JP2011063916A - 分岐状繊維、分岐状繊維の製造方法及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】比表面積が合成パルプと比べて小さく、セパレータ、ヒートシール紙等に好適なヒートシール性を有する分岐状繊維を開発することを目的とする。
【解決手段】融点が70〜110℃の範囲にあるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)から構成され、比表面積が0.15〜3.0m2/gの範囲にあることを特徴とする分岐状繊維、当該分岐状繊維を製造する方法、当該分岐状繊維を含む不織布及びその用途に係わる。
【選択図】なし

Description

本発明は、セパレータ、ヒートシール紙等に好適なヒートシール性を有する分岐状繊維、当該繊維の製造方法、当該繊維を含む不織布及びその用途に関する。
ポリエチレンを原料とする合成パルプは、単独であるいは紙の原料となるパルプ(セルロース)と混抄して、電池用セパレータ、成形ボード、ティーバッグ紙、滅菌紙、壁紙、ヒートシール紙等の原料として広く使用されている。
そして、ポリエチレンを原料とする合成パルプに比べて、低温から高温迄の幅広い温度領域で安定したヒートシール性およびホットタック性を示すポリオレフィン合成パルプとして、α,β‐不飽和カルボン酸含有量が1〜20重量%のエチレン・α,β‐不飽和カルボン酸共重合体をフラッシュ法によってパルプ状に形成した分岐状繊維からなるポリオレフィン合成パルプが提案されている(特許文献1:特開2001−81627号公報)。
エチレン・α,β‐不飽和カルボン酸共重合体からなるポリオレフィン合成パルプを紙の原料となるパルプ(セルロース)と混抄して得たティーバッグ紙は、ヒートシール性およびホットタック性は優れるものの、茶の抽出性が十分でなく、その改良が求められている。
特開2001−81627号公報
本発明は、紙の原料となるパルプ(セルロース)と混抄してティーバッグ紙とした場合に、ヒートシール性およびホットタック性を維持するとともに、得られるティーバッグが優れた茶の抽出性を示す分岐状繊維状物を得ること、その分岐状繊維の製造方法を提供すること、さらに、分岐状繊維を安定的に製造する方法を提供することを目的とする。
種々検討した結果、分岐状繊維を含む不織布を用いてティーバッグ紙にしたときに、良好なヒートシール性およびホットタック性を示すとともに、得られるティーバッグが優れた茶の抽出性を示すためには、その分岐状繊維の比表面積を小さくすることが有効であることを見出した。さらにはエチレン・不飽和カルボン酸共重合体と水および特定の非イオン系界面活性剤とを溶融混練してオリフィス孔から紡糸することにより、フラッシュ法によってパルプ状に形成した分岐状繊維からなるポリオレフィン合成パルプと比べて比表面積が小さい分岐状の繊維束を得ることができることを見出した。
本発明は、融点が70〜110℃の範囲にあるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)から構成され、比表面積が0.15〜3.0m2/g、好ましくは、0.20〜2.0m2/gの範囲にあることを特徴とする分岐状繊維、当該分岐状繊維を製造する方法、当該分岐状繊維を用いた不織布及びその用途に係わる。
本発明の分岐状繊維は、融点が70〜110℃の範囲にあるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)から構成され、比表面積が従来に比べて小さい範囲にあるので、本発明の分岐状繊維を用いた不織布は、良好な低温ヒートシール性及び良好なホットタック性を有し、紙の原料となるパルプ(セルロース)と混抄してティーバッグ紙とした場合に、茶の抽出性に優れる。
本願発明に係る分岐状繊維の電子顕微鏡写真 参考例1で用いた分岐状繊維の電子顕微鏡写真
<エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)>
本発明の分岐状繊維の原料となるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)は、融点(JIS K7121)が70〜110℃、好ましくは80〜105℃の範囲にあるエチレンを主体とする不飽和カルボン酸との共重合体である。
融点が90℃未満の共重合体は、例えばティーバッグ用途など、温水中でシール紙を使用する場合には、シール部が溶融して強度が低下し、内容物が漏れ出す虞がある。一方、融点が110℃を超える共重合体は低温ヒートシール性に劣る。
本発明に係わるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)は、エチレンと不飽和カルボン酸の共重合体であって、エチレンと不飽和カルボン酸の二元共重合体のみならず、エチレン、不飽和カルボン酸及びさらに他の単量体が共重合された多元共重合体であってもよい。本発明に係わるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)における不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示することができるが、とくにアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。また該共重合体の重合成分となることができる上記他の単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリ酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリ酸n−ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニルのようなビニルエステル、一酸化炭素などを挙げることができる。
本発明に係わるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)としては、エチレン・メタクリル酸共重合体が、低温ヒートシール性およびホットタック性に優れる分岐状繊維が得られるので好ましい。
本発明に係わるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)は、特に限定はされないが、通常、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜200g/10分、好ましくは0.1〜100g/10分、さらに好ましくは3〜60g/10分の範囲にある。
本発明に係わるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)には、本来の目的を損なわない範囲で、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体以外の結晶性、非晶性を問わず如何なる熱可塑性樹脂を混ぜて用いることもできる。さらに界面活性剤の樹脂中への分散性を向上させる目的で加えることが好ましい熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、中低圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低分子量ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、超高分子量ポリプロピレン、ポリ1―ブテン、ポリ3−メチルー1−ブテン、ポリ4―メチル−1−ペンテン、あるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチルー1−ブテン、1−ペンテン、4−メチルー1−ペンテン、1−ヘキセン、1−デセン等のα―オレフィンとエチレン又はプロピレンとの共重合体、不飽和カルボン酸類で変性された熱可塑性樹脂などが例示できる。
本発明に係わるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、耐候安定剤、親水化剤等の種々公知の添加剤を必要に応じて配合してもよい。
<分岐状繊維>
本発明の分岐状繊維は、前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)からなる繊維であって、比表面積が0.15〜3.0m2/g、好ましくは0.20〜2.0m2/g、より好ましくは0.20〜1.5m2/gの範囲にある。比表面積が小さすぎる繊維は、茶の抽出性は良好であるが、抄紙性が低下する。一方、比表面積が大きすぎる繊維は、抄紙性は良好であるが、茶の抽出性が低下する。
<分岐状繊維の製造方法>
本発明の分岐状繊維は、融点が70〜110℃の範囲にあるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)およびHLBが15〜20の非イオン系界面活性剤(B)を押出機で溶融混練し、押出機中の溶融混練した混合物に水を注入した後、オリフィス孔から紡糸することにより製造することができる。ここでHLBは親水性疎水性バランスのことであり、数値が大きいほど親水性が高く、小さいほど疎水性が高いことを示す。
より具体的には、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A):100重量部に対し、非イオン系界面活性剤(B):1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部、(A):100重量部に対して、水:1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部を注入する。
本発明の分岐状繊維を製造する具体的装置としては、例えば1軸または2軸押出機で押し出す方法がある。まず、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)と非イオン系界面活性剤(B)を押出機に供給する。押出機前段で溶融混練し、次いで押出機中段で水を加え、さらに押出機後段で添加した水が均一に分散するまで混練を続け押し出す。
押出機前段では、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)と非イオン系界面活性剤(B)の混練が十分に行える程度であれば良く、通常110〜200℃の範囲内で行われる。また、水を加えた中段以降の混練は、非イオン系界面活性剤の効果が低減しない温度範囲で行われることが好ましく、通常90〜150℃の範囲内で行われる。
このようにして得られた分岐状繊維束は、叩解処理によりパルプ状とすることができる。
<非イオン系界面活性剤(B)>
本発明の分岐状繊維の製造に用いるHLBが15〜20の非イオン系界面活性剤(B)としては、下記式(1)で表されるポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
1−COO−(C24O)x−H 式(1)
[式中、R1は炭素数が11〜21のアルキル基であり、(C24O)xのxは20〜150である。R1の炭素数と(C24O)の数xによって、HLBが異なる。]
下記式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、
2−O−(C24O)x−H 式(2)
[式中、R2は炭素数が11〜21のアルキル基であり、(C24O)xのxは10〜90である。R2の炭素数と(C24O)の数xによって、HLBが異なる。]
下記式(3)で表される脂肪酸とポリオキシエチレンソルビタンとのエステル、
3−COOH 式(3)
[式中、R3は炭素数が11〜21のアルキル基であり、R3が1つのものと3つのものがある。ポリオキシエチレンソルビタン中に含まれる(C24O)xのxは20〜160である。R3の炭素数と(C24O)の数xによって、HLBが異なる。]
下記式(4)で表される脂肪酸とショ糖とのエステル、
4−COOH 式(4)
[式中、R4は炭素数が11〜21のアルキル基であり、ショ糖に結合する脂肪酸R4−COOHの数(エステル化度という)によって、HLBが異なる。]
式(1)で表されるポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、具体的には、R1が炭素数17のステアリル基で、(C24O)xのxが70のポリオキシエチレンモノステアレート(ノニオンS−40、日油(株)製)が挙げられる。
式(2)で表される上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、具体的には、R2が炭素数17のオレイル基で、(C24O)xのxが30のポリオキシエチレンオレイルエーテル(エマルゲン430、花王(株)製)が挙げられる。
上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、具体的には、R3が炭素数17のイソステアリル基で、さらにそのR3が3つのもので、ポリオキシエチレンソルビタン中に含まれる(C24O)xのxが160のポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート(レオドールTW−IS399C、花王(株)製)が挙げられる。
上記ショ糖脂肪酸エステルとしては、具体的には、R4が炭素数17のステアリル基であるショ糖ステアリン酸エステル(DKエステルF−160、第一工業製薬(株)製)が挙げられる。
<不織布>
本発明の不織布は、前記分岐状繊維を用いた不織布である。本発明の不織布は、前記分岐状繊維のみからなる不織布であっても、他の繊維状物と混合した不織布であってもよい。本発明の不織布に含まれる前記分岐状繊維以外の繊維状物としては、特に限定はされないが、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維などの合成繊維;針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、アバカパルプなどのパルプ;ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維などが挙げられる。
本発明の分岐状繊維を上記他の繊維状物と混繊することにより得られる不織布は、高融点で、低温ヒートシール性に劣るポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維からなる不織布のヒートシール性が改良され、また、本質的に融点を有せずヒートシール性がないパルプからなる不織布に、ヒートシール性、ホットタック性を付与される。
本発明の不織布は、乾式不織布でも、湿式不織布のいずれであってもよい。
前記分岐状繊維と他の繊維状物とを含む場合は、通常、前記分岐状繊維を5〜95質量%、好ましくは20〜80質量%の範囲、他の繊維状物を95〜5質量%、このましくは80〜20質量%の範囲で含む。分岐状繊維を上記範囲で含むことにより、得られる不織布は、低温域でも優れたヒートシール性、ホットタック性を有する。
また、他の繊維状物として、パルプを用いた場合は、通気性を有するヒートシール紙が得られるので好ましい。
本発明の不織布は、他の基材、例えば、天然パルプからなる紙、他の合成繊維からなる合成紙、混抄紙、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布など、合成繊維紗のような織物など種々公知の基材と積層して用いてもよい。
<不織布の製造方法>
前記分岐状繊維を用いて不織布、例えば湿式不織布を製造する際には、種々公知の方法が用いられる。例えば、予めリファイナーなどで前記分岐状繊維を叩解処理し、フィブリル化しておき、製造の際、本発明の目的を損なわない範囲で、通常抄紙にて用いられる分散剤、粘剤、紙力剤等の添加剤を必要に応じて配合する方法がある。
<ティーバッグ紙>
本発明のティーバッグ紙は、少なくとも前記不織布、好ましくはパルプを混繊することにより得られる不織布を熱融着層に有するティーバッグ紙である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。
(1)比表面積測定
液体窒素温度下(77K)における窒素ガス吸着法にて、測定を行った(BET法)。試料前処理は、真空乾燥機での加熱脱気(40℃×24hrs)を加え、その後、装置脱気部にて、室温での真空脱気を行った。測定には、試料として2gを用いた。
(2)ヒートシール性:
以下の方法で2層ハンドシートを作製し、ヒートシール性の評価に用いた。実験室用角型手抄きシートマシンの金網上に、基材層としてアバカパルプ100%からなるティーバッグ原紙(坪量12g/m2)を乗せ、前記分岐状繊維80質量%とNBKP20質量%とを混合したものを、熱融着層として5g/m2(分岐状繊維:4g/m2+NBKP:1g/m2)抄き合わせて、分岐状繊維を含む不織布を作製した。
次に、熱風乾燥機を用い、50℃で5分間乾燥し、その後さらに、温度190℃で1分間熱処理を行って、2層ハンドシートを得た。
2枚の2層ハンドシートを前記分岐状繊維層面同士で重ね合わせ、0.2MPaの圧力で1秒間、シールバーの幅10mmとする条件で、130℃、150℃、の各温度でヒートシールした後、放冷した。次いで、各温度でヒートシールされたハンドシートからそれぞれ15mm幅の試験片を切取った。各試験片について、クロスヘッドスピード100mm/分でヒートシール部を剥離し、その際の剥離強度(N/15mm)を測定してヒートシール強度とした。
(3)ホットタック性:
2枚の2層ハンドシートを前記分岐状繊維層面同士で重ね合わせ、その2枚のハンドシートの各々の端に10gの錘をかけておく。このサンプルに130℃、150℃の各温度で、0.1MPaの圧力で0.5秒間ヒートシールした後、シールバーを離すことで、2枚のハンドシートの各々に錘の荷重がかかりシール部が剥離した距離(mm)を測定し、その距離をもってホットタック性の評価を行った。
(4)抽出性:
1枚の2層ハンドシートを用い、通気性試験機(KES−F8、カトーテック(株)製)で通気抵抗を測定し、これを抽出性の評価とした。
(5)抄紙性:
実験室用角型手抄きシートマシンを用いて2層ティーバッグ紙のシール層(5g/m2:分岐状繊維:4g/m2+NBKP:1g/m2)を抄紙した際の水への分散性、壁面、網上への繊維残りなど目視により、以下の基準で評価した。なお、ティーバッグ紙構成は、基材層(アバカパルプ:12g/m2)と上記シール層を抄き合せた2層紙として作成した。
◎:抄紙マシン壁面、網上への残りが少なく、水への分散もしやすく、抄紙性に問題なし。
○:抄紙マシン壁面、網上への残りがややあるが、抄紙可能。
また、実施例及び比較例に用いた装置を以下に示した。
押出機:二軸スクリュー、同方向噛合い型、スクリュー径26mm、L/D=64、東芝機械(株)製
叩解機:KRK高濃度ディスクレファイナー、レファイナープレート径12インチ、熊谷理機工業(株)製
〔実施例1〕
<分岐状繊維の製造>
エチレン・メタクリル酸共重合体(EMA)(融点:95℃、MFR:35g/10分、メタクリル酸含有量:10質量%;三井・デュポンポリケミカル(株)製 商品名:ニュクレルN1035)100重量部と、ポリオキシエチレンモノステアレート(ノニオンS−40、HLB:18(カタログ値)、日油(株)製)3重量部とをドライブレンドしたものを、ホッパーより押出機へフィードして120℃で溶融混練し、水5重量部を押出機中段からポンプで注入し、さらに105℃で混練を続けて押出機出口から繊維束を得た。得られた繊維束を叩解機で処理し、パルプ状の分岐状繊維を得た。
<2層ハンドシートの製造>
実験室用角型手抄きシートマシンの金網上に、基材層としてアバカパルプ100%からなるティーバッグ原紙(坪量12g/m2)を乗せ、前記分岐状繊維80質量%とNBKP20質量%とを混合したものを、熱融着層として5g/m2(分岐状繊維:4g/m2+NBKP:1g/m2)抄き合わせて、分岐状繊維を含む不織布を作製した。
次に、熱風乾燥機を用い、50℃で5分間乾燥し、その後さらに、温度190℃で1分間熱処理を行って、2層ハンドシート(不織布積層体(2層紙))を得た。
得られた2層ハンドシートの物性を前記方法で測定した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1において、ポリオキシエチレンモノステアレート(ノニオンS−40、HLB:18(カタログ値)、日油(株)製)を5重量部とした以外は、実施例1と同様に操作して分岐状繊維を製造し、さらに2層ハンドシートの作製を行った。
得られた2層ハンドシートの物性を前記方法で測定した。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
<分岐状繊維の製造>
エチレン・メタクリル酸共重合体(EMA)(融点:95℃、MFR:100g/10分、メタクリル酸含有量:11質量%;三井・デュポンポリケミカル(株)製 商品名:ニュクレルN1110H)100重量部と、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エマルゲン430、HLB:16(カタログ値)、花王(株)製)3重量部と、酸変性低分子量ポリエチレン(ハイワックス2203A、三井化学(株)製)2重量部とをドライブレンドしたものを、ホッパーより押出機へフィードして140℃で溶融混練し、水10重量部を押出機中段からポンプで注入し、さらに128℃で混練を続けて押出機出口から繊維束を得た。得られた繊維束を叩解機で処理し、分岐状繊維を得た。
<不織布の製造>
実施例1と同様の操作を行って、2層ハンドシートを得た。
得られた2層ハンドシートの物性を前記方法で測定した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
<分岐状繊維の製造>
エチレン・メタクリル酸共重合体(EMA)(融点:95℃、MFR:100g/10分、メタクリル酸含有量:11質量%;三井・デュポンポリケミカル(株)製 商品名:ニュクレルN1110H)100重量部と、ショ糖ステアリン酸エステル(DKエステルF−110、HLB:11(カタログ値)、第一工業製薬(株)製)5重量部とをドライブレンドしたものを、ホッパーより押出機へフィードして130℃で溶融混練し、水6重量部を押出機中段からポンプで注入し、さらに105℃で混練を続けたが、押出機出口から繊維束を得ることが出来なかった。
〔参考例1〕
実施例1の分岐状繊維の代わりに、合成パルプ(商品名:SWP NL491、三井化学(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、2層ハンドシートを得た。通気抵抗が実施例に比べて大きかった。
得られた2層ハンドシートの物性を前記方法で測定した。結果を表1に示す。
本発明の分岐状繊維は、紙の原料となるパルプ(セルロース)と混抄してティーバッグ紙とした場合に、良好なヒートシール性およびホットタック性を示すとともに、フラッシュ法によってパルプ状に形成した分岐状繊維からなる合成パルプと比べて比表面積が小さいので、茶の抽出性に優れるティーバッグ紙を得ることが出来る。

Claims (7)

  1. 融点が70〜110℃の範囲にあるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)から構成され、比表面積が0.15〜3.0m2/gの範囲にあることを特徴とする分岐状繊維。
  2. エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)が、エチレン・メタクリル酸共重合体である請求項1記載の分岐状繊維。
  3. 融点が70〜110℃の範囲にあるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)およびHLBが15〜20の非イオン系界面活性剤(B)を押出機で溶融混練し、押出機中の溶融混練した混合物に水を注入した後、オリフィス孔から紡糸することにより、表面積が0.15〜3.0m2/gの範囲にある分岐状繊維を製造する方法。
  4. 請求項1〜2のいずれかに記載の分岐状繊維を含む不織布。
  5. 請求項1〜2のいずれかに記載の分岐状繊維を5〜95質量%及びパルプを95〜5質量%含む請求項4記載の不織布。
  6. 請求項5記載の不織布を熱融着層に用いてなるティーバッグ紙。
  7. 紙の片面に、請求項5記載の不織布からなる熱融着層を積層してなるティーバッグ紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017176139A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 理研ビタミン株式会社 ケーキ用乳化起泡剤

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