JP2011056107A - 内視鏡及び内視鏡プロセッサ - Google Patents

内視鏡及び内視鏡プロセッサ Download PDF

Info

Publication number
JP2011056107A
JP2011056107A JP2009210283A JP2009210283A JP2011056107A JP 2011056107 A JP2011056107 A JP 2011056107A JP 2009210283 A JP2009210283 A JP 2009210283A JP 2009210283 A JP2009210283 A JP 2009210283A JP 2011056107 A JP2011056107 A JP 2011056107A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
visual field
endoscope
optical element
image
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009210283A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoko Koshiyama
葉子 越山
Toru Komoto
徹 向本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2009210283A priority Critical patent/JP2011056107A/ja
Publication of JP2011056107A publication Critical patent/JP2011056107A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Endoscopes (AREA)

Abstract

【課題】解像度を落とすことなく複数の視野の観察が可能な内視鏡を提供する。
【解決手段】本発明により提供される内視鏡は、観察する視野を切り替える視野切替機構を先端部に備えている。視野切替機構は、透過状態と反射状態を取り得る光学素子を有しており、光学素子の状態を変えることにより、第1の視野の画像を形成する第1光路と、第2の視野の画像を形成する第2光路とを切り替える。
【選択図】 図6

Description

本発明は、内視鏡に関連し、特に前方観察と後方観察とを切り替えて行うことが可能な内視鏡に関する。
従来、体腔内等の狭い空間における観察や処置を行なうために、医療や工業の分野において内視鏡が広く使用されている。近年は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子の小型化・高性能化に伴い、挿入部の先端に固体撮像素子が実装された電子内視鏡が急速に普及している。一般的な電子内視鏡は、可撓性のある細長いケーブル形状の挿入部の先端部分に、先端側から順にガラス板(光学的開口)、対物レンズ、及び固体撮像素子が光軸を長手方向に向けて一列に配置されており、挿入部先端の前方の領域を観察できるように構成されている。しかしながら、小腸などの襞が多い器官を観察するときには、例えば襞の裏側に死角が生じるため、前方観察だけでは十分な観察が行なえない場合がある。そこで、特許文献1に記載されているような、内視鏡の先端に取り付けることで前方視野と後方視野の同時観察を可能にする内視鏡アタッチメントが提案されている。特許文献1に記載の内視鏡アタッチメントは、中央に開口が形成された双曲面の凸面ミラーを有しており、内視鏡先端の前方視野の像が凸面ミラーの開口を通して撮像面の中央に結像し、側方視野の像が凸面ミラーで反射して前方視野の像の周囲の撮像面に結像する。そのため、一画面上に前方視野と側方視野が同時に表示され、前方観察と側方観察を同時に行うことができる。
また、建物や乗り物に使用される窓材料の技術分野において、窓ガラスを透過する太陽光をコントロールする所謂「調光ガラス」が各種提案されている。調光ガラスには、光の吸収により調光を行う吸収型調光ガラスや、光の反射により調光を行う調光ミラー(反射型調光ガラス)がある。調光ミラーは、反射率が高い鏡状態と、反射率が低く透過率が高い透明状態との間で反射率が連続的かつ可逆的に変化する性質をもつ膜が透明基板上に形成されたものである(特許文献2)。
WO2006−004083号公報 特願2005−274630号公報
ところで、医療用電子内視鏡においては、被検者が苦痛なく内視鏡検査を受診できるように、電子内視鏡の挿入部を細径にすることが重要となる。電子内視鏡の外径を決定する主な要因の一つが固体撮像素子の外形寸法、特に撮像面のサイズである。そのため、電子内視鏡で使用される固体撮像素子は撮像面のサイズが厳しく制限されており、従って固体撮像素子の有効画素数も限られている。特許文献1に記載の内視鏡装置では、限られた有効画素数をもつ固体撮像素子の撮像面上に、前方観察像と後方観察像が領域を分けて結像するため、各観察像の解像度あるいは視野角が低くなるという問題がある。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、解像度や画角を落とすことなく前方観察と後方観察を行なうことが可能な内視鏡を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明により複数の視野の観察が可能な内視鏡が提供される。この内視鏡は、観察する視野を切り替える視野切替機構を先端部に備えている。視野切替機構は、透過状態と反射状態を取り得る光学素子を有し、光学素子の状態を変えることにより、第1の視野の画像を形成する第1光路と、第2の視野の画像を形成する第2光路とを切り替える。
上記構成によれば、複数の視野を切り替えて観察することが可能になるため、限られた結像領域を各視野で分け合う必要が無く、各視野を広い画角あるいは高い解像度で観察することができる。
本発明の一実施形態においては、光学素子が透過状態のときに、光学素子を透過する第1光路により第1の視野の画像が形成され、光学素子が反射状態のときに、光学素子で反射する第2光路により第2の視野の画像が形成される。
光学素子は、反射率が可変であり、反射率の変化によって透過状態と反射状態とを切り替えるものであってもよい。
また、第1の視野は前方視野を含み、第2の視野は後方視野及び/又は側方視野を含むようにしてもよい。また、光学素子は、反射状態における反射面が全方位観察に適した形状に形成されていてもよい。このような構成により、死角の少ない内視鏡観察が可能となる。
全方位観察に適した形状は二葉双曲面であってもよい。二葉双曲面に反射させて得た像は、平面透視投影画像や360度パノラマ画像に変換することができる。このため、光学素子が反射状態のときに、より正確に観察することが可能になる。
光学素子は反射率可変膜であってもよい。光学素子を膜構造にすることにより、高い透過率の光学素子が得られる。
反射率可変膜は透明な固体媒質中に保持されていてもよい。すなわち、反射率可変膜の両面を固体媒質に密着させると、例えば反射率可変膜を曲面状に形成した場合であっても、反射率可変膜を透過する光に対して実質的に屈折力を有さず、透過光線によって形成される像に歪みや拡大・縮小を与えることがない。この場合、固体媒質の外形は、第1光路及び第2光路の光がそれぞれ垂直に入射して垂直に射出するように形成されることが望ましい。このような構成により、外部から固体媒質への入射・射出によって像に歪みや拡大・縮小を与えることがない。
反射率可変膜及び固体媒質は共通の回転対称軸を有していることが好ましい。典型的には、固体媒質の外面は、対称軸に垂直な第1及び第2平面と、対称軸を囲む環状曲面とを有しており、第1光路は第2平面へ垂直に入射して第1平面から垂直に射出し、第2光路は環状曲面へ垂直に入射して第2平面から垂直に射出するように構成される。反射率可変膜は透過光に対して実質的に屈折力を有さないものであることが望ましい。このような構成によれば、第1の視野と第2の視野の像を不要な歪み無く得ることができる。
また、固体媒質は光学ガラスであってもよく、光学樹脂であってもよい。また、反射率可変膜は金属薄膜、例えばマグネシウムを含む薄膜であってもよい。
本発明の一実施形態に係る視野切替機構は、先端側に平面を向けて配置された平凸レンズを備えており、反射率可変膜は平凸レンズの凸面に形成されている。また、視野切替機構は、先端側に平面を向けた、平凸レンズよりも先端側に配置された平凹レンズを更に備えていてもよい。この場合、平凹レンズは平凸レンズと同じ大きさで逆符号の屈折力を有することが好ましい。
このような構成にすれば、反射率可変膜を透過する第1光路に対して、反射率可変膜が形成された平凸レンズによる屈折力が平凹レンズによって相殺され、第1の視野の像に歪みや拡大・縮小を与えることがない。
この構成は、特にマグネシウム薄膜やマグネシウム−ニッケル合金薄膜等のマグネシウムを含む金属薄膜を反射率可変膜として使用すること場合に適している。
本発明の一実施形態に係る内視鏡は電子内視鏡である。この場合、第1及び第2の視野の像は撮像素子の撮像面上に結像されるように構成される。また、本発明の一実施形態に係る内視鏡は光ファイバ束を有するファイバスコープである。この場合、第1及び第2の視野の像は光ファイバ束の先端の端面上に結像されるように構成される。
また、本発明により、上記の内視鏡を接続可能な内視鏡用プロセッサが提供される。このプロセッサは、内視鏡によって撮像された全方位観察像を平面透視投影画像又はパノラマ画像に変換する。
本発明により、解像度や画角を下げることなく、複数の視野の観察が可能な内視鏡が提供される。
本発明の実施形態に係る内視鏡装置の主要部の外観を示す分解側面図である。 本発明の実施形態に係る内視鏡装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る内視鏡の挿入部の先端付近を拡大した図である。 本発明の実施形態に係る内視鏡の挿入部の先端付近を拡大した図である。 本発明の実施形態に係る可変光学素子の膜構成の概略を説明する図である。 変形例における内視鏡の挿入部の先端付近を拡大した図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る内視鏡装置1の主要部の外観を示す分解側面図である。また、図2は内視鏡装置1の概略構成を示すブロック図である。内視鏡装置1は、内視鏡(電子スコープ)10、プロセッサ20、及びモニタ30から構成されている。
電子スコープ10は、可撓性のあるケーブル状の挿入部14を被検者の体腔内に挿入して、挿入部14の先端に設けられた撮像素子により体腔内の観察部位を撮影するためのユニットである。電子スコープ10は、基端側から長手方向へ順に、接続部11、ユニバーサルケーブル部12、操作部13、挿入部14に区分され、接続部11を介してプロセッサ20に着脱自在に構成されている。また、挿入部14の先端には、本発明の実施形態に係る視野切替機構16が組み込まれている。
電子スコープ10には、観察領域を照明するための照明光をプロセッサ20に内蔵された光源部22から挿入部14の先端まで伝搬するためのライトガイド(例えば光ファイバ束)15が長手方向に沿って略全長に亘って配置されている。ライトガイド15は、照明光が入射する基端側では1条であるが、中途で2条(15a、15b)に分岐されている。また、挿入部14の各先端にはライトガイド15の射出端面と対向して配光レンズ(配光光学系)142がそれぞれ配置されている。配光レンズ142は、ライトガイドの射出端から射出される照明光を拡散して、視野切替機構16を介して観察領域(視野)を略均一に照明するように構成されている。なお、視野切替機構16は、観察する視野を切り替える機構部である。視野切替機構16の詳細は後述する。
視野切替機構16から射出した照明光により、観察領域に位置する被写体(例えば体腔内壁)が照明される。体腔内壁に照射された照明光の一部は、体腔内壁の表層で散乱あるいは反射して、電子スコープ10の先端に戻る。電子スコープ10の先端には、CCDイメージセンサ146の撮像面と対向して対物レンズ(対物光学系)144が配置されている。対物レンズ144は、被写体からの戻り光を集光して、被写体像をCCDイメージセンサ146の撮像面上に結像させるように構成されている。なお、対物レンズ144は、後述する可変光学素子161の形状を定義する二葉双曲面の一方の曲面と対をなす他方の曲面(逆符号の曲面)の焦点にレンズ中心(第一主点)が位置するように配置される。CCDイメージセンサ146は、撮像面上に結像した被写体像の光強度分布に基づいて画像信号を生成する。本実施形態においては、CCDイメージセンサ146にはベイヤー配列のカラーフィルタを有する単板式カラー・イメージ・センサが使用される。
なお、本実施形態における配光光学系及び対物光学系は単一の光学レンズから構成されているが、複数の光学レンズ群や、例えば光学フィルタや偏向素子等のレンズ以外の光学素子を含む光学系から構成されてもよい。また、設計によっては配光光学系を設けなくても必要な照明を得ることができる。
操作部13は、術者が電子スコープ10を操作するために把持する部分である。操作部13には、術者が施術中に内視鏡システム1を操作するための操作ボタン132や操作ノブ134等の各種操作手段が設けられている。また、操作部13に設けられた鉗子挿入口148aから挿入部14の先端まで、鉗子等の処置具を挿通するための鉗子チャンネル148が貫通しており、術者が処置具を鉗子挿入口148aから鉗子チャンネルに挿入して観察部位まで送り込み、処置具を使用して組織の採取や各種処置を行えるようになっている。
図1に示されるように、接続部11の接続面には、ライトガイド接続プラグ19及び信号線接続プラグ18が設けられている。ライトガイド接続プラグ19がライトガイド接続ソケット29に差し込まれることにより、電子スコープ10とプロセッサ20が光学的に接続される。また、信号線接続プラグ18が信号線接続ソケット28に差し込まれることにより、電子スコープ10の各種信号線や電力線がプロセッサ20内の対応する配線と電気的に接続される。また、接続部11には、電子スコープ10をプロセッサ20に着脱自在に装着するための図示しない周知の係合手段(例えばネジ機構やフック機構等)が設けられている。
また、接続部11には、CCDイメージセンサ146へ駆動信号を供給するCCD駆動回路112、CCDイメージセンサ146から出力されるアナログ画像信号をデジタル映像信号に変換してガンマ補正等の処理を行う信号処理回路114、及び視野切替機構16へ制御信号を供給する視野切替制御回路116が配置されている。CCD駆動回路112は、信号線接続プラグ18を介してプロセッサ20のシステム制御回路210に接続されており、システム制御回路21からの制御信号に基づいて駆動信号を生成して、ワイヤ146aを介してCCDイメージセンサ146へ送信する。また、信号処理回路114は、信号線接続プラグ18を介してプロセッサ20の映像信号処理回路23と接続されており、生成したデジタル映像信号を映像信号処理回路23へ送信する。
プロセッサ20は、プロセッサ20及び電子スコープ10の各部を包括的に制御するシステム制御回路21、照明光を発生してライトガイド15に供給する光源部22、電子スコープ10からのデジタル映像信号を処理してビデオ信号を生成して出力する映像信号処理回路23、内視鏡装置1の操作に必要な情報を表示すると共にユーザ操作を受け付けるタッチパネル・ディスプレイ24、外部モニタ30へ各種ビデオ信号を出力するためのビデオ出力インタフェース25、キーボード262やマウス264等のユーザ入力装置を接続するためのユーザ入力装置インタフェース26等を有している。また光源部22は、光源本体222、ライトガイド15に結合させる照明光の光量を調節する自動絞り機構224、及び光源本体222から放射された照明光を集光してライトガイド15へ高効率に結合させるための集光レンズ226を有している。光源本体222は、光源部22の全体を制御する制御部、照明光を放射する高輝度白色ランプ(キセノンランプ)、ランプに駆動電源を供給するランプ電源回路、ランプホルダ等の図示しない要素から構成されている。
次に、電子スコープ10の挿入部14の先端に設けられた視野切替機構16の構成について詳細に説明する。本実施形態の電子スコープ10は、挿入部14の先端の前方(図1及び図2における下方向を挿入部14の先端方向としたときに、先端方向となす角度が概ね0〜±60°となる方向)を観察する前方観察と、側方及び後方の全方位(挿入部14の先端方向となす角度が概ね±60〜150°となる方向)を観察する側方・後方観察が可能であり、視野切替機構16によって前方視野と側方・後方視野が切り替えられる。具体的には、視野切替機構16は、照明光及び観察部位からの戻り光の光路を、前方光路FPと側方・後方光路BPとの間で切り替える。
図3及び図4は、視野切替機構16が組み込まれた挿入部14の先端付近の拡大図である。図中左方向が先端方向である。なお、図3には前方視野の観察をするときの前方光路FPが、図4には側方・後方視野の観察をするときの側方・後方光路BPが、それぞれ矢線で示されている。本発明の実施形態に係る視野切替機構16は、視野切替光学系160及び側面窓165を有している。視野切替光学系160は、第1透明部材162、第2透明部材163、及び両透明部材に挟まれた可変光学素子161を有している。可変光学素子161は、反射率が可変の膜状の光学素子であり、高い反射率で光を反射する反射状態と、反射率が低く光を透過する透過状態との間で光学的な状態が変化する性質を有している。可変光学素子161の詳細については後述する。
第1透明部材162及び第2透明部材163は、透明な光学材料から形成された一対の軸対称な部材であり、対称軸を挿入部14の長手軸方向に向けて配置されている。第1透明部材162及び第2透明部材163を形成する光学材料には、クラウンガラス、フリントガラス、石英ガラス等の光学ガラス、あるいはポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、環状オレフィン系樹脂等の光学樹脂が使用される。第1透明部材162は椀形の部材であり、内側には二葉双曲面の凹面が形成されている。第1透明部材162の外面は、対称軸に垂直な平面と、対称軸を囲む環状曲面から構成される。第2透明部材163は概略円錐状の部材であり、対称軸に垂直な平面と、第1透明部材162の内面と同じ二葉双曲面の凸曲面を有している。第1透明部材162の凹曲面と第2透明部材163の凸曲面とは、膜状の可変光学素子161を介して互いに隙間無く密着して、可変光学素子161を構成する。
次に、可変光学素子161の詳細構成を説明する。図5は、本実施形態における可変光学素子161の膜構成の概略を説明する図である。本実施形態の可変光学素子161は、マグネシウム等の一部の金属薄膜に見られる光学的現象、すなわち水素化により金属反射を示す状態から透明な状態へ可逆的に変化する現象を利用したものである。なお、本発明の実施形態に適用可能な可変光学素子は、上記のような金属の水素化による光学特性の変化を利用するものに限定されず、別の物理的、化学的、又は機械的な機構を利用するものであってもよい。
可変光学素子161は、透明電極層161a、イオン貯蔵層161b、固体電解質層161c、プロトン注入層161d、及び反射率可変層161eから構成される膜状の光学素子であり、第1透明部材162の凹曲面上に一体に形成される。透明電極層161aは、透明導電性材料であるITO(Indium-Tin Oxide)の薄膜であり、イオン貯蔵層161bと反射率可変層161eとの間で水素イオンを移動させるための電圧が印加される。透明電極層161aはディップコート法等により第1透明部材162の凹曲面上に形成される。透明電極層161aの上には酸化タングステン薄膜であるイオン貯蔵層161bが形成されている。イオン貯蔵層161bは、酸素とアルゴンの混合雰囲気下での金属タングステンをターゲットとする反応性スパッタリング法により形成される。また、イオン貯蔵層161bの上には酸化タンタル薄膜である固体電解質層161cが形成される。固体電解質層161cは、酸素とアルゴンの混合雰囲気下での酸化タンタルをターゲットとするRFスパッタリング法により形成される。固体電解質層161cの上には白金薄膜であるプロトン注入層が形成される。また、プロトン注入層161dの上にはマグネシウム・ニッケル合金薄膜である反射率可変層161eが形成される。プロトン注入層161d及び反射率可変層161eは、アルゴン雰囲気下でのマグネトロンスパッタリング法により形成される。反射率可変層161eの成膜後、可変光学素子161は水素雰囲気に曝され、水素が可変光学素子161に取り込まれる。その後、可変光学素子161が形成された第1透明部材52の凹曲面と第2透明部材53の凸曲面とがシリコーン等の接着材(接着層161f)により貼り合わされる。なお、本実施形態の第1透明部材162の縁部の端面(図3における左端の面)の2箇所にはITO膜の導電層162a及び162bが形成されている。導電層162a及び162bは、透明電極層161a及び反射率可変層161eとそれぞれ電気的に接続されている。また、導電層162a及び162bは第1透明部材162の外周面まで延び、ワイヤ164a及び164bをそれぞれ介して視野切替制御回路116に接続されている。また、視野切替光学系160は円筒形状の側面窓165の先端側開口を塞ぐように配置され、封止材によって密封される。また、側面窓165の基端側開口には先端部14が挿入され、同様に封止材によって密封される。これにより、先端部14、視野切替光学系160、及び側面窓165によって囲まれた空間Sが密閉される。
次に、視野切替機構16の動作を説明する。まず、前方観察を行なうときには、ユーザは操作ボタン132やタッチパネル・ディスプレイ24を使用して前方視野へ切り替えるためのユーザ入力を行う。システム制御回路21は、このユーザ入力を認識すると、前方視野への切り替えを指令する信号を視野切替制御回路116へ送る。視野切替制御回路116は、前方視野への切り替え指令を受信すると、視野切替光学系160に接続された配線に負の直流電圧を印加する。ここで、負の直流電圧とは、可変光学素子の反射率可変層161eが陰極となるような直流電圧であり、具体的には反射率可変層161eに接続された配線を負極とし、透明電極層161aに接続された配線を正極とする直流電圧である。このとき、イオン貯蔵層161bに蓄積された水素イオンが反射率可変層161eへ移動して、反射率可変層161eが水素化されて透明状態に変化する。
このとき、一対のライトガイド15a、15bの先端から各配光レンズ142を介して射出した照明光は、可変光学素子161を透過して、第2透明部材163の平面から前方へ放射される。そして、視野切替機構16の前方に位置する観察部位(体腔内壁等)は、照明光で照射され、照射された照明光を散乱する。散乱光の一部は視野切替機構16へ向かって伝搬し、視野切替光学系160及び対物レンズ144を通過して、CCDイメージセンサ146の撮像面に前方視野の像が結像する。ここで、視野切替光学系160は、略一様な屈折率媒体とみなすことができ、前方観察における観察部位からの光(前方観察光)の入射面と射出面は互いに平行な平面であるため、前方観察光に対して屈折力をもたない。従って、前方観察光が視野切替光学系160を通過することによって、像に拡大・縮小・歪みが加えられることがなく、通常の電子スコープと同様の前方観察像が得られる。
次に後方観察の場合について説明する。ユーザが操作ボタン132等により側方・後方視野へ切り替えるためのユーザ入力を行うと、システム制御回路21がユーザ入力を認識し、側方・後方視野への切り替えを指令する信号を視野切替制御回路116へ送る。視野切替制御回路116は、側方・後方視野への切り替え指令を受信すると、視野切替光学系160に接続された配線に正の直流電圧を印加する。ここで、正の直流電圧とは、可変光学素子の反射率可変層161eが正極となるような直流電圧であり、具体的には反射率可変層161eに接続された配線を正極とし、透明電極層161aに接続された配線を負極とする直流電圧である。このとき、反射率可変層161eと結合していた水素イオンが透明電極層161aに向かって移動して、イオン貯蔵層161bに拘束される。これによって、反射率可変層161eは脱水素化されて反射状態に変化する。
このとき、一対のライトガイド15の先端から各配光レンズ142を介して射出した照明光は、視野切替光学系160に入射する。視野切替光学系160に入射した照明光は、反射率可変膜161bの表面で反射され、第1透明部材162の環状曲面から射出し、側面窓165を透過して観察部位を照射する。ここで、反射面は二葉双曲面の凸曲面であるため、反射光が挿入部14の先端方向と成す角は概ね±60〜150°の広い範囲に及ぶ。すなわち、反射率可変膜161bの表面で反射した照明光は、視野切替機構16の側方から後方にかけての広い範囲を照明する。観察部位により散乱された照明光の一部は視野切替機構16へ向かって伝搬し、視野切替光学系160に入射する。観察部位から戻った光(側方・後方観察光)は、反射率可変膜161bにより再び反射されてから対物レンズ144を通過して、CCDイメージセンサ146の撮像面に前方視野の像が結像する。なお、視野切替光学系160は、第1透明部材162の環状曲面と垂直入射した光線がCCDイメージセンサ146の撮像面に結像するように構成されている。このため、環状曲面は側方・後方観察光に対して仰角方向の屈折力を有さず、座標変換後の像に歪みを与えることがない。
また、前述したように、可変光学素子161の形状を定義する二葉双曲面の一方の曲面と対を成す他方の曲面の焦点に対物レンズ144の中心(第一主点)が配置されている。この構成により、周知の計算方法により可変光学素子161のミラー焦点(可変光学素子161の形状を定義する二葉双曲面の焦点)から見た平面透視投影画像や360度パノラマ画像への変換が容易な側方・後方視野の全方位画像が取得される。すなわち、側方・後方観察時には、プロセッサ20の映像信号処理回路において、CCDイメージセンサ146によって撮像された全方位画像を平面透視投影画像や360度パノラマ画へ画像変換する処理が行われ、平面透視投影画像や360度パノラマ画像に変換された側方・後方観察像がモニタ30に表示される。全方位画像をそのままモニタ30に表示することもできる。
このように、上記の実施形態においては、可変光学素子161の反射面を二葉双曲面の形状に形成することにより、平面透視投影画像や360度パノラマ画像への変換が可能な全方位画像の取得を可能にしている。また、可変光学素子161は十分な透過率を得るために薄膜の形態に加工する必要があり、可変光学素子161の少なくとも片面を光学ガラス等の固体透明媒質の基材に載せて支持しなければならない。しかしながら、片面だけを固体透明媒質の基材で支持して反対面を気体媒質中に露出させると、屈折率差の大きな曲面の界面が形成されるため、透過光(前方観察光)に対して屈折力が生じ、前方観察像に歪みを与えることになる。そのため、上記の実施形態では、可変光学素子161を両側から同じ材質のガラス部材で隙間無く挟み込む構成にすることにより、可変光学素子161による屈折力の発生を回避している。
しかしながら、2つのガラス部材に完全に同一形状の凹曲面と凸曲面を形成して、曲面同士を隙間無く張り合わせるには高度な加工技術が必要となる。次に説明する変形例は、第1透明部材と第2透明部材とを分離することで、高度な加工技術を不要にするものである。
図6は、本発明の実施形態の変形例における視野切替機構216の近傍を拡大した縦断面図である。本変形例に係る内視鏡装置1は、視野切替機構216(すなわち第1透明部材2162、第2透明部材2163、及び可変光学素子2161)を除いては、上記第1実施形態と実質的に同じ構成を有している。従って、以下の説明においては、視野切替機構216の構成及び機能を中心に、第1実施形態と相違する事項について説明する。また、第1実施形態と同一の又は対応する要素には、同一の又は類似する参照符号を用いて説明する。
図6に示されるように、変形例の視野切替機構216は、平凸レンズ形状の第1透明部材2162、平凹レンズ形状の第2透明部材2163、及び第1透明部材2162の凸面上に形成された可変光学素子2161から構成されている。対物レンズ144、第1透明部材2162、及び第2透明部材2163は、基端側からこの順に並べられ、互いに光軸が一致するように配置される。また、第1透明部材2162と第2透明部材2163の曲面は、それぞれ対物レンズ144に向けられている(言い換えれば、平面が先端側に向けられている)。変形例の可変光学素子2161は、上記実施形態と同様に、第1透明部材2162の球面上に透明電極層、イオン貯蔵層、固体電解質層、プロトン注入層、及び反射率可変層がスパッタリング技術によって順に成膜されたものである。可変光学素子2161は側面窓165と気密に接着されており、密閉空間Sを形成する。
第2透明部材2163は、第1透明部材2162と同じ材質のガラス部材であり、凹曲面は第1透明部材2162の凸曲面と同じ曲率の曲面に加工されている。すなわち、第2透明部材2163は第1透明部材2162と同じ大きさで逆符号の屈折力を有しており、第1透明部材2162と第2透明部材2163の屈折力は互いに打消し合う。このため、視野切替機構216によって前方観察像を拡大・縮小したり歪みを与えることはない。
1 内視鏡装置
10 電子スコープ
11 接続部
112 CCD駆動回路
114 信号処理回路
116 視野切替制御回路
12 ユニバーサルケーブル部
13 操作部
14 挿入部
142 配光レンズ
144 対物レンズ
146 CCDイメージセンサ(撮像素子)
148 鉗子チャネル
148a 鉗子挿入口
15 ライトガイド
16、216 視野切替機構
160 視野切替光学系
161、2161 可変光学素子
161a、2161a 透明電極層
161b、2161b イオン貯蔵層
161c、2161c 固体電解質層
161d、2161d プロトン注入層
161e、2161e 反射率可変層
162、2162 第1透明部材
163、2163 第2透明部材
165 側面窓
S 空間
20 プロセッサ
21 システム制御回路
22 光源部
30 外部モニタ

Claims (11)

  1. 複数の視野の観察が可能な内視鏡であって、
    観察する視野を切り替える視野切替機構を先端部に備え、
    前記視野切替機構は、透過状態と反射状態を取り得る光学素子を有し、該光学素子の状態を変えることにより、第1の視野の画像を形成する第1光路と、第2の視野の画像を形成する第2光路とを切り替えることを特徴とする内視鏡。
  2. 前記光学素子が透過状態のときに、該光学素子を透過する前記第1光路により第1の視野の画像が形成され、
    前記光学素子が反射状態のときに、該光学素子で反射する前記第2光路により第2の視野の画像が形成されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記光学素子は、反射率が可変であり、反射率の変化によって透過状態と反射状態とを切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡。
  4. 前記第1の視野は前方視野を含み、前記第2の視野は後方視野を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内視鏡。
  5. 前記第1の視野は前方視野を含み、前記第2の視野は側方視野を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内視鏡。
  6. 前記光学素子は、反射状態における反射面が全方位観察に適した形状に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内視鏡。
  7. 前記全方位観察に適した形状は二葉双曲面であることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡。
  8. 前記光学素子は反射率可変膜であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の内視鏡。
  9. 前記内視鏡は電子内視鏡であり、前記第1及び第2の視野の像は撮像素子の撮像面上に結像されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の内視鏡。
  10. 前記内視鏡は光ファイバ束を有するファイバスコープであり、前記第1及び第2の視野の像は光ファイバ束の先端の端面上に結像されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の内視鏡。
  11. 請求項6を直接又は間接的に引用する請求項9又は10に記載の内視鏡を接続可能な内視鏡用プロセッサであって、前記内視鏡によって撮像された全方位観察像を平面透視投影画像又はパノラマ画像に変換することを特徴とする内視鏡プロセッサ。
JP2009210283A 2009-09-11 2009-09-11 内視鏡及び内視鏡プロセッサ Withdrawn JP2011056107A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009210283A JP2011056107A (ja) 2009-09-11 2009-09-11 内視鏡及び内視鏡プロセッサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009210283A JP2011056107A (ja) 2009-09-11 2009-09-11 内視鏡及び内視鏡プロセッサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011056107A true JP2011056107A (ja) 2011-03-24

Family

ID=43944454

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009210283A Withdrawn JP2011056107A (ja) 2009-09-11 2009-09-11 内視鏡及び内視鏡プロセッサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011056107A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019032393A (ja) * 2017-08-07 2019-02-28 オリンパス株式会社 内視鏡先端部、内視鏡および光学アダプタ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019032393A (ja) * 2017-08-07 2019-02-28 オリンパス株式会社 内視鏡先端部、内視鏡および光学アダプタ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11490795B2 (en) Dynamic field of view endoscope
US7976459B2 (en) Portable endoscope for intubation
WO1996037796A1 (fr) Systeme d'endoscope stereoscopique et systeme de captage d'image televisuelle
US20070244357A1 (en) Scanned beam imagers and endoscopes utilizing multiple light collectors
US8092377B2 (en) Endoscope light intensity controller
CN108185977A (zh) 电子内窥镜系统以及用于内窥镜的光源
WO2019049997A1 (ja) 内視鏡システム
JP2010063485A (ja) 内視鏡用照明光学系及び内視鏡
JP5342973B2 (ja) 内視鏡装置
JP2011056107A (ja) 内視鏡及び内視鏡プロセッサ
CN216792582U (zh) 内窥镜偏振光光学适配器
CN216696844U (zh) 偏振光内窥镜光学适配器
CN115067864A (zh) 3d电子内窥镜及其摄像系统
JP2001087217A (ja) 内視鏡
JP3714636B2 (ja) 内視鏡装置
JP2011056106A (ja) 内視鏡用視野切替アダプタ
JP5438550B2 (ja) 内視鏡用撮像光学系及び内視鏡システム
JPWO2018151302A1 (ja) 光学装置
US20110105847A1 (en) Endoscope including a variable state optical member
JP4895630B2 (ja) 拡大観察用内視鏡装置
CN217548000U (zh) 一种偏振光内窥镜光学适配器
CN117838021A (zh) 内窥镜镜鞘保护结构
US20230116679A1 (en) Vision Sensor Apparatus
KR20040049036A (ko) 영상촬영수단을 구비하는 의료기구
WO2019049998A1 (ja) 内視鏡システム

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20121204