JP2011061960A - ヒートポンプシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】発電機と太陽光発電装置との合計発電電力が設定電力より大きくても、発電機の発電電力を変更しなくてよいヒートポンプシステムを提供する。
【解決手段】ヒートポンプシステムSが、第1ヒートポンプ装置10と第2ヒートポンプ装置10と運転を制御する制御部Cとを備え、第1インバータ15の入力側の直流部と第2インバータ25の入力側の直流部とは互いに電気的に接続され、制御部Cは、太陽光発電装置1と第1発電機12との発電電力の和が設定電力を上回るとき、上記設定電力分を第1インバータ15が交流電力に変換して出力し、且つ、上記設定電力を上回る分に相当する過剰電力と第2発電機22の発電電力との和の電力分を第2インバータ25が交流電力に変換して出力するように、第1インバータ15及び第2インバータ25の作動を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートポンプ装置に太陽光発電装置が併設されているヒートポンプシステムに関する。
ヒートポンプ装置に太陽光発電装置が併設されているヒートポンプシステムが特許文献1に記載されている。具体的には、特許文献1に記載のヒートポンプシステムでは、1つの分電盤に対して、太陽光発電装置とヒートポンプ装置とが接続されている。ヒートポンプ装置は、原動機と、原動機によって駆動される発電機及びヒートポンプ用の圧縮機と、発電機から入力される直流電力を交流電力に変換して出力可能なインバータとを有する。そして、ヒートポンプ装置の発電機及び太陽光発電装置で発電した電力に余剰電力が発生する場合、太陽光発電装置で発電した電力を商用電力系統へ売電できる。特許文献1に記載のシステムでは、原動機で駆動される発電機の発電電力と太陽光発電装置の発電電力との合計発電電力を制御することは行われていない。
特許文献2には、原動機で駆動される発電機と太陽光発電装置とを併用するシステムが記載されている。具体的には、原動機で駆動される発電機と太陽光発電装置とは1台のインバータに接続され、発電機の発電電力と太陽光発電装置の発電電力との合計の発電電力が交流電力に変換される。更に、システム全体の発電電力を一定にするような制御が行われている。例えば、発電機の発電電力と太陽光発電装置の発電電力との合計発電電力を設定電力と比較し、合計発電電力が設定電力よりも大きければ原動機の出力を小さくして発電機の発電電力を小さくし、合計発電電力が設定電力よりも小さければ原動機の出力を大きくして発電機の発電電力を大きくする。
特開2009−74744号公報 特開平11−55860号公報
特許文献1に記載のシステムでは、1つの分電盤に対して、太陽光発電装置とヒートポンプ装置とが接続されている。通常、分電盤は、建物への商用電力系統の引き込み箇所に設置される。例えば、ビルなどの1階部分に分電盤は設置される。一方で、太陽光発電装置は、通常、建物の屋上部分に設置される。従って、特許文献1に記載のように、1つの分電盤に対して、太陽光発電装置とヒートポンプ装置とを接続した場合、太陽光発電装置と分電盤との距離、即ち、配線長が長くなるという問題がある。
一方で、特許文献2に記載のシステムでは、原動機で駆動される発電機と太陽光発電装置とは1台のインバータに接続されているため、特許文献1のように太陽光発電装置から分電盤への配線の敷設は不要である。しかし、1台のインバータに対して原動機で駆動される発電機と太陽光発電装置とが接続されているため、発電機の発電電力と太陽光発電装置の発電電力との合計発電電力はインバータの定格容量以下でなければならない。そのため、太陽光発電装置の発電電力に応じて発電機の発電電力(即ち、原動機の出力)を変更しなければならないという問題がある。つまり、空調負荷など、ヒートポンプ用圧縮機の熱負荷がある場合、原動機の出力を熱負荷に応じて制御する熱主運転を行うことが好ましいが、特許文献2に記載のシステムの場合、発電機の発電電力に応じて原動機の出力を制御するという電主運転を逐次行わねばならない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、1台のインバータに接続されている発電機の発電電力と太陽光発電装置の発電電力との合計発電電力が設定電力より大きくても、発電機の発電電力を変更しなくてよいヒートポンプシステムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係るヒートポンプシステムの特徴構成は、第1原動機と、前記第1原動機によって駆動される第1発電機及び第1ヒートポンプ用圧縮機と、太陽光発電装置と、前記第1発電機及び前記太陽光発電装置から入力される直流電力を交流電力に変換して出力可能な第1インバータと、を有する第1ヒートポンプ装置、
第2原動機と、前記第2原動機によって駆動される第2発電機及び第2ヒートポンプ用圧縮機と、前記第2発電機から入力される直流電力を交流電力に変換して出力可能な第2インバータと、を有し、前記第2発電機の発電電力は前記第2インバータの定格容量以下である第2ヒートポンプ装置、及び、
運転を制御する制御部、を備え、
前記第1インバータの入力側の直流部と前記第2インバータの入力側の直流部とは互いに電気的に接続され、
前記制御部は、前記太陽光発電装置の発電電力と前記第1発電機の発電電力との和が、前記第1ヒートポンプ装置において設定されている設定電力を上回るとき、前記設定電力分を前記第1インバータが交流電力に変換して出力し、且つ、前記設定電力を上回る分に相当する過剰電力と前記第2発電機の発電電力との和の電力分を前記第2インバータが交流電力に変換して出力するように、前記第1インバータ及び前記第2インバータの作動を制御する点にある。
上記特徴構成によれば、2台のヒートポンプ装置の各インバータの入力側の直流部が電気的に接続されているので、インバータの入力側の直流部でヒートポンプ装置同士の直流電力の融通が可能となる。このような装置構成において、制御部は、太陽光発電装置の発電電力と第1発電機の発電電力との和が、第1ヒートポンプ装置において設定されている設定電力を上回るとき、設定電力分を第1インバータが交流電力に変換して出力し、且つ、設定電力を上回る分に相当する過剰電力と第2発電機の発電電力との和の電力分を第2インバータが交流電力に変換して出力するように、第1インバータ及び第2インバータの作動を制御する。つまり、過剰電力分が第1ヒートポンプ装置から第2ヒートポンプ装置へと融通される。その結果、太陽光発電装置の発電電力と第1発電機の発電電力との和が、第1ヒートポンプ装置において設定されている設定電力を上回っていても、第1発電機の発電電力を変更せずに、各ヒートポンプ装置の原動機及びヒートポンプ用圧縮機の出力を各ヒートポンプ用圧縮機の熱負荷に応じて制御する熱主運転を継続できる。
通常、ヒートポンプ装置は、原動機、発電機、ヒートポンプ用圧縮機等を備えた例えば冷熱発生側の室外機と、空調装置などの冷熱需要側の室内機とを備えて構成される。室外機は、例えば空調対象とする部屋数などに応じて複数台が建物の屋上等に並べて設置される。そのため、上記第1ヒートポンプ装置及び上記第2ヒートポンプ装置が並べて設置されて、上述のように組み合わせられることも充分に実現可能である。
本発明に係るヒートポンプシステムの別の特徴構成は、前記設定電力は前記第1インバータの定格容量である点にある。
上記特徴構成によれば、太陽光発電装置の発電電力と第1発電機の発電電力との和が、第1ヒートポンプ装置の第1インバータの定格容量を上回っていても、各ヒートポンプ装置の原動機の出力を各ヒートポンプ用圧縮機の熱負荷に応じて制御する熱主運転を継続できる。
本発明に係るヒートポンプシステムの更に別の特徴構成は、前記制御部は、前記太陽光発電装置の発電電力と前記第1発電機の発電電力と前記第2発電機の発電電力とを合計した合計発電電力が、前記第1インバータの定格容量と前記第2インバータの定格容量とを合計した合計容量を上回らないように、前記第1発電機及び前記第2発電機の少なくとも何れか一方の発電電力を制限する点にある。
上記特徴構成によれば、制御部が、第1発電機及び第2発電機の少なくとも一方の発電電力を制限可能であるので、太陽光発電装置の発電電力と第1発電機の発電電力と第2発電機の発電電力とを合計した合計発電電力が、第1インバータの定格容量と第2インバータの定格容量とを合計した合計容量を上回らないようにできる。
ヒートポンプシステムの機能ブロック図である。 太陽光発電モジュールの設置構造を示す平面図である。 太陽光発電モジュールの設置構造を示す側面図である。 ヒートポンプシステムにおけるインバータの作動制御を示すフローチャートである。
以下に図面を参照して本発明に係るヒートポンプシステムについて説明する。
図1は、ヒートポンプシステムの機能ブロック図である。ヒートポンプシステムSは、第1ヒートポンプ装置10と第2ヒートポンプ装置20とを備える。
第1ヒートポンプ装置10は、原動機としての第1エンジン11と、第1エンジン11によって駆動される第1発電機12及びヒートポンプ用の第1圧縮機13と、太陽光発電装置1と、第1発電機12及び太陽光発電装置1から入力される直流電力を交流電力に変換して出力可能な第1インバータ15と、を有する。加えて、第1ヒートポンプ装置10は、後述する第1ヒートポンプ制御部16及びシステム制御部18を有する。
第1エンジン11は、例えば、ガスなどを燃料とするエンジンである。第1エンジン11の出力軸には第1発電機12及び第1圧縮機13が連結される。例えば、第1エンジン11を定格出力で運転しているとき、第1熱負荷19の大きさに応じて第1圧縮機13の出力を大きくすると第1エンジン11の回転速度は低下する。その結果、第1発電機12の回転速度が低下して、第1発電機12の発電電力は小さくなる。一方で、第1エンジン11を定格出力で運転しているとき、第1熱負荷19の大きさに応じて第1圧縮機13の出力を小さくすると第1エンジン11の回転速度は増大する。その結果、第1発電機12の回転速度も増大して、第1発電機12の発電電力は大きくなる。このように、第1圧縮機13の出力の変化に応じて、第1発電機12の発電電力が変化する。
第1発電機12は第1整流回路14を介して第1インバータ15に接続される。太陽光発電装置1は第1DC/DCコンバータ17を介して第1インバータ15に接続される。第1インバータ15は、第1発電機12及び太陽光発電装置1から入力される直流電力を交流電力に変換して交流系統3へ出力する。第1ヒートポンプ装置10の補機の電力負荷(図示せず)は第1インバータ15の出力側(交流側)に接続されている。
第2ヒートポンプ装置20は、原動機としての第2エンジン21と、第2エンジン21によって駆動される第2発電機22及び第2圧縮機23と、第2発電機22から入力される直流電力を交流電力に変換して出力可能な第2インバータ25と、を有する。加えて、第2ヒートポンプ装置20は、後述する第2ヒートポンプ制御部26を有する。第2エンジン21は、例えば、ガスなどを燃料とするエンジンであり、第2エンジン21の出力軸には第2発電機22及び第2圧縮機23が連結される。また、上述した第1ヒートポンプ装置10と同様に、第2圧縮機23の出力の変化に応じて、第2発電機22の発電電力が変化する。第2発電機22は第2整流回路24を介して第2インバータ25に接続される。第2インバータ25は、第2発電機22から入力される直流電力を交流電力に変換して交流系統3へ出力する。第2ヒートポンプ装置20の補機の電力負荷(図示せず)は第2インバータ25の出力側(交流側)に接続されている。本実施形態において、第2発電機22の定格発電電力は第2インバータ25の定格容量以下である。
このように、第2ヒートポンプ装置20は、太陽光発電装置1を有していない点で上記第1ヒートポンプ装置10と相違し、他の装置構成は上記第1ヒートポンプ装置10と同様である。
ここまで説明した各ヒートポンプ装置10、20は、例えば建物の屋上に設置される冷熱発生側の室外機と、建物内に設置される空調装置(熱負荷)などの冷熱需要側の室内機とを備えて構成される。室外機は、上述したエンジン、発電機、ヒートポンプ用圧縮機、インバータ等を備える。そして、第1ヒートポンプ装置10の室外機及び第2ヒートポンプ装置20の室外機は建物の屋上などに並べて設置される。
ヒートポンプシステムSにおいて、第1ヒートポンプ装置10と第2ヒートポンプ装置20とは直流線2によって互いに接続されている。上述のように、第1ヒートポンプ装置10の室外機及び第2ヒートポンプ装置20の室外機は建物の屋上などに並べて設置されるので、直流線2は短くてよい。具体的には、第1ヒートポンプ装置10の室外機に備えられる第1インバータ15の入力側の直流部と、第2ヒートポンプ装置20の室外機に備えられる第2インバータ25の入力側の直流部とは直流線2によって互いに電気的に接続される。但し、第2ヒートポンプ装置20の直流線2は、第2DC/DCコンバータ27を介して第1ヒートポンプ装置10の直流線2と接続される。このように、2台の第1ヒートポンプ装置10、20の各インバータ15、25の入力側の直流部が電気的に接続されているので、インバータ15、25の入力側の直流部でヒートポンプ装置同士の直流電力の融通が可能となる。
次に、太陽光発電装置を有するヒートポンプ装置がビルなどの建物の陸屋根に設置されるときの形態について説明する。図2は、太陽光発電装置の太陽光発電モジュールの設置構造を示す平面図であり、図3は、その側面図である。
図示するように、太陽光発電装置1の太陽光発電モジュール41は、第1ヒートポンプ装置10の室外機40に併設される。具体的には、太陽光発電装置1の太陽光発電モジュール41は、主として、架台42(防振架台53を兼用する)、室外機4、及び重り部材44により固定されて設置されている。重り部材44は、ゴムシート50を介して陸屋根49上に載置される。また、本実施形態において、重り部材44は、中空容器43の内部に水を充填して利用されている。中空容器43は、ステンレスやアルミニウム等の金属製容器、ポリエチレンやポリプロピレン等のプラスチック製容器等である。
太陽光発電装置1は、一又は二以上の太陽光発電モジュール41で構成される。太陽光発電モジュール41は、ガラス基板上に形成された複数の太陽光発電セル(不図示)を備えている。太陽光発電セルは、所謂太陽電池を構成する素子であり、入射光(太陽光)が有する光エネルギを電気エネルギに直接変換する。これら複数の太陽光発電セルは、直列に接続されて太陽光発電モジュール41を構成している。太陽光発電セル(太陽光発電モジュール41)としては、単結晶型、多結晶型、薄膜型、アモルファス型、色素増感型、多接合型等、公知の各種構成を採用することができる。
一又は二以上の太陽光発電モジュール41は、図3に示すように、載置部51と延出部48とを有して構成される架台42に固定されている。本実施形態では、図2に示すように、4枚の太陽光発電モジュールが架台42に固定されている。載置部51は、太陽光発電モジュール41を載置するための部分であり、延出部48は、載置部51から連続して略水平に延びる部分である。架台42は、外枠フレーム45及び横架フレーム52が組み合わされて構成されている。具体的には、2本の外枠フレーム45が、室外機40の幅方向両側から、その室外機40の幅方向に対して直交する方向に、互いに平行に延びている。この外枠フレーム45は、図3に示すように、室外機40から所定の位置まで(以下、室外機近接側とする)は水平面でもある陸屋根49の上面に対して平行に延びると共に、それより室外機40から離れた位置(以下、室外機離間側とする)では水平面に対して所定角度だけ傾斜して延びている。このときの所定角度としては、水平面に対して僅かに傾斜する小角度、具体的には例えば1〜10度、より好適には2〜5度とすることができる。本実施形態では、2度とされている。
外枠フレーム45のうち、室外機離間側では、2本の外枠フレーム45の間に、3本の横架フレーム52が横架されている。これら3本の横架フレーム52は、互いに平行な2本の外枠フレーム45に直交する状態で、外枠フレーム45の室外機離間側の部分の両端部と当該部分を2等分する位置とに横架されている。外枠フレーム45と横架フレーム52とに沿って、互いに隣接配置される4枚の太陽光発電モジュール41がビス等を用いて架台42に固定される。このように、室外機離間側では、外枠フレーム45と横架フレーム52とが互いに連結されることにより「載置部51」が形成されている。本実施形態においては、太陽光発電モジュール41は、外枠フレーム45及び横架フレーム52に対して平行な状態で、つまり載置部51に対して平行な状態で固定されている。なお、載置部51自体は、外枠フレーム45の形状に応じて、水平面に対して所定角度(ここでは、2度)だけ傾斜した状態で設けられることになる。
このように、水平面に対して所定角度(ここでは、2度)だけ傾斜した状態で載置部51が設けられると共に、太陽光発電モジュール41が載置部51に対して平行な状態で固定されることで、太陽光発電モジュール41は、水平面に対して所定角度(ここでは、2度)だけ傾斜した状態で架台3に固定されて設置されることになる。このようにすれば、太陽光発電モジュール41の受光面が汚れた場合にも降雨等により当該汚れを洗い流して、太陽光発電モジュール41の受光面をクリーンな状態に維持することができる。よって、太陽光発電モジュール41の受光面での光強度の減衰を抑制して、太陽光発電を行うための有効光量を極力高く維持できる。なお、隣接する太陽光発電モジュール41どうしは互いに平行に配置され、太陽光が遮光されることが抑制されるので、複数の太陽光発電モジュール41を高密度に設置できる。従って、太陽光発電モジュール41による発電効率を向上させることができる。
外枠フレーム45のうち、室外機近接側は、載置部51から連続して略水平に延びる「延出部48」となっている。本実施形態では、延出部48においてゴムマウント47及び上側支持部材55を介して、上側支持部材55に沿って室外機40が載置されている。
本実施形態において、室外機40は、延出部48を構成する外枠フレーム45との間に、ゴムマウント47とそのゴムマウント47に連結される上側支持部材55とを介在させて設置されている。見方を変えれば、室外機40は、陸屋根49上に形成されるコンクリート等からなる基礎台46の上に、下側支持部材54と、ゴムマウント47を介してその下側支持部材54に連結される上側支持部材55と、を備えて構成された防振架台53を介在させて設置される。加えて、架台21の延出部48を構成する外枠フレーム45が、防振架台53の下側支持部材54と一体的に形成されている。これらの、外枠フレーム45、横架フレーム52は、例えば鉄やステンレス等の金属からなる棒材やパイプ材、型鋼等を用いて構成することができる。
このように、本実施形態では、架台42の延出部48を構成する外枠フレーム45が、防振架台53の下側支持部材54と一体的に形成されることにより、太陽光発電モジュール41を固定するための架台42と、室外機4が発生させ得る振動がビル71に伝達されるのを抑制するための防振架台53とが共通化されている。これにより、太陽光発電モジュール41を設置するための部品点数を減らして、低コスト化を図ることができるようになっている。
次に、制御部Cについて説明する。
ヒートポンプシステムSは、制御部Cを備える。この制御部Cは、第1ヒートポンプ装置10の運転を制御する第1ヒートポンプ制御部16と、第2ヒートポンプ装置20の運転を制御する第2ヒートポンプ制御部26と、ヒートポンプシステムSの全体制御を担うシステム制御部18とで構成される。第1ヒートポンプ装置10の第1ヒートポンプ制御部16は、第1エンジン11の運転制御、第1エンジン12の運転制御、第1圧縮機13の運転制御、第1DC/DCコンバータ17による電力変換の制御、第1インバータ15による電力変換の制御などを担う。第2ヒートポンプ装置20の第2ヒートポンプ制御部26は、第2エンジン21の運転制御、第2エンジン22の運転制御、第2圧縮機23の運転制御、第2DC/DCコンバータ27による電力変換の制御、第2インバータ25による電力変換の制御などを担う。また、本実施形態では、第1ヒートポンプ制御部16とシステム制御部18とは第1ヒートポンプ装置10に設けられ、第2ヒートポンプ制御部26は第2ヒートポンプ装置20に設けられる。図1には示さないが、システム制御部18は第1ヒートポンプ制御部16及び第2ヒートポンプ制御部26との間で情報伝達可能に構成されている。
本実施形態において、第2ヒートポンプ制御部26は、第2エンジン21、第2発電機22及び第2圧縮機23を作動させていなくても、第2DC/DCコンバータ27及び第2インバータ25の作動制御は別途行うように構成されている。
以下に、制御部Cによって制御されるヒートポンプシステムSの動作を説明する。
図4は、ヒートポンプシステムSが運転されている間に行われる制御のフローチャートである。通常運転では、第1ヒートポンプ装置10の第1ヒートポンプ制御部16は、第1熱負荷19の大きさに応じて第1圧縮機13の作動を制御する熱主運転を行っている。その結果、第1発電機12の発電電力(Pg1)は第1圧縮機13の第1熱負荷19の大きさに応じて変化する。また、太陽光発電装置1の発電電力(Ppv)は日射量に応じて変化するため、第1ヒートポンプ制御部16は太陽光発電装置1の発電電力(Ppv)を制御できない。つまり、通常運転では、第1ヒートポンプ装置10の第1ヒートポンプ制御部16は、第1発電機12の発電電力の制御を行っておらず、且つ、太陽光発電装置1の発電電力の制御を行うことができないため、第1発電機12の発電電力(Pg1)と太陽光発電装置1の発電電力(Ppv)との和が、第1ヒートポンプ装置10において設定されている設定電力(本実施形態では、第1インバータ15の定格容量)を上回る可能性がある。図4のフローチャートは、制御部Cが、第1インバータ15の定格容量を上回る分の電力(以下、「過剰電力」と記載する)をどのように処理するのかを説明するものである。
第1ヒートポンプ装置10の第1ヒートポンプ制御部16は、工程#100において、第1発電機12の発電電力(Pg1)と太陽光発電装置1の発電電力(Ppv)との和(Pg1+Ppv)が第1インバータ15の定格容量以下であるか否かを判定する。Pg1+Ppvが第1インバータ15の定格容量以下である場合(工程#100において「Yes」の場合)には工程#102に移行し、Pg1+Ppvが第1インバータ15の定格容量を上回る場合(工程#100において「No」の場合)には工程#104に移行する。
第1ヒートポンプ装置10の第1ヒートポンプ制御部16は、工程#102において、第1インバータ15の定格容量に対する余裕電力、即ち、第1インバータ15の定格容量から、第1発電機12の発電電力(Pg1)と太陽光発電装置1の発電電力(Ppv)との和(Pg1+Ppv)を減算した値についての情報をシステム制御部18に送信する。
或いは、第1ヒートポンプ装置10の第1ヒートポンプ制御部16は、工程#104において、第1インバータ15の定格容量に対する過剰電力についての情報をシステム制御部18に送信する。
一方で、第2ヒートポンプ装置20の第2ヒートポンプ制御部26は、工程#300において、第2インバータ25の定格容量に対する余裕電力、即ち、第2インバータ25の定格容量から第2発電機22の発電電力(Pg2)を減算した値についての情報をシステム制御部18に送信する。本実施形態では、第2発電機22の定格発電電力は第2インバータ25の定格容量以下であるので、上記第1ヒートポンプ装置10で生じ得るような過剰電力は第2ヒートポンプ装置20で生じない。
システム制御部18は、工程#200において、第1インバータ15の定格容量に対する余裕電力又は過剰電力、及び、第2インバータ25の定格容量に対する余裕電力についての情報を受信する。次に、システム制御部18は、工程#202において、第1ヒートポンプ装置10において過剰電力が存在しているか否かを判定する。過剰電力が存在する場合は工程#204に移行し、過剰電力が存在しない場合は工程#206に移行する。
上記工程#202において第1ヒートポンプ装置10で過剰電力が存在すると判定された場合、その過剰電力分は第2ヒートポンプ装置20の第2インバータ25で交流電力に変換される必要がある。そこで、システム制御部18は、工程#204において、第1ヒートポンプ装置10へは、第1インバータ15が定格容量で電力を出力するように指示し、及び、第2ヒートポンプ装置20へは、第2インバータ25が第2発電機22の発電電力と過剰電力との和の電力を出力するように指示する。
一方で、システム制御部18は、上記工程#202において第1ヒートポンプ10で過剰電力が存在しないと判定された場合、第1ヒートポンプ装置10へは、第1インバータ15がPpv+Pg1の電力を出力するように指示し、第2ヒートポンプ装置20へは、第2インバータ25が第2発電機の発電電力(Pg2)の電力を出力するように指示する。
工程#106において、第1ヒートポンプ装置10の第1ヒートポンプ制御部16は、システム制御部18から指示された出力電力で第1インバータ15を作動させる。
一方で、工程#202において、第2ヒートポンプ装置20の第2ヒートポンプ制御部26は、第2DC/DCコンバータ27の作動を制御して第1ヒートポンプ装置10の側の直流線2の直流電力を変換して第2ヒートポンプ装置20側の直流線2の電圧を高くし、及び、システム制御部18に指示された出力電力で第2インバータ25を作動させる。
その結果、第1発電機12の発電電力と太陽光発電装置1の発電電力と第2発電機22の発電電力との和の電力は、第1インバータ15と第2インバータ25とで交流電力に変換されて交流系統3に出力される。
以上のように、太陽光発電装置1の発電電力と第1発電機12の発電電力との和が、第1ヒートポンプ装置10において設定されている設定電力を上回っていても、第1発電機12の発電電力を変更せずに、各ヒートポンプ装置10、20のエンジン11、21及び圧縮機13、23の出力を、各熱負荷19、29に応じて制御する熱主運転を継続できる。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態において、制御部Cが、上述したような形態で第1インバータ15及び第2インバータ25の作動を制御しているとき、太陽光発電装置1の発電電力と第1発電機12の発電電力と第2発電機22の発電電力とを合計した合計発電電力が、第1インバータ15の定格容量と第2インバータ25の定格容量とを合計した合計容量を上回るような状況も生じ得る。つまり、第1インバータ15の定格容量に対する余裕電力が無く、且つ、第2インバータ25の定格容量に対する余裕電力が無い状況が生じ得る。そのような場合、システム制御部18は、太陽光発電装置1の発電電力と第1発電機12の発電電力と第2発電機22の発電電力とを合計した合計発電電力が、第1インバータ15の定格容量と第2インバータ25の定格容量とを合計した合計容量を上回らないように、第1発電機12及び第2発電機22の少なくとも何れか一方の発電電力を制限すればよい。
例えば、システム制御部18が、第1ヒートポンプ装置10及び第2ヒートポンプ装置20に対して優先制限順位を予め設定して、自身の内部メモリ等に記憶しておき、優先制限順位が高いヒートポンプ装置の発電機の発電電力を優先的に制限する(即ち、エンジンの回転速度を低くする)ように構成できる。
<2>
上記実施形態では、システム制御部18が第1ヒートポンプ装置10に設けられている構成を例示したが、システム制御部18を第2ヒートポンプ装置20に設けてもよい。或いは、システム制御部18を第1ヒートポンプ装置10及び第2ヒートポンプ装置20とは別の装置に設けてもよい。
<3>
上記実施形態では、各ヒートポンプ装置10、20を電気的に接続する直流線2の途中に設けられる第2DC/DCコンバータ27が、第2ヒートポンプ装置20の内部に設けられている構成を例示したが、第1ヒートポンプ装置10及び第2ヒートポンプ装置20と別体で設けられてもよい。
本発明は、ヒートポンプ装置に太陽光発電装置が併設されているヒートポンプシステムに利用できる。
1 太陽光発電装置
10 第1ヒートポンプ装置
11 第1エンジン
12 第1発電機
13 第1圧縮機(第1ヒートポンプ用圧縮機)
15 第1インバータ
16 第1ヒートポンプ制御部(制御部 C)
18 システム制御部(制御部 C)
20 第2ヒートポンプ装置
21 第2エンジン
22 第2発電機
23 第2圧縮機(第2ヒートポンプ用圧縮機)
25 第2インバータ
26 第2ヒートポンプ制御部(制御部 C)
S ヒートポンプシステム

Claims (3)

  1. 第1原動機と、前記第1原動機によって駆動される第1発電機及び第1ヒートポンプ用圧縮機と、太陽光発電装置と、前記第1発電機及び前記太陽光発電装置から入力される直流電力を交流電力に変換して出力可能な第1インバータと、を有する第1ヒートポンプ装置、
    第2原動機と、前記第2原動機によって駆動される第2発電機及び第2ヒートポンプ用圧縮機と、前記第2発電機から入力される直流電力を交流電力に変換して出力可能な第2インバータと、を有し、前記第2発電機の発電電力は前記第2インバータの定格容量以下である第2ヒートポンプ装置、及び、
    運転を制御する制御部、を備え、
    前記第1インバータの入力側の直流部と前記第2インバータの入力側の直流部とは互いに電気的に接続され、
    前記制御部は、前記太陽光発電装置の発電電力と前記第1発電機の発電電力との和が、前記第1ヒートポンプ装置において設定されている設定電力を上回るとき、前記設定電力分を前記第1インバータが交流電力に変換して出力し、且つ、前記設定電力を上回る分に相当する過剰電力と前記第2発電機の発電電力との和の電力分を前記第2インバータが交流電力に変換して出力するように、前記第1インバータ及び前記第2インバータの作動を制御するヒートポンプシステム。
  2. 前記設定電力は前記第1インバータの定格容量である請求項1記載のヒートポンプシステム。
  3. 前記制御部は、前記太陽光発電装置の発電電力と前記第1発電機の発電電力と前記第2発電機の発電電力とを合計した合計発電電力が、前記第1インバータの定格容量と前記第2インバータの定格容量とを合計した合計容量を上回らないように、前記第1発電機及び前記第2発電機の少なくとも何れか一方の発電電力を制限する請求項2記載のヒートポンプシステム。
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