JP2011073219A - 包装材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な熱接着性を維持しつつ、優れた非付着性及び酸素吸収性を発揮できる包装材料を提供する。
【解決手段】少なくとも基材層及び熱接着層を有する積層体からなる包装材料であって、前記熱接着層が包装材料の一方の面の最外層として積層されており、前記基材層及び熱接着層の少なくとも一方に酸素吸収剤を含み、前記熱接着層が他の層と隣接していない最外面に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子が付着している包装材料に係る。
【選択図】なし

Description

本発明は、包装材料に関する。より具体的には、食品、飲料品、医薬品、化粧品、化学品等を包装するために用いる包装材料に関する。特に、内容物の非付着性と酸素吸収性に優れた包装材料に関する。
従来より多種多様の包装材料が知られているが、その内容物も多岐にわたる。例えば、ゼリー菓子、プリン、ヨーグルト、液体洗剤、練り歯磨き、カレールー、シロップ、ワセリン、洗顔クリーム、洗顔ムース等のように、食品、飲料品、医薬品、化粧品、化学品等がある。また、内容物の性状も固体、半固体、液体、粘性体、ゲル状物等のように様々なものがある。
これらの内容物を包装するための包装材料においては、密封性が要求されるほかに、内容物、包装形態、用途等に応じて熱接着性、遮光性、耐熱性、耐久性等が要求される。
ところが、これらの特性を満たしている包装材料であっても、次のような問題がある。すなわち、内容物が包装材料に付着するという問題である。内容物が包装材料に付着すれば、内容物をすべて使い切ることが困難になり、それだけ無駄が生じることになる。また、内容物をすべて使い切るためには包装材料に付着した内容物を別途に回収しなければならず、手間がかかる。このため、包装材料では、上記のような密封性等のほか、内容物が包装材料に付着しにくい性質(非付着性)を備えていることが必要である。
これに対し、接着層を介して一体化された基材層とヒートシール層とを備えた蓋材において、ヒートシール層が、付着防止効果を有するグリセリン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸アミド等を含むポリオレフィンからなり、その厚さが10μmよりも厚く、接着層と該ヒートシール層との間にポリオレフィンからなる中間層が設けられていることを特徴とする充填物付着防止蓋材が提案されている(特許文献1)。
特開2002−37310
特許文献1のような蓋材では、使用できるヒートシール層の種類又は厚みが制限される上、グリセリン酸エステル等の添加剤の使用量を厳格に制御しなければならない。添加剤の使用量が多すぎるとヒートシール性能を低下させる一方、添加剤の使用量を少なくすればそれだけ付着防止効果が低下する。この点において実用化を進める上ではさらなる改善の余地がある。
また、別の問題点として、ほとんどの食品、飲料品、医薬品等では酸素の存在下で腐敗あるいは分解もしくは酸化等の化学変化が起こり、その保存期間や商品価値が激減する。さらに、内容物がヨーグルト、チーズ、味噌、漬物、醗酵酒、醗酵飲料等の醗酵性飲食品では、醗酵の進行により包装体内の内圧が高まり、蓋材等の開封時に内容物が飛散するといった不具合が生じる場合もある。これらの問題も、従来技術では未だ解消されるに至っていない。
従って、本発明の主な目的は、良好な熱接着性を維持しつつ、優れた非付着性を持続的に発揮でき、かつ、酸素吸収性に優れた包装材料を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する積層体を包装材料として採用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の包装材料に係る。
1. 少なくとも基材層及び熱接着層を有する積層体からなる包装材料であって、前記熱接着層が包装材料の一方の面の最外層として積層されており、前記基材層及び熱接着層の少なくとも一方に酸素吸収剤を含み、前記熱接着層が他の層と隣接していない最外面に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子が付着している包装材料。
2. 疎水性酸化物微粒子の付着量が0.01〜10g/mである、前記項1に記載の包装材料。
3. 疎水性酸化物微粒子が三次元網目状構造からなる多孔質層を形成している、前記項1又は2に記載の包装材料。
4. 疎水性酸化物微粒子のBET法による比表面積が50〜300m/gである、前記項1〜3のいずれかに記載の包装材料。
5. 疎水性酸化物微粒子が疎水性シリカである、前記項1〜4のいずれかに記載の包装材料。
6. 疎水性シリカがその表面にトリメチルシリル基を有する、前記項5に記載の包装材料。
7.前記酸素吸収剤が、粒子表面の少なくとも一部に樹脂成分及び無機酸化物の少なくとも1種が被覆された金属粒子を含む、前記項1〜6のいずれかに記載の包装材料。
8.熱接着層側の最外面に内容物が接触可能な状態で当該内容物が包装材料に包装されてなる製品のために用いられる、前記項1〜7のいずれかに記載の包装材料。
本発明の包装材料は、良好な熱接着性を維持しながらも、優れた非付着性及び酸素吸収性を発揮することができる。すなわち、熱接着層の種類、厚み等の制限を受けることなく、熱接着性を実用上阻害せずに、高い非付着性を得ることができる。より具体的には、熱接着時において、熱接着される領域上に存在する疎水性酸化物微粒子は当該熱接着層中に埋め込まれるので熱接着を阻害しない一方、熱接着される領域外に存在する疎水性酸化物微粒子はそのまま熱接着層上に保持されているのでその高い非付着性を発揮することができる。
また、前記基材層及び熱接着層の少なくとも一方に酸素吸収剤が含まれているため、酸素吸収剤の粒子が内容物の接触等による脱落を回避しつつ、所望の酸素吸収性能を発揮することができる。特に、熱接着層上に形成されている疎水性酸化物微粒子からなる層は多孔質状に形成されている場合(すなわち、多孔質層を形成している場合)は、高い非付着性とともに、より高い酸素吸収性能を発揮することができる。この場合は、包装体内に残存する酸素又は内容物から発生する酸素が前記多孔質層を透過して熱接着剤層等の中に含まれる酸素吸収剤に、より確実に到達することができる。その結果として、酸素は酸素吸収剤によりいっそう効果的に吸収・除去されるとともに、多孔質層の形成により高い非付着性を発揮することができる。
このような包装材料は、蓋材として使用できるほか、ピロー袋、ガセット袋、自立袋、三方シール袋、四方シール袋等の袋体、成形容器、包装シート、チューブ等の様々な用途に効果的に利用することができる。
本発明の一実施形態に係る包装材料の断面構造の模式図である。 本発明の包装材料を容器の蓋材として用いて作製された包装体の断面構造の模式図である。
1 基材層
2 熱接着層
3 疎水性酸化物微粒子
4 容器
5 内容物
6 酸素吸収剤(主剤粒子)
1.包装材料
本発明の包装材料は、少なくとも基材層及び熱接着層を有する積層体からなる包装材料であって、前記熱接着層が包装材料の一方の面の最外層として積層されており、前記基材層及び熱接着層の少なくとも一方に酸素吸収剤を含み、前記熱接着層が他の層と隣接していない最外面に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子が付着していることを特徴とする。
図1に本発明の一実施形態に係る包装材料の断面構造の模式図を示す。図1の包装材料では、基材層1に熱接着層2が積層された積層体からなる。熱接着層2は包装材料(積層体)の一方の最外層に積層されている。この包装材料では、酸素吸収剤6は、熱接着層2中に含有されている。但し、酸素吸収剤6の一部の粒子は、基材層1と熱接着層2との間にまたがるように存在していても良い。最外層である熱接着層2において、他の層(図1では基材層)と隣接していない側の面(最外面)に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子3が付着している。疎水性酸化物微粒子3は熱接着層2に付着して固定されている。すなわち、疎水性酸化物微粒子と内容物とが接触しても疎水性酸化物微粒子が脱落しない程度に付着している。図1において、疎水性酸化物微粒子3は、一次粒子が含まれていても良いが、その凝集体(二次粒子)が多く含まれていることが望ましい。特に、疎水性酸化物微粒子が三次元網目状構造からなる多孔質層をなしていることがより好ましい。すなわち、熱接着層2の上には疎水性酸化物微粒子により形成された三次元網目状構造からなる多孔質層が積層されていることが好ましい。
図2には、本発明の包装材料を容器の蓋材として用いて作製された包装体の断面構造の模式図を示す。なお、図2では、疎水性酸化物微粒子3及び酸素吸収剤6の表記は省略されている。容器4に内容物5が充填され、その開口部と包装材料の熱接着層2とが接するような状態で密封される。つまり、熱接着層2に付着している疎水性酸化物微粒子が内容物5と接触可能な状態で本発明の包装材料が使用されることになる。このような場合であっても、熱接着層2は疎水性酸化物微粒子によって保護され、優れた非付着性を有するので、たとえ内容物が熱接着層2近傍に接触しても(接近しても)、内容物の熱接着層への付着が疎水性酸化物微粒子(又は疎水性酸化物微粒子からなる多孔質層)によって遮られ、なおかつ、はじかれる。このため、内容物が熱接着層近傍に付着したままの状態とならずに、疎水性酸化物微粒子(又は疎水性酸化物微粒子からなる多孔質層)にはじかれて内容物が容器に戻る。なお、容器4の材質としては、金属、合成樹脂、ガラス、紙、それらの複合材等から適宜選択でき、その材質に応じて熱接着層の種類、成分等を適宜調整することができる。
基材層としては、公知の材料又は積層材料を採用することができる。例えば、紙、合成紙、樹脂フィルム、蒸着層付き樹脂フィルム、アルミニウム箔等の単体又はこれらの複合材料・積層材料を好適に用いることができる。
これらの材料には、公知の包装材料で採用されている各層が任意の位置に積層されていても良い。例えば、印刷層、印刷保護層(いわゆるOP層)、着色層、接着剤層、接着強化層、プライマーコート層、アンカーコート層、防滑剤層、滑剤層、防曇剤層等が挙げられる。また、必要に応じて、後述する酸素吸収剤を含有した樹脂層を積層しても良い。
積層材料を用いる場合の積層方法も限定的でなく、例えばドライラミネート法、押し出しラミネート法、ウエットラミネート法、ヒートラミネート法等の公知の方法を採用することができる。
基材層の厚みは限定されないが、包装材料としての強度、柔軟性、コスト等の観点より通常15〜500μmの範囲内で適宜設定すれば良い。
熱接着層としては、公知の材料を採用することができる。例えば、公知のシーラントフィルムのほか、ラッカータイプ接着剤、イージーピール接着剤、ホットメルト接着剤等の接着剤により形成される層を採用することができる。本発明では、この中でも、ラッカータイプ接着剤又はホットメルト接着剤を採用するのが好ましく、特にホットメルト接着剤により形成される熱接着層(ホットメルト層)を好適に採用することができる。ホットメルト層を形成する場合には、ホットメルト接着剤を溶融状態で塗布した後、冷却固化するまでに疎水性酸化物微粒子を付与すれば熱接着層に疎水性酸化物微粒子をそのまま付着させることができるため、本発明包装材料の連続的な生産が容易となる。
熱接着層の厚みは特に限定されないが、密封性、生産性、コスト等の観点より通常2〜150μm程度とすることが好ましい。特に、本発明の包装材料では、熱接着するに際して、熱接着される領域上に存在する疎水性酸化物微粒子が熱接着層中に埋め込まれ、熱接着層が最表面となることにより熱接着を行うことができる。このため、上記厚みの範囲内において、疎水性酸化物微粒子を熱接着層にできるだけ多く埋め込むことができる厚みに設定することが望ましい。
熱接着層に付着する疎水性酸化物微粒子は、一次粒子平均径が通常3〜100nmであり、好ましくは5〜50nmであり、より好ましくは5〜20nmである。一次粒子平均径を上記範囲とすることにより、疎水性酸化物微粒子が適度な凝集状態となり、その凝集体中にある空隙に空気等の気体を保持することができる結果、優れた非付着性を得ることができる。すなわち、この凝集状態は、熱接着層に付着した後も維持されるので、優れた非付着性を発揮することができる。
なお、本発明において、一次粒子平均径の測定は、走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で実施することができ、走査型電子顕微鏡の分解能が低い場合には透過型電子顕微鏡等の他の電子顕微鏡を併用して実施しても良い。具体的には、粒子形状が球状の場合はその直径、非球状の場合はその最長径と最短径との平均値を直径とみなし、走査型電子顕微鏡等による観察により任意に選んだ20個分の粒子の直径の平均を一次粒子平均径とする。
疎水性酸化物微粒子の比表面積(BET法)は特に制限されないが、通常50〜300m/gとし、特に100〜300m/gとすることが好ましい。
疎水性酸化物微粒子としては、疎水性を有するものであれば特に限定されず、表面処理により疎水化されたものであっても良い。例えば、親水性酸化物微粒子をシランカップリング剤等で表面処理を施し、表面状態を疎水性とした微粒子を用いることもできる。酸化物の種類も、疎水性を有するものであれば限定されない。例えばシリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ、チタニア等の少なくとも1種を用いることができる。これらは公知又は市販のものを採用することができる。例えば、シリカとしては、製品名「AEROSIL R972」、「AEROSIL R972V」、「AEROSIL R972CF」、「AEROSIL R974」、「AEROSIL RX200」、「AEROSIL RY200」(以上、日本アエロジル株式会社製)、「AEROSIL R202」、「AEROSIL R805」、「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」、(以上、エボニック デグサ社製)等が挙げられる。チタニアとしては、製品名「AEROXIDE TiO T805」(エボニック デグサ社製)等が例示できる。アルミナとしては、製品名「AEROXIDE Alu C」(エボニック デグサ社製)等をシランカップリング剤で処理して粒子表面を疎水性とした微粒子が例示できる。
この中でも、疎水性シリカ微粒子を好適に用いることができる。とりわけ、より優れた非付着性が得られるという点において、表面にトリメチルシリル基を有する疎水性シリカ微粒子が好ましい。これに対応する市販品としては、例えば前記「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」(いずれもエボニック デグサ社製)等が挙げられる。
熱接着層に付着させる疎水性酸化物微粒子の付着量(乾燥後重量)は限定的ではないが、通常0.01〜10g/mとするのが好ましく、0.2〜1.5g/mとするのがより好ましく、0.3〜1g/mとするのが最も好ましい。上記範囲内に設定することによって、より優れた非付着性が長期にわたって得ることができる上、疎水性酸化物微粒子の脱落抑制、コスト等の点でもいっそう有利となる。熱接着層に付着した疎水性酸化物微粒子は、三次元網目構造を有する多孔質層を形成していることが好ましく、その厚みは0.1〜5μm程度が好ましく、0.2〜2.5μm程度がさらに好ましい。このようなポーラスな層状態で付着することにより、当該層に空気を多く含むことができ、より優れた非付着性を発揮することができる。
また、疎水性酸化物微粒子は、熱接着層の全面(基材層側と反対側の面の全面)に付着していても良いし、熱接着層が熱接着される領域(いわゆる接着しろ)を除いた領域に付着していても良い。本発明では、熱接着層の全面に付着している場合でも、熱接着される領域上に存在する疎水性酸化物微粒子のほとんど又は全部が当該熱接着層中に埋没するので熱接着が阻害されることはなく、工業的生産上でも熱接着層の全面に付着している方が望ましい。
本発明の包装材料では、酸素吸収剤が基材層及び熱接着層の少なくとも一方に含有されている。
酸素吸収剤そのものは、公知又は市販の無機系酸素吸収剤又は有機系酸素吸収剤を用いることができる。より具体的には、例えば鉄、シリコン、アルミニウム等の少なくとも1種の微粉末を主剤とする無機系酸素吸収剤;例えばアスコルビン酸、不飽和脂肪酸等の少なくとも1種を主剤とする有機系酸素吸収剤が挙げられる。特に、酸素を不可逆的に吸着できる主剤が好ましい。
また、無機系酸素吸収剤の主剤としては、金属粒子の少なくとも表面の一部に樹脂成分又は酸化物で被覆されたものを使用することもできる。例えば、金属粒子としてアルミニウム系粒子を用いる場合、一般にアルミニウムは酸素との反応速度が速いため、アルミニウム系粒子表面の一部又は全部を樹脂成分で被覆することによってその速度を調整することができる。このような樹脂成分で被覆されたアルミニウム系粒子(樹脂被覆Al系粒子)自体も市販品を使用することができるほか、公知の方法で調製することもできる。また例えば、酸化物(無機酸化物)で被覆する場合も公知の方法を採用することができる。より具体的には、いわゆるゾルゲル法による場合のほか、例えば特許3948934号に記載の方法(アルミニウム粒子と有機珪素化合物と加水分解触媒とを含む分散溶液のpHを調整することにより該有機珪素化合物を加水分解させて、アルミニウム粒子の表面にシリカ被膜を析出させ、酸化物被覆アルミニウム粒子を得る方法)等を採用することができる。
酸素吸収剤の含有量は、所望の酸素吸収性能等に応じて適宜設定することができるが、通常は基材層中又は熱接着剤層中において主剤の含有量として0.3〜30重量%とすることが好ましく、特に1〜20重量%とすることがより好ましい。上記範囲内に設定することによって、所望の熱接着性等を維持しつつ、優れた酸素吸収性能を得ることができる。
酸素吸収剤は、基材層及び熱接着層の少なくとも一方に含有されていれば良いが、より効果的に酸素吸収性能を得るという見地より、少なくとも熱接着層に含有されていることが好ましい。酸素吸収剤をこれらの層に含有させる方法としては、酸素吸収剤を均一に分散できる限りは制限されない。例えば、基材層又は熱接着層を形成するための原料に予め酸素吸収剤を混合する方法が挙げられる。混合に際しては、公知の混合機、攪拌機等により実施することができる。この場合、乾式混合又は湿式混合のいずれの方法であっても良い。
以下において、酸素吸収剤の一代表例として、主剤としてアルミニウム系粒子(又は樹脂被覆Al系粒子)を用いた無機系酸素吸収剤について、その好ましい態様とともに説明する。
アルミニウム系粒子としては、所定の酸素吸収性能が発現される限りは特に限定されず、例えば純アルミニウム粒子のほか、各種のアルミニウム合金粒子等を用いることもできる。
アルミニウム系粒子の平均粒子径は1〜100μm程度が好ましい。平均粒子径が1μm未満では取扱い性等の点で不向きである。他方、100μmを超える場合は、比表面積が小さくなり、酸素吸収能の点で避けた方が良い。また、アルミニウム系粒子の形状も限定的でなく、例えば球状、回転楕円体状、不定形状、涙滴状、扁平状等のいずれであっても良い。
アルミニウム系粒子の表面に被覆される樹脂成分(重合体)は、少なくとも1個の重合性二重結合を有するオリゴマー及びモノマーの少なくとも2種を反応させて得られる共重合体であることが好ましい。各オリゴマー又はモノマーの使用量比率は、任意に設定することができる。
上記重合体を構成するオリゴマーもしくはモノマーとしては、少なくとも1個の重合性二重結合を有しているものであれば特に限定されない。
少なくとも1個の重合性二重結合を有するモノマーとしては、例えば不飽和カルボン酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸又は無水マレイン酸)、そのニトリル(例えばアクリロニトリル又はメタクリロニトリル)又はそのエステル(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸シクロヘキシル、1,6−へキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、トリメチロールプロパントリメタクリレート又はテトラメチロールメタントリメタクリレート)等を挙げることができる。また、環式不飽和化合物(例えばシクロヘキセン)又は非環式不飽和化合物(例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、シクロヘキセンビニルモノオキシド、ジビニルベンゼンモノオキシド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル又はジアリルベンゼン)等も例示することができる。
重合性二重結合を少なくとも2個有するモノマーとして、例えばジビニルベンゼン、アリルベンゼン、ジアリルベンゼン又はその混合物を使用すると架橋作用により安定性がより一層向上する(より安定な皮膜で被覆できる)ので、重合性二重結合を少なくとも2個有するモノマーの使用が特に好ましい。
少なくとも1個の重合性二重結合を有するオリゴマーとしては、例えばエポキシ化1,2−ポリブタジエン、アクリル変性ポリエステル、アクリル変性ポリエーテル、アクリル変性ウレタン、アクリル変性エポキシ、アクリル変性スピラン(いずれも重合度2〜20程度)を例示することができる。これらの中でも、エポキシ化1,2−ポリブタジエン及びアクリル変性ポリエステルの少なくとも1種が好ましい。また、重合度は、3〜10程度であることが好ましい。オリゴマーの使用は、重合反応が徐々に進行するので反応効率が非常に高くなり、モノマーを単独で使用する場合よりも好ましい。
アルミニウム系粒子への被覆方法は特に限定されない。例えば、1)樹脂成分を溶媒中に溶解又は分散して得られた溶液又は分散液にアルミニウム系粒子を含浸又は浸漬させた後、乾燥することにより粒子表面に樹脂成分を被覆する方法、2)所定の樹脂成分を構成し得るモノマー又はオリゴマーを含む溶液又は分散液とアルミニウム系粒子とを含む混合液を調製した後、前記モノマー又はオリゴマーを重合させることにより、その重合体(樹脂成分)を粒子表面に被覆させる方法等が挙げられる。
特に、本発明では、前記2)の方法を好適に採用することができる。この方法としては、例えば、有機溶媒中にアルミニウム系粒子を分散させた分散液を調製した後、前記分散液中に少なくとも1個の重合性二重結合を有するオリゴマー及びモノマーの少なくとも2種を溶解させ、重合開始剤の存在下で加熱することによって粒子表面に共重合体を被覆することができる。
前記の有機溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロルベンゼン、トリクロルベンゼン、パークロルエチレン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、n−プロパツール、n−ブタノール等のアルコール類、2−プロパノン、2−ブタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル等を例示することができる。
また、重合開始剤としては、公知の高温又は中温重合開始剤例えばジ−t−ブチルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド等の有機過酸化物又はα、α′−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物を使用することができる。
重合反応温度(加熱温度)は、限定的ではなく、一般には60〜200℃の範囲内で適宜設定することができる。
また、本発明では、必要に応じて、重合効率を高める等の目的で、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で重合反応を行うこともできる。
以上のようにして生成した樹脂被覆Al系粒子は、必要に応じて公知の固液分離方法、精製方法等を用いて回収すれば良い。
本発明では、アルミニウム系粒子を主剤として用いる場合は、アルミニウム化合物の粒子を副剤として用いるのが好ましい。アルミニウム化合物としては、例えばアルミナ(酸化アルミニウム)、アルミニウム水酸化物、アルミン酸塩、アルミノケイ酸塩等の少なくとも1種を挙げることができる。この中でも、特にアルミナを用いることが好ましい。アルミナ粒子を用いることにより、その触媒的な作用により効果的な酸素吸収性能を発現させることができる。
アルミニウム系粒子と前記副剤との比率は特に限定されないが、質量比で3:7〜7:3とするのが好ましい。
また、必要に応じて、アルミニウム系粒子の酸素吸収作用を効果的に促進させるために電解質を添加しても良い。電解質としては、例えば酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の少なくとも1種を必要に応じて適量添加することができる。
なお、アルミニウム系粒子の酸素吸収時に副反応として水素が発生する可能性があるが、この場合は酸化銀、チタン、ゼオライト、活性炭、硫化物等の水素発生阻害剤を酸素吸収剤中に必要に応じて1ppm〜10質量%の範囲内で添加することができる。
さらに、アルミニウム系粒子の酸素吸収反応をより容易にするため、必要に応じて水を酸素吸収剤中に5〜85質量%含有させることができる。
2.包装材料の製造方法
本発明の包装材料は、例えば、少なくとも基材層及び熱接着層を有する積層体からなる包装材料を製造する方法であって、当該熱接着層の表面に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子を付着させる工程(以下「付着工程」ともいう。)を含む包装材料の製造方法によって好適に得ることができる。
積層体の製造自体は公知の方法に従って実施することができる。例えば、単層基材又はドライラミネート法、押し出しラミネート法、ウエットラミネート法、ヒートラミネート法等により作製された積層材料に対して、前記1.で説明した方法により熱接着層を形成すれば良い。
また、酸素吸収剤は、前記1.で説明したものを使用することができる。これらは、前述のとおり、基材層及び/又は熱接着層を形成するための原料に予め含有させれば良い。
疎水性酸化物微粒子の付着工程を実施する方法は特に限定されない。例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、バーコート、ドクターブレードコーティング、刷毛塗り、粉体静電法等の公知の方法を採用することができる。ロールコーティング等を採用する場合は、疎水性酸化物微粒子を溶媒に分散させてなる分散体を用いて熱接着層上に塗膜を形成した後に乾燥する方法により付着工程を実施することができる。この場合の溶媒は限定されず、水のほか、例えばアルコール(エタノール)、シクロヘキサン、トルエン、アセトンIPA、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチルジグリコール、ペンタメチレングリコール、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ヘキシルアルコール等の有機溶剤を適宜選択することができる。この際、微量の分散剤、着色剤、沈降防止剤、粘度調整剤等を併用することもできる。溶媒に対する疎水性酸化物微粒子の分散量は通常10〜100g/L程度とすれば良い。乾燥する場合は、自然乾燥又は強制乾燥(加熱乾燥)のいずれであっても良いが、工業的には強制乾燥するのが良い。乾燥温度は、熱接着層に影響を与えない範囲であれば制限されないが、通常は150℃以下、特に80〜120℃とすることが好ましい。
本発明の製造方法では、前記の付着工程中及び/又は付着工程後に積層体を加熱することもできる。積層体を加熱することにより熱接着層に対する疎水性酸化物微粒子の付着力(固定力)をより高めることができる。この場合の加熱温度Tは、熱接着層の種類等に応じて適宜設定することができ、通常は用いる熱接着層の融点Tm(溶融開始温度)℃に対してTm−50≦T≦Tm+50の範囲とすることが好ましい。また、本発明の包装材料には、公知の包装材料と同様に必要に応じて、エンボス加工、ハーフカット加工、ノッチ加工等を施しても差し支えない。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1〜3及び比較例1
以下のようにサンプルを作製し、評価した。
(1)熱接着剤の調製
(1−1)鉄系酸素吸収剤を含有した熱接着剤
鉄系酸素吸収剤は、市販品(三菱瓦斯化学株式会社製「エージレス」)をそのまま用い、ヒートシールラッカー(主成分:ポリエステル系樹脂160重量部+アクリル系樹脂10重量部+溶剤(トルエン+MEKの混合溶剤)40重量部)中に10重量%添加混合し、実施例1の熱接着剤とした。
(1−2)アルミニウム系酸素吸収剤を含有した熱接着剤
アルミニウム系酸素吸収剤の主剤は、純アルミニウム粉(東洋アルミニウム株式会社製アトマイズ粉、平均粒子径:8μm、BET比表面積0.7m/g)と、そのアルミニウム粉の表面に樹脂を被覆した樹脂コートアルミニウム粉(樹脂コート量3g/100gアルミニウム分))を用いた。アルミニウム粉の表面に樹脂を被覆する方法は、容積3リットルの四ツ目フラスコにエポキシ化1,2−ポリブタジェン:1.5g、トリメチロールプロパントリアクリレート:3.5g、アクリル酸:0.3g、ジビニルベンゼン:1.4g、ミネラルスピリット:1440g、未処理アルミニウム粉:200gを装填し、窒素ガスを導入しながら十分攪拌混合した。系内の温度を80℃に昇温し、α、α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を1.1g添加し、攪拌を続けながら80℃で6時間反応させた。反応終了後混合液を濾過し、140℃で乾燥させ、樹脂被覆アルミニウム粉を得た。
次に、アルミニウム系酸素吸収剤の主剤1g、α−アルミナ粉末(大明化学工業株式会社製TM−DAR、平均粒子径0.1μm、BET比表面積14.5m/g)1g、酸化カルシウム(和光純薬株式会社製 純度99.9%)0.5g及びゼオライト
A−4(和光純薬株式会社製,平均粒径3.5μm)0.5gを攪拌・混合し、続いてバインダー(主成分:ポリエステル系樹脂160重量部+アクリル系樹脂10重量部+溶剤(トルエン+MEKの混合溶剤)40重量部)27gを加えて攪拌混合し、さらに水を1g添加混合し、実施例2及び実施例3の熱接着剤とした。
(2)包装材料の作製
厚み15μmのアルミニウム箔(1N30、軟質箔;ALと略称)の片面にポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後重量3.5g/m;Dと略称)を用いて、裏印刷(印刷と略称)を施した厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETと略称)の印刷面と貼り合わせ、基材層を作製した。この基材層のアルミニウム面にポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後重量3.5g/m;Dと略称)を用いて、別途用意した厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETと略称)を貼り合わせた上、前記(1−1)及び(1−2)で調製した各熱接着剤を乾燥後重量3g/mとなるようにそれぞれ塗布した。
なお、比較例1として、酸素吸収剤を含まない熱接着剤(主成分:ポリエステル系樹脂160重量部+アクリル系樹脂10重量部+溶剤(トルエン+MEKの混合溶剤)40重量部)を用いた以外は、前記と同様に包装材料を作製した。
(3)疎水性酸化物微粒子の付着
疎水性酸化物微粒子(製品名「AEROSIL R812S」エボニック デグサ社製、BET比表面積:220m/g、一次粒子平均径:7nm)5gをエタノール100mLに分散させてコート液を調製した。このコート液を前記(2)で作製された包装材料の熱接着層の面に乾燥後重量で0.5g/mとなるようにバーコート方式で付与した後、100℃で10秒程度をかけて乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、サンプルを得た。なお、比較例1のサンプルには、疎水性酸化物微粒子を付着していない。
(4)疎水性酸化物微粒子からなる多孔質層の観察
各実施例の包装材料において、疎水性酸化物微粒子からなる層の構造をFE−SEMにより観察した。その結果、いずれの包装材料についても、疎水性酸化物微粒子により形成された三次元網目構造を有する多孔質層が観察された。
(5)容器内残存酸素の測定
各サンプルから蓋材の形状(タブ付きの縦62mm×横67mmの矩形)に切り抜いて得られた蓋材を用いて包装体を作製した。具体的には、フランジ付きポリスチレン製容器(フランジ幅4mm、フランジ外径60mm×65mm□、高さ約48mm、内容積約105cmになるように成形したもの)に水を80g充填し、容器のフランジ上に前記蓋材をヒートシールすることによって包装体をそれぞれ作製した。前記ヒートシール条件は、温度220℃及び圧力3kgf/cmにて1秒間で約2mm幅のリング(凹状)シール)とした。常温で72時間静置後、装置「OXYGEN ANALYZER(TORAY製LC−750)」にて、容器内残存酸素濃度を測定した。その結果を表1に示す。
(6)容器内残存空気(気体)量
上記(5)と同様に作製した包装体を水槽中でサンプルの蓋を開封し、容器内から出てきた空気(気体)をメスシリンダーにて捕集し、気体の量を水中で測定した。その結果を表1に示す。
(7)ヨーグルトの非付着性及び飛散性
内容物を市販のヨーグルト(製品名「おいしいカスピ海」ソフトヨーグルト、グリコ乳業株式会社製)とした以外は、上記(5)と同様に包装体を作製し、5℃に設定した冷蔵庫内で72時間静置後、容器を傾け天地逆の状態(容器の蓋側が地の方向)にした後、元の状態(容器の蓋側が天の方向)に戻し、これを3回繰返し、蓋を開封した。非付着性の評価としては、蓋の状態を目視で観察し、ヨーグルトが付着した場合を「不合格」、ヨーグルトが付着していない状態を「合格」とした。また、飛散性の評価としては、蓋の開封時にヨーグルト液滴が容器外に飛出したものを「不合格」、飛出しなかったものを「合格」とした。その結果を表1に示す。
(8)接触角
各包装材料の熱接着層側を試験面とし、接触角測定装置(固液界面解析装置「Drop Master300」協和界面科学株式会社製)を用いて純水の接触角を測定した。その結果を表1に示す。
表1の結果からも明らかなように、従来品(比較例)では非付着性は全く発揮されていないのに対し、本発明(実施例)では高い非付着性を発揮していることがわかる。また、接触角の結果からも、本発明の包装材料が高い非付着性を示すことがわかる。
特に、本発明の包装材料の熱接着層側の最外面(疎水性酸化物微粒子が付着した面)は純水の接触角が150度以上を示し、従来の包装材料には見られない優れた内容物非付着性を有する。さらに、本発明の蓋材は、基材層及び熱接着層の少なくとも一方に酸素吸収剤を含んでいるので、腐敗・変質の防止により長期保存に有効であることに加え、包装体内の圧力を低減することで内容物の飛散・飛出防止に効果があることがわかる。

Claims (8)

  1. 少なくとも基材層及び熱接着層を有する積層体からなる包装材料であって、前記熱接着層が包装材料の一方の面の最外層として積層されており、前記基材層及び熱接着層の少なくとも一方に酸素吸収剤を含み、前記熱接着層が他の層と隣接していない最外面に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子が付着している包装材料。
  2. 疎水性酸化物微粒子の付着量が0.01〜10g/mである、請求項1に記載の包装材料。
  3. 疎水性酸化物微粒子が三次元網目状構造からなる多孔質層を形成している、請求項1又は2に記載の包装材料。
  4. 疎水性酸化物微粒子のBET法による比表面積が50〜300m/gである、請求項1〜3のいずれかに記載の包装材料。
  5. 疎水性酸化物微粒子が疎水性シリカである、請求項1〜4のいずれかに記載の包装材料。
  6. 疎水性シリカがその表面にトリメチルシリル基を有する、請求項5に記載の包装材料。
  7. 前記酸素吸収剤が、粒子表面の少なくとも一部に樹脂成分及び無機酸化物の少なくとも1種が被覆された金属粒子を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の包装材料。
  8. 熱接着層側の最外面に内容物が接触可能な状態で当該内容物が包装材料に包装されてなる製品のために用いられる、請求項1〜7のいずれかに記載の包装材料。
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