JP2011068620A - シリコーンゴム用接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯科治療において印象採得用や義歯裏装用として用いるシリコーンゴムを義歯や印象用トレーに接着させる際に用いるシリコーンゴム用接着剤を、従来の同種の接着剤と比較して初期接着性が高く、塗布後の乾燥も早く、生体に対しても安全性が高いものにする。
【解決手段】シリコーンゴム用接着剤を、
A)酢酸メチル:99〜40重量%
B)シリコーンレジン,シリコーン生ゴム,シリコーン変成アクリル樹脂,シランカップリング剤,アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン,1分子中に水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン,シリコーン可溶性白金化合物より選ばれる1種又は2種以上の接着付与剤:1〜60重量%
から成る構成とし、更に
C)着色剤、酸化防止剤及び香料の1種以上:0.1〜3重量%
を更に含んでもよい。
【選択図】なし
【解決手段】シリコーンゴム用接着剤を、
A)酢酸メチル:99〜40重量%
B)シリコーンレジン,シリコーン生ゴム,シリコーン変成アクリル樹脂,シランカップリング剤,アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン,1分子中に水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン,シリコーン可溶性白金化合物より選ばれる1種又は2種以上の接着付与剤:1〜60重量%
から成る構成とし、更に
C)着色剤、酸化防止剤及び香料の1種以上:0.1〜3重量%
を更に含んでもよい。
【選択図】なし
Description
本発明は、歯科治療において印象採得用や義歯裏装用として用いるシリコーンゴムを義歯や印象用トレーに接着させる際に用いる接着剤であり、より詳しくは、従来の同種の接着剤と比較して初期接着性が高く、塗布後の乾燥も早く、生体に対しても安全性が高い歯科用シリコーンゴム用接着剤に関するものである。
歯科治療において、口腔内の型取りを行う目的の印象採得用及び義歯の粘膜面に装着する目的の義歯裏装用として、ペースト状のシリコーンゴムを基材とする室温にて硬化する材料を用いる場合がある。
このうち口腔内の型取りを行う目的の印象採得方法では、硬化前のシリコーンゴムペーストを印象用トレーに盛り上げ、口腔内に挿入し、シリコーンゴムペーストが硬化した後に口腔内から印象用トレーと共に撤去するのであるが、印象用トレーに硬化したシリコーンゴム印象材が確実に保持される必要があるため、接着剤を使用することが多い。しかし、口腔内より印象用トレーと共にシリコーンゴム印象材を撤去する際、印象用トレーから硬化したシリコーンゴム印象材が剥がれる問題が発生することがあり、正確な口腔内の印象が得られない問題が発生することがある。このような現象は、接着剤を塗布した後の接着剤中の溶剤が印象用トレーとシリコーンゴム印象材との間に多く残っており、充分に接着剤として効果が得られない場合や、接着剤としての接着力の発現が遅いことから、印象用トレーとシリコーンゴム印象材との接着力が充分に上昇していないうちに口腔内からシリコーンゴム印象材が撤去された場合に起こる現象である。
一方、義歯装着患者のうち、骨の隆起が非常に激しい場合や、口腔粘膜が非常に薄くなった場合の粘膜の痛みを軽減する目的として印象採得時と同様に義歯裏装用としてペースト状のシリコーンゴムを用いる場合がある。この場合、義歯の粘膜面に印象採得時と同様に接着剤を塗布し、乾燥後、ペースト状のシリコーンゴムを義歯の粘膜面に盛り上げ口腔内に挿入し、硬化させ、適切な厚みのシリコーンゴムの硬化体を義歯粘膜面に裏装する作業を行う。この作製作業において、シリコーンゴムが硬化した後、シリコーンゴムの余剰部分を除去すると共に形態修正を行うため、患者の口腔内より義歯を取り出し、硬化したシリコーンゴムを専用の切削、研磨材で除去する操作を行うのであるが、印象採得時と同様に、接着剤を塗布した後の接着剤中の溶剤が義歯の粘膜面とシリコーンゴムとの間に多く残っており、充分に接着剤として効果が得られない場合や、接着剤としての接着力の発現が遅いことから、シリコーンゴムと義歯の粘膜面との接着力が充分に上昇していないうちに切削、研磨が行われることとなり、義歯の粘膜面からシリコーンゴムが剥がれ、充分に痛みの軽減が行えなかったり、口腔内における劣化が激しくなったりする問題も発生する。
このような歯科におけるシリコーンゴムの接着材組成物としては、溶剤としての1,3ジオキソラン及び/又は炭酸ジメチルと、接着性付与剤としてのシリコーンレジン,シランカップリング剤,アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン,1分子中に水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン,シリコーン変性アクリル樹脂から選ばれる1種又は2種以上とから成る構成が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、接着初期の問題については考慮されておらず、印象採得時や義歯裏装時の初期接着性が低いことによる問題は解決していなかった。また、シリコーン組成物と(メタ)アクリル樹脂とを接着させる義歯裏装材としての接着耐久性を向上させる目的として(a)ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物を(b)Si−H基等のヒドロシリル化反応の反応性官能基を有するシロキサンで修飾された(メタ)アクリル系重合体及び(c)酢酸エチル等の有機溶媒をそれぞれ特定割合で含有させた接着剤が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、やはり初期の接着性の向上については検討されておらず、接着初期の剥がれ等の問題については解決できていなかった。
そこで本発明は、印象採得用や義歯の裏装用として用いるシリコーンゴムを印象用トレーや義歯に接着させる際に、初期接着性が高く、塗布後の乾燥も早く、生体に対しても安全性が高いシリコーンゴム用接着剤を提供することを課題とする。
本発明者は前記課題を解決するために鋭意検討した結果、接着付与剤として用いられるシリコーンレジン,シリコーン生ゴム,シリコーン変成アクリル樹脂,シランカップリング剤,アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン,1分子中に水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン,シリコーン可溶性白金化合物より選ばれる1種又は2種以上の接着付与剤と、溶剤としての酢酸メチルとを共に用いることで前記課題が解決できることを究明して本発明を完成した。
即ち本発明は、
A)酢酸メチル:99〜40重量%
B)シリコーンレジン,シリコーン生ゴム,シリコーン変成アクリル樹脂,シランカップリング剤,アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン,1分子中に水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン,シリコーン可溶性白金化合物より選ばれる1種又は2種以上の接着付与剤:1〜60重量%
から成ることを特徴とするシリコーンゴム用接着剤であり、更に
C)着色剤、酸化防止剤及び香料の1種以上:0.1〜3重量%
を更に含んでもよいシリコーンゴム用接着剤である。
A)酢酸メチル:99〜40重量%
B)シリコーンレジン,シリコーン生ゴム,シリコーン変成アクリル樹脂,シランカップリング剤,アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン,1分子中に水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン,シリコーン可溶性白金化合物より選ばれる1種又は2種以上の接着付与剤:1〜60重量%
から成ることを特徴とするシリコーンゴム用接着剤であり、更に
C)着色剤、酸化防止剤及び香料の1種以上:0.1〜3重量%
を更に含んでもよいシリコーンゴム用接着剤である。
本発明に係るシリコーンゴム用接着剤は、印象採得用や義歯の裏装用として用いるシリコーンゴムを印象用トレーや義歯の粘膜面に接着させる際に、初期接着性が高く、塗布後の乾燥も早く、生体に対しても安全性が高いシリコーンゴム用接着剤である。
本発明に係るシリコーンゴム用接着剤に用いる(A)成分である酢酸メチルは、後述する接着付与剤を溶解分散させるための溶剤である。同種の溶剤として酢酸エチルが知られており、多くの接着剤において溶剤として使用されている。しかし、本発明者等は従来から接着付与剤の溶剤として使用されている酢酸エチルに代えて酢酸メチルを使用すると、初期接着性の向上が著しくこのことにより接着初期の剥がれ等の問題が改善されることを初めて究明した。酢酸メチルは、酢酸エチルよりも沸点が低いので、酢酸メチルを溶剤として使用する方が塗布後の乾燥が速い。しかし、この乾燥の速度や初期接着の状態は、接着付与剤との組み合わせにより顕著なものとなる。更に、揮発,乾燥速度の速い接着付与剤用の溶剤として広く用いられている塩素系溶剤と比較して、環境、生体に対しての悪影響も少なく、この意味でも塩素系溶剤の代替え品としても使用可能である。(A)成分である酢酸メチルの配合量は、99〜40重量%であり、99重量%より多いと(B)成分である接着付与剤の効果が充分ではなくなり、40重量%より少ないと接着剤の粘性が高くなりすぎ、塗布がしにくくなり適切ではない。好適には、96〜70重量%である。
本発明で使用する(B)成分である接着付与剤は、シリコーンレジン,シリコーン生ゴム,シリコーン変成アクリル樹脂,シランカップリング剤,アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン,1分子中に水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン,シリコーン可溶性白金化合物より選ばれる1種又は2種以上である。
シリコーンレジンは、シロキサン結合を構造単位に持ち三次元網状構造を有するポリマーである。シリコーン生ゴムは平均分子量40〜80万の直鎖状オルガノポリシロキサンであり、この中に含まれる有機基としてはアルケニル基,メチル基,フェニル基等が例示される。シリコーン変性アクリル樹脂は、シロキサン結合を有する有機基を有するアクリル酸(あるいはメタアクリル酸)アルキル重合体である。このシリコーン変性アクリル樹脂としては、前記特許文献1に例示されている化合物等が用いることができ、シロキサン結合を有する有機基を有するアクリル酸アルキル重合体であり、例えば下記化学式1のような構造のシリコーン変成アクリル樹脂を例示できる。化学式1中のシロキサン結合を有する有機基とアクリル酸アルキル重合体との結合部位やその数の変更は勿論、式中のアルキル重合体のアルキル基はメチル基だけでなく、エチル基,プロピル基,ブチル基等に置換できるのは勿論である。
シリコーンレジンは、シロキサン結合を構造単位に持ち三次元網状構造を有するポリマーである。シリコーン生ゴムは平均分子量40〜80万の直鎖状オルガノポリシロキサンであり、この中に含まれる有機基としてはアルケニル基,メチル基,フェニル基等が例示される。シリコーン変性アクリル樹脂は、シロキサン結合を有する有機基を有するアクリル酸(あるいはメタアクリル酸)アルキル重合体である。このシリコーン変性アクリル樹脂としては、前記特許文献1に例示されている化合物等が用いることができ、シロキサン結合を有する有機基を有するアクリル酸アルキル重合体であり、例えば下記化学式1のような構造のシリコーン変成アクリル樹脂を例示できる。化学式1中のシロキサン結合を有する有機基とアクリル酸アルキル重合体との結合部位やその数の変更は勿論、式中のアルキル重合体のアルキル基はメチル基だけでなく、エチル基,プロピル基,ブチル基等に置換できるのは勿論である。
シランカップリング剤は、ビニル基,グリシジル基,アミノ基,メタクリル基,イソシアヌレート基等を含むシラン化合物が使用できる。また、付加型シリコーンゴムの主剤であるアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンや、同様に付加型シリコーンゴムの架橋剤である1分子中に水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンも使用できる。
更に付加反応型シリコーンゴムの硬化触媒であるシリコーン可溶性白金も使用することができ、このシリコーン可溶性白金化合物は、公知の付加反応触媒である塩化白金酸,アルコール変性塩化白金酸,塩化白金酸とオレフィンとの錯体等が挙げられる。特に好適には塩化白金酸のビニルシロキサン錯体が用いられる。このシリコーン可溶性白金化合物を用いる場合は、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと共に用いることが望ましく、1分子中に水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと共に用いないことが望ましい。これらの(B)成分の配合量は、1〜60重量%であり、1%より少ないと、シリコーンゴムとの接着性が充分ではなく、60%より多いと接着剤の粘性が高くなりすぎ塗布が困難になる。
更に付加反応型シリコーンゴムの硬化触媒であるシリコーン可溶性白金も使用することができ、このシリコーン可溶性白金化合物は、公知の付加反応触媒である塩化白金酸,アルコール変性塩化白金酸,塩化白金酸とオレフィンとの錯体等が挙げられる。特に好適には塩化白金酸のビニルシロキサン錯体が用いられる。このシリコーン可溶性白金化合物を用いる場合は、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと共に用いることが望ましく、1分子中に水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと共に用いないことが望ましい。これらの(B)成分の配合量は、1〜60重量%であり、1%より少ないと、シリコーンゴムとの接着性が充分ではなく、60%より多いと接着剤の粘性が高くなりすぎ塗布が困難になる。
本発明に係るシリコーンゴム用接着剤には、その特性を失わない範囲で(C)成分として、無機顔料や有機顔料の着色剤や、酸化防止剤や、香料の1種以上を0.1〜3重量%の範囲で使用してもよい。
無機顔料の具体的に例示すると、黄鉛,亜鉛鉛,バリウム黄等のクロム酸塩、紺青等のフェロシアン化物、銀朱,カドミウム黄,硫化亜鉛,アンチモン白,カドミウムレッド等の硫化物、硫酸バリウム,硫酸亜鉛,硫酸ストロンチウム等の硫酸塩、亜鉛華,チタン白,ベンガラ,鉄黒,酸化クロム等の酸化物、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ケイ酸カルシウム,群青等のケイ酸塩、カーボンブラック,グラファイト等の炭素等が挙げられる。有機顔料の具体的に例示すると、ナフトールグリーンB,ナフトールグリーンY等のニトロソ系顔料、ナフトールS,リソールファストイエロー2G等のニトロ系顔料、パーマネントレッド4R,ブリリアントファストスカーレット,ハンザイエロー,ベンジジンイエロー等の不溶性アゾ系顔料、リソールレッド,レーキレッドC,レーキレッドD等の難溶性アゾ系顔料、ブリリアントカーミン6B,パーマネントレッドF5R,ピグメントスカーレット3B,ボルドー10B等の可溶性アゾ系顔料、フタロシアニンブルー,フタロシアニングリーン,スカイブルー等のフタロシアニン系顔料、ローダミンレーキ,マラカイトグリーンレーキ,メチルバイオレットレーキ等の塩基性染料系顔料、ピーコックブルーレーキ,エオシンレーキ,キノリンイエローレーキ等の酸性染料系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独でまたは複数を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤としては、レチノール及び3,4−ジデヒドロレチノールを含むビタミンAの全て、α−カロチン,β−カロチン,γ−カロチン及びδ−カロチンを含むカロチンの全て、D−アスコルビン酸及びL−アスコルビン酸を含むビタミンCの全て、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,δ−トコフェロール,トコキノン,トコトリエノール,酢酸ビタミンE及びコハク酸ビタミンEを含む容易に加水分解されてビタミンEになるビタミンEエステル、及びリン酸ビタミンE等の薬学的に許容できるビタミンE塩を含むビタミンEの全て、ビタミンA,カロチン,ビタミンC及びビタミンEのプロドラッグ、ビタミンA,カロチン,ビタミンC及びビタミンEの薬学的に許容できる塩が挙げられる。
香料としては、例えば、凍結乾燥天然野菜成分,精油,エッセンス,抽出物,酸を含む粉末の天然香料および合成香料(天然香料を含む)がある。液体及び粉末状香料の例としては、ココナツ,コーヒー,チョコレート,バニラ,グレープフルーツ,オレンジ,ライム,メントール,カンゾウ,カラメル芳香物,ハチミツ芳香物,ピーナッツ,クルミ,カシュー,ヘーゼルナッツ,アーモンド,パイナップル,ストロベリー,ラズベリー,トロピカルフルーツ,チェリー,シナモン,ペパーミント,ヒメコウジ,スペアミント,ユーカリ,ミント、リンゴ,梨,桃,ストロベリー,アプリコット,ラズベリー,チェリー,パイナップル及びプラムエッセンス等の果実エッセンスが挙げられる。精油としては、ペパーミント,スペアミント,メントール,ユーカリ,丁子油,ベイ油,アニス,サイム,ニオイヒバ油,ナツメグ及び上記の果実の油が挙げられる。
無機顔料の具体的に例示すると、黄鉛,亜鉛鉛,バリウム黄等のクロム酸塩、紺青等のフェロシアン化物、銀朱,カドミウム黄,硫化亜鉛,アンチモン白,カドミウムレッド等の硫化物、硫酸バリウム,硫酸亜鉛,硫酸ストロンチウム等の硫酸塩、亜鉛華,チタン白,ベンガラ,鉄黒,酸化クロム等の酸化物、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ケイ酸カルシウム,群青等のケイ酸塩、カーボンブラック,グラファイト等の炭素等が挙げられる。有機顔料の具体的に例示すると、ナフトールグリーンB,ナフトールグリーンY等のニトロソ系顔料、ナフトールS,リソールファストイエロー2G等のニトロ系顔料、パーマネントレッド4R,ブリリアントファストスカーレット,ハンザイエロー,ベンジジンイエロー等の不溶性アゾ系顔料、リソールレッド,レーキレッドC,レーキレッドD等の難溶性アゾ系顔料、ブリリアントカーミン6B,パーマネントレッドF5R,ピグメントスカーレット3B,ボルドー10B等の可溶性アゾ系顔料、フタロシアニンブルー,フタロシアニングリーン,スカイブルー等のフタロシアニン系顔料、ローダミンレーキ,マラカイトグリーンレーキ,メチルバイオレットレーキ等の塩基性染料系顔料、ピーコックブルーレーキ,エオシンレーキ,キノリンイエローレーキ等の酸性染料系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独でまたは複数を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤としては、レチノール及び3,4−ジデヒドロレチノールを含むビタミンAの全て、α−カロチン,β−カロチン,γ−カロチン及びδ−カロチンを含むカロチンの全て、D−アスコルビン酸及びL−アスコルビン酸を含むビタミンCの全て、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,δ−トコフェロール,トコキノン,トコトリエノール,酢酸ビタミンE及びコハク酸ビタミンEを含む容易に加水分解されてビタミンEになるビタミンEエステル、及びリン酸ビタミンE等の薬学的に許容できるビタミンE塩を含むビタミンEの全て、ビタミンA,カロチン,ビタミンC及びビタミンEのプロドラッグ、ビタミンA,カロチン,ビタミンC及びビタミンEの薬学的に許容できる塩が挙げられる。
香料としては、例えば、凍結乾燥天然野菜成分,精油,エッセンス,抽出物,酸を含む粉末の天然香料および合成香料(天然香料を含む)がある。液体及び粉末状香料の例としては、ココナツ,コーヒー,チョコレート,バニラ,グレープフルーツ,オレンジ,ライム,メントール,カンゾウ,カラメル芳香物,ハチミツ芳香物,ピーナッツ,クルミ,カシュー,ヘーゼルナッツ,アーモンド,パイナップル,ストロベリー,ラズベリー,トロピカルフルーツ,チェリー,シナモン,ペパーミント,ヒメコウジ,スペアミント,ユーカリ,ミント、リンゴ,梨,桃,ストロベリー,アプリコット,ラズベリー,チェリー,パイナップル及びプラムエッセンス等の果実エッセンスが挙げられる。精油としては、ペパーミント,スペアミント,メントール,ユーカリ,丁子油,ベイ油,アニス,サイム,ニオイヒバ油,ナツメグ及び上記の果実の油が挙げられる。
本発明について以下に実施例を挙げ詳細に説明するが、本発明はこれ等に限定されるものではない。
<実施例1>
表1に示した組成のシリコーン用接着剤を作製した。
表1に示した組成のシリコーン用接着剤を作製した。
<乾燥速度の確認>
接着剤塗布による義歯床への影響については、義歯床用レジン(商品名:アクロン、株式会社ジーシー製)を3×3×2mmに成形の後、シリコーン系軟質裏装材(商品名:ジーシーリライン、株式会社ジーシー製)用プライマーに付属の筆を用いて上記接着剤を塗布し、目視にて液分が揮発し、乾燥が確認された時間を測定した。その結果を表1に示す。
接着剤塗布による義歯床への影響については、義歯床用レジン(商品名:アクロン、株式会社ジーシー製)を3×3×2mmに成形の後、シリコーン系軟質裏装材(商品名:ジーシーリライン、株式会社ジーシー製)用プライマーに付属の筆を用いて上記接着剤を塗布し、目視にて液分が揮発し、乾燥が確認された時間を測定した。その結果を表1に示す。
<初期接着性の確認>
上記と同様に義歯床用レジンにて60×60×2mmの平板を作製後、一端より1/3の部分に上記組成の接着剤を塗布,乾燥した。その後、上記平板全面に練和したシリコーンリライニング材(商品名:ジーシーリライン エクストラソフト、株式会社ジーシー製)を練和後盛り上げ、上面より圧接し、37℃温水中に5分間及び24時間浸積し、厚さ2mmの硬化体とし、直ちに硬化体を幅約10mmに切断し、接着剤を塗布していない他端を180°折り返し、万能試験機(商品名:オートグラフ、株式会社島津製作所製)にて剥離試験を行った。その結果を表1に示す。
上記と同様に義歯床用レジンにて60×60×2mmの平板を作製後、一端より1/3の部分に上記組成の接着剤を塗布,乾燥した。その後、上記平板全面に練和したシリコーンリライニング材(商品名:ジーシーリライン エクストラソフト、株式会社ジーシー製)を練和後盛り上げ、上面より圧接し、37℃温水中に5分間及び24時間浸積し、厚さ2mmの硬化体とし、直ちに硬化体を幅約10mmに切断し、接着剤を塗布していない他端を180°折り返し、万能試験機(商品名:オートグラフ、株式会社島津製作所製)にて剥離試験を行った。その結果を表1に示す。
表1に示したように、本発明に係る溶剤として酢酸メチルを用いたシリコーンゴム用接着剤は、接着付与剤は従来と同様のものを用いているにも拘らず、高い初期接着性を持つことが分かる。また、乾燥速度も他の溶剤を用いた比較例より格段に速い。この特性は従来から問題になっていた初期接着性が低いことによって発生していたシリコーン系軟質裏装材と義歯との剥離,シリコーン印象材と印象用トレーの剥離を防止できることを表している。
Claims (2)
- A)酢酸メチル:99〜40重量%
B)シリコーンレジン,シリコーン生ゴム,シリコーン変成アクリル樹脂,シランカップリング剤,アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン,1分子中に水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン,シリコーン可溶性白金化合物より選ばれる1種又は2種以上の接着付与剤:1〜60重量%
から成ることを特徴とするシリコーンゴム用接着剤。 - C)着色剤、酸化防止剤及び香料の1種以上:0.1〜3重量%
を更に含む請求項1に記載のシリコーンゴム用接着剤。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009222980A JP2011068620A (ja) | 2009-09-28 | 2009-09-28 | シリコーンゴム用接着剤 |
US12/892,485 US20110077335A1 (en) | 2009-09-28 | 2010-09-28 | Adhesive agent for silicone rubber |
EP10011256A EP2301514A3 (en) | 2009-09-28 | 2010-09-28 | Adhesive agent for silicone rubber |
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