JP2011073055A - 複合部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型で高品位な複合部材を製造可能な複合部材の製造方法、半導体素子の放熱部材に適した複合部材、この複合部材から構成される放熱部材、この放熱部材を具える半導体装置を提供する。
【解決手段】マグネシウム(Mg)又はMg合金と非金属無機材料とが複合された複合部材を製造するにあたり、鋳型10に非金属無機材料の集合体を収納して、溶融したMg又はMg合金(溶融Mg)を流入して上記集合体に溶浸させ、溶浸板を形成する。例えば、上記集合体に対して、溶融Mgをその自重により鉛直方向上側から鉛直方向下側に供給する。溶浸板における溶融Mgの供給側の反対側から一方向に冷却して、溶融Mgを凝固させる。一方向に冷却することで、鉛直方向下側の部分から凝固する際に、鉛直方向上側の未凝固のMgが自重により鉛直方向下側に順次供給されるため、大型な複合部材であっても、その中央部分に集中的に欠陥が生じ難く、高品位である。
【選択図】図5

Description

本発明は、マグネシウム(いわゆる純マグネシウム)又はマグネシウム合金とSiCといった非金属無機材料とが複合された複合部材、この複合部材から構成される放熱部材、この放熱部材を具える半導体装置、及び複合部材の製造方法に関するものである。特に、大型であっても高品位な複合部材を製造することができる複合部材の製造方法に関するものである。
半導体素子の放熱部材(ヒートスプレッダ)の構成材料として、銅といった金属材料のみからなるものの他、Al-SiCといった、金属と非金属無機材料(代表的にはセラミックス)との複合材料が利用されている。近年、放熱部材の軽量化を主目的として、アルミニウム(Al)よりも軽量であるマグネシウム(Mg)やその合金を母材とする複合材料が検討されている(特許文献1参照)。
特開2006-299304号公報
昨今、パーソナルコンピュータや携帯用電子機器などの各種の電子機器の高機能化、高密度実装化に伴い、一つの配線板に搭載される半導体素子やその周辺部品が増加する傾向にある。これに対応して、大型な放熱部材が望まれている。特許文献1には、MgやMg合金とSiCなどとの複合材料として50mm×100mmの大きさの板材が開示されているものの、更なる大型化が望まれる。しかし、従来、更に大きな複合材料の製造方法について十分に検討されていない。そして、本発明者らが調べたところ、後述するように大型な複合材料では、欠陥が集中的に存在する箇所が形成されて、品位の低下を招くことがあるとの知見を得た。
そこで、本発明の目的の一つは、Mg又はMg合金と非金属無機材料との複合部材であって、大型であっても、高品位な複合部材を製造することができる複合部材の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、Mg又はMg合金と非金属無機材料との複合部材であって、大型でありながら高品位な複合部材を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、上記複合部材からなる放熱部材、及びこの放熱部材を具える半導体装置を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を検討すべく、50mm×100mmを超えるような大きさ、具体的には、直径が50mm超の円形領域をとることが可能な大きさを有する板状の複合部材を特許文献1に記載されるような溶浸法(鋳型に充填した非金属無機材料に溶融したMg又はMg合金(以下、溶融Mgと呼ぶ)を溶浸させた後、溶融Mgを凝固させる方法)により、Mg又はMg合金と非金属無機材料とを複合した溶浸板を作製し、雰囲気炉内で徐冷した。そして、得られた板状の複合部材をその厚さ方向に切断し、その断面を観察したところ、当該複合部材の中央部分に欠陥が集中的に存在しており、周縁部分には、欠陥が実質的に見られなかった。より具体的には、上記中央部分の内部に引け巣(内引け巣)による大きな空隙(気孔)が見られた。また、上記複合部材の中央部分の表面にも外引け巣や凹凸が見られた。このように局所的に欠陥が生じた理由は、以下のように推測される。
上記溶浸板を徐冷すると、その周縁から中央部分に向かって収束するように、また表面から内部に向かって溶融Mgの凝固が進む。すると、上記中央部分の内部にホットスポット(周囲を凝固金属で囲まれた未凝固金属の領域)が生じ得る。ここで、MgやMg合金は、凝固すると体積が4%程度減少する。そのため、凝固による体積減少分を未凝固のMg又はMg合金が補填するように凝固が進む。すると、上記中央部分のホットスポットの未固溶金属が凝固する際には、上記補填によりMg又はMg合金が不足した状態であり、上述のような補填も行われない。その結果、板状の複合部材の周縁部分に欠陥が生じ難く、中央部分に大きな空隙が生じ易いと考えられる。また、上記中央部分において表面部分の溶融Mgが既に凝固していても、内部の未凝固部分が凝固するときの体積減少により内部に引っ張られる。そのため、上記中央部分の表面に外引け巣が生じたり、この表面の引けにより、原料に用いた非金属無機材料の外形に沿った凹凸が生じたりすると考えられる。そして、複合部材の内部に上述のような大きな欠陥が集中して存在すると、強度といった機械的特性や熱伝導性といった熱特性が低下する。ここで、板状の複合部材を半導体素子の放熱部材に利用する場合、通常、複合部材の中央部分には、半導体素子などが搭載される。そのため、半導体素子の搭載箇所となる部分に欠陥が集中した複合部材では、放熱部材に適さない。また、複合部材の外部に上述のような外引け巣といった表面欠陥が存在すると、表面性状の劣化や寸法精度の低下を招く。特に、SiCといった非金属無機材料と金属との複合材料では、溶融金属よりも冷え易いSiCを含むため、溶融金属のみを用いて金属のみの鋳造材を形成する場合と比較して、上記内部欠陥や表面欠陥が生じ易い。
本発明者らは、上記欠陥を低減するには、溶浸板を周縁から中央部分に向かって収束的に冷却するのではなく、溶浸板の一方の縁部から対向する他方の縁部に向かうように一方向に冷却することが効果的である、との知見を得た。本発明は、上記知見に基づくものである。
本発明の複合部材の製造方法は、マグネシウム又はマグネシウム合金と非金属無機材料とが複合された複合部材を製造する方法であり、以下の複合工程と、冷却工程とを具える。
複合工程:鋳型に収納された非金属無機材料の集合体に溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金を溶浸させ、溶浸板を形成する工程。
冷却工程:上記溶浸板における上記溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金の供給側の反対側から一方向に上記溶浸板を冷却して、上記溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金を凝固させる工程。
代表的には、上記複合工程では、上記集合体に対して、上記溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金をその自重によって重力方向、即ち鉛直方向上側から鉛直方向下側に向かって供給する。そして、上記冷却工程では、上記溶浸板における鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって一方向に上記溶浸板を冷却して、上記溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金を凝固させることが挙げられる。
上記本発明複合部材の製造方法は、直径が50mm以下の円形領域をとることが可能な小型な複合部材の製造にも勿論利用することができるが、特に、直径が50mm超の円形領域をとることが可能な大きさを有する複合部材を製造する場合に好適に利用することができる。この場合、上記溶浸板を、直径が50mm超の円形領域をとることが可能な大きさを有するものとすればよい。
また、上記本発明複合部材の製造方法によれば、例えば、以下の本発明複合部材が得られる。本発明の複合部材は、マグネシウム又はマグネシウム合金と非金属無機材料とが複合された板材であり、直径が50mm超の円形領域をとることが可能な大きさを有する。そして、当該複合部材を平面視したときの重心を通る直線を切断線として、当該複合部材の厚さ方向の断面をとる。この断面において、上記重心を中心として上記切断線の長手方向に沿って上記切断線の長さの10%までの範囲の領域を中心領域とする。この中心領域から任意の1mm×1mmの小領域をとり、当該小領域の面積に対する欠陥部の面積の割合を面積比とするとき、当該複合部材は、上記面積比が10%以下である。
上記本発明製造方法において溶融Mgの供給方向を上述のように例えば、重力方向とすると、上記溶浸板中の未固溶の溶融Mgは、その自重により、常に鉛直方向上側(代表的には鋳型の開口側)から鉛直方向下側(代表的には鋳型の底面側)に向かう。この状態で、上記溶浸板を、その鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって一方向に冷却すると、当該下側の溶融Mgが凝固する際に、当該上側の未凝固のMgが当該下側に順次供給される。即ち、上記鉛直方向下側の溶融Mgが凝固するときの体積減少分が、上記鉛直方向上側に存在する未凝固の溶融Mgにより順次補填されながら、当該鉛直方向上側に向かって凝固が進む。そのため、この製造方法では、上述のように溶浸板の周縁から中央部分に向かって収束的に冷却を行った場合のように複合部材の中央部分(上記中心領域を含む部分)に大きな欠陥が集中することがない。このように冷却方向を特定の一方向にして得られた本発明複合部材によれば、大きな欠陥が集中的に存在しておらず、高品位である。また、本発明製造方法により製造された上記本発明複合部材は、直径が50mm超の円形領域をとることが可能な大きさを有する大型の板材でありながら、上記中心領域を含む中央部分に内引け巣に伴う空隙といった欠陥部が小さい。このように局所的に大きな欠陥が存在していない本発明複合部材は、強度といった機械的特性や熱伝導性といった熱特性に優れる上に、半導体素子やその周辺部品の搭載面積を十分に有することができる。従って、本発明複合部材は、上記半導体素子の放熱部材に好適に利用することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
[複合部材]
本発明複合部材の形態として、Mg又はMg合金と、非金属無機材料とが複合された複合材料からなる基板のみの形態と、上記基板と、この基板の少なくとも一面を覆う金属被覆層とを具える形態とが挙げられる。まず、上記基板を説明する。
<金属成分>
上記基板中の金属成分は、99.8質量%以上のMg及び不純物からなるいわゆる純マグネシウム、又は添加元素と残部がMg及び不純物からなるマグネシウム合金とする。上記金属成分が純マグネシウムである場合、合金である場合と比較して、(1)複合部材の熱伝導性を高められる、(2)凝固時に晶出物が不均一に析出するなどの不具合が生じ難いため、均一的な組織を有する複合部材を得易い、といった利点を有する。上記金属成分がマグネシウム合金であると、液相線温度が低下するため、溶融する際の温度を低下できる上に、複合部材の耐食性や機械的特性(強度など)を高められる。添加元素は、Li,Ag,Ni,Ca,Al,Zn,Mn,Si,Cu,及びZrの少なくとも1種が挙げられる。これらの元素は、含有量が多くなると熱伝導率の低下を招くため、合計で20質量%以下(当該金属成分を100質量%とする。以下、添加元素の含有量について同様)が好ましい。特に、Alは3質量%以下、Znは5質量%以下、その他の元素はそれぞれ10質量%以下が好ましい。Liを添加すると、複合部材の軽量化、及び加工性の向上の効果がある。公知のマグネシウム合金、例えば、AZ系,AS系,AM系,ZK系,ZC系,LA系などでもよい。所望の組成となるように金属原料を用意する。
<非金属無機材料>
《組成》
上記基板中の非金属無機材料は、熱膨張係数がMgよりも小さく、熱伝導性に優れ、かつMgと反応し難いものが挙げられる。このような非金属無機材料として、SiCなどのセラミックスが代表的である。その他、Si3N4、Si、MgO、Mg3N2、Mg2Si、MgB2、MgCl2、Al2O3、AlN、CaO、CaCl2、ZrO2、ダイヤモンド、グラファイト、h-BN、c-BN、B4C、Y2O3、NaClの少なくとも1種が挙げられる。特に、SiCは、(1)熱膨張係数が3ppm/K〜4ppm/K程度であり半導体素子やその周辺部品の熱膨張係数に近い、(2)非金属無機材料の中でも熱伝導率が特に高い(単結晶:390W/m・K〜490W/m・K程度)、(3)種々の形状、大きさの粉末や焼結体が市販されている、(4)機械的強度が高い、といった利点を有する。上記複数種の非金属無機材料を含有していてもよい。上記非金属無機材料の一部は、例えば、後述するネットワーク部として存在することを許容する。
《含有量及び存在形態》
上記基板中の非金属無機材料の含有量は、この基板を100体積%とするとき、20体積%以上であると、熱伝導率κが高く、熱膨張係数(線熱膨張係数)αが小さい基板とすることができる。基板中の非金属無機材料の含有量が多いほど、熱伝導率κが高まる上、熱膨張係数αが小さくなり易く、半導体素子(4ppm/K〜8ppm/K程度(例えば、Si:4.2ppm/K、GaAs:6.5ppm/K))やその周辺部品(絶縁基板:約4.5ppm/K、シリコンパッケージ:約3ppm/K、アルミナパッケージ:6.5ppm/K)の熱膨張係数に整合し易い。従って、上記含有量は、50体積%以上、特に、70体積%以上、更に80体積%以上、とりわけ85体積%以上が好ましい。特に上限を設けないが、溶融Mgの溶浸性、工業的な生産性などを考慮すると、80体積%〜90体積%程度が実用的であると考えられる。
上記基板中の非金属無機材料の含有量は、原料の量に実質的に等しい。また、例えば、原料に非金属無機材料の粉末を利用した場合、基板は、Mg又はMg合金の金属成分に非金属無機材料の粒子が概ね離散的に分散した分散形態となる。或いは、原料に上記非金属無機材料の成形体、特に、粉末成形体を加熱などして粒子同士を結合するネットワーク部を有する多孔質の成形体を利用した場合、基板は、上記ネットワーク部を有すると共に上記非金属無機材料の成形体の隙間(気孔)にMg又はMg合金が含浸された結合形態となったり、上記成形体のネットワーク部が溶浸時に崩壊するなどして上記分散形態となったりする。焼結条件などを適宜調整することで、基板中の非金属無機材料の存在状態を変化させられる。基板中の非金属無機材料の存在状態、例えば、ネットワーク部の有無や形状などは、例えば、当該基板の断面を光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することで確認することができる。基板が所望の熱特性などを有するように、原料の非金属無機材料の量や形状を適宜選択するとよい。
<大きさ及び形状>
本発明複合部材(基板)の特徴の一つは、比較的大きいことにある。一形態としては、短辺が50mm超、長辺が100mm超の長方形状が挙げられる。複合部材(基板)がこのように大型であることで、例えば、この複合部材を半導体装置の放熱部材の構成材料に利用する場合、多くの半導体素子やその周辺部品を搭載することができる。基板の大きさや形状は、適宜選択することができ、特に問わない。例えば、上記長方形状の他、正方形状でも円形状でもよい。基板が所望の大きさ及び形状となるように鋳型を用意する。また、金属被覆層を除く基板のみの厚さは、10mm以下、特に5mm以下であると、半導体素子の放熱部材の構成材料に好ましいと考えられる。
<内部組織>
本発明複合部材(基板)の特徴の一つは、上述のように大型でありながら、欠陥が上記中心領域に集中的に存在していないこと、具体的には、上記中心領域から選択した上記小領域における欠陥部の面積比が10%以下であることにある。上記欠陥部とは、上記小領域において、Mg又はMg合金と非金属無機材料とを除く成分とし、代表的には、空隙が挙げられる。
本発明複合部材(基板)は、後述するように冷却条件を適宜調整することで、上記面積比が5%以下、特に2%以下を満たすことができる。欠陥は存在しないことが望ましいため、面積比の下限は特に設けない。上記本発明製造方法のような特定の一方向の冷却を行わない場合、上記面積比が10%超の複合部材(基板)が得られる。即ち、この基板は、中心領域に多くの欠陥を有し、かつこの欠陥が非常に大きい。より具体的には、この基板は、目視で確認できる程度の大きさの欠陥を有しており、このような大きな欠陥が中心領域に偏在する。これに対し、本発明複合部材(基板)は、中心領域に欠陥が少なく、かつこの欠陥は、目視で確認が困難な程度の大きさ(欠陥の最大長さが0.1mm(100μm)以下程度)である。本発明複合部材(基板)は、局所的に大きな欠陥が存在せず、欠陥が存在したとしても、非常に微細である。そのため、本発明複合部材(基板)は、大きな欠陥が一部に集中的に存在する場合と比較して、強度といった機械的特性や熱伝導性といった熱特性に優れる。また、本発明複合部材は、上記中心領域だけでなく、上記断面の実質的に全域に亘って欠陥が集中的に存在しない。即ち、本発明複合部材は、その全体に亘って欠陥が偏在しておらず、均一的な組織を有する。なお、複合部材が、上記複合材料からなる基板の表面に金属被覆層を具える形態の場合、上記中心領域の抽出は、金属被覆層を除く基板のみを対象として行う。
<表面状態>
本発明複合部材(基板)は、上述のように内部欠陥が偏在していない上に、外引け巣などの表面欠陥も少ない。従って、本発明複合部材(基板)は、表面の凹凸が少なく、例えば、表面粗さRaが2.5μm以下を満たすことができる。また、基板自体の表面粗さが小さいことで、基板の上に溶融Mgにより金属被覆層を複合化と同時に形成した場合でも、特に、厚さが1mm以下といった薄い金属被覆層を形成した場合でも、金属被覆層の表面も平滑になり、金属被覆層の表面粗さRaが2.5μm以下を満たすことができる。金属被覆層を厚く形成して、研磨などの機械加工を施すことでも金属被覆層の表面を平滑にできる。但し、金属被覆層は、後述するように薄くてよいため、上記研磨などを行うと、歩留まりの低下を招く上に、研磨コストが増加する。
また、本発明複合部材(基板)は、上述のように表面欠陥が少ないことで変形が少なく、寸法精度にも優れる。例えば、本発明複合部材(基板)は、上述した中心領域の断面において、当該複合部材の最大厚さと最小厚さとの差が0.2mm以下、特に、0.05mm(50μm)以下を満たすことができる。基板の表面に金属被覆層を具える場合も上述のように表面欠陥が少ないため、上記差が0.2mm以下、特に、0.05mm(50μm)以下を満たすことができる。
<熱特性>
非金属無機材料の含有量や非金属無機材料の存在形態、金属成分の組成などにもよるが、本発明複合部材(基板)は、熱特性にも優れる。具体的には、例えば、熱伝導率κが180W/m・K以上、特に200W/m・K以上、更に250W/m・K以上、とりわけ300W/m・K以上を満たすような高い熱伝導性を有することができる。また、熱膨張係数が3.5ppm/K(3.5×10-6/K)以上20ppm/K(20×10-6/K)以下、特に、4.0ppm/K(4.0×10-6/K)以上12ppm/K(12×10-6/K)以下を満たすような熱膨張係数が比較的小さい基板とすることができる。SiCといった熱伝導性に優れる非金属無機材料の含有量が多いほど、熱伝導率κが大きく、熱膨張係数αが小さい複合部材(基板)となる傾向にある。
<金属被覆層>
《組成、組織》
放熱部材と半導体素子や半導体素子を冷却するための冷却装置とを半田により接合することがある。上記複合材料からなる基板は、半田との濡れ性が良くなく、Niなどのめっきを施して半田との濡れ性を向上する必要がある。上記めっきは、生産性を考慮すると電気めっきが好ましいが、非金属無機材料は電気絶縁性が高いものが多いため、電気めっきを行うことが難しい。そこで、上記基板の少なくとも一面に金属被覆層を具え、この金属被覆層を上記電気めっきの下地として利用することで、上記基板にNiなどの電気めっきを容易に施すことができる。また、上記基板は、上述のように表面が平滑であるため、金属被覆層が薄い場合でも金属被覆層の表面をも平滑にすることができる。その結果、上記めっきを均一的な厚さに形成することができる。
金属被覆層の構成金属は、電気めっきに必要な導通が取れる程度の導電率を有する金属であればよく、上記複合材料からなる基板の金属成分と異なる組成でも、同一組成でもよい。特に、同一組成とする場合、溶融Mgにより金属被覆層を形成すると共に複合化を行うと、金属被覆層を有する複合部材を生産性よく製造することができる。この場合、得られた複合部材において、上記基板中の金属成分と上記金属被覆層を構成する金属とは、連続する組織(鋳造組織)を有する。
上記基板の金属成分と上記金属被覆層の構成金属とが異なる組成である場合、金属被覆層の構成金属は、例えば、上記基板の金属成分と異なる組成のMg合金や、Mg及びMg合金以外の金属、例えば、純度が99%以上のAl,Cu,Ni、及びAl,Cu,Niを主成分とする合金(Al,Cu,Niを50質量%超含有する合金)からなる群から選択される1種の金属が挙げられる。
《形成箇所》
上記金属被覆層は、上記基板を構成する面のうち、少なくともめっきが必要とされる面に存在していればよい。具体的には、半導体素子が実装される実装面、この実装面と対向し、冷却装置に接触する冷却面の少なくとも一方に金属被覆層を具える。上記基板の端面(上記実装面及び冷却面を連結する面)を含む全面に金属被覆層を具えていてもよい。金属被覆層を具える複合部材は、電気めっきを施せることに加えて、耐食性を高めたり、表面が平滑で外観に優れることから複合部材の商品価値を高めたりすることができる。
《厚さ》
上記各金属被覆層の厚さは、厚過ぎると特に熱膨張係数が大きくなるため、2.5mm以下、特に1mm以下、更に0.5mm以下が好ましく、1μm以上、特に50μm以上500μm(0.5mm)以下であれば、めっきの下地としての機能を十分に果たす上に、複合部材の搬送時や実装時などで金属被覆層を破損し難いと考えられる。上述のように生産性を考慮すると、研磨などを行うことなく薄い金属被覆層を形成することが好ましい。また、上述のように特定の一方向の冷却を行う本発明製造方法を利用することで、薄くても、表面性状に優れる金属被覆層を形成することができる。
特に、上記基板における非金属複合材料の含有量が70体積%超である場合や、50体積%以上であり、かつネットワーク部を有する場合では、基板の厚さが10mm以下程度であれば、基板単体の熱膨張係数を4ppm/K〜6ppm/K程度にすることができる。このような熱膨張係数が小さい基板に対しては、上記各金属被覆層を1mm程度(合計厚さ2mm程度)に厚く形成しても、当該基板と金属被覆層とを含めた複合部材全体の熱膨張係数を8ppm/K以下にすることができる。
<用途>
上記複合部材は、放熱部材に好適に利用することができる。この放熱部材は、半導体素子の放熱部材に好適に利用することができる。特に、この放熱部材は、局所的に欠陥が存在しておらず、大きな内部欠陥が少ない上に、表面欠陥も少なく表面性状にも優れる。従って、上記放熱部材は、高品位であり商品価値が高いと期待される。また、この放熱部材は、上述のように欠陥が少ないことで強度といった機械的強度や熱特性にも優れる上に大型であるため、多くの半導体素子やその周辺部品を搭載することができる。このような放熱部材と、この放熱部材に搭載される半導体素子とを具える半導体装置は、各種の電子機器の部品に好適に利用することができる。
[製造方法]
上記複合部材は、基本的には、鋳型に非金属無機材料の集合体を配置し、この集合体に溶融したMg又はMg合金(以下、溶融Mgと呼ぶ)を溶浸させて溶浸板を形成し、この溶浸板を特定の一方向の冷却により冷却し、Mg又はMg合金を凝固することで得られる。
<鋳型>
長方形板といった板状の複合部材を作製するにあたり、複合工程で利用する鋳型は、代表的には、底面部と、底面部から立設される側壁部とを具え、底面部と対向する側が開口した箱状のものが利用できる。長方形板状の複合部材を作製する場合には、鋳型として直方体状の箱体が好適に利用できる。この箱状の鋳型に非金属無機材料の集合体を収納した後、代表的には、鋳型の底面部側が鉛直方向下側、鋳型の開口側が鉛直方向上側となるように鋳型を配置する。そして、例えば、溶融Mgの自重を利用してこの鋳型の開口側(溶融Mgの供給側)から底面部側(上記供給側と反対側)に向かって、当該溶融Mgを流入して上記集合体に溶浸させる。こうすることで、溶融Mgを加圧などしなくても、例えば、大気圧でも簡単に溶浸板を製造することができる。
或いは、鋳型の底面部側から上方の開口側に向かって溶融Mgを溶浸させることもできる。即ち、鋳型の底面部側を溶融Mgの供給側、鋳型の開口側を上記供給側の反対側とすることができる。例えば、鋳型の底面部に溶融Mgの注湯口を設け、ポンプ、ピストン、毛管現象などを利用して当該注湯口から溶融Mgを押し上げる構成が挙げられる。その他、鋳型と別の容器とを用意し、鋳型の底面部と容器の底面部とをホースなどの連結管で繋ぎ、当該容器に溶融Mgを供給し、当該溶融Mgに加わる圧力を利用して、鋳型の底面部側から溶融Mgを供給するように構成したり、鋳型の開口側から溶融Mgを吸引するように構成することが挙げられる。この鋳型の底面部側から溶融Mgを供給する形態では、鋳型の底面部側から未凝固のMg又はMg合金が供給されることで、体積減少分を補填しながら、複合化が進むと考えられる。また、この形態では、上方側が開口していることで、非金属無機材料中の空気を逃がし易いと期待される。そして、この形態では、鉛直方向上側から鉛直方向下側に向かって一方向に溶浸板を冷却することで、上述した欠陥が少ない複合部材を作製することができる。但し、上記溶融Mgの自重を利用する形態の方が、生産性に優れると考えられる。
<原料>
上記鋳型に配置する非金属無機材料の集合体は、粒子状や繊維状の粉末や成形体を利用することができる。原料に粉末を用いると、流動性に優れるため、鋳型や成形型に充填し易く、複雑な形状の鋳型にも充填できる。粉末の平均粒径(繊維状の場合、平均短径)は、1μm以上3000μm以下、特に、10μm以上200μm以下であると、鋳型などへの充填を行い易く、充填率を高め易い。平均粒径が異なる複数種の粉末を組み合わせて用いると、充填率を更に高め易い。粉末を利用する場合、例えば、タッピングする(振動を与える)ことで鋳型に充填して、集合体を形成する。
一方、成形体は、上記粉末を加圧又は無加圧で固めた粉末成形体や、この粉末成形体を焼結した焼結体、その他市販の焼結体が利用できる。焼結条件を適宜調整することで、ネットワーク部を有する複合部材を製造することができる。成形体を利用すると、(1)粉末を利用した場合よりも非金属無機材料の含有量が70体積%を超えるような複合部材(基板)を得易い、(2)ハンドリング可能な程度の強度を有するため、鋳型に容易に配置することができる、(3)ネットワーク部を有する場合、開気孔にMg又はMg合金が充填されることで、熱伝導性が高く、熱膨張係数が低い複合部材(基板)を得易い、といった効果が得られる。
上記粉末成形体は、例えば、スリップキャスト、加圧成形、及びドクターブレード法などにより形成することができる。スリップキャストでは、上述した原料の粉末と、水及び分散剤とを用いてスラリーを作製し、このスラリーを成形後、乾燥させることで粉末成形体を形成することができる。分散剤には、一般的な界面活性剤が利用できる。加圧成形には、乾式プレス、湿式プレス、一軸加圧成形、CIP(静水圧プレス)、押出成形が挙げられる。乾式プレス成形の場合、上述した原料の粉末を加圧成形することで、湿式プレス成形の場合、原料の粉末と水などの液体とを混合した混合粉末を加圧成形して液体を押し出すことで、粉末成形体を形成することができる。加圧成形時の圧力(成形圧)は、適宜選択するとよい。ドクターブレード法では、上述した原料の粉末と、溶媒、消泡剤、樹脂などを用いてスラリーを作製し、このスラリーをドクターブレードの受け口に流し込み、シート状体を形成後、溶媒を蒸発させることで粉末成形体を形成することができる。
スリップキャストでは、複雑な形状の成形体を容易に成形することができる、微細な粉末を使用した場合であっても充填率(密度)が高い成形体が得られる、大型な成形体であっても容易に成形することができ、設備コストの増大が少ない、といった利点を有する。プレス成形では、粉末の粒度を均一的にし易い、スリップキャストと比較して工程数が少なく生産性に優れる、といった利点を有する。ドクターブレード法は、板状の成形体を形成する場合に好適に利用することができる。
上記粉末成形体を焼結する場合、焼結条件は、非金属無機材料の組成に応じて適宜選択することができる。例えば、SiCの場合、焼結条件は、(1)真空雰囲気、加熱温度:800〜1300℃未満、保持時間:2時間程度、或いは(2)大気雰囲気、加熱温度:800〜1500℃、保持時間:2時間程度、或いは(3)真空雰囲気、加熱温度:1300℃以上2500℃以下、保持時間:2時間程度が挙げられる。焼結を行うことで、上述のように粉末成形体よりも強度が高く扱い易い上に、多孔質体を容易に作製できる。また、焼結温度や保持時間を調節することで、焼結体を緻密化させてSiCなどの非金属無機材料の充填率を向上させることができ、非金属無機材料の含有量が70体積%以上である複合部材を得易い。更に、焼結を行うことで、焼結時の加熱により、粉末成形体の作製に用いたバインダなどを蒸発させて除去することができる。但し、上記(1),(2)の条件では、ネットワーク部を有していない分散形態の複合部材が得られる傾向にある。これに対し、上記(3)の条件で焼結すると、SiC同士を直接結合させることができる。即ち、ネットワーク部をSiCにより形成することができる。SiC同士を直接結合させることで、焼結体の強度がより高くなる上に、この焼結体を用いると、上記ネットワーク部を具えることで、熱膨張係数が小さく、熱伝導率が高い複合部材が得られ易い。
その他、Siなどの元素を含有させた粉末成形体を形成し、窒素雰囲気下で焼結することで、新たな非金属無機材料(例えば、Si3N4)を生成し、この新生物によりネットワーク部を形成したり、組成が異なる複数種の粉末を用いて粉末成形体を形成し、一部の粉末と溶融Mgとの反応により新たな非金属無機材料を生成し、この新生物によりネットワーク部を形成したり、粉末成形体に非金属無機材料の前駆体(例えば、ポリカルボシラン)の溶液を含浸させて加熱することで前駆体に基づく非金属無機材料を生成し、この生成物によりネットワーク部を形成したりしてもよい。これらのネットワーク部を有する成形体を利用した場合も、ネットワーク部を有する複合部材が得られる。
特に、非金属無機材料の含有量が70体積%超の複合部材(基板)を作製する場合、開気孔を有すると共に、閉気孔が少ない、具体的には非金属無機材料の全体積に対して10体積%以下、好ましくは3体積%以下である多孔質体を形成することが好ましい。このような多孔質体は、溶融Mgが含浸するための経路を十分に有することができ、非金属無機材料間の隙間が非常に小さくても毛管現象により溶融Mgが溶浸することができる。従って、上記開気孔に溶融Mgが十分に充填され、気孔が少ない複合部材を得易い。
〈酸化膜の形成〉
非金属無機材料としてSiCを利用する場合、溶融Mgに供するSiC集合体として、その表面に酸化膜を具えるものを利用すると、当該集合体と溶融Mgとの濡れ性が高められて好ましい。酸化膜を具えるSiC集合体とすることで、特に、SiCの含有量が多く、SiC間の隙間が非常に小さい場合であっても、毛管現象により溶融Mgが浸透し易い。ネットワーク部を有する複合部材を得る場合、焼結体などのSiC集合体を作製した後に酸化膜を形成する酸化工程を具えることが好ましく、ネットワーク部を有しない複合部材を得る場合、代表的にはSiCの粉末成形体を溶融Mgに供する場合、SiC粉末といった原料粉末に酸化膜を形成しておき、酸化膜を具える粉末を利用してSiC集合体(粉末成形体)を形成するとよい。
上記酸化膜を形成するため条件は、SiC粉末の場合も焼結体などの場合も同様であり、加熱温度は、700℃以上、特に750℃以上、更に800℃以上が好ましく、とりわけ850℃以上、更に875℃以上1000℃以下が好ましい。また、上記原料のSiCに対する質量割合が0.4%以上1.5%以下(酸化膜の厚さ:50nm〜300nm程度)、特に1.0%以下を満たすように酸化膜を形成することが好ましい。酸化膜を形成した場合、複合部材中のSiCの近傍(SiC集合体の輪郭線から100〜300nm以内の領域)は、当該近傍以外の箇所よりも酸素濃度が高い傾向にある。
<複合化>
上記鋳型に配置した非金属無機材料の集合体に溶融Mgを溶浸させる複合工程は、大気圧(概ね0.1MPa(1atm))以下の雰囲気で行うと、雰囲気中のガスを取り込み難く、ガスの取り込みに伴う気孔が生じ難い。但し、Mgは蒸気圧が高いため、高真空状態とすると溶融Mgを取り扱い難くなる。従って、上記複合工程の雰囲気圧力を大気圧未満とする場合、0.1×10-5MPa以上が好ましい。また、上記複合工程は、Arといった不活性雰囲気で行うと、特にMg成分と雰囲気ガスとの反応を防止でき、反応生成物の存在に伴う熱特性の劣化を抑制できる。溶浸温度は、650℃以上が好ましく、溶浸温度が高いほど濡れ性が高まるため、700℃以上、特に750℃以上が好ましい。但し、1000℃超とすると、引け巣やガスホールといった欠陥が生じたり、Mgが沸騰する恐れがあるため、溶浸温度は1000℃以下が好ましい。特に、過剰な酸化膜の生成や晶出物の生成を抑制するために900℃以下が好ましい。
<冷却>
本発明製造方法の最も特徴とするところは、上記溶浸板を当該溶浸板における溶融Mgの供給側の反対側から一方向に上記溶浸板を冷却する点にある。例えば、溶融Mgの供給側を鉛直方向上側、供給側の反対側を鉛直方向下側とする場合、即ち重力方向に溶融Mgを供給する場合、鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって一方向に溶浸板を冷却する。或いは、溶融Mgの供給側を鉛直方向下側、供給側の反対側を鉛直方向上側とする場合、即ち、重力方向と反対方向に溶融Mgを供給する場合、鉛直方向上側から鉛直方向下側に向かって、即ち重力方向に沿って一方向に冷却する。より具体的には、例えば、長方形板状の複合部材を製造する場合、溶浸板の長手方向の一端側を鉛直方向下側とし、他端側を鉛直方向上側として、長手方向の一端側から他端側に向かって(或いは他端側から一端側に向かって)冷却する。このように溶浸板を一方向に冷却するには、例えば、上記溶浸板における溶融Mgの供給側の反対側(以下、冷却開始側と呼ぶ)を強制冷却することが挙げられる。強制冷却は、液体冷媒を利用した液冷や、強制送風を行う空冷などが挙げられる。液体冷媒などの冷媒を用いる場合、冷却開始側に配置された鋳型の底面部(或いは、鋳型の開口部)に当該冷媒を直接接触させてもよいし、冷却開始側に配置された鋳型の底面部(或いは、鋳型の開口部)を当該冷媒に接近させて配置させてもよい。その他、鋳型の底面部といった強制冷却を行う箇所以外の箇所を断熱材で覆ったり、高温領域から低温領域に鋳型を冷却開始側から移動させたりすることが挙げられる。任意の冷却方法を利用することができ、上記各種の冷却方法を組み合わせて利用してもよい。
《温度勾配》
上記冷却工程において、上記溶浸板の冷却方向に沿った温度勾配(例えば、鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かう温度勾配)が以下の特定の範囲になるように当該溶浸板を冷却すると、上記欠陥部の面積比をより低減することができ、欠陥が少ないより高品位な複合部材を得易い。具体的には、先に冷却する一方の側(例えば、鉛直方向下側)と、後に冷却する他方の側(例えば、鉛直方向上側)との間に所定の大きさの温度差を設ける。より具体的には、上記溶浸板の冷却方向に沿って複数の温度測定点をとり、各温度測定点が所定の温度になったとき、当該温度測定点Psに隣り合う一方の温度測定点Puと他方の温度測定点Pdとの温度差ΔTPをとり、この温度差ΔTPを上記二つの温度測定点Pu,Pd間の距離lで除した値:ΔTP/lを当該温度測定点の温度勾配とする。このとき、上記各温度測定点の温度勾配が0.01℃/mm以上となるように上記溶浸板を冷却する。温度勾配を大きくするほど、上記欠陥部の面積比を低減できる傾向にあり、0.1℃/mm以上、特に0.5℃/mm以上がより好ましい。
上記温度測定点は、任意に選択することができるが、上記溶浸板の長手方向に対して、等間隔に複数選択することが好ましい。また、隣り合う温度測定点間の間隔は、近過ぎると温度差を十分に設けることが難しく、広過ぎると温度差が大きくなり過ぎるため、上記溶浸板の長手方向の大きさにもよるが、5〜10mm程度が好ましいと考えられる。
《冷却速度》
上記冷却工程において、上記溶浸板の冷却方向に沿って冷却する際の速度(例えば、鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって冷却する際の速度)を以下の特定の範囲になるように冷却すると、上記欠陥部の面積比をより低減することができ、欠陥が少ないより高品位な複合部材を得易い。具体的には、上記溶浸板の冷却方向に沿って複数の温度測定点をとり、各温度測定点が所定の高い温度THから所定の低い温度TLに降下するまでに要した時間tを測定し、上記温度TH,TLの差:TH-TLを上記時間tで除した値:(TH-TL)/tを上記各温度測定点の冷却速度とする。このとき、上記各温度測定点の冷却速度が0.5℃/min以上となるように冷却する。冷却速度を大きくするほど、上記欠陥部の面積比を低減できる傾向にあり、3℃/min以上、特に10℃/min以上、更に50℃/min以上がより好ましい。冷却速度が速いほど、Mg又Mg合金の結晶粒が微細化し、良好な外観の複合部材が得られる。
上記温度勾配や冷却速度は、上記冷媒の温度や冷媒の量(送風量など)、冷媒と鋳型との間の距離、断熱材の配置状態、鋳型の移動速度などにより変化させることができる。上記温度勾配が一定である場合、上記冷却速度が大きいほど、また、上記冷却速度が一定である場合、上記温度勾配が大きいほど、上記欠陥部の面積比をより低減し易く、変形も少ない。更に、上記冷却速度が大きく、かつ上記温度勾配が大きいと、欠陥が非常に少なく極めて高品位な複合部材を得易い。
なお、上記温度勾配や冷却速度を実現するにあたり、溶融したMgやMg合金の温度を熱電対などの温度測定手段で直接測定すると、温度測定手段の損傷が著しい。従って、上記温度勾配や冷却速度を実現可能な鋳型などを用意して、それを利用するとよい。
<金属被覆層の形成>
金属被覆層を具える複合部材を製造する場合、種々の方法を利用することができる。例えば、上記基板を形成した後に金属被覆層を別途形成してもよい。この場合、例えば、適宜な金属板を用意し、ロウ付け、超音波接合、鋳ぐるみ、圧延(クラッド圧延)、ホットプレス、酸化物ソルダー法、無機接着剤による接合の少なくとも1つの手法を利用することで、基板の表面に金属被覆層を形成することができる。金属板を利用することで、基板中の金属成分と異なる組成の金属被覆層を容易に形成することができる。
或いは、非金属無機材料の集合体と鋳型との間に隙間を設け、上記複合化の際に当該隙間にも溶融Mgが流れ込むようにし、溶浸板の形成と同時に金属被覆層を形成すると、複合部材の生産性に優れる。この場合、上述のように特定の一方向の冷却を行う本発明製造方法では、高品位な基板を形成できることから、その表面に形成する金属被覆層についても表面の引けなどの欠陥を低減することができる。特に、金属被覆層が薄い場合でも、本発明製造方法によれば、表面性状に優れる金属被覆層を形成することができる。この形態では、上記隙間の大きさに応じた厚さの金属被覆層を形成することができる。従って、金属被覆層が所望の厚さになるように上記隙間の大きさを調整するとよい。
特に、非金属無機材料の成形体を利用する場合、当該成形体は、比較的強度に優れ、鋳型内で自立可能である。そのため、例えば、鋳型の内部空間よりも小さい成形体を形成して鋳型に収納することで、上記隙間を簡単に設けられる。上記隙間を確実に維持できるようにスペーサを配置してもよい。スペーサの構成材料は、ナフタレンなどのように昇華により除去できるものや、カーボン、鉄、ステンレス鋼(SUS430)といった耐熱性に優れるものが利用できる。後者の場合、スペーサを金属被覆層に埋設させたままにしてもよいし、スペーサ部分を切削などにより除去してもよい。スペーサの形態は、板状体や線状体(ワイヤ)が挙げられる。例えば、形成する金属被覆層よりも若干細径の線状体を用意し、この線状体により成形体を鋳型に固定するなどして、成形体と鋳型との間に隙間を設けてもよい。この場合、線状体の大部分が金属被覆層に埋設されるため、線状体を残存させていても、良好な外観の複合部材が得られる。
本発明複合部材の製造方法は、大型であっても高品位な複合部材を製造することができる。本発明複合部材は、大型でありながら、欠陥が集中的に存在しておらず高品位である。本発明放熱部材は、上記本発明複合部材から構成されることで、熱特性に優れる。本発明半導体装置は、上記放熱部材を具えることで熱特性に優れる。
図1は、複合部材の作製に用いた鋳型の概略を示す分解斜視図である。 図2は、複合部材の断面の顕微鏡写真(50倍)であり、図2(I)は、実施形態1の複合部材、図2(II)は、実施形態2の複合部材を示す。 図3は、複合部材の作製に用いた鋳型を雰囲気炉に装入した状態を示す説明図である。 図4は、鋳型を水冷銅により冷却する状態を示す説明図であり、図4(I)は、鋳型に接するように断熱材を配していない例、図4(II)は、鋳型を断熱材で覆った例を示す。 図5は、高温領域から低温領域に鋳型を移動させて冷却する状態を示す説明図である。
(実施形態1)
純マグネシウムとSiCとを複合した複合部材(基板)を種々の条件で作製し、得られた複合部材の欠陥の状態、熱特性を調べた。
原料として、99.8質量%以上のMg及び不純物からなる純マグネシウムのインゴット、及び市販のSiC焼結体(相対密度80%、長さ(長辺)200mm×幅(短辺)100mm×厚さ5mm)を用意した。
用意したSiC焼結体に875℃×2時間の酸化処理を施して酸化膜を形成し、溶融した純マグネシウムとの濡れ性を高めた。上記酸化処理の工程は、省略してもよい。
上記SiC焼結体を図1に示す鋳型10に収納して、溶融した純マグネシウムを焼結体20に溶浸させて溶浸板を作製した。なお、以下の図において同一符号は、同一名称物を示す。
上記鋳型10は、一方が開口した縦長の直方体状の箱体であり、図1に示すように本体部11と蓋部12とを具える。本体部11は、長方形状の底面部10bと、底面部10bから立設する一対の長方形状の端面壁部10eと、底面部10bから立設すると共に一対の端面壁部10eに連結する側壁部10sとを具える。側壁部10sは、図1に示すように縦長の長方形状である。蓋部12は、側壁部10sと等しい縦長の長方形状の板体であり、側壁部10sと対向するように配置されて、底面部10b及び一対の端面壁部10eにボルト(図示せず)で固定される。本体部11に蓋部12が装着されることで、底面部10bに対向する側が開口した縦長の鋳型10が構成される。ここでは、鋳型10は、カーボン製とした。この鋳型10の内部空間が焼結体20の収納空間として利用される。ここでは、鋳型10の内部空間は、上記焼結体に応じた大きさとし、焼結体20を鋳型10に収納したとき、焼結体20と鋳型10との間に実質的に隙間が設けられないようにした。焼結体20を本体部11に配置してから蓋部12を取り付けてもよいし、鋳型10を組み立ててから焼結体20を配置してもよい。なお、分割片を組み合わせた構成とせず、一体成形された鋳型を利用してもよい。
また、ここでは、鋳型10の内周面において焼結体と接触する箇所には、市販の離型剤を塗布してから焼結体20を鋳型10に収納した。離型剤を塗布することで、複合部材を取り出し易くすることができる。この離型剤の塗布工程は、省略してもよい。
上記鋳型10は、開口部の周縁に連結されるインゴット載置部(図示せず)を有する。上記インゴット載置部に用意した上記インゴットを配置し、この鋳型10を所定の温度に加熱することで当該インゴットを溶融する。鋳型10の加熱は、図3に示す雰囲気炉30を利用して行う。雰囲気炉30は、密閉可能な容器31と、容器31の内周面に配置される断熱材32と、断熱材32で囲まれる空間内に配置されるヒータ33とを具える。容器31は底面部と、底面部から立設される側壁部と、底面部に対向配置され、側壁部に連結される上面部とを具える。断熱材32は、上記容器31の底面部、側壁部、及び上面部に沿って配置されている。ここでは、雰囲気炉30は、その底面部を鉛直方向下側、上面部を鉛直方向上側になるように配置される。また、ここでは、鋳型10は、上記雰囲気炉30の底面部に、鋳型10の底面部10bが接するように装入する。即ち、鋳型10の底面部10bが鉛直方向下側、鋳型10の開口部が鉛直方向上側となるように鋳型10を装入する。
そして、溶浸温度:775℃、Ar雰囲気、雰囲気圧力:大気圧となるように上記雰囲気炉30を調整した。ヒータ33に加熱されて溶融した純マグネシウムは、その自重により、鋳型10の開口部から鋳型10の内部空間に流入して、当該内部空間に配置された焼結体20に溶浸され、溶浸板が得られる。
上記溶浸板が配置された鋳型10を以下の冷却方法(1)〜(7)により冷却して純マグネシウムを凝固して、長さ200mm×幅100mm×厚さ5mmの複合部材を得た。また、以下の冷却方法(2)〜(7)において、断熱材の厚さやファンの送風量、水冷銅の温度などを適宜調整することで、後述する温度勾配や冷却速度を変化させた。
(1) 雰囲気炉30のヒータ33の電源を切り、当該炉30内で鋳型10を徐冷する。即ち、図3に示す状態で鋳型10を冷却する。この冷却方法では、鋳型内の溶浸板は、その周縁から中央部分に向かって収束するように冷却される。
(2) 雰囲気炉30のヒータ33の電源を切った後、当該炉30内の底面部の断熱材32を除去して、鋳型10の底面部10bが当該炉30の容器31に直接接するようにして、当該炉30内で鋳型10を冷却する。
(3) 雰囲気炉30のヒータ33の電源を切った後、当該炉30内の底面部の断熱材32を除去して、当該炉30の外部であって、当該炉30の底面部の近傍にファン(図示せず)を配置し、当該炉30の底面部にファンにより送風しながら、当該炉30内で鋳型10を冷却する。即ち、鋳型10を空冷により強制冷却する。
(4) 雰囲気炉のヒータ33の電源を切った後、図4(I)に示すように、当該炉内の底面部の断熱材32を一部除去して水冷銅40を取り付け、鋳型10の底面部10bに水冷銅40を接触させ、当該炉内で鋳型10を冷却する。即ち、鋳型10を液冷により強制冷却する。なお、図4では、容器を省略している。水冷銅40は、市販のものである。
(5) 雰囲気炉のヒータ33の電源を切った後、図4(II)に示すように鋳型10の端面壁部、側壁部10s、蓋部12、及び開口部の外周面を断熱材34で覆う。即ち、鋳型10の底面部以外を断熱材34で覆う。この状態で、上記(1)〜(4)と同様にして鋳型10を冷却する。図4(II)では、鋳型10を断熱材34で覆うと共に、鋳型10の底面部10bに水冷銅40を接触させた状態を示す。
(6) 雰囲気炉のヒータ33の電源を切った後、鋳型10を当該炉の外部に取り出し、鋳型10の底面部に水冷銅40を接触させて鋳型10を冷却する。鋳型10を雰囲気炉外に取り出し、水冷銅40を利用することで、冷却速度を速くすることができる。
(7) 図5に示すように、雰囲気炉(図示せず)内に、ヒータ33と、その外周を覆う断熱材35とを具える高温領域と、高温領域の下方側に設けられて、水冷銅40からなる低温領域とを具える雰囲気炉を用意する。ヒータ33及び断熱材35、並びに水冷銅40は、鋳型10の周囲を囲むように配置する。鋳型10は、その底面部10bが有底筒状の支持台50に支持され、支持台50の内部には、駆動部(図示せず)により上下方向に移動可能な可動部51が配置されている。この可動部51の上下方向の移動により支持台50を上下方向に移動することができる。即ち、可動部51により鋳型10を上下方向に移動させることができる。このような雰囲気炉を用い、上記可動部51を駆動して、鋳型10を高温領域から低温領域に移動させることで冷却する。即ち、鉛直方向下側に配置された鋳型10の底面部側から低温領域に侵入させることで冷却する。
溶浸板の冷却にあたり、上述した(1)〜(7)の冷却方法について、温度勾配及び冷却速度を以下のようにして測定した。その結果を表1に示す。そして、表1に示す温度勾配及び冷却速度を達成する鋳型10や雰囲気炉30などを用いて上述した(1)〜(7)の冷却を行い、複合部材を得た。
縦長の鋳型10の内部空間に、その長手方向に沿って底面部10b側(鉛直方向下側)から開口部側(鉛直方向上側)に向かって等間隔に熱電対を配置する。具体的には、鋳型10の内周面において底面部10bの表面から5mm間隔に側壁部10s(又は蓋部12)に、熱電対(図示せず)を設置する。この鋳型10の内部に純マグネシウムやSiCを充填していない空の状態で雰囲気炉に装入する。熱電対は、市販のものである。
〈温度勾配〉
上記熱電対を配置した箇所を温度測定点とし、各温度測定点の温度が650℃になったとき、この温度測定点Psに隣り合う二つの温度測定点Pu,Pd、即ち、温度測定点Psを挟む開口部側(鉛直方向上側)の温度測定点Puの温度Tuと底面部側(鉛直方向下側)の温度測定点Pdの温度Tdとの温度差:ΔTP=Tu-Tdをとり、この温度差:Tu-Tdを上記二つの温度測定点Pu,Pd間の距離l(ここでは10mm)で除した値:(Tu-Td)/lを温度勾配とする。表1には、鋳型10に設けた40個の温度測定点について求めた各温度勾配のうち、最小値を示す。なお、表1において温度勾配の値が「マイナス」の試料は、鋳型に収納されている溶浸板において、その鉛直方向上側(鋳型の開口部側)から鉛直方向下側(鋳型の底面部側)に冷却が進む試料であり、ここでは、溶浸板の周縁から中央部分に向かって収束的に冷却される試料に相当する。温度勾配の値が正の試料は、鋳型に収納されている溶浸板において、その鉛直方向下側(鋳型の底面部側)から鉛直方向上側(鋳型の開口部側)に冷却が進む試料であり、ここでは、溶浸板における鉛直方向下側から鉛直方向上側に一方向に冷却される試料に相当する。
〈冷却速度〉
上記熱電対を配置した箇所を温度測定点とし、各温度測定点が高い温度TH:680℃から低い温度TL:620℃まで降下するまでに要した時間tを測定し、上記温度TH,TLの差:TH-TL(ここでは60℃)を上記時間tで除した値:(TH-TL)/tを冷却速度とする。表1には、鋳型10に設けた40個の温度測定点について求めた各冷却速度のうち、最小値を示す。
得られた複合部材について、欠陥部の面積比(%)、寸法差(μm)、表面粗さRa(μm)、熱伝導率κ(W/m・K)、熱膨張係数α(ppm/K)を測定した。その結果を表1に示す。
欠陥部の面積比(%)は、以下のようにして測定した。得られた複合部材を平面視したときの重心(ここでは、200mm×100mmの長方形状の面の対角線の交点)を通る直線を切断線として、当該複合部材をイオンビーム加工により切断し、厚さ方向の断面(ここでは、断面積が200mm×5mmとなる断面)をとる。この断面において、上記重心を中心として上記切断線の長手方向に沿って上記切断線の長さ(ここでは200mm)の10%までの範囲の領域を中心領域とする。この中心領域(ここでは、断面積:40mm×5mmの領域)から任意に1mm×1mmの小領域を20個選択し、各小領域の面積に対する欠陥部の面積の割合:面積比を求める。欠陥部の面積は、上記断面の画像を利用して求める。具体的には、上記画像に対して市販の画像処理装置により画像解析を行い、各小領域において複合部材を構成する純マグネシウム及びSiC以外の部分(主として空隙)を当該小領域の欠陥部とし、その合計面積を上記画像処理装置により求める。そして、各試料における20個の欠陥部の面積比のうち、最大値を表1に示す。
寸法差は、各試料の上記断面(断面積:200mm×5mm)の画像において、最大厚さと最小厚さを測定し、この最大厚さと最小厚さとの差を求めた。この差が200μm(0.2mm)以上である場合、表面の引けが大きく、表面性状が悪いと言え、50μm(0.05mm)以下である場合、表面の引けが非常に小さいと言える。
表面粗さRaは、JIS B 0601(2001)に準じて測定した。
熱膨張係数α及び熱伝導率κは、得られた複合部材から試験片を切り出し、市販の測定器を用いて測定した。熱膨張係数αは、30℃〜150℃の範囲について測定した。
更に、得られた複合部材のうち、欠陥部の面積比が10%以下である試料について、複合部材の成分、SiCの形状、SiCの含有量、複合状態を調べた。複合部材の成分は、EDX装置により調べたところ、Mg及びSiC、残部:不可避的不純物であり、用いた原料と同様であった。また、得られた複合部材にCP(Cross-section Polisher)加工を施して断面を出し、SEM観察によりこの断面を調べたところ、SiC同士が直接結合されていた。即ち、ネットワーク部がSiCで形成された多孔質体であり、用いた原料の焼結体と同様であった。更に、これらの試料の断面を光学顕微鏡(50倍)で観察したところ、図2(I)に示すようにSiC間の隙間に純マグネシウムが溶浸されていることが確認できた。図2において連続した網目状を構成する部分がSiCであり、粒状に固まった部分が純マグネシウムである。
上記SiCの含有量は、複合部材の任意の断面を光学顕微鏡(50倍)で観察し、この観察像を市販の画像解析装置で画像処理して、この断面中のSiCの合計面積を求め、この合計面積を体積割合に換算した値をこの断面に基づく体積割合とし、n=3の断面の体積割合を求め、これらの平均値とした(面積割合≒体積割合)。その結果、SiCの含有量は、80体積%であった。
表1に示すように、溶浸板における溶融したマグネシウムの供給側の反対側から一方向に溶浸板を冷却して得られた複合部材、ここでは、鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって一方向に溶浸板を冷却して得られた複合部材は、直径が50mm超の円形領域をとることが可能な大型な板材でありながら、欠陥が集中的に存在することがなく、高品位であることが分かる。特に、上記一方向の冷却を行った複合部材に存在した欠陥はいずれも、目視で確認することが困難なほど微細であり(0.1mm以下)、均一的な組織を有していた。また、上記一方向の冷却を行って得られた複合部材は、内部欠陥だけでなく、表面欠陥も少なく、寸法精度に優れることが分かる。更に、上記一方向の冷却を行って得られた複合部材は、熱膨張係数が4ppm/K程度と非常に小さく、熱膨張係数が4ppm/K程度の半導体素子やその周辺部品との整合性に優れる上に、熱伝導率が180W/K・m以上、特に300W/K・m以上の試料もあり、熱伝導性にも優れることが分かる。
これに対し、上記一方向の冷却を行わなかった複合部材は、上記欠陥部の面積比が大きく、局所的に欠陥(気孔)が存在していることが分かる。また、この複合部材に存在した欠陥は、目視で確認できるほど大きなものであった。このような大きな欠陥が存在することで、この複合部材は、寸法精度が低く、熱伝導性も低下したと考えられる。
従って、上記一方向の冷却を行って得られた複合部材は、上記半導体素子の放熱部材の構成材料に好適に利用できると期待される。
また、表1に示すように各温度測定点における温度勾配が0.01℃/mm以上、及び各温度測定点における冷却速度が0.5℃/min以上の少なくとも一方を満たすように冷却することで、欠陥部の面積比を小さくできることが分かる。更に、温度勾配や冷却速度が大きいほど、欠陥部の面積比が小さくなる傾向にあることが分かる。加えて、表1に示すように、冷却速度を一定とする場合、温度勾配が大きいほど、欠陥部を低減できることが分かる。このことから、上記一方向の冷却を行うと共に、温度勾配や冷却速度を大きくすることで、局所的に欠陥が存在する複合部材が得られ難いと言える。
なお、上記実施形態1では、市販のSiC焼結体を用いたが、SiC粉末を利用して複合部材を作製することができる。具体的には、例えば、SiC粉末に875℃×2時間の酸化処理を施した後、鋳型にタッピングやスリップキャストなどを利用して粉末成形体を形成し、実施形態1と同様にして、溶融した純マグネシウムを粉末成形体に溶浸させ、凝固時の冷却条件を実施形態1と同様に制御することで、実施形態1と同様に大型でありながら、欠陥が少ない複合部材が得られる。上記粉末成形体を適宜焼結などしてもよい。
(実施形態2)
純マグネシウムとSiCとを複合した複合材料からなる基板と、基板の対向する二面をそれぞれ覆う金属被覆層とを具える複合部材を作製し、得られた複合部材の欠陥の状態、熱特性を調べた。
原料として、実施形態1と同様の純マグネシウムのインゴット、及びSiC焼結体を用意した。また、SiC焼結体には、実施形態1と同様の酸化処理を施した。更に、長さ10mm×幅100mm×厚さ0.5mmで、カーボン製の板状のスペーサを一対用意した。
ここでは、実施形態1で用いた図1に示す鋳型10であって、SiC焼結体と鋳型との間に上記スペーサが配置可能な大きさを有するものを利用する。適宜離型剤を塗布した鋳型10に焼結体20及び一対のスペーサ(図示せず)を収納し、一対のスペーサにより焼結体20を挟持した状態とする。上記スペーサに挟まれることで焼結体20は、鋳型内に安定して配置されると共に、焼結体20の表面と鋳型10の側壁部10sとの間、及び焼結体20の裏面と鋳型10の蓋部12との間にスペーサの厚さ分(ここでは0.5mm)の隙間がそれぞれ設けられる。この鋳型10を実施形態1と同様に雰囲気炉に装入した。そして、実施形態1と同様の条件で、焼結体20と溶融した純マグネシウムとを複合して、溶浸板を作製した。この実施形態では、溶浸板を形成すると同時に、上述のようにスペーサにより設けられた焼結体と鋳型との間の隙間に溶融した純マグネシウムが流れ込むことで、溶浸板の対向する二面にそれぞれ純マグネシウムからなる層を形成する。
ここでは、実施形態1の試料No.38と同様の温度勾配、冷却速度となるように水冷銅などを利用して、上記溶浸板をその鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって一方向に冷却して純マグネシウムを凝固した。上記工程により、複合部材(長さ200mm×幅100mm×厚さ6mm)が得られた。
得られた複合部材の断面を光学顕微鏡(50倍)で観察したところ、図2(II)に示すようにSiC間の隙間に純マグネシウムが溶浸された複合材料からなる基板と、この基板の表面に純マグネシウムからなる金属被覆層を具えることが確認できた。この基板及び金属被覆層の構成金属の組成をEDX装置により調べたところ、同一組成(純マグネシウム)であった。また、上記断面の観察像から、各金属被覆層は、上記基板中の純マグネシウムと連続した組織を有していることが確認できた。更に、上記断面の観察像を用いて各金属被覆層の厚さを測定したところ、概ね0.5mm(500μm)であり、上記スペーサの厚さに実質的に一致していることが確認できた。
得られた複合部材において、純マグネシウムとSiCとが複合された部分、即ち、金属被覆層を除く部分のSiCの含有量を測定したところ、80体積%であった。SiCの含有量は、実施形態1と同様にして測定した。
得られた複合部材について、実施形態1と同様にして、欠陥部の面積比(%)、寸法差(μm)、表面粗さRa(μm)を測定したところ、面積比:0.11%、寸法差:1μm、表面粗さRa:0.8μmであった。なお、寸法差は、金属被覆層を含めた厚さを測定した。また、表面粗さRaは、金属被覆層の表面を測定した。
得られた複合部材について熱膨張係数α(ppm/K)と熱伝導率κ(W/m・K)とを実施形態1と同様にして測定したところ、熱膨張係数α:5.1ppm/K、熱伝導率κ:250W/m・Kであった。
以上から、直径が50mm超の円形領域をとることが可能なほどに大型であり、かつ金属被覆層を有する複合部材であっても、実施形態1と同様に、溶浸板をその鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって一方向に冷却することで、局所的に大きな欠陥が存在せず、表面性状にも優れ、高品位な複合部材が得られることが分かる。また、この複合部材も熱膨張係数が4ppm/K程度の半導体素子やその周辺部品との整合性に優れる上に、放熱性にも優れており、当該半導体素子の放熱部材の構成材料に好適に利用できると期待される。特に、実施形態2の複合部材は、基板の両面に金属被覆層を具えることで、電気めっきによりNiめっきなどを施すことができる。Niめっきなどを施すことで、半田との濡れ性を高められ、半田の塗布が望まれる半導体装置に利用される場合であっても、十分に対応することができる。また、上述のように基板自体の表面が平滑であることで、金属被覆層の表面も平滑になっており、めっきを均一的な厚さに形成することができる。
なお、実施形態2の複合部材において、板状のスペーサの厚さや形状、使用数を適宜選択することで、金属被覆層の厚さや形成領域を容易に変更することができる。例えば、成形体(焼結体)の一面にのみスペーサを配置することで、基板の一面にのみ金属被覆層を具える複合部材が得られる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、複合部材中の非金属無機材料の組成、含有量、ネットワーク部の有無、ネットワーク部の構成材料、金属成分の組成(例えば、マグネシウム合金)、複合部材の大きさ、金属被覆層の厚さ、複合部材の複合時の条件などを適宜変更することができる。
本発明複合部材は、半導体素子のヒートスプレッダ(本発明放熱部材)に好適に利用することができる。本発明複合部材の製造方法は、上記複合部材の製造に好適に利用することができる。本発明半導体装置は、種々の電子部品の構成部材に好適に利用することができる。
10 鋳型 10b 底面部 10e 端面壁部 10s 側壁部 11 本体部
12 蓋部 20 焼結体(成形体) 30 雰囲気炉 31 容器
32,34,35 断熱材 33 ヒータ 40 水冷銅 50 支持台 51 可動部

Claims (18)

  1. マグネシウム又はマグネシウム合金と非金属無機材料とが複合された複合部材の製造方法であって、
    鋳型に収納された非金属無機材料の集合体に溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金を溶浸させ、溶浸板を形成する複合工程と、
    前記溶浸板における前記溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金の供給側の反対側から一方向に前記溶浸板を冷却して、前記溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金を凝固させる冷却工程とを具えることを特徴とする複合部材の製造方法。
  2. 前記複合工程では、前記集合体に対して、前記溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金をその自重によって鉛直方向上側から鉛直方向下側に向かって供給し、
    前記冷却工程では、前記溶浸板における鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって一方向に前記溶浸板を冷却して、前記溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金を凝固させることを特徴とする請求項1に記載の複合部材の製造方法。
  3. 前記冷却工程において、前記溶浸板の冷却方向に沿って複数の温度測定点をとり、各温度測定点が所定の温度になったとき、当該温度測定点Psに隣り合う一方の温度測定点Puと他方の温度測定点Pdとの温度差をとり、この温度差を前記二つの温度測定点Pu,Pd間の距離lで除した値を当該温度測定点Psの温度勾配とするとき、前記各温度測定点の温度勾配が0.01℃/mm以上となるように前記溶浸板を冷却することを特徴とする請求項1又は2に記載の複合部材の製造方法。
  4. 前記冷却工程において、前記溶浸板の冷却方向に沿って複数の温度測定点をとり、各温度測定点が所定の高い温度THから所定の低い温度TLに降下するまでに要した時間tを測定し、前記温度TH,TLの差:TH-TLを前記時間tで除した値を前記各温度測定点の冷却速度とするとき、前記各温度測定点の冷却速度が0.5℃/min以上となるように前記溶浸板を冷却することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。
  5. 前記冷却工程において、前記溶浸板における前記溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金の供給側の反対側を強制冷却することにより一方向に冷却することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。
  6. 前記溶浸板は、直径が50mm超の円形領域をとることが可能な大きさを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。
  7. マグネシウム又はマグネシウム合金と非金属無機材料とが複合された複合部材であって、
    当該複合部材は、直径が50mm超の円形領域をとることが可能な大きさを有する板材であり、
    当該複合部材を平面視したときの重心を通る直線を切断線として、当該複合部材の厚さ方向の断面をとり、この断面において、前記重心を中心として前記切断線の長さの10%までの範囲を中心領域とし、この中心領域から任意の1mm×1mmの小領域をとり、当該小領域の面積に対する欠陥部の面積の割合を面積比とするとき、前記面積比が10%以下であることを特徴とする複合部材。
  8. 前記断面において、当該複合部材の最大厚さと最小厚さとの差が0.2mm以下であることを特徴とする請求項7に記載の複合部材。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法により製造され、
    直径が50mm超の円形領域をとることが可能な大きさを有する板材であることを特徴とする複合部材。
  10. 前記複合部材の表面粗さRaが2.5μm以下であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の複合部材。
  11. 前記非金属無機材料は、SiCを含むことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の複合部材。
  12. 前記非金属無機材料の含有量が20体積%以上であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の複合部材。
  13. 前記複合部材の熱伝導率が180W/m・K以上であることを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載の複合部材。
  14. 前記複合部材の熱膨張係数が3.5ppm/K以上20ppm/K以下であることを特徴とする請求項7〜13のいずれか1項に記載の複合部材。
  15. 前記複合部材は、短辺が50mm超、長辺が100mm超の長方形状であることを特徴とする請求項7〜14のいずれか1項に記載の複合部材。
  16. 前記複合部材は、前記マグネシウム又は前記マグネシウム合金と前記非金属無機材料とが複合された複合材料からなる基板と、
    前記基板の少なくとも一面を覆う金属被覆層とを具えることを特徴とする請求項7〜15のいずれか1項に記載の複合部材。
  17. 請求項7〜16のいずれか1項に記載の複合部材により構成されることを特徴とする放熱部材。
  18. 請求項17に記載の放熱部材と、この放熱部材に搭載される半導体素子とを具えることを特徴とする半導体装置。
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