JP2011061134A - 半導体イメージセンサ - Google Patents
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Abstract
複雑な製造工程を必要とする多層膜干渉フィルタを使用したイメージセンサでは製造工程が複雑となり、歩留まりの低下という製造技術上の課題や、適用範囲を狭めるといった応用面での課題があった。
【解決手段】
イメージセンサの画素領域に、第一の透明層と第二の透明層から成る2層構造を設け、それぞれの透明層の屈折率と厚さを選択することにより、画素毎に異なった光透過波長特性を持たせる。
【選択図】図1
Description
TiO2(52ナノメータ)、SiO2(91ナノメータ)、TiO2(52ナノ
メータ)、SiO2(赤透過では30ナノメータ、緑透過では0ナノメータ、青透
過では133ナノメータ)、TiO2(52ナノメータ)、SiO2(91ナノメ
ータ)、TiO2(52ナノメータ)
の7層である。各層の厚さは光路長(物理的な厚さと屈折率の積)が波長の1/4になるように決定されている。このような複雑な構成を採用することにより、図14に示したような分光特性が得られている。しかしながら、このような構成では、製造工程が複雑となり、また、価格面でも不利となる大きな欠点がある。特に、製造工程が複雑になることは半導体イメージセンサの歩留まりを低下させるという製造技術上の重大な課題を引き起こすことになる。また、上記した干渉フィルタの製造工程を簡略化することは原理的に困難である。さらに、上記した干渉フィルタを用いた構成では、半導体イメージセンサの適用範囲を狭めることになる。例えば、デジタルカメラのように、多画素化と高性能化が強く要求されている分野では、引用特許文献1の価値は十分に高いと言える。一方、携帯電話への適用では、カメラ特性以上に製造の容易さへの要求が強く、引用特許文献1で開示されたような複雑な構成は適用できないことになる。
図1は本発明の実施例1を示す図である。同図(a)において、105は例えばP型のシリコン半導体基板、106は105表面に設けられた例えばN型の拡散層であり、受光素子を形成している。107は受光素子上に配置された第一の透明層、108は107表面に配置された第二の透明層である。109は入射光であり、108と107を通過して106で光電変換される。ここで、107の厚さをd1(マイクロメータ)、屈折率をn1とし、108の厚さをd2(マイクロメータ)、屈折率をn2とする。同図(b)から同図(d)は、d1、d2、n1、n2を変化させた時の、107と108の2層膜の光透過波長特性である。同図の横軸は入射光の波長(単位はナノメータ)、縦軸は透過光の相対値(単位は任意)である。
同図(b):d1とn1の積を0.35、d2とn2の積を1.55
同図(c):d1とn1の積を0.30、d2とn2の積を1.38
同図(d):d1とn1の積を0.70、d2とn2の積を1.58
同図(b)から同図(d)に示されているように、それぞれ、赤色、緑色、青色に透過率が最大となっている。一般に、人間の眼の視感度特性は、赤色のピークが620ナノメータ、緑色のピークが550ナノメータ、青色のピークが450ナノメータであると言われており、同図(b)から同図(d)はこの視感度特性に合致するように、d1、n1、d2、n2がそれぞれ選択されている。同図に示したように、かかる構成により、光の3原色(赤、緑、青)が分離でき、カラー撮像が可能である。即ち、従来の半導体イメージセンサで多用されてきた着色された樹脂層によるカラーフィルタが不要となる利点がある。さらに、上記した引用特許文献1に記載されているような複雑な構造の干渉フィルタも不要になり、半導体イメージセンサを低価格で製造することができる。
図1(b):107が窒化シリコン(屈折率を1.90と仮定)である場合には、
厚さは0.18マイクロメータ
108が酸化シリコン(屈折率を1.45と仮定)である場合には、
厚さは1.07マイクロメータ
図1(c):107が窒化シリコン(屈折率を1.90と仮定)である場合には、
厚さは0.16マイクロメータ
108が酸化シリコン(屈折率を1.45と仮定)である場合には、
厚さは0.95マイクロメータ
図1(d):107が窒化シリコン(屈折率を1.90と仮定)である場合には、
厚さは0.37マイクロメータ
108が酸化シリコン(屈折率を1.45と仮定)である場合には、
厚さは1.09マイクロメータ
上記の数値例では、窒化シリコンと酸化シリコンを材料例としたが、本発明ではこの組合せに限らず、他の材料を利用しても良い。また、それぞれの光透過波長特性の場合に、異なった2種の材料を適宜組合せても良い。例えば、図1(b)では、酸化タンタルと酸化シリコンの組合せ、図1(c)では、酸化シリコンと窒化シリコンの組合せ、図1(d)では、酸化タンタルと窒化シリコンの組合せなどがある。これらの材料の組合せは、製造工程との関係で決定されるべきである。より具体的には、透明膜の厚さと屈折率の積が大きい場合には、屈折率の大きい材料を使用して膜厚を小さくし、2層膜での熱膨張係数差に起因する応力が緩和されるようにすることが挙げられる。
図1(b)の特性: R=R0+0.2G0+0.2B0
図1(c)の特性: G=G0+0.2B0
図1(d)の特性: B=B0+0.4R0
となる。なお、上式でのR0、G0、B0の係数(ここでは0.2と0.4)は図1(b)から図1(d)の曲線から大略推定した値であり、必ずしも、これらの数値に限定されることはない。上記した3つの式から
R0=1.08R−0.23G−0.18B
G0=0.09R+0.98G−0.21B
B0=−0.43R+0.09G+1.07B
が得られる。この3つの式に従って、アナログ加算回路のような信号処理回路を構成すれば、光電変換された電気信号から、入射した元の3原色成分を求めることが可能となる。
本発明の実施例1では、入射光が3原色の色として分解され光電変換されていた。このような構成は「原色への色分離」であり、高い色再現性が特徴である。しかし、入射光の1/3しか利用していないため、光感度が低くなる欠点があった。図2に示した本発明の実施例2では、「補色への色分解」を利用している。補色は3原色の内の2つの色成分を加算したものであり、例えば、赤+青(合成色はマゼンタ)、青+緑(合成色はシアン)、緑+赤(合成色は黄色)といった組合せである。同図(a)から同図(c)によれば、それぞれ、マゼンタ、シアン、黄色といった補色への色分解ができることが明らかである。
同図(a):d1とn1の積を1.60 (第二の透明層108はない)
同図(b):d1とn1の積を0.87、d2とn2の積を1.88
同図(c):d1とn1の積を0.86 (第二の透明層108はない)
なお、本実施例においては、マゼンタと黄色を実現するために単一の透明層を用い、シアンを実現するために2層膜を利用している。また、本実施例においても、光の3つの補色成分を完全に分離して、光電変換することは困難である。即ち、同図(a)から同図(c)に示すように、いずれの光透過波長特性でも、検出すべき2つの色以外の成分が光電変換されてしまう。イメージセンサの分野では「混色」と呼ばれる現象である。しかし、混色が発生しても、前記したようなアナログ加算回路のような信号処理回路の適宜設計により、混色の無い、純粋な3原色信号を得ることは可能である。
図3は本発明の実施例3を示す図であり、表面入射型半導体イメージセンサへ本発明を適用した図である。同図では図1(a)に示した画素が3つ配列された構造が示されている。同図において、50a、50b、50cはそれぞれの画素の領域を示す。51は半導体基板、52は拡散層などで構成された受光素子、53は52からの信号を読み出すための拡散層、54は絶縁層でありその内部には当該半導体イメージセンサを駆動したり信号を読み出すための配線層が含まれている。55は各画素毎に設けられたマイクロレンズである。56a、56b、56cは各画素に対応して設けられた第一の透明層であり、図1(a)の107に相当している。57a、57b、57cは各画素に対応して設けられた第二の透明層であり、図1(a)の108に相当している。それぞれの画素での透明層は2層膜を構成している。また、56a、56b、56c、57a、57b、57cはそれぞれの厚さが異なっているように概念的に示されている。これらの厚さは図1あるいは図2で例示したような光透過波長特性を有するように設定されている。58は第三の透明層であり、マイクロレンズ形成工程に先立ち表面平坦化の目的で積層される。この結果、マイクロレンズの上方から入射した光(図示せず)はマイクロレンズで集光されてから、各画素毎の2層膜で色分離され、受光素子52で光電変換される。
(1)半導体基板51の表面に周知の技術を用いて拡散層52と53が設けられる。
(2)内部に複数の配線層を有する酸化膜などの絶縁膜が積層され絶縁層54が形成され
る。
(3)54の表面が平坦化されてから、第一の透明層(56a、56b、56c)が形成
される。各画素毎にそれぞれの厚さが異なるが、この実現には種々の手法が用いら
れる。例えば、56a、56b、56cの厚さの内、最大の厚さで透明層を形成
し、エッチバックなどの手法により、各画素毎の設定厚さまで部分的に薄くなるよ
うに加工されることがある。また、56z、56b、56cのそれぞれの材料が異
なる場合には、それぞれを別工程として積層化することもできる。
(4)第二の透明層(57a、57b、57c)が形成される。各画素毎にそれぞれの厚
さが異なるが、この実現には種々の手法が用いられる。例えば、57a、57b、
57cの厚さの内、最大の厚さで透明層を形成し、エッチバックなどの手法によ
り、各画素毎の設定厚さまで部分的に薄くなるように加工されることがある。ま
た、57a、57b、57cのそれぞれの材料が異なる場合には、それぞれを別工
程として積層化することもできる。さらに、第二の透明層が不要な場合(図2(a )と(c)に対応)には、第二の透明層が必要な画素のみに当該透明層が形成され ることになる。
(5)第二の透明層の表面を平坦化するように第三の透明層58が設けられる。
(6)周知の手法により、各画素毎にマイクロレンズ55が形成される。
以上の工程により、実施例3に示した半導体イメージセンサの製造が可能である。
図4は本発明の実施例4を示す図であり、図3と同一番号は同一構成要素を示している。本実施例では、前記した第一の透明層が特定の第一の材料(例えば酸化シリコン)で、前記した第二の透明層も特定の第二の材料(例えば窒化シリコン)で形成されている場合が示されている。同図において、61は第一の透明層を構成する透明層であり、62は第二の透明層を構成する透明層である。当該61は絶縁層54が形成されてから、54の上部に積層される。周知の写真触刻技術やエッチバック技術で61の一部が除去され、画素50a、50b、50cの上部にはそれぞれ所望の厚さを有する第一の透明層61a、61b、61cが形成される。これらが形成されてから、第二の透明層を構成する透明層62が一様に積層される。周知の写真触刻技術やエッチバック技術で62の一部が除去され、画素50a、50b、50cの上部にはそれぞれ所望の厚さを有する第一の透明層62a、62b、62cが形成される。
図5は本発明の実施例5を示す図であり、図3と同一番号は同一構成要素を示している。本実施例では、前記した第一の透明層が特定の第一の材料(例えば酸化シリコン)で、前記した第二の透明層も特定の第二の材料(例えば窒化シリコン)で形成されている場合が示されている。同図において、71は第一の透明層を構成する透明層であり、72は第二の透明層を構成する透明層である。当該71を積層する前に、絶縁層54の一部が除去され、画素50a、50b、50cには異なる深さの窪みが形成されている。次に一様な厚さを有する71が形成されてから、その表面が平坦化される。この結果、画素には異なる厚さを有する第一の透明層71a、71b、71cが形成される。これらの上部に一様な厚さを有する第二の透明層72が積層化される。次に、72の一部が除去され、異なる厚さを有する第二の透明層72a、72b、72cがそれぞれの画素に対応して形成される。
図6は裏面入射型イメージセンサの原理的な構造を示す図である。同図において、80a、80b、80cはそれぞれの画素の領域を示す。81は半導体基板、82は拡散層などで構成された受光素子、83は82からの信号を読み出すための拡散層、84は絶縁層でありその内部には当該半導体イメージセンサを駆動したり信号を読み出すための配線層が含まれている。85は各画素毎に設けられた色分離用のカラーフィルタ、87は各画素毎に設けられたマイクロレンズ、86は透明層であり、マイクロレンズ形成工程に先立ち表面平坦化の目的で積層されている。88は84内に設けられた配線層に接続され、外部回路との電気的接続を行うための接続手段である。同図では、88はボールグリッドアレイである場合が例示されているが、接続手段はこれに限らず、他の構成でも良い。同図の構成では、入射光は画面上部から入射し、マイクロレンズ87で集光され、カラーフィルタ85で色分離されてから、受光素子82で光電変換される。即ち、半導体基板の「裏面」側から光が入射している。このような裏面入射型イメージセンサの特長としては、(1)入射した光は全て光電変換に寄与できる〔表面入射型イメージセンサでは絶縁層84内に設けられた配線層の隙間をぬって光が受光素子に到達するため光感度が低くなりがちである〕、(2)絶縁層84内の配線層の構成が光電変換機能とは別個に設計できる〔パターン設計の自由度が高い〕、(3)当該配線層の端部で入射光が反射・散乱されることがなく、高品位の画像信号が得られる、(4)当該配線層が複層である場合に、絶縁層84の厚さが大きくなっても光電変換機能に影響がない〔マイクロレンズと受光素子間の距離を小さくできる〕などがある。反面、半導体基板81を数10マイクロメータ程度まで薄膜化して、半導体基板81の表面側(カラーフィルタが配置されている側)で発生した信号電荷が横方向に拡散し、解像度特性が劣化することを防止することが必須となっている。
図7は本発明の実施例6を示す図であり、裏面入射型半導体イメージセンサへ本発明を適用した図である。同図において図6と同一番号は同一構成要素を示しており、3つの画素のみが示されている。同図において、91a、91b、91cは第一の透明層(図3の56a、56b、56cに相当)、92a、92b、92cは第二の透明層(図3の57a、57b、57cに相当)であり、それぞれ前記したような2層膜を構成している。即ち、本実施例においては、図6で示したカラーフィルタ85と同様な機能を当該第一の透明層と当該第二の透明層の2層膜で実現していることになる。図1と図2に関連して記載したように、これらの透明層の厚さは所望の光透過波長特性が得られるように設定されている。図7の上方から入射した光(図示せず)は、マイクロレンズ87で集光され、当該2層膜で色分離されてから、受光素子82で光電変換される。なお、図7では、91a、91b、91c、92a、92b、92cが個別の構成要素であるかのように図示されているが、これに限らない。例えば91a、91b、91cが特定の第一の材料(例えば酸化シリコン)で構成され、92a、92b、92cも特定の第二の材料(例えば窒化シリコン)で形成されている場合もある。
図8−1と図8−2は、図7に示した半導体イメージセンサの製造工程を示す図である。図8−1の(a)において、図7と同一番号は同一構成要素を示している。同図において、100a、100b、100cはそれぞれの画素の領域を示す。110は周知の工程で製造された半導体イメージセンサ部分であり、半導体基板111、拡散層などで構成された受光素子112、当該112からの信号を読み出すための拡散層113、内部には当該半導体イメージセンサを駆動したり信号を読み出すための配線層が含まれているような絶縁層114などから構成されている。半導体基板111の厚さは、使用するウェーハサイズに依存するが一般的には数100マイクロメータである。110の半導体イメージセンサ部分は図8−1の(b)に示すように、半導体基板111が薄膜化されて、厚さが100マイクロメータ以下の基板115に加工される。図8−1の(c)に示すように、薄膜化された半導体基板115の表面には薄い酸化シリコン116が形成される。一般に、シリコンのような半導体基板が大気中に放置されると、その表面が汚染され、表面での電気特性が劣化することが知られている。例えば、表面順位(あるいは「表面準位」)が増え、暗電流の増加や、光感度の低下という特性劣化がある。酸化シリコン116は表面順位を安定化させることが知られており、裏面入射型半導体イメージセンサの製造にとっては必須の構成要素となる。当該116の厚さは適宜選択されるが、数10ナノメータ以上であることが多い。図8−1の(d)では、酸化シリコン116の表面に第一の透明層となる層117が積層される。当該117の厚さは、図1および図2で例示した光透過波長特性を得るために必要な最大の厚さであることが望ましい。次に、複数回のフォトレジストとエッチングにより、各画素(100a、100b、100cで表示)に対応する領域が所望の厚さまで薄くされる。この結果、画素100a上部には透明層118aが、画素100b上部には透明層118bが、そして、画素100c上部には透明層118cが形成されることになる。これらの透明層は前記した第一の透明層に対応している。図8−1の(f)においては、当該透明層の表面に第二の透明層となる層119が積層される。当該119の厚さは、図1および図2で例示した光透過波長特性を得るために必要な最大の厚さであることが望ましい。次に、複数回のフォトレジストとエッチングにより、各画素(100a、100b、100cで表示)に対応する領域が所望の厚さまで薄くされる。この結果、図8−2の(g)に示すように、画素100a上部には透明層200aが、画素100b上部には透明層200bが、そして、画素100c上部には透明層200cが形成されることになる。これらの透明層は前記した第二の透明層に対応している。図8−2の(h)においては、透明層200a、200b、200cの表面に第三の透明層201が積層されて、その表面が周知の技術により平坦化される。図8−2の(i)においては、第三の透明層201の表面に周知の技術によりマイクロレンズ202が積層される。以上のような工程により、本発明の実施例6は製造される。
(1)118aを構成する材料を半導体イメージセンサ部分全体に積層してから、1
18a部分のみを残して、残りの部分の材料を完全に除去する。
(2)次に、118bを構成する材料を半導体イメージセンサ部分全体に積層してか
ら、118b部分のみを残して、残りの部分の材料を完全に除去する。
(3)次に、118cを構成する材料を半導体イメージセンサ部分全体に積層してか
ら、118c部分のみを残して、残りの部分の材料を完全に除去する。
といった3段階に分割することになる。図8−2の(g)の200a、200b、200cの製造工程も同様である。
図9は本発明の実施例7を説明する図である。同図(a)は図8−2の(g)と同一図であり、同一番号は同一構成要素を示している。また、図9において、図8−1およびお図8−2と同一番号は同一構成要素を示している。図9(a)において、118aと118bの境界部分の領域と200aと200bの境界部分の領域のみが、図9(b)に拡大表示されている。図8−1と図8−2の製造方法の記述の段落で記載したように、118a、118bの製造工程と、200a、200bの製造工程とは別工程になっている。この結果、同図(b)に示すように、118aと118bの境界と、200aと200bの境界とは一致せず、境界部分210が存在することになる。最新の製造装置を用いても、かかる境界部分210の存在を無くすことはできない。当該境界部分210では前記2層膜が、200bの一部と118aの2層で構成されることになり、この部分での2層膜の厚さが必要とする厚さ(当該境界部分210が存在しないような理想的な状態では、200aと118aの厚さの和であるべきである)とは異なった厚さになってしまう。即ち、当該境界部分では、図1あるいは図2で例示したような光透過波長特性が得られないことになる。かかる不具合を解決するために、実施例7では、図9(c)に示すように、当該境界部分に遮光層211が設けられている。当該遮光層は118a、118b、118cの積層に先立ち、酸化シリコン116表面に形成される。かかる遮光層の材料としては、光透過性のない樹脂や、金属薄膜があり、いずれの材料でも周知の技術で形成される。
図10は本発明の実施例8を説明する図であり、図8−1、図8−2および図9と同一番号は同一構成要素を示している。同図において、220は遮光層である。本実施例においては、当該220が、透明層118aと118bの境界部分、および透明層200aと200bの境界部分などに対応して配置されていると同時に、受光素子112から光電変換された信号を読み出すための拡散層113の上方にも配置されている特徴がある。図6で例示した裏面入射型半導体イメージセンサの記述では省略したが、当該拡散層はイメージセンサの光電変換特性を劣化させることが知られている。即ち、裏面入射型では、薄膜化された半導体基板の裏面側から光が入射するので、一部の光は当該拡散層へ直接到達し、光電変換される。本来、当該拡散層では信号電荷が発生したり、流入したりすることがなく、撮像動作中に一定電位を保持していなければならない。入射光が直接当該拡散層で光電変換される場合には、画素構造や信号読み出し方法にも依存するが、光電変換特性が劣化する。本実施例では、かかる劣化を防止することをも目的として、遮光層220が配置されている。
図11は本発明の実施例9を説明する図であり、図2に例示した「補色への色分解」の場合に対応している。同図において、図8−1、図8−2および図9と同一番号は同一構成要素を示している。同図において、130Mg、130Cy、130Yeはそれぞれの画素の領域を示す。図2を用いて記載したように、マゼンタと黄色に対応する画素130Mgと130Yeでは、第二の透明膜がなく第一の透明膜(図11では132Mgと132Yeとして表示)のみで構成されており、シアンに対応する画素130Cyでは第一の透明膜(図11では132Cyとして表示)と第二の透明膜(図11では133Cyとして表示)から構成される2層膜構成となっている。図2の光透過波長特性を得るための各透明膜の材料と厚さについては、
132Mg:酸化シリコン(厚さ1.10マイクロメータ)
132Cy:酸化シリコン(厚さ1.30マイクロメータ)
133Cy:窒化シリコン(厚さ0.46マイクロメータ)
132Ye:酸化シリコン(厚さ0.59マイクロメータ)
である。ただし、酸化シリコンと窒化シリコンの屈折率は、それぞれ、1.45と1.90と仮定している。また、ここでは、半導体基板裏面の安定化のため設けられた酸化シリコン116の厚さは考慮されていない。もし、当該116の厚さを0.1マイクロメータとして換算すると、上記した132Mgの厚さは1.00マイクロメータ、132Cyの厚さは1.20マイクロメータ、132Yeの厚さは0.49マイクロメータとなる。
(1)116の表面に、132Cyの厚さ(1.30マイクロメータ)と等しい酸
化シリコンを設ける。
(2)フォトレジストとエッチングにより、130Mg領域と130Ye領域での
酸化シリコンの厚さが132Mgの厚さ(1.10マイクロメータ)と等し
くなるように加工する。
(3)フォトレジストとエッチングにより、130Ye領域での酸化シリコンの厚
さが132Yeの厚さ(0.59マイクロメータ)と等しくなるように加工
する。
(4)133Cyの厚さ(0.46マイクロメータ)と等しい窒化シリコンを全面
に設ける。
(5)フォトレジストとエッチングにより、130Mg領域と130Ye領域での
窒化シリコンを除去する。
の順に工程を組めば良い。
図12は本発明の実施例10を説明する図であり、図10と同一番号は同一構成要素を示している。同図において、140a、140b、140cはそれぞれの画素の領域を示す。本実施例では、画素140cでの色分離を、着色された樹脂で構成されたフィルタ141cを用いていることに特徴がある。図1および図2で例示した光透過波長特性を2層膜で実現することが困難であったり、特定の色成分を精度良く検出する必要がある場合には、着色された樹脂製のフィルタを組合せることができる。本実施例では、第一の透明層と第二の透明層からなる2層構造を、樹脂製のカラーフィルタと組合せることができることが示されている。なお、図12は一つの事例に過ぎず、他の組合せも可能である。
100c、130Mg、130Cy、130Ye、140a、140b、
140c 画素の領域
51、81、105、111、115 半導体基板
52、82、106、112 受光素子
53、83、113 拡散層
54、84、114 絶縁層
55、87、202 マイクロレンズ
56a、56b、56c、61、61a、61b、61c、71、71a、
71b、71c、91a、91b、91c、107、117、132Mg、
132Cy、132Ye 第一の透明層
57a、57b、57c、62、62a、62b、62c、72、72a、
72b、72c、92a、92b、92c、108、119、133Cy
第二の透明層
85、141c カラーフィルタ
58、86、118a、118b、118c、200a、200b、200c、
201 透明層
88 接続手段
109 入射光
110 半導体イメージセンサ部分
116 酸化シリコン
210 境界部分
211、220 遮光層
Claims (4)
- 受光素子と前記受光素子からの信号を読み出す手段とを備えた画素が少なくとも2つ以上集積化された半導体イメージセンサにおいて、
画素領域に配置された第一の透明層と、前記第一の透明層の上部に配置された第二の透明層を備え、
前記第一の透明層と前記第二の透明層から構成された2層構造が、それぞれの材料の屈折率と、それぞれの厚さで決定される光透過波長特性を有しており、かつ、
前記光透過波長特性が前記画素毎に異なること
を特徴とする半導体イメージセンサ。 - 前記第一の透明層は、前記画素毎に異なる厚さを有しており、かつ、
前記第二の透明層は、前記画素毎に異なる厚さを有していること
を特徴とする請求項1に記載の半導体イメージセンサ。 - 前記画素間の境界部分に、入射光を遮光する遮光層を配置したことを特徴とする請求項1乃至2に記載の半導体イメージセンサ。
- 前記第一の透明層と前記第二の透明層から構成された2層構造は、指定された前記画素にのみ配置されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の半導体イメージセンサ。
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