JP2011065360A - 非分岐かつ非直交の構造格子の境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法 - Google Patents

非分岐かつ非直交の構造格子の境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非分岐かつ非直交の構造格子を用いて反復計算を行う際に、境界に垂直な方向の微分係数が0でない場合の境界条件を、数値計算が不安定とならず、精度の高い解が得られる様に設定する。
【解決手段】境界に垂直な方向の微分係数が0でない箇所の計算セルの境界条件を、境界を軸として前記計算セルと対称位置にあるセルをv計算領域外に仮想し、仮想した計算セルの反変速度をξη座標系とデカルト座標系との座標変換係数を用いて定義し、反変速度を用いて与えようとする対称境界条件を定義し、運動方程式を反復計算法により解く際に、計算領域の座標変換係数を用いて計算領域外に仮想した計算セルについての座標変換係数を表現し、前回の反復計算で境界条件を反映して得られたデカルト座標の物理速度と境界条件を用いて今回の反復計算における未知数を算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、非分岐かつ非直交の構造格子の境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法の方法に関する。
複雑な形状の領域(物体の周り)の流れの数値解析は、解析対象の領域をメッシュ分割し、与えられた境界条件、初期値等を基に繰返し計算を行うことによりなされるが、境界条件の1としての流路形状が複雑あるいは大きく歪んでいる場合、分割をなす格子線が碁盤の目の様に直交する座標系(デカルト座標系)では、計算格子を流路の境界(以下、単に「境界」と記す)に沿って上手く設定することが困難である。
このため、例えば、当該領域の外形や解析対象物の外形の内で重要あるいは主な線や面に沿っている等の座標系、一般曲線座標系といわれている座標系の構造格子(以下、単に「構造格子」と記す)を用いて解析することがなされている。図1に、かかる構造格子の一例を示す。図1において、11は下側の境界であり、12は右側の境界であり、13は上側の境界であり、14は左側の境界である。
そして、構造格子はξ軸とη軸で示す。これら2つの軸は共に数値解析の為に導入した構造格子用の軸であり、各々図1の左下側に示す直交座標(デカルト座標)系の左右(水平)方向のx軸、上下(垂直)方向のy軸に替えて用いる。そして、各格子線はξ座標値あるいはη座標値の何れか一方が同じ値となる線であり、さらにξ座標およびη座標で測った各升目の大きさ(対向する辺の座標値の差)は等間隔としてある。
図1においては、下側の境界11はx軸に沿った直線状であり、右側の境界12はy軸に沿った直線状であり、このためこれら2つの境界は直交しているが、上側の境界13は直線状ではあるがx軸とy軸に対して傾斜しており、左側の境界14は曲線状である。このため、ξ軸系では、格子線は単に傾斜しているだけでなく、η座標値によってx軸、y軸となす傾斜角が相違している。また、η軸系では、格子線は曲線状になっているだけでなく、ξ座標値が0から大きくなるにつれて、即ち左側から右側に行くにつれて、左側の境界14に沿った曲線から右側の境界12に沿った直線に近くなっており、右側端では直線となっている。
図1の構造格子は不等間隔格子と呼ばれるものであり、前記したように、ξ軸上のη軸との交点のξ座標値は等間隔だが、x座標およびy座標で表した場合、ξ軸に沿って徐々に大きくなる。このようなξ軸上のη軸との交点のx、y座標は、ξ=1、2、・・・Nξ、η=1、2、・・・Nηとして、以下の(式1)および(式2)により求められる。
Figure 2011065360
Figure 2011065360
上記(式1)および(式2)において、Rは、図1の左側境界14を現す円弧の半径であり、中かっこ内第一項により、曲線状の左側境界14から直線状の右側境界12に滑らかに変化するη軸系格子線が表現される。また、θ(η)とχ(ξ)は、以下の(式3)および(式4)により定義される。
Figure 2011065360
Figure 2011065360
なお、(式4)におけるΔは、不等間隔格子の配置を調節するパラメータであり、Δを大きくすると最大格子間隔と最小格子間隔の比が大きくなる。図1ではΔ=0.8程度としている。
数値計算の内容は、計算対象の領域に対して構造格子を設定し、与えられた境界条件、初期値の下で、各計算セルの内部で、あるいは各計算セルとそれに隣接する計算式との間で、連続の式とナビヤ・ストークスの式が成立するものとして計算式をたて、離散化し、近似式を繰返し計算で解く、即ち数値解を得るものである。なお、離散化の方法としては、有限差分法、有限体積法等があり、近似式の作成方法としてはテーラー展開、多項式近似、コンパクト差分法等がある。
具体的な計算の内容としては、図1の全てのセルにおいて、速度u、vおよび圧力pの初期値を仮定し、これらが連続の式とナビヤ・ストークスの式、および後述する境界条件を満たすように、速度u、vおよび圧力pの順に、セル(ξ=1,η=1)からセル(ξ=Nξ,η=Nη)までの全てのセルにおける値が順次更新されることがなされる。
ここでは、有限体積法に基づく離散化がなされ、あるセルにおける速度u、vおよび圧力pの値を、当該セルおよび隣接セルにおける速度u、vおよび圧力pによって表す関係式が得られる。
この関係式は、速度u、vおよび圧力pの各々に対して得られる。例えば、あるセルにおける速度uは、当該セルおよび隣接セルにおける速度u、vおよび圧力pによって表され、速度vおよび圧力pについても同様である。
そして、反復計算では、これら各セルにおける速度u、vおよび圧力pの値が、当該セルおよび隣接セルにおける速度u、vおよび圧力pの前回反復値を用いて更新され、前回反復値と更新値との差が許容し得るまでに小さくなった状態に達すれば、全てのセルにおける速度u、vおよび圧力pの値が、連続の式とナビヤ・ストークスの式、および境界条件を満たしたと判断し、反復計算を終了する(特許文献1、非特許文献1)。
特開2000−285102号公報
荒川忠一著,「数値流体工学」,東京大学出版会,1994年1月
しかしながら、流路形状が複雑あるいは大きく歪んでいる場合には、構造格子では計算に用いる格子線は境界線(壁)等と必ずしも直交しなくなるため、境界条件を正確には表現できない場合がある。この様な非直交格子(同じ座標値を示す座標線が境界壁に直交しない格子)が問題になるのは、境界線に垂直な方向の微分係数を与えるタイプの境界条件の場合であり、計算格子上に配置される速度u、vおよび圧力pの値を用いてこの微分係数を正確に表現することができない。
なお、この微分係数が0である場合には、これらの値が境界線に対して傾きをもたず、境界付近で平坦な分布であることを示し,対称境界条件が表現されたことを表す。
この例を、図1と図2を用いて説明する。図2は、図1の右上の境界部分に在る4個のセルと、当該4個のセルのη軸に線対称な位置に仮想した4個のセルを示す図である。図1と図2に示す様に、数値計算の対象となる図形の右側境界と上側境界においては、ξ座標とη座標で示されるセルの辺(格子線)と境界が直交していない。特に図1では右上側の境界ほどその様になっている。
対称境界条件を、例えば速度u、vおよび圧力p等の物理量φに与える場合、一般には次の(式5)の様になる。
Figure 2011065360
なお、(式5)において、
Figure 2011065360

は、Nξ番の計算セルの中心に配置される物理量φを示す。
(式5)は、ξ軸方向(あるいはη軸方向)の微分係数が0という境界条件、即ちξ軸(あるいはη軸)が境界と直交する場合には対称という条件を与えるが、図2に示す様に直交しない場合には微分係数が0、そして領域の境界壁では流入、流出がないため境界線に関して対称であるという条件を表していない。なお、これはξ軸方向が境界線に直交しない場合であるが、η軸方向についても同様である。
その結果、境界で見かけの流入、流出が生じることとなり、質量等の保存則が成立せず、前回反復値と更新値との差が反復に伴って拡大したり、あるいはその差が増減を繰返すことにより十分に小さくならない、いわゆる数値計算の不安定な状態となり、数値解を得られなくなることがある。
図3に、図1に示す領域を対象として、境界で見かけの流入、流出が生じていることとなった計算例を示す。これは、境界条件として右側境界と上側境界においては対称境界条件であるため流れの出入りが無いはずの問題を、コロケート格子法を用い、離散化し、繰返し計算を行って一応の解を求めた途中結果である。即ち、この計算は完全に収束させることはできず、これ以上繰返し計算を行うと解が発散してしまう為、発散する前の結果を示したものである。
そこで、図4のように、ξ軸方向あるいはη軸方向の格子線を境界線に対して直交させるよう無理な修正を行なうと、計算格子が分岐しないという構造格子の条件により、直交しない右側の計算セルが非常に大きくなり、計算領域内での計算セルの最大/最小面積比が大きくなり、数値計算の不安定な状態が生じ、計算精度が低下する要因となる。
その対策として、図5のように、分岐を許容した非構造格子を用いて計算セルの最大/最小面積比を小さくすることもできるが、プログラムが複雑となり、計算に必要なメモリも増大し、計算速度も遅くなる。
このため、非分岐かつ非直交の構造格子を用いて計算を行う際に、境界に垂直な方向の微分係数が0でない場合の境界条件を、数値計算が不安定とならず、精度の高い解が得られる様に設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法の開発が望まれていた。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としてなされたものであり、非分岐かつ非直交の構造格子を用いて計算を行う際に、境界に垂直な方向の微分係数が0でない場合の境界条件を、境界を軸として対称位置にあるセルを計算領域外に仮想し、反変速度を用いて境界条件を定義し、反復計算法を用いることにより1の境界条件から2つの未知数を算出可能とし、またこのために計算領域内の座標変換係数を用いて、計算領域外に仮想した計算セルについての座標変換係数を表現する様にして、反復計算を用いる流れの数値解析方法としたものである。以下、各請求項の発明を説明する。
請求項1に記載の発明は、
非分岐かつ非直交の構造格子(ξη座標系)を用い、初期条件の設定後反復計算法を用いて流れの数値解析を行う際に、境界に垂直な方向の微分係数が0でない箇所の計算セルの境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法であって、
境界に垂直な方向の微分係数が0でない箇所の計算セルの境界条件を、境界を軸として前記計算セルと対称位置にあるセルを計算領域外に仮想し、該仮想した計算セルの反変速度を前記ξη座標系とデカルト座標系との座標変換係数を用いて定義し、さらに定義した反変速度を用いて与えようとする対称境界条件を定義し、
運動方程式を反復計算法により解く際に、計算領域の座標変換係数を用いて計算領域外に仮想した計算セルについての座標変換係数を表現する様にし、前回の反復計算で境界条件を反映して得られたデカルト座標(xy座標系)の物理速度と境界条件を用いて今回の反復計算におけるデカルト座標の物理速度未知数を算出すること特徴とする非分岐かつ非直交の構造格子の境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法である。
本請求項の発明においては、非分岐かつ非直交の構造格子を用いて計算を行う際に、境界に垂直な方向の微分係数が0でない場合の境界条件を、境界を軸として対称位置にあるセルを計算領域外に仮想し、反変速度を用いて境界条件を定義し、反復計算法を用いることにより1の境界条件から2つの未知数が算出可能となるため、数値計算が不安定とならず、精度の高い解が得られる。
なおここに、「非分岐」とは、升目を構成する格子線が途中で途切れないことを指す。
また、「非直交」とは、格子線と境界とが直交しないことを指す。
また、「構造格子」とは、一般曲線座標系を指す。
また、「座標変換係数」とは、デカルト座標と一般曲線座標との変換係数を指す。
また、「反変速度」とは、一般曲線座標の格子線に垂直な方向の速度を指す。
請求項2に記載の発明は、
前記非分岐かつ非直交の構造格子(ξη系座標)とデカルト座標(xy系座標)との変換係数をξ、ξ、η、ηとし、デカルト座標におけるx方向をu、y方向の速度をvとして、前記反変速度UとVを、以下の(式6)と(式7)で定義し、前記境界に垂直な方向の微分係数が0でない箇所の計算セルにおける計算セルのUについての境界(ξ=Nξ)条件
Figure 2011065360

を、当該計算セルと対象の位置にあると仮想した計算セルのUを用いて、(式8)で定義し、前記仮想した計算セルに対して以下の(式9)で示される座標変換係数を用い、
これらにより前記仮想した計算セルのx方向の速度とy方向の速度を、前回の繰返し計算で得た値を用いて解くことを繰り返すことを可能としていること特徴とする請求項1に記載の非分岐かつ非直交の構造格子の境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法である。
Figure 2011065360
Figure 2011065360
Figure 2011065360
Figure 2011065360
本請求項の発明においては、非分岐かつ非直交、2次元の構造格子(ξη系座標)を用いて計算を行う際に、境界に垂直な方向の微分係数が0でない場合の境界条件を、境界を軸として対称位置にあるセルを仮想し、(式2)と(式3)で定義される反変速度を用いて境界条件を定義し、反復計算法を用いることにより1の境界条件からデカルト座標における2つの未知数を算出可能とすることにより、数値計算が不安定とならず、精度の高い解が得られる。
請求項3に記載の発明は、
前記仮想した計算セルのx方向の速度とy方向の速度を、前回の繰返し計算で得た値を用いて解くことを繰り返すとは、
(式9)に示す関係を(式8)に代入して、
Figure 2011065360

について解くことにより以下の(式10)の結果を得、
同じく(式7)に示す関係を(式8)に代入して、
Figure 2011065360

について解くことにより(式11)の結果を得、
(式10)および(式11)を反復しながら対称境界条件を実現するものであることを特徴とする請求項2に記載の非分岐かつ非直交の構造格子の境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法である。
Figure 2011065360
Figure 2011065360
本請求項の発明においては、以下の(1)から(3)の要点に基づいているため、請求項2の発明の効果がより良く発揮できるだけでなく、プログラム作成が容易となり、計算メモリや計算速度の点でも有利となる。
(1)反変速度が座標軸に垂直な方向を有することに着目して、非対称境界条件を、前記(式8)で表す。
(2)前回反復値に既に境界条件が反映されていることに着目して、(式8)に含まれる2つの未知数を求めるために反復計算法とする。
(3)境界に関する対称性を利用して、計算領域外の座標変換係数を、計算領域内の座標変換係数で表す。
請求項4に記載の発明は、
前記反復計算法は、
コロケート格子法であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の非分岐かつ非直交の構造格子の境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法である。
本請求項の発明においては、コロケート格子法で反復計算を行うため、請求項2または請求項3の発明を流れの数値解析に用いる際に便利である。
本発明は、非分岐かつ非直交の構造格子を用いて計算を行う際に、境界に垂直な方向の微分係数が0でない場合の境界条件を、境界を軸として対称位置にあるセルを仮想し、反変速度を用いて境界条件を定義し、反復計算法を用いることにより1の境界条件から2つの未知数を算出可能としているため、数値計算が不安定とならず、精度の高い解が得られる。
非直交の構造格子の1例を示す図である。 図1の右上の境界部分と当該部分のη軸に線対称な仮想上の部分を示す図である。 図1に示す領域を対象として、境界で見かけの流入、流出が生じていることとなった計算例を示す図である。 直交構造格子の1例を示す図である。 直交非構造格子の1例を示す図である。 本発明を用いた数値計算の結果を示す図である。
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
図1に示す領域を対象に、同じ構造格子を用いて、即ち同じ格子分割、方法、計算式に与えるのではなく境界壁が本来的に有する境界条件で流れの数値解析を行うものとする。
以下、計算方法について、概略説明する。
計算方法としては、本実施の形態ではコロケート格子法を用いる。この方法は、物理速度uとvは計算セル中心に、反変速度(格子線に垂直な方向の速度)UとVは計算セルの辺の中心に配置するものである。
uをx軸方向の物理速度、vをy軸方向の物理速度、Uはη軸と垂直な向き(直交する)の反変速度であり、Vをξ軸と垂直な向き(直交する)の反変速度とする。反変速度は、以下の(式6)、(式7)にて定義される。なお(式6)、(式7)において、ξ、ξ、η、ηは、ξ=ξ(x,y)、η=η(x,y)とx=x(η,ξ)、y=y(η,ξ)における座標変換係数である。
Figure 2011065360
Figure 2011065360
これを用いて、右側境界(ξ=Nξ)における
Figure 2011065360

で示す境界条件を、Nξ番とNξ+1番の計算セル中心に配置される物理速度u及びvで表すと、次の(式8)の様になる。
Figure 2011065360
ここに、
Figure 2011065360

とは反変速度が0であることを、即ち格子線に垂直な方向の速度が0であり、流入、流出がないことを指す。
さらに、(式8)を
Figure 2011065360

について解くと(式10)を得る。
Figure 2011065360
また、(式8)を
Figure 2011065360

について解くと(式11)を得る。
Figure 2011065360
なお、(式10)および(式11)における上添え字mは、反復回数を示している。また、(式8)から(式11)における下添え字Nξは右側の境界の1つ左のξ座標値であり、Nξ+1は右側の境界線を基準にしてその対称位置におけるξ座標値を表す。そして、鍵かっこ「[ ]」は、複数の下添え字の重複を避けるために用いている。
(式8)の
Figure 2011065360

Figure 2011065360

についての具体的な解き方は、以下の点に着目して行う。
第1に、反復計算を用いることにより1つの境界条件から2つの未知数を算出する。即ち、(式8)には未知数が2つあるため、前回の反復値を用いて(式10)、(式11)を得る。
Figure 2011065360
Figure 2011065360
第2に、計算領域外の座標変換係数を、(式9)に示す様に計算領域内の座標変換係数を用いて算出する。
Figure 2011065360
具体的な計算の内容として、図1の全てのセルにおいて速度u、vおよび圧力pの初期値を仮定し、これらが連続の式とナビヤ・ストークスの式、および後述する境界条件を満たすように、速度u、vおよび圧力pの順に、セルξ=1、η=1からセルξ=Nξ、η=Nηまでの全てのセルにおける値が順次更新されることがなされる。ここでは、有限体積法に基づく離散化がなされ、あるセルにおける速度u、vおよび圧力pの値が、当該セルおよび隣接セルにおける速度u、vおよび圧力pによって表される関係式が得られる。
この関係式は、セルPにおける速度u、vおよび圧力pをφ、それに隣接する4個のセルE、W、N、Sのそれらの値をφ、φ、φ、φとして以下の(式12)で表される。
Figure 2011065360
ここで、a、a、a、aは、各々(式13)から(式16)で示される。
Figure 2011065360
Figure 2011065360
Figure 2011065360
Figure 2011065360
そして、bφは格子の非直交性に関係する項である。また、Jは計算セルにおける座標変換係数によって計算されるヤコビアンであり、Sは流れを駆動するソース項である。
反復計算では、前回反復時のφ、φ、φ、φ、および前回反復時のφを用いて評価したSを用いて右辺を計算し、φを新しい値に更新する。φの前回反復値と更新値との差が許容し得るまでに小さくなった状態に達すれば、全てのセルにおける速度u、vおよび圧力pの値が、連続の式とナビヤ・ストークスの式、および境界条件を満たしたと判断し、反復計算を終了する。
このφの値は、セルξ=1、η=1からセルξ=Nξ、η=Nηまでの全てのセルに対して評価されるので、例えば、セルξ=Nξあるいはη=Nηのような境界点において、セルξ=Nξ+1あるいはη=Nη+1のような境界外点における値が必要になる。
本発明は、境界線において反変速度の1成分(UあるいはV、境界ξ=Nξでは前者、η=Nη+1では後者となる)に対して成立する境界条件に基づく反復解法を用いることにより、これら各境界外点において必要となる速度の2成分(uおよびv)を与えることを可能とするものである。
すなわち、境界ξ=Nξを例にすると、対称境界条件は、境界線に垂直な速度成分、すなわち反変速度Uを用いて厳密にU=0と表せる。これを離散式で表すと(式8)を得る。
Figure 2011065360
この(式8)をuについて解くと(式10)を得る。
Figure 2011065360
また、vについて解くと(式11)を得る。
Figure 2011065360
これらの式の右辺におけるu、vとして、前回反復値を用いて、上記の反復計算を行なえば、対称境界条件を満たすよう、速度u、vが更新されることになる。
ところで、上式には計算領域外の座標変換係数ξ、ξ、η、ηが含まれる。これらを、計算領域内の座標変換係数を用いて算出することにより,上記反復計算を計算領域内で実施することを可能にした。
(式10)、(式11)に含まれる座標変換係数は,座標が既知である計算領域内の計算セルに対し計算可能である。そこで,第2図に示すように,非直交な境界付近において、与えようとしている対称境界条件を満たす計算セルを仮想的に配置することにより、座標の分からない計算領域外の座標変換係数を,計算領域内の座標変換係数により表現する。すなわち、以下の(式9)に示す関係を用いる。
Figure 2011065360
(式10)、(式11)は,この関係を(式8)に代入した結果得られたものである。
一方、圧力pは、速度u、vが連続の式を満たすように決める必要があるが、その方法としてSIMPLE法がある。SIMPLE法に基づく反復計算を行なえば、速度u、vに対して与えられた上記の境界条件を維持しつつ、連続の式を満たすように速度u、vが更新される。そして、全てのセルにおける速度u、vおよび圧力pの値が、連続の式、ナビヤ・ストークスの式および境界条件U=0を満たされたと判断し、反復計算を終了する。
順序は逆になるが、本実施の形態の方法を適用する運動方程式について説明する。図1に示す領域内で、uとvに関する非圧縮性流体の定常流の運動方程式は、(式17)、(式18)である。
Figure 2011065360
Figure 2011065360
なお、(式17)、(式18)に含まれるpは、計算領域内の質量が保存されるよう、SIMPLE解法を用いた。
また、(式17)、(式18)における各記号の意味は、以下の(式19)から(式22)に示す通りである。また、ρは密度(kg/m)であり、νは動粘度(m/s)であり、pは圧力(Pa)である。
Figure 2011065360
Figure 2011065360
Figure 2011065360
Figure 2011065360
なお、この(式17)と(式18)は、等間隔で分割したそして分岐しないデカルト座標系においては、各々(式23)と(式24)の様になる。
Figure 2011065360
Figure 2011065360
図6に、数値計算の結果を示す。図3と異なり、上側及び右側の境界において流れの対称条件が充たされており、流入も流出も生じていない水路内を循環する流れが示されている。
本発明は、対象とする領域が複雑な形状であるだけでなく、座標線と境界が直交せず境界に垂直方向の微分係数を与えるタイプの計算が多い原子炉等の数値解析に利用される。
11 下側の境界
12 右側の境界
13 上側の境界
14 左側の境界

Claims (4)

  1. 非分岐かつ非直交の構造格子(ξη座標系)を用い、初期条件の設定後反復計算法を用いて流れの数値解析を行う際に、境界に垂直な方向の微分係数が0でない箇所の計算セルの境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法であって、
    境界に垂直な方向の微分係数が0でない箇所の計算セルの境界条件を、境界を軸として前記計算セルと対称位置にあるセルを計算領域外に仮想し、該仮想した計算セルの反変速度を前記ξη座標系とデカルト座標系との座標変換係数を用いて定義し、さらに定義した反変速度を用いて与えようとする対称境界条件を定義し、
    運動方程式を反復計算法により解く際に、計算領域の座標変換係数を用いて計算領域外に仮想した計算セルについての座標変換係数を表現する様にし、前回の反復計算で境界条件を反映して得られたデカルト座標(xy座標系)の物理速度と境界条件を用いて今回の反復計算におけるデカルト座標の物理速度未知数を算出すること特徴とする非分岐かつ非直交の構造格子の境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法。
  2. 前記非分岐かつ非直交の構造格子(ξη系座標)とデカルト座標(xy系座標)との変換係数をξ、ξ、η、ηとし、デカルト座標におけるx方向をu、y方向の速度をvとして、前記反変速度UとVを、以下の(式6)と(式7)で定義し、前記境界に垂直な方向の微分係数が0でない箇所の計算セルにおける計算セルのUについての境界(ξ=Nξ)条件
    Figure 2011065360
    を、当該計算セルと対象の位置にあると仮想した計算セルのUを用いて、(式8)で定義し、前記仮想した計算セルに対して以下の(式9)で示される座標変換係数を用い、
    これらにより前記仮想した計算セルのx方向の速度とy方向の速度を、前回の繰返し計算で得た値を用いて解くことを繰り返すことを可能としていること特徴とする請求項1に記載の非分岐かつ非直交の構造格子の境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法。
    Figure 2011065360
    Figure 2011065360
    Figure 2011065360
    Figure 2011065360
  3. 前記仮想した計算セルのx方向の速度とy方向の速度を、前回の繰返し計算で得た値を用いて解くことを繰り返すとは、
    (式9)に示す関係を(式8)に代入して、
    Figure 2011065360
    について解くことにより以下の(式10)の結果を得、
    同じく(式7)に示す関係を(式8)に代入して、
    Figure 2011065360
    について解くことにより(式11)の結果を得、
    (式10)および(式11)を反復しながら対称境界条件を実現するものであることを特徴とする請求項2に記載の非分岐かつ非直交の構造格子の境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法。
    Figure 2011065360
    Figure 2011065360
  4. 前記反復計算法は、
    コロケート格子法であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の非分岐かつ非直交の構造格子の境界条件を設定し、反復計算を用いる流れの数値解析方法。
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