JP2011066603A - 空洞共振器 - Google Patents

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Satoru Owada
哲 大和田
Hisafumi Yoneda
尚史 米田
Koji Yoshida
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Abstract

【課題】設計を容易化でき、機械的な信頼性を向上させ、誘電体損失を抑制し、温度変化が生じた際に電磁界の共振する周波数の変動を抑制する空洞共振器を得る。
【解決手段】空洞2が形成された金属筐体3と、金属筐体3と異なる線膨張係数の材料から構成され空洞2の底面2aに設けられた伸縮部材6と、底面2aとの間で伸縮部材6を挟み、温度変化による伸縮部材6の伸縮に応じて底面2aに対して変位される金属板7とを有し、温度変化が生じた際に金属筐体3の伸縮に伴って生じる電磁界の共振する周波数の変動を底面2aに対する金属板7の変位によって抑制する周波数変動抑制手段4と、底面2aと金属板7との間の距離が変化する方向および底面2aに沿った方向について伸縮部材6の伸縮を可能にしながら周波数変動抑制手段4を底面2aに押圧して周波数変動抑制手段4を底面2aに固定する固定手段5とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、温度変化が生じた際に電磁界の共振する周波数の変動を抑制する空洞共振器に関する。
従来、円筒形状の金属筐体と、この金属筐体の端部の開口部を塞ぐように設けられた円盤形状の第1のプレートと、この第1のプレートに設けられ、第1のプレートの線膨張係数よりも小さい線膨張係数の材料から構成された第2のプレートとを備えた空洞共振器の端部構造が知られている。温度変化が生じた際に第1のプレートと第2のプレートとの伸縮量の差異によって第1のプレートに撓み変形が生じ、この第1のプレートの撓み変形によって金属筐体の内部空間における電磁界の分布領域の変化を抑制することで、電磁界の共振する周波数の変動が抑制される(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、電磁界が共振する空洞が形成され、この空洞に誘電体共振器が設けられた金属筐体と、この金属筐体の外壁面に接着された第1の金属板と、この第1の金属板に重ねて接着され、第1の金属板の線膨張係数よりも線膨張係数の小さい材料から構成された第2の金属板と、この第2の金属板に螺着され、先端部が第1の金属板を貫通して金属筐体の空洞内に挿入された調整ねじとを備えた誘電体発振器が知られている。温度変化が生じた際に調整ねじと誘電体共振器との間隔を変化させて空洞における電磁界の分布領域の変化を抑制することにより空洞における電磁界の共振する周波数の変動が抑制される(例えば、特許文献2参照)。
また、従来、導波管と、この導波管の内部に設けられ、比誘電率の温度係数が負である誘電体とを備え、温度変化が生じた際に誘電体の比誘電率が変化することにより、導波管を通過する電磁界の共振する周波数の変動が抑制される帯域通過フィルタが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−330815号公報 特開2001−203514号公報 特開2006−121463号公報
しかしながら、特許文献1に記載の空洞共振器の接続構造の場合、温度変化が生じた際に金属筐体の伸縮量に合わせて第1のプレートの撓み量を調整するので、設計に手間がかかるという問題点があった。また、特許文献2に記載の誘電体発振器の場合、互いに線膨張係数が異なる第1の金属板と第2の金属板とが接着されているので、温度変化が生じた際に第1の金属板と第2の金属板との伸縮量の違いから接着部分に応力が生じ、接着部分にクラックが生じやすく、機械的な信頼性の面で難があるという問題点がった。また、特許文献3に記載の帯域通過フィルタの場合、誘電体に電磁界を通過させるので、誘電体損失が生じてしまうという問題点があった。
この発明は、設計を容易化でき、機械的な信頼性を向上させることができ、誘電体損失を抑制することができ、温度変化が生じた際に電磁界の共振する周波数の変動を抑制することができる空洞共振器を提供するものである。
この発明に係る空洞共振器は、電磁界が共振する空洞が形成され、前記空洞の内面の一部が固定面とされた金属筐体と、前記金属筐体の線膨張係数と異なる線膨張係数の材料から構成され、前記固定面に設けられた伸縮部材と、前記固定面との間で前記伸縮部材を挟み、温度変化による前記伸縮部材の伸縮に応じて前記固定面に対して変位される金属部材とを有し、温度変化が生じた際に、前記金属筐体の伸縮に伴って生じる前記電磁界の共振する周波数の変動を前記固定面に対する前記金属部材の変位によって抑制する周波数変動抑制手段と、前記固定面と前記金属部材との間の距離が変化する方向および前記固定面に沿った方向のそれぞれについて前記伸縮部材の伸縮を可能にしながら、前記周波数変動抑制手段を前記固定面に押圧して前記周波数変動抑制手段を前記固定面に固定する固定手段とを備えている。
この発明に係る空洞共振器によれば、固定面と金属部材との間の距離が変化する方向および固定面に沿った方向のそれぞれについて伸縮部材の伸縮を可能にしながら、固定手段が周波数変動抑制手段を固定面に押圧して周波数変動抑制手段を固定面に固定し、温度変化が生じた際に、金属筐体の伸縮に伴って生じる電磁界の共振する周波数の変動を固定面に対する金属部材の変位によって抑制するので、設計を容易化でき、機械的な信頼性を向上させることができ、誘電体損失を抑制することができ、温度変化が生じた際に電磁界の共振する周波数の変動を抑制することができる。
この発明の実施の形態1に係る空洞共振器を示す縦断面図である。 図1のII−II線に沿った矢視断面図である。 図1におけるTE111モードの電磁界分布を示す図である。 図2におけるTE111モードの電磁界分布を示す図である。 図1に伸縮部材の厚みと底面に垂直な方向についての空洞の高さ寸法とを記載した空洞共振器を示す縦断面図である。 低温時における図5の空洞共振器の要部を示す拡大図である。 高温時における図5の空洞共振器の要部を示す拡大図である。 この発明の実施の形態2に係る空洞共振器を示す縦断面図である。 図8のIX−IX線に沿った矢視断面図である。 この発明の実施の形態3に係る空洞共振器を示す縦断面図である。 図10のXI−XI線に沿った矢視断面図である。
以下、この発明の各実施の形態を図に基づいて説明するが、各図において、同一または相当の部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1はこの実施の形態に係る空洞共振器1を示す縦断面図、図2は図1のII−II線に沿った矢視断面図である。図において、空洞共振器1は、電磁界が共振する円柱状の空洞2が形成された金属筐体3と、空洞2内に設けられた周波数変動抑制手段4と、周波数変動抑制手段4を空洞2の内面に固定した固定手段5とを備えている。空洞共振器1は、マイクロ波帯またはミリ波帯で用いられる。
空洞2の内面は、底面2a(固定面)、側面2bおよび上面2cにより構成されている。周波数変動抑制手段4は、空洞2の内面の一部である底面2aに固定手段5によって固定されている。
周波数変動抑制手段4は、底面2aに接触した伸縮部材6と、伸縮部材6に接触して重ねられた金属板(金属部材)7とを有している。伸縮部材6は、底面2aと金属板7との間で挟まれている。電磁界は、上面2c、側面2bおよび上面2cに対向した金属板7の面により形成された分布領域8で共振する。伸縮部材6は、金属筐体3の線膨張係数よりも線膨張係数が大きい樹脂から構成されている。金属板7は、温度変化による伸縮部材6の伸縮に応じて底面2aに対して変位される。
底面2aに沿った方向についての金属板7の寸法は、底面2aに沿った方向についての伸縮部材6の寸法よりも大きくなっている。周波数変動抑制手段4と側面2bとの間には、隙間が形成されている。
金属板7には、貫通孔9が形成されている。伸縮部材6には、貫通孔10が形成されている。金属筐体3の底部(壁部)には、ねじ孔11が形成されている。貫通孔9、貫通孔10およびねじ孔11は、底面2aに沿った方向について同位置に配置されている。
固定手段5は、貫通孔9、貫通孔10およびねじ孔11を貫通した固定ねじ(固定部材)12と、金属筐体3の底部の外面に設けられ、固定ねじ12の先端部に螺着されたナット13と、固定ねじ12の頭部12aと金属板7との間に設けられたスプリングワッシャ(弾性体)14とを有している。固定ねじ12は、金属筐体3のねじ孔11に螺着している。スプリングワッシャ14が周波数変動抑制手段4を底面2aに対して押圧することで、周波数変動抑制手段4が底面2aに固定されている。これにより、固定手段5により周波数変動抑制手段4が底面2aに固定された状態で、伸縮部材6は、底面2aと金属板7との間の距離が変化する方向および底面2aに沿った方向への伸縮が可能となっている。
貫通孔9および貫通孔10は、固定ねじ12の直径よりも大きくなっている。これにより、固定ねじ12が金属板7および伸縮部材6に接触することが防止されるので、固定ねじ12が伸縮部材6の伸縮を妨げることが防止されている。また、貫通孔9および貫通孔10の各内面と固定ねじ12との間に隙間が設けられるので、伸縮部材6の撓み変形が生じることなく、伸縮部材6は底面2aに沿った方向に伸縮することができる。
金属筐体3の側部には、電磁界が通過する入力導波路15と、側面2bを貫通し入力導波路15と空洞2とを連通した結合孔16と、電磁界が通過する出力導波路17と、側面2bを貫通し空洞2と出力導波路17とを連通した結合孔18とが形成されている。入力導波路15を通過する電磁界は、結合孔16において分布領域8内の電磁界と結合する。出力導波路17を通過する電磁界は、結合孔18において分布領域8内の電磁界と結合する。
図3は図1におけるTE111モードの電磁界分布を示す図、図4は図2におけるTE111モードの電磁界分布を示す図である。側面2bにおいて電流は空洞2の周方向に沿って流れる。したがって、金属板7と側面2bとの隙間が十分小さければ、金属板7の外周部と側面2bと間には、電位差が生じない。すなわち、金属板7の外周部と側面2bとは、互いに電気的に接続されていることとほぼ等価である。したがって、電磁界が金属板7よりも下方へ進入することが抑制され、電磁界の分布領域8は、金属板7よりも上方の空洞2となる。
TE111モードには、偏波が存在し、主たる電界成分が互いに直行する2つのTE111モードが同じ共振周波数で同時に励振される。図3および図4では、Y方向に主たる電界成分が沿ったTE111モードを示しているが、X方向に主たる電界成分が沿ったTE111モードも励振される。
金属筐体3の側部であって結合孔16に対向した部分には、先端部が空洞2に挿入された特性調整ねじ19が螺着されている。特性調整ねじ19を回転して、特性調整ねじ19の空洞2への挿入量を変化させることで、X方向に主たる電界成分をもつTE111モードの共振周波数を調整することができる。
金属筐体3の側部であって結合孔18に対向した部分には、先端部が空洞2に挿入された特性調整ねじ20が螺着されている。特性調整ねじ20を回転して、特性調整ねじ20の空洞2への挿入量を変化させることで、Y方向に主たる電界成分をもつTE111モードの共振周波数を調整することができる。
金属筐体3の側部であって特性調整ねじ19および特性調整ねじ20との間の部分には、先端部が空洞2に挿入された特性調整ねじ21が螺着されている。特性調整ねじ21を回転して、特性調整ねじ21の空洞2への挿入量を変化させることで、2つのTE111モード間の結合を調整することができる。
次に、空洞共振器1の動作について説明する。
入力導波路15から空洞2に入射する高周波のうち、空洞2における電磁界の分布領域8の形状から定まるTE111モードの共振周波数およびその近傍の周波数の入力導波路15の基本モードの高周波が、結合孔16を介して、空洞2でY方向に主たる電界成分を有するTE111モードと結合する。Y方向に主たる電界成分を有するTE111モードと結合した入力導波路15の基本モードの高周波は、特性調整ねじ21によってX方向に主たる電界成分を有するTE111モードと結合する。X方向に主たる電界成分を有するTE111モードと結合した入力導波路15の基本モードの高周波は、結合孔18を介して、出力導波路17の基本モードと結合して、金属筐体3の外部に出力される。また、入力導波管15から空洞2へと入射するその他の周波数の高周波については、空洞2内のTE111モードと結合せず、反射される。このようにして、空洞共振器1は、2段の帯域通過フィルタとして動作する。
次に、空洞共振器1における共振周波数の温度補償について説明する。図5は図1に伸縮部材6の厚みhと、底面2aに垂直な方向についての空洞2の高さ寸法Hとを記載した空洞共振器1を示す縦断面図である。伸縮部材6の線膨張係数α(1e−6/K)は、金属筐体3の線膨張係数αのH/h倍程度となっている。説明を簡単にするために、環境温度の変化による金属筐体3の伸縮が空洞2の高さ方向にのみ生じると仮定する。環境温度の変動範囲をΔT(K)とすると、金属筐体3の高さ寸法Hの変動量ΔHは±α×ΔT×H/2となる。一方、伸縮部材6の厚みhの変動量Δhは±α×(H/h)×ΔT×h/2となる。したがって、ΔH=Δhとなり、電磁界の分布領域8の高さ方向の寸法は、環境温度の変化によりほとんど変化しない。このため、空洞共振器1の空洞2では、環境温度が変化しても、共振周波数の変動が抑制される。つまり、周波数変動抑制手段4は、温度変化が生じた際に、金属筐体3の伸縮に伴って生じる電磁界の共振する周波数の変動を底面2aに対する金属板7の変位によって制御する。なお、実際には、金属筐体3は径方向にも伸縮するので、共振周波数の変動を0に近づけるためには、α>α×H/hとする。金属筐体3を構成する材料として用いられるアルミニウムまたは黄銅等は、線膨張係数が20ppm/K程度の値であるので、伸縮部材6の線膨張係数を5倍〜10倍程度とすることが現実的である。実際、100ppm/K〜200ppm/K程度の線膨張係数の樹脂材料は多く存在し、実現は比較的容易である。
次に、低温時および高温時における周波数変動抑制手段4の底面2aへの固定について説明する。図6は低温時における図5の空洞共振器1の要部を示す拡大図、図7は高温時における図5の空洞共振器1の要部を示す拡大図である。低温時においては、伸縮部材6が収縮し、伸縮部材6の収縮量に合わせてスプリングワッシャ14が伸長するので、周波数変動抑制手段4が底面2aに固定されたままとなる。一方、高温時においては、伸縮部材6が伸長し、伸縮部材6の伸長量に合わせてスプリングワッシャ14が収縮するので、周波数変動抑制手段4が底面2aに固定されたままとなる。
以上説明したように、この実施の形態に係る空洞共振器1によれば、底面2aと金属板7との間の距離が変化する方向へ伸縮部材6が伸縮可能となるように周波数変動抑制手段4が固定手段5によって底面2aに向かって押圧されて周波数変動抑制手段4が底面2aに固定され、温度変化が生じた際に金属筐体3の伸縮に伴って生じる電磁波の周波数の変動を抑制するように底面2aに対する金属板7の位置を周波数変動抑制手段4が調整するので、温度変化が生じた際の電磁界の共振する周波数の変動を抑制することができる。
また、底面2aと金属板7との間の距離が変化する方向および底面2aに沿った方向への伸縮部材6の伸縮が可能となるように周波数変動抑制手段4が固定手段5によって底面2aに向かって押圧されるので、底面2aに沿った方向へ伸縮することによる伸縮部材6の撓み変形の発生を抑制することができる。その結果、温度変化に応じた伸縮部材6の撓み量を考慮する必要がないので、金属筐体3の伸縮に伴って生じる電磁界の共振する周波数の変動を抑制するための設計を容易化させることができる。
また、固定手段5が周波数変動抑制手段4を底面2aに向かって押圧することで、周波数変動抑制手段4が金属筐体3に固定されているので、温度変化が生じた際に、伸縮部材6と金属板7とのそれぞれの伸縮量が異なっても、固定手段5による周波数変動抑制手段4の底面2aへの固定力が低下することが抑制される。その結果、機械的な信頼性を向上させることができる。
また、伸縮部材6が底面2aと金属板7とによって挟まれているので、金属板7により電磁波の伸縮部材6への進入を抑制することができる。これにより、伸縮部材6が誘電体から構成された場合であっても、電磁波が伸縮部材6へ進入することによる誘電体損失を抑制することができる。また、伸縮部材6を金属よりも線膨張係数の大きい誘電体から構成することにより、温度変化が生じた際の電磁界の共振する周波数の変動の抑制効果を向上させることができる。
また、金属筐体3に螺着された固定ねじ12と、固定ねじ12に設けられたスプリングワッシャ14とによって、周波数変動抑制手段4を底面2aに押圧するので、簡単な構成で、周波数変動抑制手段4を底面2aに固定することができる。
なお、この実施の形態では、周波数変動抑制手段4を金属筐体3に固定する固定ねじ12を1本として説明したが、複数本の固定ねじ12であってもよい。
また、この実施の形態では、円柱状の空洞2の底面2aに周波数変動抑制手段4が固定された空洞共振器1について説明したが、円柱状の空洞2の上面2cに周波数変動抑制手段4が固定された空洞共振器であってもよく、また、円柱状の空洞2の底面2aおよび上面2cの両方に周波数変動抑制手段4が固定された空洞共振器であってもよい。すなわち、上面2cのみ、または、底面2aおよび上面2cの両方を固定面とした空洞共振器1であってもよい。
また、この実施の形態では、円柱状の空洞2について説明したが、矩形状の空洞または軸線に垂直な方向の断面が楕円形の空洞等であってもよい。
また、底面2aに対する金属板7の位置の変化を妨げないように、分布領域8内に誘電体が設けられた空洞共振器であってもよい。
また、この実施の形態では、弾性体として、スプリングワッシャ14を例に説明したが、例えば、コイルばね等、その他の弾性体であってもよい。
また、この実施の形態では、伸縮部材6および金属板7を有した周波数変動抑制手段4について説明したが、金属製の伸縮部材6を有し、金属板7を有さない周波数変動抑制手段4であってもよい。
また、この実施の形態では、空洞2における電界の方向に平行となる底面2aに周波数変動抑制手段4が設けられた空洞共振器1について説明したが、空洞2における電界の方向に垂直となる側面2bに周波数変動抑制手段4が設けられた空洞共振器であってもよい。すなわち、側面2bを固定面とした空洞共振器1であってもよい。この場合、伸縮部材6は、金属筐体3の線膨張係数よりも小さい線膨張係数の材料から構成される。これにより、例えば、温度が上昇した際には、金属筐体3および伸縮部材6が伸長するものの、伸縮部材6の伸長量が金属筐体3の伸長量よりも小さいので、電界の方向に沿った空洞2の寸法に対する側面2bからの金属板7までの距離の比が小さくなる。これにより、空洞2における電磁界の共振する周波数が増加する。つまり、温度が上昇した際には、金属筐体3が伸長することによる電磁界の共振する周波数の減少と、電界の進行方向に沿った空洞2の寸法に対する側面2bから金属板7までの距離の比が小さくなることによる電磁界の共振する周波数の増加とが互いに打ち消しあうことにより、電磁界の共振する周波数の変動が抑制される。
実施の形態2.
図8はこの実施の形態に係る空洞共振器1を示す縦断面図、図9は図8のIX−IX線に沿った矢視断面図である。図において、周波数変動抑制手段4は、空洞2内に露出した調整面6aが形成された金属製の伸縮部材6を有している。調整面6aは、底面2aに沿って形成されている。調整面6aと側面2bと上面2cとによって分布領域8が形成されている。調整面6aは、温度変化による伸縮部材6の伸縮に応じて底面2aに対して変位される。伸縮部材6と側面2bとの間には隙間が形成されている。金属筐体3の底部には、底面2aを貫通した貫通孔22が2個形成されている。
固定手段5は、金属筐体3の外側から貫通孔22を貫通して先端部が伸縮部材6に螺着した2個の固定ねじ12と、各固定ねじ12の頭部12aと金属筐体3の底部との間に設けられたスプリングワッシャ(弾性体)14とを有している。スプリングワッシャ14が固定ねじ12の頭部12aを金属筐体3の底部から離間する方向へ押圧することにより、伸縮部材6が底面2aに押圧されている。これにより、固定手段5により周波数変動抑制手段4が底面に固定された状態で、伸縮部材6は、底面2aと調整面6aとの間の距離が変化する方向および底面2aに沿った方向へ伸縮が可能となっている。固定ねじ12は、伸縮部材6と同一またはほぼ同一の線膨張係数の材料から構成されている。これにより、温度変化が生じた際に伸縮部材6の伸縮を妨げることが防止される。貫通孔22は、固定ねじ12の直径よりも大きくなっている。これにより、貫通孔22の内面と固定ねじ12との間に隙間が設けられるので、底面2aに沿った方向への伸縮部材6の伸縮に伴って固定ねじ12が底面2aに沿って移動可能である。
金属筐体3は、Fe−Ni合金(インバー)等から構成されている。一方、伸縮部材6は、Fe−Ni合金よりも線膨張係数が大きい金属から構成されている。金属筐体3と比較して、伸縮部材6の線膨張係数は10倍〜100倍大きいものとなっている。温度変化が生じた際に、底面2aに対する調整面6aの位置を周波数変動抑制手段4が調整することによって、金属筐体3の伸縮に伴って生じる電磁波の変動が抑制される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
この実施の形態に係る空洞共振器1によれば、周波数変動抑制手段4が金属製の伸縮部材6を有しているので、実施の形態1と比較して、金属板7が不要となり、構成を単純化することができる。
また、固定手段5は、金属筐体3の外側から底面2aを貫通して先端部が伸縮部材6に螺着した固定ねじ12と、固定ねじ12の頭部12aと金属筐体3の底部との間に設けられたスプリングワッシャ14とを有し、スプリングワッシャ14が固定ねじ12の頭部12aを金属筐体3の底部から離間する方向へ押圧することにより、伸縮部材6が底面2aに押圧されるので、実施の形態1と比較して、ナット13が不要となり、構成を単純化することができる。
実施の形態3.
図10はこの実施の形態に係る空洞共振器1を示す縦断面図、図11は図10のXI−XI線に沿った矢視断面図である。図において、周波数変動抑制手段4は、底面2aに対向した平板状の誘電体(伸縮部材)23と、誘電体23の一方の面に全面に渡って設けられた第1のメッキ層(金属部材)24と、誘電体23の他方の面に全面に渡って設けられた第2のメッキ層25と、誘電体23に設けられ、第1のメッキ層24と第2のメッキ層25とを電気的に接続した複数のスルーホール26とを有している。第2のメッキ層25は、誘電体23と底面2aとの間に位置している。誘電体23、第1のメッキ層24、第2のメッキ層25およびスルーホール26が一体となって誘電体基板27が構成されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
この実施の形態に係る空洞共振器1によれば、スルーホール26の個数を変更することで、底面2aと第1のメッキ層24との間の距離が変化する方向についての誘電体23の線膨張係数を微調整することができる。また、固定手段5を用いて誘電体基板27を底面2aに固定するので、伸縮部材6および金属板7の2部材を底面2aに固定する実施の形態1と比較して、構造を単純化することができ、組立性を向上させることができる。その結果、空洞共振器1の信頼性を向上させることができる。
また、第1のメッキ層24、誘電体23および第2のメッキ層25が重ねられ、誘電体23には、複数のスルーホール26が設けられているので、温度変化が生じた際にスルーホール26による底面2aと第1のメッキ層24との間の距離が変化する方向についての誘電体23の線膨張係数の調整量を、隣り合うスルーホール間で均一化させることができる。
なお、この実施の形態では、誘電体23の一方の面に第1のメッキ層24が設けられ、誘電体23の他方の面に第2のメッキ層25が設けられた周波数変動抑制手段4について説明したが、底面2aとの間に誘電体23が位置するように誘電体23の面に第1のメッキ層24が設けられ、底面2aに対向した誘電体23の面には第2のメッキ層25が設けられていない周波数変動抑制手段4であってもよい。この場合であっても、伸縮部材6および金属板7の2部材を底面2aに固定する実施の形態1と比較して、構造を単純化することができ、組立性を向上させることができる。
1 空洞共振器、2 空洞、2a 底面(固定面)、2b 側面(固定面)、2c 上面(固定面)、3 金属筐体、4 周波数変動抑制手段、5 固定手段、6 伸縮部材、6a 調整面、7 金属板(金属部材)、8 分布領域、9 貫通孔、10 貫通孔、11 ねじ孔、12 固定ねじ(固定部材)、12a 頭部、13 ナット、14 スプリングワッシャ(弾性体)、15 入力導波路、16 結合孔、17 出力導波路、18 結合孔、19 特性調整ねじ、20 特性調整ねじ、21 特性調整ねじ、22 貫通孔、23 誘電体(伸縮部材)、24 第1のメッキ層(金属部)、25 第2のメッキ層、26 スルーホール、27 誘電体基板。

Claims (6)

  1. 電磁界が共振する空洞が形成され、前記空洞の内面の一部が固定面とされた金属筐体と、
    前記金属筐体の線膨張係数と異なる線膨張係数の材料から構成され、前記固定面に設けられた伸縮部材と、前記固定面との間で前記伸縮部材を挟み、温度変化による前記伸縮部材の伸縮に応じて前記固定面に対して変位される金属部材とを有し、温度変化が生じた際に、前記金属筐体の伸縮に伴って生じる前記電磁界の共振する周波数の変動を前記固定面に対する前記金属部材の変位によって抑制する周波数変動抑制手段と、
    前記固定面と前記金属部材との間の距離が変化する方向および前記固定面に沿った方向のそれぞれについて前記伸縮部材の伸縮を可能にしながら、前記周波数変動抑制手段を前記固定面に押圧して前記周波数変動抑制手段を前記固定面に固定する固定手段とを備えたことを特徴とする空洞共振器。
  2. 前記伸縮部材は、平板状の誘電体であり、
    前記金属部材は、前記誘電体に設けられた第1のメッキ層であることを特徴とする請求項1に記載の空洞共振器。
  3. 前記周波数変動抑制手段は、前記誘電体の前記固定面側の面に設けられた第2のメッキ層と、前記誘電体に設けられ、前記第1のメッキ層および前記第2のメッキ層を電気的に接続した複数のスルーホールとをさらに有していることを特徴とする請求項2に記載の空洞共振器。
  4. 電磁界が共振する空洞が形成され、前記空洞の内面の一部が固定面とされた金属筐体と、
    前記固定面に設けられ、前記金属筐体の線膨張係数と異なる線膨張係数の材料から構成され、前記空洞内に露出する調整面が形成された金属製の伸縮部材を有し、温度変化が生じた際に、前記金属筐体の伸縮に伴って生じる前記電磁界の共振する周波数の変動を前記固定面に対する前記調整面の変位によって抑制する周波数変動抑制手段と、
    前記固定面と前記調整面との間の距離が変化する方向および前記固定面に沿った方向のそれぞれについて前記伸縮部材の伸縮を可能にしながら、前記伸縮部材を前記固定面に押圧して前記周波数変動抑制手段を前記固定面に固定する固定手段とを備えたことを特徴とする空洞共振器。
  5. 前記固定手段は、前記金属筐体に固定された固定部材と、前記固定部材に設けられ、前記周波数変動抑制手段を前記固定面に対して押圧した弾性体とを有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の空洞共振器。
  6. 前記固定手段は、前記金属筐体の外側から前記固定面を貫通して先端部が前記伸縮部材に螺着した固定ねじと、前記固定ねじの頭部と前記金属筐体の壁部との間に設けられた弾性体とを有し、
    前記弾性体が前記固定ねじの前記頭部を前記金属筐体の前記壁部から離間する方向へ押圧することにより、前記伸縮部材が前記固定面に押圧されることを特徴とする請求項4に記載の空洞共振器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013000176A1 (zh) * 2011-06-30 2013-01-03 江汉大学 一种微波腔泡装置

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