JP2011058418A - 車両のエンジン制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両のエンジンの制御に於いて、車両の上下振動が大きくなる走行状態に於いては、エンジントルク変動の抑制を緩和して燃料消費の抑制を図ること。
【解決手段】本発明のエンジンの出力トルク変動量の大きさが所定の大きさを超えないようにエンジンの空燃比を制御する車両のエンジン制御装置は、前記の所定の大きさが車両の上下方向の振動状態量に基づいて変更される。また、車両のエンジン制御装置は、エンジンのトルク変動量を決定する手段と、トルク変動量に基づいて空燃比を調節する手段と、車両の上下方向の振動状態量を検出する手段とを含み、空燃比を調節する手段が、車両の上下方向の振動状態量が大きくなるほど、空燃比を増大するようになっていてもよい。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両のエンジン制御装置に係り、より詳細には、エンジンの燃料消費量を低減しつつそのトルク変動を抑制するべく空燃比を制御する装置に係る。
自動車等の車両のエンジン制御に於いて、エンジンの省エネルギー化、低エミッション化を達成するために、高空燃比にて(空燃比をリーン側にシフトして)エンジンを運転して、燃料消費量を可能な限り抑えるエンジン制御手法が提案され、実用化されている。かかる高空燃比にてエンジンを運転する手法に於いて、燃料を過度に希薄にしてしまうと、気筒内の燃焼状態が不安定となり、これにより、エンジンの出力トルクの変動の増大及び車両の前後振動が惹起され、車両の運転のし易さ・乗り心地が悪化されることとなる。そこで、高空燃比にてエンジンを運転する場合には、エンジンの出力トルクの過度の変動を抑制するべく、エンジンの運転状態に基づいてエンジンの出力トルクの目標値又は許容可能な限界を定め、エンジンの出力トルクがその目標値から大きく逸脱しないように又は許容可能限界を超えないように空燃比制御を行う装置が種々の態様にて提案されている(特許文献1−4)。
例えば、特許文献1では、高空燃比にてエンジンを運転させながらエンジントルクの過度の変動を抑制するための制御に採用される気筒内の燃焼圧センサの値からエンジンの出力トルクの変動量を決定する一つの手法を開示している。また、特許文献2、4では、上記の如き高空燃比エンジン運転制御に於いて、ロックアップ機構付きの自動変速機を備えた車両の場合にロックアップ機構の作動状態に応じてエンジントルク変動量の目標値を変更することを開示している。更に、特許文献3では、自動変速機の変速段の位置に応じてエンジントルク変動量の目標値を変更することを開示している。
特開平2−67446号公報 特開平4−224245号公報 特開平5−1614号公報 特開平11−82086号公報
ところで、上記の高空燃比エンジン運転を実行する制御に於いてエンジントルク変動の抑制制御は、主として、車両の運転のし易さ・乗り心地の悪化を回避するために実行される。この点に関し、例えば、凹凸路上或いは路面外乱のある路面上での車両の走行中は、車両の上下振動が大きくなり、運転者・乗員は、通常路面走行時に比べて、車両の前後振動に対して鈍感になる傾向がある。そのような場合、エンジントルク変動の抑制を緩和しても、そのことによる車両の運転のし易さ・乗り心地への影響は少ないものと考えられる。むしろ、エンジントルク変動の抑制の緩和により、燃料消費を更に抑制する余地が生まれることとなり、更なる省エネルギー化、低エミッション化が期待される。
かくして、本発明の主な課題は、高空燃比エンジン運転を実行する車両のエンジン制御装置であって、上下振動が大きくなる走行状態に於いては、エンジントルク変動の抑制を緩和して燃料消費の抑制を図る装置を提供することである。
上記の課題は、本発明の一つの態様によれば、前記に例示されている文献に記載されている如き、エンジンの出力トルク変動量の大きさが所定の大きさ、即ち、許容可能な限界、を超えないようにエンジンの空燃比を制御する車両のエンジン制御装置に於いて、前記の所定の大きさが車両の上下方向の振動状態量に基づいて変更されるようにする構成を採用することによって達成される。かかる構成に於いて、「エンジンの出力トルク変動量」とは、要すれば、車両の前後方向の振動を惹起するトルク変動を表す量であり、上記の文献に例示されている如きエンジンの出力トルクの変動の程度を表す任意の指標値、即ち、出力トルクの変動が激しくなるほど増大するよう任意に定義された値である。トルク変動量は、例えば、出力トルクの振動振幅の変化量、特許文献1−4にて記載されている如く、1サイクル毎に或いは燃焼行程毎に発生するトルクの変化量又はその平均値に相当する量であってよい。[具体的には、トルク変動量は、エンジンの運転状態が変化していない場合の各気筒のサイクル間のエンジン出力軸の軸トルクの低減量の積算値又は平均値によって定義されてよい。]また、「車両の上下方向の振動状態量」とは、車両の走行する路面の凹凸又は外乱の多さの程度(荒れ具合)に相応する車両の乗員の乗り心地・運転のし易さに影響を与える車体のピッチ・バウンス振動などの上下方向の振動の程度を表す任意の指標値であってよく、例えば、ピッチ・バウンス振動の振幅又は周波数の大きさ或いはそれらに相当する量であってよい。なお、車両の上下方向の振動状態量は、例えば、車両のばね下Gセンサ、サスペンションストロークセンサ又は上下Gセンサの出力値に基づいて決定されるようになっていてよい。
上記の本発明の構成によれば、エンジンの出力トルク変動を抑制しながらエンジンの空燃比を調節する制御に於いて車両の走行する路面の凹凸又は外乱の程度が考慮されることとなり、エンジンの出力トルク変動抑制のために制限されていた空燃比制御の自由度が増大されることとなる。従って、本発明によれば、エンジンが、車両の乗員の乗り心地・運転のし易さの観点から従前では回避されていた高い空燃比にて運転されることとなり、エンジン作動に於ける省エネルギー化、低エミッション化を図ることが可能となり有利である。
上記の本発明の装置の実施の態様としては、車両の上下方向の振動振幅又は周波数が大きいときには、車両の乗員の乗り心地・運転のし易さは鈍感になるので、エンジンの出力トルク変動量の大きさの許容可能な限界、つまり、「所定の大きさ」は、車両の上下方向の振動振幅又は周波数が小さいときに比して、大きく設定されるようになっていてよい。これにより、車両の上下方向の振動が激しく、車両の乗員が車両の前後振動に対して鈍感になったときには、許容されるエンジンの出力トルク変動量の大きさが大きくなり、結果として、より高い空燃比でのエンジンの運転が可能となる。なお、かかる構成に於いて、車両の上下方向の振動振幅又は周波数が大きくなるほど、より大きなエンジンの出力トルク変動量が許されるようになっていてよく、これにより、車両の乗員の乗り心地・運転のし易さに対する感度に相応して、空燃比が調節され、省エネルギー化、低エミッション化が為されるようになっていてよい。
また、本発明の教示するところによれば、エンジンの出力トルク変動量の大きさが或る目標範囲内に収まるように空燃比が調節される形式の制御の場合には、かかるエンジンの出力トルク変動量の大きさの目標範囲内は、車両の上下方向の振動状態量に基づいて設定されるようになっていてよい。この場合、かかる上下方向の振動状態量によって上下振動が激しくなったことが示されたときには、目標範囲がより大きなエンジンの出力トルク変動量を許す方向に拡大又は変更されるようになっていてよい。
ところで、上記の本発明の特徴とするところは、要すれば、車両の走行する路面の凹凸又は外乱の程度を考慮してエンジンの空燃比を調節する制御であるということもできる。従って、本発明の実施の形態に於いて、車両のエンジン制御装置は、エンジンのトルク変動量を決定する手段と、トルク変動量に基づいてエンジンの空燃比を調節する手段と、車両の上下方向の振動状態量を検出する手段とを含み、空燃比を調節する手段が、車両の上下方向の振動状態量が大きくなるほど、前記エンジンの空燃比を増大するよう構成されていてよい。かかる構成により、車両の走行する路面の荒れ具合に基づいて、省エネルギー化、低エミッション化の観点からより有利な空燃比にてエンジンを運転することが許されることとなる。
総じて、上記の本発明に於いては、乗り心地が悪くなる上下振動の大きい路面では、乗員の前後方向の振動に対する感覚が鈍るという点に着目し、そのような場合には、通常の路面の走行に比してエンジンのトルク変動抑制を緩和して、燃料の消費を節約する制御を実行可能にして、燃費の向上が図られる。従前の空燃比制御技術は、車両の使われている環境に於いて、エンジンのトルク変動が感じにくい状況とそうでない状況があることを認識しておらず、専ら、トルク変動を如何に抑制するかについてのみ注目するものであり、そのためにコストアップに繋がることもあった。しかしながら、本発明の場合には、多様な走行環境に於いてエンジンのトルク変動が感じにくい状況とそうでない状況との間で空燃比制御の態様の使い分けを行うものであり、これにより、本発明は、不要に空燃比制御の自由度を制限することを回避し、省エネルギー化、低エミッション化を達成するものである。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
図1(A)は、本発明によるエンジン制御装置の好ましい実施形態と、それが搭載される自動車のエンジンの模式図であり、図1(B)は、燃料消費量又は空燃比とエンジンのトルク変動との関係を例示するグラフ図である。 図2(A)は、本発明によるエンジン制御装置の燃料噴射時間を決定する制御構成をブロック図の形式で表した図である。図2(B)は、基本燃料噴射時間、噴射時間のための空燃比調整補正係数を与えるマップの形式を表した図であり、図2(C)は、実トルク変動量を与えるマップの形式を表した図である。 図3は、許容トルク変動量を与えるマップをグラフの形式で表した図である。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
図1(A)を参照して、本発明の車両のエンジン制御装置が適用されるエンジン10は、自動車等の車両に搭載され、その出力トルクが変速機12、プロペラシャフト14、差動装置等を経て駆動輪(図示せず)へ伝達される任意の形式の多気筒ガソリンエンジンであってよい。かかるエンジン10が運転される際には、通常の態様にて、アクセル開度に応答して開閉調節されるスロットル弁17にて調量された空気が、サージタンク18を経て吸気マニホールド16の各枝へ与えられる。そして、吸気マニホールド16の各枝に与えられた空気は、各枝に備えられた燃料噴射弁19から制御されたタイミングにて噴射される燃料と混合され、混合気として各気筒へ吸入され、圧縮・燃焼行程の後、排気ガスとして、排気マニホールド20へ排出され、触媒コンバータ22にてNOxなどの大気汚染物質が除去される。また、エンジン10には、混合気の最高燃焼温度を低減する目的でEGR装置24、EGR弁26が設けられ、排気ガスの一部が吸入されるべき混合気に混入されるようになっていてよい。更に、吸入空気量を増大する目的で任意に過給機(図示せず)が設けられるようになっていてもよい。
上記のエンジンの作動は、電子制御装置50により制御され、本発明によるエンジンの空燃比を制御するエンジン制御装置は、電子制御装置50の一部に於いて実現される。電子制御装置50は、通常の形式の、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を含んでいてよい。電子制御装置50には、クランク角度位置、エンジン回転数を決定するためのクランク角センサ60からのクランク角情報、現在の実際の空燃比を決定するための空燃比センサ62からの実空燃比情報、吸入空気量センサ64からの吸入空気量情報、アクセルペダル(図示せず)の踏込量又は任意の自動駆動力制御に基づいて設定されるアクセル開度情報68及びその他のエンジンの作動制御に用いられる種々の値、例えば、スロットル弁位置、潤滑油温、水温、車速などを示す情報が入力される。そして、電子制御装置50は、上記の各種信号を用いて、制御された燃料量を噴射するよう燃料噴射弁19を適時開閉する噴射弁制御装置52、スロットル開度をアクセル開度に基づいて設定される値に調節するスロットル弁駆動制御装置54、エンジン温度等の運転状態に基づいて最適なEGR量を達成すべくEGR弁を開閉作動するEGR弁駆動装置56及びその他の各種駆動装置(点火制御装置など)を作動させるための制御指令を出力するよう構成されている。なお、特に、本発明によるエンジントルク変動を抑制しながら高空燃比運転を実現する目的で、エンジントルク変動量を検出するために燃焼圧センサ66からの燃焼圧情報が入力されるようになっていてよい。また、車両の上下方向振動の程度に応じて、抑制されるべきエンジントルク変動量の大きさ、即ち、許容トルク変動量の大きさ(所定の大きさ)を変更する目的で、車軸(図示せず)の近傍に設けられ車両のばね下の上下加速度を検出するばね下Gセンサ、サスペンションのストローク量を検出するストロークセンサ、或いは、車両の上下方向加速度を検出する上下Gセンサが車両に於いて装備され、これらのセンサのうちのいずれかにより検出される上下振動状態量が電子制御装置50へ入力される。
上記のエンジン10の運転に於いて、燃料消費量を低減し、空燃比を高くすると(リーンにすると)、各気筒内の燃焼状態が不安定となり、エンジンの出力トルクの変動が激しくなる。図1(B)は、かかるトルク変動と燃料消費量又は空燃比との関係を模式的に表したグラフ図である。なお、ここで、トルク変動量とは、エンジントルクの振動振幅の変化量、或いは、1サイクル毎に或いは燃焼行程毎に発生するトルクの変化量若しくはその所定サイクルに亙る平均値である。同図を参照して、例えば、吸入空気量を一定に保った状態(等空気量線a、b又はcに沿った状態)で、燃料消費量(燃料噴射量)を低減する、即ち、空燃比を高くすると、CO・NOx等の排出量は低減されるが、トルク変動量は、図示の如く、増大されることとなる。また、燃料消費量を一定に保った状態で吸入空気量を増大する場合、つまり、状態が図中の等空気量線c→b→aと移る場合にも、トルク変動量は、増大することとなる。そして、このようにトルク変動量の増大が生ずると、車両の駆動力が増減することとなり、車両の前後振動が惹起され、運転のし易さ・乗り心地が悪化することとなる。そのような運転のし易さ・乗り心地の悪化を回避又は抑制するために、従前より、燃料消費量を低減して高空燃比にてエンジンを運転する場合には、トルク変動量の過度の増大を抑制するべく、トルク変動量が所定値以下となるように、若しくは、運転のし易さ・乗り心地の悪化の程度を考慮して設定された目標値に一致するように空燃比を制御することが行われている。従って、エンジンの省エネルギー化、低エミッション化は、トルク変動量の増大により抑制されてしまっていることとなる。
しかしながら、上記のトルク変動量の増大に起因する運転のし易さ・乗り心地の悪化に関して、車両が上下振動の大きい路面上を走行する場合には、車両の前後方向の振動に対する運転者・乗員の感覚は鈍くなる傾向がある。このことは、車両の上下振動が比較的大きいときには、エンジントルク変動量の抑制を緩和して燃料消費量を低減することが可能であり、これにより、エンジンの更なる省エネルギー化、低エミッション化を進めることが可能であることを意味している。そこで、本発明によるエンジン制御装置は、車両の上下振動の程度に応じて、抑制されるべきトルク変動量の大きさを増大し、燃料消費量の低減又は空燃比の増大が許されるように、空燃比又は燃料噴射量を制御するよう構成され、更なる省エネルギー化、低エミッション化が図られる。
図2(A)は、本発明によるエンジン制御装置に於ける燃料噴射時間を決定する制御構成であって、車両の上下振動の程度が大きいときには、燃料噴射量が(相対的に)低減されるように燃料噴射時間を低減するよう構成された制御構成をブロック図の形式で表したものである。なお、同図の制御構成は、車両の走行中、電子制御装置50内にてCPU等の処理作動により実現されることは理解されるべきである。
同図を参照して、本発明の制御装置に於いては、各気筒の燃料噴射弁が、
目標噴射時間=K・t_b+t_v …(1)
により与えられる時間に亙って適時開弁され、これにより、各サイクルに各気筒へ与えられる燃料量が調整され(弁の噴射流量は略一定である)、各気筒の吸気行程に於いて送り込まれる混合気の空燃比が調節されることとなる。式(1)に於いて、t_bは、基本燃料噴射時間、即ち、現在の吸入空気量とエンジン回転数とに於いて理論空燃比を与える量の燃料を噴射する時間であり、かかる基本燃料噴射時間は、基本噴射時間決定部50aに於いて、図2(B)に例示されている形式の吸入空気量(吸気量)とエンジン回転数とをパラメータとする予め準備されたマップを用いて設定される(基本燃料噴射時間を決定するパラメータは、吸入空気量に代えて、アクセル開度、スロットル開度又は要求駆動トルクであってもよい。)。また、t_vは、燃料噴射弁へ開弁指令が与えられてから有効に燃料噴射が開始されるまでの作動遅れの時間である(電圧補正時間或いは無効噴射時間と称される。)。そして、Kは、理論空燃比とは異なる空燃比にて或いは高空燃比にてエンジン運転が実行される際にエンジンのトルク変動の程度、車両の上下振動の程度等を考慮して空燃比を調節するべく燃料噴射時間を増減するための補正係数であり、空燃比調整補正係数決定部50d、許容トルク変動量決定部50e、実トルク変動量決定部50f、加算器50g、乗算器50h、加算器50i等により決定される。
補正係数Kは、より具体的には、
K=Ko+λ・(ΔTa−ΔTt)+α …(2)
により決定されるようになっていてよい。ここに於いて、第1項のKoは、理論空燃比とは異なる空燃比による運転が指示された際に(運転モード決定)、基本噴射時間に乗ぜられて噴射時間を調整するための補正係数(空燃比調整補正係数)であり、図2(B)に例示されている形式の吸入空気量(吸気量)とエンジン回転数とをパラメータとする予め準備されたマップを用いて設定される。また、第3項のαは、任意の燃料量補正(例えば、水温補正、潤滑油温補正、暖機増量補正、過渡時空燃比補正など)を実行するべく補正係数Kの大きさを調整するための因子であってよい。そして、第2項のλ・(ΔTa−ΔTt)が、エンジンのトルク変動量が許容可能な限界を超えないようにするため、及び、燃料消費量を少なくする(空燃比を高くする)余裕のあるときには燃料噴射量を低減するための因子である(λは、係数。)。
かかる式(2)の第2項に於いて、ΔTaは、現在のエンジントルク変動量(実トルク変動量)、即ち、1サイクル毎又は1燃焼行程毎に発生するトルクの変化量(トルク振動振幅の変化量に相当する。)であり、実トルク変動量決定部50fにて決定される。実トルク変動量決定部50fに於ける実トルク変動量の決定は、任意の手法で為されてよい。例えば、図1(B)に関連する説明に於いて述べた如く、実トルク変動量は、空燃比の関数であるので、(空燃比センサの検出値から得られる)現在の空燃比とエンジン回転数とをパラメータとする予め準備された図2(C)に例示されている如き形式のマップを用いて決定されてよい。また、気筒に燃焼圧センサが設けられている場合には、気筒内の燃焼圧の値から1サイクル毎の発生トルクを決定し、そのサイクル間の変化量から決定されるようになっていてよい(特許文献1−3)。更に、クランク角の回転速度の変化量から燃焼行程毎に発生するトルクを見積もり、その変化量から決定されるようになっていてもよい(特許文献4)。
式(2)の第2項に於けるΔTtは、運転者・乗員の運転のし易さ・乗り心地に於いて許容可能なエンジントルクの変動量(許容トルク変動量:なお、ΔTaに対応するべく、1サイクル毎又は1燃焼行程毎に発生するトルクの変化量の単位にて定義される。)であり、許容トルク変動量決定部50eに於いて決定される。既に述べた如く、運転者・乗員の運転のし易さ・乗り心地に於いて、車両の前後方向の振動に対する運転者・乗員の感覚は、車両の上下振動が激しくなるほど、鈍くなる。従って、運転のし易さ・乗り心地に於いて許容可能なエンジントルク変動量は、車両の上下振動が激しくなるほど、大きく設定することが可能である。そこで、本実施形態では、図3に例示されている如く車両の上下振動状態量が増大するほど、許容トルク変動量の値が大きくなるよう設定される。ここで、車両の上下振動状態量は、車両の上下振動が激しくなるほど、大きくなる任意の値であってよく、例えば、ばね下Gセンサ、上下Gセンサの出力値(振動変位の加速度)の大きさ(振幅)又は周波数、サスペンションストロークセンサの出力値(ばね下変位)の振幅、振動変位の二階微分値の大きさ又は周波数などであってよい。また更に、ΔTtは、吸気量(エンジン負荷)、エンジン回転数に基づいてより適切に設定されるようになっていてもよい。
上記の制御構成の作動に於いて、式(1)、(2)中の各値[t_b、t_v、Ko、λ、ΔTa、ΔTt、α]は、各気筒の各吸入行程が実行される前までに決定され、これらの値を用いて式(1)、(2)により目標噴射時間が算定され、次いで、算定された目標噴射時間に対応して各燃料噴射弁の開弁が実行される。その際、式(2)の第2項から理解される如く、実トルク変動量ΔTaが許容トルク変動量ΔTtより大きいときには、式(2)のKが増大され、燃料噴射量が増大するので、空燃比が低くなり、トルク変動が抑制されることとなる。一方、実トルク変動量ΔTaが許容トルク変動量ΔTtより小さいときには、燃料噴射量の低減及び空燃比の上昇が許されることとなる。そして、かかる制御に於いて、許容トルク変動量ΔTtが、車両の上下振動状態量の増大に伴って大きい値に設定されることにより(図3)、車両の上下振動状態量が大きいときには、車両の上下振動状態量が小さいときに比して、トルク変動の抑制がより緩和され(より大きなトルク変動が許される。)、燃料消費量を低減することが可能となり、更なる省エネルギー化、低エミッション化が為されることとなる。
なお、上記の式(2)の第2項について、λの値は、定数であってもよいが、ΔTa−ΔTtの値に応じて変更されるようになっていてもよい。例えば、(ΔTa−ΔTt)の絶対値が所定値より小さいときには、λ=0と設定されてもよい(不感帯の設定。この場合、不感帯がトルク変動量の目標範囲となる。)。また、(ΔTa−ΔTt)<0のときに、λ=0と設定されてもよい(実トルク変動量ΔTaが過大のときのみ、空燃比を低減する。)。更に、式(2)の第2項の値は、(ΔTa−ΔTt)の大きさによらず、その正負のみに対応して、段階的に、増減するようになっていてもよい。更に、上下振動状態量に対する許容トルク変動量ΔTtの値は、図3の例によらず、種々の態様にて設定されてよい。例えば、許容トルク変動量ΔTtの値は、上下振動状態量が所定値を超えるときに、段階的に増大するようになっていてもよい。要すれば、式(2)の第2項の値は、許容トルク変動量が車両の上下振動状態量が大きいときに、車両の上下振動状態量が小さいときに比して、増大していれば、任意の態様にて変更されてよく、そのような場合も本発明の範囲に属することは理解されるべきである。また、補正係数Kは、実トルク変動量ΔTaの検出を行わずに許容トルク変動量のみによって増減されるようになっていてもよい。その場合、補正係数Kは、
K=Ko+λ(ΔTto−ΔTt) …(3)
により与えられる。ここで、ΔTtoは、通常路面走行時の許容トルク変動量である。
更に、上記の空燃比の制御は、EGR装置又は過給機の作動制御をも考慮して実行されてよい。その場合にも、車両の上下振動状態量が大きいときには、許容トルク変動量が増大され、空燃比の増大が為され、省エネルギー化、低エミッション化が図られることとなる。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
例えば、本発明による車両の上下振動状態量に基づいて許容トルク変動量を変更するという概念、より詳細には、車両の上下振動状態量が大きいときには、許容トルク変動量を増大してより高空燃比でのエンジン運転を許し、省エネルギー化、低エミッション化を図るという概念は、その他の形式のエンジン、例えば、ディーゼルエンジン、ハイブリッド駆動ユニットのエンジン等、に適用されてもよいことは理解されるべきであり、そのような場合も本発明の範囲に属する。
10…エンジン
12…変速機
16…吸気マニホールド
17…スロットル弁
19…燃料噴射弁
50…電子制御装置
60…クランク角センサ
62…空燃比センサ
64…吸入空気量センサ

Claims (6)

  1. エンジンの出力トルク変動量の大きさが所定の大きさを超えないように前記エンジンの空燃比を制御する車両のエンジン制御装置であって、前記所定の大きさが前記車両の上下方向の振動状態量に基づいて変更されることを特徴とする装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記車両の上下方向の振動振幅又は周波数が大きいとき、前記所定の大きさが、前記車両の上下方向の振動振幅又は周波数が小さいときに比して、大きく設定されることを特徴とする装置。
  3. 請求項1の装置であって、前記車両の上下方向の振動振幅又は周波数が大きくなるほど、より大きなエンジンの出力トルク変動量を許すことを特徴とする装置。
  4. 請求項1の装置であって、前記出力トルク変動量の大きさが前記車両の上下方向の振動状態量に基づいて設定される目標範囲内となるように前記エンジンの空燃比を制御することを特徴とする装置。
  5. 車両のエンジン制御装置であって、エンジンのトルク変動量を決定する手段と、前記トルク変動量に基づいて前記エンジンの空燃比を調節する手段と、前記車両の上下方向の振動状態量を検出する手段とを含み、前記空燃比を調節する手段が、前記車両の上下方向の振動状態量が大きくなるほど、前記エンジンの空燃比を増大することを特徴とする装置。
  6. エンジンの出力トルク変動量の大きさが所定の大きさを超えないように前記エンジンの空燃比を制御する車両のエンジン制御装置であって、前記車両の上下方向の振動状態量が大きくなるほど、前記エンジンの空燃比を増大することを特徴とする装置。
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