JP2011056795A - プラスチック成形品の製造装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラスチック成形品の表面に低光沢性をもたせることができると共にウェルドラインやフローマークなどの外観不良を消すことができ、而も艶消し塗装の省略化が可能になる。
【解決手段】キャビティ21が形成された移動側金型22及び固定側金型23で構成されると共に、移動側金型22のキャビティ部位21aにはシボ面24が形成されたプレス成形用金型2で、射出成形により加工した第一次プラスチック成形品8Aをキャビティ21に挿入して型締めにより加圧している時に、超音波振動装置3でシボ面24が形成されたキャビティ部位21aを有する移動側金型22を超音波加振して、第一次プラスチック成形品8Aのシボ面24が転写される表面部分を再溶融化する。
【選択図】図1
【解決手段】キャビティ21が形成された移動側金型22及び固定側金型23で構成されると共に、移動側金型22のキャビティ部位21aにはシボ面24が形成されたプレス成形用金型2で、射出成形により加工した第一次プラスチック成形品8Aをキャビティ21に挿入して型締めにより加圧している時に、超音波振動装置3でシボ面24が形成されたキャビティ部位21aを有する移動側金型22を超音波加振して、第一次プラスチック成形品8Aのシボ面24が転写される表面部分を再溶融化する。
【選択図】図1
Description
本発明は、プラスチック成形品の表面に低光沢性をもたせることができるプラスチック成形品の製造装置及びその製造方法に関する。
従来から、自動車のインストルメントパネルやオーディオパネル等は、プラスチックで形成され、質感を向上させるために製品の表面に低光沢性をもたせている。特に、インスツルメントパネルは自動車の運転席の前に位置するので、表面の光沢度を低減して、その表面からの光の反射を低減することにより運転者の視界を良好に保っている。
このようなプラスチック製品を製造するために、図3(A)、(B)に示すような射出成形用金型100が使用されている。この射出成形用金型100はキャビティ101が形成された移動側金型102及び固定側金型103で構成され、移動側金型102のキャビティ部位101aにはシボ面104が形成されている。この射出成形用金型100のキャビティ101内に、溶融された熱可塑性樹脂が充填されることで、移動側金型102のキャビティ部位101aにおけるシボ面104をプラスチック成形品110の表面に転写することができる。
しかしながら、このような射出成形用金型100では、連続射出成形により熱可塑性樹脂から析出した低融点物質121がキャビティ101内の、特にシボ面104に付着堆積するので、プラスチック成形品110の表面の光沢度が高くなることで生じる艶上昇や艶ムラが発生する問題があった。また、このような射出成形用金型100では、プラスチック成形品110にひけやショートが生じないように多点ゲートを採用することが多いが、多点ゲートでは各ゲートからそれぞれ充填される溶融された熱可塑性樹脂が合流する部分においてウェルドラインが生じてしまう問題があった。さらに、このような射出成形用金型100では、キャビティ101内に空気溜まりが生じて、溶融された熱可塑性樹脂の流動性が低下するので、製品に流れ模様であるフローマークが生じてしまう問題があった。
このような各問題は、プラスチック成形品110の表面に転写されたシボ面に生じることになるので、図3(C)に示すように、プラスチック成形品110を成形した後、塗装室で塗装機104を使用して艶消し塗装を施している。しかしながら、この艶消し塗装は、部品コストが上がることになり、また、地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素を発生させることになる。なお、艶上昇や艶ムラが発生したりすることを防ぐ対策として、キャビティ101内のシボ面104をホーニングすることも考えられるが、連続射出成形していることからホーニングを行う頻度が高くなるので生産効率が悪くなる。
また、このような各問題点を解消する手段として、射出成形の際にキャビティに超音波を付与する超音波発生手段を有する超音波射出成形用金型が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。この超音波射出成形用金型は、熱可塑性樹脂の物性を高める観点から、射出成形時における溶融された熱可塑性樹脂の流動性を良くして、高い転写性及び低い収縮率を得ることが可能になる。
しかしながら、背景技術に記載した超音波射出成形用金型では、射出成形用金型自体に超音波発生手段を組み込んで射出成形の際にキャビティに超音波を付与しているので、多点ゲートでは各ゲートからそれぞれ充填される溶融された熱可塑性樹脂が合流する部分においてウェルドラインが生じてしまう問題があった。したがって、この場合においても艶消し塗装を施さなければならなかった。
また、背景技術に記載した超音波射出成形用金型は製造コストが簡易金型に比べて高くなるので、プラスチック成形品110の表面のシボ面の形状をグレード別に変えると、グレード毎にその高価な移動側金型102を作製しなければならなかった。
本発明は、このような従来の問題点を解消するために考えられたもので、プラスチック成形品の表面に低光沢性をもたせることができると共にウェルドラインやフローマークなどの外観不良を消すことができ、而も艶消し塗装の省略化が可能なプラスチック成形品の製造装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成する第1の態様であるプラスチック成形品の製造装置は、プレス加工用のキャビティが形成された移動側金型及び固定側金型で構成されると共に、移動側金型及び固定側金型の少なくとも一方のプレス加工用のキャビティ部位にはシボ面が形成され、射出成形により加工した第一次プラスチック成形品をプレス加工用のキャビティに挿入して型締めにより加圧することで、当該第一次プラスチック成形品にシボ面が転写された最終プラスチック成形品を形成するプレス成形用金型と、プレス成形用金型が第一次プラスチック成形品をプレス加工用のキャビティに挿入して加圧している時に、超音波によってシボ面が形成されたプレス加工用のキャビティ部位を有する金型を加振して、第一次プラスチック成形品のシボ面が転写される表面部分を再溶融化させる超音波振動装置とを備えたものである。
本発明の第2の態様は第1の態様であるプラスチック成形品の製造装置において、プレス加工用のキャビティと同形状から成る射出成形用のキャビティがシボ面を有することなく形成された移動側金型及び固定側金型で構成され、当該射出成形用のキャビティ内に溶融された熱可塑性樹脂が充填されることで第一次プラスチック成形品を形成する射出成形用金型を備えたものである。
本発明の第3の態様は第1の態様又は第2の態様であるプラスチック成形品の製造装置において、超音波振動装置は、高周波電力を振動に変換する超音波振動子と、プレス成形用金型が型締めにより加圧中に、超音波振動子に高周波電力を供給する超音波発振器と、超音波振動子の振動振幅を増減して、シボ面が形成されたプレス加工用のキャビティ部位を有する金型に伝達するブースタとを備えたものである。
本発明の第4の態様は第3の態様であるプラスチック成形品の製造装置において、プレス成形用金型の移動側金型を型締め方向で往復動させるピストン機構と、プレス成形用金型のプレス加工用のキャビティ部位を有する金型の金型温度を調整する温調手段と、プレス成形用金型で最終プラスチック成形品を形成するにあたり、第一次プラスチック成形品のシボ面が転写される表面部分を再溶融化させて、当該表面部分に表れているウェルドラインやフローマークなどの外観不良を消すと共にシボ面を転写させるように、超音波発振器による振動周波数、温調手段による金型温度、並びにピストン機構による型締め時の加圧力及び保持時間を制御する制御部とを備えたものである。
また、本発明の第5の態様であるプラスチック成形品の製造方法は、プレス加工用のキャビティが形成された移動側金型及び固定側金型で構成されると共に、移動側金型及び固定側金型の少なくとも一方のプレス加工用のキャビティ部位にはシボ面が形成されたプレス成形用金型で、射出成形により加工した第一次プラスチック成形品をプレス加工用のキャビティに挿入して型締めにより加圧している時に、超音波によってシボ面が形成されたプレス加工用のキャビティ部位を有する金型を加振して、第一次プラスチック成形品のシボ面が転写される表面部分を再溶融化するものである。
本発明の第6の態様は第5の態様であるプラスチック成形品の製造方法において、プレス加工用のキャビティと同形状から成る射出成形用のキャビティがシボ面を有することなく形成された移動側金型及び固定側金型で構成された射出成形用金型で、当該射出成形用のキャビティ内に溶融された熱可塑性樹脂を充填することで第一次プラスチック成形品を形成するものである。
本発明の第7の態様は第5の態様又は第6の態様であるプラスチック成形品の製造方法において、プレス成形用金型で最終プラスチック成形品を形成するにあたり、超音波の振動周波数、当該プレス成形用金型の金型温度、並びにプレス加工用のキャビティ部位を有する金型の型締め時の加圧力及び保持時間を、第一次プラスチック成形品のシボ面が転写される表面部分を再溶融化させて、当該表面部分に表れているウェルドラインやフローマークなどの外観不良を消すと共にシボ面を転写させるように制御するものである。
このようなプラスチック成形品の製造装置及びその製造方法は、射出成形により加工した第一次プラスチック成形品をプレス加工用のキャビティに挿入して型締めにより加圧している時に、超音波によってシボ面が形成されたプレス加工用のキャビティ部位を有する金型を加振して、第一次プラスチック成形品のシボ面が転写される表面部分を再溶融化することができるので、第一次プラスチック成形品の表面部分にウェルドラインやフローマーク、さらには艶上昇や艶ムラが生じていても消すことができると共に、その表面部分にプレス加工用のキャビティ部位のシボ面を正常に転写させることができる。
また、製品の基本骨格となる第一次プラスチック成形品を射出成形用金型で成形し、その第一次プラスチック成形品の表面部分へのシボ面の転写をプレス成形用金型で成形することで、最終プラスチック成形品の表面のシボ面の形状をグレード別に変えても射出成形用金型より安価なプレス成形用金型で対応することができるので、従来のように射出成形用金型で対応させるよりも安価で商品力を高めることができるようになる。
本発明のプラスチック成形品の製造装置及びその製造方法によれば、プラスチック成形品の表面に低光沢性をもたせることができると共にウェルドラインやフローマークなどの外観不良を消すことができ、而も艶消し塗装の省略化が可能になる。
以下、プラスチック成形品の製造装置及びその製造方法を実施するための最良の形態例について、図面を参照して説明する。
本発明のプラスチック成形品の製造装置は図1(A)、(B)、図2(B)に示すように、プレス加工用のキャビティ21が形成された移動側金型22及び固定側金型23で構成されると共に、移動側金型22のキャビティ部位21aにはシボ面24が形成されたプレス成形用金型2と、プレス成形用金型2の移動側金型22を超音波によって加振する超音波振動装置3とを備えている。なお、図1(A)のプレス成形用金型2と、図2(B)のプレス成形用金型2とは形状が異なっているが、図1(A)のプレス成形用金型2はプレス成形状態を示すために模式的に記述している。
プレス成形用金型2は、固定側金型23が下に、移動側金型22が上にそれぞれ配置され、移動側金型22は、図1中上下方向に往復動させるピストン機構4によって型締め、型開きすることができる。このピストン機構4としては、油圧シリンダやサーボシリンダが好適である。特にサーボシリンダは移動側金型22の型締めにおける位置制御を高精度で行うことができる。このようなプレス成形用金型2は、射出成形により加工した第一次プラスチック成形品8Aをキャビティ21に挿入して型締めにより加圧することで、当該第一次プラスチック成形品8Aにシボ面81が転写された最終プラスチック成形品8Bを形成することができる。
超音波振動装置3は、プレス成形用金型2が第一次プラスチック成形品8Aをキャビティ21に挿入して加圧している時に、超音波によってシボ面24が形成されたキャビティ部位21aを有する移動側金型22を加振して、第一次プラスチック成形品8Aのシボ面24が転写される表面部分を再溶融化させるものである。
このような機能を有する超音波振動装置3は、例えば、高周波電力を振動に変換する超音波振動子31と、プレス成形用金型2が型締めにより加圧中に、超音波振動子31に高周波電力を供給する超音波発振器32と、超音波振動子31の振動振幅を増減して、移動側金型22に伝達するブースタ33とを備えている。超音波振動子31は、最終プラスチック成形品8Bのシボ面81の凹凸の差が通常100〜150ミクロンなので、変化量が小さく大きな力を発生させることができるピエゾ圧電素子が好適で、固定板41を介してピストン機構4に固定されている。超音波発振器32は、商用電源の周波数を、超音波振動子31を振動させるための高周波の周波数に増幅させる。ブースタ33は、機械的振幅を変換するもので、最終プラスチック成形品8Bの表面のシボ面81の形状をグレード別に変えても対応させることができるようになる。
なお、プレス成形用金型2は、超音波振動装置3の超音波によって加振するので、移動側金型22はアルミニウム合金やチタン合金が使用される。鋼鉄の方がアルミニウム合金やチタン合金より耐磨耗性は優れているが、高振幅により割れ易い性質なので、アルミニウム合金やチタン合金が好適である。
このように構成されたプラスチック成形品の製造装置1は、射出成形により加工した第一次プラスチック成形品8Aをプレス成形用金型2のキャビティ21に挿入して型締めにより加圧している時に、超音波振動装置3によってシボ面24が形成されたキャビティ部位21aを有する移動側金型22を超音波加振して、第一次プラスチック成形品8Aのシボ面24が転写される表面部分を再溶融化することができるので、第一次プラスチック成形品8Aの表面部分にウェルドラインWLやフローマーク、さらには艶上昇や艶ムラが生じていても消すことができると共に、その表面部分にキャビティ部位21aのシボ面24を正常に転写させることができる。
また、プラスチック成形品の製造装置1は、プレス成形用金型2の移動側金型22の金型温度を調整する温調手段である例えば温調器5を備えている。プレス成形用金型2の移動側金型22には、プラスチック成形品に接するキャビティ21の金型表面温度を調整するための温調用媒体が温調器5によって供給される金型温調用通路(図示せず。)が形成されている。なお、温調手段は、これに限らず、プレス成形用金型2の移動側金型22に電熱ヒータ(図示せず。)を設置してもよく、この場合においても電熱ヒータの加熱温度を変更することで、プラスチック成形品に接するキャビティ21の金型表面温度を調整することができる。また、温調手段は、移動側金型22にのみ設けているが、これは超音波によってシボ面24が形成されたキャビティ部位21aを有する移動側金型22を加振して、第一次プラスチック成形品8Aのシボ面24が転写される表面部分を再溶融化させるからである。
また、プラスチック成形品の製造装置1は、プレス成形用金型2で最終プラスチック成形品8Bを形成するにあたり、第一次プラスチック成形品8Aのシボ面24が転写される表面部分を再溶融化させて、当該表面部分に表れているウェルドラインWLやフローマークなどの外観不良を消すと共にシボ面24を転写させるように、超音波発振器32による振動周波数、温調器5による金型温度、並びにピストン機構4による型締め時の加圧力及び保持時間を制御する制御部6を備えている。
具体的には、超音波発振器32は超音波振動子31及び制御部6に電気的に接続され、温調器5は制御部6に電気的に接続されると共に移動側金型22に温調用媒体を供給、排出可能に2本のホースによって接続され、ピストン機構4は制御部6に電気的に接続されている。
さらに、プラスチック成形品の製造装置1は図2(A)に示すように、プレス成形用金型2のキャビティ21と同形状から成るキャビティ71がシボ面を有することなく形成された移動側金型72及び固定側金型73で構成され、当該キャビティ71内に溶融された熱可塑性樹脂が充填されることで第一次プラスチック成形品8Aを形成する射出成形用金型7を備えている。この射出成形用金型7をプラスチック成形品の製造装置1に備えることにより、製品の基本骨格となる第一次プラスチック成形品8Aを射出成形用金型7で成形し、その第一次プラスチック成形品8Aの表面部分へのシボ面の転写をプレス成形用金型2で成形することで、最終プラスチック成形品8Bの表面のシボ面81の形状をグレード別に変えても射出成形用金型7より安価なプレス成形用金型2で対応することができるので、従来のように射出成形用金型で対応させるよりも安価で商品力を高めることができるようになる。
この射出成形用金型7は、一般的な射出成形機にセットされて使用するもので、図2(A)では型締め、型開き方向が水平方向になっている。この射出成形用金型7は、射出成形機のノズルから射出される供給される成形材料をキャビティ21へと導く機構が複雑で、また、最終プラスチック成形品8Bが冷却されることにより収縮するので固定側金型73のコア部位から外すための製品離脱機構を設けなければならない。これに対して、プレス成形用金型2は、射出成形用金型7で形成された第一次プラスチック成形品8Aをキャビティ21に挿入して型締めにより加圧するだけなので、射出成形用金型7より安価に製造できる。また、射出成形用金型7のキャビティ71は第一次プラスチック成形品8Aの収縮を考慮して製品の実寸より大きく形成されているが、プレス成形用金型2のキャビティ21は、誤差範囲内において実寸に形成された第一次プラスチック成形品8Aを挿入して型締めにより加圧するだけなので、ほぼ実寸で形成されている。
このように構成されたプラスチック成形品の製造装置1を使用した当該プラスチック成形品の製造方法について、以下説明する。なお、プラスチック成形品の製造装置1は、射出成形用金型7及びプレス成形用金型2を備えているものとする。また、射出成形用金型7は一般的な射出成形機にセットされており、また、プレス成形用金型2は固定側金型23が下に、移動側金型22が上にそれぞれ配置され、移動側金型22は、図1中上下方向に往復動させるピストン機構4によって型締め、型開きすることができる。
まず、射出成形用金型7で、キャビティ71内に溶融された熱可塑性樹脂を充填することで第一次プラスチック成形品8Aを形成する。次に、プレス成形用金型2で、射出成形用金型7で加工した第一次プラスチック成形品8Aをキャビティ21に挿入してピストン機構4で型締めにより加圧している時に、超音波振動装置3によってシボ面24が形成されたキャビティ部位21aを有する移動側金型22を加振して、第一次プラスチック成形品8Aのシボ面24が転写される表面部分を再溶融化する。この際、制御部6が、第一次プラスチック成形品8Aのシボ面24が転写される表面部分に表れているウェルドラインWLやフローマークなどの外観不良を消すと共にシボ面24を転写させるように、超音波振動装置3の超音波発振器32による振動周波数、温調器5による金型温度、並びにピストン機構4による型締め時の加圧力及び保持時間を制御する。
例えば、超音波発振器32による振動周波数は15〜35kHzに設定され、温調器5による金型温度は30〜150℃に設定され、ピストン機構4による型締め時の加圧力は0.05〜10MPa及び保持時間は0.1〜10secに設定される。超音波発振器32による振動周波数、温調器5による金型温度、並びにピストン機構4による型締め時の加圧力及び保持時間は、使用される熱可塑性樹脂によって異なるので、それぞれこの範囲で設定される。さらに、温調器5による金型温度は、第一次プラスチック成形品8Aのシボ面24が転写される表面部分の溶融を促進させる補助手段としてこの範囲が好ましいからである。
このようにして、第一次プラスチック成形品8Aにシボ面81が転写された最終プラスチック成形品8Bを形成することができるので、プラスチック成形品の表面に低光沢性をもたせることができると共にウェルドラインWLやフローマークなどの外観不良を消すことができ、而も艶消し塗装の省略化が可能になる。
なお、上述した実施例においては、プレス成形用金型2の移動側金型22のキャビティ部位21aにシボ面24を形成させていたが、これに限らず、固定側金型23のキャビティ21を構成するコア部位にシボ面を形成させていてもよい。この場合、固定側金型23に制御部6で制御される超音波振動装置3及び温調手段を設けることになる。また、プレス成形用金型2の移動側金型22のキャビティ部位21a及び固定側金型23のコア部位の何れにもシボ面を設けてもよく、超音波振動装置3及び温調手段は上述のように設けることになる。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
また、本発明のプラスチック成形品の製造装置及びその製造方法は、自動車の部品に限らず、プラスチック成形品の表面にシボ面を施すものならば、どのような分野の製品にも適用させることができる。
1……プラスチック成形品の製造装置
2……プレス成形用金型
21……キャビティ
22……移動側金型
21a……移動側金型のキャビティ部位
23……固定側金型
3……超音波振動装置
31……超音波振動子
32……超音波発振器
33……ブースタ
4……ピストン機構
5……温調器(温調手段)
6……制御部
7……射出成形用金型
71……キャビティ
72……移動側金型
73……固定側金型
8A……第一次プラスチック成形品
8B……最終プラスチック成形品
2……プレス成形用金型
21……キャビティ
22……移動側金型
21a……移動側金型のキャビティ部位
23……固定側金型
3……超音波振動装置
31……超音波振動子
32……超音波発振器
33……ブースタ
4……ピストン機構
5……温調器(温調手段)
6……制御部
7……射出成形用金型
71……キャビティ
72……移動側金型
73……固定側金型
8A……第一次プラスチック成形品
8B……最終プラスチック成形品
Claims (7)
- プレス加工用のキャビティが形成された移動側金型及び固定側金型で構成されると共に、前記移動側金型及び前記固定側金型の少なくとも一方の前記プレス加工用のキャビティ部位にはシボ面が形成され、射出成形により加工した第一次プラスチック成形品を前記プレス加工用のキャビティに挿入して型締めにより加圧することで、当該第一次プラスチック成形品に前記シボ面が転写された最終プラスチック成形品を形成するプレス成形用金型と、
前記プレス成形用金型が前記第一次プラスチック成形品を前記プレス加工用のキャビティに挿入して加圧している時に、超音波によって前記シボ面が形成された前記プレス加工用のキャビティ部位を有する前記金型を加振して、前記第一次プラスチック成形品の前記シボ面が転写される表面部分を再溶融化させる超音波振動装置とを備えたことを特徴とするプラスチック成形品の製造装置。 - 前記プレス加工用のキャビティと同形状から成る射出成形用のキャビティがシボ面を有することなく形成された移動側金型及び固定側金型で構成され、当該射出成形用のキャビティ内に溶融された熱可塑性樹脂が充填されることで前記第一次プラスチック成形品を形成する射出成形用金型を備えたことを特徴とする請求項1記載のプラスチック成形品の製造装置。
- 前記超音波振動装置は、
高周波電力を振動に変換する超音波振動子と、
前記プレス成形用金型が前記型締めにより加圧中に、前記超音波振動子に前記高周波電力を供給する超音波発振器と、
前記超音波振動子の振動振幅を増減して、前記シボ面が形成された前記プレス加工用のキャビティ部位を有する前記金型に伝達するブースタとを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のプラスチック成形品の製造装置。 - 前記プレス成形用金型の前記移動側金型を前記型締め方向で往復動させるピストン機構と、
前記プレス成形用金型の前記プレス加工用のキャビティ部位を有する前記金型の金型温度を調整する温調手段と、
前記プレス成形用金型で前記最終プラスチック成形品を形成するにあたり、前記第一次プラスチック成形品の前記シボ面が転写される前記表面部分を再溶融化させて、当該表面部分に表れているウェルドラインやフローマークなどの外観不良を消すと共に前記シボ面を転写させるように、前記超音波発振器による振動周波数、前記温調手段による金型温度、並びに前記ピストン機構による前記型締め時の加圧力及び保持時間を制御する制御部とを備えたことを特徴とする請求項3記載のプラスチック成形品の製造装置。 - プレス加工用のキャビティが形成された移動側金型及び固定側金型で構成されると共に、前記移動側金型及び前記固定側金型の少なくとも一方の前記プレス加工用のキャビティ部位にはシボ面が形成されたプレス成形用金型で、射出成形により加工した第一次プラスチック成形品を前記プレス加工用のキャビティに挿入して型締めにより加圧している時に、超音波によって前記シボ面が形成された前記プレス加工用のキャビティ部位を有する前記金型を加振して、前記第一次プラスチック成形品の前記シボ面が転写される表面部分を再溶融化することを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
- 前記プレス加工用のキャビティと同形状から成る射出成形用のキャビティが前記シボ面を有することなく形成された移動側金型及び固定側金型で構成された射出成形用金型で、当該射出成形用のキャビティ内に溶融された熱可塑性樹脂を充填することで前記第一次プラスチック成形品を形成することを特徴とする請求項5記載のプラスチック成形品の製造方法。
- 前記プレス成形用金型で前記最終プラスチック成形品を形成するにあたり、前記超音波の振動周波数、前記プレス加工用のキャビティ部位を有する前記金型の金型温度、並びに当該プレス成形用金型の前記型締め時の加圧力及び保持時間を、前記第一次プラスチック成形品の前記シボ面が転写される前記表面部分を再溶融化させて、当該表面部分に表れているウェルドラインやフローマークなどの外観不良を消すと共に前記シボ面を転写させるように制御することを特徴とする請求項5又は請求項6記載のプラスチック成形品の製造方法。
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JP (1) | JP2011056795A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013094702A1 (ja) | 2011-12-22 | 2013-06-27 | 帝人株式会社 | 成形体の製造方法及び成形体 |
KR101519993B1 (ko) | 2013-06-13 | 2015-05-14 | 한국생산기술연구원 | 초음파 성형 가공 장치 |
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JPH09201874A (ja) * | 1996-01-30 | 1997-08-05 | Sony Corp | 表面に凹凸模様を備えた物品、特に光ディスクの成形方法及びその成形装置 |
JP2000289108A (ja) * | 1999-04-06 | 2000-10-17 | Calsonic Kansei Corp | 車両用エアバッグリッド部の開裂線形成装置 |
-
2009
- 2009-09-10 JP JP2009209110A patent/JP2011056795A/ja active Pending
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