JP2011072132A - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ Download PDF

Info

Publication number
JP2011072132A
JP2011072132A JP2009221379A JP2009221379A JP2011072132A JP 2011072132 A JP2011072132 A JP 2011072132A JP 2009221379 A JP2009221379 A JP 2009221379A JP 2009221379 A JP2009221379 A JP 2009221379A JP 2011072132 A JP2011072132 A JP 2011072132A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
ultrasonic motor
drive
layer
sensing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009221379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5476079B2 (ja
Inventor
Ryoichi Fukunaga
了一 福永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Cement Corp filed Critical Taiheiyo Cement Corp
Priority to JP2009221379A priority Critical patent/JP5476079B2/ja
Publication of JP2011072132A publication Critical patent/JP2011072132A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5476079B2 publication Critical patent/JP5476079B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

【課題】拡がり振動モードと曲げ振動モードとを組み合わせた多重振動モードで駆動される超音波モータにおいてコンパクトな構成で駆動の効率的な検出および制御を可能にする超音波モータを提供する。
【解決手段】多重振動モードの振動に用いられる矩形の超音波モータであって、積層された圧電層と、積層された圧電層間に交互に内層された駆動電極4dおよびグランド電極と、積層された圧電層のうち駆動検出に用いられるものの一方の主面側で、駆動電極が内層された面内に内層されたセンシング電極4eとを備え、二組の辺のうち、一方の組の辺の長さをLとし、他方の組の辺の長さをwとしたとき、拡がり振動の共振周波数と曲げ振動の共振周波数とが実質的に同一となるw/Lの値に基づいて形成されている。これにより、圧電活性層の比率が大きく、効率のよい高性能の超音波モータを提供できる。
【選択図】図7C

Description

本発明は、矩形積層型の圧電振動子を多重振動モードで振動させる超音波モータに関する。
従来、積層型圧電素子が用いられた超音波モータやアクチュエータにセンサ用の電極を設け、そこから取り出した信号により積層型圧電素子の動作を制御しようとする技術が知られている(特許文献1、2、3)。
特許文献1記載のアクチュエータは、アクチュエータ部とセンサ部とが絶縁材料層を介して一体に積層されてなり、センサ部には圧電材料層として厚さ方向に分極処理が済んでいる圧電セラミックスが用いられている。そして、アクチュエータ部が厚さ方向に変位すると変位量に応じてセンサ部の電界が変位し、この電界の変位量が電圧信号としてサンプルホールドされて制御部にフィードバックされることで、アクチュエータ部に発生した応力変動を非線形的に検出し、センシング感度を向上させている。
特許文献2記載の積層圧電素子は、圧電セラミックスの片面側に電極を形成した圧電素子板を厚み方向に複数枚積層した積層圧電素子において、圧電セラミック層の一部をセンサー相として用い、最上層の圧電素子板にセンサー相の信号取り出し用の電極を設けている。そして、1波長幅のセンサー電極を導通穴と非接触に設け、一方最上層の圧電素子板にはスルーホールなどによりセンサー電極と導通する電極が形成されており、このようなセンサー相により振動波駆動装置の駆動制御を高精度に行おうとしている。
特許文献3記載の振動波モータは、積層圧電素子において第1層に表面電極層が配置され、第2層に圧電層が配置されている。第3層から第N層までの層においては、異なる圧電層が交互に配置されており、圧電層の表面には、4分割された内部電極が形成されている。圧電層の表面には、4分割された内部電極が形成されており、各圧電層において、センサ相である内部電極およびそれと同位相に配置されている内部電極とのみが圧電層の外部に露出するように形成されており、これにより小型の振動波モータの進行波ムラの低減を図っている。
特許3059038号公報 特許3729781号公報 特開2007−13039号公報
上記のように、センサ用の電極を設けた圧電アクチュエータは存在するが、拡がり振動モードと曲げ振動モードとを組み合わせた多重振動モードで駆動される超音波モータにおいては、電極によりセンシングを行う構成が開発されておらず、駆動の効率的な検出および制御が行われていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、拡がり振動モードと曲げ振動モードとを組み合わせた多重振動モードで駆動される超音波モータにおいてコンパクトな構成で駆動の効率的な検出および制御を可能にする超音波モータを提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の超音波モータは、多重振動モードの振動に用いられる矩形の超音波モータであって、積層された圧電層と、前記積層された圧電層間に交互に内層された駆動電極およびグランド電極と、前記積層された圧電層のうち駆動検出に用いられるものの一方の主面側で、前記駆動電極が内層された面内に内層されたセンシング電極とを備え、二組の辺のうち、一方の組の辺の長さをLとし、他方の組の辺の長さをwとしたとき、拡がり振動の共振周波数と曲げ振動の共振周波数とが実質的に同一となるw/Lの値に基づいて形成されていることを特徴としている。
このように、駆動電極とセンシング電極とを同一面内に設けることによって動作に寄与しない不活性層体積比率を少なくすることができる。そして、矩形積層型の圧電振動子を拡がり振動と曲げ振動の多重モードで振動させる超音波モータをコンパクトに構成できる。その結果、センシング層を駆動層と別層にする場合より圧電活性層の比率が大きくなるため効率のよい高性能の超音波モータを提供することが可能になる。
(2)また、本発明の超音波モータは、前記センシング電極が、全体の中心に対称な位置に2つ設けられていることを特徴としている。これにより、構造に対称性を持たせて動作の偏りを無くしている。
(3)また、本発明の超音波モータは、前記センシング電極が、2分の1電極面積を有し、前記センシング電極が内装された面内にある駆動電極は、2分の1電極面積を有することを特徴としている。これにより、センシング層により駆動層の駆動を妨げられることなく、超音波モータを駆動させながら駆動状態の検出を行うことができる。
(4)また、本発明の超音波モータは、前記内層された駆動電極、グランド電極およびセンシング電極が、外部電極によりそれぞれ入力、接地および検出の端子に接続されていることを特徴としている。このように、スルーホールを用いず外部接続にすることにより動作活性層体積比率を大きくしたことで動作に寄与しない不活性層体積比率を少なくすることができる。
(5)また、本発明の超音波モータは、前記圧電層が、同一層内で2つの分極方向に分極されており、前記内層された駆動電極には、1相の駆動電圧が印加されることを特徴としている。このように、1相駆動した場合にセンシング電極を用いて動作方向電圧に一定の電圧波形を得ることで動作を感知できる。したがって位相差を感知しなくても一定の電圧波形のみ感知できればよくセンサ回路を簡略化できる。
本発明によれば、拡がり振動モードと曲げ振動モードとを組み合わせた多重振動モードで駆動される超音波モータにおいてコンパクトな構成で駆動の効率的な検出および制御を可能にできる。
本発明に係る超音波モータの正面図である。 本発明に係る超音波モータが拡がり振動をしている様子を示す図である。 本発明に係る超音波モータが曲げ振動をしている様子を示す図である。 矩形型の圧電振動子を複数種類の振動モードで振動させたときの周波数スペクトラムを示す図である。 圧電振動子の作製時におけるシート積層の構成の一例を示す図である。 本発明に係る圧電振動子の斜視図である。 駆動層上の電極パターンを示す平面図である。 グランド電極のパターンを示す平面図である。 センシング層上の電極パターンを示す平面図である。 センシング層上の電極パターンを示す平面図である。 第1の実施形態に係る超音波モータの駆動層上の電極に対する配線を示す図である。 第1の実施形態に係る超音波モータのセンシング層上の電極に対する配線を示す図である。 第1の実施形態において時間に対する入力電圧を示すグラフである。 第1の実施形態において時間に対するセンシング電圧を示すグラフである。 第1の実施形態において時間に対するセンシング電圧を示すグラフである。る。 第1の実施形態に係る超音波モータの応用例を示す図である。 第1の実施形態に係る超音波モータの応用例を示す図である。 第2の実施形態に係る超音波モータの駆動層上の電極に対する配線を示す図である。 第2の実施形態において時間に対する入力電圧を示すグラフである。 第2の実施形態において時間に対するセンシング電圧を示すグラフである。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、超音波モータ10の正面図である。図1に示すように、超音波モータ10は圧電振動子1と摺動チップ2を備えており、矩形積層型の圧電振動子1を多重振動モードで振動させることで駆動可能となっている。圧電振動子1は、矩形積層型の圧電セラミックスから形成されており、各層は図1のz方向の正負のいずれか向きに分極している。この圧電振動子1には、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックス等の公知の材料を用いることができる。一般的なセラミックスの製造プロセス、例えば、圧電セラミックス粉末の成形(脱脂)、焼成、加工という製造プロセスに従って、圧電振動子1を作製する。作製した圧電振動子1に銀ペーストをスクリーン印刷等により所定のパターンで塗布し、焼成することによって、一方の主面に、後述する2つの電極を設けることができる。
また、圧電振動子1の紙面に対して上側の中央部に、駆動力を伝達する摺動チップ2が設けられている。この摺動チップ2は、耐摩耗性に優れた材料が用いられる。例えば、アルミナやジルコニア、窒化珪素、炭化珪素等のセラミックス部品や、超剛等の耐摩耗性金属部品、硬質金属材料の表面にセラミックス薄膜やダイヤモンド薄膜をコーティングした部品等が好適に用いられる。
なお、図中に点線で示すように、圧電振動子1のy方向端部の両端部に摺動チップ3aおよび3bを設けても良い。圧電振動子1のy方向端部の中央部に摺動チップ2を設けた場合は、円板や球体等の回転体を駆動するのに好適であり、圧電振動子1のy方向端部の両端部に摺動チップ3aおよび3bを設けた場合は、直線的に動作する摺動体を駆動するのに好適である。また、図1に示すように、矩形型の圧電振動子1の二組の辺のうち、一方の組の辺の長さはLであり、他方の組の辺の長さはwである。
図2は、超音波モータ10が拡がり振動をしている様子を示す図である。拡がり振動とは、矩形型の圧電振動子1が、中心から四辺の方向へ伸縮を繰り返す振動である。圧電振動子1の電位分布は、等電位線がほぼ平行に端面に向かって高くなる。図3は、超音波モータ10が曲げ振動をしている様子を示す図である。曲げ振動とは、矩形型の圧電振動子1が二次元的に屈曲するのであるが、電位分布は、出力側中心部とその幅方向の両側に逆符号の電位が発生する。図2に示す拡がり振動モードと図3に示す曲げ振動モードとが合成(縮退)することによって、摺動チップ2、または摺動チップ3aおよび3bは、楕円運動をし、駆動力が生ずる。
次に、超音波モータの駆動原理について説明する。図4は、矩形型の圧電振動子1を、拡がり振動モード(Expand Mode)および曲げ振動モード(Flexural Mode)で振動させたときの周波数スペクトラムを示す図である。矩形型の圧電振動子1の二組の辺のうち、一方の組の辺の長さはLであり、他方の組の辺の長さはwであるとし、図4に示すように、w/Lを変数として、w/Lと圧電振動子の拡がり振動モードの共振周波数とを対応させると共に、w/Lと曲げ振動モードの共振周波数とを対応させる。
なお、図4ではL=20mmで固定し、w(Width)のみを変化させている。この場合、wが17.0mm、すなわち、縦横の二辺の比(以下、「辺比」という。)w/Lが、0.85付近で両者の共振周波数が一致し、二つの振動が縮退する。このときの共振周波数は、107kHz〜108kHzとなっている。このように、辺比が0.85であり、一辺が20mm程度の正方形となるため、小型化が可能となる。
図5は、圧電振動子1の作製時におけるシート積層の構成の一例を示す図である。図中のシート番号は積層するシートの番号を、シート厚は各シートの厚さを、内層印刷の種類は内層印刷のパターンを示している。印刷パターンJ1、GND、S1、S2は、後述の電極パターンに対応している。図5に示す例では、圧電振動子の第3〜6シート、第11〜14シート、第25〜28シート、第33〜36シートが駆動層となるシートであり、第3シート、第11シート、第29シート、第37シートのシート上には駆動電極が印刷されている。駆動層とは、電圧が印加されることで変位を生じさせる圧電層である。
また、第7シート、第15シート、第25シート、第33シートのシート上にはグランド電極が印刷されている。また、第15〜18シート、第21〜24シートはセンシング層となるシートであり、層上の同一面内にはセンシング電極および駆動電極が印刷されている。このようにシートを積層して形成された成形体を焼成することで圧電振動子1が得られる。センシング層とは、駆動を検出するための圧電層である。なお、上記の積層構造は一例であり、必ずしもこの順番である必要はないが、電極パターンの位置が中心対称となるように積層されていることが好ましい。
図6は、圧電振動子1の斜視図である。圧電振動子1は、矩形積層型の圧電セラミックスから形成されており、各層の分極方向は、図6に示す座標軸のz軸方向の正負のいずれかに一致している。また、圧電振動子1はxy平面の方向に拡がり振動モードで振動し、圧電振動子1のx軸方向の長さはL、y軸方向の長さはwである。
圧電振動子1は、積層された圧電層の表面または層間に交互に設けられたグランド電極および駆動電極を有している。また、圧電振動子1は、駆動電極と同じ面内に設けられ、圧電振動子1の動作を信号として検出するセンシング電極を有している。つまりセンシング電極は、駆動層の一方の主面側で、駆動電極が内層された面内に内層されている。
図7Aは、駆動層上の電極パターンJ1を示す平面図である。駆動電極4a、4bは、それぞれ概ね主面の2分の1の面積に等分されている。そして、それぞれ圧電振動子1の側面に露出する取り出し部分を有している。電極パターンにおいて対角の関係にある駆動電極4a、4bそれぞれには所定の交流電圧が印加され、駆動電極4bには駆動電極4aへの印加電圧とは位相がπ/2異なる電圧を印加する。
図7Bは、グランド電極のパターンGNDを示す平面図である。グランド電極4cと駆動電極4a、4b、4d、4fとの間に電界が生じることで、その間の圧電層1bが変位する。また、グランド電極4cとセンシング電極4e、4gとの間の圧電層1bが変位することでセンシング電極4e、4gに電圧が発生し、圧電振動子1の駆動を検出することができる。
図7C、図7Dは、それぞれセンシング層上の電極パターンS1、S2を示す平面図である。センシング層は、積層された圧電層のうち駆動検出に用いられるものである。センシング電極4e、4gは、主面全体を2分割したときの1つの矩形形状に形成され、2分の1電極面積を有している。また、駆動電極4d、4fも、主面全体を2分割したときの1つの矩形形状に形成され、2分の1電極面積を有している。これにより、センシング層により駆動層の駆動を妨げられることなく、超音波モータを駆動させながら駆動状態の検出を行うことができる。
このように、駆動電極4d、4fは、センシング電極4e、4gと同一平面上に設けている。これにより、動作に寄与しない不活性層体積比率を少なくし、コンパクトに外部取り出し電極を構成できる。そして、矩形積層型の圧電振動子1を曲げ振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動させる超音波モータをコンパクトに構成できる。その結果、センシング層を駆動層とは別層にする場合より圧電活性層の比率が大きくなるため、超音波モータ10をセンシング層付きでかつ高性能なものとすることができる。
駆動電極4a、4b、4d、4fは、外部電極により入力端子に接続されている。また、グランド電極4cは、外部電極により接地端子に接続されている。各センシング電極4e、4gも外部電極により、検出端子を介して後述の検出部6に接続されている。このように、スルーホールを用いず外部接続にすることにより動作活性層体積比率を大きくし、動作に寄与しない不活性層体積比率を少なくすることができる。
駆動電極4d、4fには、駆動電極4bと同じ電圧が印加される。2つのセンシング電極4e、4gは、それぞれ圧電振動子1の中心に対称な位置に設けられている。これにより、構造に対称性を持たせて動作の偏りを無くしている。なお、各駆動電極4a、4b、4d、4fについても、中心対称に設けられていることが好ましい。
図8は、超音波モータ10の駆動層上の電極に対する配線を示す図である。図8では、圧電振動子1の駆動層上の電極面を模式的に切り出して示している。図8に示すように、超音波モータ10において、駆動層上には、矩形の圧電層1bの一方の主面を2分割するように、駆動電極4aと駆動電極4bとが設けられている。そして、駆動層の他方の主面にはグランド電極4cが設けられ、接地されている。駆動電極4a、4bは、互いに絶縁された状態で個別に設けられる。
超音波モータ10の駆動回路は、2つの交流電圧源5a、5bによって構成される。交流電圧源5aは、駆動電極4aにVsinωtの電圧を印加し、交流電圧源5bは、駆動電極4bにVcosωtの電圧を印加する。このように、圧電振動子1の駆動電極4a、4bに対して位相がπ/2ずれた電圧VsinωtおよびVcosωtが印加されると、圧電振動子1には、図2および図3に示すように、xy平面上で拡がる拡がり振動モードの振動と、xy平面上で曲がる曲げ振動モードの振動とが発生する。
そして、拡がり振動モードの共振周波数と、曲げ振動モードの共振周波数とが等しいときに、両振動モードが合成(縮退)され、圧電振動子1のチップ(図8に図示せず)には楕円振動が発生する。なお、電圧VsinωtとVcosωtとは、それぞれ第1の交流電圧と第2の交流電圧とに該当する。両者が入れ替わっても何ら問題はない。
このように、いずれか一方の主面上に2枚の電極が並設されているため、L1F2モードの場合のように、主面を4つの領域に分けて、それぞれに電力を配置し、対角に位置する電極同士を接続しなければならない構成よりも簡単な構成にすることができる。
なお、上記の例では、2相信号入力の構成を説明しているが、1相信号入力の構成を採ってもよい。この場合、一方の駆動電極4aに、交流電圧源5aによってVsinωtの交流信号を印加し、他方の駆動電極4bを開放状態とすることで動作させることも可能である。
図9は、超音波モータ10のセンシング層上の電極に対する配線を示す図である。図9に示すように、駆動電極4dには、図8に示す駆動電極4aと同じ電圧が印加される。その結果、センシング層も駆動層と同様に変位し、効率の良い駆動が可能になる。一方、駆動によりセンシング電極4eに生じた電圧は、センシング電極4eに接続された検出部6により検出される。また、センシング電極4gに生じた電圧は、同様にしてセンシング電極4gに接続された検出部により検出される。
次に、超音波モータ10を2相で駆動させたときの動作を説明する。図10Aは、時間に対する入力電圧を示すグラフである。図10Aに示す駆動電圧Vaは、交流電圧源5aにより駆動電極4aに印加される電圧であり、Va=Vsinωtと表せる。また、駆動電圧Vbは、交流電圧源5bにより駆動電極4bに印加される電圧であり、Vb=Vcosωtと表せる。
図10B、図10Cは、それぞれ時間に対するセンシング電圧を示すグラフである。図10Bに示す検出電圧VS1は、センシング電極4eに発生する電圧である。また、図10Bに示す検出電圧VS2は、センシング電極4gに発生する電圧である。図10B、図10Cに示す例では、検出電圧VS1は、駆動電圧Va、Vbを合成した波の位相を有するサイン波である。また、検出電圧VS2は、検出電圧VS1と位相をπ変えたサイン波である。これらは、超音波モータの駆動が正常であることを示している。たとえば、検出電圧VS1と検出電圧VS2の位相が上記の場合の逆であれば、誤動作していることが分かる。その場合には駆動電圧Va、Vbの各位相を逆にし、電圧の大きさを調整することで超音波モータ10の駆動を正常になるよう調整する。
図11Aは、超音波モータ10の応用例を示す図である。超音波モータ10は、駆動層の側面の中央部に摺動チップ2を1つ備える構成を採る。この構成は、円板や球体等の回転体を駆動するのに好適であり、円板50を図11A中、矢印の方向に回転させる。
図11Bは、超音波モータ10の応用例を示す図である。この超音波モータ10は、圧電振動子1の紙面に対して左端の両端部に摺動チップ3a、3bを2つ備える構成を採る。この構成では、直線的に動作する摺動体を駆動するのに好適であり、実施例2では、リニアガイド60にスライド自在に配置されたスライダ61を、図11B中、矢印の方向にスライドさせる。
以上説明したように、本実施形態によれば、圧電振動子1が、拡がり振動の共振周波数と曲げ振動の共振周波数とが実質的に同一となるw/Lの値に基づいて形成されているので、他のモード、例えば、L1F2モードで駆動させる場合よりも圧電振動子の主面の形状を正方形に近いものとすることができる。その結果、全体の寸法が扁平とならないため、奥行き寸法を小さくすることができる。これにより、パワー入力を従来のものよりも大きく取ることが可能となる。
[第2の実施形態]
上記の実施形態では、各駆動電極4a、4bに位相の異なる電圧を印加するが、b同位相の電圧を印加してもよい。その場合には、あらかじめ各駆動電極4a、4bとグランド電極との間の圧電層をそれぞれ逆方向に分極処理しておく。このように、圧電層は、同一層内で2つの分極方向に分極されており、駆動電極には1相の駆動電圧が印加される。
このように、1相駆動した場合に2つのセンシング電極を用いて動作方向電圧に一定の電圧波形を得ることで超音波モータ10の動作を感知できる。したがって位相差を感知しなくても一定の電圧波形のみ感知できればよく、センサ回路を簡略化できる。
図12は、超音波モータ10の駆動層上の電極に対する配線を示す図である。センシング層に対する配線については上記の実施形態と同様である。図13A、図13Bは、時間に対する入力電圧を示すグラフである。図13Bに示す検出電圧VS1、VS2は、センシング電極4e、4gに発生する検出電圧である。図12Bに示す例では、検出電圧VS1、VS2は、駆動電圧Va、Vbを合成した波の位相を有するサイン波である。これは、超音波モータの駆動が正常であることを示している。たとえば、検出電圧VS1、VS2の位相が上記の場合の逆であれば、誤動作していることが分かる。その場合には駆動電圧Va、Vbの位相を逆にし、電圧の大きさを調整することで超音波モータ10の駆動を正常になるよう調整する。
1 圧電振動子
2 摺動チップ
3a、3b 摺動チップ
4a、4b、4d、4f 駆動電極
4c グランド電極
4e、4g センシング電極
5a、5b 交流電圧源
6 検出部
10 超音波モータ
50 円板
60 リニアガイド
61 スライダ
GND グランド電極のパターン
J1 駆動層上の電極パターン
S1、S2 センシング層上の電極パターン
Va、Vb 駆動電圧
S1、VS2 検出電圧

Claims (5)

  1. 多重振動モードの振動に用いられる矩形の超音波モータであって、
    積層された圧電層と、
    前記積層された圧電層間に交互に内層された駆動電極およびグランド電極と、
    前記積層された圧電層のうち駆動検出に用いられるものの一方の主面側で、前記駆動電極が内層された面内に内層されたセンシング電極とを備え、
    二組の辺のうち、一方の組の辺の長さをLとし、他方の組の辺の長さをwとしたとき、拡がり振動の共振周波数と曲げ振動の共振周波数とが実質的に同一となるw/Lの値に基づいて形成されていることを特徴とする超音波モータ。
  2. 前記センシング電極は、全体の中心に対称な位置に2つ設けられていることを特徴とする請求項1記載の超音波モータ。
  3. 前記センシング電極は、2分の1電極面積を有し、
    前記センシング電極が内装された面内にある駆動電極は、2分の1電極面積を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の超音波モータ。
  4. 前記内層された駆動電極、グランド電極およびセンシング電極は、外部電極によりそれぞれ入力、接地および検出の端子に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波モータ。
  5. 前記圧電層は、同一層内で2つの分極方向に分極されており、
    前記内層された駆動電極には、1相の駆動電圧が印加されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波モータ。
JP2009221379A 2009-09-25 2009-09-25 超音波モータ Expired - Fee Related JP5476079B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009221379A JP5476079B2 (ja) 2009-09-25 2009-09-25 超音波モータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009221379A JP5476079B2 (ja) 2009-09-25 2009-09-25 超音波モータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011072132A true JP2011072132A (ja) 2011-04-07
JP5476079B2 JP5476079B2 (ja) 2014-04-23

Family

ID=44016850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009221379A Expired - Fee Related JP5476079B2 (ja) 2009-09-25 2009-09-25 超音波モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5476079B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06121552A (ja) * 1992-02-28 1994-04-28 Toko Inc 圧電アクチュエータ
JPH10309085A (ja) * 1997-05-06 1998-11-17 Olympus Optical Co Ltd 超音波モータ
JP2005185085A (ja) * 2003-11-27 2005-07-07 Olympus Corp 超音波アクチュエータ駆動装置及び超音波アクチュエータ駆動方法
JP2007325466A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Konica Minolta Opto Inc 駆動装置
JP2008043123A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Olympus Corp 超音波モータ及び超音波モータの振動検出方法
JP2008136318A (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Olympus Corp 超音波モータ及び顕微鏡ステージ
JP2009117559A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Olympus Corp 積層圧電素子及び超音波モータ

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06121552A (ja) * 1992-02-28 1994-04-28 Toko Inc 圧電アクチュエータ
JPH10309085A (ja) * 1997-05-06 1998-11-17 Olympus Optical Co Ltd 超音波モータ
JP2005185085A (ja) * 2003-11-27 2005-07-07 Olympus Corp 超音波アクチュエータ駆動装置及び超音波アクチュエータ駆動方法
JP2007325466A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Konica Minolta Opto Inc 駆動装置
JP2008043123A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Olympus Corp 超音波モータ及び超音波モータの振動検出方法
JP2008136318A (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Olympus Corp 超音波モータ及び顕微鏡ステージ
JP2009117559A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Olympus Corp 積層圧電素子及び超音波モータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP5476079B2 (ja) 2014-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4794897B2 (ja) 超音波モータ
JP4795158B2 (ja) 超音波モータ
JP4891053B2 (ja) 超音波モータ
JP4795162B2 (ja) 超音波モータ及び超音波モータの振動検出方法
JP4954784B2 (ja) 駆動装置
JP4892661B2 (ja) 超音波モータ用振動子
JP5476079B2 (ja) 超音波モータ
JP4954783B2 (ja) 圧電素子及び振動型アクチュエータ
JP5486256B2 (ja) 超音波モータ
US7336022B2 (en) Piezoelectrical bending converter
JP5486255B2 (ja) 超音波モータ
JP5275734B2 (ja) 超音波モータ
JP2006333682A (ja) 超音波モータの駆動信号周波数設定方法及び超音波モータの駆動装置
US11195984B2 (en) Piezoelectric transformer
JP4405590B2 (ja) 駆動装置
JP2006304425A (ja) 超音波モータの運転方法
JP2008067539A (ja) 超音波アクチュエータ、及びその振動体の製造方法
JP5491718B2 (ja) 超音波モータ
JP4818853B2 (ja) 超音波モータ素子
Wang et al. Deflection characteristics of a trapezoidal multilayer in-plane bending piezoelectric actuator
JP5296469B2 (ja) 超音波モータ
JP2010060359A (ja) 圧電振動子および角速度センサ
JP2004248399A (ja) 振動子および超音波モータ
JP4818858B2 (ja) 超音波モータ素子
JP2008236980A (ja) 超音波モータ素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees