JP2008054472A - 水栓用発電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヨーク間の磁束損失を抑制した水栓用発電機を提供する。
【解決手段】給水流路に対して略平行な中心軸のまわりに回転可能に給水流路に設けられた動翼と、動翼と一体に回転可能なマグネットと、マグネットに対向して設けられたコイルと、マグネットとコイルとの間でコイルの周方向に互いに離間して並んで配置された複数の極歯を有するとともに、コイルを囲んで設けられたヨークと、を備え、ヨークは、複数のヨーク部材を結合してなり、隣接したヨーク部材どうしを複数の面で当接させた。
【選択図】図1
【解決手段】給水流路に対して略平行な中心軸のまわりに回転可能に給水流路に設けられた動翼と、動翼と一体に回転可能なマグネットと、マグネットに対向して設けられたコイルと、マグネットとコイルとの間でコイルの周方向に互いに離間して並んで配置された複数の極歯を有するとともに、コイルを囲んで設けられたヨークと、を備え、ヨークは、複数のヨーク部材を結合してなり、隣接したヨーク部材どうしを複数の面で当接させた。
【選択図】図1
Description
本発明は、給水の流れを利用して発電する水栓用発電機に関する。
従来より、蛇口の下に手を差し出すことによって、これをセンサが感知し、蛇口から水を自動的に吐水する自動水栓装置が知られている。また、そのような自動水栓装置の流路に小型発電機を配設し、この発電機で得られた電力を蓄電しておき、上述のセンサ等の回路の電力を補う装置も知られている。
例えば特許文献1には、外周面が着磁されたマグネットと、マグネットの外周面に対向するように周方向に等間隔に配置された複数の極歯を有する外ステータコアと、外ステータコアの極歯と同様にマグネットの外周面に対向すると共に外ステータコアの極歯と交互に周方向に等間隔に配置された複数の極歯を有する内ステータコアと、コイルと、を備えた発電機が開示されている。
このような発電機において、コイルを鎖交する磁束の流れを形成するためのヨークとして機能する外ステータコアと内ステータコアとの間に隙間が形成されてしまうと、前記磁束の損失が生じ、発電効率の低下をまねく。特に、近年、自動水栓では節水効果をアピールしており、またそのような自動水栓に用いられる発電機としては小型化が求められることもあって、発電に用いる流水量(水力エネルギー)が小さく、水力エネルギーから発電力へのエネルギー変換におけるわずかなエネルギー損失であっても低減したいという要求が強い。
特開2002−89429号公報
本発明は、ヨーク間の磁束損失を抑制した水栓用発電機を提供する。
本発明の一態様によれば、給水流路に対して略平行な中心軸のまわりに回転可能に前記給水流路に設けられた動翼と、前記動翼と一体に回転可能なマグネットと、前記マグネットに対向して設けられたコイルと、前記マグネットと前記コイルとの間で前記コイルの周方向に互いに離間して並んで配置された複数の極歯を有するとともに、前記コイルを囲んで設けられたヨークと、を備え、前記ヨークは、複数のヨーク部材を結合してなり、隣接したヨーク部材どうしを複数の面で当接させたことを特徴とする水栓用発電機が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、給水流路に対して略平行な中心軸のまわりに回転可能に前記給水流路に設けられた動翼と、前記動翼と一体に回転可能なマグネットと、前記マグネットに対向して設けられたコイルと、前記マグネットと前記コイルとの間で前記コイルの周方向に互いに離間して並んで配置された複数の極歯を有するとともに、前記コイルを囲んで設けられたヨークと、を備え、前記ヨークは、複数のヨーク部材を結合してなり、隣接したヨーク部材どうしを曲面で当接させたことを特徴とする水栓用発電機が提供される。
本発明によれば、ヨーク間の磁束損失を抑制した水栓用発電機が提供される。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、各図面中、同一の構成要素には同一の符号を付している。
図4は、本発明の実施形態に係る発電機付自動水栓装置(以下、単に自動水栓装置とも称する)の取付例を表す模式図である。
図5は、同自動水栓装置の内部構成を表す模式図である。
図5は、同自動水栓装置の内部構成を表す模式図である。
本実施形態に係る自動水栓装置3は、例えば洗面台2などに取り付けられる。自動水栓装置3は、配管4を介して、水道水等の流入口5に接続されている。自動水栓装置3は、円筒状の本体3aと、この本体3aの径外方向に延出して本体3aの上部に設けられた吐水部3bとを有する。吐水部3bの先端には、吐水口6が形成され、さらにこの吐水口6の近傍にセンサ7が内蔵されている。
自動水栓装置3の内部には、流入口5から流入し配管4を流れてきた給水を、吐水口6へと導く給水流路10が形成されている。自動水栓装置3の本体3aの内部には、その給水流路10を開閉する電磁弁8が内蔵され、さらに電磁弁8の下流側には、吐水量を一定に制限する定流量弁55が内蔵されている。また、水道元圧が使用圧よりも高すぎる場合に減圧するための減圧弁または調圧弁(図示省略)が、電磁弁8より上流側に内蔵されている。なお、定流量弁55、減圧弁、調圧弁は、必要に応じて適宜設けられる。
定流量弁55より下流の吐水部3bの内部には、水栓用発電機11が内蔵されている。本体3aの内部には、水栓用発電機11で発電された電力を充電しておく充電器56、センサ7の駆動と電磁弁8の開閉を制御する制御部57が設けられている。水栓用発電機11は、電磁弁8及び定流量弁55よりも下流側に配設されているため、水道元圧(一次圧)が、水栓用発電機11に直接作用しない。したがって、水栓用発電機11は、それほど高い耐圧性を要求されず、信頼性やコストの点で有利である。
次に、水栓用発電機11の具体例について説明する。
[第1の具体例]
図1(a)は、本発明の第1の具体例に係る水栓用発電機におけるヨーク30の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)の反対側から見た斜視図である。
図2(a)は、同ヨーク30の中央切断斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の反対側から見た中央切断斜視図である。
図3(a)は、同ヨーク30における第3ヨーク33の斜視図であり、図3(b)は、図3(a)の反対側から見た斜視図である。
図6は、同水栓用発電機の内部を表す模式断面図である。
図7は、同水栓用発電機における予旋回静翼14、動翼15、軸受17の斜視図である。
図8は、同水栓用発電機におけるマグネットMの斜視図である。
図9は、同水栓用発電機における第1〜第3ヨーク31〜33の結合部の模式断面図である。
図1(a)は、本発明の第1の具体例に係る水栓用発電機におけるヨーク30の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)の反対側から見た斜視図である。
図2(a)は、同ヨーク30の中央切断斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の反対側から見た中央切断斜視図である。
図3(a)は、同ヨーク30における第3ヨーク33の斜視図であり、図3(b)は、図3(a)の反対側から見た斜視図である。
図6は、同水栓用発電機の内部を表す模式断面図である。
図7は、同水栓用発電機における予旋回静翼14、動翼15、軸受17の斜視図である。
図8は、同水栓用発電機におけるマグネットMの斜視図である。
図9は、同水栓用発電機における第1〜第3ヨーク31〜33の結合部の模式断面図である。
本具体例に係る水栓用発電機は、図6に表されるように、主として、筒体13、予旋回静翼14、動翼15、マグネットM、ステータ9を備え、これらは、図5に表されるケース12の中に収容されている。
筒体13は、小径部13aと大径部13bとからなる段付き形状を呈し、その内部が給水流路に連通した状態で、図4、5に図示される吐水部3bに内蔵され、筒体13の中心軸方向は、流水方向に対して略平行になるよう設置される。筒体13は、小径部13aを上流側に、大径部13bを下流側に向けて配置される。
筒体13の内部には、上流側から順に、予旋回静翼14、動翼15、軸受17が設けられている。予旋回静翼14は小径部13aの内部に設けられ、動翼15及び軸受17は大径部13bの内部に設けられている。
予旋回静翼14は、円柱体の一方の端面(上流側に位置する面)に、円錐体を一体に設けた形状を呈する。予旋回静翼14の周面には、径外方向に突出した複数の突起状の静翼羽根部18が設けられている。図7に表すように、静翼羽根部18は、予旋回静翼14の軸中心に対して右方向にねじれつつ、上流側から下流側に向けて傾斜している。周方向に見て隣り合う静翼羽根部18間の空間は、静翼流路71として機能する。予旋回静翼14は、筒体13に対して固定され、回転しない。
予旋回静翼14に対して間隙を隔てて、予旋回静翼14の下流側に動翼15が設けられている。動翼15は、円柱状を呈し、その周面には径外方向に突出した複数の突起状の動翼羽根部19が設けられている。図7に表すように、動翼羽根部19は、静翼羽根部18とは逆に、軸中心に対して左方向にねじれつつ、上流側から下流側に向けて傾斜している。周方向に見て隣り合う動翼羽根部19間の空間は、動翼流路72として機能する。動翼15は、給水流路に対して略平行な中心軸24を介して、筒体13に対して固定された軸受17上に支持されている。動翼15は、中心軸24のまわりに回転可能となっている。
軸受17は、筒体13の内周面に対して固定されたリング部材21と、このリング部材21の中心に設けられた軸支持部22とが、放射状に設けられた連結部材23によって結合されてなる。連結部材23間は、閉塞せず貫通しているため、筒体13内部の給水の流れを妨げない。
軸受17の軸支持部22には、動翼15の軸中心に固定された中心軸24が回転可能に支持されている。中心軸24の先端部は、動翼15から突出して予旋回静翼14に嵌め込まれている。中心軸24の先端部と予旋回静翼14とは、互いに固定されておらず、筒体13に対して固定された予旋回静翼14に対して中心軸24は回転可能になっている。あるいは、中心軸24の両端部をそれぞれ軸支持部22と予旋回静翼14に固定させ、その中心軸24に対して回転可能に動翼15を嵌め込む構成としてもよい。
筒体13の大径部13bの内部に、動翼流路72を囲むように動翼羽根部19に固定された円筒状のマグネットMが収容されている。図7において2点鎖線で表されるマグネットMの内周面は、動翼羽根部19の径外方側の側端面に固定されている。
図8に表すように、マグネットMの軸方向の端面には、周方向に沿ってN極とS極とが交互に着磁されている。
筒体13の大径部13bの外側には、マグネットMの上流側端面に対向させてステータ9が配置されている。なお、ステータ9は、マグネットMの下流側端面に対向させて配置してもよく、あるいは、マグネットMの上流側及び下流側の両端面にそれぞれ対向させて1対のステータ9を配置してもよい。
ステータ9は、ヨーク30(図1)と、このヨーク30で囲まれた空間内に収容されたコイル線50(図2において1点鎖線で表す)とからなる。円筒状に巻回されたコイル線50は、その内周面部、外周面部および軸方向の両端面部が、ヨーク30によって囲まれている。ヨーク30は、いずれも磁性体からなる第1〜第3ヨーク(ヨーク部材)31〜33を結合してなる。
第1ヨーク31は、コイル線50の内側に配置された略円筒状を呈し、その軸方向の一端部には、複数の極歯31aが径外方に向けて一体に設けられている。第1ヨーク31において、コイル線50の内周面部に対向する部分と、極歯31aとは、略直角になっている。極歯31aは、コイル線50の周方向に沿って等間隔で配置されている。
第2ヨーク32は、コイル線50の外周面部を囲むように配置された略円筒状を呈し、その軸方向の一端部には、複数の極歯32aが径内方に向けて一体に設けられている。第2ヨーク32において、コイル線50の外周面部に対向する部分と、極歯32aとは、略直角になっている。極歯32aは、コイル線50の周方向に沿って等間隔で配置されるとともに、第1ヨーク31の極歯31aの間に配置されている。すなわち、第1ヨーク31の極歯31aと、第2ヨーク32の極歯32aとが、コイル線50の周方向に沿って、交互に、且つ互いに離間して並んでいる。
極歯31a、32aは、コイル線50の一方の端面部に対向している。そのコイル線50の一方の端面部は、極歯31a、32a及び筒体13のフランジ部13aを間に挟んで、マグネットMの端面に対向している。
第3ヨーク33は、コイル線50の他方の端面部に対向して設けられたリングプレート状を呈する。第3ヨーク33の内周側には、内周側段部33aが、コイル線50の周方向に沿って略環状に形成されている。第3ヨーク33の外周側には、外周側段部33bが、コイル線50の周方向に沿って略環状に形成されている。内周側段部33a及び外周側段部33bには、それぞれ、凸状の位置決め部34が設けられている。また、第3ヨーク33の一部は切り欠かれて、コイル線取り出し部35が形成されている。
第3ヨーク33は、第1ヨーク31及び第2ヨーク32におけるそれぞれ極歯31a、32aが設けられた端部の反対側の端部に結合される。具体的には、第3ヨーク33の内周側段部33aに、第1ヨーク31の端部(図1、2においては下端部)が係合し、第3ヨーク33の外周側段部33bに、第2ヨーク32の端部(図1、2においては下端部)が係合する。第1〜第3ヨーク31〜33によって囲まれた空間内に、コイル線50が収容され、コイル線50は、第3ヨーク33に形成されたコイル線取り出し部35を介して外部に引き出される。
第3ヨーク33の内周側段部33aに、第1ヨーク31の端部が係合することで、図9に表すように、第1ヨーク31と第3ヨーク33とは、それぞれ、コイル線50の周方向に沿って略環状に形成された複数の面(本具体例では、例えば略垂直な2面)で当接する。第1ヨーク31の端面(図9においては下端面)は、第3ヨーク33の内周側段部33aにおける径内方に張り出したフランジ状の面に当接し、第1ヨーク31の端部における外周側の側面(上記端面に対して略垂直な面)は、第3ヨーク33の内周側段部33aにおける上記フランジ状の面に対して略垂直な側面に当接する。
同様に、第3ヨーク33の外周側段部33bに、第2ヨーク32の端部が係合することで、第2ヨーク32と第3ヨーク33とは複数の面(本具体例では、例えば略垂直な2面)で当接する。第2ヨーク32の端面(図9においては下端面)は、第3ヨーク33の外周側段部33bにおける径外方に張り出したフランジ状の面に当接し、第2ヨーク32の端部における内周側の側面(上記端面に対して略垂直な面)は、第3ヨーク33の外周側段部33bにおける上記フランジ状の面に対して略垂直な側面に当接する。
次に、本実施形態に係る水栓用発電機及び自動水栓装置の作用について説明する。
使用者が、図4、5に表される吐水口6の下に手をかざすと、これをセンサ7が感知して、制御部57が電磁弁8を開にする。これにより、水栓用発電機11の筒体13の内部に流水が供給され、筒体13の内部を流れた水は吐水口6から吐水される。使用者が、吐水口6の下から手を遠ざけると、電磁弁8が閉となり、自動で水が止まる。
筒体13内に流れ込んだ流水は、予旋回静翼14の円錐体表面を流れて径外方向に拡散され、本具体例においては、軸中心に対して右方向に旋回するような旋回流となって、静翼羽根部18間の静翼流路71を流れる。
静翼流路71を流れた旋回流は、動翼流路72に流入し、動翼羽根部19の上側の傾斜面に衝突する。本具体例では、動翼流路72に流入する旋回流は、軸中心に対して右方向に旋回した流れなので、動翼羽根部19に対して右方向の力が作用し、動翼15は右回りに回転する。そして、マグネットMの内周面より内側の動翼流路72を流れた流水は、軸受17の内側を通過して、筒体13内部を抜け、吐水口6へと至る。
動翼15が回転すると、これに固定されたマグネットMも回転する。マグネットMの端面は、前述したようにN極とS極とが周方向(回転方向)に沿って交互に着磁されているため、マグネットMが回転すると、マグネットMの端面に対向している極歯31a、32a及びこれらに一体な第1、第2ヨーク31、32の極性が変化していく。これにより、コイル線50に対する鎖交磁束の向きが変化し、コイル線50に起電力が生じ、発電する。発電した電力は、充電器56へと充電された後、例えば、電磁弁8、センサ7、制御部57の駆動に使用される。
図15は、比較例に係る第1〜第3ヨーク131〜133の結合部の模式断面図である。
第1ヨーク131及び第2ヨーク132のそれぞれの一端部には、本具体例と同様な極歯31a、32aが設けられ、本具体例と同様、前述したマグネットMにより極歯31a、32aが互いに逆極性に磁化されることで、第1ヨーク131と第2ヨーク132も互いに逆極性に磁化される。これにより、第1ヨーク131、第2ヨーク132およびこれらに結合された第3ヨーク133に、磁束の流れaが形成され、これはコイル線50を鎖交し、コイル線50に起電力が生じる。
このとき、比較例では、第1ヨーク131及び第2ヨーク132は、それぞれ、第3ヨーク133に対して1つの面で当接して結合された構造であるため、例えば組み付け時などに、第1ヨーク131及び第2ヨーク132のそれぞれと、第3ヨーク133とが、相対的に図15において横方向にずれて、第1ヨーク131と第3ヨーク133との間や、第2ヨーク132と第3ヨーク133との間に隙間が形成されてしまうと、コイル線50を鎖交する磁束の損失が生じ、発電効率の低下をまねく。
これに対して、本具体例では、図9に表すように、第1ヨーク31及び第2ヨーク32を、それぞれ、第3ヨーク33に対して、複数の面(本具体例では、例えば略垂直な関係にある2面)で当接させているため、第1ヨーク31及び第2ヨーク32のそれぞれと、第3ヨーク33とが、例えば図において横方向に相対的に位置ずれしても、縦方向における面どうしの当接は確保でき、逆に、第1ヨーク31及び第2ヨーク32のそれぞれと、第3ヨーク33とが、例えば縦方向に相対的に位置ずれしても、横方向における面どうしの当接は確保できる。
すなわち、第1ヨーク31及び第2ヨーク32のそれぞれと、第3ヨーク33とを、複数の面で当接させれば、第1ヨーク31及び第2ヨーク32のそれぞれと、第3ヨーク33との相対的な位置ずれが生じても、第1ヨーク31及び第2ヨーク32のそれぞれと、第3ヨーク33とがまったく接触しない状態にはなり難く、よって、第1〜第3ヨーク31〜33間に形成される磁束の損失を抑制でき、発電効率の低下を抑制できる。
第3ヨーク33には、例えば凸状の位置決め部34が設けられており、この位置決め部34を、第1ヨーク31及び第2ヨーク32のそれぞれに形成された凹状の切り欠きに係合させることで、第1ヨーク31及び第2ヨーク32は、それぞれ周方向に位置決めされる。これにより、極歯31a、32a間の所定ピッチを精度良く確保できる。なお、第3ヨーク33に凹状の位置決め部を、第1ヨーク31及び第2ヨーク32のそれぞれに凸状の位置決め部を設けてもよい。
[第2の具体例]
図10は、本発明の第2の具体例に係る水栓用発電機における第1〜第3ヨークの結合部の模式断面図である。
図10は、本発明の第2の具体例に係る水栓用発電機における第1〜第3ヨークの結合部の模式断面図である。
本具体例では、第3ヨーク43の内周側縁部及び外周側縁部を、他の部分よりも突出させて、その突出部43aと、第3ヨーク43の表面部43bとがなす略垂直な2面に、第1ヨーク31及び第2ヨーク32のそれぞれの端部を当接させている。
本具体例においても、第1ヨーク31及び第2ヨーク32を、それぞれ、第3ヨーク43に対して、複数の面で当接させているため、第1ヨーク31及び第2ヨーク32のそれぞれと、第3ヨーク33との間の磁束の損失を抑制して、発電効率の低下を抑制できる。
[第3の具体例]
図11は、本発明の第3の具体例に係る水栓用発電機における第1〜第3ヨークの結合部の模式断面図である。
図11は、本発明の第3の具体例に係る水栓用発電機における第1〜第3ヨークの結合部の模式断面図である。
本具体例では、第3ヨーク53の内周側及び外周側のそれぞれに、リブ状の凸部53aを設けることで、第3ヨーク53に、略垂直な関係にある2面を設け、その2面に、それぞれ、第1ヨーク31と第2ヨーク32とを当接させている。
本具体例においても、第1ヨーク31及び第2ヨーク32を、それぞれ、第3ヨーク53に対して、複数の面で当接させているため、第1ヨーク31及び第2ヨーク32のそれぞれと、第3ヨーク53との間の磁束の損失を抑制して、発電効率の低下を抑制できる。
[第4の具体例]
図12は、本発明の第4の具体例に係る水栓用発電機における第1〜第3ヨークの結合部の模式断面図である。
図12は、本発明の第4の具体例に係る水栓用発電機における第1〜第3ヨークの結合部の模式断面図である。
本具体例では、第3ヨーク63における径方向(図12において横方向)の中央に凸部63aを設けることで、第3ヨーク63に、略垂直な関係にある2面を設けている。また、第1ヨーク64及び第2ヨーク65のそれぞれの端部64a、65aを断面L字状に形成し、その端部64a、65aを、第3ヨーク63の凸部63aの側方に係合させることで、第1ヨーク64及び第2ヨーク65を、それぞれ、第3ヨーク63に対して、複数の面で当接させている。このような構成により、本具体例においても、第1ヨーク64及び第2ヨーク65のそれぞれと、第3ヨーク63との間の磁束の損失を抑制して、発電効率の低下を抑制できる。
[第5の具体例]
図13は、本発明の第5の具体例に係る水栓用発電機における第1〜第3ヨークの結合部の模式断面図である。
図13は、本発明の第5の具体例に係る水栓用発電機における第1〜第3ヨークの結合部の模式断面図である。
本具体例では、第3ヨーク73における径方向(図13において横方向)の中央に断面台形状の凸部73aを設けることで、第3ヨーク73に、鈍角をなして形成された2面を設けている。第1ヨーク74及び第2ヨーク75のそれぞれの端部を、第3ヨーク73の凸部73aの側方に係合させることで、第1ヨーク74及び第2ヨーク75を、それぞれ、第3ヨーク73に対して、複数の面で当接させている。このような構成により、本具体例においても、第1ヨーク74及び第2ヨーク75のそれぞれと、第3ヨーク73との間の磁束の損失を抑制して、発電効率の低下を抑制できる。
[第6の具体例]
図14は、本発明の第6の具体例に係る水栓用発電機における第1〜第3ヨークの結合部の模式断面図である。
図14は、本発明の第6の具体例に係る水栓用発電機における第1〜第3ヨークの結合部の模式断面図である。
本具体例では、第3ヨーク83に、内壁面が曲面状に形成され且つコイル線50の周方向に沿った略環状の凹部83aを形成し、さらに、第1ヨーク84及び第2ヨーク85それぞれの端部に、凹部83aの内壁面に沿った略環状の曲面部を設けている。そして、第1ヨーク84及び第2ヨーク85のそれぞれと、第3ヨーク83とは、曲面どうしを当接させている。
第1ヨーク84及び第2ヨーク85のそれぞれと、第3ヨーク83とを、曲面で当接さることでも、第1ヨーク84及び第2ヨーク85のそれぞれと、第3ヨーク83との相対的な位置ずれが生じても、第1ヨーク84及び第2ヨーク85のそれぞれと、第3ヨーク83とがまったく接触しない状態にはなり難く、よって、それらヨーク間に形成される磁束の損失を抑制でき、発電効率の低下を抑制できる。
前述した各具体例においては、ステータ9を、マグネットMの軸方向に対向配置させた構造のため、ステータ9をマグネットMの径外方向に対向配置させた場合に比べて、径方向寸法を小さくすることができる。さらに、各具体例において、発電機は、流水方向に対して回転軸24を略平行にして動翼15が設けられ、マグネットMは、その動翼15と回転中心を一致させて動翼15の径外方に設けられ、動翼15は、マグネットMの内側を流れる水流の力により回転される、いわゆる軸流式の発電機である。したがって、回転軸を流水方向に対して略垂直にして配置された羽根車を用い、その羽根車の回転軸に連結されて羽根車と共に回転するマグネット及びこのマグネットの外周面に対向するコイルを、流路の外側に出っ張るようにして設ける水車式構造に比べて径方向寸法をさくすることができる。このように、各具体例における構造は、発電機の径方向寸法の小型化に有利なため、例えば図4に表される円筒状の吐水部3bの中に内蔵させても吐水部3bの細くスッキリとしたデザイン性を損ねない。また、動翼15の径外方にステータ9を配置しない分、動翼15の径方向寸法の拡大が図れ、発電効率を向上させることができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、それらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
本発明の水栓金具は、生活空間において好適に使用される。使用目的としては、例えば、キッチン用水栓金具、リビングダイニング用水栓金具、シャワー用水栓金具、トイレ用水栓金具、洗面所用水栓金具などが挙げられる。また、人体検知センサを用いた自動水栓金具に限らず、例えば、手動スイッチのオン/オフによるワンタッチ水栓金具、流量をカウントして止水する定量吐水水栓金具、設定時間を経過すると止水するタイマー水栓金具などにも適用できる。また、発電された電力を、例えば、ライトアップ、アルカリイオン水や銀イオン含有水などの電解機能水の生成、流量表示(計量)、温度表示、音声ガイドなどに用いてもよい。
本実施形態に係る水栓金具において、吐出流量は、例えば、毎分100リットル以下、望ましくは毎分30リットル以下に設定されている。特に、洗面所用水栓においては、毎分5リットル以下に設定されていることが望ましい。また、トイレ用水栓のような吐出流量が比較的多い場合には、給水管から、発電機11に流れる水流を分岐させて、発電機11を流れる流量を毎分30リットル以下に調整することが望ましい。これは、給水管からのすべての水流を発電機11に流すと、動翼15の回転数が大きくなり、騒音や軸摩耗が増大する可能性が懸念され、また、回転数が増大しても適正回転数以下でなければ、渦電流やコイル熱によるエネルギー損失が生じるため、発電量は増大しないからである。また、水栓金具が取り付けられる水道管の給水圧としては、例えば、日本においては0.05(MPa)程度の低水圧である場合もあり得る。
3…自動水栓装置、7…センサ、8…電磁弁、9…ステータ、11…水栓用発電機、14…予旋回静翼、15…動翼、17…軸受、18…静翼羽根部、19…動翼羽根部、24…中心軸、30…ヨーク、31…第1ヨーク、31a…極歯、32…第2ヨーク、32a…極歯、33…第3ヨーク、33a…内周側段部、33b…外周側段部、34…位置決め部、35…コイル線取り出し部、43〜83…第3ヨーク、50…コイル線、55…定流量弁、56…充電器、57…制御部、71…静翼流路、72…動翼流路、M…マグネット
Claims (5)
- 給水流路に対して略平行な中心軸のまわりに回転可能に前記給水流路に設けられた動翼と、
前記動翼と一体に回転可能なマグネットと、
前記マグネットに対向して設けられたコイルと、
前記マグネットと前記コイルとの間で前記コイルの周方向に互いに離間して並んで配置された複数の極歯を有するとともに、前記コイルを囲んで設けられたヨークと、
を備え、
前記ヨークは、複数のヨーク部材を結合してなり、
隣接したヨーク部材どうしを複数の面で当接させたことを特徴とする水栓用発電機。 - 前記隣接したヨーク部材どうしは、前記コイルの周方向に沿って形成された複数の面で当接していることを特徴とする請求項1記載の水栓用発電機。
- 給水流路に対して略平行な中心軸のまわりに回転可能に前記給水流路に設けられた動翼と、
前記動翼と一体に回転可能なマグネットと、
前記マグネットに対向して設けられたコイルと、
前記マグネットと前記コイルとの間で前記コイルの周方向に互いに離間して並んで配置された複数の極歯を有するとともに、前記コイルを囲んで設けられたヨークと、
を備え、
前記ヨークは、複数のヨーク部材を結合してなり、
隣接したヨーク部材どうしを曲面で当接させたことを特徴とする水栓用発電機。 - 前記隣接したヨーク部材どうしは、前記コイルの周方向に沿って形成された曲面で当接していることを特徴とする請求項3記載の水栓用発電機。
- 前記マグネットは前記動翼のまわりを囲む筒状を呈し、前記コイルは、前記極歯を挟んで前記マグネットの軸方向の端面に対向していることを特徴とする請求項1または2に記載の水栓用発電機。
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