JP2011067745A - 流路基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータリー式切替えバルブが組み込まれた流路基板を処理する装置において、基板とロータとの間に挟み込まれているシール板のずれを抑制してポートと流路の良好な接続を維持する。
【解決手段】ロータ6を回転駆動するためのロータ回転機構18は制御部26により制御されている。制御部26は、ロータ6の回転による流路接続の切替えの全行程を通してロータ6が連続で一方向へ限界回転角度以上回転することなく流路接続の切替え動作を行なうようにロータ回転機構18を制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、流路が形成されているとともに、その流路の接続を切り替えることができるロータリー式切替えバルブが組み込まれている流路基板を処理するための流路基板処理装置に関するものである。
生化学的分析や通常の化学分析に使用する小型の反応装置としては、マイクロマルチチャンバ装置が使用されている。そのような装置としては、例えば平板状の基板表面に複数のウエルを形成したマイクロータイタープレートなどのマイクロウエル反応容器プレートが用いられている(例えば特許文献1を参照。)。
しかし、従来のマイクロウエル反応容器プレートは、使用時には反応容器プレートの上面は大気に開放された状態となる。そのため、サンプルに外部から異物が進入する恐れがあるし、逆に反応生成物が外部の環境を汚染することもありうる。
そこで、反応容器やサンプル容器のほか、それらに繋がる流路や液体の吸引及び吐出を行なうシリンジ、シリンジを反応容器又はサンプル容器に繋がる流路に切り替えて接続するロータリー式の切替えバルブを1枚のプレートに集積して反応容器プレート内を密閉系にすることが提案されている(特許文献2参照。)。このような内部に流路を備えた反応容器プレートなどのプレートを総称して流路基板と呼ぶ。
図1に本発明も適用される流路基板を処理する装置の一例を概略的に示す。
この例の装置で処理する流路基板は、ベース基板2の裏面側にステータ4を介してロータリー式切替えバルブのロータ6が回転可能に固定されたものである。ベース基板2に反応容器やサンプル容器、試薬容器が設けられているとともに一端がそれらに繋がる流路32,36,40が内部に形成されている。流路32,36,40の他端はステータ4の下面に引き出されてポート30,34,38を形成しており、ステータ4の下面はロータ6の回転によってポート30,34,38への接続を切り替える流路接続面となっている。ロータ6は中心に上方へ突き出した回転軸を備え、その回転軸内に液体の吸引・吐出を行なうシリンジ7が設けられている。ロータ6の回転軸はベース基板2の穴に挿入され、回転軸の周囲部上面がステータ4の流路接続面との摺動面となっている。ロータ6はシリンジ7の底部に一端が接続され他端が流路接続面との摺動面に引き出された接続流路8を備えている。流路接続面のポート30,34,38はロータ6の摺動面に面する接続流路8の他端の回転軌道上にくるように配置され、ロータ6を回転させることによって接続流路8の他端の接続先をポート30,34,38のいずれかに切り替えることができる。
上記の流路基板を処理する装置は、ロータ6を駆動するためのロータ回転機構18を備えている。ロータ回転機構18はモータで回転駆動する回転駆動部14を備えている。回転駆動部14はロータ6の下面中央に設けられた溝12に嵌め込まれてロータ6を回転させるものである。ロータ6による流路接続は、ロータ6の原点位置からの回転角度で制御する。そのためロータ6の原点位置を検出する原点センサ20が設けられている。
特開2005−177749号公報 WO2008/096492号公報
ロータ6の駆動において、ロータ6の下面の溝12と回転駆動部14との間には隙間があり、ロータ6を前回の方向とは逆の方向へ回転させるとバックラッシュが生じ、その分だけロータ6の回転角度は回転駆動部14の回転角度よりも小さくなる。そのため、バックラッシュが生じないようにロータ6を一方向へのみ回転させるように制御していたが、流路接続の切替え回数が多いとその全行程を通してロータ6を何回転もさせる必要があった。例えばシリンジ7を試薬容器、サンプル容器、反応容器に順に接続する工程をすべてロータ6を時計回りに回転させることで行なうと、図5(A)〜(C)に示されているように、この一連の動作だけでロータは1回転以上することになる。
図6(A)に示されているように、ステータ4の下面側にロータ6の流路接続面との間の密着性を高めるための弾性材料からなるシール板10が設けられている。シール板10のポート30,34,38に対応する位置にはそれぞれ穴10aが設けられている。シール板10は、例えばステータ4の下面に設けられた凸部がシール板10の上面に設けられた凹部に嵌め込まれることによってロータ6の回転に伴って回転しないようにステータ4側に固定されているが、ロータ6が一方向へ連続で何回転もすると、図6(B)のように、摩擦によってロータ6の回転方向へ回転して穴10aがステータ4のポート30,34又は38の位置からずれ、ロータ6を所定角度回転させても接続流路8を所望のポート30,34又は38に接続できなことがあった。
そこで本発明は、ロータリー式切替えバルブが組み込まれた流路基板を処理する装置において、基板とロータとの間に挟み込まれているシール板のずれを抑制してポートと流路の良好な接続を維持することを目的とするものである。
本発明の流路基板処理装置は、流路が内部に形成され各流路の一端が接続ポートとして引き出されて配置された流路接続面をもつベース基板と、前記ベース基板に回転可能に取り付けられ、流路接続面との摺動面に一端が引き出された接続流路を備えたロータと、流路接続面と摺動面との間に挟み込まれ流路接続面側又は摺動面側に固定されたシール板と、を備えた流路基板を処理するための流路基板処理装置であって、ロータに係合する回転駆動部をもち、その回転駆動部を回転させることによりロータを回転させるロータ回転機構と、ロータが一方向へ続けて限界回転角度以上回転しないように回転方向を反転させながら流路接続の切替え動作を行なう制御部と、を備え、制御部は、ロータを前回の回転方向から反転させるときはロータを回転させるべき所定の角度よりも一定角度だけ大きく回転駆動部を回転させた後でさらに回転駆動部を一定角度だけ反転させるようにロータ回転機構を制御することを特徴とする。
限界回転角度とは、流路接続面と摺動面との間に挟み込まれたシール板のずれ量が流路接続に影響を及ぼさない限界のロータの回転角度を意味する。これまでの経験から、ロータの回転量が1回転未満であればシール板のずれによる流路接続の影響がほとんどないことが分かっている。したがって、上記限界回転角度を360°と規定することができる。このように規定しておけば、シール板のずれを流路接続に影響がない範囲に止めることができる。
本発明の流路基板処理装置は、ロータが一方向へ限界回転角度以上回転することなく流路接続の切替え動作を行なうようにロータ回転機構を制御するので、ロータが一方向へ何回転もする場合に比べて流路接続面と摺動面との間に挟み込まれたシール板がずれにくくなり、接続流路と各ポートとの良好な接続を維持することができる。ただし、ロータを前回の回転方向とは逆方向へ回転させるとバックラッシュが発生する。そのため、本発明では、ロータを前回の回転方向から反転させるときに、回転駆動部を、ロータを回転させるべき所定の角度よりも一定角度だけ大きく回転させた後でさらに同じ一定角度だけ反転させる。これにより、バックラッシュに相当する回転角度のずれが両回転方向に入るために相殺され、バックラッシュによる回転誤差が解消される。
流路基板処理装置の一例を示す図であり、(A)は流路基板の断面とともに示すブロック図、(B)は流路基板のロータ部分の裏面側を回転駆動部とともに示す平面図である。 一実施例の流路基板処理装置によるサンプルの反応容器への注入作業時における流路切替え工程の一例を順に示す流路基板のロータ部分の裏面図である。 図2の続きの工程を示す図である。 同実施例のサンプルの反応容器への注入作業時の動作を示すフローチャート図である。 従来の流路基板処理装置によるサンプルの反応容器への注入作業時における流路切替え工程の一例を順に示す流路基板のロータ部分の裏面図である。 流路切替えバルブの流路接続部分の回転方向における断面図である。
流路基板処理装置の一例を図1を参照しながら説明する。
まず、この実施例の装置で処理する流路基板について説明する。この流路基板は、ベース基板2の裏面側にステータ4を介してロータ6が回転可能に固定されたものである。ステータ4とロータ6はロータリー式切替えバルブを構成する。ベース基板2には反応容器、サンプル容器、試薬容器が設けられている。さらにベース基板2には一端が反応容器に繋がる流路32、一端がサンプル容器に繋がる流路36及び一端が試薬容器に繋がる流路40が内部に形成されており、これらの流路の他端がステータ4の下面に引き出されてポート30,34,38を形成している。ステータ4の下面はロータ6の回転によってポート30,34,38への接続を切り替える流路接続面となっている。
ロータ6は中心に上方へ突き出した回転軸を備え、その回転軸内に液体の吸引・吐出を行なうシリンジ7が設けられている。ロータ6の回転軸はベース基板2に設けられた穴に挿入され、回転軸の周囲部上面がステータ4の流路接続面との摺動面となっている。ロータ6はシリンジ7の底部に一端が接続され他端が摺動面に引き出された接続流路8を備えている。流路接続面のポート30,34,38はロータ6の摺動面に面する接続流路8の他端の回転軌道上に配置され、ロータ6の回転角度を制御することによって接続流路8の他端の接続先をポート30,34,38のいずれかに切り替えることができる。
ステータ4の流路接続面とロータ6の摺動面との間に両面の密着性を高めるための弾性材料からなるシール板10が挟み込まれている。図6(A)に示されているように、シール板10のポート30,34,38に対応する位置にはそれぞれ穴10aが設けられている。図示は省略されているが、シール板10は例えばステータ4の下面に設けられた凸部がシール板10の上面に設けられた凹部に嵌め込まれることによってロータ6の回転に伴って回転しないようにステータ4側に固定されている。
上記の流路基板を処理する装置は、ロータ6を駆動するためのロータ回転機構18と、シリンジ7のプランジャ9を駆動するためのプランジャ駆動機構22を備えている。
ロータ回転機構18はモータで回転駆動する回転駆動部14を備えている。回転駆動部14はロータ6の下面中央に設けられた溝12に嵌め込まれてロータ6を回転させるものである。ロータ6による流路接続は、ロータ6の原点位置からの回転角度で制御する。そのためロータ6の原点位置を検出する原点センサ20が設けられている。原点センサ20は、例えばフォトセンサである。この実施例では、ロータ6の原点位置を図1(B)の状態とする。
プランジャ駆動機構22はプランジャ9を掴んで上下動するプランジャ駆動部16を備え、プランジャ駆動部16の原点位置からの下降量又は上昇量によってシリンジ7による液体の吸引量又は吐出量を制御する。プランジャ9の近傍にプランジャ9の原点位置を検出する原点センサ24が設けられている。原点センサ24は、例えばフォトセンサである。
ロータ回転機構18及びプランジャ駆動機構22は制御部26によって制御されている。制御部26はこの流路基板を処理する全行程を通してロータ6が限界回転角度以上することなくロータ6による流路接続の切替えが行なわれるようにロータ回転機構18を制御する。限界回転角度は、ステータ4側に固定されているシール板10がロータ6の回転に伴う摩擦でずれない限界のロータ6の回転角度である。この実施例では、限界回転角度を360°(1回転)とする。なお、シール板10の材質やシール板10の固定方法によってシール板10のずれが生じやすい場合には、限界回転角度を例えば180°など360°よりも小さい回転角度としてもよい。
サンプルの反応容器への注入時のロータ回転機構18及びプランジャ駆動機構22の動作を図2〜図4を用いて説明する。なお、図2、図3において、ロータ6の回転方向は時計回りを順方向とし、反時計回りを逆方向とする。
まず、ロータ6を順方向へ回転させながら原点位置を調整する(図2(A)、ステップS1)。次に、回転駆動部14を所定の角度(例えば90°)順方向に回転させて、接続流路8を試薬容器接続ポート38に接続する(図2(B)、ステップS2)。プランジャ9を引き上げてシリンジ7内に反応試薬を所定量吸引する(ステップS3)。
反応試薬を吸引した後、回転駆動部14を所定の角度(例えば45°)順方向に回転させ、接続流路8をサンプル容器接続ポート34に接続する(図2(C)、ステップS4)。プランジャ9を押し下げてシリンジ7内の反応試薬をサンプル容器に注入する(ステップS5)。プランジャ9を複数回、例えば2〜3回、上下動させてシリンジ7によるサンプル容器内の液体の吸引と吐出を繰り返し、サンプル容器内の攪拌を行なう(ステップS6)。
サンプル容器内の攪拌後、プランジャ9を引き上げてサンプル容器内のサンプル溶液をシリンジ7内に吸引する(ステップS7)。回転駆動部14を、接続流路8を反応容器接続ポート30に接続するための回転角度よりも一定角度(例えば15°)だけ大きく逆方向へ回転させた後(図3(D)、ステップS8)、回転駆動部14を順方向へ同じ一定角度だけ回転させて接続流路8を反応容器接続ポート30に接続し(図3(E)、ステップS9)、プランジャ9を押し下げてシリンジ7内のサンプル溶液を反応容器に注入する(ステップS10)。
上記の試料分注動作をロータ6を順方向にのみ回転させることによって行なうと、接続流路8を反応容器接続ポート30に接続した時点でロータ6が連続して360°以上回転したことになり、ステータ4とロータ6との間に挟み込まれているシール板10が摩擦によってロータ6とともに回転してずれる可能性がある。これに対し、上記の例では、ロータ6を限界回転角度である360°以上回転させないため、シール板10のずれが抑制され、接続流路8と反応容器接続ポート30とを良好に接続することができる。
また、ロータ6を一方向に360°以上回転させないため逆方向への回転も必要となるが、逆方向への回転の際はバックラッシュを考慮した一定角度だけ大きく逆方向へ回転させた後、さらに同じ一定角度だけ戻す動作を行なうため、両方向への回転動作時にバックラッシュによる同じ大きさの回転角度の誤差が生じ、それらの回転誤差が相殺されてバックラッシュによる影響がなくなる。したがって、ロータ6を逆方向へ回転させたとしても、正確に所望のポートの位置に接続流路8を合わせることができる。
流路切替え工程ごとのロータ6の回転方向は予め制御部26内に規定されたものであってもよいし、制御部26が各流路切替え工程に必要なロータ6の回転角度に基づいて一方向への回転角度が限界回転角度を超えるか否かを判断し、超えると判断した場合には逆方向へロータ6を回転させるように構成されていてもよい。
なお、このようにロータ回転方向を規定した流路基板処理装置は、ロータ6とシリンジ7とが一体となった上記実施例の流路基板にのみ適用されるものではなく、シリンジがベース基板に別途設けられている流路基板やシリンジが搭載されていない流路基板に対しても適用することができる。
2 ベース基板
4 ステータ
6 ロータ
8 接続流路
9 プランジャ
10 シール板
12 溝
14 回転駆動部
16 プランジャ駆動部
18 ロータ回転機構
20,24 原点センサ
22 プランジャ駆動機構
26 制御部
30,34,38 ポート
32,36,40 流路

Claims (2)

  1. 流路が内部に形成され各流路の一端が接続ポートとして引き出されて配置された流路接続面をもつベース基板と、前記ベース基板に回転可能に取り付けられ、前記流路接続面との摺動面に一端が引き出された接続流路を備えたロータと、前記流路接続面と摺動面との間に挟み込まれ流路接続面側又は摺動面側に固定されたシール板と、を備えた流路基板を処理するための流路基板処理装置において、
    前記ロータに係合する回転駆動部をもち、その回転駆動部を回転させることによりロータを回転させるロータ回転機構と、
    前記ロータが一方向へ続けて限界回転角度以上回転しないように回転方向を反転させながら流路接続の切替え動作を行なう制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記ロータを前回の回転方向から反転させるときは前記ロータを回転させるべき所定の角度よりも一定角度だけ大きく前記回転駆動部を回転させた後でさらに回転駆動部を前記一定角度だけ反転させるように前記ロータ回転機構を制御することを特徴とする流路基板処理装置。
  2. 前記限界回転角度は360°である請求項1に記載の流路基板処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104214397A (zh) * 2013-05-31 2014-12-17 株式会社岛津制作所 阀门旋转的控制方法

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