JP2011073034A - 溶接条件設定装置および溶接条件設定プログラム - Google Patents

溶接条件設定装置および溶接条件設定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】スポット溶接の溶接条件を精度良く設定する。
【解決手段】設計データ記憶部23には、設計された車体に関する情報が格納される。量産データ記憶部24には、過去に生産された車体に関する情報と、これら車体のスポット溶接に関する情報とが格納される。パターンデータ記憶部25には、過去に量産された車体に関するパネル材の形状を標準化した形状パターンデータ、パネル材のスポット打点とこれに対応する溶接装置とを標準化した工程パターンデータが格納される。構成部品特定部31はスポット打点の座標情報から接合パネル群を特定する。続いて、形状パターン特定部32は接合パネル群の形状情報を特定し、工程パターン特定部33は形状情報に基づき工程情報を特定する。そして、計算式特定部34は工程情報に基づき溶接条件の算出式を特定し、計算部35〜37は計算式に基づき溶接条件(加圧力,溶接電流,通電時間)を算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、スポット溶接時の溶接条件を設定する溶接条件設定装置および溶接条件設定プログラムに関する。
自動車車体の組立ラインにおいては、複数枚のパネル材を組み合わせるとともに、これらのパネル材にスポット溶接を施して接合している。スポット溶接を行う溶接装置はパネル材を挟み込む溶接ガンを備えており、この溶接ガンには一対の電極チップが設けられている。そして、電極チップによってパネル材を挟み込みながら局部的に大電流を流すことにより、パネル材にジュール熱を発生させて接合することが可能となっている。
また、スポット溶接の品質を確保するためには、所定寸法のナゲット径を得ることが必要であるが、このナゲット径は、電極チップによる加圧力や通電電流だけでなく、パネル材の板厚や板厚比等によって変化するものである。そこで、自動車車体を設計する際に用いられるCAD(Computer Aided Design)システムに、板厚や板厚比等の判定機能を組み込むようにした確認装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この確認装置を用いることにより、パネル材の総板厚、板厚比、打点ピッチの設計データが、目標ナゲット径を得る為の条件に合致しているか否かを判定することができ、製品開発を効率良く進めることが可能となる。
特開2008−269366号公報
しかしながら、特許文献1に記載される確認装置は、単に設計データが規定範囲に収まっているか否かを判定する装置であるため、実際の製造工程における溶接条件(加圧力や溶接電流)を特定するためには、試作や評価を繰り返して溶接条件を詰めていく必要があった。すなわち、実際の製造工程において試作車にスポット溶接を施すとともに、この試作車を解体してナゲット径を確認する作業が必要であった。そして、目標の溶接品質が得られるまで、溶接条件を変更しながら同様の確認作業を繰り返して行うことが必要となっていた。この溶接条件の確認作業には莫大な時間を要することから、実際の製造工程を考慮しつつ溶接条件を精度良く設定することが望まれている。
本発明の目的は、スポット溶接の溶接条件を精度良く設定することにある。
本発明の溶接条件設定装置は、スポット溶接を行う際の溶接条件を設定する溶接条件設定装置であって、設計されたスポット打点の座標情報に基づいて、スポット溶接が施される接合パネル群を特定する部品特定手段と、前記接合パネル群の設計情報に基づいて、過去の量産データに基づく部品の形状パターンデータを参照し、前記接合パネル群の形状情報を特定する形状特定手段と、前記接合パネル群の形状情報に基づいて、過去の量産データに基づく工程パターンデータを参照し、前記接合パネル群の工程情報を特定する工程特定手段と、前記接合パネル群の設計情報に工程情報を加味して溶接条件を設定する溶接条件設定手段とを有することを特徴とする。
本発明の溶接条件設定装置は、前記溶接条件とは、加圧力、溶接電流および通電時間であることを特徴とする。
本発明の溶接条件設定プログラムは、スポット溶接を行う際の溶接条件を設定する溶接条件設定プログラムであって、設計されたスポット打点の座標情報に基づいて、スポット溶接が施される接合パネル群を特定する部品特定ステップと、前記接合パネル群の設計情報に基づいて、過去の量産データに基づく部品の形状パターンデータを参照し、前記接合パネル群の形状情報を特定する形状特定ステップと、前記接合パネル群の形状情報に基づいて、過去の量産データに基づく工程パターンデータを参照し、前記接合パネル群の工程情報を特定する工程特定ステップと、前記接合パネル群の設計情報に工程情報を加味して溶接条件を設定する溶接条件設定ステップとを有することを特徴とする。
本発明の溶接条件設定プログラムは、前記溶接条件とは、加圧力、溶接電流および通電時間であることを特徴とする。
本発明によれば、接合パネル群の設計情報に工程情報を加味して溶接条件を設定するようにしたので、溶接条件の設定精度を高めることが可能となる。これにより、開発コストを引き下げることができるとともに、開発期間の短縮を図ることが可能となる。
スポット溶接の実施状況を示す説明図である。 本発明の一実施の形態である溶接条件設定装置を示すブロック図である。 接合パネル群を特定する際の手順を示したフローチャートである。 (A)は接合パネル群およびスポット打点を概略的に示す斜視図であり、(B)は(A)の矢印α方向から接合パネル群およびスポット打点を示す側面図である。 接合パネル群から基準板厚を設定する際の手順を示すフローチャートである。 接合パネル群の工程情報を示すイメージ図である。 (A)は板隙と必要加圧力との関係を示す線図であり、(B)は担ぎと必要加圧力との関係を示す線図である。 溶接条件設定処理を実行する際の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はスポット溶接の実施状況を示す説明図である。図1に示すように、溶接装置10には一対の電極チップ11が設けられており、スポット溶接時には電極チップ11によってパネル材12,13を加圧しながら、パネル材12,13に対して局部的に大電流を流している。このようなスポット溶接の品質を確保するためには、溶着されたナゲット径の大きさを確保することが必要であるが、このナゲット径は、スポット溶接時の加圧力P、溶接電流I、通電時間tによって変化することになる。さらに、ナゲット径は、パネル材12,13の材質、パネル材12,13の板厚、重ねたパネル材12,13の総板厚、総板厚に対する板厚の割合(板厚比)等によって変化するとともに、溶接装置10の能力やバラツキによっても変化することになる。すなわち、スポット溶接の溶接条件(加圧力P,溶接電流I,通電時間t)については、パネル材12,13の板厚や材質だけでなく溶接装置10のバラツキをも考慮して設定することが必要である。そこで、本発明の溶接条件設定装置は、設計者によって作成されたCAD(Computer Aided Design)データと、スポット溶接に関する過去の量産データとを用いることにより、実際に使用される溶接装置の特性を考慮しながら溶接条件を設定している。以下、溶接条件を設定する際の手順について説明する。
図2は本発明の一実施の形態である溶接条件設定装置20を示すブロック図である。図2に示すように、溶接条件設定装置20には、キーボード等の入力装置21やディスプレイ等の表示装置22が設けられている。また、溶接条件設定装置20には、設計データ記憶部23、量産データ記憶部24、パターンデータ記憶部25が設けられており、これらの記憶部はHDD(ハードディスクドライブ)等によって構成されている。設計データ記憶部23には、自動車車体に関するCADデータ(各パネル材の形状や寸法,スポット打点の座標等)や、自動車車体を構成するパネル材に関する部品データ(板厚,材質,弾性力,メッキ厚さ,部品名等)が格納されている。すなわち、設計データ記憶部23には、新たに設計された自動車車体に関する設計情報が格納されている。さらに、設計データ記憶部23には、成形解析結果に関する成形解析データが格納されている。この成形解析結果は、プレス金型データを用いるとともに、パネル材料の特性や各種成形条件等を定義し、成形解析を施すことで得られる結果である。その内容としては、自重たわみ、われ、しわ、塑性域での変形、徐荷後の弾性に支配されるスプリングバックでの変形等となっている。
また、量産データ記憶部24には、過去に生産した自動車車体に関するCADデータ(各パネル材の形状や寸法,スポット打点の座標等)、過去に生産した自動車車体を構成するパネル材に関する部品データ(板厚,材質,弾性力,メッキ厚さ,部品名等)、過去に生産した自動車車体に関するスポット溶接の実条件データ(加圧力P、溶接電流I、通電時間t,使用された溶接装置の情報等)が格納されている。すなわち、量産データ記憶部24には、過去に生産された自動車車体に関する情報と、これら自動車車体のスポット溶接に関する情報とが格納されている。
さらに、パターンデータ記憶部25には、自動車車体を構成する各パネル材(部品)の形状を標準化してまとめた形状パターンデータ、各パネル材のスポット打点とこれに対応する溶接装置とを標準化してまとめた工程パターンデータが格納されている。なお、形状パターンデータや工程パターンデータは、過去の量産データに基づき作成されるデータであり、新たな設計データと過去の量産データとの橋渡しを行うためのデータとなっている。
また、溶接条件設定装置20には、CPU、RAM、ROM、HDD等によって構成される条件設定部26が設けられている。この条件設定部26は、ROMやHDDに保存された溶接条件設定プログラムを実行することにより、溶接装置の特性を加味した溶接条件を設定することが可能となっている。まず、条件設定部26には打点設定部30が設けられており、この打点設定部30には溶接条件の設定対象となるスポット打点の打点番号が入力される。そして、打点設定部30に打点番号が入力されると、設計データ記憶部23のCADデータから打点設定部30に対し、スポット打点の座標情報が入力されるようになっている。また、条件設定部26には、部品特定手段として機能する構成部品特定部31が設けられている。この構成部品特定部31は、特定されたスポット打点の座標情報に基づいて接合パネル群を特定し、部品データから接合パネル群の基準板厚を設定する。ここで、接合パネル群とは、溶接条件の設定対象として入力されたスポット打点を介して接合される全てのパネル材である。また、構成部品特定部31は、成形解析データ(撓みや歪み等)に基づいて、接合パネル群の各スポット打点における担ぎや板隙を特定する。なお、担ぎ(担ぎ距離)とは、スポット打点とその周辺部位におけるパネル材の支点との距離である。スポット打点の周辺部位に支点がある場合には、電極チップがパネル材を挟み込む際の荷重負荷に影響を与えることになる。このように、担ぎとは、スポット溶接時に要求される加圧力の大きさに影響を及ぼす指標となっている。また、板隙とはパネル材間に設けられる隙間であり、スポット溶接時に要求される加圧力の大きさに影響を及ぼす指標となっている。
図3は接合パネル群を特定する際の手順を示したフローチャートである。また、図4(A)は接合パネル群およびスポット打点を概略的に示す斜視図であり、図4(B)は図4(A)の矢印α方向から接合パネル群およびスポット打点を示す側面図である。さらに、図5は接合パネル群から基準板厚を設定する際の手順を示すフローチャートである。
まず、図3に示すように、ステップS1では、スポット打点の打点番号iが「1」に設定される。ステップS2では、打点番号1のスポット打点の座標情報(X,Y,Z)が読み込まれる。ステップS3では、スポット打点1に最も近いパネル材P1が近接パネル材として特定される(図4参照)。続いて、ステップS4では、スポット打点1から所定範囲(例えば半径±5mm)に含まれるパネル材P2,P3が、パネル材P1に接合される接合パネル材として特定される(図4参照)。次いで、ステップS5では、ステップS3およびS4によって特定されたパネル材P1,P2,P3が接合パネル群Gpとして格納される。続いて、ステップS6に進み、全てのスポット打点について接合パネル群Gpの特定が完了したか否かが判定され、接合パネル群Gpの特定が完了していない場合には、ステップS7に進み、スポット打点の打点番号が変更され、再びステップS2から同様に接合パネル群Gpの特定処理が実行される。
なお、図3に示すフローチャートにあっては、全てのスポット打点について接合パネル群の特定処理を実行するようにしているが、これに限られることはなく、作業者によって入力されるスポット打点毎に接合パネル群を特定しても良い。また、図3のフローチャートに示すように、全てのスポット打点について接合パネル群を特定する場合には、予め接合パネル群を特定するとともにその特定結果がHDD等に保存される。そして、構成部品特定部31による接合パネル群の特定が必要となる度に、HDD等に保存された特定結果から必要な情報が読み込まれることになる。
続いて、接合パネル群から基準板厚を設定する際の手順について説明する。図5に示すように、ステップS11では、溶接条件の設定対象となるスポット打点に対応する接合パネル群の情報が読み込まれる。続いて、ステップS12では、接合パネル群を構成するパネル材が2枚であるか否かが判定される。ステップS12において、接合パネル群が2枚のパネル材によって構成されると判定された場合には、続くステップS13において各パネル材の板厚が読み込まれ、ステップS14において薄い方の板厚が接合パネル群の基準板厚として設定される。一方、ステップS12において、接合パネル群が3枚のパネル材によって構成されると判定された場合には、ステップS15に進み、各パネル材の板厚が読み込まれる。そして、ステップS16において、最も薄い板厚が接合パネル群の基準板厚として設定され、続くステップS17において、最も厚い板厚が接合パネル群の基準板厚として設定される。これらの基準板厚は溶接条件を左右するパターン条件の1つとなっている。なお、パターン条件とは、板厚、材質(強度・メッキ厚さ)、板組の順番等である。
このように、構成部品特定部31によって接合パネル群および基準板厚が設定されると、形状特定手段として機能する形状パターン特定部32によって接合パネル群の形状情報(形状,板隙,担ぎ)が特定される。形状パターン特定部32は、形状パターンデータを参照し、接合パネル群を構成するパネル材が、アウターパネル(板厚0.65〜0.7mm)、インナーパネル(板厚0.7〜0.8mm)、フロアーパネル、サイドパネル、ドアパネル、フードパネル、トランクパネル等の何れに該当するかを特定する。また、形状パターン特定部32は、形状パターンデータを参照し、接合パネル群がフランジを有する部品であるか否かを判定する。そして、フランジを有する部品である場合には、フランジ幅、スプリングバック状態、鋼鈑材料(220MPa級,980MPa級等)を特定する。さらに、形状パターン特定部32は、形状パターンデータを参照し、接合パネル群に施されるスポット溶接の打点ピッチに関し、それが広いピッチであるか狭いピッチであるかについて判定する。
そして、接合パネル群の形状情報が特定されると、工程特定手段として機能する工程パターン特定部33によって接合パネル群の工程情報が特定される。ここで、図6は接合パネル群の工程情報を示すイメージ図である。図6に示すように、複数の溶接装置A〜Dによってスポット溶接が施される接合パネル群Gpは、そのエリア毎に異なる溶接装置A〜Dが適用されるようになっている。すなわち、パネル材の板厚や材質等が同一であり、溶接装置A〜Dに対して指示される溶接条件が同一であったとしても、個々の溶接装置A〜Dにおける溶接品質にはバラツキが生じることになる。このため、実際のスポット溶接工程においては、溶接装置A〜D毎に溶接条件の調整が必要となる。
そこで、工程パターン特定部33は、スポット打点に基づき特定された接合パネル群の形状情報、すなわちスポット溶接が施される接合パネル群の部位情報(ドアパネル,サイドパネル等)に基づいて工程パターンデータを参照することにより、設計データのスポット打点に近い量産データのスポット打点を特定する。そして、溶接条件設定手段として機能する計算式特定部34は、該当する量産データのスポット打点に関する実際の溶接条件や使用した溶接装置の情報(工程情報)等を読み込み、これらの情報に基づいて後述する計算式の各種係数を設定する。また、工程パターンデータには、溶接ロボット、溶接ガン、溶接治具の溶接精度に関する情報も格納されており、これら溶接精度に関する情報も後述する係数設定に用いられる。すなわち、過去の量産データに基づいて、溶接条件(加圧力P,溶接電流I,通電時間t)の計算式が特定されることになる。なお、工程パターンデータにプレス機やプレス治具のプレス精度に関する情報を格納し、溶接精度に影響を与えるパネル材のプレス精度に関する情報を後述する係数設定に利用しても良い。
続いて、溶接条件設定手段として機能する加圧力計算部35は、以下の式(1)に基づいて、スポット溶接時の加圧力Pを算出する。なお、式(1)に用いられる各種係数は、パネル材の寸法や材質等に基づき定められる値であり、設計データ記憶部23の部品データに基づき設定される。また、式(1)は接合パネル群が3枚のパネル材によって構成される場合に適用される算出式であるが、接合パネル群が2枚のパネル材によって構成される場合には、式(1)のVm、Wm、Xm、Am、Bm、Cm、Dm、Em、Fm、Gmのそれぞれに0が代入されることになる。さらに、式(1)には、板隙係数H1、担ぎ係数H2、必要加圧力Pt,Pcが用いられているが、これらの数値はパネル材が高張力鋼である場合に必要となる数値である。ここで、図7(A)は板隙と必要加圧力との関係を示す線図であり、図7(B)は担ぎと必要加圧力との関係を示す線図である。図7(A)に示すように、板隙が大きくなるほど必要加圧力Ptが大きく設定され、図7(B)に示すように、担ぎが大きくなるほど必要加圧力Pcが大きく設定される。なお、パネル材が軟鋼鈑である場合には、板隙係数H1、担ぎ係数H2、必要加圧力Pt,Pcとして0が用いられることになる。
P=d+Au×Vu+Am×Vm+Al×Vl
+Bu×Wu+Bm×Wm+Bl×Wl
+Cu×Xu+Cm×Xm+Cl×Xl
+(Du×Vu+Dm×Vm+Dl×Vl)/(Vu+Vm+Vl)
+Eu×Vu×Wu+Em×Vm×Wm+El×Vl×Wl
+Fu×Vu×Xu+Fm×Vm×Xm+Fl×Vl×Xl
+(Gu×Vu+Gm×Vm+Gl×Vl)/(Vu+Vm+Vl)
+H1×Pt+H2×Pc …(1)
但し、P:加圧力[N]
Vu,Vm,Vl:板厚[mm](上,中,下)
Wu,Wm,Wl:縦弾性係数[MPa](上,中,下)
Xu,Xm,Xl:メッキ厚さ[mm](上,中,下)
H1:板隙係数
H2:担ぎ係数
Pt:板隙に基づく必要加圧力[N]
Pc:担ぎに基づく必要加圧力[N]
d:基準加圧力[N]
Au,Am,Al:板厚係数(上,中,下)
Bu,Bm,Bl:弾性力係数(上,中,下)
Cu,Cm,Cl:メッキ厚さ係数(上,中,下)
Du,Dm,Dl:総板厚に対する板厚割合の係数(上,中,下)
Eu,Em,El:板厚と弾性力との相関係数(上,中,下)
Fu,Fm,Fl:板厚とメッキ厚さとの相関係数(上,中,下)
Gu,Gm,Gl:総板厚に対する板厚割合と板厚との相関係数(上,中,下)
次いで、溶接条件設定手段として機能する溶接電流計算部36は、以下の式(2)に基づいて、スポット溶接時の溶接電流Iを算出する。なお、式(2)に用いられる各種係数a,n,mは、前述した計算式特定部34によって特定される係数であり、過去の量産データを基に回帰的手法や統計的手法を用いて設定される係数である。
I=a×(P/1000)+m …(2)
但し、I:溶接電流[A]
P:加圧力[N]
a:係数
n:係数
m:係数
次いで、溶接条件設定手段として機能する通電時間計算部37は、以下の式(3)に基づいて、スポット溶接時の通電時間tを算出する。なお、式(3) に用いられる各種係数z,bは、前述した計算式特定部34によって特定される係数であり、過去の量産データを基に回帰的手法や統計的手法を用いて設定される係数である。
t=z×P/I+b …(3)
但し、t:通電時間[s]
P:加圧力[N]
I:溶接電流[A]
z:係数
b:係数
そして、式(1)〜(3)に基づき算出される溶接条件(加圧力P,溶接電流I,通電時間t)は、溶接条件判定部38によって既存設備による対応が可能であるか否かが判定される。すなわち、接合パネル群の形状情報を特定するとともに、この形状情報に基づいて工程パターンを参照することにより、この接合パネル群にスポット溶接を施す溶接装置や、スポット溶接を施す際の許容される溶接時間が特定されることになるが、この溶接装置が備える溶接能力によっては、算出された溶接条件を満足することができない場合も想定される。そこで、溶接条件判定部38は、算出された溶接条件の可否を、溶接装置毎に設定される判定値に基づいて判定する。
また、溶接条件判定部38によって判定された結果、既存設備による対応が不可能であると判定された場合には、既存設備によって対応が可能な溶接条件となるように、修正候補計算部39によってパネル材の板厚等が逆算される。そして、溶接条件判定部38によって判定された判定結果や、修正候補計算部39によって計算されたパネル材の板厚等は、表示装置22に出力されるとともに条件保存部40に保存される。また、全てのスポット打点について、溶接条件の算出、溶接条件の判定、修正候補の算出が完了した後には、条件保存部40から帳票作成部41に対して各種情報が送信され、帳票作成部41から溶接条件表や溶接打点部品表が出力される。
続いて、前述した溶接条件設定処理の手順をフローチャートに沿って説明する。ここで、図8は溶接条件設定処理を実行する際の手順を示すフローチャートである。図8に示すように、ステップS21では、対象となるスポット打点が設定され、続くステップS22(部品特定ステップ)では、スポット打点の座標情報に基づいて接合パネル群が特定される。続いて、ステップS23(形状特定ステップ)では接合パネル群の形状情報が特定され、ステップS24(工程特定ステップ)では接合パネル群の形状情報に基づき接合パネル群の工程情報が特定される。続くステップS25(溶接条件設定ステップ)では、接合パネル群の設計情報および工程情報に基づいて、溶接条件(加圧力P,溶接電流I,通電時間t)の算出式が特定される。そして、ステップS26においてスポット溶接時の加圧力Pが算出されると、ステップS27に進み、加圧力Pが既存設備によって対応が可能であるか否かが判定される。ステップS27において、加圧力Pについて対応が不可能であると判定された場合には、ステップS28に進み、既存設備によって対応可能な加圧力Pとなるようにパネル材の板厚候補が逆算される。
一方、ステップS27において、加圧力Pについて対応が可能であると判定された場合には、ステップS29(溶接条件設定ステップ)に進み、スポット溶接時の溶接電流Iが算出される。続くステップS30では、溶接電流Iが既存設備によって対応が可能であるか否かが判定される。ステップS30において、溶接電流Iについて対応が不可能であると判定された場合には、ステップS28に進み、既存設備によって対応可能な溶接電流Iとなるようにパネル材の板厚候補が逆算される。
また、ステップS30において、溶接電流Iについて対応が可能であると判定された場合には、ステップS31(溶接条件設定ステップ)に進み、スポット溶接時の通電時間tが算出される。続くステップS32では、通電時間tが既存設備によって対応が可能であるか否かが判定される。ステップS32において、通電時間tについて対応が不可能であると判定された場合には、ステップS28に進み、既存設備によって対応可能な通電時間tとなるようにパネル材の板厚候補が逆算される。
これまで説明したように、設計者によって作成されたCADデータと、既存設備を用いた過去の量産データとに基づいて、溶接条件(加圧力P,溶接電流I,通電時間t)を設定している。すなわち、接合パネル群の設計情報(板厚,材質,弾性力,メッキ厚さ等)だけでなく、接合パネル群の工程情報(溶接設備の能力,タクトタイム等)を加味することにより、適切な溶接条件が設定されるようになっている。これにより、既存設備の溶接装置に合致した溶接条件を素早く得ることができるため、何度も試作や評価を繰り返しながら溶接条件をチューニングする必要がなく、開発コストを引き下げることができるとともに、開発期間を短縮することが可能となる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前述の説明では、溶接条件設定装置20を用いて溶接条件の算出処理を実行しているが、汎用のコンピュータに本発明の溶接条件設定プログラムを読み込ませることにより、汎用のコンピュータを用いて溶接条件の算出処理を実行させるようにしても良い。
また、前述の説明では、式(1)を用いて加圧力Pを算出し、式(2)を用いて溶接電流Iを算出し、式(3)を用いて通電時間tを算出しているが、これらの式に限られることはなく、他の式を用いてこれらの溶接条件(加圧力P,溶接電流I,通電時間t)を算出しても良い。なお、前述の説明では、自動車車体に関するスポット溶接の溶接条件を算出しているが、自動車車体に限られることはなく、スポット溶接が施される部品であれば他の部品であっても良いことはいうまでもない。
20 溶接条件設定装置
31 構成部品特定部(部品特定手段)
32 形状パターン特定部(形状特定手段)
33 工程パターン特定部(工程特定手段)
34 計算式特定部(溶接条件設定手段)
35 加圧力計算部(溶接条件設定手段)
36 溶接電流計算部(溶接条件設定手段)
37 通電時間計算部(溶接条件設定手段)
P 加圧力(溶接条件)
I 溶接電流(溶接条件)
t 溶接時間(溶接条件)

Claims (4)

  1. スポット溶接を行う際の溶接条件を設定する溶接条件設定装置であって、
    設計されたスポット打点の座標情報に基づいて、スポット溶接が施される接合パネル群を特定する部品特定手段と、
    前記接合パネル群の設計情報に基づいて、過去の量産データに基づく部品の形状パターンデータを参照し、前記接合パネル群の形状情報を特定する形状特定手段と、
    前記接合パネル群の形状情報に基づいて、過去の量産データに基づく工程パターンデータを参照し、前記接合パネル群の工程情報を特定する工程特定手段と、
    前記接合パネル群の設計情報に工程情報を加味して溶接条件を設定する溶接条件設定手段とを有することを特徴とする溶接条件設定装置。
  2. 請求項1記載の溶接条件設定装置において、
    前記溶接条件とは、加圧力、溶接電流および通電時間であることを特徴とする溶接条件設定装置。
  3. スポット溶接を行う際の溶接条件を設定する溶接条件設定プログラムであって、
    設計されたスポット打点の座標情報に基づいて、スポット溶接が施される接合パネル群を特定する部品特定ステップと、
    前記接合パネル群の設計情報に基づいて、過去の量産データに基づく部品の形状パターンデータを参照し、前記接合パネル群の形状情報を特定する形状特定ステップと、
    前記接合パネル群の形状情報に基づいて、過去の量産データに基づく工程パターンデータを参照し、前記接合パネル群の工程情報を特定する工程特定ステップと、
    前記接合パネル群の設計情報に工程情報を加味して溶接条件を設定する溶接条件設定ステップとを有することを特徴とする溶接条件設定プログラム。
  4. 請求項3記載の溶接条件設定プログラムにおいて、
    前記溶接条件とは、加圧力、溶接電流および通電時間であることを特徴とする溶接条件設定プログラム。
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