JP2011064421A - 蓄放熱装置及び蓄放熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、蓄熱時に使用される熱交換器、熱媒体等を放熱時においても使用して、蓄熱時に製造された潜熱蓄熱性物質が有する潜熱相当の熱エネルギーを効率的に取り出すことができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】蓄熱運転時には、潜熱蓄熱性物質を生成可能な流動する液体と流動する熱媒体との熱交換が行われるとともに、放熱運転時には、流動する前記スラリと流動する前記熱媒体との熱交換が行われる熱交換器と、前記液体又は前記スラリの一部が前記熱交換器の下流から上流に、蓄熱運転時には還流されるとともに、放熱運転時には還流されない還流用配管経路と、前記熱交換器が、前記熱媒体或いは前記液体又は前記スラリの流れに対して蓄熱運転時には並列に接続されるとともに、放熱運転時には直列に接続される複数個の熱交換器を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、潜熱蓄熱性物質を用いて潜熱相当の熱エネルギーの蓄積と放出とを行うことにより、当該熱エネルギーの蓄放熱を可能にする技術に関し、より詳しくは、蓄熱時に、潜熱蓄熱性物質を生成可能な流動する液体と流動する熱媒体との熱交換を通じて前記液体中に潜熱蓄熱性物質を生成させ、その潜熱蓄熱性物質のスラリを形成させるとともに、放熱時に、潜熱蓄熱性物質の流動するスラリと流動する熱媒体との熱交換を通じてその潜熱蓄熱性物質に蓄積されていた潜熱相当の熱エネルギーを放出させる蓄放熱技術に関する。
なお、本発明において、次に掲げる用語の意味又は解釈は、以下のとおりとする。
(1)「潜熱蓄熱性物質」とは、潜熱を蓄積する性質を有する物質の意味であり、その典型例は相変化物質であり、より具体的には包接化合物(包接水和物を含む)、無機水和塩などである。
(2)「潜熱蓄熱性物質を生成可能な液体」とは、文字通り、潜熱蓄熱性物質を生成することが可能な液体のことである。従って、潜熱蓄熱性物質を、量の多少を問わず、生成することができる液体である限り、それは「潜熱蓄熱性物質を生成可能な液体」に該当し、その限りにおいて、潜熱蓄熱性物質が液体に分散又は懸濁していても又は一部又は全部が過冷却状態にあっても、それは「潜熱蓄熱性物質を生成可能な液体」に該当する。
(3)「潜熱蓄熱性物質のスラリ」とは、潜熱蓄熱性物質が液体に分散又は懸濁してなるものをいう。潜熱蓄熱性物質が包接水和物や無機水和物である場合には、当該液体の典型例は原料溶液や水であり、潜熱蓄熱性物質が包接化合物であり、しかもその包接化合物のゲスト分子を籠状に取り囲むホスト分子が有機溶媒の成分である場合には、当該液体の典型例は当該有機溶媒である。なお、「潜熱蓄熱性物質のスラリ」については、これを「潜熱蓄熱性スラリ」又は「スラリ」と略称する場合がある。
(4)「潜熱相当の熱エネルギー」とは、固液相変化時の潜熱の熱エネルギーだけでなく固相及び液相それぞれが有する顕熱の熱エネルギーをも含む総和の熱エネルギーの意味である。
潜熱蓄熱性物質を生成可能な溶液(以下「原料溶液」という場合がある)と熱媒体との熱交換により潜熱蓄熱性物質を生成させ、これにより潜熱相当の熱エネルギーを蓄積させ、当該潜熱蓄熱性物質又はそのスラリを熱媒体との熱交換により原料溶液に復帰させ、これにより潜熱相当の熱エネルギーを放出させることを基本原理とする蓄放熱装置においては、蓄熱運転時に原料溶液と熱媒体との熱交換に供される熱交換器と、放熱運転時に潜熱蓄熱性物質若しくはそのスラリと熱媒体との熱交換に供される熱交換器とを別々に設けたり、蓄熱運転時に原料溶液との熱交換に供される熱媒体と、放熱運転時に潜熱蓄熱性物質若しくはそのスラリとの熱交換に供される熱媒体とを別々に有することは不経済なので、蓄放熱運転時に両用の熱交換器及び熱媒体を有することが望まれる。同様のことは熱交換器のみならず、熱交換器を取巻く配管、ポンプ、蓄熱槽などについてもいえ、それらも蓄放熱運転時に両用可能であることが望まれる。
蓄放熱運転時に両用可能な構成要素を備える蓄放熱装置の一例として、熱媒体(温水)が流通される熱交換器と、この熱交換器において流通する熱媒体との間で蓄熱と放熱の熱交換が行われる蓄熱部とを備え、熱交換器における熱媒体の流通経路を、流通面積が大きく流通路程長が小さい並列経路と、流通面積が小さく流通路程長が大きい直列経路に切り替え可能にされた装置が知られている(特許文献1)。この装置においては、時間をかけて蓄熱や放熱を行う必要がある場合には、熱媒体の流通経路が並列経路に切り替えられ、短時間で多くの蓄熱や放熱を行う必要がある場合には、熱媒体の流通経路が直列経路に切り替えられる。
一方、流動する原料溶液と流動する熱媒体との熱交換を通じて原料溶液中に潜熱蓄熱性物質を生成させ、その潜熱蓄熱性物質のスラリを形成させるという潜熱蓄熱性スラリの製造装置が知られており、その一例として、原料溶液の流れに沿って順に配置される第一熱交換器と第二熱交換器のそれぞれにおいて熱媒体との熱交換を通じて原料溶液を冷却させるとともに、第一熱交換器の下流と第二熱交換器の上流との間に、第二熱交換器の下流から原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリの一部を、その中に分散又は懸濁している潜熱蓄熱性物質とともに還流させるという装置が知られている(特許文献2、図10)。この場合、第二熱交換器の下流から上流に原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリの一部を還流させるのは、その中に含まれる潜熱蓄熱性物質を新たな潜熱蓄熱性物質の生成核として機能させるためである。
特開2003−294322号公報 特開2002−263470号公報
しかし、上記の装置(特許文献1)の場合、蓄熱運転時と放熱運転時のいずれにおいても潜熱蓄熱材は蓄熱部に配置されており、熱交換部において流通するものではない。また、熱交換器における熱媒体の流通経路が直列経路と並列経路との間で切り替わると、流通面積や流通路程長も切り替わるので、そもそも切り替わりの前後の熱交換器は同じものとは言えないし、蓄熱運転時に蓄熱部に蓄えられた潜熱相当の熱エネルギーが放熱運転時に効率的に取り出されるとは限らない。
上記の潜熱蓄熱性スラリの製造装置においてスラリ製造時(即ち蓄熱運転時)に使用される熱交換器を放熱目的に使用することは、そのままでは難しい。なぜなら、蓄熱運転時には原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリの還流は必要であっても、放熱運転時には必要でないので、蓄熱運転時に熱交換器を流通する原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリの流量に比べて還流がない分だけ、放熱運転時に同熱交換器を流通する潜熱蓄熱性スラリの流量が低下し、熱媒体との熱交換効率が低下し、蓄熱運転時に蓄積したはずの潜熱相当の熱エネルギーを、放熱運転時に十分取り出すことができなくなるという問題があるからである。
かかる問題は潜熱蓄熱性スラリの製造装置に限らず、熱交換器の下流から上流への原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリの還流を伴って製造される潜熱蓄熱性スラリ又は潜熱蓄熱性物質から潜熱相当の熱エネルギーを取り出す際、蓄熱時に使用される熱交換器、熱媒体等を放熱時においても使用して当該熱エネルギーを効率的に取り出すためには、更なる技術的工夫が必要である。
本発明は、以上の問題や事情に鑑みてなされたものであり、蓄熱時に使用される熱交換器、熱媒体等を放熱時においても使用して、蓄熱時に製造された潜熱蓄熱性物質が有する潜熱相当の熱エネルギーを効率的に取り出すことができる技術を提供することを課題とする。
かかる課題は、本発明によれば、蓄放電装置に関しては、次の第一乃至第六の形態に係る蓄放熱装置により、蓄放熱方法に関しては、第七の形態に係る蓄放熱方法により解決される。
本発明の第一の形態に係る蓄放熱装置は、蓄熱運転時に、潜熱蓄熱性物質を生成可能な流動する液体と流動する熱媒体との熱交換を通じて前記液体中に潜熱蓄熱性物質を生成させ、その潜熱蓄熱性物質のスラリを形成させるとともに、放熱運転時に、潜熱蓄熱性物質の流動するスラリと流動熱媒体との熱交換を通じてその潜熱蓄熱性物質に蓄積されていた潜熱相当の熱エネルギーを放出させる蓄放熱装置において、蓄熱運転時には、潜熱蓄熱性物質を生成可能な流動する液体と流動する熱媒体との熱交換が行われるとともに、放熱運転時には、流動する前記スラリと流動する前記熱媒体との熱交換が行われる熱交換器と、前記液体又は前記スラリの一部が前記熱交換器の下流から上流に、蓄熱運転時には還流されるとともに、放熱運転時には還流されない還流用配管経路と、前記熱交換器が、前記熱媒体或いは前記液体又は前記スラリの流れに対して蓄熱運転時には並列に接続されるとともに、放熱運転時には直列に接続される複数個の熱交換器を備えている、ことを特徴とするものである。
本発明の第二の形態に係る蓄放熱装置は、第一の形態に係る蓄放熱装置であって、前記熱交換器において、前記熱媒体或いは前記液体若しくは前記スラリの流れの向きが、蓄熱運転時であるか放熱運転時であるかに係りなく、同じであることを特徴とするものである。
本発明の第三の形態に係る蓄放熱装置は、蓄熱運転時に、潜熱蓄熱性物質を生成可能な流動する液体と流動する熱媒体との熱交換を通じて前記液体中に潜熱蓄熱性物質を生成させ、その潜熱蓄熱性物質のスラリを形成させるとともに、放熱運転時に、潜熱蓄熱性物質の流動するスラリと流動する熱媒体との熱交換を通じてその潜熱蓄熱性物質に蓄積されていた潜熱相当の熱エネルギーを放出させる蓄放熱装置において、前記液体又は前記スラリの流れに沿って上流から下流に向かって直列に配置される第一熱交換器及び第二熱交換器と、前記液体又は前記スラリの一部が第二熱交換器の下流から第一熱交換器の下流且つ第二熱交換器の上流に、蓄熱運転時に還流されるとともに、放熱運転時には還流されない還流用配管経路とを備え、第二熱交換器が、前記熱媒体或いは前記液体又は前記スラリの流れに対して蓄熱運転時には並列に接続されるとともに、放熱運転時には直列に接続される複数個の熱交換器を備えている、ことを特徴とするものである。
本発明の第四の形態に係る蓄放熱装置は、第三の形態に係る蓄放熱装置であって、第二熱交換器は、前記熱媒体或いは前記液体若しくは前記スラリの流れの向きが、蓄熱運転時であるか放熱運転時であるかに係りなく、同じであることを特徴とするものである。
本発明の第五の形態に係る蓄放熱装置は、第一乃至第四のいずれかの形態に係る蓄放熱装置であって、前記液体又は前記スラリの一部を前記還流用配管経路に沿って流通させる還流ポンプと、前記液体又は前記スラリが蓄熱運転時に収容されそして放熱運転時には取り出される蓄熱槽と、前記液体又は前記スラリを蓄熱運転時に前記蓄熱槽に送入させそして放熱運転時に前記蓄熱槽から送出させるスラリ流送ポンプと、を備えていることを特徴とするものである。
本発明の第六の形態に係る蓄放熱装置は、第一乃至第五のいずれかの形態に係る蓄放熱装置であって、蓄熱運転時に前記熱媒体を冷凍機に流通させる第一熱媒体流送ポンプと、放熱運転時に前記熱媒体を熱利用側に流通させる第二熱媒体流送ポンプと、を備えていることを特徴とするものである。
本発明の第七の形態に係る蓄放熱方法は、潜熱蓄熱性物質を生成可能な流動する液体と流動する熱媒体との熱交換を通じて前記液体中に潜熱蓄熱性物質を生成させ、その潜熱蓄熱性物質のスラリを形成させるとともに、潜熱蓄熱性物質の流動するスラリと流動する熱媒体との熱交換を通じてその潜熱蓄熱性物質に蓄積されていた潜熱相当の熱エネルギーを放出させる蓄放熱方法において、蓄熱時には、前記熱媒体或いは前記液体又は前記スラリの流れに対して並列に接続した複数個の熱交換器にて、潜熱蓄熱性物質を生成可能な流動する液体と流動する熱媒体との熱交換を行い、放熱時には、前記熱媒体或いは前記液体又は前記スラリの流れに対して直列に接続した前記複数個の熱交換器にて、前記潜熱蓄熱性物質の流動するスラリと流動する熱媒体との熱交換を行う、ことを特徴とするものである。
本発明においては、潜熱蓄熱性物質を用いた蓄放熱の際に使用される熱交換器が複数個の熱交換器を備えており、当該複数個の熱交換器は、熱交換器の下流から上流への原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリを還流させながら潜熱蓄熱性物質を生成させ、潜熱蓄熱性スラリを形成させ、これにより潜熱相当の熱エネルギーを蓄積する際(蓄放熱装置であれば蓄熱運転時)には、熱媒体或いは原料溶液又はスラリの流れに対して並列に接続され、熱交換器の下流から上流への原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリを還流させることなく潜熱蓄熱性スラリ又は潜熱蓄熱性物質から潜熱相当の熱エネルギーを放出させる際(蓄放熱装置であれば放熱運転時)には、直列に接続される。
まず、複数個の熱交換器を並列に接続しても、直列に接続しても、換言すれば、蓄熱運転時であるか放熱運転時であるかを問わず、流動する原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリ若しくは潜熱蓄熱性物質と熱媒体との熱交換が行われる熱交換器は同じものであり、熱交換器の伝熱面の総面積は変わらない。
蓄熱運転時、即ち複数個の熱交換器が並列に接続される場合、そこを通過する原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリの総量には、当該複数個の熱交換器の下流から上流への原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリの還流する分が追加されており、その際の流速の下で熱媒体との熱交換が起こる。
一方、放熱運転時、即ち当該複数個の熱交換器が直列に接続される場合、その複数個の熱交換器の下流から上流への原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリの還流がない分、熱媒体と熱交換される潜熱蓄熱性スラリの総量は減少する。しかし、当該複数個の熱交換器が直列に接続されているので、潜熱蓄熱性スラリの流速は、上記の還流がないからといって蓄熱運転時に比べて大幅には低下することがない。その結果、当該複数個の熱交換器において、潜熱蓄熱性スラリ又は潜熱蓄熱性物質と熱媒体との熱交換の効率が高い水準で維持される。
また、蓄熱運転時、熱交換器を通過する原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリの総量に当該熱交換器の下流から上流への原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリの還流が追加されたままであると、当該熱交換器を流通する際の原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリの圧力損失が増加し、スラリ流送ポンプへの負荷が増加してしまう。しかし、当該熱交換器の少なくとも一部を構成する複数個の熱交換器が並列に接続されると、上記の圧力損失の増加、延いてはスラリ流送ポンプへの負荷の増加が回避される。一方、放熱運転時、即ち熱交換器を通過する潜熱蓄熱性スラリの総量が当該熱交換器の下流から上流への潜熱蓄熱性スラリの還流が追加されない分だけ低下するときに、当該複数個の熱交換器が並列に接続されたままであると、潜熱蓄熱性スラリの流速が低下したり、通過量が不十分となり、熱媒体との熱交換の効率が低下してしまう。しかし、当該複数個の熱交換器が直列に接続されるので、熱交換器を通過する潜熱蓄熱性スラリの総量が小さくなっても、潜熱蓄熱性スラリの流速が一定以上の高い水準に維持され、必要な通過量が維持され、熱媒体との熱交換の効率の低下が回避される。
それ故、本発明(特に本発明の第一、第三及び第七の各形態)によれば、蓄熱時に使用される熱交換器、熱媒体等を放熱時においても使用して、蓄熱時に製造された潜熱蓄熱性物質が有する潜熱相当の熱エネルギーを効率的に取り出すことができる。
なお、熱交換器の下流から上流への原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリの還流量が過度に大きく、蓄熱運転時には並列に接続されていた複数個の熱交換器を放熱運転時に直列に接続しても、潜熱蓄熱性スラリの流速の低下が無視できなくない場合には、当該複数個の熱交換器に原料溶液又は潜熱蓄熱性スラリを流通させるために使用されるスラリ流送ポンプとして、そのポンプ能力が所定範囲(放熱運転時の潜熱蓄熱性スラリの流速を、その低下分を補填して、一定以上の高い水準に維持するに足る範囲)で可変なものを当初から選択して、蓄熱運転時と放熱運転時において両用すれば足りる。このようなポンプ能力が可変なスラリ流送ポンプとしては、スラリ流送向けに使用可能で、インバータ制御方式のポンプが好適である。
上記の効果は、本発明の各形態に共通するものである。さらに、本発明の各形態に固有の効果は以下のとおりである。
本発明の第二の形態においては、熱交換器において、熱媒体或いは原料溶液若しくは潜熱蓄熱性スラリの流れの向きが、蓄熱運転時であるか放熱運転時であるかに係らず、同じである。このことは、熱交換器における熱媒体或いは原料溶液若しくは潜熱蓄熱性スラリの流通を可能にする配管系(配管、ポンプ、バルブ、計測機器などを含む)のうち少なくとも当該熱交換器に直接接続されているものが、蓄熱運転時と放熱運転時とで両用可能であることを意味している。それ故、この形態によれば、構成要素の無駄がないことにより経済的な蓄放熱装置を実現することができる。
本発明の第四の形態は、その第二熱交換器において、熱媒体或いは原料溶液若しくは潜熱蓄熱性スラリの流れの向きが、蓄熱運転時であるか放熱運転時であるかに係らず、同じ場合に相当する。それ故、この形態によれば、本発明の第二の形態と同様に、熱交換器における熱媒体或いは原料溶液若しくは潜熱蓄熱性スラリの流通を可能にする配管系(配管、ポンプ、バルブ、計測機器などを含む)のうち少なくとも当該熱交換器に直接接続されているものが、蓄熱運転時と放熱運転時とで両用可能になり、しかも、第一熱交換器も蓄熱運転時と放熱運転時とで両用可能になるが故に、より経済的な蓄放熱装置を実現することができる。
本発明の第五の形態によれば、放熱運転時には使用されない還流用配管経路と還流ポンプを除き、原料溶液又はスラリが収容される又は取り出される蓄熱槽と、原料溶液又はスラリを蓄熱槽に送入させる又は放熱運転時に蓄熱槽から送出させるスラリ流送ポンプとが蓄熱運転時と放熱運転時とで両用可能になるので、より経済的な蓄放熱装置を実現することができる。
本発明の第一実施形態としての蓄放熱装置Iの説明図である。 図1装置の蓄熱運転時の説明図である。 図1装置の放熱運転時の説明図である。 本発明の第二実施形態としての蓄放熱装置IIの説明図である。 図4装置の蓄熱運転時の説明図である。 図4装置の放熱運転時の説明図である。
以下、実施形態又は実施例により本発明を詳細に説明する。その際、必要に応じて図表を参照しつつ説明するが、各図表において同じ部分又は相当する若しくは共通する部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。いうまでもなく、本発明は、図面に記載された実施の形態や実施例に限定されない。なお、以下において説明する本発明に係る蓄放熱装置の実施形態又は実施例において実行されている蓄放熱方法が、本発明に係る蓄放熱方法の実施形態又は実施例に相当する。
以下、潜熱蓄熱性物質を包接水和物とし、原料溶液を当該包接水和物のゲスト物質(ゲスト分子)の水溶液とし、潜熱蓄熱性スラリを当該包接水和物が原料溶液又は水に分散又は懸濁してなるものとする。配管に設置されていることがあるバルブ、センサ、継手、ポンプ等については、背景技術や本発明を説明する必要がある限りにおいて、それらを図面に図示し、説明するものとする。なお、以下の図において、経路が接続する又は接続している箇所を(個別に又はまとめて)節点という。
<第一実施形態>
(i)蓄放熱装置Iの装置構成
図1は本発明の第一実施形態としての蓄放熱装置Iの説明図である。
蓄熱時に使用される熱交換器、熱媒体等を放熱時においても使用して、蓄熱時に製造された潜熱蓄熱性物質が有する潜熱相当の熱エネルギーを効率的に取り出すことができる蓄放熱装置である。
本実施形態では、蓄放熱装置Iは、二つの熱交換器1A,1B、冷凍機2及び熱負荷側熱交換器3、そして蓄熱槽4を有しており、冷凍機2は後述の蓄熱時冷熱媒体循環経路C1そして熱負荷側熱交換器3は放熱時冷熱媒体循環経路C4により、それぞれ熱交換器1A,1Bと接続されている。又、蓄熱槽4は、後述の蓄熱時スラリ循環経路C2と放熱時スラリ循環経路C5とを、選択できるように上記熱交換器1A,1Bと接続されている。さらに、熱交換器1A,1Bはスラリ還流経路C3により互いに接続されている。
蓄熱時冷熱媒体循環経路C1は、図1に見られるように、二つの熱交換器1A,1Bの後流位置の節点Nbを経てから、節点Nfを経て、冷熱媒体循環ポンプ5を経て冷凍機2へ接続され、該冷凍機2から節点Neを経て節点Naに達する経路を有し、さらには、該節点Naで分岐されて節点Ndを経た後に熱交換器1Aを経て上記節点Nbへ戻る経路と、上記節点Naで分岐されて熱交換器1Bに達した後、節点Ncを経て上記節点Nbへ戻る経路とを有している。
換言すると、上記蓄熱時冷熱媒体循環経路C1は、節点Nbから冷凍機2を経て節点Naまでは一つの直列経路、そして該節点Naから熱交換器1A,1Bを経て節点Nbまでは、熱交換器1A側と熱交換器1B側の別経路をなす並列経路を有している。
すなわち、蓄熱時冷熱媒体循環経路C1は、蓄熱時に熱交換器1A,1Bと冷凍機2との間で冷熱媒体を流通させるための配管経路として、冷凍機2→節点Ne→節点Na→節点Nd→熱交換器1A→節点Nb→節点Nf→冷熱媒体循環ポンプ5→冷凍機2の経路と、冷凍機2→節点Ne→節点Na→熱交換器1B→節点Nc→節点Nb→節点Nf→冷熱媒体循環ポンプ5→冷凍機2の経路とを併有していて環状に接続されて構成されている。
次に、蓄熱時スラリ循環経路C2は、二つの熱交換器1A,1Bから節点N4を経た後、節点N2を経て蓄熱槽4に接続され、該蓄熱槽4からスラリ循環ポンプ6を経て節点N1そして次に節点N3に達する経路を有し、さらには、該節点N3で分岐されて熱交換器1Aを経て、次に節点N5を経て、上記節点N4へ戻る経路と、上記節点N3で分岐されて節点N6を経て熱交換器1Bへ達し、しかる後に上記節点N4へ戻る経路とを有している。
換言すると、上記蓄熱時スラリ循環経路C2は、節点N4から蓄熱槽4を経て節点N3までは一つの直列経路、そして該節点N3から熱交換器1A,1Bを経て節点N4までは、熱交換器1A側と熱交換器1B側の別経路をなす並列経路を有している。
すなわち、蓄熱時スラリ循環経路C2は、蓄熱時に原料溶液(又は潜熱蓄熱性物質の存在割合が相対的に低い潜熱蓄熱性スラリ)を熱交換器1A,1Bと蓄熱槽4との間で流通させる配管経路として、蓄熱槽4→スラリ循環ポンプ6→節点N1→節点N3→熱交換器1A→節点N5→節点N4→節点N2→蓄熱槽4の経路と、蓄熱槽4→スラリ循環ポンプ6→節点N1→節点N3→節点N6→熱交換器1B→節点N4→節点N2→蓄熱槽4の経路とを併有していて環状に接続されて構成されている。
スラリ還流経路C3は、両熱交換器1A,1Bの下流から上流に原料溶液(又は潜熱蓄熱性スラリ)の一部をそこに含まれる潜熱蓄熱性物質とともに還流させるための環状の配管経路であり、両熱交換器1A,1Bの下流の節点N2と上流の節点N1との間をスラリ還流ポンプ7を経て接続する還流用配管並びに蓄熱時スラリ循環経路C2の一部、すなわち節点N1から熱交換器1A,1Bを経て節点N2までの並列経路を備えてなるものである。
放熱時冷熱媒体循環経路C4は、放熱時に熱交換器1A,1Bと熱負荷側熱交換器3との間で冷熱媒体を流通させるための配管経路であり、熱負荷側熱交換器3→放熱時冷熱媒体循環ポンプ8→節点Ne→節点Na→熱交換器1B→節点Nc→節点Nd→熱交換器1A→節点Nb→節点Nf→熱負荷側熱交換器3のように直列をなして環状に接続されて構成されている。
放熱時スラリ循環経路C5は、放熱時に熱交換器1A,1Bと蓄熱槽4との間で、潜熱蓄熱性スラリ(又は原料溶液)を流通させるための配管経路であり、蓄熱槽4→スラリ循環ポンプ6→節点N1→節点N3→熱交換器1A→節点N5→節点N6→熱交換器1B→節点N4→節点N2→蓄熱槽4のように直列をなして環状に接続されて構成されている。
このように本実施形態での蓄放熱装置Iでは、熱交換器は、複数個の熱交換器1A,1B,・・・を備えている(図1では便宜的に、二つの熱交換器1A,1Bのみが描かれている)。蓄熱時には、熱交換器1A,1Bは、冷熱媒体の流れ及び原料溶液の流れに対して並列に接続され、節点Na及び節点Nbは、流通する冷熱媒体の分岐点及び合流点にそれぞれ相当し、節点N3及び節点N4は、流通する原料溶液(又は潜熱蓄熱性スラリ)の分岐点及び合流点にそれぞれ相当する。また、放熱時には、熱交換器1A,1Bは、冷熱媒体の流れ及び原料溶液の流れに対して直列に接続され、節点Nc及び節点Ndを接続する経路は、冷熱媒体を熱交換器1Bから1Aへ流通させ、節点N5及び節点N6を接続する経路は、原料溶液を熱交換器1Aから1Bへ流通させる。かかる蓄放熱装置Iにおける蓄熱運転そして放熱運転について、以下説明する。
(ii)蓄熱運転
図2に蓄放熱装置Iの蓄熱運転時の構成を示す。蓄放熱装置Iにおいて、冷熱媒体は、蓄熱時冷熱媒体循環経路C1に沿って、冷熱媒体循環ポンプ5により冷凍機2に送られ冷却された後、冷凍機2から節点Naに向けて送出された後、節点Naにおいて分岐され、引き続き並列に接続された熱交換器1Aと熱交換器1Bに向けて送出され、それぞれの熱交換器1A,1Bにおいて原料溶液との熱交換が行われた後、合流点である節点Nbを経由して、冷熱媒体循環ポンプ5に戻される。
蓄熱槽4に収容されている原料溶液は、蓄熱時スラリ循環経路C2に沿って、スラリ循環ポンプ6により分岐点である節点N3を経由して各熱交換器1A,1Bに送出され、それぞれの熱交換器1A,1Bにおける冷熱媒体との熱交換により冷却されることにより少なくとも一部が過冷却状態にある原料溶液となり、蓄熱槽4に再度収容される。蓄熱槽4に再度収容された原料溶液の過冷却状態は、収容先の蓄熱槽4の中で徐々に解除される。これにより、蓄熱槽4の中で潜熱蓄熱性物質の存在割合が高まり、原料溶液は潜熱蓄熱性スラリといえるものとなる。そして蓄熱槽4に収容されるに至った潜熱蓄熱性スラリは、原料溶液として第一スラリ循環ポンプ6により再び又は循環的に蓄熱時スラリ循環経路C2に沿って送出され、蓄熱槽4に戻される。かくして蓄熱槽4に収容されている潜熱蓄熱性スラリにおける潜熱蓄熱性物質の存在割合は、熱利用に適した水準に至るまで徐々に高められてゆく。
少なくとも一部が過冷却状態にある若しくはその過冷却状態の一部が解除された原料溶液又は原料溶液として送出された潜熱蓄熱性スラリの一部は、スラリ還流経路C3に沿って、節点N2からスラリ還流ポンプ7により抜き出され、節点N1を経由して両熱交換器1A,1Bに送出され、節点N2に戻される。少なくとも一部が過冷却状態にある原料溶液の一部がスラリ還流経路C3に沿って移動する場合には、その移動の過程で、その過冷却状態の一部又は全部が解除されるので、両熱交換器1A,1Bの上流により多くの生成核が供給される。その生成核の供給により、各熱交換器1A,1Bにおける冷却により原料溶液に生じる過冷却が解除され、延いては、周辺環境への潜熱蓄熱性物質の付着が抑制される。
(iii)放熱運転
蓄熱時に使用される熱交換器、冷熱媒体を放熱時においても使用して、蓄熱時に製造され蓄熱槽に貯蔵された潜熱蓄熱性スラリが有する潜熱相当の熱エネルギーを取り出して熱負荷側熱交換器で放熱し、空調等に冷熱を供する。図3に蓄放熱装置Iの放熱運転時の構成を示す。
蓄放熱装置Iにおいて、冷熱媒体は、放熱時冷熱媒体循環経路C4に沿って、熱負荷側熱交換器3で空調等に冷熱を供給して暖められた後に、放熱時冷熱媒体循環ポンプ8により、節点Ne、Naに向けて送出された後、分岐されずにそのまま熱交換器1Bで潜熱蓄熱性スラリと熱交換が行われ、節点Ncを経由して節点Ndに送出されて、熱交換器1Aで再び潜熱蓄熱性スラリと熱交換が行われて十分に冷却された後、節点Nb、Nfを経由して、熱負荷側熱交換器3に戻される。熱交換器1Aと熱交換器1Bは直列に接続されている。
蓄熱槽4に収容されている潜熱蓄熱性スラリは、放熱時スラリ循環経路C5に沿って、第一スラリ循環ポンプ6により節点N1,N3を経由して分岐されずに熱交換器1Aに送出される。熱交換器1Aで冷熱媒体と熱交換が行われた後に、節点N5、節点N6を経由して熱交換器1Bに送出されて、該熱交換器1Bで再び冷熱媒体と熱交換が行われて十分に熱交換した後、節点N4、節点N2を経由して蓄熱槽4に再度収容される。熱交換器1Aと熱交換器1Bは直列に接続されている。
ここでは図示していないが、配管経路の切り替えに関しては、二方弁、三方弁、逆止弁などを適宜使用して、流路を切り替えることが可能である。
上記のようにして蓄熱時と放熱時で、冷熱媒体と原料溶液、潜熱蓄熱性スラリの循環経路を切り替えることにより、それぞれの熱交換器に流入する流量を調整できる。蓄熱時には2台の熱交換器を並列にすることにより、スラリ還流によるスラリ流量増加に伴う圧力損失増大を緩和することが可能である。また、放熱時にはスラリ還流を実施しないことによる流速の低下による熱交換器での総括伝熱係数の低下を防止するために、流れる冷熱媒体の流量を熱交換器を並列配置にして半分にすることなく、直列配置としてそのまま全量流すことにより熱交換器内部の流速を増加させて総括伝熱係数を高く維持することができる。すなわち、潜熱蓄熱性スラリ又は潜熱蓄熱性物質と冷熱媒体との熱交換の効率を高い水準で維持することができる。
また、熱交換器を循環経路の切替のみで、熱交換する冷熱媒体の熱交換流路長を並列時(蓄熱時)と比較して直列時(放熱時)には2倍(熱交換器が2台ある場合)や3倍(熱交換器が3台ある場合)に、容易に変更することが可能であるため、熱交換器の伝熱面を有効に活用でき、総括伝熱係数を高く維持できることと合わせて、蓄放熱装置としての熱交換の効率を高くすることが可能である。
蓄熱時に使用される熱交換器、熱媒体等を放熱時においても使用して、蓄熱時に製造された潜熱蓄熱性物質が有する潜熱相当の熱エネルギーを効率的に取り出すことができる。
<第二実施形態>
(a)蓄放熱装置IIの装置構成
図4は本発明の第二実施形態としての蓄放熱装置IIの説明図である。なお、第二実施形態では既出の第一実施形態と共通部位には同一符号を付してその説明を省略する。蓄放熱装置IIは原料溶液又はスラリの流れに沿って上流から下流に向かって直列に配置される第一熱交換器11Cと第二熱交換器とを備え、第二熱交換器を複数個(例えば第二熱交換器11A,11B)設けるものである。
上記第一熱交換器11Cは、節点Nbと節点Nfと接続されて設けられ、第二熱交換器11Aに対して直列に配設されている。
図4中、蓄熱時冷熱媒体循環経路C1は、蓄熱時に熱交換器11A,11B,11Cと冷凍機2との間で冷熱媒体を流通させるための循環経路として、冷凍機2→節点Ne→節点Na→節点Nd→第二熱交換器11A→節点Nb→第一熱交換器11C→節点Nf→冷熱媒体循環ポンプ5→冷凍機2の経路と、冷凍機2→節点Ne→節点Na→第二熱交換器11B→節点Nc→節点Nb→第一熱交換器11C→節点Nf→冷熱媒体循環ポンプ5→冷凍機2の経路とを併有していて環状に接続されて構成されている。
蓄熱時スラリ循環経路C2は、蓄熱時に原料溶液(又は潜熱蓄熱性物質の存在割合が相対的に低い潜熱蓄熱性スラリ)を熱交換器11A,11B,11Cと蓄熱槽4との間で流通させる循環経路として、蓄熱槽4→スラリ循環ポンプ6→第一熱交換器11C→節点N1→節点N3→第二熱交換器11A→節点N5→節点N4→節点N2→蓄熱槽4の経路と、蓄熱槽4→スラリ循環ポンプ6→第一熱交換器11C→節点N1→節点N3→節点N6→第二熱交換器11B→節点N4→節点N2→蓄熱槽4の経路とを併有していて環状に接続されて構成されている。
スラリ還流経路C3は、第二熱交換器11A,11Bの下流から上流に原料溶液(又は潜熱蓄熱性スラリ)の一部をそこに含まれる潜熱蓄熱性物質とともに還流させるための環状の配管経路であり、第二熱交換器11A,11Bの下流の節点N2と上流の節点N1との間をスラリ還流ポンプ7を経て接続する還流用配管並びに蓄熱時スラリ循環経路C2の一部、すなわち節点N1から第二熱交換器11A,11Bを経て節点N2まで並列経路を備えてなるものである。
放熱時冷熱媒体循環経路C4は、放熱時に熱交換器11A,11B,11Cと熱負荷側熱交換器3との間で冷熱媒体を流通させるための循環経路であり、熱負荷側熱交換器3→放熱時冷熱媒体循環ポンプ8→節点Ne→節点Na→第二熱交換器11B→節点Nc→節点Nd→第二熱交換器11A→節点Nb→第一熱交換器11C→節点Nf→熱負荷側熱交換器3のように直列をなして環状に接続されて構成されている。
放熱時スラリ循環経路C5は、放熱時に熱交換器11A,11B,11Cと蓄熱槽4との間で、潜熱蓄熱性スラリ(又は原料溶液)を流通させるための循環経路であり、蓄熱槽4→スラリ循環ポンプ6→第一熱交換器11C→節点N1→節点N3→第二熱交換器11A→節点N5→節点N6→第二熱交換器11B→節点N4→節点N2→蓄熱槽4のように直列をなして環状に接続されて構成されている。
このように本実施形態での蓄放熱装置IIでは、第二熱交換器は、複数個の熱交換器11A,11B,・・・を備えている(図4では便宜的に、二つの第一熱交換器11A,11Bのみが描かれている)。蓄熱時には、第二熱交換器11A,11Bは、冷熱媒体の流れ及び原料溶液の流れに対して並列に接続され、節点Na及び節点Nbは、流通する冷熱媒体の分岐点及び合流点にそれぞれ相当し、節点N3及び節点N4は、流通する原料溶液(又は潜熱蓄熱性スラリ)の分岐点及び合流点にそれぞれ相当する。また、放熱時には、第二熱交換器11A,11Bは、冷熱媒体の流れ及び原料溶液の流れに対して直列に接続され、節点Nc及び節点Ndを接続する経路は、冷熱媒体を第二熱交換器11Bから第二熱交換器11Aへ流通させ、節点N5及び節点N6を接続する経路は、原料溶液を第二熱交換器11Aから第二熱交換器11Bへ流通させる。かかる蓄放熱装置IIにおける蓄熱運転そして放熱運転について、以下説明する。
(b)蓄熱運転
図5に蓄放熱装置IIの蓄熱運転時の構成を示す。冷熱媒体は、蓄熱時冷熱媒体循環経路C1に沿って、冷熱媒体循環ポンプ5により、冷凍機2に送られ、冷凍機2において冷却された後、冷凍機2から節点Naに向けて送出された後、節点Naにおいて分岐され、引き続き並列に接続された第二熱交換器11Aと第二熱交換器11Bに向けてそれぞれ送出され、それぞれの第二熱交換器11A,11Bにおいて潜熱蓄熱性スラリ又は原料溶液との熱交換が行われた後、合流点である節点Nbを経由して、第一熱交換器11Cで原料溶液との熱交換が行われた後に、冷熱媒体循環ポンプ5に戻される。
蓄熱槽4に収容されている原料溶液は、蓄熱時スラリ循環経路C2に沿って、スラリ循環ポンプ6により第一熱交換器11Cで冷熱媒体と熱交換をした後に、分岐点である節点N3を経由して第二熱交換器11A,11Bにそれぞれ送出され、それぞれの第二熱交換器11A,11Bにおける冷熱媒体との熱交換により冷却されることにより少なくとも一部が過冷却状態にある原料溶液となり、蓄熱槽4に再度収容される。蓄熱槽4に再度収容された原料溶液の過冷却状態は、収容先の蓄熱槽4の中で徐々に解除される。これにより、蓄熱槽4の中で潜熱蓄熱性物質の存在割合が高まり、原料溶液は潜熱蓄熱性スラリといえるものとなる。そして蓄熱槽4に収容されるに至った潜熱蓄熱性スラリは、原料溶液としてスラリ循環ポンプ6により再び又は循環的に蓄熱時スラリ循環経路C2に沿って送出され、蓄熱槽4に戻される。かくして蓄熱槽4に収容されている潜熱蓄熱性スラリにおける潜熱蓄熱性物質の存在割合は、熱利用に適した水準に至るまで徐々に高められてゆく。
少なくとも一部が過冷却状態にある若しくはその過冷却状態の一部が解除された原料溶液又は原料溶液として送出された潜熱蓄熱性スラリの一部は、スラリ還流経路C3に沿って、節点N2からスラリ還流ポンプ7により抜き出され、節点N1を経由して両第二熱交換器11A,11Bに送出され、節点N2に戻される。少なくとも一部が過冷却状態にある原料溶液の一部がスラリ還流経路C3に沿って移動する場合には、その移動の過程で、その過冷却状態の一部又は全部が解除されるので、両第二熱交換器11A,11Bの上流により多くの生成核が供給される。その生成核の供給により、各第二熱交換器11A,11Bにおける冷却により原料溶液に生じる過冷却が解除され、延いては、周辺環境への潜熱蓄熱性物質の付着が抑制される。
蓄熱時に潜熱蓄熱性スラリの過冷却解除を促進させる一つの手段として、バッファータンクを設置する手法が知られており、図中では図示していないが、バッファータンクを第一熱交換器と第二熱交換器の間に設置しても構わない。蓄熱時に使用するバッファータンクはそのまま潜熱蓄熱性スラリの流通経路として残しておいて構わず、蓄熱運転時と放熱運転時において両用することが可能である。
(c)放熱運転
図6に蓄放熱装置IIの放熱運転時の構成を示す。蓄放熱装置IIにおいて、冷熱媒体は、放熱時冷熱媒体循環経路C4に沿って、熱負荷側熱交換器3で空調等に冷熱を供給して暖められた後に、放熱時冷熱媒体循環ポンプ8により、節点Ne,Naに向けて送出された後、分岐されずにそのまま第二熱交換器11Bで潜熱蓄熱性スラリと熱交換が行われ、節点Ncを経由して節点Ndに送出されて、第二熱交換器11Aで再び潜熱蓄熱性スラリと熱交換が行われて冷却された後、節点Nbを経由して第一熱交換器11Cで再度潜熱蓄熱性スラリとの熱交換が実施されて十分に冷却された後に、Nfを経由して、熱負荷側熱交換器3に戻される。第二熱交換器11Aと第二熱交換器11Bは直列に接続されている。
蓄熱槽4に収容されている潜熱蓄熱性スラリ(又は原料溶液)は、放熱時スラリ循環経路C5に沿って、スラリ循環ポンプ6により第一熱交換器11Cで冷熱媒体を十分に冷やした後、節点N1,N3を経由して第二熱交換器11Aに送出される。節点N3では分岐されない。第二熱交換器11Aで熱交換が行われた後に、節点N5、節点N6を経由して第二熱交換器11Bに送出されて、該第二熱交換器11Bで再び熱交換が行われて十分に熱交換した後、節点N4、節点N2を経由して蓄熱槽4に再度収容される。
このようにして蓄放熱装置IIの場合においても蓄放熱装置Iの場合と同様に、蓄熱時に使用される熱交換器、熱媒体等を放熱時においても使用して、蓄熱時に製造された潜熱蓄熱性物質が有する潜熱相当の熱エネルギーを効率的に取り出すことができる。
さらに、蓄放熱装置IIの場合には、第二熱交換器のみではなく、第一熱交換器も蓄熱時および放熱時の両方に使用することができるため、より熱交換効率が向上して経済的な蓄放熱装置を実現することができる。
1A 熱交換器
1B 熱交換器
11A 第二熱交換器
11B 第二熱交換器
11C 第一熱交換器
2 冷凍機
3 熱負荷側熱交換器
4 蓄熱槽
5 冷熱媒体循環ポンプ
6 スラリ循環ポンプ
7 スラリ還流ポンプ
8 放熱時冷熱媒体循環ポンプ
I,II 蓄放熱装置
C1 蓄熱時冷熱媒体循環経路
C2 蓄熱時スラリ循環経路
C3 スラリ還流経路
C4 放熱時冷熱媒体循環経路
C5 放熱時スラリ循環経路
N1〜N6、Na〜Nf 節点

Claims (7)

  1. 蓄熱運転時に、潜熱蓄熱性物質を生成可能な流動する液体と流動する熱媒体との熱交換を通じて前記液体中に潜熱蓄熱性物質を生成させ、その潜熱蓄熱性物質のスラリを形成させるとともに、放熱運転時に、潜熱蓄熱性物質の流動するスラリと流動する熱媒体との熱交換を通じてその潜熱蓄熱性物質に蓄積されていた潜熱相当の熱エネルギーを放出させる蓄放熱装置において、
    蓄熱運転時には、潜熱蓄熱性物質を生成可能な流動する液体と流動する熱媒体との熱交換が行われるとともに、放熱運転時には、流動する前記スラリと流動する前記熱媒体との熱交換が行われる熱交換器と、
    前記液体又は前記スラリの一部が前記熱交換器の下流から上流に、蓄熱運転時には還流されるとともに、放熱運転時には還流されない還流用配管経路と、
    前記熱交換器が、前記熱媒体或いは前記液体又は前記スラリの流れに対して蓄熱運転時には並列に接続されるとともに、放熱運転時には直列に接続される複数個の熱交換器を備えている、
    ことを特徴とする蓄放熱装置。
  2. 前記熱交換器において、前記熱媒体或いは前記液体若しくは前記スラリの流れの向きが、蓄熱運転時であるか放熱運転時であるかに係りなく、同じであることとする請求項1に記載の蓄放熱装置。
  3. 蓄熱運転時に、潜熱蓄熱性物質を生成可能な流動する液体と流動する熱媒体との熱交換を通じて前記液体中に潜熱蓄熱性物質を生成させ、その潜熱蓄熱性物質のスラリを形成させるとともに、放熱運転時に、潜熱蓄熱性物質の流動するスラリと流動する熱媒体との熱交換を通じてその潜熱蓄熱性物質に蓄積されていた潜熱相当の熱エネルギーを放出させる蓄放熱装置において、
    前記液体又は前記スラリの流れに沿って上流から下流に向かって直列に配置される第一熱交換器及び第二熱交換器と、
    前記液体又は前記スラリの一部が第二熱交換器の下流から第一熱交換器の下流且つ第二熱交換器の上流に、蓄熱運転時に還流されるとともに、放熱運転時には還流されない還流用配管経路とを備え、
    第二熱交換器が、前記熱媒体或いは前記液体又は前記スラリの流れに対して蓄熱運転時には並列に接続されるとともに、放熱運転時には直列に接続される複数個の熱交換器を備えている、
    ことを特徴とする蓄放熱装置。
  4. 第二熱交換器は、前記熱媒体或いは前記液体若しくは前記スラリの流れの向きが、蓄熱運転時であるか放熱運転時であるかに係りなく、同じであることとする請求項3に記載の蓄放熱装置。
  5. 前記液体又は前記スラリの一部を前記還流用配管経路に沿って流通させる還流ポンプと、前記液体又は前記スラリが蓄熱運転時に収容されそして放熱運転時には取り出される蓄熱槽と、前記液体又は前記スラリを蓄熱運転時に前記蓄熱槽に送入させそして放熱運転時に前記蓄熱槽から送出させるスラリ流送ポンプと、を備えていることとする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の蓄放熱装置。
  6. 蓄熱運転時に前記熱媒体を冷凍機に流通させる第一熱媒体流送ポンプと、放熱運転時に前記熱媒体を熱利用側に流通させる第二熱媒体流送ポンプと、を備えていることとする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の蓄放熱装置。
  7. 潜熱蓄熱性物質を生成可能な流動する液体と流動する熱媒体との熱交換を通じて前記液体中に潜熱蓄熱性物質を生成させ、その潜熱蓄熱性物質のスラリを形成させるとともに、潜熱蓄熱性物質の流動するスラリと流動する熱媒体との熱交換を通じてその潜熱蓄熱性物質に蓄積されていた潜熱相当の熱エネルギーを放出させる蓄放熱方法において、
    蓄熱時には、前記熱媒体或いは前記液体又は前記スラリの流れに対して並列に接続した複数個の熱交換器にて、潜熱蓄熱性物質を生成可能な流動する液体と流動する熱媒体との熱交換を行い、
    放熱時には、前記熱媒体或いは前記液体又は前記スラリの流れに対して直列に接続した前記複数個の熱交換器にて、前記潜熱蓄熱性物質の流動するスラリと流動する熱媒体との熱交換を行う、
    ことを特徴とする蓄放熱方法。
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