JP2011074795A - 水栓用水力発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的多い流量で発電をさせた場合であっても、動翼部にかかるスラスト力を軽減させることで支持部の損耗を抑制し、耐久性を向上させることができる水栓用水力発電機を提供する。
【解決手段】給水流入口と給水流出口とを有し、内部に給水流路が形成された筒部2と、動翼羽根部12aを有し、前記給水流路に設けられた動翼部12と、前記動翼部と一体に回転可能なマグネット5と、前記動翼部にかかるスラスト力を支持する受け部2eと、前記マグネットの回転により起電力を生ずるコイル15と、前記コイルを囲んで設けられたヨーク16とを有し、前記スラスト力の作用方向側にある前記マグネットの第1の端面を、前記ヨークと前記マグネットの間で生じる磁力によって作用するスラスト力の作用方向と逆向きの成分が強くなるように前記スラスト力の作用方向側にある前記ヨークの第1の端面から突出させる。
【選択図】図1

Description

本発明の態様は、一般に、水栓用水力発電機に関し、具体的には給水の流れを利用して発電する水栓用水力発電機に関する。
近年、水栓装置に電気システムが組み込まれるようになってきている。例えば、蛇口の下に差し出された手を感知するセンサ、センサからの信号に基づいて給水路の開閉を行う電磁弁が組み込まれた水栓装置が知られている。また、この他にもLED(Light Emitting Diode)照明を吐水口の近傍に組み込んで、吐水の温度に応じて吐水にあてる光の色を変えるようなことも行われている。
この様な電気システムを水栓装置に組み込む場合には、電気システムを動作させるための電源が必要となる。この場合、商用電源を使用することもできるが水栓装置の設置時に電気配線工事が別途必要となる。また、水栓装置の外部において配線を行うことになるので見栄えが悪くなったり、配線が邪魔になったりする。一方、電源として電池を用いるようにすれば水栓装置の設置時に電気配線工事を行う必要がなくなる。また、水栓装置の外部において配線を行う必要もなくなる。しかしながら、電源として電池を用いるようにすれば、電池の交換が必要となりメンテナンスの手間がかかるという新たな問題が生ずる。また、商用電源、電池のいずれを用いても省資源、省エネルギーの観点からの問題が生ずることになる。
そのため、水栓装置に組み込まれた電気システムの動作に必要な電力を得るために、水栓装置の流路に小型の水栓用水力発電機が配設されるようになってきている。
ここで、水力発電機として、回転中心軸に対して平行な方向から流れてくる水を動翼部の径外方向から流入させ、流入させた水を動翼部の軸方向に流出させるものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1(特開2005−299634号公報)に開示された水力発電機は、羽根車41(動翼部)の軸方向に対して略平行な水流の方向を変化させ、羽根部412(動翼羽根)の径外方向から羽根部412(動翼羽根)に向けて水を噴出する連通孔241(ノズル)を備えている。そして、羽根部412(動翼羽根)に噴出された水が羽根車41(動翼部)の中心近傍において羽根車41(動翼部)の軸方向に流出するようになっている。また、水力発電機に流入した水の一部を発電ユニットを迂回して排出させるバイパス流路32A、32Bと、一次側圧力の増減に応じて開閉する開閉弁5A、5Bとが設けられている。(例えば、特許文献1(特開2005−299634号公報)の[0009]、[0041]、[0044]、図4などを参照)。
特許文献1(特開2005−299634号公報)に開示された水力発電機によれば、多い流量の水を流すことができるとともに、少ない流量でも支障なく発電を行うことができる(例えば、特許文献1(特開2005−299634号公報)の[0008]などを参照)。
ここで、水栓装置の流路に配設される水栓用水力発電機は、一般的には流量が少ない場合を想定している。そして、流量が少ない場合を想定している水栓用水力発電機に多量の水を流すと軸受け部分などの損耗が増大するおそれがある。すなわち、流量が多くなるにつれ水流により動翼部が下流側に押される力(スラスト力)が増加し、軸受け部分などの損耗が増大するおそれがある。
そのため、特許文献1(特開2005−299634号公報)に開示された水力発電機においては、多い流量の水を流す際には、開閉弁5A、5Bを介してバイパス流路32A、32Bに水を流すようにしている。
しかしながら、バイパス流路32A、32Bに水を流すようにすれば、バイパス流路32A、32Bに流した水を発電に利用することができず、発電効率が低下するという問題が発生する。
そのため、比較的多い流量で発電をさせる場合であっても、バイパス流路を介して水を流すようなことを行わずに、動翼部にかかるスラスト力を軽減させることで動翼部にかかるスラスト力を支持する受け部の損耗を抑制し、耐久性を向上させるようにすることが望まれていた。
特開2005−299634号公報
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、比較的多い流量で発電をさせた場合であっても、動翼部にかかるスラスト力を軽減させることで動翼部にかかるスラスト力を支持する受け部の損耗を抑制し、耐久性を向上させることができる水栓用水力発電機を提供するものである。
第1の発明は、給水流入口と、給水流出口とを有し、内部に給水流路が形成された筒部と、動翼羽根部を有し、前記給水流路に設けられた動翼部と、前記動翼部と一体に回転可能なマグネットと、前記動翼部にかかるスラスト力を支持する受け部と、前記マグネットの回転により起電力を生ずるコイルと、前記コイルを囲んで設けられたヨークと、を有し、前記マグネットの径方向に配設されたステータと、前記動翼羽根部に向けて水を噴出する複数の噴射孔を有するノズル部と、を備え、前記スラスト力の作用方向側にある前記マグネットの第1の端面を、前記ヨークと前記マグネットの間で生じる磁力によって作用する力に含まれる前記スラスト力の作用方向と逆向きの成分が強くなるように前記スラスト力の作用方向側にある前記ヨークの第1の端面から突出させたこと、を特徴とする水栓用水力発電機である。
水栓用水力発電機においては、水圧や水流などによりロータ4(動翼部12)を下流側に押すスラスト力110が発生する。そして、比較的多い流量で発電をさせる場合には、動翼部12にかかるスラスト力110が大きくなるので、スラスト力110を支持する受け部2eの損耗が増大するおそれがある。
そのため、第1の発明においては、スラスト力110の作用方向側にあるマグネット5の端面5aをヨーク16の端面16dから突出させている(図19を参照)。すなわち、スラスト力110の作用方向側にあるマグネット5の第1の端面5aを、スラスト力110の作用方向側にあるヨークの第1の端面16dから突出させている。そのため、マグネット5を突出させた部分と磁性体から形成されたヨーク16との間に引き合う力112が発生する。この力112には、スラスト力110の向きと逆の向きの成分の力が含まれているので、スラスト力110が相殺されることになる。そのため、スラスト力110を低減することができる。その結果、スラスト力110を支持する受け部2eに過度な負荷がかからないようにすることができるので、受け部2eの損耗を抑制し、耐久性を向上させることができる。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記マグネットの第1の端面と対向する第2の端面は、前記ヨークの第1の端面と対向する第2の端面から突出しており、前記マグネットの第1の端面が前記ヨークの第1の端面から突出する最大寸法は、前記マグネットの第2の端面が前記ヨークの第2の端面から突出する最大寸法よりも長いこと、を特徴とする水栓用水力発電機である。
水流によって動翼部12が振動すると動翼部12と一体的に設けられたマグネット5も振動するため、磁束がヨークに十分に伝わらず漏れが発生して発電効率の低下や出力の不均一化が生じるおそれがある。そのため、マグネット5が振動しても磁束が漏れないように、マグネット5の両端面をヨーク16の両端面から突出させるようにすることが好ましい。この様にすれば、高効率且つ均一な発電を実現することができる。
しかしながら、スラスト力110の作用方向とは逆側にあるマグネット5の端面5bをヨーク16の端面16eから突出させると、マグネット5を突出させた部分とヨーク16との間に引き合う力113が発生することになる。この力113には、スラスト力110の向きと同じ向きの成分の力が含まれているので、スラスト力110が増加してしまうことになる。
そのため、第2の発明においては、スラスト力110の作用方向とは逆側にあるマグネット5の端面5bが突出する寸法L4よりも、スラスト力110の作用方向側にあるマグネット5の端面5aが突出する寸法L3の方が長くなるようになっている(図22を参照)。すなわち、マグネット5の第1の端面5aと対向する第2の端面5bは、ヨーク16の第1の端面16dと対向する第2の端面16eから突出しており、マグネット5の第1の端面5aがヨーク16の第1の端面16dから突出する寸法L3は、マグネット5の第2の端面5bがヨーク16の第2の端面16eから突出する寸法L4よりも長くなるようになっている。この様にすれば、スラスト力110を低減する効果を有しつつ、磁束がヨークに十分に伝わらず漏れが発生することを防止することができる。
ここで、前述した「最大寸法」とは、マグネットの端面に凹凸がある場合には、マグネット端面の凸部の頂部までの寸法をいい、マグネットの端面が平坦である場合にはマグネットの端面(平坦面)までの寸法をいう。
また、第3の発明は、第1の発明において、前記ステータは、前記スラスト力の作用方向に積層するようにして複数設けられ、前記マグネットの第2の端面は、前記スラスト力の作用方向とは反対側に設けられた前記ヨークの第2の端面と、面一もしくは前記スラスト力の作用方向側となるように設けられたこと、を特徴とする水栓用水力発電機である。 スラスト力110の作用方向とは逆側にあるマグネット5の端面5bをヨーク16の端面16eから突出させないようにすれば、前述した力113が発生することがないので、力112によるスラスト力110の低減効果をそのまま享受することができる。しかしながら、一方では磁束がヨークに十分に伝わらず漏れが発生して発電効率の低下や出力の不均一化が生じるおそれがある。
そのため、第3の発明においては、複数のステータ7を積層するようにして設けることで、磁束がヨークに十分に伝わらず漏れが発生する影響を抑制するようにしている(図23を参照)。すなわち、複数のステータ7を設けるようにすれば、磁束がヨークに十分に伝わらず漏れが発生する影響を受けるステータ7を限定することができる。例えば、スラスト力110の作用方向とは逆側にあるステータ7は磁束がヨークに十分に伝わらず漏れが発生する影響を受けるが、これに連なる他のステータ7は磁束がヨークに十分に伝わらず漏れが発生する影響を受けることがない。そのため、設けられた複数のステータ7全体としての発電効率の低下や出力の不均一化を抑制することができる。その結果、スラスト力110を低減する効果を有しつつ、磁束がヨークに十分に伝わらず漏れが発生する影響を抑制することができる。
また、第4の発明は、第1の発明において、前記ステータは、前記マグネットの径外方向に配設されたこと、を特徴とする水栓用水力発電機である。
第4の発明においては、ステータ7がマグネット5の径外方向に配設されるようにしている(例えば、図22を参照)。ステータ7をマグネット5の径外方向に配設するようにすれば、表面積の大きいマグネット5の外周面側をステータ7と対向させることができる。そのため、磁束量を大きくすることができるので、発電量を大きくすることができる。また、引力が大きくなり前述した力112が大きくなるので、スラスト力110の低減効果を向上させることができる。また、同じ発電能力を得るのに必要となるマグネット5の大きさや重さを小さくすることができる。そのため、マグネット5の軽量化の観点からもスラスト力の低減を図ることができる。その結果、スラスト力110の軽減を図ることができるとともに、発電能力を向上させることができる。
本発明の態様によれば、比較的多い流量で発電をさせた場合であっても、動翼部にかかるスラスト力を軽減させることで動翼部にかかるスラスト力を支持する受け部の損耗を抑制し、耐久性を向上させることができる水栓用水力発電機を提供できるものである。
本発明の実施の形態に係る水栓用水力発電機について例示をするための模式断面図である。 本発明の実施の形態に係る水栓用水力発電機の模式分解図である。 本発明の実施の形態に係る水栓用水力発電機の配設例について説明をするための模式図である。 ステータを例示するための模式図である。 比較例を例示するための模式斜視図である。 比較例を例示するための模式斜視図である。 スラスト低減部としての孔部を例示するための模式斜視図である。 蓋部の周縁位置を例示するための模式図である。 噴射孔と蓋部との関係を例示するための模式図である。 噴射孔と蓋部との関係を例示するための模式図である。 動翼羽根部の形状と蓋部との関係を例示するための模式図である。 蓋部と動翼流路の底面との関係について例示をするための模式図である。 蓋部と動翼流路の底面との関係について例示をするための模式図である。 蓋部と動翼流路の底面との関係について例示をするための模式図である。 蓋部と動翼流路の底面との関係について例示をするための模式図である。 周縁部、軸保持部、リブを有する蓋部を例示するための模式図である。 3つのリブを回転対称となるように設ける場合を例示するための模式図である。 スラスト低減部としての圧力室を例示するための模式図である。 スラスト低減部としての「マグネットの端面とヨークの端面との位置関係」について例示をするための模式図である。 スラスト低減部としての「マグネットの端面とヨークの端面との位置関係」について例示をするための模式図である。 スラスト低減部としての「マグネットの端面とヨークの端面との位置関係」について例示をするための模式図である。 マグネットの端面とヨークの端面との位置関係について例示をするための模式図である。 複数のステータを設ける場合を例示するための模式図である。 第1のノズル筐体部と第2のノズル筐体部とを固定する様子を例示するための模式図である。 設定部を例示するための模式図である。 凸部、ヨークとの関係を例示するための模式図である。 マグネットの取り付けについて例示をするための模式図である。 マグネットの取り付けについて例示をするための模式図である。 マグネットの取り付けについて例示をするための模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る水栓用水力発電機について例示をするための模式断面図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る水栓用水力発電機の模式分解図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る水栓用水力発電機の配設例について説明をするための模式図である。
まず、図3に示す水栓用水力発電機1の配設例について説明をする。
図3に例示をしたものは、いわゆるシャワー用水栓装置100、100aに水栓用水力発電機1を設けた場合である。
この様なシャワー用水栓装置100、100aは、例えば、浴室などに設けられる。なお、図3(a)はシャワーヘッド105を壁面101から離隔させるようにして設けた場合、図3(b)はシャワーヘッド105を天井面102に当接させるようにして設けた場合である。
図3(a)、(b)に示すように、シャワー用水栓装置100、100aには、流量調整弁103、温度調整弁104、シャワーヘッド105、水栓用水力発電機1が設けられている。
流量調整弁103は、配管106を介して、水道水などを供給する図示しない給水源と接続されている。そして、流量調整弁103に設けられた操作ハンドル103aを操作することで、シャワーヘッド105から吐水される水の量を調整することができるようになっている。
温度調整弁104は、配管107を介して流量調整弁103と接続されている。また、温水を供給する図示しない温水ユニットと配管を介して接続されている。そして、温度調整弁104に設けられた操作ハンドル104aを操作することで、供給される水と温水との混合割合を変化させて、シャワーヘッド105から吐水される水の温度を調整することができるようになっている。
水栓用水力発電機1は、配管108を介して温度調整弁104と接続されている。また、水栓用水力発電機1は、配管109を介してシャワーヘッド105と接続されている。この場合、図3(a)に示すように水栓用水力発電機1を壁面101で画された空間の内側、例えば、浴室内に設けるようにすることができる。また、図3(b)に示すように壁面101や天井面102などで画された空間の外側、例えば、浴室外に設けるようにすることができる。
シャワーヘッド105には、図示しないシャワー孔が設けられており、供給された水をシャワー状に吐水できるようになっている。
この様なシャワー用水栓装置100、100aにおいて、配管106を介して供給された水は流量調整弁103により流量が調整され、温度調整弁104により温度が調整される。そして、温度調整弁104から出水した水は水栓用水力発電機1を介してシャワーヘッド105からシャワー状に吐水される。この際、水栓用水力発電機1を流れる水の水力を利用して発電が行われる。発電された電力は、例えば、ライトアップ、アルカリイオン水や銀イオン含有水などの電解機能水の生成、流量表示(計量)、温度表示、音声ガイドなどに用いられる。
後述するように、本実施の形態に係る水栓用水力発電機1は、吐水流量が比較的多い場合であっても発電効率を向上させることができ、かつ後述する受け部2eなどの摩耗を低減させることができる。そのため、水栓用水力発電機1は、シャワー用水栓装置100、100aに設けられるようにすることが好適であるといえるが、これに限定されるわけではない。例えば、水栓用水力発電機1は、大便器や小便器などに備えられるトイレ用水栓装置などのように吐水流量が比較的多い水栓装置に設けられるようにすることができる。また、水栓用水力発電機1をキッチン用水栓装置、リビングダイニング用水栓装置、洗面所用水栓装置などに設けるようにすることもできる。この場合、例えば、水栓用水力発電機1は、吐水流量が8リットル/分程度以上の水栓装置に設けられるようにすることができる。
この様に、本明細書における「水栓」には、単に一般の水栓だけではなく「シャワー」や「小便器の洗浄装置」なども含まれる。
次に、図1、図2に戻って水栓用水力発電機1について例示をする。
水栓用水力発電機1には、主として、筒部2、ノズル部3、ロータ4、マグネット5、封止部6、ステータ7、ステータ保持部8が設けられている。なお、図中に描かれた矢印は流水の方向を表している。
筒部2は、大径部2a、中径部2b、小径部2cを有する段付き形状を呈している。筒部2は、給水流入口と、給水流出口とを有し、内部に給水流路が形成されている。筒部2の内部には、上流側から順に、封止部6、ノズル部3、ロータ4、マグネット5が設けられている。また、封止部6、ノズル部3、ロータ4に設けられた動翼部12の動翼羽根部12aは大径部2aの内部に設けられ、ロータ4に設けられた動翼部12の動翼ボス部12b、マグネット5は中径部2bの内部に設けられている。
小径部2cの内部には、軸13の一端を保持する受け部2eが設けられている。受け部2eと小径部2cの内壁面とは、放射状に設けられた図示しない連結部材によって結合されている。各連結部材の間は、閉塞されておらず貫通しているため、後述する孔部12eから流出する水の流れが妨げられることはない。また、受け部2eの上流側端部と後述する保持部12gがスペーサ20を介して当接するようになっている。そのため、ロータ4を下流側に押すスラスト力110を受け部2eで支持することができる。すなわち、受け部2eは、動翼部12(ロータ4)にかかるスラスト力110を支持する。
また、小径部2cと封止部6には図示しない配管が接続され、筒部2の内部が給水流路に連通するようになっている。この際、例えば、図3に例示をしたように、筒部2の中心軸方向が流水の方向に対して略平行となるようにして配設される。また、筒部2は、小径部2cを下流側に、大径部2aを上流側に向けて配設される。
封止部6は、筒部2の給水流入口に設けられている。封止部6の内部には段付き孔が設けられ、段付き孔が給水流路に連通するようになっている。大径部2aの上流端の開口は、Oリング18を介して封止部6により液密となるように塞がれている。また、大径部2aの上流端の開口近傍には雌ネジ部2dが設けられている。そして、封止部6の側面に設けられた雄ネジ部6aと雌ネジ部2dとを螺合させることで、大径部2aの上流端の開口に封止部6を固定することができるようになっている。なお、大径部2aの上流端の開口に封止部6を固定した際には、後述する第2のノズル筐体部9の軸方向の位置が規制されることになるが、これに関する詳細は後述する。
ノズル部3は、回転中心軸に対して平行な方向から流れてくる水を、回転中心軸に対して略垂直な平面内において、動翼羽根部12aの径外方向から動翼羽根部12aに向けて噴出する複数の噴射孔19を有する。
また、ノズル部3には、第2のノズル筐体部9、第1のノズル筐体部10が設けられている。
第2のノズル筐体部9は円板状を呈し、中央部分には上流側に向けて突出する筐体ボス部9aが設けられている。また、第2のノズル筐体部9の周縁部分には上流側に向けて突出する複数の当接部9bが設けられている。筐体ボス部9aの内部には軸13の一端を回転自在に保持する凹部が設けられている。また、当接部9bの上流側端面は封止部6と当接するようになっている。第2のノズル筐体部9の端部周縁には誘い込み部9cが設けられている。なお、当接部9bは必ずしも第2のノズル筐体部9に設ける必要はなく、封止部6に設けられるようにすることもできる。
第1のノズル筐体部10は、円環状を呈し、その内部には段付き孔10bが設けられている。段付き孔10bの段付き部分の角部10cは、第2のノズル筐体部9の端部周縁に設けられた誘い込み部9cと当接できるような形状をしている。また、第1のノズル筐体部10の周面には段付き孔10bに貫通する複数のノズル溝10aが設けられている。そして、封止部6により当接部9bの軸方向の位置が規制されることで、第2のノズル筐体部9が第1のノズル筐体部10の上流端の開口を塞ぐように固定されるようになっている。また、第2のノズル筐体部9が第1のノズル筐体部10に固定された際には第2のノズル筐体部9とノズル溝10aとで噴射孔19が形成されるようになっている。第2のノズル筐体部9が第1のノズル筐体部10に固定されることで第1のノズル筐体部10の内部に形成された空間には、動翼部12の動翼羽根部12aが設けられている。そして、噴射孔19は、第1のノズル筐体部10の内部に形成された空間に収納された動翼羽根部12aに向けて開口されており、その方向は、動翼羽根部12aの外接円の接線方向よりは内側に向くようになっている。このような噴射孔19によれば、回転中心軸に対して平行な方向から流れてくる水を、回転中心軸に対して略垂直な平面内において、動翼羽根部12aの径外方向から動翼羽根部12aに向けて噴出させることができる。また、噴射孔19から噴出された水の方向は、動翼羽根部12aの外接円の接線方向よりは内側を向くようになる。
ロータ4には、蓋部11、動翼部12、軸13が設けられている。
蓋部11は、板状を呈し、蓋部11を動翼羽根部12aの軸方向に貫通する孔部(以下、蓋部の厚み方向を貫通する孔部と称する)が設けられている。蓋部11は、動翼羽根部12aの上流側の端部に設けられ、動翼羽根部12aと一体に回転するようになっている。 なお、蓋部11に関する詳細は後述する。
動翼部12は、動翼羽根部12a、動翼ボス部12b、保持板部12cを有し、給水流路に設けられている。すなわち、動翼部12は、給水流路に対して略平行な回転中心軸を有し、回転中心軸のまわりに回転可能に給水流路に設けられた動翼羽根部12aを有している。
動翼羽根部12aは曲線で構成されており、動翼部12の中心に向けてその先端が接近するような向きに湾曲している。また、動翼羽根部12aの枚数は、噴射孔19の数の整数倍とは異なる値となっている。例えば、図2に例示をしたものでは、動翼羽根部12aの枚数を11枚、噴射孔19の数を6箇所としている。動翼羽根部12aの枚数を噴射孔19の数の整数倍とは異なる値とすれば、噴射孔19から噴出された水と各動翼羽根部12aの外周縁近傍との衝突時期をずらすことができるので、動翼部12の振動や騒音の発生を抑制することができる。
また、動翼羽根部12aの下流側の端部には、動翼羽根部12aを保持する保持板部12cが設けられている。すなわち、保持板部12cは、動翼羽根部12aの下流側端部に設けられ、動翼羽根部12aと一体に回転する。そして、動翼羽根部12aと保持板部12cとで画される空間が動翼流路12hとなる。
また、保持板部12cの中央近傍には動翼流路12hを流れた水を下流側に流すための孔部12dが設けられている。すなわち、保持板部12cの孔部12dは保持板部12cの中央近傍に設けられ、保持板部の孔部12dと、動翼羽根部12aに向けて噴出された水を下流側に流すための流路(孔部12e)と、が連通している。
この様に、動翼羽根部12aに向けて噴出された水が下流側に流れるためには、水を下流側に流すための流路と連通する孔部12dを保持板部に設ける必要がある。
本実施の形態においては、保持板部12cの中央近傍に孔部を設けるようにしている。この様にすれば、動翼羽根部12aに噴射された水が流入してから流出するまでの間の寸法を長くすることができる。そのため、発電効率を向上させることができる。
また、このことは、後述する圧力室22を大きくすることにもなるので、スラスト力110を相殺する力111を大きくすることができる。なお、圧力室22に関する詳細は後述する。
その結果、発電効率の向上とともにスラスト力110の低減をさらに図ることができる。
動翼羽根部12aの下流側には、動翼ボス部12bが設けられている。動翼ボス部12bの内部には軸方向に貫通する孔部12eが設けられ、孔部12eの一端が孔部12dと連通している。孔部12eは、動翼流路12hを流れた水を下流側に流すための流路となる。動翼ボス部12bの中央部分には軸13を挿通させる挿通部12fが設けられている。そして、挿通部12fの下流側の端部には、挿通部12fに軸13を保持させるための保持部12gが設けられている。
軸13は、円柱状を呈し、一端が動翼羽根部12aから上流方向に突出し、他端が動翼ボス部12bから下流方向に突出している。軸13の上流側の一端は筐体ボス部9aに回転自在に保持され、下流側の一端は受け部2eに回転自在に保持される。蓋部11、動翼部12、軸13はロータ4として一体化され、一体化されたロータ4が軸13を中心に回転するようになっている。
動翼ボス部12bの外周面(径外方向の端面)には円筒状のマグネット5が設けられている。そして、マグネット5は、動翼部12と一体に回転可能となっている。マグネット5の外周面(径外方向の端面)は、周方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁されている。
筒部2の中径部2bの外側には、マグネット5の外周面と対向させるようにしてステータ7が設けられている。
図4は、ステータを例示するための模式図である。なお、図4(a)はステータを例示するための模式断面図、図4(b)はボビンとコイルとを例示するための模式斜視図である。
図4(a)に示すように、ステータ7にはボビン14、コイル15、ヨーク16が設けられている。ステータ7は、マグネット5の径方向(図4に例示をしたものは径外方向)に配設されている。また、ステータ7は、設定部17を介して軸方向に積層するようにして複数(図4に例示をしたものは2つ)設けられている。
また、図4(b)に示すように、ボビン14にはボビンボス部14a、鍔部14b、凸部14cが設けられている。
ボビンボス部14aは円筒状を呈しており、その両端面には円環状の鍔部14bが設けられている。鍔部14bの外周端は、ボビンボス部14aの径外方向に突出するように設けられている。そして、ボビンボス部14a径外方向であって鍔部14b同士の間の空間には、円環状に巻回されたコイル15が設けられている。すなわち、導線をボビン14に巻きつけて形成されたマグネット5の回転により起電力を生ずるコイル15が設けられている。
ステータ7同士が対向する側に設けられる鍔部14bには、凸部14cが設けられている。凸部14cは円柱状を呈しており、凸部14cを設定部17に設けられた凹部17aに嵌め合わせることでステータ7相互の周方向の位置決めができるようになっている。
ヨーク16は、磁性体(例えば、圧延鋼)から形成されている。ヨーク16は、コイル15の外周面、鍔部14bの端面、ボビンボス部14aの内周面を囲うようにして設けられている。このうち、ボビンボス部14aの内周面、すなわちコイル15の内周面と対向する部分がいわゆるインダクタ16a、16bとなる。また、コイル15を囲んで設けられた部分が基部16cとなる。
インダクタ16aは、コイル15の周方向に沿って等間隔に配設されるとともに、インダクタ16bの間に配設されるようになっている。つまり、インダクタ16aとインダクタ16bとが、コイル15の周方向に沿って、交互に、且つ互いに離間して配設されている。そのため、インダクタ16a、16bは、マグネットMの外周面(径外方向の面)と対向するように配設されることになる。すなわち、マグネット5の径方向に対向する部分を有して互いに離間して配設された磁気のやり取りを行う複数のインダクタ16a、16bが設けられている。
なお、設定部17や、マグネット5の端面とヨーク16(ステータ7)の端面との位置関係などに関する詳細は後述する。
ステータ保持部8の内部には段付き孔が軸方向を貫通するようにして設けられている。そして、大きな径寸法の孔には中径部2bを挿通させ、小さな径寸法の孔には小径部2cを挿通させることができるようになっている。また、大きな径寸法の孔が設けられた側の端部には鍔部8aが設けられている。小さな径寸法の孔には雌ネジ部8bが設けられ、小径部2cの外周面に設けられた雄ねじ部2fと螺合するようになっている。そして、雄ねじ部2fと雌ネジ部8bとを螺合させることで、大径部2aの下流側端部2gと鍔部8aとの間にステータ7を挟み込むようにして保持することができるようになっている。
次に、蓋部11に関してさらに例示をする。
図5、図6は、比較例を例示するための模式斜視図である。なお、図5、図6に例示をしたものは、本発明者らが本発明をするに至った過程で検討を加えたものである。
図5に示すように、動翼羽根部12aの上流側の端部が開放されている場合には、噴射孔19から噴出された水50は動翼羽根部12aに衝突した後、上流側に流れ方向を変え動翼羽根部12aから流出してしまう。そのため、動翼流路12hを流れる水が少なくなるので、発電効率が低下してしまうことになる。
この場合、図6に示すように、動翼羽根部12aの上流側の端部に板状の蓋部41を設けるようにすれば、動翼羽根部12aから噴出された水50が上流側に流出することをなくすことができる。そのため、動翼流路12hを流れる水を多くすることができるので、発電効率を向上させることができる。
ここで、蓋部41と第2のノズル筐体部9との間ではロータ4の回転による水流の回転運動は生じるが、蓋部41と第2のノズル筐体部9との間からは水が流出しづらいために圧力が籠るようになる。そのため、蓋部41と第2のノズル筐体部9との間の水の圧力が高まり蓋部41を下流側に押す力、すなわちスラスト力110が発生することになる。そして、スラスト力110が発生すると受け部2eの上流側端部と保持部12gの下流側端部との間に働く力が大きくなるので、受け部2eの上流側端部、保持部12gの下流側端部、スペーサ20の損耗が大きくなるおそれがある。すなわち、軸受け部などの損耗が大きくなるおそれがある。
この場合、流量が少ないとき(例えば、1.8リットル/分程度)には発生するスラスト力110が小さくなるので損耗も小さくなるが、流量が多くなるにつれて発生するスラスト力110が増加するので損耗が大きくなるおそれがある。特に、吐水流量が8リットル/分程度以上の水栓装置に水栓用水力発電機1を設けるような場合には、損耗が激しくなるおそれがある。
そのため、本実施の形態においては、動翼部にかかるスラスト力を低減させるためのスラスト低減部を備えるようにしている。
なお、図5に示したもののように蓋部が設けられていない場合であっても、流量が多くなるにつれて発生するスラスト力110が増加することには変わりがない。そのため、蓋部が設けられていない場合であってもスラスト力を低減させるためのスラスト低減部を備えるようにすることができる。
スラスト低減部としては、例えば、蓋部の厚み方向を貫通する孔部や、保持板部12cの下流側に設けられた圧力室22、すなわち、保持板部12cと大径部2aの下流側端部2gの内壁面との間に設けられた圧力室22、マグネット5の端面とヨーク16(ステータ7)の端面との位置関係を例示することができる。
次に、スラスト低減部について例示をする。
まず、スラスト低減部として、蓋部の厚み方向を貫通する孔部について例示をする。
図7は、スラスト低減部としての孔部を例示するための模式斜視図である。
蓋部の厚み方向を貫通する孔部を設けるようにすれば、蓋部と第2のノズル筐体部9との間の水を孔部を介して流出させることができる。そのため、蓋部と第2のノズル筐体部9との間の圧力の籠りが抑制されるので、この部分の水の圧力の上昇を抑えて発生するスラスト力110を低減させることができる。また、孔部を設けることで受圧面積を小さくすることができるので、この点からもスラスト力110を低減させることができる。
例えば、図7(a)に示すように、動翼羽根部12aの上流側の端部に設けられた板状の蓋部21に孔部21aを設けるようにすることができる。
また、図7(b)に示すように、動翼羽根部12aの上流側の端部に設けられた板状の蓋部23に複数の孔部23aを設けるようにすることができる。複数の孔部23aを設けるようにすれば、蓋部23と第2のノズル筐体部9との間を流れる水の流出量を増加させるとともに受圧面積を小さくすることができる。そのため、スラスト力110をさらに低減させることができる。なお、孔部23aの数は図示したものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
この場合、動翼部12の回転中心軸に対して回転対称に孔部23aを配設するようにすれば、荷重バランスを取ることができる。そのため、回転に対する孔部の影響を抑えることができるので、動翼部の回転を円滑にすることができる。その結果、高い発電効率を維持したままスラスト力の低減を図ることができる。なお、図7(b)に示すように、動翼部12の回転中心軸に対して点対称に孔部23aを配設すれば、荷重バランスをより均等化することができる。
また、図7(c)に示すように、動翼羽根部12aの上流側の端部に設けられた板状の蓋部11に孔部11aを同芯に設けるようにすることができる。この様にすれば、蓋部11と第2のノズル筐体部9との間を流れる水の流出量をさらに増加させるとともに受圧面積をさらに小さくすることができる。そのため、スラスト力110を著しく低減させることができる。また、荷重バランスもさらに均等化することができる。
この場合、動翼羽根部12aの上流側の端部の一部にしか蓋部が設けられていないため、発電効率が低下するとも考えられる。しかしながら、本発明者らの得た知見によれば、回転エネルギーへの変換に最も寄与する動翼羽根部12aの外周縁近傍に蓋部が設けられていれば、図6のように全面を覆った場合の発電効率と同程度まで向上させることができる。すなわち、蓋部は、少なくとも動翼羽根部12aの外周縁近傍を覆うように設けられるようにすることが好ましい。
なお、図7(b)においては、回転中心軸と蓋部23の面の交差する点に対して回転対称に孔部23aを配設するようにしている。
ここで、本発明における「回転対称」には、図7(b)に例示をしたものの他、図7(c)に例示をしたものも含むものとする。すなわち、本発明においては、回転中心軸と同芯に設けられた孔部11aも「回転対称」に設けられた孔とする。
蓋部は動翼羽根部12aから上流側に逃げる水を抑制するために設けられる。ここで、スラスト力110を低減させるために孔部を設けるとき、噴射孔19から噴射された水が最も仕事をする動翼羽根部12aの外周縁近傍の位置に孔部を設けるようにすると、発電効率が格段に低下するおそれがある。そのため、噴射孔19から噴射された水が最も仕事をする動翼羽根部12aの外周縁近傍を蓋部により覆うようにすることが好ましい。
この様にすれば、スラスト力110の低減効果を維持したまま高い発電効率を得ることができる。
次に、蓋部に関する位置関係などについて例示をする。
図8は、蓋部の周縁位置を例示するための模式図である。
図8に示すように、蓋部11の周縁位置は、動翼羽根部12aの周縁位置(保持板部12cの周縁位置)よりも径外方向にあるようにすることが好ましい。この場合、蓋部11の周縁位置と動翼羽根部12aの周縁位置(保持板部12cの周縁位置)とが同じ(外径寸法が同じ)であってもよい(例えば、図7(c)を参照)。
この様にすれば、回転エネルギーへの変換に最も寄与する動翼羽根部12aの外周縁近傍に蓋部11を確実に設けることができる。そのため、スラスト力110を低減させることができるとともに発電効率を向上させることができる。
図9は、噴射孔と蓋部との関係を例示するための模式図である。なお、図9(a)は蓋部11に孔部11aを同芯に設けた場合、図9(b)は動翼部12の回転中心軸に対して回転対称に孔部23aを設けた場合である。
また、図10も噴射孔と蓋部との関係を例示するための模式図である。なお、図10は後述するリブを有する蓋部を設けた場合である(図17(a)を参照)。
図9(a)、(b)、図10に示すように、噴射孔19から噴出された直後の水をその進行方向に延長することで形成された領域19aには蓋部(図中に例示をしたものでは、蓋部11、23、24a)が設けられているようにすることが好ましい。例えば、噴射孔19の出口部分の幅を延長することで形成された領域には蓋部が設けられているようにすることができる。
この場合、噴射孔19から噴出された直後の水をその進行方向に延長することで形成された領域19aには、孔部(図中に例示をしたものでは、孔部11a、23a、26d)が設けられていないようにすることが好ましいともいえる。例えば、噴射孔19の出口部分の幅を延長することで形成された領域には孔部が設けられていないようにすることができる。
すなわち、蓋部は、噴射孔19から噴出された直後の水をその進行方向に延長することで形成された領域19aを覆い、かつ、領域19aの回転中心軸側(径内側)には孔部が配設されるようにすることが好ましい。
噴射孔から噴射された水は、動翼羽根部12aに流入した直後が最も仕事をする。すなわち、水力エネルギーから回転エネルギーへの変換に最も寄与するのは動翼羽根部12aの外周縁近傍である。そのため、少なくとも水が流入する動翼羽根部12aの外周縁近傍(噴射孔19から噴出された直後の水をその進行方向に延長することで形成された領域19a)を覆うように蓋部を設けるようにすれば、発電効率を向上させることができる。そして、動翼羽根部12aの外周縁近傍より回転中心軸側(径内側)という比較的広い領域に大きな孔部を設けることができるようになるので、スラスト力の低減効果を向上させることもできる。すなわち、高い発電効率を維持したままスラスト力の低減効果を最大限良くすることができる。
また、噴射孔19は、噴射孔19から噴出された直後の水をその進行方向に延長することで形成された領域19aが蓋部により覆われるような噴射が行えるように形成されるようにすることが好ましいともいえる。
噴射孔19から噴出された直後の水をその進行方向に延長することで形成された領域19aは、噴射孔19の形状寸法により変化させることができる。
そのため、噴射孔19から噴出された直後の水をその進行方向に延長することで形成された領域19aが蓋部により覆われるような噴射が行える噴射孔19を形成するようにすることが好ましい。
この様にすれば、流入した水が動翼羽根部12aから上流側に流出することを効果的に防止することができる。その結果、スラスト力の低減効果を維持したまま高い発電効率を得ることができる。
また、噴射孔19の出口部分の回転中心軸側(径内側)を延長した線は、蓋部に設けられた孔部の最外周位置よりも径外側に位置するようにすることが好ましい。なお、「孔部の最外周位置」に関しては後述する。すなわち、噴射孔19の出口部分の回転中心軸側を延長した線は、回転中心軸を中心とし、蓋部に設けられた孔部の周縁のうち回転中心軸から最も離隔した位置と回転中心軸とを結ぶ線分を半径とした領域の外側に位置するようにすることが好ましい。
噴射孔19の出口部分の回転中心軸側(径内側)を延長した線が、蓋部に設けられた孔部の最外周位置よりも径外側に位置するようにすれば、流入した水が動翼羽根部12aから上流側に流出することを効果的に防止することができる。その結果、スラスト力の低減効果を維持したまま高い発電効率を得ることができる。
この様にすれば、回転エネルギーへの変換に最も寄与する動翼羽根部12aの外周縁近傍に蓋部を確実に設けることができる。そのため、スラスト力110を低減させることができるとともに発電効率を向上させることができる。
図11は、動翼羽根部の形状と蓋部との関係を例示するための模式図である。
動翼羽根部12aの形状によっては、変曲点12a1を有する場合がある。なお、ここでいう変曲点とは、動翼羽根部の曲率が変化する点を指す。
流入した水は、変曲点12a1において最も強く動翼羽根部12aと衝突するため、変曲点12a1において水が淀み、渦などが生じるおそれがある。すなわち、変曲点12a1の近傍においては水流が乱れて渦などが発生するおそれがある。そして、渦などが発生した部分に蓋部があるとスラスト力が増加するおそれがある。
そのため、図11に示すように、動翼羽根部12aの変曲点12a1がある部分には蓋部(図中に例示をしたものでは蓋部24a)が設けられていないようにすることが好ましい。すなわち、蓋部は、動翼羽根部12aの変曲点より径外側を覆うように設けられるようにすることが好ましい。
この様にすれば、変曲点12a1がある部分が覆われないようにするとともに、変曲点12a1より径外側、すなわち、なるべく動翼羽根部12aの外周縁側を覆うようにすることができる。その結果、淀みや渦などによりスラスト力が増加することを抑制することができる。また、動翼羽根部12aの外周縁側を覆うことで高い発電効率を得ることができる。
ここで、蓋部を設けるようにすれば、動翼羽根部12aに衝突した水が上流側に逃げるのを防止することができる。しかしながら、蓋部との関係において動翼流路12hの底面がない部分においては水が下流側に逃げてしまうという新たな課題が生ずる。そのため、蓋部と動翼流路の底面との関係を以下のようにすることが好ましい。
図12、図13は、蓋部と動翼流路の底面との関係について例示をするための模式図である。なお、図12は、動翼流路12hの底面が動翼部12の保持板部12cである場合である。また、図13は、動翼流路12hの底面がマグネット5の上流側端面である場合である。
図12に示すように、動翼羽根部12aの外周縁近傍に設けられた蓋部11と対向する部分には動翼流路12hの底面、すなわち保持板部12cがあるようにすることが好ましい。すなわち、保持板部12cは、少なくとも蓋部11と対向する部分に設けられるようにすることが好ましい。
蓋部11を設けるようにすれば、動翼羽根部12aに衝突した水が上流側に逃げるのを防止することができる。しかしながら、蓋部11との関係において動翼流路12hの底面がない部分においては水が下流側に逃げてしまう。
そのため、少なくとも蓋部11と対向する部分に動翼流路12hの底面となる保持板部12cを設けるようにすれば、水が下流側に逃げることを抑制することができる。特に、回転エネルギーへの変換に最も寄与する動翼羽根部12aの外周縁近傍において、水が上流、下流に逃げるのを妨げることができる。そのため、スラスト力の低減効果を維持したまま高い発電効率を得ることができる。
図13に示す場合も同様に、動翼羽根部12aの外周縁近傍に設けられた蓋部11と対向する部分には動翼流路12hの底面、すなわちマグネット5の上流側端面があるようにすることが好ましい。
この様にすれば、水が下流側に逃げることを抑制することができる。特に、回転エネルギーへの変換に最も寄与する動翼羽根部12aの外周縁近傍において、水が上流側、下流側に逃げるのを妨げることができる。そのため、発電効率を向上させることができる。
なお、一例として蓋部11の場合を示したが、蓋部21、23などの周縁近傍も同様である。
図14、図15も、蓋部と動翼流路の底面との関係について例示をするための模式図である。なお、図14、図15において(a)は模式断面図、(b)は蓋部の模式平面図である。
また、図14、図15は、動翼流路12hの底面が動翼部12の保持板部12cである場合であり、蓋部の孔部と保持板部12cの孔部12dとの関係を例示するものである。 ここで、軸13の中心から蓋部の孔部の最外周位置までの寸法をL1、軸13の中心から保持板部12cの孔部12dの周縁までの寸法をL2とする。
この場合、図14、図15に示すように、L1>L2となるようにすることが好ましい。
すなわち、動翼羽根部12aの中心から蓋部に設けられた孔部の最外周位置までの寸法が、動翼羽根部12aの中心から保持板部12cに設けられた孔部の周縁までの寸法よりも長くなるようにすることが好ましい。
蓋部により覆われる範囲を大きくするとスラスト力が増加するおそれがある。一方、蓋部、保持板部に覆われる範囲を余り小さくすると水が上流、下流に逃げることになる。
そのため、本実施の形態においては、蓋部により覆われる範囲が保持板部により覆われる範囲よりも小さくなるようにそれぞれの孔部の寸法関係を規定するようにしている。
この様にすれば、蓋部により覆われる範囲を小さくすることでスラスト力の低減を図り、保持板部により覆われる範囲を相対的に大きくすることで発電効率の向上を図ることができる。
なお、蓋部の孔部の最外周位置は、図14に例示をした蓋部11の孔部11aの場合には孔部11aの周縁位置である。また、図15に例示をした蓋部23の孔部23aの場合には孔部23aの周縁であって軸13の中心から最も離隔した位置である。
また、動翼流路12hの底面が動翼部12の保持板部12cである場合を例示したが、図13に例示をしたような動翼流路12hの底面がマグネット5の上流側端面である場合も同様とすることができる。
ここで、動翼羽根部12aの外周縁近傍に設けられる蓋部11のようなものの場合には、取付時に軸13との芯合わせを行う必要がある。また、前述したように、蓋部はスラスト力を受けるが、水圧や回転によってスラスト力の方向と交差する方向からの力をも受ける。そのため、蓋部の孔部が大きいと蓋部が径方向に変形するおそれがある。
図16は、周縁部、軸保持部、リブを有する蓋部を例示するための模式図である。
図16(a)に示すように、蓋部24には円環状の周縁部24a、円柱状の軸保持部24b、周縁部24aと軸保持部24bとを連結するリブ24cが設けられている。すなわち、蓋部24は、動翼羽根部12aの外周縁近傍に設けられた円環状の周縁部24aと、動翼羽根部12aの回転中心軸に設けられた軸保持部24bと、周縁部24aと軸保持部24bとを連結するリブ24cと、を有している。この場合、周縁部24aと軸保持部24bとの間においてリブ24cが設けられていない部分が孔部24dとなる。
円環状の周縁部24aは、前述した蓋部11と同様のものとすることができる。
円柱状の軸保持部24bの中心には軸方向に貫通する孔が設けられており、この孔に軸13を挿通、保持させることができるようになっている。
リブ24cは、周縁部24aと軸保持部24bとを連結することで一体化させる。
ここで、蓋部を動翼羽根部12aの外周縁近傍に設けられた円環状の周縁部24aのみとすれば、取付時に動翼羽根部12aとの芯合わせを行う必要がある。そのため、取り付け作業の作業性が悪化するおそれがある。
本実施の形態においては、周縁部24aと動翼羽根部12aの回転中心軸に設けられた軸保持部24bとをリブ24cで連結するようにしている。そのため、軸保持部24bに軸13を挿通させることで、円環状の周縁部24aと動翼羽根部12aとの芯合わせとを容易に行うことができる。
また、周縁部24aと軸保持部24bとが一体化されているため、蓋部24の変形を低減することができる。
この場合、リブ24cを設けることで受圧面積が増えることになる。ただし、動翼羽根部12aの軸方向(スラスト力の作用方向)から見てリブ24cの一部と動翼羽根部12aの上流側の端面の一部とが重なることになる。すなわち、リブ24cは、動翼羽根部12aの軸方向から見て、少なくともリブ24cの一部と動翼羽根部12aの一部とが重なるように形成されている。リブ24cの一部と動翼羽根部12aの一部とが重なる部分においては受圧面積などの増加がないことになるので、スラスト力110の低減効果の悪化を抑制することができる。 その結果、スラスト力110の低減効果を維持したまま蓋部24の取り付け作業性を向上させることができる。
図16(b)に示すように、蓋部25には円環状の周縁部24a、円柱状の軸保持部24b、周縁部24aと軸保持部24bとを連結するリブ25cが設けられている。この場合、周縁部24aと軸保持部24bとの間においてリブ25cが設けられていない部分が孔部25dとなる。
リブ25cは、周縁部24aと軸保持部24bとを連結することで一体化させる。また、リブ25cは、動翼羽根部12aの軸方向(スラスト力の作用方向)から見てリブ25cと動翼羽根部12aの上流側の端面とが重なるような形状となっている。この場合、リブ25cと動翼羽根部12aの上流側の端面とが完全に重なるような形状であってもよいし、動翼羽根部12aの上流側の端面よりも小さくなるような形状であってもよい。例えば、動翼羽根部12aの軸方向(スラスト力の作用方向)から見てリブ25cの下に動翼羽根部12aの上流側の端面の一部が見えるような形状であってもよい。すなわち、リブ25cは、動翼羽根部12aの軸方向から見て、リブ25cと動翼羽根部12aとの形状が同一、またはリブ25cが動翼羽根部12aよりも小さくなっている。
本実施の形態によれば、動翼羽根部12aの軸方向から見て、動翼羽根部12aからリブ25cがはみ出ることがないので、リブ25cを設けたことで受圧面積などが増加することがない。そのため、スラスト力110の低減効果をさらに維持することができるとともに蓋部25の取り付け作業性を向上させることができる。
また、蓋部25の変形を低減することもできる。
ここで、スラスト力110を低減させるためには、蓋部を小さくするようにすることが好ましい。しかしながら、蓋部はスラスト力110を受けるが、水圧や回転によってスラスト力110の方向と交差する方向からの力をも受ける。そのため、蓋部の大きさなどによってはスラスト力110の方向と交差する方向からの力により蓋部が径方向などに変形するおそれがある。
この場合、リブを設けることで蓋部の変形を低減させることができるが、図16(b)のようにリブを1つだけ設けるようにすれば、様々な方向から作用する力に対抗することができない。また、図16(a)のようにリブを2つ設けるようにしても、リブを設けた方向と交差する方向からの力には対抗することができない。そして、設けるリブの数を増やせば、受圧面積が増加したり、孔部を介して流出させる水の量が減ったりしてスラスト力が増加するおそれがある。
本発明者らの得た知見によれば、3つのリブを回転中心軸に対して回転対称となるように設けることが好ましい。
図17は、3つのリブを回転対称となるように設ける場合を例示するための模式図である。
図17(a)は、図16(a)において例示をした蓋部24のリブを3つにした場合である。
図17(a)に示すように、蓋部26には円環状の周縁部24a、円柱状の軸保持部24b、周縁部24aと軸保持部24bとを連結するリブ24cが設けられている。この場合、リブ24cは回転中心軸に対して回転対称となるように3つ設けられている。すなわち、120°毎にリブ24cが設けられている。なお、周縁部24aと軸保持部24bとの間においてリブ24cが設けられていない部分が孔部26dとなる。
図17(b)は、図16(b)において例示をした蓋部25のリブを3つにした場合である。
図17(b)に示すように、蓋部27には円環状の周縁部24a、円柱状の軸保持部24b、周縁部24aと軸保持部24bとを連結するリブ25cが設けられている。この場合、リブ25cは回転中心軸に対して回転対称となるように3つ設けられている。すなわち、120°毎にリブ25cが設けられている。なお、周縁部24aと軸保持部24bとの間においてリブ25cが設けられていない部分が孔部27dとなる。
図17(a)、(b)は、動翼羽根部12aと動翼ボス部とが保持板部12cを介して連結された場合である。
これに対し、図17(c)に示すものは、動翼羽根部12aと動翼ボス部とが連結されていない場合である。この場合、動翼羽根部12aは保持板部12c1で連結されている。
この様に、3つのリブを回転中心軸に対して回転対称となるように設けるようにすれば、中心合わせを容易に行うことができ、且つ様々な方向からの力に対抗することができる。また、これらを満足するとともに受圧面積の増加を最小限とすることができる。また、リブを回転中心軸に対して回転対称となるように設けることで荷重バランスを取ることができる。そのため、回転に対するリブの影響を抑えることができるので、動翼部の回転を円滑にすることができる。
その結果、取り付け作業性の向上、様々な方向からの力への耐力の向上、高い発電効率、スラスト力の低減を図ることができる。
次に、スラスト低減部として、保持板部12cと大径部2aの下流側端部2gの内壁面との間に設けられた圧力室22について例示をする。
図18は、スラスト低減部としての圧力室を例示するための模式図である。
図18に示すように、動翼羽根部12aはマグネット5の径外方向に突出するようにして設けられている。そして、マグネット5よりも突出する部分には保持板部12cが設けられている。また、保持板部12cと対向する部分は、大径部2aの下流側端部2gの内壁面2hとなっている。そして、保持板部12cと内壁面2hとは離間して設けられ、保持板部12cと内壁面2hとの間に形成された隙間が圧力室22となる。
この場合、圧力室22の高さ寸法(保持板部12cと内壁面2hとの間に形成された隙間寸法)は主流路(動翼流路12h)の高さ寸法(動翼流路12hの上流側端部と下流側端部との間の寸法)よりも小さくなるように設定されている。すなわち、圧力室22の動翼羽根部12aの軸方向における寸法(高さ寸法)は、動翼羽根部12a同士の間の空間の動翼羽根部12aの軸方向における寸法(高さ寸法)よりも短くなるように設定されている。
保持板部12cの下流側に設けられた圧力室22の動翼羽根部12aの軸方向における寸法が、動翼羽根部12a同士の間の空間の動翼羽根部12aの軸方向における寸法よりも短くなるようにしている。すなわち、圧力室22の高さ寸法が、主流路(動翼流路12h)の高さ寸法よりも短くなるようにしている。そのため、主流路(動翼流路12h)を流れる水50よりも圧力室22を流れる水51の方が流量が小さく、圧力室22内の水が排出されにくくなるので圧力が籠る。その結果、保持板部12cを上流側に押す力111が発生する。保持板部12cを上流側に押す力111はスラスト力110と向きが逆となるので、スラスト力110が相殺されることになる。
この場合、他のスラスト低減部(例えば、蓋部に設けられた孔部など)とともに圧力室22を設けるようにすれば、スラスト力110の低減効果を相乗的に向上させることができる。
次に、スラスト低減部として、マグネット5の端面とヨーク16の端面との位置関係について例示をする。
図19は、スラスト低減部としての「マグネットの端面とヨークの端面との位置関係」について例示をするための模式図である。なお、図19に例示をしたものは1つのステータ7が設けられた場合である。
前述したように、ステータ7にはボビン14、コイル15、ヨーク16が設けられている。そして、ヨーク16は、磁性体(例えば、圧延鋼)から形成されている。また、ヨーク16は、コイル15の外周面、鍔部14bの端面、ボビンボス部14aの内周面を囲うようにして設けられている。
また、ステータ7(ヨーク16)は、マグネット5の径方向に配設されている。
そして、本実施の形態においては、前述したスラスト力110の作用方向側にあるマグネット5の端面5aをヨーク16の端面16dから突出させている。すなわち、スラスト力110の作用方向側にあるマグネット5の第1の端面5aを、スラスト力110の作用方向側にあるヨークの第1の端面16dから突出させている。そのため、マグネット5を突出させた部分と磁性体から形成されたヨーク16との間に引き合う力112が発生する。この力112には、スラスト力110の向きと逆の向きの成分の力が含まれているので、スラスト力110が相殺されることになる。そのため、スラスト力110を低減することができる。
図20も、スラスト低減部としての「マグネットの端面とヨークの端面との位置関係」について例示をするための模式図である。なお、図20に例示をしたものは2つのステータ7が設けられた場合である。また、スラスト力110を支持する保持部28が上流側(スラスト力110の作用方向とは逆側)に設けられた場合である。
本実施の形態においても、スラスト力110の作用方向側にあるマグネット5の端面5aをヨーク16の端面16dから突出させている。そのため、マグネット5を突出させた部分と磁性体から形成されたヨーク16との間に引き合う力112を発生させることができる。その結果、前述した場合と同様にスラスト力110を相殺することができるので、スラスト力110の低減を図ることができる。
図21も、スラスト低減部としての「マグネットの端面とヨークの端面との位置関係」について例示をするための模式図である。なお、図1に例示をした水栓用水力発電機1は動翼部12の回転中心軸が給水流路に対して略平行となるように設けられているが、図21に例示をした水栓用水力発電機1aは動翼部29の回転中心軸が給水流路に対して略垂直となるように設けられている。
本実施の形態においても、スラスト力110の作用方向側にあるマグネット5の端面5aをヨーク16の端面16dから突出させている。そのため、マグネット5を突出させた部分と磁性体から形成されたヨーク16との間に引き合う力112を発生させることができる。その結果、前述した場合と同様にスラスト力110を相殺することができるので、スラスト力110の低減を図ることができる。
図22は、マグネットの端面とヨークの端面との位置関係について例示をするための模式図である。
水流によって動翼部12が振動すると動翼部12と一体的に設けられたマグネット5も振動するため、マグネット5の磁束が十分にヨーク16に伝わらず磁束漏れ(以下、単に磁束漏れと称する)が発生して発電効率の低下や出力の不均一化が生じるおそれがある。そのため、マグネット5が振動しても磁束が漏れないように、マグネット5の両端面をヨーク16の両端面から突出させるようにすることが好ましい。この様にすれば、高効率且つ均一な発電を実現することができる。
しかしながら、スラスト力110の作用方向とは逆側にあるマグネット5の端面5bをヨーク16の端面16eから突出させると、マグネット5を突出させた部分とヨーク16との間に引き合う力113が発生することになる。この力113には、スラスト力110の向きと同じ向きの成分の力が含まれているので、スラスト力110が増加してしまうことになる。
そのため、本実施の形態においては、スラスト力110の作用方向とは逆側にあるマグネット5の端面5bが突出する寸法L4よりも、スラスト力110の作用方向側にあるマグネット5の端面5aが突出する寸法L3の方が長くなるようになっている。すなわち、マグネット5の第1の端面5aと対向する第2の端面5bは、ヨーク16の第1の端面16dと対向する第2の端面16eから突出しており、マグネット5の第1の端面5aがヨーク16の第1の端面16dから突出する寸法L3は、マグネット5の第2の端面5bがヨーク16の第2の端面16eから突出する寸法L4よりも長くなるようになっている。 この様にすれば、スラスト力110を低減する効果を有しつつ、磁束漏れを防止することができる。
この場合、マグネットの端面がヨークの端面から突出する寸法は、「最大寸法」とすることができる。ここで、「最大寸法」とは、マグネットの端面に凹凸がある場合には、マグネット端面の凸部の頂部までの寸法をいい、マグネットの端面が平坦である場合には前述したもののようにマグネットの端面(平坦面)までの寸法をいう。
図23は、複数のステータを設ける場合を例示するための模式図である。
図23に示すものの場合には、スラスト力110の作用方向とは逆側にあるマグネット5の端面5bをヨーク16の端面16eから突出させないようにしている。すなわち、ステータ7は、スラスト力110の作用方向に積層するようにして複数設けられ、マグネット5の第2の端面5bは、スラスト力110の作用方向とは反対側に設けられたヨーク16の第2の端面16eと、面一もしくはスラスト力110の作用方向側となるように設けられている。
この様にすれば、前述した力113が発生することがないので、力112によるスラスト力110の低減効果をそのまま享受することができる。しかしながら、一方では前述した磁束漏れが発生して発電効率の低下や出力の不均一化が生じるおそれがある。
そのため、本実施の形態においては、複数のステータ7を積層するようにして設けることで、磁束漏れの影響を抑制するようにしている。すなわち、複数のステータ7を設けるようにすれば、磁束漏れの影響を受けるステータ7を限定することができる。例えば、スラスト力110の作用方向とは逆側にあるステータ7は磁束漏れの影響を受けるが、これに連なる他のステータ7は磁束漏れの影響を受けることがない。そのため、設けられた複数のステータ7全体としての発電効率の低下や出力の不均一化を抑制することができる。その結果、スラスト力110を低減する効果を有しつつ、磁束漏れの影響を抑制することができる。
また、図22、図23、図1などに例示をしたように、ステータ7がマグネット5の径外方向に配設されている。ステータ7をマグネット5の径外方向に配設するようにすれば、表面積の大きいマグネット5の外周面側をステータ7と対向させることができる。そのため、磁束量を大きくすることができるので、発電量を大きくすることができる。また、引力が大きくなり前述した力112が大きくなるので、スラスト力110の低減効果を向上させることができる。また、同じ発電能力を得るのに必要となるマグネット5の大きさや重さを小さくすることができる。そのため、マグネット5の軽量化の観点からもスラスト力の低減を図ることができる。
以上、スラスト低減部として、「蓋部の厚み方向を貫通する孔部」、「保持板部12cと大径部2aの下流側端部2gの内壁面との間に設けられた圧力室22」、「マグネット5の端面とヨーク16(ステータ7)の端面との位置関係」を例示した。
これらのスラスト低減部は、適宜選択して用いることもできるし、組み合わせて用いることもできる。
この場合、「保持板部12cと大径部2aの下流側端部2gの内壁面との間に設けられた圧力室22」と、「マグネット5の端面とヨーク16(ステータ7)の端面との位置関係」とは、蓋部が設けられていない水栓用水力発電機にも適用させることができる。
また、蓋部が設けられている水栓用水力発電機においては、3種類のスラスト低減部を適宜選択して用いることもできるし、組み合わせて用いることもできる。ただし、蓋部が設けられている水栓用水力発電機においては、少なくとも「蓋部の厚み方向を貫通する孔部」を設けるようにすることが好ましい。
次に、封止部6、ノズル部3についてさらに例示をする。
噴射孔19を精度よく形成することができれば、水栓用水力発電機1の性能を向上させることができる。この場合、噴射孔19を有するノズル部を一体的に成型するようにすれば、噴射孔19を精度よく形成することができる。
しかしながら、ノズル部3のようなものの場合には、噴射孔19がノズル部3の側面に設けられているため、型抜きや成型が困難となる。この場合、ノズル部3を二分割し、分割された要素を組み付けることで噴射孔19を有するノズル部を形成するようにすることができる。
ところが、単に分割された要素を組み付けるようにすれば、組み付け後や組み付け時に噴射孔19の開口面積が変化してしまうおそれがある。例えば、組み付け後においては、水圧などによって分割された要素がぐらついて噴射孔19の開口面積が変化してしまうおそれがある。この場合、分割された要素の周縁の複数の位置を接着剤などで固定すればよいが、その様にすると、はみ出した接着剤によって噴射孔19の開口面積が変化してしまうおそれがある。そして、噴射孔19の開口面積が変化すると適切な噴出が行えず、発電効率などが低下するおそれがある。
そのため、本実施の形態においては、ノズル部3を第2のノズル筐体部9と第1のノズル筐体部10とに分割するとともに、封止部6により第2のノズル筐体部9と第1のノズル筐体部10の軸方向の位置を規制するようにしている。
図24は、第1のノズル筐体部と第2のノズル筐体部とを固定(当接)する様子を例示するための模式図である。なお、図24(a)は第1のノズル筐体部と第2のノズル筐体部とを固定(当接)する様子を例示するための模式断面図、図24(b)は第1のノズル筐体部、第2のノズル筐体部、封止部の模式分解図、図24(c)は第2のノズル筐体部が第1のノズル筐体部に嵌め込まれた様子を例示するための模式拡大図である。
図24(b)に示すように、第1のノズル筐体部10の周面には段付き孔10bに貫通する複数のノズル溝10aが設けられている。また、段付き孔10bには第2のノズル筐体部9が嵌め込まれるようになっている。そして、第2のノズル筐体部9が第1のノズル筐体部10の段付き孔10bに嵌め込まれた際には、第2のノズル筐体部9とノズル溝10aとで噴射孔19が形成されるようになっている。
また、図24(a)に示すように、封止部6の側面には雄ネジ部6aが設けられている。そして、大径部2aの上流端の開口近傍に設けられた雌ネジ部2dと雄ネジ部6aとを螺合させることで、大径部2aの上流端の開口に封止部6を固定することができるようになっている。
また、第2のノズル筐体部9の周縁部分には上流側に向けて突出する複数の当接部9bが設けられている。この当接部9bの上流側端面は封止部6と当接するようになっている。そして、封止部6を大径部2aの上流端の開口に固定した際には、封止部6により当接部9bの軸方向の位置が規制されて、第2のノズル筐体部9と第1のノズル筐体部10とが大径部2aの内部に固定されるようになっている。
また、図24(c)に示すように、第1のノズル筐体部10が大径部2aの内部に固定された際には、第1のノズル筐体部10の周面と大径部2aの内壁面とが当接するようになっている。また、第2のノズル筐体部9が第1のノズル筐体部10の段付き孔10bに嵌め込まれた際には、第2のノズル筐体部9の端部と段付き孔10bの段付き部分とが当接するようになっている。この場合、第2のノズル筐体部9の端部周縁に設けられた誘い込み部9cと段付き孔10bの段付き部分の角部10cとが当接するようになっていることが好ましい。
すなわち、ノズル部3は、封止部6の側の端面に開口する段付き孔10bを中央部分に備えるとともに封止部6の側の端面に開口する複数のノズル溝10aを周縁部分に備えた第1のノズル筐体部10と、封止部6に向けて突出する当接部9bを周縁部分に備え第1のノズル筐体部10の段付き孔10bの開口を塞ぐように嵌め込まれた第2のノズル筐体部9と、を有している。そして、噴射孔19は、第1のノズル筐体部10のノズル溝10aと第2のノズル筐体部9とで形成され、第2のノズル筐体部9は、当接部9bを介して、封止部6により第1のノズル筐体部10に当接されている。なお、当接部9bは第2のノズル筐体部9に設けられていてもよいし、封止部6に設けられていてもよい。
また、第1のノズル筐体部10は、筒部2の内壁面に当接する面を有している。そして、第2のノズル筐体部9は、第1のノズル筐体部10の側の端部周縁に誘い込み部9cを有し、第2のノズル筐体部9が第1のノズル筐体部10の段付き孔10bに嵌め込まれた際には、誘い込み部9cと有底の孔の角部10cとが当接するようになっている。
本実施の形態によれば、ノズル部3を第2のノズル筐体部9と第1のノズル筐体部10とに分割するようにしているので型抜きや成型を容易とすることができる。
また、第2のノズル筐体部9を第1のノズル筐体部10の段付き孔10bに嵌め込むことで、第2のノズル筐体部9とノズル溝10aとで噴射孔19が形成されるようになっている。そのため、噴射孔19を精度よく形成することができる。
また、封止部6により、当接部9bを介して、第2のノズル筐体部9を第1のノズル筐体部10に当接している。そのため、接着剤などを用いていないので噴射孔19の開口面積が変化するおそれがない。
また、第2のノズル筐体部9と第1のノズル筐体部10とを当接させているため、水圧などで第2のノズル筐体部9や第1のノズル筐体部10が変形するおそれがない。そのため、発電中に噴射孔19の開口面積が変化するおそれがなく、安定した発電を行うことができる。
なお、水流により水圧がかかる場合、封止部6が持ち上げられ封止部6と当接している当接部9bが離れてしまうが、その場合は第2のノズル筐体部9が水圧により第1のノズル筐体部10に押し付けられることになるので、噴射孔19の開口面積の変化を抑制することができる。
また、第2のノズル筐体部9を第1のノズル筐体部10の段付き孔10bに嵌め込むようになっているので、第2のノズル筐体部9と第1のノズル筐体部10との径方向の位置ずれを抑制することができる。また、第2のノズル筐体部9と第1のノズル筐体部10との径方向の位置ずれにより、噴射孔19の開口面積がばらついてしまうことを抑制することができる。また、第2のノズル筐体部9の端部周縁に誘い込み部9cを設けているので、第2のノズル筐体部9を第1のノズル筐体部10の段付き孔10bに嵌め込む際の作業性を向上させることができる。また、第1のノズル筐体部10の周面と大径部2aの内壁面とが当接し、第2のノズル筐体部9の端部と段付き孔10bの段付き部分とが当接するようになっている。そのため、これらの部分から水が漏れるのを抑制することができる。
さらに、第2のノズル筐体部9の端部周縁の誘い込み部9cとしてR形状を設けると、回転中心軸に対して平行な方向から流れてくる水を、回転中心軸に対して略垂直な平面内において、動翼羽根部12aの径外方向から動翼羽根部12aに向けて噴出させるように方向を変える際に水流の剥離の発生を抑制し、圧力損失を抑制することができる。
次に、設定部17についてさらに例示をする。
図1や図4などに例示をしたように、複数のステータ7を積層するようにして設ける場合には、ステータ7相互の周方向における位置決め精度と、ステータ7間の寸法精度が重要となる。例えば、ステータ7相互の周方向の位置、すなわち位相を同じにすればコギングが発生する。そのため、ステータ7の周方向の位置を相互にずらして配設する必要がある。また、ステータ7同士を余り近接させると磁気的な相互干渉を生ずるおそれがある。そのため、ステータ7同士を離隔させて配設する必要がある。
この場合、一方のステータ7の端面に位置決めピンを設け、他方のステータ7の端面に位置決め孔を設けて、ステータ7相互の周方向の位置とステータ7相互の軸方向の位置(ステータ7間の寸法)とを設定できるようにすることができる。
しかしながら、この様にしてステータ7相互の周方向の位置決めやステータ7相互の軸方向の位置決めを行えば、その後の調整が行えないことになる。
そのため、本実施の形態においては、ステータ7間に設定部17を設けるようにしている。
図25は、設定部を例示するための模式図である。なお、図25(a)は設定部を例示するための模式平面図、図25(b)は、設定部による位置決めを例示するための模式断面図である。
図25(a)に示すように、設定部17は円環状を呈し、その中心には孔17bが設けられている。また、中心から所定の寸法の円周上には凸部14cを嵌め合わせる凹部17aが設けられている。凹部17aは、1つのステータ7に対して4つ設けられており、コギングが発生しないように相互にずらして配設されている。例えば、上流側のステータ7用を凹部17a1、下流側のステータ7用を凹部17a2とすることができる。また、設定部17の厚み寸法はステータ7同士の磁気的な相互干渉を抑制できる程度とされている。
図25(b)に示すように、ステータ7同士が対向する側に設けられる鍔部14bには、凸部14cが設けられている。凸部14cは円柱状を呈しており、凸部14cを設定部17に設けられた凹部17aに嵌め合わせることでステータ7相互の周方向の位置決めができるようになっている。また、設定部17を介することでステータ7相互の軸方向の位置決めができるようになっている。
なお、設定部17に凹部17aを、鍔部14bに凸部14cを設けるようにしたが、設定部17に凸部を、鍔部14bに凹部を設けるようにしてもよい。また、鍔部14bに凸部14cを設けるようにしたが、ヨーク16などに設けられるようにしてもよい。すなわち、凸部または凹部はステータ7のステータ同士が対向する側の端面に設けられていればよい。また、凹部は貫通孔とすることもできるし、有底の孔とすることもできる。
この様に、ステータ7のステータ同士が対向する側の端面と、設定部17と、のいずれか一方にはステータ7相互の位置決めのための凸部が設けられ、いずれか他方には凸部と嵌合する凹部が設けられている。
本実施の形態によれば、簡便な構成の設定部17を用いて、ステータ7相互の周方向の位置と軸方向の位置とを設定することができる。またさらに、設定部17に設けられた凹部17a(凹部17a1、凹部17a2)の位置を変更することで、ステータ7相互の周方向の位置、すなわち位相を調整することができる。また、設定部17の厚み寸法を変更することで、ステータ7相互の軸方向の位置、すなわちステータ7間の寸法を調整することができる。そのため、後日これらの調整が必要になった場合には、適切な設定部17と交換することで対応が可能となる。すなわち、凸部14cの位置の変更などのような大がかりな対応を行う必要がなくなる。
図26は、凸部、ヨークとの関係を例示するための模式図である。
図26に示すように、凸部14cの長さ寸法L5は、貫通孔である凹部17aの長さ寸法(深さ寸法)、すなわち設定部17の厚み寸法の半分よりも長くなるようにすることが好ましい。
この様にすれば、対向して配設されるステータ7の凸部14cが同じ凹部に挿入された場合に、そのことを作業者に覚知させることができる。すなわち、凸部14cの誤挿入を防止することができる。
また、設定部17の外周端17cの位置は、ヨーク16の内壁面よりも径内方向になるようになっている。すなわち、設定部17の外周端17cは、設定部17の径外方向に設けられたヨーク16の内壁面よりも内側に位置するようになっている。
この様にすれば、設定部17を介してステータ7を軸方向に積層した際に、設定部17の外周端17cとヨーク16の内壁とが干渉することを防止することができる。そのため、ステータ7を積層する際にヨーク16がずれたり、変形したりすることを防止することができる。
次に、他の実施形態に係るマグネットの取り付けについて例示をする。
図27は、マグネットの取り付けについて例示をするための模式図である。なお、図27(a)はマグネットの取り付けについて例示をするための模式分解図、図27(b)はマグネットの取り付けについて例示をするための模式断面図である。また、図27(b)中に描かれた矢印は流水の方向を表している。
図27(a)に示すように、ロータ4aには、蓋部11、動翼部120、軸13、マグネット保持部121が設けられている。また、動翼部120には、動翼羽根部12a、動翼ボス部12b1、保持板部12cが設けられている。
保持板部12cの下流側には、動翼ボス部12b1が設けられている。動翼ボス部12b1の内部には図1において例示をした動翼ボス部12bと同様に軸方向に貫通する孔部12eが設けられている。孔部12eは、動翼流路12hを流れた水を下流側に流すための流路となる。動翼ボス部12b1の中央部分には軸13を挿通させる挿通部12fが設けられている。そして、挿通部12fの下流側の端部には、挿通部12fに軸13を保持させるための保持部12gが設けられている。
また、動翼ボス部12b1には、マグネット保持部121に設けられた係止爪121aを係合させるための係止部12b2が設けられている。
マグネット保持部121には、鍔部121c、係止ボス部121dが設けられている。マグネット保持部121の中心には孔部12eと同じ直径寸法の孔部121bが設けられており、マグネット保持部121が動翼部120に係合された際には、孔部121bは孔部12eとともに流路となる。
また、円環状を呈する鍔部121cからは係止ボス部121dが立設され、その端部には係止爪121aが設けられている。この場合、鍔部121cの外周端は流路とは反対側に設けられることになる。そのため、流路における水の流れを妨げることなくマグネット30を保持することが可能となる。
動翼ボス部12b1、係止ボス部121dの外周面(径外方向の端面)には円筒状のマグネット30が設けられている。マグネット30の外周面(径外方向の端面)は、周方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁されている。マグネット30の中心に設けられた貫通孔の開口には座部30aが設けられている。座部30aは、鍔部121cを埋没できるような大きさとされている。
動翼部120にマグネット30を保持させる場合には、まず、動翼ボス部12b1をマグネット30の中心に設けられた貫通孔に挿通させる。この際、座部30aが設けられていない側の端面側から動翼ボス部12b1を挿通させる。次に、マグネット30の座部30aが設けられている側の端面側からマグネット保持部121の係止ボス部121dを挿通させ、係止爪121aを動翼ボス部12b1の係止部12b2に係合させることで動翼部120にマグネット30を保持させる。
図28も、マグネットの取り付けについて例示をするための模式図である。なお、図28(a)はマグネットの取り付けについて例示をするための模式分解図、図28(b)はマグネットの模式斜視図である。
図28(a)に示すように、動翼部122の保持板部12cの下流側には、動翼ボス部12b3が設けられている。動翼ボス部12b3の上流側端部近傍には、マグネット31に設けられた係合溝31aと係合させるための突起部12b4が設けられている。また、動翼ボス部12b3の下流側端部近傍には、係止爪12b5が設けられている。係止爪12b5は、マグネット31の端面と係合することができるような位置に設けられている。 動翼ボス部12b3の外周面(径外方向の端面)には円筒状のマグネット31が設けられている。マグネット31の外周面(径外方向の端面)は、周方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁されている。また、マグネット31の中心に設けられた貫通孔には、軸方向に貫通する係合溝31aが設けられている。
動翼部122にマグネット31を保持させる場合には、動翼ボス部12b3をマグネット31の中心に設けられた貫通孔に挿通させる。この際、突起部12b4、係止爪12b5とマグネット31の係合溝31aとが係合するようにする。動翼ボス部12b3が完全に挿通されると、係止爪12b5とマグネット31の端面とが係合してマグネット31が動翼部122に保持される。
本実施の形態によれば、係合溝31aに突起部12b4を係合させているのでマグネット31の周方向における位置ずれを防止することができる。そのため、動翼部122の回転をマグネット31に確実に伝達することができる。また、前述したマグネット保持部121を省くこともできる。
図29も、マグネットの取り付けについて例示をするための模式図である。なお、図29(a)はマグネットの取り付けについて例示をするための模式分解図、図29(b)はマグネットの模式斜視図である。
図29(a)に示すように、動翼部123の保持板部12cの下流側には、動翼ボス部12b6が設けられている。動翼ボス部12b6の上流側端部近傍には、マグネット32に設けられた係合溝32aと係合させるための突起部12b4が設けられている。また、動翼ボス部12b6の下流側端部近傍には、係止爪12b5が設けられている。係止爪12b5は、係合溝32aに設けられた係止部32bと係合することができるような位置に設けられている。
動翼ボス部12b6の外周面(径外方向の端面)には円筒状のマグネット32が設けられている。マグネット32の外周面(径外方向の端面)は、周方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁されている。また、マグネット32の中心に設けられた貫通孔には、係合溝32aが設けられている。そして、係合溝32aには係止部32bが設けられている。
動翼部123にマグネット32を保持させる場合には、動翼ボス部12b6をマグネット32の中心に設けられた貫通孔に挿通させる。この際、突起部12b4、係止爪12b5とマグネット32の係合溝32aとが係合するようにする。動翼ボス部12b6が完全に挿通されると、係止爪12b5と係止部32bとが係合してマグネット32が動翼部123に保持される。
本実施の形態によれば、係合溝32aに突起部12b4を係合させているのでマグネット32の周方向における位置ずれを防止することができる。そのため、動翼部123の回転をマグネット32に確実に伝達することができる。また、前述したマグネット保持部121を省くこともできる。また、動翼ボス部12b6の先端がマグネット32の端面から突出することもない。
次に、水栓用水力発電機1の作用について例示をする。
封止部6に接続された図示しない配管などから筒部2内に流れ込んだ流水は、第2のノズル筐体部9により径外方向に拡散される。そして、図1に表したように、回転中心軸に対して平行な方向から流れてくる水は、回転中心軸に対して略垂直な平面内において、動翼羽根部12aの径外方向から動翼羽根部12aに向けて噴出される。
動翼羽根部12aに向けて噴出された水は、動翼羽根部12aの入口側から出口側に向けて動翼羽根部12aに沿って動翼流路12h内を流れ、孔部12d、孔部12e、小径部2cを通過して水栓用水力発電機1の外部に排出される。
一方、動翼羽根部12aに向けて噴出された水の力により動翼部12が回転すると、これに固定されたマグネット5も回転する。マグネット5の径外方向の端面(外周面)は、N極とS極とが周方向(回転方向)に沿って交互に着磁されているため、マグネット5が回転すると、マグネット5の径外方向の端面(外周面)に対向しているインダクタ16a、16b及びこれらに連接する基部16cの極性が変化していく。これにより、コイル15に対する鎖交磁束の向きが変化し、コイル15に起電力が生じて発電が行われる。
前述したように、水栓用水力発電機1の内部を水が通過する際には、スラスト力110が発生する。特に、流量が多くなるほど大きなスラスト力110が発生することになる。しかしながら、水栓用水力発電機1には前述したスラスト低減部が設けられているので、発生するスラスト力110を低減することができる。
また、動翼羽根部12aの上流側の端部に設けられた蓋部により動翼流路12h内を流れる水の量を増やすことができるので、発電効率を向上させることができる。
また、前述したようにノズル部3の噴射孔19を精度よく設けることができるので安定した発電を行うことができる。また、封止部6により第2のノズル筐体部9と第1のノズル筐体部10の軸方向の位置を規制しているため、水圧などで第2のノズル筐体部9や第1のノズル筐体部10が変形するおそれがない。また、発電中に、封止部6が持ち上げられる様な水圧がかかった場合には、封止部6と当接している当接部9bが離れてしまうが、その場合は第2のノズル筐体部9が水圧により第1のノズル筐体部10に押し付けられることになるので、噴射孔19の開口面積の変化を抑制することができる。そのため、発電機の組み立て中や発電中に噴射孔19の開口面積が変化するおそれがなく、安定した発電を行うことができる。
1 水栓用水力発電機、1a 水栓用水力発電機、2 筒部、2a 大径部、2b 中径部、2c 小径部、3 ノズル部、4 ロータ、5 マグネット、6 封止部、7 ステータ、8 ステータ保持部、9 第2のノズル筐体部、9a 筐体ボス部、9b 当接部、9c 誘い込み部、10 第1のノズル筐体部、10a ノズル溝、10b 段付き孔、11 蓋部、12 動翼部、12a 動翼羽根部、12b 動翼ボス部、12b1 動翼ボス部、12b2 係止部、12b3 動翼ボス部、12b4 突起部、12b5 係止爪、12b6 動翼ボス部、12c 保持板部、12d 孔部、12h 動翼流路、13 軸、14 ボビン、14a ボビンボス部、14b 鍔部、14c 凸部、15 コイル、16 ヨーク、16a インダクタ、16b インダクタ、16c 基部、17 設定部、17a 凹部、17a1 凹部、17a2 凹部、17b 孔部、17c 外周端、19 噴射孔、22 圧力室、23 蓋部、23a 孔部、24 蓋部、24a 周縁部、24b 軸保持部、24c リブ、24d 孔部、25 蓋部、25c リブ、25d 孔部、26 蓋部、26d 孔部、27 蓋部、27d 孔部、30 マグネット、31 マグネット、31a 係合溝、32 マグネット、32a 係合溝、32b 係止部、50 水、100 シャワー用水栓装置、100a シャワー用水栓装置、110 スラスト、111 力、112 力、113 力、120 動翼部、121 マグネット保持部、121b 孔部、121c 鍔部、121d 係止ボス部

Claims (4)

  1. 給水流入口と、給水流出口とを有し、内部に給水流路が形成された筒部と、
    動翼羽根部を有し、前記給水流路に設けられた動翼部と、
    前記動翼部と一体に回転可能なマグネットと、
    前記動翼部にかかるスラスト力を支持する受け部と、
    前記マグネットの回転により起電力を生ずるコイルと、前記コイルを囲んで設けられたヨークと、を有し、前記マグネットの径方向に配設されたステータと、
    前記動翼羽根部に向けて水を噴出する複数の噴射孔を有するノズル部と、
    を備え、
    前記スラスト力の作用方向側にある前記マグネットの第1の端面を、前記ヨークと前記マグネットの間で生じる磁力によって作用する力に含まれる前記スラスト力の作用方向と逆向きの成分が強くなるように前記スラスト力の作用方向側にある前記ヨークの第1の端面から突出させたこと、を特徴とする水栓用水力発電機。
  2. 前記マグネットの第1の端面と対向する第2の端面は、前記ヨークの第1の端面と対向する第2の端面から突出しており、
    前記マグネットの第1の端面が前記ヨークの第1の端面から突出する最大寸法は、前記マグネットの第2の端面が前記ヨークの第2の端面から突出する最大寸法よりも長いこと、を特徴とする請求項1記載の水栓用水力発電機。
  3. 前記ステータは、前記スラスト力の作用方向に積層するようにして複数設けられ、
    前記マグネットの第2の端面は、前記スラスト力の作用方向とは反対側に設けられた前記ヨークの第2の端面と、面一もしくは前記スラスト力の作用方向側となるように設けられたこと、を特徴とする請求項1記載の水栓用水力発電機。
  4. 前記ステータは、前記マグネットの径外方向に配設されたこと、を特徴とする請求項1記載の水栓用水力発電機。
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