JP2011056225A - 外科手術用照明装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】装置を固定するための固定手段(1)、光を発生させる光源部(2)、少なくとも1枚の集光レンズ(10)を備えた照射部(3)、及び前記照射部(3)の操作姿勢を保持する姿勢保持手段(4)からなり、術野を局所的に照射する外科手術用照明装置。
【選択図】図1
Description
本発明において、光源部とは、光を発生させる手段からなるもので、ハロゲン、キセノンランプ、水銀灯或いはLED等の公知の光発生手段が含まれる。そのLEDについては、赤外線波長を含まず、可視光波長の放射を主体としたものを対象とする(僅かに赤外線波長を含む場合は許容される)。
本発明において、姿勢保持手段とは、照射部の姿勢を変化させたときに、その姿勢を保持できる構成のもので、例えば、ステンレスフレキシブルチューブ、インターロック、スタンドチューブ(外径が3.5mm程度のマイクロスタンドチューブも含む)と呼称されるものを言う。また、ボールジョイントで、姿勢保持(操作角度)が可能な構成のものも含まれる。
尚、本発明の電源については、例えば、コンセントから取得する商用電源もしくは、2次電池などを用いたバッテリーと呼称されるものが用いられる。
本発明のその他の効果は、以下の実施例の記載から明らかになるであろう。
先ず、前記姿勢保持手段(4)が、曲げ形状保持可能なフレキシブルチューブ(4A)で構成されていることが好ましい。
このように、曲げ形状保持可能なフレキシブルチューブ(4A)を備えることで、照射部(3)の姿勢変更が360度自在に回動変化でき、その照射方向も自在に変えることができて、術野の照射方向を微調整可能であり、術医が手を離すとその操作位置を自動的に保持でき、その操作も軽い手操作で容易に行い得る。
このように、光源部(2)が照射部(3)に隣接設置されることで、発生した光をそのまま有効に使用することができるので、照明効率に優れている。この場合、光源部と照射部が一体となるため、その重量が増大することになり、構造上好ましくないが、光源部をランプでなく、LED等の軽量な光源とすることで、問題解消可能である。
このように、光ファイバーを用いることで、重量のある光源部を照射部から離して設けることができ、軽量となる照射部の姿勢保持を容易にすることができる。
このように、LEDを用いることで、ハロゲンランプ等とは異なり、その光線に赤外線成分が含まれず(或いは少ない)、照射部位の温度上昇を抑制して、術野の焼きつきを未然に防止することができる。
このようなランプを用いることで高い照度を得ることが容易であり、その分、赤外線波長が含まれることになるため、これを、赤外線遮光フィルターで除去することで、患部の焼きつきを防止できる。
このような固定手段を用いることで、不要な場合に、手術台上の近傍位置に位置する照明装置を取り外しておくことができる。
尚、被固定部材としては、天井の壁面に取り付けた部材、天井の無影灯の照明器具の一部に設けた部材も対象となる。
このように、器具固定用フレームの任意の位置に装着できることは、膝の手術等には必要なことで、勿論、不要の場合には取り外すことが求められるが、クランプ方式であるので、容易に着脱できる。
このように、集光レンズ(10)の焦点操作部(11)を備えることで、照射部の位置、姿勢調節と共にその照度(範囲)も調整することができ、術野の条件に適合した照明条件を満たすことができる。
こうした焦点操作部(11)としては、フォーカス調節で用いられる公知の回動方式のものが、操作方法が容易で好ましい。
手術用器具等は、通常、病院備え付けのオートクレーブを用いて滅菌処理されるものであるので、こうした滅菌処理を施すことのできる耐熱素材、例えば、金属製、ガラス製、或いは合成樹脂等で、少なくとも陰圧下で、且つ摂氏135度以下では塑性変形を来たさないもので構成される。例えば、ステンレス、アルミニウム、シリコン,フッ素樹脂等である。
これにより、術医が直接手で操作しても感染問題を生じない。
(実施例1)
図1は、手術室の内部の略全体を示し、外科用手術照明装置を、手術室の天井の無影灯の照明装置9の側部から手術台7の方に向けて垂下させた実施態様を示す。
図2に示すように、かかる外科手術用照明装置は、装置を固定するための固定手段1、光を発生させる光源部2、集光レンズ10を備えた照射部3、及び前記照射部3の操作姿勢を保持する姿勢保持手段4、とから構成されている。
ここでは、装置を天井から垂下させる形態であり、前記光源部2は、天井の無影灯照明装置9の側部に設けられた被固定部材1Aの側に設けており、ここから電源(ここではバッテリー)に接続されており、LED2Aの発光は、光ファイバー5を介して前記照射部3に伝達される構成とされている。尚、バッテリー、電源のスイッチ等は、図示、説明を省略した。
従って、フレキシブルチューブ4Aは、それ自体の重量、光ファイバー5の重量、集光レンズ10の重量を支持できればよく、前記光源部2を固定手段1により固定側に設けることで支持対象を軽量とすることができて、その操作姿勢状態の保持を行い易いのである。
このような照明装置の使用に際しては、天井からフレキシブルチューブ4Aを介して垂下された照射部3は、そのフレキシブルチューブ4Aの屈曲姿勢を維持する機能により、術医の所望の姿勢を採ることができる。また、天井からの垂下方式であるので、不要な時には上方に大きく湾曲させて視界から離すこともできる。
かかる照明装置により、術中において、整形手術等で患者の体位が変わることになっても、その術野に対して、前記フレキシブルチューブ4Aを所望の状態に屈曲させて照射部3の向きを変え、それまでの陰の部位、或いは深部に対する照明を十分なものとすることができる。
ここでは、図7及び図8に示すように、照明装置を手術台7の側部に位置する器具固定用フレーム7Aに装着する態様について述べる。
この実施例においても、照明装置が、これを固定するための固定手段1、光を発生させる光源部2、2枚の集光レンズ10(10A,10B)を備えた照射部3、及び前記照射部3の操作姿勢を保持する姿勢保持手段4とから構成されている点は実施例1と同じである。
そして、前記固定手段1が、手術台7の器具固定用フレーム7Aに対して着脱可能なクランプ機構1Cからなる。このクランプ機構1Cとしては、ここでは所謂万力の構造のものが用いられている。このクランプ機構1Cには、枢支構造を持つアーム機構1Dが連設されており、そのアーム機構1Dに前述の光源部2と照明部3とが取り付けられている。
尚、この実施例2において、図示及び説明を省略しているが、必要とあれば、実施例1に示すような排熱部(放熱器43、排熱ファン42など)を設け、強制冷却することで、ハロゲンランプ2Bの熱を排出するのが好ましい。
図9は、上記実施例2の照射部3の変形例を示すもので、ここでは、ハロゲンランプ2Bに代えてLEDが用いられている。
ここでは、前記光源部2が前記照射部3に隣接設置されている点は同じであるが、図9に示すように、集光レンズ10を備えた照明部3とLED2Aからなる光源部2が一体のケーシング(螺合による基部11A及び先端部11Bの2分割)に収容されており、LED2Aの光が直接に集光レンズ10の基部11A側の集光レンズ10Aに照射される構成とされている。勿論、螺合部11Cによる焦点操作部11の回動により、光収束状態(フォーカス)については調整が可能である。こうした一体化構造により、照明部3が重くなるという問題があるが、この照明部3を前記アーム機構1Cに保持させるフレキシブルチューブ4Aが十分な強度のものであれば、照明部3の操作姿勢を保持させることは問題なく行い得る。
勿論、冷却手段としては、実施例1のように強制空冷を行う他、液冷方式も採用可能である。
1A:被固定部材
1B:取り付け部材
2:光源部
2A:LED
2B:ハロゲンランプ
3:照射部
4:姿勢保持手段
4A:フレキシブルチューブ
5:光ファイバー
7:手術台
7A:器具固定用フレーム
8:赤外線遮光フィルター
10:集光レンズ
11:焦点操作部
Claims (10)
- 術野を局所的に照射する外科手術用照明装置であって、
装置を固定するための固定手段(1)、
光を発生させる光源部(2)、
少なくとも1枚の集光レンズ(10)を備えた照射部(3)、及び
前記照射部(3)の操作姿勢を保持する姿勢保持手段(4)、
とから構成されていることを特徴とする外科手術用照明装置。 - 前記姿勢保持手段(4)が、曲げ形状保持可能なフレキシブルチューブ(4A)で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の外科手術用照明装置。
- 前記光源部(2)が前記照射部(3)に隣接設置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の外科手術用照明装置。
- 前記光源部(2)と前記照射部(3)とが光ファイバー(5)で接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の外科手術用照明装置。
- 前記光源部(2)が、赤外線波長を実質的に含まないLED(2A)から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の外科手術用照明装置。
- 前記光源部(2)がハロゲンランプ(2B)から構成され、且つ、赤外線遮光フィルター(8)が備えられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の外科手術用照明装置。
- 前記固定手段(1)が、天井に備えた被固定部材(1A)に対して着脱可能な取り付け部材(1B)からなることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の外科手術用照明装置。
- 前記固定手段(1)が、手術台(7)の器具固定用フレーム(7A)に対して着脱可能なクランプ機構(1C)からなることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の外科手術用照明装置。
- 前記照射部(3)が、集光レンズ(10)の焦点操作部(11)を備え、その集光レンズ(10)の少なくとも1枚の集光レンズ(10B)が前記焦点操作部(11)の先端部(11B)側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の外科手術用照明装置。
- 少なくとも前記フレキシブルチューブ(4A)及び前記照射部(3)が、オートクレーブによる滅菌処理に耐える耐熱素材で構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項9の何れか1項に記載の外科手術用照明装置。
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2009
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