JP2011068036A - 印刷装置 - Google Patents

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Hiroshi Okamoto
浩志 岡本
Motoyuki Abu
基之 阿武
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Abstract

【課題】インクの吐出開始直後からインクの吐出量をおよそ一定に維持する。
【解決手段】インクジェット方式の印刷装置では、インクジェットヘッド31の先端に設けられる流路形成部に温度センサ37が設けられ、インクの吐出開始直後からヘッド温度の静定時までの間、温度センサ37から出力されるヘッド温度の単位変化量に基づいて、ヘッド先端部流路を流れるインクの温度が求められ、当該インク温度に基づいて複数の吐出口からのインクの吐出量が制御される。これにより、インクの吐出開始直後からのヘッド温度の立ち上がり特性(すなわち、吐出開始からの経過時間とヘッド温度の単位変化量との関係)とインク温度の立ち上がり特性との差を補正してインクの吐出量を適切に制御することができる。その結果、インクの吐出開始直後からインク温度の静定時までの間、インクの吐出量をおよそ一定に維持することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、インクジェット方式の印刷装置に関する。
従来より、インクの微小な液滴を吐出する複数の吐出口が配列されたヘッドを印刷媒体に沿って走査することにより、印刷媒体に印刷を行うインクジェット方式の印刷装置が用いられている。例えば、特許文献1のインクジェット記録装置では、記録ヘッドの各ノズル開口近傍に圧電素子(ピエゾ素子)が設けられ、圧電素子を変形させてノズル開口に連通する圧力発生室を収縮させることにより、圧力発生室内のインクが加圧されてノズル開口から吐出される。
このようなインクジェット記録装置では、インクの吐出が繰り返されることにより、記録ヘッドおよびインクの温度が上昇してインクの粘度が低くなり、各ノズル開口から吐出されるインクの量が増加してしまう。そこで、特許文献1のインクジェット記録装置では、温度センサにより検出された記録ヘッドの温度に合わせて圧電素子に付与する駆動信号の波形や電圧値を変更し、記録ヘッドの温度に関わらず一定量のインクの液滴を吐出する方法が提案されている。
特開2001−54943号公報
ところで、特許文献1のようなインクジェット記録装置では、記録ヘッドの温度とインクの温度とは一致しないため、記録ヘッドの温度に従って圧電素子を制御しても、インクの吐出量を適切に一定に維持することは困難である。特に、装置の立ち上がり時において記録ヘッドの温度やインクの温度が次第に上昇している間は、温度の上昇率が記録ヘッドとインクとで異なるため、記録ヘッドの温度に合わせた制御によりインクの吐出量を一定に維持することはさらに困難となる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、インクの吐出開始直後からインクの吐出量をおよそ一定に維持することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、インクジェット方式の印刷装置であって、インクの微小液滴を吐出するヘッドと、印刷媒体を前記ヘッドに対して走査方向に相対的に移動する走査機構と、前記印刷媒体の前記走査方向への相対移動に同期して前記ヘッドからのインクの吐出を制御する吐出制御部とを備え、前記ヘッドが、前記走査方向と交差する配列方向に配列される複数の吐出口と、前記複数の吐出口に向かってインクを導く複数の吐出流路と、前記配列方向に平行にインクを導くとともに前記複数の吐出流路に接続されるヘッド先端部流路と、温度センサとを備え、前記吐出制御部が、インクの吐出開始直後から、前記温度センサから出力されるヘッド温度の単位時間当たりの変化量に基づいて前記ヘッド先端部流路を流れるインクの温度であるインク温度を求め、前記インク温度に基づいて前記複数の吐出口からのインクの吐出量を制御する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷装置であって、前記ヘッド温度の前記単位時間当たりの変化量が、漸次減少して予め定められた閾値を下回った際に、前記吐出制御部による制御が切り換えられ、前記吐出制御部が前記ヘッド温度に基づいて前記インク温度を求める。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の印刷装置であって、前記温度センサが、前記ヘッドの前記ヘッド先端部流路を形成する流路形成部に配置される。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷装置であって、前記ヘッドが、前記複数の吐出流路の前記複数の吐出口近傍にそれぞれ設けられる複数の圧電素子をさらに備え、前記吐出制御部が前記複数の圧電素子のそれぞれの振幅を制御することにより、前記複数の吐出口のそれぞれからのインクの吐出量が制御される。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の印刷装置であって、前記吐出制御部が、前記複数の圧電素子のそれぞれに印加される電圧の波形または最大値を制御することにより、前記複数の圧電素子のそれぞれの振幅が制御される。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の印刷装置であって、前記ヘッドが、前記複数の吐出口の前記配列方向に平行に配列される他の複数の吐出口と、前記他の複数の吐出口に向かってインクを導く他の複数の吐出流路と、前記配列方向に平行にインクを導くとともに前記他の複数の吐出流路に接続されるもう1つのヘッド先端部流路とをさらに備え、前記吐出制御部が、前記ヘッド温度の前記単位時間当たりの変化量に基づいて前記もう1つのヘッド先端部流路を流れるインクの温度であるインク温度を求め、前記インク温度に基づいて前記他の複数の吐出口からのインクの吐出量を制御する。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の印刷装置であって、前記ヘッド先端部流路および前記もう1つのヘッド先端部流路から前記温度センサまでの距離が等しい。
本発明では、インクの吐出開始直後からインクの吐出量をおよそ一定に維持することができる。
一の実施の形態に係る印刷装置の外観を示す斜視図である。 吐出機構の底面図である。 インクジェットヘッドの底面図である。 流路形成部の底面図である。 流路形成部を拡大して示す底面図である。 流路形成部の一部の断面図である。 制御ユニットの機能を示すブロック図である。 ヘッド温度およびインク温度を示す図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る印刷装置1の外観を示す斜視図である。印刷装置1は、シート状の印刷媒体9上に、インクジェット方式にてカラー印刷を行う装置である。印刷装置1は、印刷媒体9を図1中のY方向(以下、「走査方向」ともいう。)に移動する走査機構である印刷媒体移動機構27、印刷媒体移動機構27による移動途上の印刷媒体9に向けてインクの微小液滴を吐出する吐出ユニット3、および、これらの構成を制御する制御ユニット4を備える。吐出ユニット3は、印刷媒体移動機構27を跨ぐようにして基台20に設けられるフレーム25に、印刷媒体移動機構27の上方(すなわち、(+Z)側)にて固定される。
印刷媒体移動機構27では、それぞれが図1中のX方向(すなわち、水平かつY方向に垂直な方向)に長い複数のローラ271がY方向に配列されており、複数のローラ271の(+Y)側にはロール状の印刷媒体9(供給ロール)を保持する供給部272が設けられ、複数のローラ271の(−Y)側にはロール状の印刷媒体9(巻取ロール)を保持する巻取部273が設けられる。印刷媒体9は供給部272および巻取部273のそれぞれにてロール状とされる。以下の説明では、単に印刷媒体9という場合は搬送途上の印刷媒体9(すなわち、複数のローラ271上の印刷媒体9)を意味するものとする。
印刷媒体移動機構27の一のローラ271aには印刷媒体9の走査方向の移動速度を検出するエンコーダ29が設けられ、後述の印刷媒体移動制御部42(図7参照)がエンコーダ29の出力に基づいて巻取部273のモータの回転を制御することにより、印刷媒体9が(−Y)方向に一定速度にて移動する。このとき、供給部272が有するモータにて印刷媒体9に対して移動方向とは逆向き(すなわち、(+Y)方向)の負荷(テンション)を付与することにより、複数のローラ271上の印刷媒体9が波打つことなく滑らかに移動する。
図2は吐出ユニット3を示す底面図である。図2に示すように、吐出ユニット3はそれぞれが互いに異なる色のインクを吐出する複数(本実施の形態では、4個)のヘッドであるインクジェットヘッド31を備え、これらのインクジェットヘッド31は同様の構造を有する。複数のインクジェットヘッド31はY方向(すなわち、走査方向)に配列されて吐出ユニット3の取付部30に取り付けられる。
図2中の最も(+Y)側のインクジェットヘッド31はK(ブラック)の色のインクを吐出し、Kのインクジェットヘッド31の(−Y)側のインクジェットヘッド31はC(シアン)の色のインクを吐出し、Cのインクジェットヘッド31の(−Y)側のインクジェットヘッド31はM(マゼンタ)の色のインクを吐出し、最も(−Y)側のインクジェットヘッド31はY(イエロー)の色のインクを吐出する。なお、吐出ユニット3では、各色のインクを吐出するインクジェットヘッド31が複数個設けられてもよい。また、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイト等の他の色用のインクジェットヘッド等も設けられてよい。
図1に示す印刷装置1では、X方向に関し、各インクジェットヘッド31(図2参照)が印刷媒体9上の印刷領域の全体に亘って(ここでは、印刷媒体9のX方向の全体に亘って)設けられており、印刷媒体移動機構27により印刷媒体9が吐出ユニット3に対して走査方向に1回だけ相対移動することにより(すなわち、印刷媒体9が(−Y)方向へと移動して吐出ユニット3の下方を1回だけ通過することにより)、印刷媒体9への画像の印刷が完了する(いわゆる、ワンパス印刷が行われる)。
図3は、一のインクジェットヘッド31を簡略化して示す底面図である。図3に示すように、インクジェットヘッド31の下面では、複数の吐出口331が2次元配列されており、走査方向と交差する所定の配列方向(本実施の形態では、X方向)に1列に配列された複数の吐出口331を「吐出口列33」と呼ぶと、本実施の形態では、8つの吐出口列33が配列方向に垂直なY方向に配列される。図3では、図示の都合上、各吐出口331の大きさ、および、吐出口331の間の距離を実際よりも大きく描いている。なお、実際のインクジェットヘッド31では、図3に示すよりも多数の吐出口331が設けられる。
図4は、インクジェットヘッド31の(−Z)側の先端部310の内部構造を示す底面図である。インクジェットヘッド31は、複数の吐出口列33にそれぞれ対応する複数(本実施の形態では、8本)のヘッド先端部流路35を備える。以下の説明では、インクジェットヘッド31の先端部310を、「流路形成部310」という。
図5は、インクジェットヘッド31の流路形成部310の一部を拡大して示す底面図であり、図6は、流路形成部310を図5中のA−Aの位置にて切断した断面図である。図5および図6に示すように、流路形成部310は、各ヘッド先端部流路35から複数の吐出口331に向かってインクを導く複数の吐出流路34、および、複数の吐出流路34の(+Z)側にそれぞれ固定される複数の圧電素子(ピエゾ素子)36をさらに備える。ヘッド先端部流路35は、吐出口列33(図4参照)における複数の吐出口331の配列方向に平行にインクを導くとともに複数の吐出流路34に接続される。
図6に示すように、インクジェットヘッド31の流路形成部310は、複数の穴がそれぞれ形成された複数の基板311が積層されることにより形成され、複数の基板311の穴が連結することにより吐出流路34およびヘッド先端部流路35が形成される。本実施の形態では、一のヘッド先端部流路35から一の吐出口列33にインクが供給されるが、一のヘッド先端部流路35から複数の吐出口列33にインクが供給されてもよい。
インクジェットヘッド31では、各吐出口331近傍に設けられた圧電素子36に電圧が印加されることにより圧電素子36が変形し、吐出流路34の容積が減少する。これにより、吐出流路34の吐出口331近傍のインクに圧力が加えられて吐出口331からインクの微小液滴が吐出される。そして、圧電素子36の形状が元に戻ることにより、吐出流路34の容積が元に戻り、吐出されたインクの微小液滴と等しい量のインクがヘッド先端部流路35から吐出流路34に供給される。圧電素子36の所定量の変形によるインクの微小液滴の吐出、および、圧電素子36の変形解除による吐出流路34へのインクの供給は僅かな時間の間に行われる。換言すれば、圧電素子36が振動することにより、圧電素子36に対応する吐出口331からのインクの微小液滴の吐出が行われる。
図4に示すように、流路形成部310のおよそ中心には、インクジェットヘッド31の流路形成部310の温度(以下、「ヘッド温度」という。)を測定する温度センサ37が配置される。温度センサ37の(+Y)側および(−Y)側にはそれぞれ4本のヘッド先端部流路35が位置する。温度センサ37の(+Y)側の4本のヘッド先端部流路35のうち(−Y)側から1番目、2番目、3番目および4番目のヘッド先端部流路35と温度センサ37との間のY方向におけるそれぞれの距離は、温度センサ37の(−Y)側の4本のヘッド先端部流路35のうち(+Y)側から1番目、2番目、3番目および4番目のヘッド先端部流路35と温度センサ37との間のY方向におけるそれぞれの距離に等しい。換言すれば、温度センサ37は、Y方向において8本のヘッド先端部流路35のおよそ中心に位置している。また、温度センサ37のX方向の位置は、8本のヘッド先端部流路35のX方向の中心とおよそ等しい。
図7は、図1に示す制御ユニット4の機能を示すブロック図であり、図7では、制御ユニット4に接続される印刷装置1の構成の一部を併せて示す。制御ユニット4は、吐出ユニット3における8個のインクジェットヘッド31からのインクの吐出を制御する吐出制御部41、および、印刷媒体移動機構27に対する制御を行う印刷媒体移動制御部42を有する。吐出制御部41は、温度センサ37から出力されるヘッド温度を受け付ける温度受付部411、並びに、第1参照テーブル413および第2参照テーブル414を記憶する記憶部412を有し、温度受付部411にて受け付けられたヘッド温度に従って第1参照テーブル413および第2参照テーブル414が示すインクジェットヘッド31の制御に係る条件が特定される。そして、吐出制御部41により、当該条件に従って各インクジェットヘッド31の複数の圧電素子36のそれぞれに印加される電圧の波形または最大値が制御されることにより、複数の圧電素子のそれぞれの振幅が制御される。これにより、各圧電素子36に対応する吐出流路34内のインクに加えられる圧力が制御され、複数の吐出口331のそれぞれからのインクの吐出量が制御される。
図1に示す印刷装置1により印刷が行われる際には、制御ユニット4の印刷媒体移動制御部42(図7参照)により印刷媒体移動機構27が制御されることにより、印刷媒体9が走査方向である(−Y)方向に移動される。また、吐出制御部41(図7参照)により、印刷媒体9の移動と並行して、印刷媒体9に印刷される予定の画像のデータに基づいて各インクジェットヘッド31が制御されることにより、印刷媒体9が走査方向に所定距離だけ移動する毎に(すなわち、印刷媒体9の走査方向への移動に同期して)、吐出口331からインクの微小液滴が吐出されて印刷媒体9上に付与されて画像が印刷される。
ところで、印刷装置1では、印刷の開始直後(すなわち、インクの吐出開始直後)から、圧電素子36の振動による発熱により、吐出流路34およびヘッド先端部流路35内のインクの温度、並びに、流路形成部310の温度が上昇する。図8は、インクの吐出開始からの経過時間と、ヘッド先端部流路35を流れるインクの温度(以下、「インク温度」という。)、および、温度センサ37から出力されるヘッド温度との関係を示す図である。図8では、インク温度を実線にて描き、ヘッド温度を破線にて描いている。温度センサ37は、ヘッド先端部流路35に比べて熱源である複数の圧電素子36から離れているため、図8に示すように、インクの吐出開始直後からの温度の単位時間当たりの変化量(以下、「単位変化量」という。)は、ヘッド温度の方がインク温度よりも小さい。また、インクの吐出開始からある程度の時間が経過すると、インク温度およびヘッド温度の単位変化量は漸次減少してインク温度およびヘッド温度はそれぞれおよそ一定となる。ヘッド温度がおよそ一定となった後の平均温度(以下、「静定温度」という。)は、インクの静定温度よりも低い。
印刷装置1では、複数のヘッド先端部流路35を流れるインクのそれぞれの温度を直接測定するセンサをインクジェットヘッド31に設けることは困難であるため、温度センサ37から出力されるヘッド温度を用いてインクの吐出量制御が行われる。しかしながら、図8に示すように、ヘッド温度はインク温度よりも低いため、仮にインク温度がヘッド温度に等しいとして吐出量制御が行われると、インク温度を実際よりも低い温度として(すなわち、インクの粘度を実際よりも低いものとして)インクの吐出量が決定され、所望の量よりも多量のインクが吐出されてしまう。また、インクの吐出開始直後からヘッド温度およびインク温度が静定温度になるまでの間は、温度の単位変化量がヘッド温度とインク温度とで異なるため、仮に、ヘッド温度よりも一定の温度だけ高い温度をインク温度としたとしても、実際のインク温度とは異なってしまう。
本実施の形態に係る印刷装置1では、インクの吐出開始直後からヘッド温度およびインク温度が静定温度になるまでの間のヘッド温度の単位変化量とインク温度の単位変化量との関係を示す第1参照テーブル413、および、流路形成部310の静定温度とインクの静定温度との差を示す第2参照テーブル414が、吐出制御部41の記憶部412(図7参照)に記憶されている。第1参照テーブル413および第2参照テーブル414が示すデータは、複数のヘッド先端部流路35を流れるインクのそれぞれの温度を測定する機構が試験用のインクジェットヘッド31に取り付けられて測定が行われることにより取得され、第1参照テーブル413および第2参照テーブル414として記憶部412に予め格納される。
インクの吐出開始直後からヘッド温度の単位変化量が漸次減少して予め定められた閾値を下回るまでの間(以下、ヘッド温度の単位変化量が閾値を下回る時点を「静定時」と呼ぶ。インク温度についても同様。)、インクの吐出量が第1参照テーブル413に基づいて制御される。具体的には、温度センサ37から温度受付部411(図7参照)に連続的に出力されるヘッド温度からヘッド温度の単位変化量が求められ、当該ヘッド温度の単位変化量に対応するインク温度の単位変化量が第1参照テーブル413を参照して求められる。
続いて、1回前に求められたインク温度(1回前が吐出開始時である場合には、例えば、吐出開始時に温度センサ37により測定されたヘッド温度と等しい温度)に、上記のインク温度の単位変化量と1回前の温度測定からの経過時間との積が加えられることにより、インク温度が求められる。換言すれば、温度センサ37から出力されるヘッド温度の単位変化量に基づいてインク温度が求められる。そして、当該インク温度から求められるインクの粘度に適した圧力が吐出流路34内のインクに加えられるように、インク温度に基づいて複数の圧電素子36のそれぞれの振幅が制御されることにより、複数の吐出口331のそれぞれからのインクの吐出量がおよそ一定となるように制御される。
インクの吐出開始からある程度時間が経ち、ヘッド温度の単位変化量が漸次減少して上記閾値を下回った際には、吐出制御部41による制御が切り換えられ、インクの吐出量が第2参照テーブル414に基づいて制御される。具体的には、温度センサ37から温度受付部411に出力されるヘッド温度に、第2参照テーブル414を参照して求められたインク温度とヘッド温度との差が加えられて(すなわち、ヘッド温度に基づいて)インク温度が求められる。そして、当該インク温度に基づいて複数の圧電素子36のそれぞれの振幅が制御されることにより、複数の吐出口331のそれぞれからのインクの吐出量がおよそ一定となるように制御される。
印刷装置1では、インクジェットヘッド31からのインクの吐出が一時的に休止されることがあり、インクの吐出停止からある程度の時間が経過すると、ヘッド温度およびインク温度が低下する。このようなインクの吐出休止状態からインクの吐出が再開される場合、ヘッド温度の単位変化量が上述の閾値以上であれば、吐出制御部41による制御が、第1参照テーブル413に基づくものに再び切り換えられる。具体的には、上述と同様に、温度センサ37から温度受付部411に連続的に出力されるヘッド温度からヘッド温度の単位変化量が求められ、当該ヘッド温度の単位変化量に対応するインク温度の単位変化量が第1参照テーブル413を参照して求められる。続いて、1回前に求められたインク温度に、上記のインク温度の単位変化量と1回前の温度測定からの経過時間との積が加えられることにより、インク温度が求められる。そして、インク温度に基づいて複数の圧電素子36のそれぞれの振幅が制御されることにより、一時的な吐出休止状態からインクの吐出が再開された場合においても、複数の吐出口331のそれぞれからのインクの吐出量がおよそ一定となるように制御される。
印刷装置1では、複数のヘッド先端部流路35のそれぞれについて、第1参照テーブル413および第2参照テーブル414が記憶部412に記憶されており、温度センサ37からの出力に基づいて、複数のヘッド先端部流路35にそれぞれ対応する複数の吐出口列33からのインクの吐出量が上述の制御態様にて個別に制御される。
以上に説明したように、印刷装置1では、インクの吐出開始直後からヘッド温度の静定時までの間、ヘッド温度の単位変化量に基づいてインク温度が求められ、当該インク温度に基づいて複数の吐出口331からのインクの吐出量が制御される。これにより、インクの吐出開始直後からのヘッド温度の立ち上がり特性(すなわち、吐出開始からの経過時間とヘッド温度の単位変化量との関係)とインク温度の立ち上がり特性との差を補正してインクの吐出量を適切に制御することができる。その結果、インクの吐出開始直後からインク温度の静定時までの間、インクの吐出量をおよそ一定に維持することができる。
また、印刷装置1では、温度静定時に吐出制御部41による制御が切り換えられ、ヘッド温度に基づいてインク温度が求められ、当該インク温度に基づいて複数の吐出口331からのインクの吐出量が制御される。このように、ヘッド温度の変化に合わせて制御を切り換えることにより、インクの吐出量をより適切に制御することができ、ヘッド温度の静定後においても、インクの吐出量をおよそ一定に維持することができる。
印刷装置1では、温度センサ37からの出力に基づいてインクの吐出量を適切に制御することができるため、印刷装置1の構造は、駆動による発熱が比較的大きい複数の圧電素子36が複数の吐出口331近傍に設けられ、ヘッド温度やインク温度の変動が比較的大きい印刷装置に特に適している。
上述のように、温度センサ37は、流路形成部310においてヘッド先端部流路35の近傍に配置されるため、ヘッド温度とインク温度との差や両温度の単位変化量の差が大きくなってしまうことが抑制される。これにより、吐出制御部41においてインク温度を精度良く求めることができ、インクの吐出量をさらに適切に制御することができる。また、吐出制御部41では、各圧電素子36に印加される電圧の波形または最大値が制御されることにより、各圧電素子36の振幅を容易に制御することができる。
印刷装置1では、1つの温度センサ37からの出力に基づいて複数のヘッド先端部流路35を流れるインクの温度をそれぞれ求め、各インク温度に基づいて各ヘッド先端部流路35に対応する吐出口列33からのインクの吐出量を適切に制御することができるため、印刷装置1の構造は、1つのインクジェットヘッド31に複数のヘッド先端部流路35が設けられる印刷装置に特に適している。また、温度センサ37が、Y方向(すなわち、複数のヘッド先端部流路35の配列方向)において複数のヘッド先端部流路35のおよそ中心に位置することにより、温度センサ37からの距離が等しい複数のヘッド先端部流路35(例えば、温度センサ37の(+Y)側に隣接するヘッド先端部流路35と(−Y)側に隣接するヘッド先端部流路35)のインク温度を求める際に、同様の第1参照テーブル413および第2参照テーブル414を利用してインク温度を求めることができる。その結果、複数のヘッド先端部流路35に対応する複数の吐出口列33からのインクの吐出量の制御を簡素化することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、吐出制御部41による圧電素子36の振幅制御では、圧電素子36に印加される電圧の波形および最大値以外の他のパラメータが制御されてもよい。印刷装置1では、各インクジェットヘッド31にヘッド先端部流路35が1本だけ設けられ、当該ヘッド先端部流路35に対応する複数の吐出口331からのインクの吐出量が、上述と同様の制御方法により制御されてもよい。また、印刷媒体移動機構27による印刷媒体9の移動に代えて、例えば、印刷媒体9が固定されて吐出ユニット3が走査方向に移動されてもよい。換言すれば、走査機構により吐出ユニット3が印刷媒体9に対して相対的に走査方向に移動されていればよい。
印刷装置1の構造は、吐出ユニットが走査方向に垂直な方向に往復移動し、吐出ユニットの1方向への1回の移動毎に印刷媒体9が走査方向に所定距離だけ移動される(いわゆる、シャトル印刷を行う)印刷装置に適用されてもよく、また、インクを加熱してインク気泡(バブル)の圧力によりインクを吐出するタイプのインクジェットヘッドを有する印刷装置に適用されてもよい。
1 印刷装置
9 印刷媒体
27 印刷媒体移動機構
31 インクジェットヘッド
34 吐出流路
35 ヘッド先端部流路
36 圧電素子
37 温度センサ
41 吐出制御部
310 流路形成部
331 吐出口

Claims (7)

  1. インクジェット方式の印刷装置であって、
    インクの微小液滴を吐出するヘッドと、
    印刷媒体を前記ヘッドに対して走査方向に相対的に移動する走査機構と、
    前記印刷媒体の前記走査方向への相対移動に同期して前記ヘッドからのインクの吐出を制御する吐出制御部と、
    を備え、
    前記ヘッドが、
    前記走査方向と交差する配列方向に配列される複数の吐出口と、
    前記複数の吐出口に向かってインクを導く複数の吐出流路と、
    前記配列方向に平行にインクを導くとともに前記複数の吐出流路に接続されるヘッド先端部流路と、
    温度センサと、
    を備え、
    前記吐出制御部が、インクの吐出開始直後から、前記温度センサから出力されるヘッド温度の単位時間当たりの変化量に基づいて前記ヘッド先端部流路を流れるインクの温度であるインク温度を求め、前記インク温度に基づいて前記複数の吐出口からのインクの吐出量を制御することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記ヘッド温度の前記単位時間当たりの変化量が、漸次減少して予め定められた閾値を下回った際に、前記吐出制御部による制御が切り換えられ、前記吐出制御部が前記ヘッド温度に基づいて前記インク温度を求めることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1または2に記載の印刷装置であって、
    前記温度センサが、前記ヘッドの前記ヘッド先端部流路を形成する流路形成部に配置されることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドが、前記複数の吐出流路の前記複数の吐出口近傍にそれぞれ設けられる複数の圧電素子をさらに備え、
    前記吐出制御部が前記複数の圧電素子のそれぞれの振幅を制御することにより、前記複数の吐出口のそれぞれからのインクの吐出量が制御されることを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記吐出制御部が、前記複数の圧電素子のそれぞれに印加される電圧の波形または最大値を制御することにより、前記複数の圧電素子のそれぞれの振幅が制御されることを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドが、
    前記複数の吐出口の前記配列方向に平行に配列される他の複数の吐出口と、
    前記他の複数の吐出口に向かってインクを導く他の複数の吐出流路と、
    前記配列方向に平行にインクを導くとともに前記他の複数の吐出流路に接続されるもう1つのヘッド先端部流路と、
    をさらに備え、
    前記吐出制御部が、前記ヘッド温度の前記単位時間当たりの変化量に基づいて前記もう1つのヘッド先端部流路を流れるインクの温度であるインク温度を求め、前記インク温度に基づいて前記他の複数の吐出口からのインクの吐出量を制御することを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置であって、
    前記ヘッド先端部流路および前記もう1つのヘッド先端部流路から前記温度センサまでの距離が等しいことを特徴とする印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018144337A (ja) * 2017-03-03 2018-09-20 株式会社リコー 液滴吐出装置、液滴吐出方法、プログラム

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