JP2011073212A - 新聞印刷用平版印刷版原版及び製版方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】親水性表面を有するアルミニウム支持体上に、印刷機上で湿し水及びインキの少なくともいずれかによる未露光部の除去が可能な画像記録層を有する平版印刷版原版であって、該原版端部のダレ量が10μm以下である新聞印刷用平版印刷版原版。
【選択図】図1
Description
この平版印刷版を作製するため、従来は、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)を用い、PS版にリスフィルムなどのマスクを通した露光を行った後、アルカリ性現像液などによる現像処理を行い、画像部に対応する画像記録層を残存させ、非画像部に対応する不要な画像記録層を溶解除去して、平版印刷版を得ていた。
また、簡易現像の方法としては、画像記録層の不要部分の除去を、従来の高アルカリ性現像液ではなく、pHが中性に近いフィニッシャー又はガム液によって行う「ガム現像」と呼ばれる方法も行われている。
このような平版印刷版原版を画像露光及び現像等の処理をして得られた印刷版を用いて印刷する場合、通常の枚葉印刷機のように印刷版のサイズよりも小さい紙に印刷する場合は印刷版の端部に相当する部分が印刷面とならないから端部の問題はないが、新聞印刷のような輪転機を用いてロール状の紙に連続して印刷する場合には、印刷版の端部となる部分もロール紙に接触し印刷面となってしまう為、端部に付着したインクも紙に印刷されて汚れとなり、印刷物の商品価値を著しくそこねていた。
本発明は、端部に残膜が発生することのない平版印刷版原板を得ることができる改良された新聞用の機上現像型平版印刷版原板を提供することを目的とする。
更に、新聞印刷版の加工工程においては、合紙を挟まず数十枚〜数百枚の平版印刷版原版をギロチンシャーで裁断する工程があり、この場合、束の上側と束の下側に存在する平版印刷版原版の端部(エッジ)の形状が変わり、上記残膜状態が異なってしまう問題がある。
更に、ギロチンシャーで裁断する際に、合紙がないと、裁断する際に束がずれないように束を加圧して動かなくする際に、加圧した部分にキズがつき汚れやすくなるといった問題がある。
また、平版印刷版原版の画像記録層上にオーバーコート層を設け、更に画像記録層とは反対側のアルミニウム支持体面に有機樹脂層を設けることにより、合紙を挟まず数十枚〜数百枚の平版印刷版原版をギロチンシャーで裁断する際に、キズかつきにくく、更に束の上側と下側でより均一なエッジ形状となることが分った。
2.画像記録層が(A)赤外線吸収染料、(B)ラジカル発生剤、及び(C)ラジカル重合性化合物を含有していることを特徴とする前記1に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
3.画像記録層の上にオーバーコート層を有することを特徴とする前記1又は2に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
4.オーバーコート層が無機層状化合物を含有することを特徴とする前記3記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
5.アルミニウム支持体の画像記録層を有する面と反対の面に、有機樹脂層を有することを特徴とする前記1〜4のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
6.アルミニウム支持体の端部のダレ量が、5μm以下であることを特徴とする前記1〜5のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
7.画像記録層が更に、(D)ポリアルキレンオキサイド鎖を側鎖に有するポリマーを含有することを特徴とする前記2〜6のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
8.(D)ポリアルキレンオキサイド鎖を側鎖に有するポリマーが微粒子形状を有することを特徴とする前記7記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
9.前記1〜8のいずれか一項に記載された平版印刷版原版を画像露光した後、印刷機に取付け、湿し水及びインキの少なくともいずれかにより未露光部の画像記録層を除去することを特徴とする新聞印刷用平版印刷版の製版方法。
図1は、裁断装置により裁断された、平版印刷版原版端部の形状例である。画像記録層面の延長線から下方に曲がった部分の垂直方向の距離Xを「ダレ量」という。アルカリ現像液で現像する平版印刷版原版においては、Xの値に関わらず、現像時に残膜は発生しないが、機上現像型の平版印刷版原版では、Xの値によっては現像時に裁断端部に残膜が発生する。この残膜の観点から好ましいXの範囲は、10μm以内である。Xが10μmより大きくなると、機上現像する際に、残膜が発生し、印刷物の端部に太い直線状の汚れ(額縁汚れ)が発生する。
ダレ量が小さい方が機上現像における端部の残膜に好ましい理由は、下記のように推定している。画像記録層未露光部の除去は、インキ及び湿し水の少なくともいずれかの画像記録層への浸透、膨潤、溶解作用などに加えて、印刷機のブランケットと画像記録層との物理的接触によって行われるが、ダレ量が10μmを超えると、ブランケットと端部ダレ部分の画像記録層との当たりが弱くなり、画像記録層が擦り取られず、残膜するのではないかと考えられる。
図1の形状を作製する詳細な方法を説明する。図3は、スリッター装置の裁断部を示す断面図である。スリッター装置には、上下一対の裁断刃10、20が左右に配置されている。これらの裁断刃10、20は円板上の丸刃からなり、上側裁断刃10a及び10bは回転軸11に、下側裁断刃20a及び20bは回転軸21に、それぞれ同軸上に支持されている。そして、上側裁断刃10a及び10bと下側裁断刃20a及び20bとは、相反する方向に回転される。アルミニウムのシート30は、上側裁断刃10a、10bと下側裁断刃20a,20bとの間を通されて所定の幅に裁断される。更に具体的には、図3のスリッター装置の裁断部の上側裁断刃10aと下側裁断刃20aとの隙間及び上側裁断刃10bと下側裁断刃20bとの隙間を、調整することにより図1に示すような形状の端部を形成させることができる。
次に束状態で裁断する方法について説明する。図4に示す束断裁機は、断裁刃202を若干スイングさせながら下降させることによって、積層束12の裁断を行うように構成される。
断裁刃202は、母材204の先端に鋼206を取り付けることによって構成されている。母材204は、機械構造用炭素鋼鋼材S45C/S55C(JISG4051)又は一般構造用圧延鋼材SS400(JISG3101)で作られており、また、鋼206の材質は、高速度工具鋼SKH51(JISG4403)又は合金工具鋼SKD11(JISG4404)で、銀又は銅等の金属を主成分とした蝋付け材で母材に蝋付けされている。更に、鋼206の材質としては、粉末状の金属原料を混合後、粉末冶金法により製造(燒結)された、均一で微細な炭化物組織を有する超硬合金、粉末高速度工具鋼、粉末合金工具鋼等であっても良い。特に超硬合金は、超硬工具協会CIS019C”耐摩耐衝撃工具用超硬合金の材種選択基準”に記載されたV10〜V60や、粉末合金工具鋼では、一般の合金工具鋼SKD11と類似した化学成分でクロム量がより多い組成のものであっても良い。更に、鋼206の硬さは、ショア硬さ(JISZ2246)で73〜95とされ、粉末原料を燒結した鋼では、ピッカース硬さ(JISZ2244)でHV600〜1800とされ、寸法は、高さ20〜80mm、厚さ2〜6mm(主に3mm)とされている。
本発明の平版印刷版原版は支持体上に機上現像可能な画像記録層を有し、更に、束でギロチンシャーを用いて裁断する場合には、画像記録層上にオーバーコート層(保護層)、支持体の画像記録層を有する面との反対面に有機樹脂層を有することが好ましく、場合によって、支持体と画像記録層の間に下塗り層を有してもよい。
本発明に用いられる画像記録層は、機上現像可能な画像記録層である。画像記録層が含有する機上現像可能な代表的な画像形成態様としては、(1)(A)赤外線吸収染料、(B)ラジカル発生剤、及び(C)ラジカル重合性化合物を含有するものであり、更に(D)ポリアルキレンオキサイド鎖を側鎖に有するポリマーを含有することが好ましい。
以下に、画像記録層に含有できる各成分について、順次説明する。
赤外線吸収染料は、吸収した赤外線を熱に変換する機能と赤外線により励起して後述のラジカル発生剤に電子移動及び/又はエネルギー移動する機能を有する。本発明において使用される赤外線吸収染料は、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料である。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。特に好ましい例として下記一般式(a)で示されるシアニン色素が挙げられる。
本発明に用いられる(B)ラジカル発生剤としては、(C)ラジカル重合性化合物の重合を開始、促進する化合物を示す。本発明において使用しうるラジカル発生剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく、公知の熱重合開始剤、結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを使用することができる。
本発明におけるラジカル発生剤としては、例えば、(a)有機ハロゲン化物、(b)カルボニル化合物、(c)アゾ化合物、(d)有機過酸化物、(e)メタロセン化合物、(f)アジド化合物、(g)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(h)有機ホウ酸塩化合物、(i)ジスルホン化合物、(j)オキシムエステル化合物、(k)オニウム塩化合物、が挙げられる。
(g)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落番号[0027]に記載の化合物が好ましい。
本発明に用いることができる(C)ラジカル重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれることが好ましい。このような化合物群は当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの(共)重合体などの化学的形態をもつ。
本発明の画像記録層は機上現像性を持たせるために、ポリマーを含有することが好ましい。特に、ポリアルキレンオキシド基を有するポリマーが好ましい。ポリアルキレンオキシド基を有するポリマー、特に側鎖にポリアルキレンオキシド基を有するポリマーは、画像記録層に、微粒子の形態で含まれていても、粒子形状のような特定の形状を持たず、画像記録層各種材料を相溶又は結合させる媒体として(以下本発明でバインダーという)含まれていてもよい。
いずれにしてもこのようなポリマーにポリアルキレンオキシド基を側鎖に導入することにより、湿し水中に存在するポリアルキレンオキシドを有するポリマーと相互作用することにより、湿し水の浸透性が向上し、機上現像性が良好となる。
本発明では、機上現像性を向上させるため、ポリマー微粒子を用いることができる。本発明におけるポリマー微粒子とは、疎水性熱可塑性ポリマー微粒子、熱反応性ポリマー微粒子、疎水性化合物を内包しているマイクロカプセル、及び架橋ポリマー微粒子(ミクロゲル)から選ばれる少なくともひとつの微粒子が好ましい。
熱反応性ポリマー微粒子とは、熱反応性基を有するポリマー微粒子が挙げられ、これらは、熱反応による架橋、及びその際の官能基変化により疎水化領域を形成する微粒子を意味する。
本発明に用いる熱反応性基を有するポリマー微粒子における熱反応性基としては、化学結合が形成されるならば、どのような反応を行う官能基でもよいが、ラジカル重合反応を行うエチレン性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基など)、カチオン重合性基(例えば、ビニル基、ビニルオキシ基など)、付加反応を行うイソシアナート基又はそのブロック体、エポキシ基、ビニルオキシ基及びこれらの反応相手である活性水素原子を有する官能基(例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基など)、縮合反応を行うカルボキシ基及び反応相手であるヒドロキシ基又はアミノ基、開環付加反応を行う酸無水物及び反応相手であるアミノ基又はヒドロキシ基などを好適なものとして挙げることができる。
本発明で用いられるマイクロカプセルとしては、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、画像記録層の構成成分の全て又は一部をマイクロカプセルに内包させたものである。なお、画像記録層の構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。更に、マイクロカプセルを含有する画像記録層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性の構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。
本発明の画像記録層には、画像記録層の各成分の結合剤として、また膜強度を向上させるため、バインダーポリマーを用いることができる。本発明に用いることができるバインダーポリマーは、従来公知のものを制限なく使用でき、皮膜性を有するポリマーが好ましい。なかでも、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。
バインダーポリマーは、親水性基としてアルキレンオキシド構造を有することが機上現像性向上の観点から特に好ましい。アルキレンオキシド基がエチレンオキシド基であり、エチレンオキシド基の繰り返し単位数が、2〜8であるポリエチレンオキシド基であることが好ましい。
バインダーポリマーのアルキレンオキシド構造が、本発明で用いられる湿し水中の特定共重合体のアルキレンオキシド基と相互作用し、機上現像性が向上すると考えられる。
バインダーポリマーに親水性基を付与するには親水性基を有するモノマーを共重合すればよい。
本発明における画像記録層は、耐刷性を低下させることなく機上現像性を向上させるために、低分子親水性化合物を含有してもよい。
低分子親水性化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類及びそのエーテル又はエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類及びその塩、アルキルスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類及びその塩、アルキルスルファミン酸等の有機スルファミン酸類及びその塩、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸等の有機硫酸類及びその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類及びその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類及びその塩、ベタイン類、等が挙げられる。
これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の画像記録層には、着肉性を向上させるために、画像記録層にホスホニウム化合物、含窒素低分子化合物、アンモニウム基含有ポリマーなどの感脂化剤を用いることができる。特に、オーバーコート層に無機質の層状化合物を含有させる場合、これらの化合物は、無機質の層状化合物の表面被覆剤として機能し、無機質の層状化合物による印刷途中の着肉性低下を防止する。
30%ポリマー溶液3.33g(固形分として1g)を、20mlのメスフラスコに秤量し、N−メチルピロリドンでメスアップする。この溶液をウベローデ還元粘度管(粘度計定数=0.010cSt/s)に入れ、30℃にて流れ落ちる時間を測定し、計算式(「動粘度」=「粘度計定数」×「液体が細管を通る時間(秒)」)を用いて定法により算出した。
(1)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=p−トルエンスルホナート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比10/90)
(2)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80)
(3)2−(エチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=p−トルエンスルホナート/ヘキシルメタクリレート共重合体(モル比30/70)
(4)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(モル比20/80)
(5)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=メチルスルファート/ヘキシルメタクリレート共重合体(モル比40/60)
(6)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80)
(7)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルアクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80)
(8)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=13−エチル−5,8,11−トリオキサ−1−ヘプタデカンスルホナート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80)
(9)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート/2−ヒドロキシ−3−メタクロイルオキシプロピルメタクリレート共重合体(モル比15/80/5)
更にその他の成分として、界面活性剤、着色剤、焼き出し剤、重合禁止剤、高級脂肪酸誘導体、可塑剤、無機微粒子、無機質層状化合物、及び共増感剤若しくは連鎖移動剤などを添加することができる。具体的には、特開2008−284817号公報の段落番号[0114]〜[0159]、特開2006−091479号公報の段落番号[0023]〜[0027]、米国特許出願公開第2008/0311520号明細書[0060]に記載の化合物及び添加量が好ましい。
本発明における画像記録層は、例えば、特開2008−195018号公報の段落番号[0142]〜[0143]に記載のように、必要な上記各成分を公知の溶剤に分散又は溶解して塗布液を調製し、これを支持体上にバーコーター塗布など公知の方法で塗布し、乾燥することで形成される。塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/m2が好ましい。この範囲で、良好な感度と画像記録層の良好な皮膜特性が得られる。
本発明の平版印刷版原版は、画像記録層の上にオーバーコート層(保護層)を設けることが好ましい。オーバーコート層は酸素遮断によって画像形成阻害反応を抑制する機能の他、画像記録層における傷の発生防止、及び高照度レーザー露光時のアブレーション防止の機能を有する。
また、オーバーコート層には、可撓性付与のための可塑剤、塗布性を向上させための界面活性剤、表面の滑り性を制御する無機微粒子など公知の添加物を含むことができる。また、画像記録層の説明に記載した感脂化剤をオーバーコート層に含有させることもできる。
本発明の有機樹脂層には、少なくとも1種以上の有機ポリマーを含有し、この有機樹脂層中に50%以上含まれる。
オーバーコート層や画像記録層に用いられる有機ポリマー被膜との接着抑制効果の観点からは、ガラス転移点(Tg)は20℃以上であることが好ましく、より好ましくは30℃以上である。また、この有機ポリマーとしては、水及びpH8.5以上のアルカリ性の現像液に溶解或いは膨潤しない有機高分子化合物を用いることが、効果の観点から好ましい。
これらの有機高分子化合物は共重合させる構成単位を選択することによりI/O値を調整することができる。またその重合度を調整するか、あるいは、構成単位を選択することによりガラス転移点を20℃以上に調整することができる。
(2)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート:
(4)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステル:
(7)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類:
(8)スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類:
(9)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン類:
(10)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン類:
(11)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど:
(12)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド類;o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなどのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド;o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド。
有機樹脂層中には、有機ポリマーを1種のみ用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。有機樹脂層中のこれら有機ポリマーの含有量は50質量%以上であることを要し、好ましくは50〜100質量%の範囲であり、更に好ましくは60〜100質量%の範囲である。
有機樹脂層の塗布量が多すぎた場合、層が厚くなりすぎて、印刷中、印刷周辺で用いられる薬品によって有機樹脂層が溶解したり、あるいは膨潤したりして厚みが変動し易くなり、その影響で印刷時の印圧が変化し、印刷特性を劣化させる懸念がある。
ここで使用される溶媒又は分散媒としては、特開昭62−251739号公報に記載されているような有機溶剤が単独あるいは混合物として用いられる。有機溶剤としては、以下に詳述する画像記録層を形成するのに使用される有機溶剤として例示されるものが同様に使用でき、固形分として2〜50質量%の範囲で使用される。
本発明の平版印刷版原版は、画像記録層と支持体との間に下塗り層(中間層と呼ばれることもある)を設けることが好ましい。下塗り層は、露光部においては支持体と画像記録層との密着を強化し、未露光部においては画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、耐刷性を損なわず現像性を向上させるのに寄与する。また、赤外線レーザー露光の場合は、下塗り層が断熱層として機能することにより、露光により発生した熱が支持体に拡散して感度が低下するのを防ぐ。
下塗り層用の高分子樹脂は、質量平均モル質量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましい。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体としては、公知の支持体が用いられる。なかでも、公知の方法で粗面化処理され、陽極酸化処理されたアルミニウム板が好ましい。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2であるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版原版を非画像部の良好な耐傷性が得られる。
アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、25℃でのpHが10〜13のものが好ましく用いられる。pHを高くするために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化物を適当量含有してもよい。なかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。また、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、アルカリ土類金属塩又は4族(第IVB族)金属塩を含有してもよい。アルカリ土類金属塩としては、例えば、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム等の硝酸塩;硫酸塩;塩酸塩;リン酸塩;酢酸塩;シュウ酸塩;ホウ酸塩等の水溶性塩が挙げられる。4族(第IVB族)金属塩としては、例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムが挙げられる。これらのアルカリ土類金属塩及び4族(第IVB族)金属塩は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
また本発明の支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。
本発明の新聞印刷用平版印刷版原版の製版は機上現像方法で行うことが好ましい。機上現像方法は、平版印刷版原版を画像露光する工程と、露光後の平版印刷版原版になんらの現像処理を施すことなく、油性インキと湿し水とを供給して、印刷する印刷工程とを有し、該印刷工程の途上において平版印刷版原版の未露光部分が除去されることを特徴とする。画像様の露光は平版印刷版原版を印刷機に装着した後、印刷機上で行ってもよいし、プレートセッターなどで別途行ってもよい。後者の場合は、露光済み平版印刷版原版は現像処理工程を経ないでそのまま印刷機に装着される。その後、該印刷機を用い、油性インキと湿し水とを供給してそのまま印刷することにより、印刷途上の初期の段階で機上現像処理、すなわち、未露光領域の画像記録層が除去され、それに伴って親水性支持体表面が露出され非画像部が形成される。油性インキとしては、通常の新聞平版印刷用の印刷インキが用いられる。湿し水としては、通常の新聞印刷用湿し水が用いられる。
以下、更に詳細に説明する。
赤外線レーザーに関しては、出力は100mW以上であることが好ましく、1画素当たりの露光時間は20マイクロ秒以内であるのが好ましく、また照射エネルギー量は10〜300mJ/cm2であるのが好ましい。レーザーにおいては、露光時間を短縮するためマルチビームレーザーデバイスを用いるのが好ましい。
このようにして、本発明の平版印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。
(1)支持体の作製
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質JIS A 1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、更に60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、この板に15質量%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dm2で2.5g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥して支持体(1)を作製した。
その後、非画像部の親水性を確保するため、支持体(1)に2.5質量%3号ケイ酸ソーダ水溶液を用いて60℃で10秒間、シリケート処理を施し、その後、水洗して支持体(2)を得た。Siの付着量は10mg/m2であった。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
上記のようにして得られた支持体の裏面に下記有機樹脂層塗布液BC−1をワイヤーバーで塗布した。加熱乾燥(100℃、1分)することにより、乾燥後の塗布量0.2g/m2(厚さ0.2μm)の有機樹脂層を形成した支持体を得た。
・有機ポリマー(BCP−1:下記構造) 3.50質量部
・フッ素系界面活性剤 0.05質量部
(メガファックF−780PF(商品名)、大日本インキ化学工業製)
・メチルエチルケトン 100質量部
次に、上記支持体の表面に、下記下塗り層用塗布液(1)を乾燥塗布量が20mg/m2になるよう塗布して、以下の実験に用いる下塗り層を有する支持体を作製した。
・下記構造の下塗り層用化合物(1) 0.18g
・ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 0.10g
・メタノール 55.24g
・水 6.15g
上記下塗り層の上に、下記の画像記録層塗布液(1)をバー塗布した後、70℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.6g/m2の画像記録層を形成した。
・ポリマー微粒子水分散液(1) 20.0g
・赤外線吸収染料(1)[下記構造] 0.2g
・ラジカル発生剤 0.5g
Irgacure250(チバスペシャリティケミカルズ製)
・重合性化合物 SR−399(サートマー社製) 1.50g
・メルカプト−3−トリアゾール 0.2g
・Byk336(Byk Chimie社製) 0.4g
・Klucel M(Hercules社製) 4.8g
・ELVACITE4026(Ineos Acrylica社製) 2.5g
・n−プロパノール 55.0g
・2−ブタノン 17.0g
・Irgacure250:(4−メトキシフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート(75質量%プロピレンカーボナート溶液)
・SR−399:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
・Byk336:変性ジメチルポリシロキサン共重合体(25質量%キシレン/メトキシプロピルアセテート溶液)
・Klucel M:ヒドロキシプロピルセルロース(2質量%水溶液)
・ELVACITE 4026:高分岐ポリメチルメタクリレート(10質量%2−ブタノン溶液)
1000mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入して脱酸素を行いつつ、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均の繰返し単位は50)10g、蒸留水200g及びn−プロパノール200gを加えて内温が70℃となるまで加熱した。次に予め混合されたスチレン(St)10g、アクリロニトリル(AN)80g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8gの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後5時間そのまま反応を続けた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを添加し、内温を80℃まで上昇させた。続いて、0.5gの2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを6時間かけて添加した。合計で20時間反応させた段階でポリマー化は98%以上進行しており、質量比でPEGMA/St/AN=10/10/80のポリマー微粒子水分散液(1)が得られた。このポリマー微粒子の粒径分布は、粒子径150nmに極大値を有していた。
上記画像記録層上に、更に下記組成のオーバーコート層用塗布液(1)をバー塗布した後、120℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.15g/m2のオーバーコート層を形成して平版印刷版原版(1)を得た。
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製CKS50、スルホン酸変性、
けん化度99モル%以上、重合度300)6質量%水溶液 0.55g
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA−405、
けん化度81.5モル%、重合度500)6質量%水溶液 0.03g
・日本エマルジョン(株)製界面活性剤
(エマレックス710)1質量%水溶液 0.86g
・イオン交換水 6.0g
有機樹脂層塗布を行わなかった以外は、平版印刷版原版(1)と同様に平版印刷版原版(2)を作製した。
平版印刷版原版(1)のオーバーコート層用塗布液を下記塗布液(2)に変えた以外は、平版印刷版原版(1)と同様に平版印刷版原版(3)を作製した。
・無機質層状化合物分散液(1) 1.5g
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製CKS50、スルホン酸変性、
けん化度99モル%以上、重合度300)6質量%水溶液 0.55g
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA−405、
けん化度81.5モル%、重合度500)6質量%水溶液 0.03g
・日本エマルジョン(株)製界面活性剤
(エマレックス710)1質量%水溶液 0.86g
・イオン交換水 6.0g
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた分散粒子のアスペクト比は100以上であった。
オーバーコート層を塗布しなかった以外は、平版印刷版原版(1)と同様に平版印刷版原版(4)を作製した。
有機樹脂層及びオーバーコート層を塗布しなかった以外は、平版印刷版原版(1)と同様に平版印刷版原版(5)を作製した。
画像記録層塗布液(1)を下記の画像記録層塗布液(2)に代えた以外は平版印刷版原版(1)同様にして、平版印刷版原版(6)を作製した。
画像記録層塗布液(1)で使用したポリマー微粒子水分散液(1)20.0gの代わりに下記のポリマー微粒子水分散液(2)を72g加えた以外は、画像記録層塗布液(1)と同様にして画像記録層塗布液(2)を作製した。
メカニカルスターラーを備え付けた200mlの三口フラスコに水85g、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)0.3g、アクリロニトリル4.5g、スチレン0.5gを添加し完全に溶解した。次いで、系内を窒素置換した後、窒素フロー(流量:10ml/min)した。次に、70℃に昇温したのち、300rpmの回転速度で攪拌しながら過硫酸カリウム水溶液(過硫酸カリウム0.27g、水10g)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で3時間攪拌し、次いで、80℃に昇温して、2時間攪拌した。質量比でSt/AN=10/90のポリマー微粒子水分散液(2)が得られた。このポリマー微粒子の粒径分布は、粒子径125nmに極大値を有していた。また固形分量は5.5質量%であった。
平版印刷版原版(1)のようにして形成された下塗り層上に、下記組成の画像記録層塗布液(3)をバー塗布した後、100℃60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の画像記録層を形成した。
画像記録層塗布液(3)は下記感光液(1)及びミクロゲル液(1)を塗布直前に混合し攪拌することにより得た。
・バインダーポリマー(1)〔下記構造〕 0.240g
・赤外線吸収染料(2)〔下記構造〕 0.030g
・ラジカル発生剤(1)〔下記構造〕 0.162g
・重合性化合物
トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
(NKエステルA−9300、新中村化学(株)製) 0.192g
・低分子親水性化合物
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート 0.062g
・低分子親水性化合物(1)〔下記構造〕 0.050g
・感脂化剤 ホスホニウム化合物(1)〔下記構造〕 0.055g
・感脂化剤
ベンジル−ジメチル−オクチルアンモニウム・PF6塩 0.018g
・感脂化剤 アンモニウム基含有ポリマー
[下記構造、還元比粘度44cSt/g/ml] 0.035g
・フッ素系界面活性剤(1)〔下記構造〕 0.008g
・2−ブタノン 1.091g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.609g
・ミクロゲル(1) 2.640g
・蒸留水 2.425g
油相成分として、下記構造の多官能イソシアナート(三井化学ポリウレタン製;75%酢酸エチル溶液)4.46g、トリメチロールプロパン(6モル)とキシレンジイソシアナート(18モル)を付加させ、これにメチル片末端ポリオキシエチレン(1モル、なおオキシエチレン単位の繰り返し数は90)を付加させた付加体(三井化学ポリウレタン製;50%酢酸エチル溶液)0.86g、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(サートマー製、SR399E)1.72g、及びパイオニンA−41C(竹本油脂製;メタノール70%溶液)0.05gを酢酸エチル4.46gに溶解した。油相成分及び水相成分としての水17.30gを混合し、ホモジナイザーを用いて10000rpmで15分間乳化した。得られた乳化物を、40℃で4時間攪拌した。このようにして得られたミクロゲル液の固形分濃度を、21.8質量%になるように水を用いて希釈した。平均粒径は0.25μmであった。
以上のようにして作製した平版印刷版原版をギロチンシャー又はスリッターを用いて下記の条件で裁断した。
上記の機上現像型平版印刷版原版を角度60°の上刃のギロチンシャーに画像記録層面を下向きに置き裁断加工してサンプルを作製した。
ギロチンシャーに画像記録層面を上向きに置き裁断加工してサンプルを作製した。上刃と台の間隔を0〜20μmの範囲で、1μm刻みで調整し、表2のダレ量のサンプルを作製した。
(ダレ量 9μm 間隔10μm 条件C)
(ダレ量15μm 間隔20μm 条件D)
図3のスリッターを用いて、上側裁断刃10a、10bと下側裁断刃20a、20bとの刃間隔0〜20μmの範囲で調整して5μm及び15μmのダレ量になるように加工裁断した。
(ダレ量15μm 間隔20μm 条件F)
得られた平版印刷版原版を赤外線半導体レーザー搭載の富士フイルム(株)製Luxel PLATESETTER T−6000IIIにて、外面ドラム回転数1000rpm、レーザー出力70%、解像度2400dpiの条件で露光した。
露光後、オフセット輪転印刷機にて、新聞用インキとして、インクテック(株)製 ソイビーKKST-S(紅)と東洋インキ(株)の東洋ALKY湿し水を用いて、100,000枚/時のスピードで20、000枚印刷した。印刷後版のインキをクリンサーで除去し版端部をSEM観察して残膜の有無を調べた。結果を表2に示す。
水 88.6g
ノニオン系界面活性剤(W−1) 2.4g
ノニオン系界面活性剤(W−2) 2.4g
ノニオン系界面活性剤
(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 1.0g
フェノキシプロパノール 1.0g
オクタノール 0.6g
N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン 1.0g
トリエタノールアミン 0.5g
グルコン酸ナトリウム 1.0g
クエン酸3ナトリウム 0.5g
エチレンジアミンテトラアセテート4ナトリウム塩 0.05g
ポリスチレンスルホン酸 1.0g
{Versa TL77(30質量%溶液)、Alco chemical社製}
*上記組成の現像液に、リン酸を添加し、pHを7.0に調整した。
なお、50枚束を作製する場合、全く合紙を用いなかったものと、1枚毎に合紙を挟んだものとの2種類を作製した。
表中、「端部残膜」欄の記号は、表2の定義と同じである。「クランプ押さえ部分の汚れ」欄の記号は、下記のとおりである。
10a 上側裁断刃
10b 上側裁断刃
11 回転軸
20 裁断刃
20a 下側裁断刃
20b 下側裁断刃
21 回転軸
12 積層束
202 断裁刃
204 母材
206 鋼
206A 刃先面
207 クランプ
208 バックゲージ
210 受け台
Claims (9)
- 親水性表面を有するアルミニウム支持体上に、印刷機上で湿し水及びインキの少なくともいずれかによる未露光部の除去が可能な画像記録層を有する平版印刷版原版であって、該原版端部のダレ量が10μm以下であることを特徴とする新聞印刷用平版印刷版原版。
- 画像記録層が(A)赤外線吸収染料、(B)ラジカル発生剤、及び(C)ラジカル重合性化合物を含有していることを特徴とする請求項1に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
- 画像記録層の上にオーバーコート層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
- オーバーコート層が無機層状化合物を含有することを特徴とする請求項3記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
- アルミニウム支持体の画像記録層を有する面と反対の面に、有機樹脂層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
- アルミニウム支持体の端部のダレ量が、5μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
- 画像記録層がさらに、(D)ポリアルキレンオキサイド鎖を側鎖に有するポリマーを含有することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
- (D)ポリアルキレンオキサイド鎖を側鎖に有するポリマーが微粒子形状を有することを特徴とする請求項7記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載された平版印刷版原版を画像露光した後、印刷機に取付け、湿し水及びインキの少なくともいずれかにより未露光部の画像記録層を除去することを特徴とする新聞印刷用平版印刷版の製版方法。
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