JP2011057767A - 繊維強化複合材用プリフォームの製造方法と製造装置 - Google Patents

繊維強化複合材用プリフォームの製造方法と製造装置 Download PDF

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Fujio Hori
藤夫 堀
Ryuta Kamiya
隆太 神谷
Akira Harada
亮 原田
Yoshiharu Yasui
義治 安居
Motoki Yoshikawa
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Abstract

【課題】品質の高いプリフォームを簡単に得ることができる製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】積層ヘッド10は仮想線位置からバインダー付ストランド1Aの積層を開始する。各ローラの回転により送り出されたバインダー付ストランド1Aは加熱兼加圧ローラ20を周回する間に加熱され、付着しているバインダーが溶融される。加熱兼加圧ローラ20の下端に達したバインダー付ストランド1Aは下層のバインダー付ストランド1A上に積層されると同時に加熱兼加圧ローラ20によって加圧される。溶融されたバインダーは積層されたバインダー付ストランド1Aと下層のバインダー付ストランド1Aとを接着し、積層位置を保持する。バインダーは自然冷却により固化し、接着状態を強固にする。積層ヘッド10が積層完了位置よりも若干手前となる実線位置に達した時、バインダー付ストランド1Aはカッター19により切断され、切断端が積層される。
【選択図】図2

Description

本願発明は、繊維強化複合材の製作に使用するプリフォームの製造方法及び製造装置に関する。
繊維強化複合材の製作には、強化繊維基材に半硬化の熱硬化性樹脂を予め含浸させてシート状に製造されたプリプレグを用いる方法あるいは強化繊維基材を積層して製造されたプリフォームを用いる方法等が知られている。前記プリプレグは、熱硬化性樹脂を予め含浸しているため、新たにマトリックスを付加する必要無く繊維強化複合材を製作できるという利点を有する。その反面、プリプレグを用いる方法はバギングフィルムを用いて真空引きし、その後大型のオートクレーブによりプリプレグを熱硬化させる等、大型の装置を使用する必要があるためエネルギー消費が大きく、コストアップにも繋がるという問題がある。また、プリプレグは保管方法や使用期限等に制約があり管理が複雑であるという問題もある。一方、プリフォームを用いる方法は大型の装置を用いる必要が無いため、比較的簡便に使用できる利点がある。
特許文献1は接着機能を有するバインダーの組成物に関する発明を主体とするが、発明となるバインダーを使用したプリフォームの製造方法に関する具体的な手段が記載されている。特許文献1の段落「0064」には、バインダーを付与した強化繊維からなるストランドをマンドレルに巻回により積層し、その後積層したストランドを加熱して前記ストランド同士を接着することによりプリフォームを製造する方法が記載されている。
特開2004−292539号公報
特許文献1におけるプリフォーム製造方法は、バインダーを付与したストランドを単にマンドレルに巻き付ける方法であるため、巻き付け中にストランドが相互にずれ易いという問題がある。従って、位置がずれた状態で積層されている巻き付けストランドをその後加熱してストランド相互を接着しても、既に変形が生じており、予め設定した形態のプリフォームを得られないという問題がある。
本願発明は、品質の高いプリフォームを簡単に得ることができる製造方法及び製造装置を提供する。
請求項1に記載の本願発明は、強化繊維基材を用いた繊維強化複合材用プリフォームの製造方法において、前記強化繊維基材をプリフォーム成形治具上に多数配列して前記強化繊維基材の層を形成し、前記強化繊維基材の層上に新たに前記強化繊維基材を加熱しながら積層することにより前記強化繊維基材に付着されているバインダーを溶融し、前記積層された強化繊維基材を加圧することにより各層の強化繊維基材間を前記バインダーにより接着することを特徴とする。
請求項1に記載の本願発明によれば、強化繊維基材の積層の都度加熱によりバインダーを溶融するとともに加圧により上層と下層の強化繊維基材相互を確実に接着することができるため、強化繊維基材の相互の位置が安定し、品質の高いプリフォームを簡単に製造することができる。
請求項2に記載の本願発明は、前記プリフォーム成形治具上において、前記プリフォームと同一形状の型部の周囲に接着剤を配置し、最初に配列する前記強化繊維基材を前記接着剤によって前記プリフォーム成形治具面に固定したことを特徴とする。従って、第1層となる強化繊維基材をプリフォーム成形治具上に安定して配置することができ、その後の強化繊維基材の積層を正確に行なうことができる。
請求項3に記載の本願発明は、前記バインダーは付着工程と加熱工程とを有するバインダー付着装置によって前記強化繊維基材に予め付着されていることを特徴とする。従って、別工程においてバインダーを強化繊維基材に予め付着させておくことができ、プリフォーム製造装置を簡単な構成にすることができる。
請求項4に記載の本願発明は、前記バインダーは前記プリフォーム成形治具上に配列された強化繊維基材の層に散布されることにより付着されていることを特徴とする。従って、強化繊維基材にバインダーを付着させるための別工程が不要となり、装置全体が簡略化されるとともにエネルギー消費を低減することができる。
請求項5に記載の本願発明は、前記強化繊維基材の加圧後、前記強化繊維基材を冷却することを特徴とする。従って、強化繊維基材間で溶融、接着したバインダーを冷却により粘性を下げ、強化繊維基材相互の接着状態を早期に安定化させることができる。また、冷却により早期に強化繊維基材間が剥がれ難くなるため、プリフォームの製造速度をより高めることができる。
請求項6に記載の本願発明は、強化繊維基材を用いたプリフォームの製造装置において、プリフォーム成形治具の上方に積層ヘッドを移動可能に配設し、前記積層ヘッドに強化繊維基材の供給経路に沿って前記強化繊維基材の供給ローラ、前記プリフォーム成形治具面又は前記治具面に積層された前記強化繊維基材の層の上に前記供給ローラから供給される前記強化繊維基材を積層する加熱兼加圧ローラを配設したことを特徴とする。従って、積層する強化繊維基材を同一のローラで加熱及び加圧を行なうことができ、製造装置を簡略化することができる。
請求項7に記載の本願発明は、前記積層ヘッドにおいて、前記加熱兼加圧ローラに並べてバインダー吐出ノズルを配設したことを特徴とする。従って、強化繊維基材にバインダーを付着させるための別工程が不要となり、装置全体が簡略化されるとともにエネルギー消費を低減することができる。
請求項8に記載の本願発明は、前記積層ヘッドにおいて、前記加熱兼加圧ローラに対して前記積層ヘッドの移動方向後方側に前記冷却ノズルを配設したことを特徴とする。従って、バインダーの固化が速やかに進行し、プリフォームの形状保持効果を早期に得ることができる。
本願発明は、簡単な製造方法及び製造装置により品質の高いプリフォームを容易に製造することができる。
第1の実施形態におけるバインダー付着装置を示す概略図である。 第1の実施形態におけるプリフォームの製造装置を示す概略図である。 プリフォームの製造過程を示す流れ図である。 第2の実施形態におけるプリフォームの製造装置を示す概略図である。 第3の実施形態におけるプリフォームの製造装置を示す概略図である。 第4の実施形態におけるプリフォームの製造装置を示す概略図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態を図1〜図3に基づき説明する。図1において、バインダー付着装置を説明する。強化繊維基材であるストランド1は炭素繊維から構成されている。ストランド1を構成する強化繊維としては、炭素繊維の他にガラス繊維、セラミック繊維及びアラミド繊維あるいは各繊維の混合繊維等を使用することができる。ストランド1は回転可能に配設された送りローラ2に巻かれており、送りローラ2から順次引き出されるとともに対向側に回転可能に配設された巻取りローラ3によって巻き取られるように構成されている。送りローラ2と巻取りローラ3との間のストランド1の経路には、ストランド1の上方にバインダー4の散布装置5が配設されている。バインダー4はエポキシ樹脂を代表とする熱硬化性樹脂を組成物とし、粒子状に形成されている。なお、バインダー4には、例えば硬化促進剤が含まれておらず、溶融後に硬化が緩慢に進むような熱硬化性樹脂が用いられることが好ましい。ストランド1を挟んで散布装置5の下方側には、バインダー受け6が配設される。散布装置5と巻取りローラ3との間には、ストランド1の通り抜けが可能な通路7を備えたヒータ8がストランド1の上下に配設されている。
従って、送りローラ2から引き出されたストランド1は散布装置5によってバインダー4を大量に振り掛けられる。なお、ストランド1よりも下方に落下したストランド1はバインダー受け6により回収され、再度散布装置5に供給される。バインダー4を外周囲に付着したストランド1がヒータ8の通路7を通過することにより、バインダー4は溶融され、ストランド1に強固に付着される。ヒータ8を通過したストランド1はバインダー付ストランド1Aとして自然冷却あるいは必要に応じて強制冷却により常温程度にまで冷却されながら巻取りローラ3に順次巻き取られる。常温にまで冷却されたバインダー4は固化するが、完全には硬化が完了していないため、再加熱することにより再び溶融状態となり得る。
図2はバインダー付ストランド1Aを用いたプリフォーム製造装置を示す。プリフォーム製造装置はプリフォーム成形治具9とその上方に図2の左右方向に往復移動可能に配設された積層ヘッド10とから構成されている。プリフォーム成形治具9はその表面に、設計された形状のプリフォーム11と同一形状の型部12(図3参照)を有する。積層ヘッド10は図2の上下方向に延びるヘッドフレーム13をベースとして構成されている。また、積層ヘッド10は図2において、左右方向、紙面に直角な方向及び左右方向あるいは紙面に直角な方向に対して斜めに交差する方向にそれぞれ移動することができるように構成されている。
ヘッドフレーム13はその側面に、上部側から順にバインダー付ストランド1Aを下方へ送る一対の供給ローラ14、15、張力付与ローラ16、ガイドローラ17、一対の送出しローラ18、バインダー付ストランド1Aを切断するカッター19及びバインダー付ストランド1Aを積層する加熱兼加圧ローラ20を有する。供給ローラ15は圧縮スプリング21により供給ローラ14に圧接され、バインダー付ストランド1Aを確実に送出す。張力付与ローラ16は引張りスプリング22の付勢力によりバインダー付ストランド1Aに一定の張力を付与している。
カッター19は図示しない駆動装置により適宜タイミングにおいて仮想線で示す位置まで進出し、バインダー付ストランド1Aを切断することができる。加熱兼加圧ローラ20はその周面がプリフォーム成形治具9の表面に実質的に接触するように上下動可能に配設されており、加熱兼加圧ローラ20と対向する位置に配設されたガイド23との間にバインダー付ストランド1Aを案内する。また、加熱兼加圧ローラ20は内部に備えたヒータ(図示せず)によりローラ表面が昇温されるとともに図示しない加圧手段によりプリフォーム成形治具9上に圧接される。
積層ヘッド10によるバインダー付ストランド1Aの積層動作は次のように行なわれる。なお、プリフォーム成形治具9上には下層となるバインダー付ストランド1Aが既に配列されているものとして以下の説明をする。図2における積層ヘッド10の仮想線位置は図3に示した型部12の右端に相当し、バインダー付ストランド1Aの積層開始位置である。積層ヘッド10は仮想線位置から矢印方向へ移動しながら各ローラの回転によりバインダー付ストランド1Aを送り出し、下層のバインダー付ストランド1A上に積層する。
バインダー付ストランド1Aは加熱兼加圧ローラ20を周回する間に加熱されるため、付着している半硬化状態のバインダー4が溶融される。続いて、加熱兼加圧ローラ20の下端に達したバインダー付ストランド1Aは下層のバインダー付ストランド1A上に積層されると同時に加熱兼加圧ローラ20によって加圧される。このため、積層されたバインダー付ストランド1Aは溶融されたバインダー4により下層のバインダー付ストランド1Aと強固に接着され、積層位置が保持される。なお、バインダー付ストランド1Aを接着したバインダー4は自然冷却により固化し、バインダー付ストランド1A間の接着状態を強固なものにする。
このように、積層ヘッド10はバインダー付ストランド1Aの送り出し、加熱、積層及び加圧作用を繰り返しながら移動し、積層完了位置よりも若干手前となる実線位置(図3に示した型部12の左端よりも若干手前の位置に相当する)に達する。バインダー付ストランド1Aは図2の実線で示した積層ヘッド10の位置においてカッター19の切断動作(仮想線位置参照)により切断される。なお、カッター19による切断タイミングは、バインダー付ストランド1Aの切断端が積層ヘッド10の移動により型部12(図3参照)の左端の位置に積層されるように設定することが好ましい。
新しく供給されているバインダー付ストランド1Aの下端は、切断されたバインダー付ストランド1Aの積層が終了する間に、ガイド23に案内され、加熱兼加圧ローラ20の周囲に接触して次の積層動作に備える。1本のバインダー付ストランド1Aの積層が終了すると、積層ヘッド10とバインダー付ストランド1Aの供給は停止される。次に、積層ヘッド10は図2の紙面と直角の方向に、バインダー付ストランド1Aの太さに相当する距離を移動した後、図2の仮想線位置へ移動し、新しいバインダー付ストランド1Aの積層を再開する。前述した積層ヘッド10による積層動作を繰り返すことにより、バインダー付ストランド1Aが複数列に亘って積層され、シート状の強化繊維層が形成される。
次に、図2のプリフォーム製造装置によりプリフォームを製造する過程を図3に基づき説明する。なお、図3は矢印によってプリフォームが製造される順序を示している。プリフォーム成形治具9の表面には、前述したように、設計された形状のプリフォーム11と同一形状の型部12が形成されている。
まず、型部12の周囲において、積層するバインダー付ストランド1Aの長さ方向(図3の左右方向)に当たる部分に接着剤24を配置する。最下層を形成するために最初に配列されるバインダー付ストランド1Aは積層ヘッド10の移動により配列されるが、積層ヘッド10はバインダー付ストランド1Aが接着剤24の位置に達する長さとなる距離を図3の左右方向に移動される。また、バインダー付ストランド1Aは積層ヘッド10の移動により図3の上下方向に順次配列される。従って、最下層のバインダー付ストランド1Aは切断端側の一部が接着剤24によってプリフォーム成形治具9面に固定され、配列位置が安定する。
次に、積層ヘッド10はバインダー付ストランド1Aの配列方向(図3の左右方向)と直角な配列方向(図3の上下方向)となるように移動方向を変更され、バインダー付ストランド1B(バインダー付ストランド1Aと同じものであるが、配列方向が異なるため、便宜上符号を異ならせた)をバインダー付ストランド1A上に積層する。バインダー付ストランド1Bは前述したように、加熱兼加圧ローラ20の加熱、積層及び加圧作用を受け、バインダー4によりバインダー付ストランド1Aと強固に接着される。なお、バインダー付ストランド1A,1Bの加熱兼加圧ローラ20の加熱、積層及び加圧は、付着した半硬化状態のバインダー4が完全に硬化してしまう前に行われる。また、バインダー付ストランド1Bは型部12の形状の長さに合うように切断され、積層されるため、型部12の形状に一致した状態で図3の左右方向に順次配列されていく。バインダー付ストランド1Bの積層が全て完了すると、次に、型部12からはみ出ているバインダー付ストランド1A及び接着剤24が、型部12の形状に沿ってカッターあるいはその他の切除手段により除去される。プリフォーム11は型部12から取り出され、プリフォーム11の製造が完了する。
本実施形態で示したプリフォーム11は、バインダー付ストランド1Aを配列した下層とバインダー付ストランド1Bを配列した上層とをバインダー4によって接着した2層で構成されている。プリフォーム11は2層に限らず、3層か又はそれ以上の層により構成することができるが、少ない層により構成したほうが繊維強化複合材の製作時に製品の形状に合わせて変形し易いという利点がある。各層におけるバインダー付ストランド1A、1Bの配列方向は少なくとも隣接する層の間で異ならせることが強度上好ましい。また、バインダー付ストランド1A、1Bの配列方向は、直角に交差させる場合と斜め方向に交差させる場合及びそれらを適宜組み合わせる場合がある。
なお、前述の方法で製造されたプリフォーム11は公知のように、金型に所定の厚みとなるように重ねあわせ、マトリックスとなる液状の熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂を注入し、硬化することにより、繊維強化複合材が製作される。また、バインダー4として熱硬化性樹脂を用いる場合には、半硬化状態のバインダー4が完全に硬化してしまう前にマトリックスとなる樹脂の注入を行うことで、バインダー4をマトリックスとなる樹脂に溶解させることが好ましい。
前記した第1の実施形態は以下の作用効果を有する。
(1)繊維強化複合材の製作に当たり、プリプレグを使用しないため、オートクレーブやプリプレグ保存用の冷凍庫等を必要とせず、エネルギー消費を削減することができる。
(2)バインダー付ストランド1A、1Bの加熱、積層及び加圧作用を1つのローラで行なうため、プリフォーム製造装置を簡単な構造で小型化することができる。
(第2の実施形態)
図4に示す第2の実施形態は、第1の実施形態におけるプリフォーム製造装置の構造を変更したもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第2の実施形態は、積層ヘッド10のヘッドフレーム13に冷却装置(図示せず)に接続させた冷却ノズル25を設けた構成である。冷却ノズル25は加熱兼加圧ローラ20に対してバインダー付ストランド1Aの積層ヘッド10の移動方向の後方側に配置されている。冷却ノズル25の冷風の噴射口26は加熱兼加圧ローラ20とプリフォーム成形治具9上に積層されたバインダー付ストランド1Aとの接点に指向されている。
第2の実施形態において、バインダー付ストランド1Aが加熱兼加圧ローラ20によって加熱、積層及び加圧され、バインダー4の溶融により下層のバインダー付ストランド1Aと接着される。しかし、バインダー付ストランド1Aは加熱、積層及び加圧作用を受けた直後に冷却ノズル25から噴射される冷風により冷やされ、粘性が早期に下げられるため、バインダー4の固化が速やかに進行し、プリフォーム11の形状保持効果を早期に得ることができる。従って、バインダー付ストランド1Aの配列状態が確実に保持されるという利点がある。
第2の実施形態は、使用されるバインダー4が第1の実施形態のように熱硬化性樹脂を組成物として構成されても前記効果を得られるが、熱可塑性樹脂を組成物として構成された場合、特にバインダー4の早期の固化を必要とするため、大きな効果が得られる。
(第3の実施形態)
図5に示す第3の実施形態は、第1の実施形態におけるバインダー4の付着方法を変更したもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第3の実施形態は図1に示したストランド1に対するバインダー4の付着工程を無くした構成である。従って、図5に示した積層ヘッド10ではバインダー4が付着されていないストランド1が供給されている。バインダー4はプリフォーム成形治具9に先に配列されたストランド1C(バインダー4が付着されていないストランド1と同一のものであるが、説明の便宜上符号を変えている)の層上に予め満遍なく散布されている。
ストランド1は積層ヘッド10の移動に伴い、加熱兼加圧ローラ20によって加熱されるとともにストランド1C上に積層され、同時に加圧される。この時、ストランド1C上に散布されたバインダー4が積層されたストランド1との間で溶融されると同時にストランド1がストランド1Cに圧接されるため、ストランド1とストランド1Cとはバインダー4によって確実に接着される。
加熱兼加圧ローラ20に対して積層ヘッド10の移動方向後方側に第2の実施形態に示した冷却ノズル25を配設しておけば、バインダー4の固化を促進することができるが、冷却ノズル25の設置は必ずしも必要としない。第3の実施形態は、図1に示すようなストランド1にバインダー4を付着させるための別工程が不要となり、装置全体が簡略化されるとともにエネルギー消費を低減することができる。なお、図5に示した積層ヘッド10の構成は、図2に示した積層ヘッド10と比較して、一対の供給ローラ14、15、張力付与ローラ16、ガイドローラ17及びガイド23を省略して示し、また、ストランド1の供給方向を傾けて示しているが、ストランド1の積層機能上特に異なるものでない。
(第4の実施形態)
図6に示す第4の実施形態は、第1の実施形態及び第3の実施形態におけるバインダー4の付着方法を変更したもので、第1の実施形態及び第3の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第4の実施形態は第3の実施形態と同様に、図1に示したストランド1に対するバインダー4の付着工程を無くした構成である。従って、図6に示した積層ヘッド10ではバインダー4が付着されていないストランド1が供給されている。
積層ヘッド10のヘッドフレーム13にはバインダー吐出ノズル27が設けられている。バインダー吐出ノズル27はプリフォーム成形治具9上に配列されたストランド1Cと送出しローラ18及び加熱兼加圧ローラ20によって新たに供給されるストランド1との間に位置するように配設され、バインダー噴射口28がストランド1とストランド1Cとの接触点に向けて指向されている。なお、図6に示した積層ヘッド10の構成は、図2に示した積層ヘッド10と比較して、一対の供給ローラ14、15、張力付与ローラ16、ガイドローラ17及びガイド23を省略して示し、また、ストランド1の供給方向を傾けて示しているが、ストランド1の積層機能上特に異なるものでない。
第4の実施形態では、積層ヘッド10が移動することによるストランド1の積層動作において、バインダー吐出ノズル27が先行してバインダー4をストランド1C上に散布する。その後に加熱兼加圧ローラ20がストランド1Cのバインダー4上に加熱されたストランド1を積層するとともに加圧する。従って、ストランド1の積層時にバインダー4は加熱兼加圧ローラ20の熱によって溶融され、ストランド1とストランド1Cとを接着することができる。
第4の実施形態は、強化繊維基材にバインダーを付着させるための別工程が不要となり、装置全体が簡略化されるとともにエネルギー消費を低減することができる。また、プリフォーム製造装置にバインダー吐出ノズル27を一体化することにより、装置の自動化を促進することができる。なお、必要に応じて積層ヘッド10に冷却ノズル25を設置した場合は、溶融されたバインダー4の固化を促進することができる。
本願発明は、前記した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本願発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、次のように実施することができる。
(1)前記各実施形態に示したバインダー4の組成物は、熱硬化性樹脂に限らず、熱可塑性樹脂によって構成することができ、また形態としては、粒子状に限らず、液状、繊維状、フィルム状のいずれにおいても実施することができる。なお、バインダー4の組成物としての熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂は、マトリックスとなる樹脂との親和性の高いものを選択することが好ましい。
(2)強化繊維基材は各実施形態の具体例としてストランド1を示したが、ストランドを扁平形状にしたテープ状ストランド(ストランド1本あるいは、複数本を並べたもの)、テープ状の織物やニット、布巾及びブレイド等を用いることが可能である。
(3)各実施形態に示したストランド1は通常長繊維を束にした構成が使用されるが、本願発明では長繊維を短く切断した短繊維を束ねた構成でも実施することができる。
(4)各実施形態ではプリフォーム成形治具9を平板状の形態で示したが、本願発明はマンドレルや、最終製品である繊維強化複合材の形態に見合う他の種々の形状の治具を使用することができる。
(5)第4の実施形態はバインダー吐出ノズル27を加熱兼加圧ローラ20がストランド1を積層するために移動する方向の前方側(図6の右側)に設けているが、後方側(図6の左側)にバインダー吐出ノズル27を配設しても実施可能である。具体的に説明すると、プリフォーム成形治具9上に第1層のストランド1が配列される時、第1層のストランド1C上にバインダー4が散布される。次に第2層のストランド1が積層される時、第1層のストランド1上のバインダー4が溶融されて第2層のストランド1と接着し、同時に第2層のストランド1上にバインダー4が散布される。
(6)前記各実施形態に示した積層ヘッド10には、張力付与ローラ16、送出しローラ18、カッター19を備えていたが、供給ローラ14,15から供給されるストランドを直接加熱兼加圧ローラ20に供給し、ストランドの切断は積層ヘッド10とは別の箇所に設けられるカッター又は作業員の手作業により行うようにすれば、これらを省略することも可能である。
1、1C ストランド
1A、1B バインダー付ストランド
4 バインダー
9 プリフォーム成形治具
10 積層ヘッド
11 プリフォーム
12 型部
13 ヘッドフレーム
19 カッター
20 加熱兼加圧ローラ
23 ガイド
24 接着剤
25 冷却ノズル
27 バインダー吐出ノズル

Claims (8)

  1. 強化繊維基材を用いた繊維強化複合材用プリフォームの製造方法において、
    前記強化繊維基材をプリフォーム成形治具上に多数配列して前記強化繊維基材の層を形成し、前記強化繊維基材の層上に新たに前記強化繊維基材を加熱しながら積層することにより前記強化繊維基材に付着されているバインダーを溶融し、前記積層された強化繊維基材を加圧することにより各層の強化繊維基材間を前記バインダーにより接着することを特徴とする繊維強化複合材用プリフォームの製造方法。
  2. 前記プリフォーム成形治具上において、前記プリフォームと同一形状の型部の周囲に接着剤を配置し、最初に配列する前記強化繊維基材を前記接着剤によって前記プリフォーム成形治具面に固定したことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合材用プリフォームの製造方法。
  3. 前記バインダーは付着工程と加熱工程とを有するバインダー付着装置によって前記強化繊維基材に予め付着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の繊維強化複合材用プリフォームの製造方法。
  4. 前記バインダーは前記プリフォーム成形治具上に配列された強化繊維基材の層に散布されることにより付着されていることを特徴する請求項1又は請求項2に記載の繊維強化複合材用プリフォームの製造方法。
  5. 前記強化繊維基材の加圧後、前記強化繊維基材を冷却することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の繊維強化複合材用プリフォームの製造方法。
  6. 強化繊維基材を用いた繊維強化複合材用プリフォームの製造装置において、
    プリフォーム成形治具の上方に積層ヘッドを移動可能に配設し、前記積層ヘッドに強化繊維基材の供給経路に沿って前記強化繊維基材の供給ローラ、前記プリフォーム成形治具面又は前記治具面に積層された前記強化繊維基材の層の上に前記供給ローラから供給される前記強化繊維基材を積層する加熱兼加圧ローラを配設したことを特徴とする繊維強化複合材用プリフォームの製造装置。
  7. 前記積層ヘッドにおいて、前記加熱兼加圧ローラに並べてバインダー吐出ノズルを配設したことを特徴とする請求項6に記載の繊維強化複合材用プリフォームの製造装置。
  8. 前記積層ヘッドにおいて、前記加熱兼加圧ローラに対して前記積層ヘッドの移動方向後方側に前記冷却ノズルを配設したことを特徴とする請求項6に記載の繊維強化複合材用プリフォームの製造装置。
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