固定側回路導体4と、可動側回路導体5と、操作機構30への可動軸としての連結棒6と、軸部材7と、ダイナミックダンパ40とから構成されている。
真空バルブ1は、固定電極としての固定接触子1aと、可動電極としての可動接触子1bと、スイッチ部としての固定接触子1a及び可動接触子1bを覆う真空スィッチ管1dと、可動接触子1bを駆動し固定接触子1aと接触・開離操作するための可動軸としての操作棒導体1cとからなる。
支持導体2は、真空バルブ1の固定接触子1a側に取り付けられ、絶縁フレーム3に固定することにより真空バルブ1を支持する。支持導体2には、固定側回路導体4が取付けられている。可撓導体である可動側回路導体5は、真空バルブ1の操作棒導体1cに接続されている。
固定側回路導体4及び可動側回路導体5は、それぞれ図示していない外部への導体に接続されており、真空バルブ1の主回路を構成している。
連結棒6は、可動接触子1bを操作棒導体1cを介して操作機構30へ連結することで、可動接触子1bを駆動し、固定接触子1aに接触・閉合させるものである。
ダイナミックダンパ40は、移動マス8と、保持部9と、ばね10と、スペーサ11とからなり、軸部材7により支持導体2上に設けられる。ダイナミックダンパ40は、移動マス8が軸部材7に沿ってばね10を伸縮させて上下に摺動するように構成されている。
チャタリング現象は、閉路動作時に可動接触子1bと固定接触子1aとが衝突し、接触の衝撃により振動し、両接触子が微小な開離・接触を繰返すことが原因で生じる。
移動マス8は、この衝突接触の衝撃エネルギーを自らが受けて加速され、運動エネルギーとして代理的に吸収する。移動マス8は、両接触子を安定に閉合させるものであり、その質量の大きさにより衝突接触の衝撃エネルギーの吸収特性が設定される。
移動マス8の質量は、初期の衝撃エネルギーの吸収特性を得るため、操作機構30の可動接触子駆動部分の等価質量に近い値に設定されることが望ましい。
保持部9は、中空部分で移動マス8を取囲み、シリンダとして移動マス8とともに空気ダンパを構成している。保持部9には、保持部9の側面に開口部としての穴9aが設けられ、穴9aの位置、大きさ、個数によりダイナミックダンパ40の緩衝特性を設定する。
上記のように構成されるダイナミックダンパ40は、空気ダンパとして一旦運動エネルギーとして移動マス8に代理的に吸収させて衝撃エネルギーを受容した後、流体ダンパとして穴9aにより保持部9内の圧縮された空気を緩和放出することで処理・消費するものである。
ばね10は、移動マス8の動作特性を調整するとともに、動作後に移動マス8を初期位置に復帰させるリセットばねである。スペーサ11は、軸部材7上に設けられ、移動マス8の移動上限を設定する。
次に、本発明に係る実施の形態1における開閉器100の開閉動作部50の動作について、図2及び図3を用いて説明する。まず、図2に示す開路状態から電路を閉じる動作が開始すると、可動接触子1bは、操作機構30により瞬時に上方に押上げられ、固定接触子1aと衝突して接触する。
可動接触子1bが固定接触子1aに衝突すると、衝撃が真空スィッチ管1d及び支持導体2を介して移動マス8に伝わり、移動マス8は、その衝撃エネルギーを運動エネルギーとして吸収し、図3に示すように、中空の保持部9内の空気を圧縮しながら、ばね10に抗して軸部材7に沿ってA方向へ摺動する。
この際、ダイナミックダンパ40は、空気ダンパ(エアダンパ)として一旦運動エネルギーとして移動マス8に代理的に吸収させて衝撃エネルギーを受容し、流体ダンパとして穴9aにより保持部9内の圧縮された空気を緩和放出することにより処理・消費する。
即ち、ダイナミックダンパ40により、閉路動作時に生じる可動接触子1bと固定接触子1aとの間の衝撃エネルギーを処理・消費することにより、固定・可動両接触子間に発生する振動を抑制し、チャタリング現象を防止する。衝撃エネルギーを処理・消費した後、移動マス8は、ばね10により初期の位置に戻る。
以上のように、本実施の形態1では、ダイナミックダンパ40を固定接触子1a側に設け、ダイナミックダンパ40の移動マス8に閉路動作時に生じる可動接触子1bと固定接触子1aとの間の衝撃エネルギーを運動エネルギーとして吸収させ、保持部9内で摺動することにより空気ダンパとして衝撃をダイナミックダンパ40に受容させるようにしたので、固定・可動両接触子間に発生する振動を抑制でき、チャタリング現象を防止、低減することができる。
また、保持部9の側面に穴9aを設け、保持部9内で圧縮される空気を緩和放出することにより流体ダンパとして衝撃をダイナミックダンパ40に受容させるようにしたので、振動を抑制する効果を向上させることができ、確実にチャタリング現象を防止、低減することができる。
さらに、従来のチャタリング現象を防止、低減する手段を備えた開閉器に比べて、構造を簡素化でき、部品点数およびコストの低減を図ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、保持部9の穴9aの位置を移動マス8の摺動端より上方に位置する場合について示した。本実施の形態2では、開口部としての穴を移動マス8の摺動途中の位置に設けた場合について示す。
図4は、本発明に係る実施の形態2における開閉器101のダイナミックダンパ41の構成を示す拡大断面図である。図4では、移動マス8が摺動途中の位置にある状態を示す。
図4において、開口部としての穴19aは、保持部19の側面で移動マス8の摺動途中の位置に設けられ、穴19aの位置、大きさ、個数によりダイナミックダンパ41の緩衝特性を設定する。
この場合、閉路動作時に移動マス8が摺動を開始して穴19aを塞ぐまでは、ダイナミックダンパ41は、空気ダンパとして一旦運動エネルギーとして移動マス8に代理的に吸収させて衝撃エネルギーを受容し、流体ダンパとして穴19aにより保持部19内の圧縮された空気を緩和放出することにより処理・消費する。
これに対し、摺動途中、移動マス8が穴9aを塞いだ後は、図4に示すように、ダイナミックダンパ41は、空気ダンパとしてのみ動作し、移動マス8がスペーサ11に衝突する速度を抑制し、摺動端で発生する衝撃を緩和する。
その他の構成及び動作に関しては、実施の形態1と同様であり、相当部分には図2及び図3と同一符号を付して説明を省略する。
以上のように、本実施の形態2では、開口部としての穴19aを保持部19の側面で移動マス8の摺動途中の位置に設け、摺動途中から空気ダンパとしてのみ動作するようにしたので、移動マスの摺動端での衝撃の再発生を抑制でき、より確実にチャタリング現象を防止、低減することができる。
実施の形態3.
図5及び図6は、本発明に係る実施の形態3における開閉器102の開閉動作部52の構成を示す拡大断面図である。図5は開路している状態を示し、図6は閉路動作した直後の状態を示す。
図5に示すように、実施の形態3においては、移動マス28の上部両端に側板28aを設け、移動マス28が中空部分で板状の保持部29を取囲み、シリンダとして保持部29とともにダイナミックダンパ42を構成している。
また、実施の形態1における穴9aの代わりに、移動マス28と保持部29の間に開口部としての隙間28bを設け、板状の保持部29の大きさを変化させてダイナミックダンパ42の緩衝特性を設定する。
その他の構成及び動作に関しては、実施の形態1と同様であり、相当部分には図2及び図3と同一符号を付して説明を省略する。
以上のように、本実施の形態3では、移動マス28が中空部分で板状の保持部29を取囲み、シリンダとして保持部29とともに空気ダンパを構成し、移動マス28と保持部29の間に開口部としての隙間28bを設けるようにしたので、製造時に穴加工の工程が不要となり、工程数の削減、コスト低減を図ることができる。
また、大きさの異なる保持部に取り替えることにより隙間を調整することができ、容易に緩衝特性を制御できる。
1a 固定接触子
1b 可動接触子
1c 操作棒導体
3 絶縁フレーム
6 連結棒
8 移動マス
9 保持部
9a 穴
28 移動マス
28b 隙間
29 保持部
30 操作機構
100 開閉器

Claims (7)

  1. 固定電極及びこの固定電極に接離自在に設けられる可動電極とからなるスイッチ部と、
    前記可動電極から延出する可動軸と、
    前記可動軸を駆動して前記スイッチ部を開閉する操作機構と、
    前記スイッチ部及び前記可動軸を内部に保持するフレームと、
    前記可動電極の駆動方向で、前記フレームに固定される前記固定電極の前記可動電極との前記接離する面との反対面の側に接して設けられ、閉路動作時には前記駆動方向に摺動可能に設けられる移動マスとを備える開閉器。
  2. 移動マスとで前記移動マスの摺動領域を囲い、閉路動作時に前記移動マスが摺動する際に空気ダンパを構成する保持部をさらに備えることを特徴とする請求項1の開閉器。
  3. 保持部は、開口部を備えることを特徴とする請求項2に記載の開閉器。
  4. 開口部は、移動マスの摺動端付近に設けられることを特徴とする請求項3に記載の開閉器。
  5. 開口部は、移動マスの摺動途中の領域に設けられることを特徴とする請求項3に記載の開閉器。
  6. 開口部は、穴形状からなることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の開閉器。
  7. 開口部は、移動マスと保持部とで形成される隙間からなることを特徴とする請求項3に記載の開閉器。
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