JP2011069585A - 回転体への給電機構及びこれを用いたペルチェ式空気調和機 - Google Patents
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- Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)
Abstract
【課題】スリップリングを用いた回転体への給電における当該スリップリングの磨耗や騒音発生という問題を解消することができる回転体への給電機構を提供する。
【解決手段】回転体(2)に設けられた回転体側接点(4)と、電源(12)に接続された電源側接点(9)との電気的接続により当該電源(12)から回転体(2)に給電する機構(1)。互いに対向して配置された回転体側接点(4)及び電源側接点(9)を備えており、これら回転体側接点(4)及び電源側接点(9)は、導電性を有しており、且つ、一方が磁化された磁性体からなり且つ他方が磁性体からなるか、又は、両方とも磁化された磁性体からなっている。前記回転体側接点(4)と電源側接点(9)との間に空隙(G)を設け、この空隙(G)に、接点間を連結するに足る量の、導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子(14)を満たしている。
【選択図】図1
【解決手段】回転体(2)に設けられた回転体側接点(4)と、電源(12)に接続された電源側接点(9)との電気的接続により当該電源(12)から回転体(2)に給電する機構(1)。互いに対向して配置された回転体側接点(4)及び電源側接点(9)を備えており、これら回転体側接点(4)及び電源側接点(9)は、導電性を有しており、且つ、一方が磁化された磁性体からなり且つ他方が磁性体からなるか、又は、両方とも磁化された磁性体からなっている。前記回転体側接点(4)と電源側接点(9)との間に空隙(G)を設け、この空隙(G)に、接点間を連結するに足る量の、導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子(14)を満たしている。
【選択図】図1
Description
本発明は回転体への給電機構及びこれを用いたペルチェ式空気調和機に関する。さらに詳しくは、スリップリングを用いることなく回転体に給電することができる給電機構及びこれを用いたペルチェ式空気調和機に関する。
オフィスの机上、売店、各種作業場などにおいて部屋全体ではなく局所的な空調を行うために、個別ないしはパーソナル空調機が用いられている。この場合、空調用の熱源装置としては、従来の冷媒循環型の熱源装置以外に、ペルチェ素子を利用した熱源装置が知られている。
ペルチェ素子を利用する場合、圧縮機及びその駆動源などを省略することができるため、冷媒循環型の熱源装置に比べ小型化を図ることができるが、ペルチェ素子による空気の冷却効果又は空気への放熱効果を高めるために伝熱フィンが必要であり、また、空気流をつくるための送風機も必要であり、装置の小型化にも限界があった。
そこで、本出願人は、さきに、熱源素子(ペルチェ素子)及び羽根状フィンを支持する伝熱板をモータに連結し、伝熱板及び羽根状フィンをモータで回転させる熱源装置及び空調機を提案している(特許文献1参照)。この空調機では、伝熱フィンとしての羽根状フィンが回転することから空気との接触効率が増大し、また、羽根状フィンが送風機能を有することから、装置のコンパクト化を図ることができる。
かかる特許文献1記載の熱源装置では、伝熱板とともにペルチェ素子も回転することになるが、このペルチェ素子への給電はスリップリングを介して行っている。
かかる特許文献1記載の熱源装置では、伝熱板とともにペルチェ素子も回転することになるが、このペルチェ素子への給電はスリップリングを介して行っている。
しかしながら、スリップリングによる回転体への給電は、当該スプリングリップリングの磨耗や、スリップリングと回転体との摺接による騒音という問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、スリップリングを用いた回転体への給電における当該スリップリングの磨耗や騒音発生という問題を解消することができる回転体への給電機構及びこれを用いたペルチェ式空気調和機を提供することを目的としている。
本発明の第1の観点に係る回転体への給電機構(以下、単に「給電機構」ともいう)は、回転体に設けられた回転体側接点と、電源に接続された電源側接点との電気的接続により当該電源から回転体に給電する機構であって、
互いに対向して配置された回転体側接点及び電源側接点を備えており、
これら回転体側接点及び電源側接点は、導電性を有しており、且つ、一方が磁化された磁性体からなり且つ他方が磁性体からなるか、又は、両方とも磁化された磁性体からなり、
前記回転体側接点と電源側接点との間に空隙を設け、この空隙に、接点間を連結するに足る量の、導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子を満たしたことを特徴としている。
互いに対向して配置された回転体側接点及び電源側接点を備えており、
これら回転体側接点及び電源側接点は、導電性を有しており、且つ、一方が磁化された磁性体からなり且つ他方が磁性体からなるか、又は、両方とも磁化された磁性体からなり、
前記回転体側接点と電源側接点との間に空隙を設け、この空隙に、接点間を連結するに足る量の、導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子を満たしたことを特徴としている。
本発明の第1の観点に係る給電機構では、互いに対向して配置された回転体側接点及び電源側接点が、導電性を有し、且つ、一方が磁化された磁性体からなり且つ他方が磁性体からなるか、又は、両方とも磁化された磁性体からなっている。したがって、両接点間の空隙には磁場が形成されるので、この空隙に磁性体からなる粉体又は粒子を接点間を連結するに足る量だけ満たすと、これら粉体又は粒子は磁力によって空隙間に保持される。その結果、回転体側接点が回転した場合でも、空隙間に保持された粉体又は粒子が飛散することがないので、粉体又は粒子による両接点間の接続状態が保たれる。そして、両接点及び粉体又は粒子は導電性を有しているので、粉体又は粒子を介して電源側接点と回転体側接点とを電気的に接続することができ、電源から回転体に給電することができる。
本発明の第1の観点に係る給電機構では、両接点間の空隙を満たす粉体又は粒子を介して給電するので、従来のスリップリングのような摺接部分が存在しない。したがって、摺接に起因する磨耗や騒音発生といった問題を解消することができる。
本発明の第2の観点に係る給電機構は、回転体に設けられた回転体側接点と、電源に接続された電源側接点との電気的接続により当該電源から回転体に給電する機構であって、 互いに対向して配置された回転体側接点及び電源側接点を備えており、
これら回転体側接点及び電源側接点は、導電性を有しており、且つ、両方とも磁性体からなり、
前記回転体側接点と電源側接点との間に空隙を設け、この空隙に、接点間を連結するに足る量の、導電性を有し且つ磁化された磁性体からなる粉体又は粒子を満たしたことを特徴としている。
これら回転体側接点及び電源側接点は、導電性を有しており、且つ、両方とも磁性体からなり、
前記回転体側接点と電源側接点との間に空隙を設け、この空隙に、接点間を連結するに足る量の、導電性を有し且つ磁化された磁性体からなる粉体又は粒子を満たしたことを特徴としている。
本発明の第2の観点に係る給電機構は、互いに対向して配置された回転体側接点及び電源側接点を備えており、これら回転体側接点及び電源側接点は、導電性を有しており、且つ、両方とも磁性体からなっている。また、両接点間の空隙には磁化された磁性体からなる粉体又は粒子が接点間を連結するに足る量だけ満たされている。したがって、両接点間の空隙に満たされた粉体又は粒子は磁力によって空隙間に保持される。その結果、回転体側接点が回転した場合でも、空隙間に保持された粉体又は粒子が飛散することがないので、粉体又は粒子による両接点間の接続状態が保たれる。そして、両接点及び粉体又は粒子は導電性を有しているので、粉体又は粒子を介して電源側接点と回転体側接点とを電気的に接続することができ、電源から回転体に給電することができる。
本発明の第2の観点に係る給電機構では、両接点間の空隙を満たす粉体又は粒子を介して給電するので、従来のスリップリングのような摺接部分が存在しない。したがって、摺接に起因する磨耗や騒音発生といった問題を解消することができる。また、磁石を省略することができるので、第1の観点に係る給電機構に比べて、構成を簡略化することができる。
第1又は第2の観点に係る給電機構において、前記粉体又は粒子が、銅鉄合金の粉体又は粒子であるのが好ましい。この場合、鉄により磁性体としての機能を確保し、銅により導電性を確保することができる。純粋な鉄は、導電性を有しているが、使用環境により酸化されて酸化鉄になると絶縁体となるため、酸化されて酸化銅になっても導電性を維持することができる銅を成分として含んでいることで、長期に亘り磁性体としての機能及び導電性を確保することができる。
前記銅鉄合金が、銅90%、鉄10%の銅鉄合金であるのが好ましい。この場合、導電性を高めて両接点間の抵抗を小さくしつつ、磁性体としての機能を確保することができる。
第1又は第2の観点に係る給電機構において、前記粉体又は粒子を、磁性体からなる粉体又は粒子を導電性材料でコーティングしたものとすることができる。この場合、粉体又は粒子自身によって磁性体としての機能を確保し、当該粉体又は粒子のコーティング(被覆層)によって導電性を確保することができる。
前記粉体又は粒子を、鉄からなる粉体又は粒子を銅でメッキしたものとすることができる。この場合、鉄からなる粉体又は粒子自身によって磁性体としての機能を確保し、当該粉体又は粒子にメッキされた銅によって導電性を確保することができる。
前記導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子に代えて、磁性体からなる粉体又は粒子を混入してなる、導電性を有する液体状金属を前記空隙に満たすことができる。この場合、磁性体からなる粉体又は粒子の表面が液体状金属で覆われるので当該粉体又は粒子が磨耗することがない。また、液体状金属であるので、接触抵抗の変化が小さくなることから、給電とともに信号の伝送も行うことが可能である。
前記磁性体を鉄とし、前記液体状金属をガリウム、ガリウム合金又は水銀とすることができる。この場合、鉄の粉体又は粒子の表面がガリウム又は水銀で覆われるので当該粉体又は粒子が磨耗することがない。また、前記液体状金属のうちガリウム合金又は水銀は常温で液体状であるので、給電機構へ広く適用することができる。
前記回転体の回転軸の両端面に回転体側接点が設けられており、当該両端面を介して給電が行われるように構成することができる。この場合、回転体の両端面に設けた接点を介して電源から当該回転体に給電することができる。
前記回転体の回転軸の周面に回転体側接点が設けられており、当該周面を介して給電が行われるように構成することができる。この場合、回転体の周面に設けた接点を介して電源から給電することができる。
前記空隙の大きさを1〜5mmとすることができる。この場合、接点同士の接触の可能性を回避しつつ、磁性体からなる粉体又は粒子で空隙を満たして両接点間を電気的に接続することができる。
本発明のペルチェ式空気調和機は、面状のペルチェ素子と、このペルチェ素子の両面に配設された一対の回転伝熱板と、各回転伝熱板の表面に立設された複数の伝熱フィンと、両回転伝熱板の回転中心に配設されたアウタードライブモータと、を備えており、回転伝熱板に挟持されたペルチェ素子への給電を第1又は第2の観点に係る給電機構を用いて行うことを特徴としている。
本発明のペルチェ式空気調和機では、回転体である回転伝熱板に挟持されたペルチェ素子への給電を、従来のスリップリングを用いることなく、導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子を介して行うことができるので、摺接に起因する磨耗や騒音発生といった問題を解消することができる。
前記回転伝熱板及び複数の伝熱フィンによりシロッコファンを構成することができる。この場合、伝熱機能を有する伝熱フィンにより冷却又は加熱された空気を、当該伝熱フィンによって移動(送風)させることができる。
本発明の給電機構及びこれを用いたペルチェ式空気調和機によれば、スリップリングを用いた回転体への給電における当該スリップリングの磨耗や騒音発生という問題を解消することができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の給電機構及びこれを用いたペルチェ式空気調和機の実施の形態を詳細に説明する。
〔給電機構〕
図1は、本発明の一実施の形態に係る給電機構1の説明図である。本発明の給電機構は、回転体に設けられた回転体側接点と、電源に接続された電源側接点との電気的接続により当該電源から回転体に給電する機構であり、図示された給電機構1では、回転体2の回転軸3の両端面を利用して当該回転体2に給電が行われる。
〔給電機構〕
図1は、本発明の一実施の形態に係る給電機構1の説明図である。本発明の給電機構は、回転体に設けられた回転体側接点と、電源に接続された電源側接点との電気的接続により当該電源から回転体に給電する機構であり、図示された給電機構1では、回転体2の回転軸3の両端面を利用して当該回転体2に給電が行われる。
合成樹脂で作製された回転軸3の両端には、磁化された磁性体である短円柱形状の磁石(永久磁石)4が配設されており、各磁石4の先端面(後述する磁石9と対向する対向面)は、有底短円筒形状の回転体側低抵抗部材5で覆われている。各回転体側低抵抗部材5の側面には、接続部6が形成されており、この接続部6に負荷7からの配線8が接続されている。回転体側低抵抗部材5は、導電体である銅で作製されている。回転体側低抵抗部材5は、磁石4と密接しているので、当該回転体側低抵抗部材5を磁力線が通過可能である。また、回転体側低抵抗部材5は、導電性を有する銅で作製されているので、通電可能である。
電流による電気的損失を減らすという観点からは、低抵抗部材5は前述の銅(電気抵抗は1.7×10-6Ω・cm)や白金(電気抵抗は10.3×10-6Ω・cm)などの電気抵抗が小さいほうが望ましい。
電流による電気的損失を減らすという観点からは、低抵抗部材5は前述の銅(電気抵抗は1.7×10-6Ω・cm)や白金(電気抵抗は10.3×10-6Ω・cm)などの電気抵抗が小さいほうが望ましい。
前記磁石4と対向して軸方向に所定距離だけ離れた位置に、固定電極を構成する磁石(永久磁石)9が配設されている。磁場形成体としての磁石4と磁石9は、互いに異なる極性が対向するように選定される。これにより、磁石4と磁石9との間の空隙には、磁場が形成される。
各磁石9の先端面(磁石4と対向する対向面)も、前記磁石4と同様に、有底短円筒形状の電源側低抵抗部材10で覆われている。各電源側低抵抗部材10の側面には、接続部11が形成されており、この接続部11に電源である電池12からの配線13が接続されている。電源側低抵抗部材10は、導電体である銅で作製されている。電源側低抵抗部材10は、磁石9と密接しているので、当該電源側低抵抗部材10を磁力線が通過可能である。また、電源側低抵抗部材10は、導電性を有する銅で作製されているので、通電可能である。
なお、互いに対向する回転体側低抵抗部材5と電源側低抵抗部材10の端面5a、10aの周縁には、後述する粉体又は粒子14の移動を規制するガイド16が軸方向に立設されている。
なお、互いに対向する回転体側低抵抗部材5と電源側低抵抗部材10の端面5a、10aの周縁には、後述する粉体又は粒子14の移動を規制するガイド16が軸方向に立設されている。
磁石4と磁石9との間の空隙、より正確には回転体側低抵抗部材5と電源側低抵抗部材10との空隙Gには、導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子14が、接点間を連結するに足る量だけ満たされている。前述したように、回転体側低抵抗部材5及び電源側低抵抗部材10は、磁化された磁性体である磁石に密接しているので、両低抵抗部材5、10を磁力線が通過することができる。したがって、両接点4、9間の空隙Gには磁場が形成されるので、この空隙Gに磁性体からなる粉体又は粒子14を満たすと、これら粉体又は粒子14は磁力によって空隙G間に保持される。また、両低抵抗部材5、10及び粉体又は粒子14は導電性を有しているので、粉体又は粒子14を介して電源側接点9と回転体側接点4とを電気的に接続することができ、電池12から回転体2とともに回転する負荷7に給電することができる。
特に、磁石4、9としては、例えばネオジウム磁石(電気抵抗が約130×10-6Ω・cm)やヤサコバ磁石(電気抵抗が約86×10-6Ω・cm)などの電気抵抗の小さな磁石が望ましい。これらの磁石は磁石自体が低抵抗なので、前述した低抵抗部材5、10を設けなくても電源側接点(磁石)と回転体側接点(磁石)とを電気的に接続することができる。
特に、磁石4、9としては、例えばネオジウム磁石(電気抵抗が約130×10-6Ω・cm)やヤサコバ磁石(電気抵抗が約86×10-6Ω・cm)などの電気抵抗の小さな磁石が望ましい。これらの磁石は磁石自体が低抵抗なので、前述した低抵抗部材5、10を設けなくても電源側接点(磁石)と回転体側接点(磁石)とを電気的に接続することができる。
粉体又は粒子14の材質は、導電性を有する磁性体である限り、本発明において特に限定されるものではないが、例えば、銅と鉄からなる銅鉄合金、銅、鉄及びニッケルからなる合金(クニフェ)などを用いることができる。これらのうち銅鉄合金を用いた場合、鉄により磁性体としての機能を確保し、銅により導電性を確保することができる。純粋な鉄は、導電性を有しているが、使用環境により酸化されて酸化鉄になると絶縁体となるため、酸化されて酸化銅になっても導電性を維持することができる銅を成分として含んでいることで、長期に亘り磁性体としての機能及び導電性を確保することができる。
前記銅鉄合金のうち、銅90%、鉄10%の銅鉄合金が好ましく、この割合の銅鉄合金は、導電性を高めて両接点間の抵抗を小さくしつつ、磁性体としての機能を確保することができる。
粉体又は粒子14は、例えば前記合金を研磨又は研削することで得ることができ、そのサイズは、空隙Gの大きさや磁場の強さなどに応じて適宜選定することができ、本発明において特に限定されるものではないが、概ね1〜200μmが目安である。
前記空隙Gの大きさは、粉体又は粒子14のサイズ、空隙Gにおける磁場の強さ、接点同士の接触の可能性などを考慮して選定されるが、通常、1〜5mmの範囲で選定される。この範囲内の空隙Gであると、接点同士の接触の可能性を回避しつつ、磁性体からなる粉体又は粒子14で空隙Gを満たして両接点5、10間を確実に電気的に接続することができる。
図2は、本発明の他の実施の形態に係る給電機構101の説明図である。図1に示される実施の形態では、回転軸の両端面に回転体側接点が設けられているが、本実施の形態では、回転軸103の周面103aに回転体側接点120が設けられている。
図2は、回転軸103の軸心方向から見た説明図であり、一方の回転体側接点120しか図示されていないが、当該回転体側接点120から軸方向に所定距離だけ離間した位置に他方の回転体側接点が配設されている。回転体側接点120は、回転軸103に固定された、磁化された磁性体であるリング状の磁石(永久磁石)104と、このリング状の磁石104の外周面(後述する磁石109と対向する対向面)に配設されている回転体側低抵抗部材105とからなっている。
回転軸103の径外方向に所定距離だけ離れた位置に磁化された磁性体である磁石(永久磁石)109が固設されており、この磁石109における、前記回転軸103と対向する面には電源側低抵抗部材110が配設されている。この電源側低抵抗部材110は、図示しない電源に接続されている。
回転体側低抵抗部材105及び電源側低抵抗部材110は、導電体である銅で作製されている。そして、両接点間の空隙Gは、導電性を有する磁性体である銅鉄合金からなる粉体又は粒子114が、接点間を連結するに足る量だけ満たされている。
本実施の形態においても、図1に示される実施の形態と同じく、回転体側低抵抗部材105及び電源側低抵抗部材110は、磁化された磁性体である磁石に密接しているので、両低抵抗部材105、110を磁力線が通過可能である。したがって、両接点間の空隙Gには磁場が形成されるので、この空隙Gに磁性体からなる粉体又は粒子114を満たすと、これら粉体又は粒子114は磁力によって空隙G間に保持される。また、両低抵抗部材105、110及び粉体又は粒子114は導電性を有しているので、粉体又は粒子114を介して電源側低抵抗部材110と回転体側低抵抗部材105とを電気的に接続することができ、電源から回転体に給電することができる。
図3は、回転軸の端面に接点が設けられた実験装置において、両接点が近接している状態を示す写真であり、図4は、同じく両接点が離間している状態を示す写真である。図3〜4において、右側が回転軸であり、左側が固定軸である。近接時の両接点間の距離は、約2mmであり、離間時の両接点間の距離は約5mmである。近接時には、粉体又は粒子がまとまるため、両接点間は盛り上がった形状を呈するが、離間時には、粉体又は粒子が引き伸ばされるため、両接点間は絞られた形状を呈する。
両接点を近接させたり離間させたりしながら、1分間回転軸を回転(3600rpm)させた後に実験装置近傍を観察したが、回転による粉体又は粒子の飛散は確認することができなかった。
〔ペルチェ式空気調和機〕
本発明の給電機構は、例えば特許文献1に記載されたようなペルチェ式空気調和機に適用することができる。
本発明の給電機構は、例えば特許文献1に記載されたようなペルチェ式空気調和機に適用することができる。
図5は、本発明の一実施の形態に係るペルチェ式空気調和機20の説明図である。ペルチェ式空気調和機20は、面状のペルチェ素子21と、このペルチェ素子21の両面に配設された一対の回転伝熱板22と、各回転伝熱板22の表面に立設された複数の伝熱フィン23と、両回転伝熱板22の回転中心に配設されたアウタードライブモータ24と、を備えている。
ペルチェ素子21は、1枚のリング形状のものであっても良いし、複数の小片(矩形、台形、円形など適宜の形状のもの)を周方向に沿ってリング状に配設したものであってもよい。ペルチェ素子21に通電すると、当該ペルチェ素子21の両面が、それぞれ冷却側及び排熱側となり両面間で温度差ができる。
このペルチェ素子21に接して配設された回転伝熱板22及び複数の伝熱フィン23は、熱伝導性を考慮してアルミニウムで作製されており、当該回転伝熱板22及び複数の伝熱フィン23を介して熱が伝導される。すなわち、伝熱フィン23は放熱フィンとしての役割を果たしている。
一方、回転伝熱板22及び複数の伝熱フィン23は、アウタードライブモータ24により駆動されるシロッコファンとしての機能も担っており、回転する伝熱フィン23は、送風機能を備えている。したがって、別途送風機を用意する必要がないので、装置の小型化を図ることができる。
前記ペルチェ素子21を熱源として機能させるためには、回転伝熱板22及び複数の伝熱フィン23とともに回転している当該ペルチェ素子21に給電する必要がある。本実施の形態では、モータとしてアウタードライブモータ24を用いており、モータの回転部(ロータ)25がステータ26の周囲に配設されているので、中央部の回転軸が不要である。このため、図1に示される給電機構1と同様に、通電するための軸(回転軸)27を中央部に配し、その両端に通電のための回転体側低抵抗部材28を配設している。また、各回転体側低抵抗部材28と対向する位置には、固定電極として磁石29を配設しており、各磁石29における前記軸27の端面と対向する面には電源側低抵抗部材30が配設されている。そして、この電源側低抵抗部材30には、電源である電池31が接続されている。
回転体側低抵抗部材28と電源側低抵抗部材30との間の空隙には、前記実施の形態と同様に、導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子32が満たされており、これらの粉体又は粒子32により両低抵抗部材28、30は電気的に接続されている。
本実施の形態のペルチェ式空気調和機20では、回転体である回転伝熱板22に挟持されたペルチェ素子21への給電を、従来のスリップリングを用いることなく、導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子32を介して行うことができるので、摺接に起因する磨耗や騒音発生といった問題を解消することができる。
〔その他の変形例〕
なお、前述した実施の形態は単なる例示に過ぎず、本発明は、かかる実施の形態に限定されるものではない。例えば、前述した実施の形態では、電源側低抵抗部材及び回転体側低抵抗部材の両方を磁化された磁性体である磁石(永久磁石)に密接させているが、いずれか一方だけを磁石に密接させることもできる。この場合でも、磁石と密接していない方の低抵抗部材に密接して磁性体を配設することで、両接点間の空隙に磁場を形成することができ、この空隙に磁性体からなる粉体又は粒子を保持させることができる。
なお、前述した実施の形態は単なる例示に過ぎず、本発明は、かかる実施の形態に限定されるものではない。例えば、前述した実施の形態では、電源側低抵抗部材及び回転体側低抵抗部材の両方を磁化された磁性体である磁石(永久磁石)に密接させているが、いずれか一方だけを磁石に密接させることもできる。この場合でも、磁石と密接していない方の低抵抗部材に密接して磁性体を配設することで、両接点間の空隙に磁場を形成することができ、この空隙に磁性体からなる粉体又は粒子を保持させることができる。
また、前述した実施の形態では、低抵抗部材に密接させた磁石によって形成した磁場を利用して磁性体からなる粉体又は粒子を両接点間の空隙に保持させているが、磁石を用いることなく、導電性を有し且つ磁化された磁性体からなる粉体又は粒子を両接点間の空隙に満たすこともできる。この場合、磁石を省略することができるので、構成を簡略化することができる。
また、前述した実施の形態では、導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子として、銅鉄合金を用いているが、磁性体からなる粉体又は粒子を導電性材料によってコーティングしたもの用いることもできる。この場合、粉体又は粒子自身によって磁性体としての機能を確保し、当該粉体又は粒子のコーティング(被覆層)によって導電性を確保することができる。具体的には、粉体又は粒子を、鉄からなる粉体又は粒子を銅でメッキしたものとすることができる。この場合、鉄からなる粉体又は粒子自身によって磁性体としての機能を確保し、当該粉体又は粒子にメッキされた銅によって導電性を確保することができる。
また、前述した実施の形態では、両接点間の空隙を導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子で満たしているが、これに代えて、磁性体からなる粉体又は粒子を混入してなる、導電性を有する液体状金属を前記空隙に満たすことができる。この場合、磁性体からなる粉体又は粒子の表面が液体状金属で覆われるので当該粉体又は粒子が磨耗することがない。また、液体状金属であるので、接触抵抗の変化が小さくなることから、給電とともに信号の伝送も行うことが可能である。磁性体としては、例えば鉄を用いることができる。液体状金属は、使用温度において液体であればよく、本発明において特に限定されるものではないが、常温で使用する場合、例えばガリウム合金や水銀などを用いることができる。
また、前述した実施の形態では、磁化された磁性体として永久磁石を用いているが、これに限定されるものではなく、永久磁石に代えて電磁石を用いることもできる。
また、前述した実施の形態では、磁石の先端面または周面に低抵抗部材を配設しているが、磁石としてネオジウム磁石などのように低抵抗のものを用いると、かかる低抵抗部材を省略することができる。この場合、磁石自体が、本発明における接点を構成することになる。
また、前述した実施の形態では、磁化された磁性体として永久磁石を用いているが、これに限定されるものではなく、永久磁石に代えて電磁石を用いることもできる。
また、前述した実施の形態では、磁石の先端面または周面に低抵抗部材を配設しているが、磁石としてネオジウム磁石などのように低抵抗のものを用いると、かかる低抵抗部材を省略することができる。この場合、磁石自体が、本発明における接点を構成することになる。
1 給電機構
2 回転体
3 回転軸
4 磁石
5 回転体側低抵抗部材
7 負荷
9 磁石
10 電源側低抵抗部材
12 電池(電源)
14 粉体又は粒子
20 ペルチェ式空気調和機
21 ペルチェ素子
22 回転伝熱板
23 伝熱フィン
24 アウタードライブモータ
27 軸(回転軸)
28 回転体側低抵抗部材
29 磁石
30 電源側低抵抗部材
32 粉体又は粒子
G 空隙
2 回転体
3 回転軸
4 磁石
5 回転体側低抵抗部材
7 負荷
9 磁石
10 電源側低抵抗部材
12 電池(電源)
14 粉体又は粒子
20 ペルチェ式空気調和機
21 ペルチェ素子
22 回転伝熱板
23 伝熱フィン
24 アウタードライブモータ
27 軸(回転軸)
28 回転体側低抵抗部材
29 磁石
30 電源側低抵抗部材
32 粉体又は粒子
G 空隙
Claims (13)
- 回転体(2)に設けられた回転体側接点(4)と、電源(12)に接続された電源側接点(9)との電気的接続により当該電源(12)から回転体(2)に給電する機構(1)であって、
互いに対向して配置された回転体側接点(4)及び電源側接点(9)を備えており、
これら回転体側接点(4)及び電源側接点(9)は、導電性を有しており、且つ、一方が磁化された磁性体からなり且つ他方が磁性体からなるか、又は、両方とも磁化された磁性体からなり、
前記回転体側接点(4)と電源側接点(9)との間に空隙(G)を設け、この空隙(G)に、接点間を連結するに足る量の、導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子(14)を満たしたことを特徴とする回転体への給電機構(1)。 - 回転体(2)に設けられた回転体側接点(4)と、電源(12)に接続された電源側接点(9)との電気的接続により当該電源(12)から回転体(2)に給電する機構(1)であって、
互いに対向して配置された回転体側接点(4)及び電源側接点(9)を備えており、
これら回転体側接点(4)及び電源側接点(9)は、導電性を有しており、且つ、両方とも磁性体からなり、
前記回転体側接点(4)と電源側接点(9)との間に空隙(G)を設け、この空隙(G)に、接点間を連結するに足る量の、導電性を有し且つ磁化された磁性体からなる粉体又は粒子(14)を満たしたことを特徴とする回転体への給電機構(1)。 - 前記粉体又は粒子(14)が、銅鉄合金の粉体又は粒子である請求項1又は2に記載の回転体への給電機構(1)。
- 前記銅鉄合金が、銅90%、鉄10%の銅鉄合金である請求項3に記載の回転体への給電機構(1)。
- 前記粉体又は粒子(14)が、磁性体からなる粉体又は粒子を導電性材料でコーティングしたものである請求項1又は2に記載の回転体への給電機構(1)。
- 前記粉体又は粒子(14)が、鉄からなる粉体又は粒子を銅でメッキしたものである請求項5に記載の回転体への給電機構(1)。
- 前記導電性を有する磁性体からなる粉体又は粒子(14)に代えて、前記空隙(G)に、接点間を連結するに足る量の、磁性体からなる粉体又は粒子を混入してなる導電性を有する液体状金属を満たした請求項1に記載の回転体への給電機構(1)。
- 前記磁性体が鉄であり、前記液体状金属がガリウム、ガリウム合金又は水銀である請求項7に記載の回転体への給電機構(1)。
- 前記回転体(2)の回転軸(3)の両端面に回転体側接点(4)が設けられており、当該両端面を介して給電が行われるように構成されている請求項1〜8のいずれかに記載の回転体への給電機構(1)。
- 前記回転体(102)の回転軸(103)の周面(103a)に回転体側接点(120)が設けられており、当該周面(103a)を介して給電が行われるように構成されている請求項1〜8のいずれかに記載の回転体への給電機構。
- 前記空隙(G)の大きさが1〜5mmである請求項1〜10のいずれかに記載の回転体への給電機構(1)。
- 面状のペルチェ素子(21)と、このペルチェ素子(21)の両面に配設された一対の回転伝熱板(22)と、各回転伝熱板(22)の表面に立設された複数の伝熱フィン(23)と、両回転伝熱板(22)の回転中心に配設されたアウタードライブモータ(24)と、を備えており、回転伝熱板(22)に挟持されたペルチェ素子(21)への給電を請求項1、2又は7に記載された回転体への給電機構(1)を用いて行うことを特徴とするペルチェ式空気調和機(20)。
- 前記回転伝熱板(22)及び複数の伝熱フィン(23)によりシロッコファンが構成されている請求項12に記載のペルチェ式空気調和機(20)。
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JP2009223218A JP2011069585A (ja) | 2009-09-28 | 2009-09-28 | 回転体への給電機構及びこれを用いたペルチェ式空気調和機 |
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Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2009
- 2009-09-28 JP JP2009223218A patent/JP2011069585A/ja active Pending
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