JP2011075803A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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健志 前山
Shigeo Uetake
重夫 植竹
Junya Hirayama
順哉 平山
Makiko Watanabe
麻紀子 渡邉
Nobuyoshi Mizumoto
乃文美 水本
Toshiya Natsuhara
敏哉 夏原
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Abstract

【課題】ハイブリッド現像方式において、現像残トナーのコントラストであるΔM/A(トナー担持体上トナー量の差)を低減することで現像履歴(ゴースト)の発生を抑制し、高画質な画像形成を可能にした現像装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー担持体として、外部から単独のバイアス電圧を印加するための互いに導通する少なくとも1つの接点部を有し、トナーを担持する表面は、該接点部と導通する第1の表面と、絶縁する第2の表面とが混在するように構成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、表面に担持搬送するトナーで像担持体上に形成された潜像を現像するトナー担持体と、表面に現像剤を担持搬送し、前記トナー担持体に前記現像剤中のトナーを供給する現像剤担持体とを有する現像装置、及び該現像装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置において、像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置として、現像剤としてトナーのみを用いる一成分現像法及びトナーとキャリアを用いる二成分現像法が知られている。
一成分現像法では一般的にトナーをトナー担持体とトナー担持体に押圧された規制板とによって形成される規制部を通過させることでトナーを帯電し、所望のトナー薄層を得ることができるため、装置の簡略化、小型化、低コスト化の面で有利である。
一方で、規制部の強いストレスによりトナーの劣化が促進され易く、トナーの電荷受容性が低下しやすい。さらに、トナーへの電荷付与部材である規制部材やトナー担持体表面がトナーや外添剤により汚染されることでトナーへの電荷付与性も低下する。そのため、トナー帯電量がより低下し、かぶり等の問題を引き起こすなど、現像装置の寿命が短い。
比較すると、二成分現像法ではトナーをキャリアと混合し、摩擦帯電で帯電するためストレスが小さく、さらに、キャリア表面積が大きいため、トナーや外添剤による汚染に対しても相対的に強く、長寿命に有利である。
しかしながら、二成分現像法では像担持体上の静電潜像を現像する際に、現像剤により形成される磁気ブラシによって像担持体表面を摺擦するため、現像された像に磁気ブラシ痕が発生するという課題を有している。さらに、像担持体にキャリアが付着しやすく、画像欠陥となる課題を有している。
二成分現像剤を用いた二成分現像法の長寿命の特長を有しながら、画像欠陥の問題を解決し、一成分現像法なみの高画質を実現する現像方式として、現像剤担持体上に二成分現像剤を担持し二成分現像剤からトナーのみをトナー担持体に供給して現像に用いる、所謂ハイブリッド現像方式が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載のハイブリッド現像方式では、以下のような現像履歴(ゴースト)の課題があった。
現像履歴(ゴースト)の問題とは、ハイブリッド現像方式が一般的に抱える課題であり、トナー担持体上の現像に使用されなかった現像残トナーのパターンが、次の現像工程において現像履歴(ゴースト)として画像上に現れる現象である。
ハイブリッド現像では、現像剤担持体とトナー担持体の対向部(トナー供給領域)において、トナーを供給するためのバイアス電圧をトナー担持体に印加してトナーを供給している。
トナー担持体上には、現像にトナーが使用され、現像残トナーがない、あるいは少なくなった部分と、トナー層が現像に使用されず繰り返し重ねて供給されたそれ以外の部分とが生じるが、現像残トナー層で発生する両者のトナー量の差は、次の1回のトナー供給では埋めきることができない。
そのため、トナー消費が行われなかった部分と現像でトナー消費が行われた部分とでは次の現像時にトナー量に差が生じてしまう。現像履歴(ゴースト)とはそのトナー量の差が現像工程に影響し、画像上に濃度のコントラストとして現れてしまう問題である。
代表的なゴーストの画像の例を図2に示す。
この現像履歴(ゴースト)の課題を解決する方法として、従来、トナー担持体の表面に互いに絶縁された多数の電極を設け、それら電極に現像下流側でバイアスを印加して現像残トナーを現像剤担持体へ電気的に全面的に回収する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−150636号公報 特開平8−240985号公報
ハイブリッド現像方式の課題である現像履歴(ゴースト)を解決する方法として、特許文献2に記載のように、トナー担持体の表面に互いに絶縁された多数の電極を設け、それら電極に現像下流側でバイアスを印加して現像残トナーを現像剤担持体へ電気的に全面的に回収する技術が提案されている。
すなわち、トナー担持体の基体と表面の間に絶縁層を設け、電極バターンは表面のみに形成され、互いに絶縁されている。それらの多数の電極の接点に対して、回転する表面にてブラシによる接触を行ってバイアス電圧を印加している。
従って、このように多数の電極を設け、バイアスを印加して現像残トナーを回収する構成とすることで現像履歴(ゴースト)の問題は改善されるものの、電極の接点の接触による磨耗やトナーの汚染による導通不良の発生の恐れがあり、さらに構成が複雑になる、あるいは電源が多数必要といった問題もあった。
本発明は、上記の技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、ハイブリッド現像方式において、現像残トナーのコントラストであるΔM/A(トナー担持体上トナー量の差)を低減することで現像履歴(ゴースト)の発生を抑制し、高画質な画像形成を可能にした現像装置及び該現像装置を用いた画像形成装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.表面にトナーを担持搬送し、対向する像担持体上に形成された潜像を前記トナーで現像するトナー担持体と、
表面にトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送し、前記現像剤中のトナーを対向する前記トナー担持体に供給する現像剤担持体と、を有する現像装置であって、
前記トナー担持体は、外部から単独のバイアス電圧を印加するための互いに導通する少なくとも1つの接点部を有し、
前記トナー担持体の前記トナーを担持する表面は、前記接点部と導電性を有する第1の表面と前記接点部とは絶縁された第2の表面とからなり、
前記第1の表面と前記第2の表面とが混在するように構成されている
ことを特徴とする現像装置。
2.前記トナー担持体は、
外部から単独のバイアス電圧を印加するための前記接点部を1つ有し、
前記トナーを担持する表面の任意の位置の所定の大きさの微小領域において、前記第1の表面と前記第2の表面とが混在するように構成されている
ことを特徴とする前記1に記載の現像装置。
3.前記トナー担持体における前記第1の表面と前記接点部との単位表面積当たりの静電容量C1と、前記第2の表面と前記接点部との単位表面積当たりの静電容量C2とは異なっており、C1<C2の関係を満たす
ことを特徴とする前記1または2に記載の現像装置。
4.前記トナー担持体の前記第2の表面は、前記現像剤との摺擦で前記トナーと同極性に帯電するような帯電極性を有する
ことを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の現像装置。
5.前記トナー担持体の前記トナーを担持する表面における前記第1の表面と前記第2の表面の配置は、一定周期のパターン配置である、
ことを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の現像装置。
6.前記トナー担持体の前記トナーを担持搬送する表面速度は、前記像担持体との対向部において、前記像担持体の表面速度と相対速度を有するように設定されている
ことを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の現像装置。
7.前記トナー担持体に前記接点部を介して現像バイアス電圧を印加するトナー担持体バイアス電源と、
前記現像剤担持体にトナー供給バイアス電圧を印加する現像剤担持体バイアス電源と、を有し、
前記現像剤担持体バイアス電源により印加されるトナー供給バイアス電圧は、
前記トナー担持体の表面の構成と、前記トナー担持体バイアス電源により印加される現像バイアス電圧とに応じて、前記現像剤担持体から前記トナー担持体への所定のトナー供給量が維持されるように設定されている
ことを特徴とする前記1から6の何れか1項に記載の現像装置。
8.像担持体と、該像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、を有する画像形成装置であって、
前記現像装置は、前記1から7の何れか1項に記載の現像装置である
ことを特徴とする画像形成装置。
本発明に係る現像装置及び画像形成装置によれば、ハイブリッド現像方式において、トナー担持体は外部から単独のバイアス電圧を印加するための互いに導通する少なくとも1つの接点部を有し、トナーを担持する表面は、該接点部と導通する第1の表面と、絶縁する第2の表面とが混在するように構成されている。
これにより、現像残トナーのコントラストであるΔM/A(トナー担持体上トナー量の差)を低減することで現像履歴(ゴースト)の発生を抑制し、高画質な画像形成を可能にすることができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要部の構成例を示す図である。 代表的なゴーストの画像の例を示す図である。 本実施形態に係る現像装置のトナー担持体の接点部構成例を示す外観図である。 本実施形態に係る現像装置のトナー担持体の構成の一例を示す外観図である。 本実施形態に係る現像装置のトナー担持体の構成の別の例を示す外観図である。 従来の現像装置におけるトナー担持体上のトナー量の推移をプロットしたグラフである。 従来のトナー担持体上の現像残トナー層に生じたトナー量の差が1回のトナー供給では埋めきれないことを示す模式図である。 図2におけるゴースト画像の発生を測定する位置の例を示す図である。 比較例の現像装置を用いて、供給バイアスとトナー担持体上に供給されたトナー供給量の関係を測定した結果を示すグラフである。 実施例の現像装置を用いて、供給バイアスとトナー担持体上に供給されたトナー供給量の関係を測定した結果を示すグラフである。
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(画像形成装置の構成と動作)
図1に本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要部の構成例を示す。図1を用いて本実施形態に係る画像形成装置の概略構成と動作を説明する。
この画像形成装置は、電子写真方式により像担持体(感光体)1に形成されたトナー像を用紙等の転写媒体Pに転写して画像形成を行うプリンターである。
この画像形成装置は画像を担持するための像担持体1を有しており、像担持体1の周囲には、像担持体1を帯電するための帯電手段としての帯電部材3、像担持体1上の静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像装置2、像担持体1上のトナー像を転写するための転写ローラ4、及び像担持体1上の残留トナー除去用のクリーニングブレード5が、像担持体1の回転方向Aに沿って順に配置されている。
像担持体1は、帯電部材3で帯電された後に、レーザ発光器などを備えた露光装置6により露光されて、その表面上に静電潜像が形成される。現像装置2は、この静電潜像を現像し、トナー像を形成する。転写ローラ4は、この像担持体1上のトナー像を転写媒体Pに転写した後、図中の矢印C方向に排出する。クリーニングブレード5は、転写後の像担持体1上の残留トナーを、その機械的な力で除去する。
画像形成装置に用いられる像担持体1、帯電部材3、露光装置6、転写ローラ4、クリーニングブレード5等は、周知の電子写真方式の技術を任意に使用してよい。例えば、帯電手段として図中、帯電ローラが示されているが、像担持体1と非接触の帯電装置であってもよい。また例えば、クリーニングブレードはなくてもよい。
また例えば、図示しないが、現像時に現像装置2中から像担持体1上に移行してしまったキャリアを電気的、あるいは磁気的に回収するためのキャリア回収部材を現像後の領域で像担持体1に対向して設置してもよい。
本実施形態に係るハイブリッド現像方式の現像装置2の基本部の構成を説明する。
現像装置2は、以下の構成要素を備える。すなわち、キャリアとトナーを含む現像剤23を収容する現像剤槽17、現像剤槽17から供給された現像剤23を表面に担持して搬送する現像剤担持体13、現像剤担持体13からトナーのみが供給され、前記像担持体1上に形成された静電潜像を現像するトナー担持体7、及び現像剤担持体、トナー担持体のそれぞれに電圧を印加するための現像剤担持体バイアス電源24、トナー担持体バイアス電源25を備える。
現像装置2の詳細な構成と動作については、後述する。
(現像剤の構成)
本実施形態に係る現像装置において使用する現像剤の構成について説明する。
本実施形態において使用する現像剤23はトナーと該トナーを帯電するためのキャリアを含んでなるものである。
<トナー>
トナーとしては、特に限定されず、一般に使用されている公知のトナーを使用することができ、バインダー樹脂中に着色剤や、必要に応じて荷電制御剤や離型剤等を含有させ、外添剤を処理させたものを使用できる。トナー粒径としてはこれに限定されるものではないが、3〜15μm程度が好ましい。
このようなトナーを製造するにあたっては、一般に使用されている公知の方法で製造することができる。例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等を用いて製造することができる。
トナーに使用するバインダー樹脂としては、これに限定されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)やポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂単体もしくは複合体により、軟化温度が80〜160℃の範囲のものを、またガラス転移点が50〜75℃の範囲のものを用いることが好ましい。
また、着色剤としては、一般に使用されている公知のものを用いることができ、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができ、一般に上記のバインダー樹脂100質量部に対して2〜20質量部の割合で用いることが好ましい。
また、上記の荷電制御剤としても、公知のものを用いることができ、正帯電性トナー用の荷電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂などがある。負帯電性トナー用荷電制御剤としては、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カリックスアレーン化合物などがある。荷電制御剤は一般に上記のバインダー樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部の割合で用いることが好ましい。
また、上記の離型剤としても、一般に使用されている公知のものを用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス等を単独あるいは2種類以上組み合わせて使用することができ、一般に上記のバインダー樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部の割合で用いることが好ましい。
また、上記の外添剤としても、一般に使用されている公知のものを用いることができ、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子を使用することができ、特にシランカップリング剤やチタンカップリング剤やシリコーンオイル等で疎水化したものを用いるのが好ましい。そして、このような流動化剤を上記のトナー100質量部に対して0.1〜5質量部の割合で添加させて用いるようにする。外添剤の個数平均一次粒径は10〜100nmであることが好ましい。
さらに上記外添剤として、トナーと逆極性の荷電性を有する逆極性粒子を使用してもよい。好適に使用される逆極性粒子はトナーの帯電極性によって適宜選択される。
例えば、トナーがキャリアによって負に帯電されるとき、逆極性粒子は現像剤中で正に帯電されている正帯電性粒子である。また例えば、トナーがキャリアによって正に帯電されるとき、逆極性粒子は現像剤中で負に帯電されている負帯電性粒子である。逆極性粒子を二成分系現像剤に含有させ、かつ耐久に伴い現像剤中に逆極性粒子を蓄積させることにより、トナーや後処理剤のキャリアへのスペント等によりキャリアの荷電性が低下しても、逆極性粒子もトナーを正規極性に荷電し得るため、キャリアの荷電性を有効に補うことができ、結果としてキャリアの劣化を抑制できる。
トナーとして負帯電性トナーを用いる場合、逆極性粒子としては、正帯電性を有する微粒子が用いられ、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、アルミナ等の無機微粒子やアクリル樹脂、ベンゾグァナミン樹脂、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で構成された微粒子を使用することができる。また樹脂中に正帯電性を付与する正荷電制御剤を含有させる、あるいは含窒素モノマーの共重合体を構成するようにしてもよい。
上記の正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩等を使用することができ、また上記の含窒素モノマーとしては、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル、ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール等を使用することができる。
一方、正帯電性トナーを用いる場合、逆極性粒子としては、負帯電性を有する微粒子が用いられ、例えば、シリカ、酸化チタン等の無機微粒子に加え、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で構成された微粒子を使用することができる。また樹脂中に負帯電性を付与する負荷電制御剤を含有させる、あるいは含フッ素アクリル系モノマーや含フッ素メタクリル系モノマーの共重合体を構成するようにしてもよい。上記の負荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸系、ナフトール系のクロム錯体、アルミニウム錯体、鉄錯体、亜鉛錯体等を使用することができる。
また、逆極性粒子の帯電性及び疎水性を制御するために、無機微粒子の表面をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理するようにしてもよく、特に、無機微粒子に正帯電性を付与する場合には、アミノ基含有カップリング剤で表面処理することが好ましく、また負帯電性を付与する場合には、フッ素基含有カップリング剤で表面処理することが好ましい。
逆極性粒子の個数平均粒径は、100〜1000nmであることが好ましい。トナー100質量部に対して0.1〜10質量部の割合で添加させて用いるようにする。
<キャリア>
キャリアとしては、特に限定されず、一般に使用されている公知のキャリアを使用することができ、バインダー型キャリアやコート型キャリアなどが使用できる。キャリア粒径としてはこれに限定されるものではないが、15〜100μmが好ましい。
バインダー型キャリアは、磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させたものであり、キャリア表面に正または負帯電性の帯電性微粒子を固着させたり、表面コーティング層を設けたりすることもできる。バインダー型キャリアの極性等の帯電特性は、バインダー樹脂の材質、帯電性微粒子、表面コーティング層の種類によって制御することができる。
バインダー型キャリアに用いられるバインダー樹脂としては、ポリスチレン系樹脂に代表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂等の硬化性樹脂が例示される。
バインダー型キャリアの磁性体微粒子としては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子を用いることができる。その形状は粒状、球状、針状の何れであってもよい。特に高磁化を要する場合には、鉄系の強磁性微粒子を用いることが好ましい。また、化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類及び含有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有する磁性樹脂キャリアを得ることができる。磁性体微粒子は磁性樹脂キャリア中に50〜90質量%の量で添加することが適当である。
バインダー型キャリアの表面コート材としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられ、これらの樹脂を表面にコートし硬化させてコート層を形成することにより、帯電付与能力を向上させることができる。
バインダー型キャリアの表面への帯電性微粒子あるいは導電性微粒子の固着は、例えば、磁性樹脂キャリアと微粒子とを均一混合し、磁性樹脂キャリアの表面にこれら微粒子を付着させた後、機械的・熱的な衝撃力を与え、微粒子を磁性樹脂キャリア中に打ち込むようにして固定することにより行われる。この場合、微粒子は、磁性樹脂キャリア中に完全に埋設されるのではなく、その一部を磁性樹脂キャリア表面から突き出すようにして固定される。
帯電性微粒子としては、有機、無機の絶縁性材料が用いられる。具体的には、有機系としては、ポリスチレン、スチレン系共重合物、アクリル樹脂、各種アクリル共重合物、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂及びこれらの架橋物などの有機絶縁性微粒子を用いることができ、帯電レベル及び極性については、素材、重合触媒、表面処理等により、希望するレベルの帯電及び極性を得ることができる。また、無機系としては、シリカ、二酸化チタン等の負帯電性の無機微粒子や、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等の正帯電性の無機微粒子などが用いられる。
一方、コート型キャリアは磁性体からなるキャリアコア粒子に樹脂コートがなされてなるキャリアであり、コート型キャリアにおいてもバインダー型キャリア同様、キャリア表面に正または負帯電性の帯電性微粒子を固着させたりできる。コート型キャリアの極性等の帯電特性は、表面コーティング層の種類や帯電性微粒子により制御することができ、バインダー型キャリアと同様の材料を用いることができる。特にコート樹脂はバインダー型キャリアのバインダー樹脂と同様の樹脂が使用可能である。
トナーとキャリアの混合比は所望のトナー帯電量が得られるよう調整されればよく、トナー混合比はトナーとキャリアとの合計量に対して3〜50質量%、好ましくは6〜30質量%が適している。
(現像装置2の構成と動作)
図1を参照して本実施形態に係る現像装置2の詳細な構成例と動作例を説明する。
<装置構成>
現像装置2において使用する現像剤23は、既述したようにトナーとキャリアからなり、現像剤槽17に収容される。
現像剤槽17は、ケーシング20により形成されており、通常は内部に混合撹拌部材18、19を収納している。混合撹拌部材18、19は、現像剤23を混合・撹拌し、現像剤担持体13へ現像剤23を供給する。ケーシング20の混合撹拌部材19に対向する位置には、好ましくは、トナー濃度検出用のATDC(Automatic Toner Density Control)センサ21が配設されている。
現像装置2は通常、像担持体1へと消費される分のトナーを現像剤槽17内に補給するための補給部15を有している。補給部15において、補給トナーを収納した図示しないホッパから送られた補給トナー22が現像剤槽17内へ補給される。
現像装置2はまた、現像剤担持体13上の現像剤量を規制するための現像剤薄層化用の規制部材16を有している。
現像剤担持体13は通常、固定配置された磁石ローラ(磁石体)8と、これを内包する回転自在なスリーブローラ9とから構成され、画像形成時にはトナー担持体7へとトナーを供給するためのトナー供給バイアス電圧が印加される。
トナー担持体7は現像剤担持体13及び像担持体1にそれぞれ対向するように配され、像担持体1上の静電潜像を現像するための現像バイアス電圧が印加される。
トナー担持体7は、外部から上記現像バイアス電圧のみを単独で印加可能な接点部(図1では図示せず)を有し、そのトナーを担持する表面のうち、前記接点部と導電性を有する第1の表面と、前記接点部とは絶縁された第2の表面とが混在しているような構成となっている。
トナー担持体の表面構造の詳細については、以下に述べる。
<トナー担持体の構成>
図3は、本実施形態に係る現像装置のトナー担持体の接点部構成例を示す外観図である。図4及び図5は、本実施形態に係る現像装置のトナー担持体の表面の構成のそれぞれ別の一例を示す外観図である。
図3、及び図4、図5を用いてトナー担持体の構成について説明する。
通常、トナー担持体7は、図3に示すように像担持体1との対向部より長手方向外側に突き出して軸受けなどで受けて回転させるための回転軸を有しており、前記接点部29は回転軸に設けるのが画像への悪影響防止やトナーによる汚染防止の観点から望ましい。
本実施形態では、トナー担持体は外部から単独のバイアス電圧を印加するための接点部を有しており、接点部は一箇所設けるだけでよいので、上記構成をとることができる。もちろん、互いに導通する複数の接点部を有していてもよい。
トナー担持体7の基体部分はアルミ系あるいはステンレス系あるいは鉄系などの金属材料から成っている。その表面は、接点部29から印加されたバイアスが基体部分を介して印加可能な導電性の部分(第1の表面26)と、基体から誘電体などのコーティングにより絶縁された絶縁性の部分(第2の表面27)とが混在する構成となっている。
第1の表面26についての導電性というのは、良導体である必要はなく、現像剤担持体13からトナー担持体7へのトナー供給に悪影響が出ない程度の導電性を有していればよい。すなわちトナー供給部での現像剤23との摩擦荷電などによって表面に生じた電荷が減衰してチャージアップを生じなければよい。このための抵抗値としては、基体との抵抗が1cmあたり1010Ω程度以下であることが目安となる。
実際には、現像装置2を駆動した際にトナー担持体7表面にチャージアップが生じずに安定して導体部分(第1の表面26)にトナー供給が行われるかどうかで判断できる。
逆に第2の表面27についての絶縁性というのは、前記チャージアップした電荷が減衰しない程度に絶縁されている必要があり、これも実際には、絶縁部分(第2の表面27)でトナー供給がチャージアップによって阻害されていることを確認することにより判断できる。
導電性の部分、すなわち第1の表面は、上記の導電性の条件を満たす限りいかなる材料からなっていてもよい。例えば金属などの良導体はもちろん、金属などの導体の上にアルマイト等の表面処理を施したもの、あるいは樹脂材料に導電剤を添加したものなどが利用できる。
樹脂材料に導電剤を添加したものとしては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂コートやシリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴムコーティングに導電剤が添加されたものが挙げられる。
導電剤としては、電子導電剤もしくはイオン導電剤が挙げられる。電子導電剤として、ケッチンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックや、金属粉、金属酸化物の微粒子等が挙げられるが、これに制約されない。イオン導電剤として、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物や、両性化合物、その他イオン性高分子材料が挙げられるが、これにこだわらない。
絶縁性の部分、すなわち第2の表面は、上記の絶縁性の条件を満たす限りいかなる材料からなっていてもよい。例えば導電性の基体上に樹脂などの誘電体をコーティングしてもよい。後述する実施例では、誘電体としてポリエチレンテレフタラート(PET)の樹脂を用いている。
使用する誘電体は、その第2の表面と前記接点部との単位表面積当たりの静電容量をC2とすると、前記導電性の第1の表面と前記接点部との単位表面積当たりの静電容量C1に対してC1<C2の関係を満たすように設定される。
また使用する誘電体は、用いる現像剤との摺擦でトナーと同極性に帯電するような帯電極性を有するように設定される。
その意図は、バイアスから絶縁された誘電体部分(第2の表面)に対してはトナーの供給を阻害し、導電性の部分(第1の表面)と比べてトナー供給を極めて少なくするためである(後述の理由1及び2参照)。
<トナー担持体の表面構造>
既述したように、トナー担持体7のトナーを担持する表面は、接点部29からバイアスが印加可能な導電性の第1の表面26と、絶縁性の第2の表面27とが混在する構成となっている。
その理由は、後述するように、バイアスが印加可能でトナーが供給される表面領域と印加されずにトナーが供給されない表面領域とが混在することにより、画像部領域と非画像部領域とで発生する現像残トナー量のコントラスト(ΔM/A)を低減すること、すなわち現像履歴(ゴースト)の発生を抑制することである。
そのために、トナーを担持する表面の任意の位置の所定の大きさの微小領域において、第1の表面と第2の表面とが混在するように構成されている。
すなわち、第1の表面26と第2の表面27とが、トナー担持体7のトナーを担持する表面全体に亘って、どの位置でも混在するように配列されている。またその配列が画像上で視認されないように細かく混在している。
トナー担持体7のトナーを担持する表面における導電性の第1の表面26と絶縁性の第2の表面27の配列としては、次のような配列が考えられる。
例えば、第1の表面26と第2の表面27とが、トナー担持体7表面の周方向に、一定周期で交互に配置された配列(一例として図4にライン状の配列を示す)が考えられる。
また例えば、第1の表面26と第2の表面27とが、トナー担持体7表面の軸方向に対して、一定の角度をつけたライン状で交互に配置された配列が考えられる。
また例えば、絶縁性の第2の表面27の中に導電性の第1の表面26の微小部分を一定のパターンに従って配置した配列(一例として図5に配列例を示す。丸部が導電性の第1の表面26である)が考えられる。
また上記と逆に、導電性の第1の表面26の中に絶縁性の第2の表面27の微小部分を一定のパターンに従って配置した配列(一例として図5に同様の配列例を示す。逆に丸部が絶縁性の第2の表面27である)が考えられる。
第1の表面26と第2の表面27との配列は、その配列模様が画像上で確認されない程度のピッチで配置されるのが望ましい。目安として200μm以下の周期で配置するのが好ましい。
<装置の動作>
図1に示す現像装置2の動作例について詳しく説明する。
現像剤槽17内の現像剤23は、混合撹拌部材18、19の回転により混合撹拌され、摩擦帯電すると同時に現像剤槽17内で循環搬送され、現像剤担持体13表面のスリーブローラ9へと供給される。
この現像剤23は、現像剤担持体13内部の磁石ローラ8の磁力によってスリーブローラ9の表面側に保持され、スリーブローラ9とともに回転移動して、現像剤担持体13に対向して設けられた規制部材16で通過量を規制される。
その後、現像剤23は、現像剤担持体13がトナー担持体7と対向する供給ニップ部へと搬送される。
図1では、供給ニップ部においてトナー担持体7と現像剤担持体13はお互いに表面が逆方向に移動するような回転方向(カウンタ方向)に設定されているが、順方向に移動するような回転方向(ウィズ方向)に設定してもよい。
トナー担持体7と現像剤担持体13の対向部の、トナー供給領域11では、トナー担持体7に印加された現像バイアス電圧と現像剤担持体13に印加されたトナー供給バイアス電圧の電位差に基づき形成された電界がトナーに与える力により、現像剤23中のトナーがトナー担持体7側へ供給される。
通常、トナー担持体7には直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスが加えられ、現像剤担持体13には直流電圧のみ、もしくは直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスが加えられ、トナー供給領域11には直流電界に交番電界が重畳された電界が形成される。
トナー供給領域11でトナー担持体7上に現像剤担持体13から供給されたトナー層は、トナー担持体7の回転に伴って現像領域10へと搬送され、トナー担持体7に印加された現像バイアス電圧と像担持体1上の潜像電位とによって形成される電界により現像に使われる。
現像領域10では、トナー担持体7と像担持体1の間に設けられた現像間隔中を電界によってトナーが移動することで現像が行われる。
現像バイアス電圧としては公知の種々のバイアスが適用可能であるが、通常は直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスが加えられる。
像担持体1とトナー担持体7との表面速度比(以下これをθ比と呼ぶ)は、トナー担持体7表面のパターンが画像上でノイズとして認識されにくくするために、トナー担持体7の方の速度を速めに設定するのが望ましい。
また、上記説明ではトナー担持体7が1本の場合について記述したが、高速化に対応するためにトナー担持体を2本以上に増やしてもよい。その場合、すべてのトナー担持体に本発明のトナー担持体7を用いてもよいし、一部のトナー担持体のみに用いてもよい。
現像装置2には、トナー担持体7上のトナー層の量を検出し、その結果を供給部のトナー供給条件や現像部の現像条件にフィードバックするために、トナー層検知手段12を設けてもよい。
トナー層検知手段12としては、例えばトナー層の反射濃度を光学的に検出するための反射濃度センサやトナー層表面の表面電位を検出するための表面電位センサなどが考えられる。あるいはトナー層検知手段12をトナー担持体7に対向して設けるのではなく、トナー担持体7上のトナーを像担持体1上に一旦完全に現像し、像担持体1上で検出するように構成してもよい。
現像領域10でトナーを一部消費したトナー層(現像残トナー)は、トナー担持体7の回転に伴ってトナー供給領域11へと戻される。
一方、トナー供給領域11を通過した現像剤23は、スリーブの回転とともに現像剤槽17に向けて搬送され、磁石ローラ8に現像剤回収領域14に対応する位置に設けられた反発磁界によって現像剤担持体13上から剥離され、現像剤槽17内へと回収される。
補給部15に設けられた不図示の補給制御部は、ATDCセンサ21の出力値から現像剤23中のトナー濃度が画像濃度確保のための最低トナー濃度以下になったことを検出すると、不図示のトナー補給手段によってホッパ内に貯蔵された補給トナー22がトナー補給部15を介して現像剤槽17内へ供給される。
(現像履歴(ゴースト)の発生とコントラスト(ΔM/A))
ハイブリッド現像ではトナー担持体上の現像に使用されなかった現像残トナーを供給回収部で十分回収することができず、次の現像工程において現像履歴(ゴースト)として画像上に現れる課題があった。
本発明は上記課題を解決する目的で考案されたものである。
上述してきたように、ハイブリッド現像方式を用いた本画像形成装置において、現像装置2に用いるトナー担持体7は、トナーを担持する表面が現像バイアスを印加する接点部29と導電性の第1の表面26と、絶縁性の材料(誘電体)でコーティングされた第2の表面27とが混在しているような構成となっている。
この構成をとったトナー担持体7は、絶縁性の部分(第2の表面27)にはトナーが供給されず、導電性の部分(第1の表面26)のみにトナーが供給される。その結果、トナー担持体7上に生じる白後(非画像部)の単位面積当たりの供給トナー量と黒後(画像部)の単位面積当たりの供給トナー量のコントラストが緩和され(ΔM/Aが小さくなり)、現像履歴(ゴースト)の発生を抑制することができる。
以下にその現像履歴の発生メカニズムとコントラストΔM/Aについて説明する。
図6は、従来のトナー担持体上のトナー量の推移を、横軸をトナー担持体回転回数とし、縦軸をトナー担持体上に供給されているトナー量としてプロットしたグラフである。
トナー担持体上にトナーがない状態から出発して、トナー量は当初周回を重ねるごとに増加していき、ある一定以上の周回を繰り返す(図中Pで示す)と、それ以上のトナー量の増加が停止し、飽和に至る。
図7は、従来のトナー担持体上の現像残トナー層に生じたトナー量の差が1回のトナー供給では埋めきれないことを示す模式図である。
図7(a)に示すように、非画像部繰り返し後のトナー層Twがトナー担持体表面に形成された状態から、画像部分が像担持体上に形成され、現像領域でそのトナー層Twが一部使われると、現像残トナー層はそこだけ画像部直後(黒後)のトナー量Tkに減少してしまう。
図7(b)に示すように、この黒後のトナー層Tkは1周のみトナー供給するだけでは非画像部繰り返し後(連続白後)と同等のトナー量となることができず、供給後のトナー層において白後のトナー量Twと黒後のトナー量Tkにコントラストができてしまう。
このときのトナー量のコントラストをΔM/Aと呼ぶ。このトナー層が現像に供されることによって白後と黒後の現像特性に違いが生じ、現像履歴(ゴースト)となって画像上に現れることになる。
このことを踏まえると、コントラストΔM/Aを小さくすることができればそれだけ現像履歴(ゴースト)の濃度のコントラストも小さくすることができる。すなわち、ΔM/Aをいかに小さくするかが、現像履歴(ゴースト)抑制の重要な要素となる。
<トナー担持体の表面構成によるΔM/A抑制の理由について>
本実施形態に係るトナー担持体の表面構成においては、バイアスから絶縁された誘電体部分(第2の表面27)には以下の理由でトナーの供給が阻害され、導電性の部分(第1の表面26)と比べてトナー供給が極めて少なくなる。
理由1:誘電体が供給部の磁気ブラシなどと摩擦帯電して生じた電荷が表面にとどまって減衰しないため、表面電位の上昇(チャージアップ)が生じてその電位が供給を阻害する。
理由2:導電性基体との間の静電容量が小さいため、少量のトナー付着でも大きな電位上昇が発生し、その電位が供給を阻害する。
そのため実質的にトナー担持体上のトナー量は導電性の部分に供給されたトナー量で決まり、そのトナー量を導電性の部分(第1の表面26)と誘電体の部分(第2の表面27)で平均化したものが現像に使用される面積当たりのトナー量と考えることができる。
例えば、導電性の部分(第1の表面26)と誘電体の部分(第2の表面27)の面積比を1:1とすると、面積当りのトナー量はトナー担持体表面全面が導電性(第1の表面26)だった場合の約1/2となる。
すなわち、面積当りのトナー量をトナー担持体表面全面が導電性(第1の表面26)だった場合と同量にしようとすれば、誘電体の部分(第2の表面27)にはトナーが供給されないので、導電性の部分(第1の表面26)ではその倍のトナー量が必要となる。
ここで例えば、全面が導電性(第1の表面26)であるとすると、トナー供給量を増加させてトナー担持体上のトナー量を増加させようとしても、ある程度以上のトナー量で傾きが鈍り、頭打ち傾向になる(図6参照)。
そのため、単位面積当りのトナー量が多いところで使う方がΔM/Aを小さくすることができる。
すなわち、導電性の部分(第1の表面26)のトナー量を増やしつつ、トナー担持体表面全体で見たM/Aは誘電体の部分(第2の表面27)との面積比によって適正化されることで、M/Aは狙いの値に維持しながらΔM/Aのみを小さくすることができる。
ΔM/A抑制の理由については、後述する実施例(図10参照)と比較例(図9参照)を用いてさらに説明する。
本発明の効果を確認するために、本実施形態に係る現像装置を用いた実施例と、従来の現像装置を用いた比較例との比較実験を行った。
(条件設定)
実施例、比較例に共通する条件として次のような条件設定で実験を行った。
現像剤として、トナーはスチレンアクリル樹脂を主成分とするシアントナーを、キャリアとしてフェライトコアに樹脂コートを施したキャリアをそれぞれ使用した。
トナーの帯電極性はマイナス極性、現像剤中のトナー濃度は8%に設定した。
像担持体とトナー担持体との現像ギャップは0.15mmとし、トナー担持体と現像剤担持体とのギャップは0.6mmとした。
トナー担持体に印加する電圧を振幅1.4kV、DC成分−300V、周波数4kHz、Duty比50%の矩形波電圧に設定した。
現像剤担持体に印加する電圧は、同じく矩形波電圧で、振幅1.6kV、周波数4kHz、Duty比50%とし、DC成分は後に述べる方法で実施例、比較例それぞれに設定した。
トナー担持体の矩形波電圧と現像剤担持体の矩形波は、互いに反転したような波形になるよう、現像剤担持体の位相をトナー担持体の位相に対して180°遅らせた位相に設定した。
像担持体とトナー担持体とは、表面が同一方向に移動するような回転方向(ウィズ回転)とし、周速度は、像担持体300mm/s、トナー担持体は像担持体に対し相対速度(現像θ比)2.5を持たせて750mm/sとし、表面のパターンが画像ノイズとして影響しないようにした。
像担持体上に形成された静電潜像の背景部電位は−500V、画像部電位は−50Vとなるよう調整した。
(トナー担持体表面構成)
比較例では、トナー担持体として、表面を白アルマイト処理しただけのアルミ製のローラを用いた。
実施例では、トナー担持体として、比較例と同様の白アルマイト処理を施したアルミ製のローラ表面に、周方向に100μm周期で幅50μm、深さ30μmの溝を彫り、その溝をポリエチレンテレタラート(PET)の樹脂で埋めたローラを用いた。このときローラ表面は、アルマイトの部分(第1の表面)とPET樹脂の部分(第2の表面)の面積比が1:1である。
実施例のトナー担持体は、トナーを担持する表面の任意の位置の所定の大きさの微小領域において、第1の表面と第2の表面とが混在するように構成されている。画像上で視認されないような所定の大きさの微小領域として、周方向に100μm程度の大きさの領域を想定している。
(実験内容)
これらのトナー担持体を設置した比較例と実施例の現像装置を用いて、まず、供給バイアスとトナー担持体上に供給されたトナー供給量の関係を測定した。比較例での結果を図9に、実施例での結果を図10に示す。
両図中、横軸はトナー担持体に印加した電圧のDC成分から現像剤担持体に印加した電圧のDC成分を引いた値であり、供給Vdcと呼んでいる。
グレーのプロットで示したライン(L1)が、画像部直後のトナー担持体上のトナーがほとんど消費された状態から、1回だけ供給部を通過した後(消費後1周目)のトナー担持体上のトナー量である。
白のプロットで示したライン(L2)が、画像部で消費された後30周繰り返し供給部を通過させた後のトナー担持体上のトナー量である。
30周後にはトナー担持体上のトナー量は飽和状態になっている。なお、実施例ではトナー担持体上トナー量は、導電性の部分と誘電性の部分両方含めての平均値である。
この実験結果から、実使用条件での現像剤担持体上のバイアスのDC成分が決まり、そのときのコントラストΔM/Aを知ることができる。
比較例、実施例では消費後1周目トナー量を共に3g/mに設定した。これは、消費後1周目のトナー量による画像濃度と、現像剤担持体の磁気ブラシによるトナーの回収性との兼ね合いから、供給Vdcを調整して設定したものである。
図9、図10から、消費後1周目トナー量を共に3g/mにするための供給Vdcの値を知ることができる。
すなわち、トナー担持体の表面の構成に依存する上記グラフから得た供給Vdcと、トナー担持体バイアス電源により印加される現像バイアス電圧とに応じて、所定のトナー供給量(3g/m)が維持されるように、現像剤担持体バイアス電源により印加されるトナー供給バイアス電圧を設定できる。
比較例では供給Vdcが180V、実施例では供給Vdcが390Vとなる。このとき、トナー担持体に印加する電圧のDC成分が−300Vであることから、現像剤担持体に印加する電圧のDC成分は、比較例が−480V、実施例が−690Vとなる。
このときのΔM/Aは、比較例の条件では2.4g/mに対し、実施例の条件では1.6g/mとなり、実施例ではΔM/Aを小さく抑えることができている。
すなわち、トナー担持体が実施例の表面構成をとることで現像履歴(ゴースト)抑制に繋がっていると考えられる。
(現像履歴評価結果とコントラストΔM/A)
実際の画像においてゴーストの発生が抑制されているのを確かめるため、上記の条件において、図2に示したチャートを実際の画像形成装置で印刷して評価を行った。
評価は図8に示すハーフ画像領域における黒ベタ印刷領域のトナー担持体1周後とその下流側白ベタ領域のトナー担持体1周後に対応する領域に対して、それぞれ色彩色差計ミノルタCR3000でL色空間座標の測定を行った。測定した両者の色差ΔE=[(ΔL+(Δa+(Δb]をゴースト発生の指標として求めた。
その結果、比較例ではΔE=0.9で色差が大きく、目視でもゴーストが視認できるレベルであった。それに対し、実施例の構成ではΔE=0.5でより色差は小さく、目視ではゴーストがほとんど視認できないレベルに改善されていた。
既述したように、実施例の構成によるトナー担持体では、バイアスから絶縁された誘電体部分(第2の表面27)には、導電性の部分(第1の表面26)と比べてトナー供給が極めて少なくなる。
そのため実質的にトナー担持体上のトナー量は導電性の部分に供給されたトナー量で決まり、そのトナー量を導電性の部分(第1の表面26)と誘電体の部分(第2の表面27)で平均化したものが現像に使用される面積あたりのトナー量と考えることができる。
実施例の構成によるトナー担持体では、導電性の部分(第1の表面26)と誘電体の部分(第2の表面27)の面積比を1:1としている。従って、面積当りのトナー量は、比較例のようにトナー担持体表面全面が導電性(第1の表面26)だった場合の約1/2となる。
実際、図9(比較例)と図10(実施例)のトナー担持体上トナー量を比較すると、比較例のトナー量に対し、実施例のトナー量は約半分となっている。
すなわち、実施例での面積当りのトナー量を、比較例でのトナー担持体表面全面が導電性(第1の表面26)だった場合と同量にしようとすれば、誘電体の部分(第2の表面27)にはトナーが供給されないので、導電性の部分(第1の表面26)ではその倍のトナー量が必要となる。
ここで例えば、全面が導電性(第1の表面26)であるとすると、トナー供給量を増加させてトナー担持体上のトナー量を増加させようとしても、ある程度以上のトナー量で傾きが鈍り、頭打ち傾向になる(図6、及び図9,図10参照)。
そのため、単位面積当りのトナー量が多いところで使う方がΔM/Aを小さくすることができる。
すなわち、導電性の部分(第1の表面26)のトナー量を増やしつつ、トナー担持体表面全体で見たM/Aは誘電体の部分(第2の表面27)との面積比によって適正化されることで、M/Aは狙いの値に維持しながらΔM/Aのみを小さくすることができる。
このように、実施例では比較例よりもΔM/Aが抑制され、従って現像履歴(ゴースト)の発生も抑制されたと推察される。
上述してきたように、本実施形態に係る現像装置及び画像形成装置によれば、ハイブリッド現像方式において、トナー担持体は外部から単独のバイアス電圧を印加するための互いに導通する少なくとも1つの接点部を有し、トナーを担持する表面は、該接点部と導通する第1の表面と、絶縁する第2の表面とが混在するように構成されている。
これにより、現像残トナーのコントラストであるΔM/A(トナー担持体上トナー量の差)を低減することで現像履歴(ゴースト)の発生を抑制し、高画質な画像形成を可能にすることができる。
なお、上述の実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 像担持体
2 現像装置
3 帯電部材
4 転写ローラ
5 クリーニングブレード
6 露光装置
7 トナー担持体
8 磁石ローラ
9 スリーブローラ
10 現像領域
11 トナー供給領域
12 トナー層検知手段
13 現像剤担持体
14 現像剤回収領域
15 トナー補給部
16 規制部材
17 現像剤槽
23 現像剤
24 現像剤担持体バイアス電源
25 トナー担持体バイアス電源
26 導電性部分(第1の表面)
27 絶縁性部分(第2の表面)
28 ブラシ
29 接点部

Claims (8)

  1. 表面にトナーを担持搬送し、対向する像担持体上に形成された潜像を前記トナーで現像するトナー担持体と、
    表面にトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送し、前記現像剤中のトナーを対向する前記トナー担持体に供給する現像剤担持体と、を有する現像装置であって、
    前記トナー担持体は、外部から単独のバイアス電圧を印加するための互いに導通する少なくとも1つの接点部を有し、
    前記トナー担持体の前記トナーを担持する表面は、前記接点部と導電性を有する第1の表面と前記接点部とは絶縁された第2の表面とからなり、
    前記第1の表面と前記第2の表面とが混在するように構成されている
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記トナー担持体は、
    外部から単独のバイアス電圧を印加するための前記接点部を1つ有し、
    前記トナーを担持する表面の任意の位置の所定の大きさの微小領域において、前記第1の表面と前記第2の表面とが混在するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記トナー担持体における前記第1の表面と前記接点部との単位表面積当たりの静電容量C1と、前記第2の表面と前記接点部との単位表面積当たりの静電容量C2とは異なっており、C1<C2の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記トナー担持体の前記第2の表面は、前記現像剤との摺擦で前記トナーと同極性に帯電するような帯電極性を有する
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の現像装置。
  5. 前記トナー担持体の前記トナーを担持する表面における前記第1の表面と前記第2の表面の配置は、一定周期のパターン配置である、
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の現像装置。
  6. 前記トナー担持体の前記トナーを担持搬送する表面速度は、前記像担持体との対向部において、前記像担持体の表面速度と相対速度を有するように設定されている
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の現像装置。
  7. 前記トナー担持体に前記接点部を介して現像バイアス電圧を印加するトナー担持体バイアス電源と、
    前記現像剤担持体にトナー供給バイアス電圧を印加する現像剤担持体バイアス電源と、を有し、
    前記現像剤担持体バイアス電源により印加されるトナー供給バイアス電圧は、
    前記トナー担持体の表面の構成と、前記トナー担持体バイアス電源により印加される現像バイアス電圧とに応じて、前記現像剤担持体から前記トナー担持体への所定のトナー供給量が維持されるように設定されている
    ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の現像装置。
  8. 像担持体と、該像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、を有する画像形成装置であって、
    前記現像装置は、請求項1から7の何れか1項に記載の現像装置である
    ことを特徴とする画像形成装置。
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