JP2011061134A - 半導体イメージセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】
複雑な製造工程を必要とする多層膜干渉フィルタを使用したイメージセンサでは製造工程が複雑となり、歩留まりの低下という製造技術上の課題や、適用範囲を狭めるといった応用面での課題があった。
【解決手段】
イメージセンサの画素領域に、第一の透明層と第二の透明層から成る2層構造を設け、それぞれの透明層の屈折率と厚さを選択することにより、画素毎に異なった光透過波長特性を持たせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体イメージセンサに関するものである。
半導体技術を活用したイメージセンサは半導体技術の進歩を背景として多画素化・小型化が進み、多くの画像入力装置に広範に搭載されるようになった。中でも、デジタルカメラや携帯電話では、画像記録やスキャナとしての応用が広がり、イメージセンサの更なる多画素化・低背化を含む小型化、ひいては低価格化が強く要求されるに至っている。現在実用化されている半導体イメージセンサは、CMOS型、CCD型が主流であり、カラー撮像のための色分離用カラーフィルタ、高感度化のための集光用マイクロレンズなどが搭載されている。すなわち、半導体イメージセンサの単位素子である画素毎に、異なる光透過波長特性を有するカラーフィルタが積層化され、その上部にマイクロレンズが積層化されている。
通常、カラーフィルタは着色された透明樹脂で構成されているが、より厳密な光透過波長特性を実現するため、誘電体多層膜の干渉フィルタが用いられることもある。しかしながら、干渉フィルタを用いてより厳密な透過波長特性を実現したいにも拘らず、この干渉フィルタに隣接して上下方向に配置された絶縁膜の厚さのバラつきが光透過波長特性を乱してしまうことが知られている。このバラつきは、主として、当該絶縁膜の表面を平坦化する固有の工程に起因しており、現状技術ではバラつきをゼロにすることは困難である。この結果、半導体イメージセンサの特性バラつきが発生し、製造工程上、あるいは、価格面での大きな課題となっていた。
このような課題を解決するために、下記引用特許文献1では、干渉フィルタの上下方向に隣接して配置された絶縁膜の構成を変更し、シリコン酸化窒化膜で挟み込むことが提案されている。この方法によれば、従来制御が困難であった透過波長特性の安定な制御が可能となる。
図13と図14は、それぞれ、下記引用特許文献1の図3と図4(a)に記載されている図である。同図13は、多層膜干渉フィルタを用いた半導体イメージセンサの構造断面図である。同図14は半導体イメージセンサの分光特性であり、画素の光透過波長特性を示している。同図13において、102は半導体イメージセンサの画素3つ分であり、1a、1b、1cで各画素が示されている。21は半導体基板、22は光電変換層、23は表面平坦化用の酸化シリコン、24は画素間に配置された遮光膜、26は窒化シリコン、28は表面平坦化用の酸化シリコン、29は誘電体多層膜で構成されたカラーフィルタ、30はカラーフィルタの段差を平坦化するための酸化シリコン、34はマイクロレンズ、32はマイクロレンズの形状加工時のバリア層となる窒化シリコン、35は入射光である。下記引用特許文献1には、酸化シリコン30の表面を平坦化する工程で採用されるCMP(化学・機械的な研磨工程)では、厚さの制御限界が約0.2マイクロメータであり、この厚さのバラつきが分光特性(本明細書の図14に例示)を乱すことが記載されている。下記引用特許文献1では、この特性バラつきを低減させるため、窒化シリコン32と26の上下に、各々、シリコン酸化窒化膜を配置することが提案されている。
特開2008−177362号公報
上記したように、引用特許文献1は画素毎に配置されたカラーフィルタの分光特性(光透過波長特性)を制御することが可能で、半導体イメージセンサの特性バラつきを低減させることができ、製造工程上、あるいは、価格面での課題を解決できることになっていた。しかしながら、引用特許文献1では多層膜干渉フィルタの複雑な構成を簡略化することは記載されていない。引用特許文献1に記載されている干渉フィルタの構成例は、酸化シリコン(SiO)と酸化タンタル(TiO)の薄膜が7段積層化されている。すなわち、
TiO(52ナノメータ)、SiO(91ナノメータ)、TiO(52ナノ
メータ)、SiO(赤透過では30ナノメータ、緑透過では0ナノメータ、青透
過では133ナノメータ)、TiO(52ナノメータ)、SiO(91ナノメ
ータ)、TiO(52ナノメータ)
の7層である。各層の厚さは光路長(物理的な厚さと屈折率の積)が波長の1/4になるように決定されている。このような複雑な構成を採用することにより、図14に示したような分光特性が得られている。しかしながら、このような構成では、製造工程が複雑となり、また、価格面でも不利となる大きな欠点がある。特に、製造工程が複雑になることは半導体イメージセンサの歩留まりを低下させるという製造技術上の重大な課題を引き起こすことになる。また、上記した干渉フィルタの製造工程を簡略化することは原理的に困難である。さらに、上記した干渉フィルタを用いた構成では、半導体イメージセンサの適用範囲を狭めることになる。例えば、デジタルカメラのように、多画素化と高性能化が強く要求されている分野では、引用特許文献1の価値は十分に高いと言える。一方、携帯電話への適用では、カメラ特性以上に製造の容易さへの要求が強く、引用特許文献1で開示されたような複雑な構成は適用できないことになる。
受光素子と前記受光素子からの信号を読み出す手段とを備えた画素が少なくとも2つ以上集積化された半導体イメージセンサにおいて、画素領域に配置された第一の透明層と、前記第一の透明層の上部に配置された第二の透明層を備え、前記第一の透明層と前記第二の透明層から構成された2層構造には、それぞれの材料の屈折率と、それぞれの厚さで決定される光透過波長特性を持たせ、かつ、前記光透過波長特性を前記画素毎に異なるようにする。
なお、前記第一の透明層と前記第二の透明層から構成された2層構造の光透過波長特性は、前記第一の透明層の光透過波長特性と前記第二の透明層の光透過波長特性との積として表現される。前記第一の透明層の光透過波長特性は、前記第一の透明層を構成する材料の屈折率と前記第一の透明層の厚さの積で決定される。一方、前記第二の透明層の光透過波長特性は、前記第二の透明層を構成する材料の屈折率と前記第二の透明層の厚さの積で決定される。このため、前記第一の透明層と前記第二の透明層のそれぞれの材料の屈折率とそれぞれの厚さから成る4つの数値を適宜選定することにより、特定の波長帯域での透過率を大きく設計できることになる。
なお、前記画素が3つ配列された半導体イメージセンサの場合には、第一の画素には入射光の「赤色」成分を透過するような光透過波長特性を持たせ、第二の画素には入射光の「緑色」成分を透過するような光透過波長特性を持たせ、第三の画素には入射光の「青色」成分を透過するような光透過波長特性を持たせることにより、カラー撮像機能を有する半導体イメージセンサが構成できる。
なお、前記画素が3つ配列された半導体イメージセンサの場合には、第一の画素には入射光の「赤色」成分と「青色」成分とを同時に透過するような光透過波長特性(透過色としてはマゼンタになる)を持たせ、第二の画素には入射光の「緑色」成分と「青色」成分とを同時に透過するような光透過波長特性(透過色としてはシアンになる)を持たせ、第三の画素には入射光の「青色」成分と「赤色」成分とを同時に透過するような光透過波長特性(透過色としては黄色になる)を持たせることにより、カラー撮像機能を有する半導体イメージセンサが構成できる。
前記第一の透明層を、前記画素毎に異なる厚さを持たせ、かつ、前記第二の透明層を、前記画素毎に異なる厚さを持たせる。
なお、前記第一の透明層と前記第二の透明層の材料としては、無機材料、有機材料、ハイブリッド材料など、各種の材料を組合せて利用することができる。例えば、無機材料としては、ITO(酸化インジウムスズ、Sn/In)、ATO(アンチモンスズ酸化物、Sb/SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(Ta)、ジルコニア(ZrO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、チタン酸バリウム(BaTiO)、水酸化アルミ(AlO(OH))などがある。また、フッ化マグネシウム(MgF)などのフッ素化合物や、鉛ガラス、各種のガラスもある。また、有機材料としては、フッ素系ポリマー(フッ素樹脂)やシリコーン系ポリマー(シリコーン樹脂)などがある。これらの材料は、透明膜に要求される厚さと屈折率に応じて適宜選択、組合されても良い。
なお、前記第一の透明層が特定の同一材料で構成されている場合には、前記画素毎に異なる厚さに設定することにより、異なる光透過波長特性を得ることができる。また、前記第二の透明層が特定の同一材料で構成されている場合には、前記画素毎に異なる厚さに設定することにより、異なる光透過波長特性を得ることができる。
前記画素間の境界部分に、入射光を遮光する遮光層を配置する。
なお、前記第一の透明層の厚さが変化する前記境界部分の領域と、前記第二の透明層の厚さが変化する前記境界部分の領域とを空間的に完全に一致させることは困難である。もし、これらの2つの領域に空間的な差異が発生すると、当該領域では設計された光透過波長特性を得ることができなくなる。この不都合を回避するために当該領域に遮光層を設けることにより、前記領域の空間的な不一致の影響を避けることが可能となる。
前記第一の透明層と前記第二の透明層から構成された2層構造を、指定された前記画素にのみ配置する。
なお、全ての画素に前記2層構造が配置される必要は必ずしもない。例えば、指定された特定の画素にのみ前記2層構造が配置され、他の画素には前記第一の透明層のみ、あるいは、前記第二の透明層のみが配置されていても良い。また、特定の画素にのみ前記2層構造が配置され、他の画素には着色された樹脂製の透明層が配置されていても良い。
複雑な製造工程を必要とする多層膜干渉フィルタを使用することなく、透明膜から成る2層構造を採用することにより、半導体イメージセンサを実現することができる。
前記した2層構造では、各層の屈折率と厚さの積で所望の光透過波長特性が決まるので、設計も容易になる効果がある。また、当該光透過波長特性が、少ないパラメータで決定されるので、材料の選択(=屈折率)と、製造工程の選択(=厚さ)が容易となる。一例として挙げるならば、指定された一つの層に対して必要となる厚さが製造工程での設定範囲を超えて大きいような場合には、その層を「より屈折率が高い」材料に変更することにより、前記設定範囲内に収めることができる。また、この逆の場合でも同様な変更により対応できる。
前記した2層構造は、現在の半導体製造分野で利用されている材料と製造装置で実現でき、特別な材料と特別な製造装置を新たに必要としていない。この結果、本発明を半導体イメージセンサの製造に適用することは容易である。
前記した2層構造を無機質材料などで構成できるので、前記半導体イメージセンサを高温雰囲気で動作させることが可能となる。すなわち、半導体イメージセンサの適用範囲を広めることが可能である。
前記した2層構造を全ての画素に適用するだけではなく、指定された一部の画素に限定して適用できる。当該指定された一部の画素以外の画素に対しては、着色された樹脂のフィルタなどを適用する。かかる構成により、前記2層構造では実現できない光透過波長特性が要求される場合にも対応可能である。
前段落までに記載したように、本発明では簡単な2層構造を適用することにより、複雑な製造工程を必要とせず、歩留まりの向上が達成でき、さらに、新たな製造設備の導入も不要となり、従来の製造技術上の課題を解決できる利点がある。さらに、前記したように、設計工程や製造工程での融通性が高まり、歩留まりの向上に大きく寄与できる。
2層膜による透過波長特性(原色への色分解)である。 <実施例1> 2層膜による透過波長特性(補色への色分解)である。 <実施例2> 表面入射型イメージセンサへの適用例(1)である。 <実施例3> 表面入射型イメージセンサへの適用例(2)である。 〔透明層が連続している構造〕 <実施例4> 表面入射型イメージセンサへの適用例(3)である。 〔透明層の段差の位置を変化〕 <実施例5> 裏面入射型イメージセンサの原理的な構造を示す図である。 裏面入射型イメージセンサへの適用例(1)である。 <実施例6> 図7のイメージセンサの製造工程である。 図7のイメージセンサの製造工程である。 裏面入射型イメージセンサへの適用例(2)である。 〔透明層の段差部に遮光層あり〕 <実施例7> 裏面入射型イメージセンサへの適用例(3)である。 〔拡散層への遮光層あり〕 <実施例8> 裏面入射型イメージセンサへの適用例(4)である。 〔単一層との組合せ〕 <実施例9> 裏面入射型イメージセンサへの適用例(5)である。 〔樹脂フィルタとの組合せ〕 <実施例10> 多層膜干渉フィルタを用いた半導体イメージセンサの構造断面図である。 <従来例> 図13に対応する半導体イメージセンサの分光特性である。 <従来例>
以下、図面に示した本発明による半導体イメージセンサを詳細に説明する。
<2層膜による透過波長特性−1>
図1は本発明の実施例1を示す図である。同図(a)において、105は例えばP型のシリコン半導体基板、106は105表面に設けられた例えばN型の拡散層であり、受光素子を形成している。107は受光素子上に配置された第一の透明層、108は107表面に配置された第二の透明層である。109は入射光であり、108と107を通過して106で光電変換される。ここで、107の厚さをd1(マイクロメータ)、屈折率をn1とし、108の厚さをd2(マイクロメータ)、屈折率をn2とする。同図(b)から同図(d)は、d1、d2、n1、n2を変化させた時の、107と108の2層膜の光透過波長特性である。同図の横軸は入射光の波長(単位はナノメータ)、縦軸は透過光の相対値(単位は任意)である。
同図(b):d1とn1の積を0.35、d2とn2の積を1.55
同図(c):d1とn1の積を0.30、d2とn2の積を1.38
同図(d):d1とn1の積を0.70、d2とn2の積を1.58
同図(b)から同図(d)に示されているように、それぞれ、赤色、緑色、青色に透過率が最大となっている。一般に、人間の眼の視感度特性は、赤色のピークが620ナノメータ、緑色のピークが550ナノメータ、青色のピークが450ナノメータであると言われており、同図(b)から同図(d)はこの視感度特性に合致するように、d1、n1、d2、n2がそれぞれ選択されている。同図に示したように、かかる構成により、光の3原色(赤、緑、青)が分離でき、カラー撮像が可能である。即ち、従来の半導体イメージセンサで多用されてきた着色された樹脂層によるカラーフィルタが不要となる利点がある。さらに、上記した引用特許文献1に記載されているような複雑な構造の干渉フィルタも不要になり、半導体イメージセンサを低価格で製造することができる。
なお、図1に例示した2層膜による色分離の構造は、あくまでも一例に過ぎない。各層の「厚さと屈折率の積」を適宜選択して、図1に類似した光透過波長特性を実現することができる。本発明は2層膜で色分離機能を実現することに発明の趣旨があり、各層の厚さや屈折率に制限を受けることはない。
前々段落では、透明層の厚さとその屈折率の積で光透過波長特性が決定されることを示した。本段落では、それぞれを具体的に例示する。
図1(b):107が窒化シリコン(屈折率を1.90と仮定)である場合には、
厚さは0.18マイクロメータ
108が酸化シリコン(屈折率を1.45と仮定)である場合には、
厚さは1.07マイクロメータ
図1(c):107が窒化シリコン(屈折率を1.90と仮定)である場合には、
厚さは0.16マイクロメータ
108が酸化シリコン(屈折率を1.45と仮定)である場合には、
厚さは0.95マイクロメータ
図1(d):107が窒化シリコン(屈折率を1.90と仮定)である場合には、
厚さは0.37マイクロメータ
108が酸化シリコン(屈折率を1.45と仮定)である場合には、
厚さは1.09マイクロメータ
上記の数値例では、窒化シリコンと酸化シリコンを材料例としたが、本発明ではこの組合せに限らず、他の材料を利用しても良い。また、それぞれの光透過波長特性の場合に、異なった2種の材料を適宜組合せても良い。例えば、図1(b)では、酸化タンタルと酸化シリコンの組合せ、図1(c)では、酸化シリコンと窒化シリコンの組合せ、図1(d)では、酸化タンタルと窒化シリコンの組合せなどがある。これらの材料の組合せは、製造工程との関係で決定されるべきである。より具体的には、透明膜の厚さと屈折率の積が大きい場合には、屈折率の大きい材料を使用して膜厚を小さくし、2層膜での熱膨張係数差に起因する応力が緩和されるようにすることが挙げられる。
なお、前段落では、前記透明膜の材料として、窒化シリコンと酸化シリコンを例示したが、当該材料としては、これらに限ることなく、多くの材料が適用できる。例えば、無機材料、有機材料、ハイブリッド材料など、各種の材料を組合せて利用することができる。例えば、無機材料としては、透明な導電材料として周知のITO(酸化インジウムスズ、Sn/In)や、ATO(アンチモンスズ酸化物、Sb/SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(Ta)、ジルコニア(ZrO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、チタン酸バリウム(BaTiO)、水酸化アルミ(AlO(OH))などがある。また、上記した金属酸化物など以外にも、フッ化マグネシウム(MgF)などのフッ素化合物や、鉛ガラス、各種のガラスもある。また、有機材料としては、フッ素系ポリマー(フッ素樹脂)やシリコーン系ポリマー(シリコーン樹脂)などがある。これらの材料は、透明膜に要求される厚さと屈折率に応じて適宜選択、組合されても良い。
なお、前段落までは「2層構造」を対象とする記述を行ったが、「3層以上」の多層構造を採用することも可能である。かかる構成では、前記多層構造を構成する各層の屈折率と各層の厚さを適宜選択することにより、前記した光透過波長特性を実現することが可能である。
図1に示した実施例1では、光の3原色を完全に分離して、光電変換することは困難である。同図(b)から同図(d)に示すように、いずれの光透過波長特性でも、検出すべき色以外の成分が光電変換されてしまう。イメージセンサの分野では「混色」と呼ばれる現象である。しかし、混色が発生しても、信号処理回路を適宜設計することにより、混色の無い、純粋な3原色信号を得ることは可能である。本段落では、この信号処理法について、以下に詳述する。入射した光の3原色成分の大きさ(光成分の強さ)をR0、G0、B0、また、光電変換された電気信号をR、G、Bとすると、
図1(b)の特性: R=R0+0.2G0+0.2B0
図1(c)の特性: G=G0+0.2B0
図1(d)の特性: B=B0+0.4R0
となる。なお、上式でのR0、G0、B0の係数(ここでは0.2と0.4)は図1(b)から図1(d)の曲線から大略推定した値であり、必ずしも、これらの数値に限定されることはない。上記した3つの式から
R0=1.08R−0.23G−0.18B
G0=0.09R+0.98G−0.21B
B0=−0.43R+0.09G+1.07B
が得られる。この3つの式に従って、アナログ加算回路のような信号処理回路を構成すれば、光電変換された電気信号から、入射した元の3原色成分を求めることが可能となる。
図1(b)から図1(d)に例示した光透過波長特性において、700ナノメータ以上の波長領域においても光が透過している。一般に、受光素子106がシリコンで形成されている場合には、1100ナノメータ付近まで当該受光素子は光感度を有している。しかし、人間の眼は800ナノメータより長波長光を検出できない。このため、半導体イメージセンサでは、この波長域の入射光を遮断する目的で、当該イメージセンサ外部に近赤外線遮断フィルタが設けられている。この近赤外線遮断フィルタの例としては、保谷ガラス製のC500がある。このフィルタは700ナノメータ付近から徐々に透過率が低くなる特性を有しているので、図1(b)から図1(d)での特性は、このフィルタ特性で補正されることになる。即ち、700ナノメータ付近での高い光透過率は、近赤外線遮断フィルタにより低い透過率になり、不都合は発生しない。
<2層膜による透過波長特性−2>
本発明の実施例1では、入射光が3原色の色として分解され光電変換されていた。このような構成は「原色への色分離」であり、高い色再現性が特徴である。しかし、入射光の1/3しか利用していないため、光感度が低くなる欠点があった。図2に示した本発明の実施例2では、「補色への色分解」を利用している。補色は3原色の内の2つの色成分を加算したものであり、例えば、赤+青(合成色はマゼンタ)、青+緑(合成色はシアン)、緑+赤(合成色は黄色)といった組合せである。同図(a)から同図(c)によれば、それぞれ、マゼンタ、シアン、黄色といった補色への色分解ができることが明らかである。
同図(a):d1とn1の積を1.60 (第二の透明層108はない)
同図(b):d1とn1の積を0.87、d2とn2の積を1.88
同図(c):d1とn1の積を0.86 (第二の透明層108はない)
なお、本実施例においては、マゼンタと黄色を実現するために単一の透明層を用い、シアンを実現するために2層膜を利用している。また、本実施例においても、光の3つの補色成分を完全に分離して、光電変換することは困難である。即ち、同図(a)から同図(c)に示すように、いずれの光透過波長特性でも、検出すべき2つの色以外の成分が光電変換されてしまう。イメージセンサの分野では「混色」と呼ばれる現象である。しかし、混色が発生しても、前記したようなアナログ加算回路のような信号処理回路の適宜設計により、混色の無い、純粋な3原色信号を得ることは可能である。
補色への色分解では、入射光の2/3を利用できるので、光感度を高くすることが可能となり、低照度の被写体を撮像する場合には特に有利となる。なお、前段落では、「補色への色分解」を実現するための一構成例を例示したにすぎない。図2に例示した以外の構成法、例えば、3つの補色への分解を、全て2層膜構成で実現することは可能である。
<表面入射型への適用−1>
図3は本発明の実施例3を示す図であり、表面入射型半導体イメージセンサへ本発明を適用した図である。同図では図1(a)に示した画素が3つ配列された構造が示されている。同図において、50a、50b、50cはそれぞれの画素の領域を示す。51は半導体基板、52は拡散層などで構成された受光素子、53は52からの信号を読み出すための拡散層、54は絶縁層でありその内部には当該半導体イメージセンサを駆動したり信号を読み出すための配線層が含まれている。55は各画素毎に設けられたマイクロレンズである。56a、56b、56cは各画素に対応して設けられた第一の透明層であり、図1(a)の107に相当している。57a、57b、57cは各画素に対応して設けられた第二の透明層であり、図1(a)の108に相当している。それぞれの画素での透明層は2層膜を構成している。また、56a、56b、56c、57a、57b、57cはそれぞれの厚さが異なっているように概念的に示されている。これらの厚さは図1あるいは図2で例示したような光透過波長特性を有するように設定されている。58は第三の透明層であり、マイクロレンズ形成工程に先立ち表面平坦化の目的で積層される。この結果、マイクロレンズの上方から入射した光(図示せず)はマイクロレンズで集光されてから、各画素毎の2層膜で色分離され、受光素子52で光電変換される。
図3に示した半導体イメージセンサの製造方法例について以下に略記する。
(1)半導体基板51の表面に周知の技術を用いて拡散層52と53が設けられる。
(2)内部に複数の配線層を有する酸化膜などの絶縁膜が積層され絶縁層54が形成され
る。
(3)54の表面が平坦化されてから、第一の透明層(56a、56b、56c)が形成
される。各画素毎にそれぞれの厚さが異なるが、この実現には種々の手法が用いら
れる。例えば、56a、56b、56cの厚さの内、最大の厚さで透明層を形成
し、エッチバックなどの手法により、各画素毎の設定厚さまで部分的に薄くなるよ
うに加工されることがある。また、56z、56b、56cのそれぞれの材料が異
なる場合には、それぞれを別工程として積層化することもできる。
(4)第二の透明層(57a、57b、57c)が形成される。各画素毎にそれぞれの厚
さが異なるが、この実現には種々の手法が用いられる。例えば、57a、57b、
57cの厚さの内、最大の厚さで透明層を形成し、エッチバックなどの手法によ
り、各画素毎の設定厚さまで部分的に薄くなるように加工されることがある。ま
た、57a、57b、57cのそれぞれの材料が異なる場合には、それぞれを別工
程として積層化することもできる。さらに、第二の透明層が不要な場合(図2(a )と(c)に対応)には、第二の透明層が必要な画素のみに当該透明層が形成され ることになる。
(5)第二の透明層の表面を平坦化するように第三の透明層58が設けられる。
(6)周知の手法により、各画素毎にマイクロレンズ55が形成される。
以上の工程により、実施例3に示した半導体イメージセンサの製造が可能である。
<表面入射型への適用−2>
図4は本発明の実施例4を示す図であり、図3と同一番号は同一構成要素を示している。本実施例では、前記した第一の透明層が特定の第一の材料(例えば酸化シリコン)で、前記した第二の透明層も特定の第二の材料(例えば窒化シリコン)で形成されている場合が示されている。同図において、61は第一の透明層を構成する透明層であり、62は第二の透明層を構成する透明層である。当該61は絶縁層54が形成されてから、54の上部に積層される。周知の写真触刻技術やエッチバック技術で61の一部が除去され、画素50a、50b、50cの上部にはそれぞれ所望の厚さを有する第一の透明層61a、61b、61cが形成される。これらが形成されてから、第二の透明層を構成する透明層62が一様に積層される。周知の写真触刻技術やエッチバック技術で62の一部が除去され、画素50a、50b、50cの上部にはそれぞれ所望の厚さを有する第一の透明層62a、62b、62cが形成される。
図4に示したように、第一の透明層と第二の透明層を酸化物のような無機質材料で構成できることは、動作温度の大幅な改善が可能であり、半導体イメージセンサの応用範囲を大幅に広げることができる。現在実用化されている半導体イメージセンサでは、色分離を着色された樹脂製のフィルタで実現していることが多い。このような構成では、樹脂の耐熱性の限界から、動作温度の上限が決定されてしまう。一方、本実施例では、高温になっても材料の変形、変質が発生しない特徴がある。このため、高い動作温度が要求されるような分野、例えば、製鉄所や化学プラントでの工程管理といった分野にも適用できる利点がある。
<表面入射型への適用−3>
図5は本発明の実施例5を示す図であり、図3と同一番号は同一構成要素を示している。本実施例では、前記した第一の透明層が特定の第一の材料(例えば酸化シリコン)で、前記した第二の透明層も特定の第二の材料(例えば窒化シリコン)で形成されている場合が示されている。同図において、71は第一の透明層を構成する透明層であり、72は第二の透明層を構成する透明層である。当該71を積層する前に、絶縁層54の一部が除去され、画素50a、50b、50cには異なる深さの窪みが形成されている。次に一様な厚さを有する71が形成されてから、その表面が平坦化される。この結果、画素には異なる厚さを有する第一の透明層71a、71b、71cが形成される。これらの上部に一様な厚さを有する第二の透明層72が積層化される。次に、72の一部が除去され、異なる厚さを有する第二の透明層72a、72b、72cがそれぞれの画素に対応して形成される。
<裏面入射型イメージセンサの構造>
図6は裏面入射型イメージセンサの原理的な構造を示す図である。同図において、80a、80b、80cはそれぞれの画素の領域を示す。81は半導体基板、82は拡散層などで構成された受光素子、83は82からの信号を読み出すための拡散層、84は絶縁層でありその内部には当該半導体イメージセンサを駆動したり信号を読み出すための配線層が含まれている。85は各画素毎に設けられた色分離用のカラーフィルタ、87は各画素毎に設けられたマイクロレンズ、86は透明層であり、マイクロレンズ形成工程に先立ち表面平坦化の目的で積層されている。88は84内に設けられた配線層に接続され、外部回路との電気的接続を行うための接続手段である。同図では、88はボールグリッドアレイである場合が例示されているが、接続手段はこれに限らず、他の構成でも良い。同図の構成では、入射光は画面上部から入射し、マイクロレンズ87で集光され、カラーフィルタ85で色分離されてから、受光素子82で光電変換される。即ち、半導体基板の「裏面」側から光が入射している。このような裏面入射型イメージセンサの特長としては、(1)入射した光は全て光電変換に寄与できる〔表面入射型イメージセンサでは絶縁層84内に設けられた配線層の隙間をぬって光が受光素子に到達するため光感度が低くなりがちである〕、(2)絶縁層84内の配線層の構成が光電変換機能とは別個に設計できる〔パターン設計の自由度が高い〕、(3)当該配線層の端部で入射光が反射・散乱されることがなく、高品位の画像信号が得られる、(4)当該配線層が複層である場合に、絶縁層84の厚さが大きくなっても光電変換機能に影響がない〔マイクロレンズと受光素子間の距離を小さくできる〕などがある。反面、半導体基板81を数10マイクロメータ程度まで薄膜化して、半導体基板81の表面側(カラーフィルタが配置されている側)で発生した信号電荷が横方向に拡散し、解像度特性が劣化することを防止することが必須となっている。
<裏面入射型への適用−1>
図7は本発明の実施例6を示す図であり、裏面入射型半導体イメージセンサへ本発明を適用した図である。同図において図6と同一番号は同一構成要素を示しており、3つの画素のみが示されている。同図において、91a、91b、91cは第一の透明層(図3の56a、56b、56cに相当)、92a、92b、92cは第二の透明層(図3の57a、57b、57cに相当)であり、それぞれ前記したような2層膜を構成している。即ち、本実施例においては、図6で示したカラーフィルタ85と同様な機能を当該第一の透明層と当該第二の透明層の2層膜で実現していることになる。図1と図2に関連して記載したように、これらの透明層の厚さは所望の光透過波長特性が得られるように設定されている。図7の上方から入射した光(図示せず)は、マイクロレンズ87で集光され、当該2層膜で色分離されてから、受光素子82で光電変換される。なお、図7では、91a、91b、91c、92a、92b、92cが個別の構成要素であるかのように図示されているが、これに限らない。例えば91a、91b、91cが特定の第一の材料(例えば酸化シリコン)で構成され、92a、92b、92cも特定の第二の材料(例えば窒化シリコン)で形成されている場合もある。
<実施例6の製造工程>
図8−1と図8−2は、図7に示した半導体イメージセンサの製造工程を示す図である。図8−1の(a)において、図7と同一番号は同一構成要素を示している。同図において、100a、100b、100cはそれぞれの画素の領域を示す。110は周知の工程で製造された半導体イメージセンサ部分であり、半導体基板111、拡散層などで構成された受光素子112、当該112からの信号を読み出すための拡散層113、内部には当該半導体イメージセンサを駆動したり信号を読み出すための配線層が含まれているような絶縁層114などから構成されている。半導体基板111の厚さは、使用するウェーハサイズに依存するが一般的には数100マイクロメータである。110の半導体イメージセンサ部分は図8−1の(b)に示すように、半導体基板111が薄膜化されて、厚さが100マイクロメータ以下の基板115に加工される。図8−1の(c)に示すように、薄膜化された半導体基板115の表面には薄い酸化シリコン116が形成される。一般に、シリコンのような半導体基板が大気中に放置されると、その表面が汚染され、表面での電気特性が劣化することが知られている。例えば、表面順位(あるいは「表面準位」)が増え、暗電流の増加や、光感度の低下という特性劣化がある。酸化シリコン116は表面順位を安定化させることが知られており、裏面入射型半導体イメージセンサの製造にとっては必須の構成要素となる。当該116の厚さは適宜選択されるが、数10ナノメータ以上であることが多い。図8−1の(d)では、酸化シリコン116の表面に第一の透明層となる層117が積層される。当該117の厚さは、図1および図2で例示した光透過波長特性を得るために必要な最大の厚さであることが望ましい。次に、複数回のフォトレジストとエッチングにより、各画素(100a、100b、100cで表示)に対応する領域が所望の厚さまで薄くされる。この結果、画素100a上部には透明層118aが、画素100b上部には透明層118bが、そして、画素100c上部には透明層118cが形成されることになる。これらの透明層は前記した第一の透明層に対応している。図8−1の(f)においては、当該透明層の表面に第二の透明層となる層119が積層される。当該119の厚さは、図1および図2で例示した光透過波長特性を得るために必要な最大の厚さであることが望ましい。次に、複数回のフォトレジストとエッチングにより、各画素(100a、100b、100cで表示)に対応する領域が所望の厚さまで薄くされる。この結果、図8−2の(g)に示すように、画素100a上部には透明層200aが、画素100b上部には透明層200bが、そして、画素100c上部には透明層200cが形成されることになる。これらの透明層は前記した第二の透明層に対応している。図8−2の(h)においては、透明層200a、200b、200cの表面に第三の透明層201が積層されて、その表面が周知の技術により平坦化される。図8−2の(i)においては、第三の透明層201の表面に周知の技術によりマイクロレンズ202が積層される。以上のような工程により、本発明の実施例6は製造される。
なお、図7、図8−1、図8−2では、マイクロレンズが各画素毎に設置されている例が示されている。しかしながら、裏面入射型半導体イメージセンサでは、半導体基板(81あるいは115)の厚さが薄くなり、数10マイクロメータ以下になると、当該基板中で光電変換された信号電荷が横方向に拡散して隣接画素へ流入することが少なくなる。このため、斜め方向からの入射光が殆どないような場合には、当該マイクロレンズを設けなくても良い。このような場合には、半導体イメージセンサの製造工程が簡略化される利点がある。
なお、図8−1と図8−2における酸化シリコン116の厚さについては、この層での入射光の干渉効果を考慮して選定されるべきである。即ち、当該116の厚さが厚いと、入射光の干渉効果により、図1と図2に示した光透過波長特性が乱される場合がある。例えば、当該116の厚さが0.2マイクロメータの場合には、当該116単体層での光透過波長特性は0.6マイクロメータ付近に最大透過率が一致してしまう。この結果、図1と図2に例示した光透過波長特性が大幅に乱されることになる。このような当該116での干渉効果を少なくするためには、当該116の厚さを0.1マイクロメータ以下にすることが望ましい。
さらに、118a、118b、118cなどの第一の透明層が酸化シリコンであって、当該116と同一材料で構成されている場合には、当該116を118a、118b、118cなどの一部とみなすことも可能である。かかる場合には、図8−1の(e)での118a、118b、118cの厚さを、当該116の厚さを含んだ値として設定することができる。例えば、当該116の厚さが0.1マイクロメータである場合には、図1および図2の特性を得るために必要な第一の透明層の厚さの計算値から0.1マイクロメータを減じた厚さを図8−1の(e)での118a、118b、118cの厚さとすれば良い。
本段落では、図8−2における第三の透明膜201の厚さについては記述する。当該201は樹脂などがスピンコートなどで塗布されるのが一般的であり、その厚さは数マイクロメータ以上であることが多い。このように厚い膜厚では、当該層201内部での干渉効果が少ないので、図1と図2に例示した光透過波長特性を乱すことは少ない。
図8−1と図8−2に示した製造方法の記述に際しては、画素100a、100b、100cの上部に積層された第一の透明層が特定な共通の材料で構成されており、かつ、第二の透明層も特定な共通の材料で構成されている場合が示されている。しかしながら、図1と図2の特性を得るためには、それぞれ別個の材料を採用する場合もあり得る。かかる場合は、図8−1の(e)と図8−2の(g)で示した工程を変更する必要がある。例えば、図8−1の(e)において、
(1)118aを構成する材料を半導体イメージセンサ部分全体に積層してから、1
18a部分のみを残して、残りの部分の材料を完全に除去する。
(2)次に、118bを構成する材料を半導体イメージセンサ部分全体に積層してか
ら、118b部分のみを残して、残りの部分の材料を完全に除去する。
(3)次に、118cを構成する材料を半導体イメージセンサ部分全体に積層してか
ら、118c部分のみを残して、残りの部分の材料を完全に除去する。
といった3段階に分割することになる。図8−2の(g)の200a、200b、200cの製造工程も同様である。
<裏面入射型への適用−2>
図9は本発明の実施例7を説明する図である。同図(a)は図8−2の(g)と同一図であり、同一番号は同一構成要素を示している。また、図9において、図8−1およびお図8−2と同一番号は同一構成要素を示している。図9(a)において、118aと118bの境界部分の領域と200aと200bの境界部分の領域のみが、図9(b)に拡大表示されている。図8−1と図8−2の製造方法の記述の段落で記載したように、118a、118bの製造工程と、200a、200bの製造工程とは別工程になっている。この結果、同図(b)に示すように、118aと118bの境界と、200aと200bの境界とは一致せず、境界部分210が存在することになる。最新の製造装置を用いても、かかる境界部分210の存在を無くすことはできない。当該境界部分210では前記2層膜が、200bの一部と118aの2層で構成されることになり、この部分での2層膜の厚さが必要とする厚さ(当該境界部分210が存在しないような理想的な状態では、200aと118aの厚さの和であるべきである)とは異なった厚さになってしまう。即ち、当該境界部分では、図1あるいは図2で例示したような光透過波長特性が得られないことになる。かかる不具合を解決するために、実施例7では、図9(c)に示すように、当該境界部分に遮光層211が設けられている。当該遮光層は118a、118b、118cの積層に先立ち、酸化シリコン116表面に形成される。かかる遮光層の材料としては、光透過性のない樹脂や、金属薄膜があり、いずれの材料でも周知の技術で形成される。
<裏面入射型への適用−3>
図10は本発明の実施例8を説明する図であり、図8−1、図8−2および図9と同一番号は同一構成要素を示している。同図において、220は遮光層である。本実施例においては、当該220が、透明層118aと118bの境界部分、および透明層200aと200bの境界部分などに対応して配置されていると同時に、受光素子112から光電変換された信号を読み出すための拡散層113の上方にも配置されている特徴がある。図6で例示した裏面入射型半導体イメージセンサの記述では省略したが、当該拡散層はイメージセンサの光電変換特性を劣化させることが知られている。即ち、裏面入射型では、薄膜化された半導体基板の裏面側から光が入射するので、一部の光は当該拡散層へ直接到達し、光電変換される。本来、当該拡散層では信号電荷が発生したり、流入したりすることがなく、撮像動作中に一定電位を保持していなければならない。入射光が直接当該拡散層で光電変換される場合には、画素構造や信号読み出し方法にも依存するが、光電変換特性が劣化する。本実施例では、かかる劣化を防止することをも目的として、遮光層220が配置されている。
<裏面入射型への適用−4>
図11は本発明の実施例9を説明する図であり、図2に例示した「補色への色分解」の場合に対応している。同図において、図8−1、図8−2および図9と同一番号は同一構成要素を示している。同図において、130Mg、130Cy、130Yeはそれぞれの画素の領域を示す。図2を用いて記載したように、マゼンタと黄色に対応する画素130Mgと130Yeでは、第二の透明膜がなく第一の透明膜(図11では132Mgと132Yeとして表示)のみで構成されており、シアンに対応する画素130Cyでは第一の透明膜(図11では132Cyとして表示)と第二の透明膜(図11では133Cyとして表示)から構成される2層膜構成となっている。図2の光透過波長特性を得るための各透明膜の材料と厚さについては、
132Mg:酸化シリコン(厚さ1.10マイクロメータ)
132Cy:酸化シリコン(厚さ1.30マイクロメータ)
133Cy:窒化シリコン(厚さ0.46マイクロメータ)
132Ye:酸化シリコン(厚さ0.59マイクロメータ)
である。ただし、酸化シリコンと窒化シリコンの屈折率は、それぞれ、1.45と1.90と仮定している。また、ここでは、半導体基板裏面の安定化のため設けられた酸化シリコン116の厚さは考慮されていない。もし、当該116の厚さを0.1マイクロメータとして換算すると、上記した132Mgの厚さは1.00マイクロメータ、132Cyの厚さは1.20マイクロメータ、132Yeの厚さは0.49マイクロメータとなる。
図11に示した実施例9の半導体イメージセンサを製造するには、
(1)116の表面に、132Cyの厚さ(1.30マイクロメータ)と等しい酸
化シリコンを設ける。
(2)フォトレジストとエッチングにより、130Mg領域と130Ye領域での
酸化シリコンの厚さが132Mgの厚さ(1.10マイクロメータ)と等し
くなるように加工する。
(3)フォトレジストとエッチングにより、130Ye領域での酸化シリコンの厚
さが132Yeの厚さ(0.59マイクロメータ)と等しくなるように加工
する。
(4)133Cyの厚さ(0.46マイクロメータ)と等しい窒化シリコンを全面
に設ける。
(5)フォトレジストとエッチングにより、130Mg領域と130Ye領域での
窒化シリコンを除去する。
の順に工程を組めば良い。
図11に示した実施例9では、2層構造の透明膜と単一層の透明膜とを組合せた事例が示されている。説明の便宜上、「補色への色分解」の場合を説明したが、「原色への色分解」への適用も可能である。
<裏面入射型への適用−5>
図12は本発明の実施例10を説明する図であり、図10と同一番号は同一構成要素を示している。同図において、140a、140b、140cはそれぞれの画素の領域を示す。本実施例では、画素140cでの色分離を、着色された樹脂で構成されたフィルタ141cを用いていることに特徴がある。図1および図2で例示した光透過波長特性を2層膜で実現することが困難であったり、特定の色成分を精度良く検出する必要がある場合には、着色された樹脂製のフィルタを組合せることができる。本実施例では、第一の透明層と第二の透明層からなる2層構造を、樹脂製のカラーフィルタと組合せることができることが示されている。なお、図12は一つの事例に過ぎず、他の組合せも可能である。
なお、本明細書では図3あるいは図6で示したように、標準的な構成と考えられるイメージセンサの構成を例として記載されている。しかしながら、イメージセンサの構成には多種あり、本発明はこれらの全てに適用できる。一例として挙げるならば、マイクロレンズが搭載されていない構成、感度増大のために画素毎に増幅機能を持たせたりフォトダイオード自身が増幅機能を有すると言ったいわゆる増幅型イメージセンサの構成、水平垂直レジスタを介して画素からの信号読み出しを実行するCCD型イメージセンサ、さらには、イメージセンサ自体が積層構造をなしていて各層毎に撮像機能、信号処理機能、メモリ機能、入出力制御機能などが割り当てられているような3次元の構成などがある。かかる複数の構成例に対しても本発明は容易に適用される。
本発明は半導体イメージセンサへの適用以外にも、他の半導体素子へ広く適用できる。特に、分光機能を有する装置、フォトダイオード(PD)や光放射ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)などの発光素子の応用装置へ広く適用できる。
50a、50b、50c、80a、80b、80c、100a、100b、
100c、130Mg、130Cy、130Ye、140a、140b、
140c 画素の領域
51、81、105、111、115 半導体基板
52、82、106、112 受光素子
53、83、113 拡散層
54、84、114 絶縁層
55、87、202 マイクロレンズ
56a、56b、56c、61、61a、61b、61c、71、71a、
71b、71c、91a、91b、91c、107、117、132Mg、
132Cy、132Ye 第一の透明層
57a、57b、57c、62、62a、62b、62c、72、72a、
72b、72c、92a、92b、92c、108、119、133Cy
第二の透明層
85、141c カラーフィルタ
58、86、118a、118b、118c、200a、200b、200c、
201 透明層
88 接続手段
109 入射光
110 半導体イメージセンサ部分
116 酸化シリコン
210 境界部分
211、220 遮光層

Claims (4)

  1. 受光素子と前記受光素子からの信号を読み出す手段とを備えた画素が少なくとも2つ以上集積化された半導体イメージセンサにおいて、
    画素領域に配置された第一の透明層と、前記第一の透明層の上部に配置された第二の透明層を備え、
    前記第一の透明層と前記第二の透明層から構成された2層構造が、それぞれの材料の屈折率と、それぞれの厚さで決定される光透過波長特性を有しており、かつ、
    前記光透過波長特性が前記画素毎に異なること
    を特徴とする半導体イメージセンサ。
  2. 前記第一の透明層は、前記画素毎に異なる厚さを有しており、かつ、
    前記第二の透明層は、前記画素毎に異なる厚さを有していること
    を特徴とする請求項1に記載の半導体イメージセンサ。
  3. 前記画素間の境界部分に、入射光を遮光する遮光層を配置したことを特徴とする請求項1乃至2に記載の半導体イメージセンサ。
  4. 前記第一の透明層と前記第二の透明層から構成された2層構造は、指定された前記画素にのみ配置されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の半導体イメージセンサ。
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