JP2011053631A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像の濃度の変化を防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、新しい現像器24が装着された場合、装着された現像器24の種類を判別し、判別した種類に対応する設定情報を、現像バイアス設定テーブルから選択して設定する。画像形成装置は、新しい現像器24が装着されてからの印字枚数をカウントしており、設定した設定情報に基づいて、印字枚数に対応する現像バイアス値を設定する。現像バイアス値は、現像器24の使用開始直後では最も高い値に制御され、印字枚数の増加に伴って低い値に制御される。また、印字枚数の増加に伴って低下される現像バイアス値の低下量が、印字枚数の増加に伴って少なくなるように、印字枚数に対応する現像バイアス値が制御される。
【選択図】図3
【解決手段】画像形成装置は、新しい現像器24が装着された場合、装着された現像器24の種類を判別し、判別した種類に対応する設定情報を、現像バイアス設定テーブルから選択して設定する。画像形成装置は、新しい現像器24が装着されてからの印字枚数をカウントしており、設定した設定情報に基づいて、印字枚数に対応する現像バイアス値を設定する。現像バイアス値は、現像器24の使用開始直後では最も高い値に制御され、印字枚数の増加に伴って低い値に制御される。また、印字枚数の増加に伴って低下される現像バイアス値の低下量が、印字枚数の増加に伴って少なくなるように、印字枚数に対応する現像バイアス値が制御される。
【選択図】図3
Description
本発明は、電子写真方式によって画像データに基づく画像を用紙上に形成する画像形成装置に関する。
電子写真プロセスを採用した画像形成装置は、帯電器を用いて帯電させた感光体ドラム(像担持体)に対して、処理対象の画像データに基づいて露光することにより感光体ドラム上に静電潜像を形成する。また、画像形成装置は、帯電させたトナー(現像剤)を、現像器によって静電潜像に供給し、感光体ドラム上にトナー像を形成し、形成されたトナー像を転写器によって感光体ドラムから用紙上に転写する。そして、画像形成装置は、用紙上に転写されたトナー像を定着器によって用紙上に定着させ、用紙上に画像を形成する。
このような画像形成装置では、一般的に、トナーカートリッジ(現像器)の使用開始直後でのトナーの帯電量が高く、時間の経過に伴ってトナーの帯電量が低下する傾向がある。よって、トナーカートリッジの使用開始直後から所定時間の間では、感光体ドラム上に現像されるトナーの濃度が低く、用紙上に形成される画像の濃度が低いという問題がある。また、時間の経過に伴って、感光体ドラム上に現像されるトナーの濃度が高くなることにより、用紙上に形成される画像の濃度が高くなるという問題がある。このような問題を解消するために、特許文献1では、画像形成を行なったプリント枚数に応じて、感光体ドラムの帯電電位又は現像器に印加される現像バイアスを制御する技術が提案されている。
また、特許文献2では、現像ローラの回転総時間又はプリント枚数に応じて、現像器(現像ローラ)に現像バイアスを印加する現像バイアス電源の出力を制御する技術が提案されている。また、特許文献3では、累積印字枚数(プリント枚数)が所定の値に達した場合に、現像バイアスを所定の値に変更する技術が提案されている。更に、特許文献4では、所定の条件に基づいて、静電潜像部の電位と現像バイアス電位との電位差を制御する技術が提案されている。
上述した各技術は、画像形成装置で使用されるトナーカートリッジの種類に拘わらず、プリント枚数又は現像ローラの回転総時間等に応じて、感光体ドラムの帯電電位又は現像バイアスを制御する構成である。即ち、同一の画像形成装置で使用できるトナーカートリッジの種類が複数あることは想定されていない。しかしながら、画像形成装置は、例えば、トナーの初期充填量が異なるトナーカートリッジの使用が可能に構成されている場合がある。
トナーの初期充填量が異なるトナーカートリッジでは、トナーの初期帯電量も異なるので、トナーカートリッジの使用開始直後における画像の初期濃度の低さも異なる。また、時間の経過に伴って低下するトナーの帯電量の変化量も異なる。従って、使用中のトナーカートリッジの種類に拘わらず同一の制御を行なった場合、異なる種類のトナーカートリッジ間において、画像の濃度を制御する際の制御精度が異なり、画像の濃度を一定に保てないという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用されるトナーカートリッジの種類及びトナーカートリッジの使用開始からの経過時間に拘わらず画像の濃度を保つことが可能な画像形成装置を提供することにある。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、該像担持体を帯電させる帯電器と、該帯電器によって帯電された前記像担持体の帯電面を露光して静電潜像を形成する露光器と、前記像担持体の帯電面に形成された静電潜像を、帯電された現像剤を用いて現像する現像器と、該現像器が装着されてからの印写枚数又は前記現像器の動作時間に対応して、前記静電潜像における帯電電位及び前記現像器に印加される現像バイアス電位の電位差を制御する制御部とを備える画像形成装置において、装着された前記現像器が用いる現像剤に係る種類を判別する判別部を備え、前記制御部は、前記判別部が判別した種類に対応して前記電位差を制御するようにしてあることを特徴とする。
本発明によれば、制御部は、現像器が装着されてからの印写枚数又は現像器の動作時間に対応して、像担持体の帯電面上に形成された静電潜像における帯電電位と、現像器に印加される現像バイアス電位との電位差(以下、現像電位差ともいう)を制御する。また、判別部が、装着された現像器が用いる現像剤の種類を判別し、制御部が、判別された種類に対応して現像電位差を制御する。よって、制御部は、使用されるトナーカートリッジ(現像器)に収納されているトナー(現像剤)の種類に応じて、現像電位差に対して異なる制御を行なうので、トナーカートリッジの種類毎に適切な制御が可能となる。これにより、いずれのトナーカートリッジを用いた場合であっても、制御精度が低下せず、画像の濃度を一定に保つことが可能となる。
本発明に係る画像形成装置は、前記判別部は、前記現像器に初期充填されている現像剤の量を判別するようにしてあることを特徴とする。
本発明によれば、制御部は、現像器に初期充填されている現像剤の量に対応して現像電位差を制御する。即ち、制御部は、装着されているトナーカートリッジにおけるトナーの初期充填量に応じて異なる処理によって、印写枚数又は現像器の動作時間に対応する現像電位差を制御する。
本発明に係る画像形成装置は、前記制御部は、前記現像器に印加される現像バイアス電位の絶対値を、前記印写枚数又は前記現像器の動作時間の増加に伴って段階的に小さい値に制御するようにしてあることを特徴とする。
本発明によれば、制御部は、現像器に印加される現像バイアス電位の絶対値を、現像器が装着されてからの印写枚数又は現像器の動作時間の増加に伴って段階的に小さい値に制御する。これにより、現像電位差が、印写枚数又は現像器の動作時間の増加に伴って段階的に小さい値に制御される。
本発明に係る画像形成装置は、前記制御部は、前記帯電器が帯電させる前記像担持体の帯電電位の絶対値を、前記印写枚数又は前記現像器の動作時間の増加に伴って段階的に大きい値に制御するようにしてあることを特徴とする。
本発明によれば、制御部は、像担持体の帯電電位の絶対値を、現像器が装着されてからの印写枚数又は現像器の動作時間の増加に伴って段階的に大きい値に制御する。これにより、露光後の静電潜像における帯電電位が、印写枚数又は現像器の動作時間の増加に伴って段階的に大きい値に制御され、その結果、現像電位差が、印写枚数又は現像器の動作時間の増加に伴って段階的に小さい値に制御される。
本発明では、トナーカートリッジが装着されてからの印写枚数又は動作時間に応じて現像電位差が制御される。よって、画像形成装置は、トナーカートリッジの使用開始直後における画像の濃度の低下を防止できると共に、時間の経過に伴って低下するトナーの帯電量に基づく画像の濃度の上昇を防止できる。また、使用されるトナーカートリッジの種類に応じて、現像電位差に対して異なる制御が行なわれるので、いずれのトナーカートリッジを用いた場合であっても、画像の濃度を一定に保つことができる。
本発明では、現像電位差が、トナーカートリッジにおけるトナーの初期充填量に応じて、印写枚数又は動作時間に対応する値に制御される。よって、トナーの初期充填量が異なるトナーカートリッジ間においては、トナーの初期帯電量、時間の経過に伴って低下するトナーの帯電量の変化量が異なるが、いずれのトナーカートリッジを用いた場合であっても、画像の濃度が一定に保たれる。
本発明では、画像形成装置が、現像電位差を、印写枚数又は動作時間の増加に伴って段階的に小さい値に制御することにより、トナーカートリッジの使用開始直後における画像の初期濃度を上昇させることができる。また、画像形成装置は、時間の経過に伴って低下するトナーの帯電量に基づく過剰現像を防止することができる。
本発明では、画像形成装置が、像担持体の帯電電位の絶対値を、印写枚数又は動作時間の増加に伴って段階的に大きい値に制御することにより、像担持体の帯電面に形成された静電潜像における帯電電位を段階的に上昇させることができる。これにより、画像形成装置は、現像電位差を段階的に小さい値に制御することができ、トナーカートリッジの使用開始直後における画像の初期濃度を上昇させることができる。また、画像形成装置は、時間の経過に伴って低下するトナーの帯電量に基づく過剰現像を防止することができる。
以下に、本発明に係る画像形成装置について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。以下では、本発明に係る画像形成装置が、原稿の画像を読み取るスキャナ機能、画像データに基づいてコピー用紙、OHP(Over Head Projector)シート等の用紙上に画像を形成するプリンタ機能を有する構成を例に説明する。なお、本発明に係る画像形成装置は、上述した各機能の他に、ネットワークを介して外部の装置との間でデータを送受信する通信機能、モデムを介して外部のファクシミリ装置との間でデータを送受信するファクシミリ機能等を有する構成でもよい。
(実施形態1)
以下に、実施形態1に係る画像形成装置について説明する。図1は実施形態1の画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。本実施形態1の画像形成装置1は、制御部2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、画像メモリ5、スキャナ部6、表示部7、操作部8、画像形成部20等を備える。上述したハードウェア各部はそれぞれバスを介して相互に接続されている。
以下に、実施形態1に係る画像形成装置について説明する。図1は実施形態1の画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。本実施形態1の画像形成装置1は、制御部2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、画像メモリ5、スキャナ部6、表示部7、操作部8、画像形成部20等を備える。上述したハードウェア各部はそれぞれバスを介して相互に接続されている。
制御部2は、具体的にはCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御部2は、バスを介して接続される上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、ROM3に格納されている制御プログラムを適宜実行する。ROM3は、画像形成装置1を本発明の画像形成装置として動作させるために必要な種々の制御プログラム、図2に示すような現像バイアス設定テーブル31等を予め記憶している。RAM4は、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)等の揮発性のメモリであり、制御部2による制御プログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。制御部2が、ROM3に記憶してある制御プログラムをRAM4に読み出して順次実行することにより、画像形成装置1が本発明の画像形成装置としての動作を行なう。
スキャナ部6は、原稿に対して読取用の光を照射する光源、CCD(Charged Coupled Device)ラインセンサ等を備えた読取部である。スキャナ部6は、光源をCCDラインセンサの長辺方向(主走査方向)と直交する方向(副走査方向)に走査させつつ読取処理を行なうことにより、2次元画像を読み取る。スキャナ部6は、CCDラインセンサによって、原稿から反射されてきた光をアナログの電気信号に変換し、画像信号として取得する。また、スキャナ部6はA/D(アナログ/デジタル)変換器を有しており、取得したアナログの画像信号に対してA/D変換処理を施し、デジタルの画像信号(画像データ)に変換し、取得した画像データを画像メモリ5へ出力する。
なお、スキャナ部6は、CIS(Contact Image Sensor)を利用したスキャナでもよい。また、スキャナ部6は、所定の原稿載置台上に載置された原稿を静止させた状態で読み取るFBS(Flat Bed Scanner)であってもよい。更に、スキャナ部6は、所定の原稿載置台上に積層された原稿束からADF(Automatic Document Feeder )機構によって1枚ずつ分離して搬送されてくる原稿を順次読み取る構成であってもよい。
画像メモリ5は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性のメモリである。画像メモリ5は、スキャナ部6が原稿を読み取って取得した画像データをページ単位で一時的に記憶する。画像メモリ5に記憶された画像データは、制御部2の指示に従って読み出され、画像形成部20へ出力される。なお、画像形成装置1が、外部装置から画像データを受信する構成である場合、画像メモリ5は、外部装置から受信された画像データも記憶する。
表示部7は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)であり、画像形成装置1の動作状況、ユーザに通知すべき情報、操作部8を介して入力された情報等を表示する。操作部8は、ユーザが画像形成装置1を操作するために必要な各種の操作キーを備えている。ユーザがいずれかの操作キーを操作した場合、操作部8は、操作された操作キーに対応して制御信号を制御部2へ送出し、制御部2は、操作部8から取得した制御信号に対応した処理を実行する。なお、表示部7及び操作部8の一部又は全部は、タッチパネルとして構成されてもよい。
画像形成部20は、電子写真方式のプリンタ装置である。画像形成部20は、画像メモリ5から出力された画像データに基づく画像を、ハードコピーとしてA3縦,B4縦,A4縦,B5横及びA5横等の各サイズの記録用紙又はOHPシート等から最適なサイズのものを選択して記録(印刷)する。従って、画像形成部20は、スキャナ部6が原稿を読み取って取得した画像データに基づく画像の形成を実行する。
上述した構成の画像形成装置1は、スキャナ部6によって原稿から読み取った画像データに基づいて、画像形成部20によって用紙上に画像を形成する複写機として動作する。また、画像形成装置1は、外部装置との間でデータの送受信が可能である場合、スキャナ部6によって得られた画像データを外部装置へ送信するネットワークスキャナとして動作する。更に、画像形成装置1は、外部装置から受信した画像データに基づいて、画像形成部20によって用紙上に画像を形成するネットワークプリンタとして動作する。
また、画像形成装置1は、外部のファクシミリ装置との間でデータの送受信が可能である場合、スキャナ部6によって得られた画像データを外部のファクシミリ装置へ送信するファクシミリ送信装置として動作する。更に、画像形成装置1は、外部のファクシミリ装置から受信したデータに基づいて、画像形成部20によって用紙上に画像を形成するファクシミリ受信装置として動作する。
本実施形態1の画像形成装置1は、上述した構成のほかに、例えば、スキャナ部6によって原稿を読み取って得られた画像データを符号化するためのコーデック、符号化された画像データを復号するためのコーデック等を備えてもよい。更に、本実施形態1の画像形成装置1は、符号化された符号化データを蓄積しておくためのイメージメモリを備えてもよい。
図2は現像バイアス設定テーブル31の格納内容を示す模式図である。現像バイアス設定テーブル31には、画像形成装置1で使用できる現像器24(図3参照)の種類(仕様)毎に、各種類に対応する設定情報が登録されている。設定情報は、印字枚数(印写枚数)に対応する現像バイアス設定値である。なお、現像バイアス設定値(現像バイアス電位、現像バイアス値)は、現像バイアス用高圧電源243(図3参照)が現像器24の現像ローラ241及び供給ローラ242(図3参照)に印加する電圧値であり、詳細には、電圧値の絶対値である。
図2では、現像器24の種類は、仕様A、仕様B、仕様Cで示されているが、現像器24の製品番号又は型番等であってもよい。なお、本実施形態1の画像形成装置1は、3種類の現像器24の装着が可能であるので、現像バイアス設定テーブル31には3種類の設定情報が登録されている。しかし、画像形成装置1は、2種類又は4種類以上の現像器24の装着が可能であってもよく、この場合、現像バイアス設定テーブル31に2種類又は4種類以上の設定情報が登録される。
現像バイアス設定テーブル31に登録されている設定情報は、現像器24の種類毎に予め設定された情報である。しかし、現像バイアス設定テーブル31を書き換え可能なメモリに格納させておき、ユーザ又はサービスマンによって更新できるようにしてもよい。なお、本実施形態1では、現像器24の種類(仕様)が異なる場合、初期充填されているトナーの量が異なる現像器を想定しているが、例えば、充填されているトナーの色又は電気的性質等の因子が異なる現像器であってもよい。
次に、画像形成部20の構成について詳述する。図3は画像形成部20の構成を示す模式図である。画像形成部20は、像担持体としての感光体ドラム21を備える。感光体ドラム21の周囲には時計回りに、帯電器22、露光器23、現像器24、転写ローラ25、メモリ除去ブラシ26等が配置されている。
感光体ドラム21は、例えば、アルミドラムの外周面に感光層が形成されており、図示しないモータからの制御に従って、所定の速度で時計回りに回転する。本実施形態1の画像形成装置1は、像担持体として感光体ドラム21を備える構成であるが、ドラム状の感光体に限らず、例えばベルト状に形成された感光体を用いてもよい。
帯電器22は、例えば、スコロトロン型のコロナチャージャーであり、感光体ドラム21の表面を均一的に帯電させる。なお、本実施形態1の帯電器22は、感光体ドラム21の表面をプラス極性に帯電させる。図3に示した帯電器22は、タングステン又はステンレススチール等で構成されたコロナワイヤ221を用いたチャージャー型帯電器であり、コロナワイヤ221は、帯電バイアス用高圧電源222に接続されている。帯電バイアス用高圧電源222によって帯電器22に帯電バイアスが印加された場合、コロナワイヤ221と感光体ドラム21との間にコロナ放電が発生し、コロナワイヤ221の周囲の空気が電離してイオンが発生する。発生したイオンが感光体ドラム21の表面へ導かれることにより、感光体ドラム21の表面が帯電する。
本実施形態1の帯電器22は、スコロトロン型の帯電器のほかに、コロトロン型の帯電器であってもよく、また、コロナワイヤ221の代わりに、針状又は鋸状の電極を用いた帯電器であってもよい。更に、帯電器22は、チャージャー型以外に、導電性ゴムローラを用いたローラ型又はファーブラシを用いたブラシ型等の帯電器であってもよい。
露光器23は、レーザ光を照射するレーザ照射部を備えたレーザスキャニングユニット(LSU:Laser Scanning Unit)、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)をアレイ状に並べたLEDプリントヘッド等である。露光器23は、画像メモリ5から取得した印刷用の画像データに基づいて発光し、帯電器22により帯電された感光体ドラム21の表面に光を照射して感光体ドラム21上のプラス電荷を除去する。これにより、印刷用の画像データに応じた静電潜像が感光体ドラム21の表面に形成される。なお、露光器23は、画像形成制御回路28に接続されており、画像形成制御回路28は、露光器23が感光体ドラム21に対して露光する露光量を制御する。
現像器24は、例えば、非磁性1成分トナー(現像剤)を収納すると共に、トナーを感光体ドラム21の表面に供給するための現像ローラ241及び供給ローラ242を備える。現像ローラ241及び供給ローラ242は、図示しないモータからの制御に従って所定の速度で反時計回りに回転する。また、現像ローラ241及び供給ローラ242は、現像バイアス用高圧電源243に接続されている。現像ローラ241及び供給ローラ242は、現像バイアス用高圧電源243によって現像バイアスが印加された場合、現像器24に収納されているトナーをプラス極性に帯電させると共に、帯電させたトナーを感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像に対して供給する。
マイナス極性に帯電しているトナーは、感光体ドラム21の表面においてレーザ光によってプラス電荷が除去された部分に吸着し、これにより、現像器24は、感光体ドラム21上の静電潜像を顕像化したトナー像(トナーによる画像)を形成する。なお、静電潜像に吸着されるトナーの量は、現像バイアス値と、静電潜像における帯電量(露光後の感光体ドラム21の表面電位)との差(現像電位差)が大きくなるほど多くなる。また、トナーは、非磁性1成分トナーに限定されない。
転写ローラ25は、図示しないモータからの制御に従って所定の速度で反時計回りに回転しつつ、搬送路Pに沿って搬送されてくる用紙を感光体ドラム21に押圧する。また、転写ローラ25は、転写バイアス用高圧電源251に接続されている。転写ローラ25は、転写バイアス用高圧電源251によって転写バイアスが印加された場合、搬送路Pに沿って搬送されてくる用紙に、トナーの帯電極性(ここでは、プラス極性)とは逆極性(ここでは、マイナス極性)の高電圧を印加する。転写ローラ25は、マイナス極性に帯電させた用紙を感光体ドラム21の表面に押し付けることにより、感光体ドラム21上に形成されたトナー像を用紙上に転写させる。感光体ドラム21上のトナー像を用紙上に転写させる方式としては、ローラ転写方式のほかに、コロナ転写方式、ブラシ転写方式及びベルト転写方式等が利用できる。
なお、搬送路Pにおいて、転写ローラ25の下流側には、転写ローラ25によって用紙上に転写されたトナー像を用紙に定着させる定着器27が設けられている。定着器27は、ヒータが内蔵された加熱ローラ271と、加熱ローラ271に圧接された加圧ローラ272とを備える。加熱ローラ271は、図示しないモータからの制御に従って所定の速度で時計回りに回転し、加圧ローラ272は、図示しないモータからの制御に従って所定の速度で反時計回りに回転する。
転写ローラ25によってトナー像が転写された用紙は、搬送路Pに沿って定着器27へ向けて搬送される。定着器27は、搬送されてきた用紙を、ヒータによって所定の定着温度に保たれた加熱ローラ271と加圧ローラ272との間に挟んで回転させ、加熱ローラ271及び加圧ローラ272からの熱及び圧力によりトナー像を用紙上に熱定着させる。トナー像を定着された用紙は、図示しない搬送ローラによって搬送され、排出トレイへ排出される。
メモリ除去ブラシ26は、メモリ除去ブラシ用高圧電源261に接続されており、メモリ除去ブラシ用高圧電源261によって電圧が印加された場合、感光体ドラム21の表面に残留している電荷を除去する。なお、感光体ドラム21の表面の電荷を除去する構成としては、メモリ除去ブラシ26のほかに、ローラ状又は針状の電極を用いた帯電器、コロトロン型又はスコロトロン型の帯電器等を用いてもよい。
本実施形態1の画像形成部20は、図3に示した構成のほかに、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像を用紙上に転写した後に感光体ドラム21の表面に付着している紙粉を除去するためのクリーナーを備えてもよい。クリーナーは、感光体ドラム21の表面に付着する紙粉をより効率よく回収するために、例えば、プラス極性に帯電させたブラシローラ、スポンジローラ又はブレード等を用いる。また、画像形成部20は、トナー像を転写された用紙を定着器27へ搬送させるために、用紙を感光体ドラム21から分離(剥離)させるための分離部を備えてもよい。分離部は、例えば、転写ローラ25によってマイナス極性に帯電された用紙に、プラス極性の高電圧を印加することにより、用紙を感光体ドラム21から分離させる。なお、分離部は、種々の帯電器を用いることができ、あるいは、フレームグランド(FG)の電位の電極を用いることができる。
画像形成部20は、制御部2からの指示に従って、上述した各部を制御する画像形成制御回路28を有する。画像形成制御回路28は、帯電バイアス用高圧電源222、現像バイアス用高圧電源243、転写バイアス用高圧電源251、メモリ除去ブラシ用高圧電源261等の動作を制御する。なお、画像形成制御回路28は、感光体ドラム21、現像ローラ241、供給ローラ242、転写ローラ25、加熱ローラ271、加圧ローラ272、図示しない搬送ローラを回転させるためのモータの動作も制御する。
上述した構成の画像形成装置1は、現像器24内のトナーが消費され、新しい現像器24が所定箇所に装着された場合、装着された現像器24の種類(仕様)を判別する。本実施形態1の画像形成装置1は、仕様が異なる複数種類の現像器24の装着が可能に構成されており、電気的な手段を用いて、装着された現像器24の種類を判別する。
以下に、画像形成装置1が、装着された現像器24の種類を判別するための機構について説明する。図4A及び図4Bは画像形成装置1に装着された現像器24と画像形成装置1本体との電気的な接続機構を説明するための模式図である。現像器24の外周面の適宜箇所に、図4Aに示すような接続部50が設けられている。接続部50は、第1接続部材51、第2接続部材52、コイルバネ53,54、ヒューズ部材55等を有する。
第1接続部材51は、金属製の細径の線材であり、L字状に形成されたL字状部分511と、直線状に形成された直線状部分512とを有する。L字状部分511の一端部は鉤状に折り曲げられており、他端部から所定の角度(図4Aでは、他端部からの延設方向に対して45度程度)を有して直線状部分512が延設されている。第2接続部材52は、金属製の細径の線材であり、L字状に形成されており、第1接続部材51のL字状部分511と同様に、一端部が鉤状に折り曲げられている。第1接続部材51のL字状部分511の鉤状に折り曲げられた端部と、第2接続部材52の鉤状に折り曲げられた端部とにはそれぞれ、コイルバネ53,54が装着されており、2つのコイルバネ53,54間にはヒューズ部材55が保持されている。
画像形成装置1本体側には、現像器24が装着された場合に、現像器24に設けられた接続部50の第2接続部材52の、コイルバネ54が設けられていない他端部が当接される位置に、接続端子43が設けられている。また、画像形成装置1本体側には、現像器24が装着された場合に、第1接続部材51の直線状部分512が当接される位置に接続端子40,41,42が設けられている。
なお、現像器24に設けられる接続部50は、現像器24の種類(仕様)に応じて、第1接続部材51の直線状部分512の長さを異ならせてある。よって、直線状部分512が接続端子40までの長さである場合には、接続端子40のみが第1接続部材51に当接する。また、直線状部分512が接続端子41までの長さである場合には、接続端子40,41が第1接続部材51に当接する。更に、直線状部分512が接続端子42までの長さである場合には、接続端子40,41,42の全てが第1接続部材51に当接する。
従って、現像器24が画像形成装置1本体に装着されて接続部50が画像形成装置1本体側の接続端子40〜43のいずれかに当接した場合、図4Bに示すような状態の回路が形成される。画像形成装置1本体側では、接続端子40が接地電位に設定されており、例えば画像形成制御回路28が、接続端子40,42間又は接続端子40,41間が導通しているか否かを検出する。
画像形成制御回路28は、接続端子40,42間の導通を検出した場合、第1接続部材51の直線状部分512が接続端子42までの長さであると判断する。また、画像形成制御回路28は、接続端子40,42間の導通を検出できず、接続端子40,41間の導通を検出した場合、第1接続部材51の直線状部分512が接続端子41までの長さであると判断する。更に、画像形成制御回路28は、接続端子40,41間の導通を検出できない場合、第1接続部材51の直線状部分512が接続端子40までの長さであると判断する。このようにして、本実施形態1の画像形成部20は、装着された現像器24に取り付けられた接続部50の第1接続部材51の長さに基づいて、現像器24の種類を3種類のいずれかに判別する。
画像形成制御回路28は、例えば、接続部50の第1接続部材51が接続端子42までの長さであると判断した場合、このときの現像器24の種類は仕様Aであると判別する。また、画像形成制御回路28は、例えば、接続部50の第1接続部材51が接続端子41までの長さであると判断した場合、このときの現像器24の種類は仕様Bであると判別する。更に、画像形成制御回路28は、例えば、接続部50の第1接続部材51が接続端子40までの長さであると判断した場合、このときの現像器24の種類は仕様Cであると判別する。従って、画像形成制御回路(判別部)28は、現像器24が装着された場合、装着された現像器24の種類を判別し、判別した現像器24の種類(仕様A,B,C)を制御部2に通知する。
また、画像形成制御回路28は、新しい現像器24が装着された場合に、接続端子40,43間にヒューズ部材55が溶断する程度の電流を流すようにしておき、新しい現像器24の装着時にヒューズ部材55を切断する。このような構成により、画像形成装置1に一旦装着された現像器24では、接続端子40,43間が導通されないので、接続端子40,43間の導通の有無を検出することにより、現像器24が新たに装着されたものであるか否かを判断できる。
なお、本実施形態1の現像器24は、トナーの収容器と現像ローラ241及び供給ローラ242とが一体に構成されているが、この構成に限らない。例えば、現像器は画像形成装置1の所定箇所に予め設けられており、ユーザは、トナーを収容したトナーカートリッジのみを画像形成装置1の所定箇所に装着する構成の画像形成装置でもよい。
また、装着された現像器24の種類を判別するための構成としては、例えば、現像器24又はトナーカートリッジに、現像器24に関する情報を記憶したメモリを取り付けておく構成が考えられる。このような構成では、画像形成装置1は、装着された現像器24に取り付けられたメモリから、現像器24に関する情報を読み出すことにより、装着された現像器24の種類を判別できる。なお、本実施形態1の画像形成装置1は、現像器24のトナーの初期充填量に応じて設定情報を切り替える構成であるので、装着された現像器24の種類を判別する構成の代わりに、現像器24のトナーの初期充填量を計測する構成を備えてもよい。
上述したように、新しい現像器24が装着された画像形成装置1において、制御部2は、装着された現像器24の種類を画像形成部20から通知される。現像器24の種類を通知された場合、制御部2は、装着された現像器24の種類に応じた設定情報を現像バイアス設定テーブル31から読み出して設定する。なお、制御部2には不揮発性メモリが内蔵されており、制御部2は、現像バイアス設定テーブル31から読み出した設定情報を不揮発性メモリに格納させることにより設定する。制御部2は、設定情報の設定後、設定情報に含まれる初期電位を読み出す。そして、制御部2は、現像バイアス用高圧電源243によって現像ローラ241及び供給ローラ242に印加される現像バイアス値が、読み出した初期電位になるように、画像形成部20の画像形成制御回路28に対して指示する。これにより、装着された現像器24の種類に応じた初期電位での現像バイアスの印加が可能となる。
また、上述したように設定情報が設定された画像形成装置1において、制御部2は、画像形成部20による印字処理を実行した場合、印字枚数をカウントする。なお、例えば、制御部2にカウンタが設けられており、制御部2は、1枚分の印字処理を終了する都度、カウンタの値をインクリメントする。また、制御部2は、カウンタの値を更新した場合、更新したカウンタの値と、設定した設定情報とに基づいて、現像バイアス値を変更すべきか否かを判断する。例えば、仕様Aの設定情報が設定されている場合に、更新したカウンタの値が501、1001又は1501等であった場合、制御部2は、現像バイアス値を変更すべきであると判断する。
制御部2は、現像バイアス値を変更すべきであると判断した場合、カウンタの値に対応する現像バイアス値を、設定されている設定情報から読み出す。そして、制御部2は、現像バイアス用高圧電源243によって現像ローラ241及び供給ローラ242に印加される現像バイアス値が、読み出した現像バイアス値になるように、画像形成部20の画像形成制御回路28に対して指示する。これにより、装着された現像器24の種類に応じ、且つ、時間の経過に伴う画像の濃度の変化を補正できる現像バイアスの印加が可能となる。
以下に、上述した構成の画像形成装置1において、現像器24が装着された場合に制御部2が行なう処理についてフローチャートに基づいて説明する。図5は現像器24が装着された場合に制御部2が行なう処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、ROM3に格納されている制御プログラムに従って制御部2により実行される。
画像形成装置1の所定箇所に現像器24が装着された場合、現像器24に取り付けられている接続部50の第1接続部材51及び第2接続部材52が、画像形成装置1本体側の接続端子40〜43のいずれかに当接する。画像形成部20(画像形成制御回路28)は、接続端子40,43間が導通しているか否かを検出し、導通している場合、新しい現像器24が装着されたと判断する。また、画像形成部20は、接続部50の第1接続部材51が接続端子40〜42のいずれに当接しているかを検出することにより、装着された現像器24の種類(仕様)を判別する。画像形成部20は、新しい現像器24が装着されたと判断した場合、その旨と、装着された現像器24の種類とを制御部2に通知する。なお、画像形成部20は、新しい現像器24が装着されたことを検出した場合、接続部50のヒューズ部材55を溶断させておく。
制御部2は、画像形成部20からの通知に基づいて、新しい現像器24が装着されたか否かを判断しており(S1)、新しい現像器24が装着されていないと判断した場合(S1:NO)、処理を終了する。新しい現像器24が装着されたと判断した場合(S1:YES)、制御部2は、画像形成部20からの通知に基づいて、装着された現像器24の種類を判別する(S2)。制御部2は、判別した種類に応じた設定情報を、現像バイアス設定テーブル31に登録してある設定情報から選択し(S3)、選択した設定情報を現像バイアス設定テーブル31から読み出して設定する(S4)。
制御部2は、設定した設定情報から初期電位を読み出し、現像バイアス用高圧電源243によって現像ローラ241及び供給ローラ242に印加される現像バイアス値を、読み出した初期電位に設定する(S5)。具体的には、制御部2は、現像バイアス値が、読み出した初期電位になるように、画像形成部20の画像形成制御回路28に指示する。また、制御部2は、印字枚数をカウントするためのカウンタの値をリセットし(S6)、処理を終了する。その後、制御部2は、画像形成装置1が行なう通常の動作を行なう。
次に、装着された現像器24の種類に対応する設定情報が設定されている画像形成装置1において、印字処理の際に制御部2が行なう処理についてフローチャートに基づいて説明する。図6は画像形成装置1による印字処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、ROM3に格納されている制御プログラムに従って制御部2により実行される。
制御部2は、例えば、コピー開始を指示する操作キーが操作されたか否かに基づいて、印字要求があるか否かを判断する(S11)。印字要求がないと判断した場合(S11:NO)、制御部2は、そのほかの処理を行ないつつ待機する。印字要求があると判断した場合(S11:YES)、制御部2は、要求された印字処理を実行する(S12)。具体的には、制御部2は、所定の原稿載置台に載置された原稿をスキャナ部6によって読み取り、得られた画像データに基づく画像を画像形成部20によって用紙に形成する。
制御部2は、1枚分の印字処理を実行する都度、カウンタの値を更新し(S13)、印字枚数をカウントする。制御部2は、更新したカウンタの値と、設定した設定情報とに基づいて、現像バイアス値を変更すべきか否かを判断する(S14)。現像バイアス値を変更すべきであると判断した場合(S14:YES)、制御部2は、変更すべき現像バイアス値を、設定されている設定情報から読み出し、現像ローラ241及び供給ローラ242に印加される現像バイアス値を、読み出した現像バイアス値に設定する(S15)。具体的には、制御部2は、現像バイアス値が、読み出した現像バイアス値になるように、画像形成部20の画像形成制御回路28に指示する。現像バイアス値を変更すべきでないと判断した場合(S14:NO)、制御部2は、ステップS15の処理をスキップし、印字が終了したか否かを判定する(S16)。印字が終了していないと判定した場合(S16:NO)、制御部2は、ステップS13に処理を戻し、印字が終了したと判定した場合(S16:YES)、処理を終了する。
上述したように、本実施形態1の画像形成装置1は、装着される現像器24の種類に対応する設定情報に基づいて、現像バイアス値を適宜変更することにより、現像バイアス値と静電潜像における帯電量との差(現像電位差)を制御する。これにより、画像形成装置1は、静電潜像に吸着されるトナーの量を制御し、時間の経過に伴うトナーの帯電量の低下に基づく画像の濃度の変化を補正する。よって、画像形成装置1は、いずれの現像器24を用いた場合であっても、現像器24の使用開始直後における画像の初期濃度の低下を防止すると共に、時間の経過に伴うトナーの帯電量の低下に基づく画像の濃度の変化(過剰現像)を防止する。
なお、図2に示す現像バイアス設定テーブル31では、仕様A,Bでは同じ初期電位が設定されているが、仕様Cでは仕様A,Bとは異なる初期電位が設定されている。これは、現像器24に初期充填されているトナーの量が異なる場合、トナーの初期帯電量も異なるからである。なお、仕様A,Bにおいても異なる初期電位が設定されてもよい。これにより、トナーの初期充填量が異なることによって、現像器24の使用開始直後における画像の初期濃度が異なるが、いずれの現像器24を使用する場合であっても、画像の初期濃度を一定に保つことができる。
また、図2に示す現像バイアス設定テーブル31では、現像器24の仕様に応じて、現像バイアス値を変更するタイミングが異なる設定情報が登録されている。具体的には、仕様Aについては、印字枚数が500枚毎に異なる現像バイアスが設定されており、仕様B,Cについては、印字枚数が1000枚毎に異なる現像バイアスが設定されている。これは、現像器24に初期充填されているトナーの量が異なる場合、時間の経過に伴って低下するトナーの帯電量も異なるからである。これにより、現像器24の種類(トナーの初期充填量)に拘わらず、現像器24の使用開始からの時間の経過に伴うトナーの帯電量の低下に基づく画像の濃度の上昇が補正される。
また、図2に示す現像バイアス設定テーブル31では、それぞれの仕様において、印字枚数の増加に伴って段階的に小さくなる現像バイアス値が設定されている。即ち、現像器24の装着直後の初期電位に、最も大きな現像バイアス値が設定されている。これは、現像器24の使用開始直後はトナーの帯電量が高く、感光体ドラム21上に現像されるトナーの濃度が低いからである。このように、画像形成装置1は、現像器24の使用開始直後の現像バイアス値を高い値とすることにより、現像バイアス値と静電潜像における帯電量との差を大きくすることができる。その結果、画像形成装置1は、静電潜像に吸着されるトナーの量を多くすることができ、現像器24の使用開始直後における画像の濃度の低下を防止できる。
また、現像バイアス設定テーブル31では、印字枚数の増加に伴って減少させる現像バイアス値の減少量が小さくなるように現像バイアス値が設定されている。例えば、仕様Aでは、初期電位(425V)から、印字枚数が501枚以降に対応する現像バイアス値(395V)への変化量(減少量)が30Vであるのに対して、印字枚数が1001枚以降に対応する現像バイアス値(390V)への変化量(395-390)は5Vである。これは、トナーの帯電量が、現像器24の使用開始から時間の経過に伴って低下するが、その低下量(変化量)が、時間の経過に伴って少なくなるからである。これにより、時間の経過に伴ってトナーの帯電量の低下量が少なくなるが、このようなトナーの帯電量に基づく画像の濃度の上昇を防止し、画像の濃度を一定に保つことができる。
本実施形態1の現像バイアス設定テーブル31では、現像バイアス値を変更させるタイミングとして、印字枚数が設定されていた。このほかに、例えば、現像器24が装着されてから現像バイアス用高圧電源243が現像ローラ241及び供給ローラ242に現像バイアスを印加した時間(現像器24の動作時間)を用いてもよい。
(実施形態2)
以下に、実施形態2に係る画像形成装置について説明する。なお、本実施形態2の画像形成装置は、上述した実施形態1の画像形成装置1と同様の構成によって実現できるので、構成についての説明は省略する。
以下に、実施形態2に係る画像形成装置について説明する。なお、本実施形態2の画像形成装置は、上述した実施形態1の画像形成装置1と同様の構成によって実現できるので、構成についての説明は省略する。
上述した実施形態1の画像形成装置1は、図2に示した現像バイアス設定テーブル31を用いて現像バイアス値を制御することによって、現像バイアス値と静電潜像における帯電量との差を制御し、画像の濃度の変化を防止していた。本実施形態2の画像形成装置1は、現像バイアス値は制御せずに、帯電バイアス用高圧電源222によって帯電器22に印加される帯電バイアス値を制御することによって、現像バイアス値と静電潜像における帯電量との差を制御する。なお、帯電バイアス値を上下させることによって、感光体ドラム21の帯電電位が上下し、露光後の静電潜像における帯電電位が上下する。
本実施形態2の画像形成装置1は、図1,3に示す構成を備えるが、図2に示した現像バイアス設定テーブル31の代わりに、図7に示すような帯電バイアス設定テーブルをROM3に格納している。図7は帯電バイアス設定テーブルの格納内容を示す模式図である。帯電バイアス設定テーブルには、現像バイアス設定テーブル31と同様に、画像形成装置1で使用できる現像器24の種類(仕様)毎に、各種類に対応する設定情報が登録されている。本実施形態2の設定情報は、印字枚数(印写枚数)に対応する帯電バイアス設定値である。なお、帯電バイアス設定値(帯電バイアス値)は、帯電バイアス用高圧電源222が帯電器22に印加する電圧値であり、詳細には、電圧値の絶対値である。
図7でも、現像器24の種類は、仕様A、仕様B、仕様Cで示されているが、現像器24の製品番号又は型番等であってもよい。また、本実施形態2の画像形成装置1も、3種類の現像器24の装着が可能であるので、帯電バイアス設定テーブルには3種類の設定情報が登録されているが、このような構成に限らない。帯電バイアス設定テーブルに登録されている設定情報も、現像器24の種類毎に予め設定された情報である。しかし、帯電バイアス設定テーブルを書き換え可能なメモリに格納させておき、ユーザ又はサービスマンによって更新できるようにしてもよい。
本実施形態2の画像形成装置1において、現像器24が装着された場合に制御部2が行なう処理は、図5に示した処理と同様であるので説明を省略する。なお、本実施形態2の画像形成装置1は、図5中のステップS3の処理で、装着された現像器24の種類に応じた設定情報を、図7に示す帯電バイアス設定テーブルに登録してある設定情報から選択する。また、本実施形態2の画像形成装置1において、印字処理の際に制御部2が行なう処理は、図6に示した処理と同様であるので説明を省略する。なお、本実施形態2の画像形成装置1は、図6中のステップS14の処理で、カウンタの値と設定情報とに基づいて、帯電バイアス用高圧電源222が帯電器22に印加する帯電バイアス値を変更すべきか否かを判断する。
また、本実施形態2の画像形成装置1は、図6中のステップS15の処理で、変更すべき帯電バイアス値を、設定されている設定情報から読み出し、帯電器22に印加される帯電バイアス値を、読み出した帯電バイアス値に設定する。なお、具体的には、制御部2は、帯電バイアス用高圧電源222によって帯電器22に印加される帯電バイアス値が、読み出した帯電バイアス値になるように、画像形成部20の画像形成制御回路28に指示する。
上述した帯電バイアス設定テーブルを用いて帯電バイアス値を制御することにより、本実施形態2の画像形成装置1は、いずれの現像器24を用いた場合であっても、現像器24の使用開始直後における画像の初期濃度の低下を防止できる。また、本実施形態2の画像形成装置1は、時間の経過に伴うトナーの帯電量の低下に基づく画像の濃度の変化(過剰現像)を防止できる。
図7に示す帯電バイアス設定テーブルにおいても、仕様A,Bでは同じ初期電位が設定されているが、仕様Cでは仕様A,Bとは異なる初期電位が設定されている。これにより、トナーの初期充填量が異なることによって、現像器24の使用開始直後における画像の初期濃度が異なるが、いずれの現像器24を使用する場合であっても、画像の初期濃度を一定に保つことができる。
また、図7に示す帯電バイアス設定テーブルにおいても、現像器24の仕様に応じて、帯電バイアス値を変更するタイミングが異なる設定情報が登録されている。具体的には、仕様Aについては、印字枚数が500枚毎に異なる帯電バイアスが設定されており、仕様B,Cについては、印字枚数が1000枚毎に異なる帯電バイアスが設定されている。これにより、現像器24の種類(トナーの初期充填量)に拘わらず、現像器24の使用開始からの時間の経過に伴うトナーの帯電量の低下に基づく画像の濃度の上昇が補正される。
また、図7に示す帯電バイアス設定テーブルでは、それぞれの仕様において、印字枚数の増加に伴って段階的に大きくなる帯電バイアス値が設定されている。即ち、現像器24の装着直後の初期電位に、最も小さな帯電バイアス値が設定されている。このように、画像形成装置1は、現像器24の使用開始直後の帯電バイアス値を低い値とすることにより、現像バイアス値と静電潜像における帯電量との差を大きくすることができる。その結果、画像形成装置1は、静電潜像に吸着されるトナーの量を多くすることができ、現像器24の使用開始直後における画像の濃度の低下を防止できる。
また、帯電バイアス設定テーブルでは、印字枚数の増加に伴って増加させる帯電バイアス値の増加量が小さくなる帯電バイアス値が設定されている。例えば、仕様Aでは、初期電位(800V)から、印字枚数が501枚以降に対応する帯電バイアス値(815V)への変化量(増加量)が15Vであるのに対して、印字枚数が1001枚以降に対応する帯電バイアス値(820V)への変化量(820-815)は5Vである。これは、トナーの帯電量が、現像器24の使用開始から時間の経過に伴って低下するが、その低下量(変化量)が、時間の経過に伴って少なくなるからである。これにより、時間の経過に伴ってトナーの帯電量の低下量が少なくなるが、このようなトナーの帯電量に基づく画像の濃度の上昇を防止し、画像の濃度を一定に保つことができる。
本実施形態2の帯電バイアス設定テーブルにおいても、帯電バイアス値を変更させるタイミングとして、印字枚数のほかに、例えば、現像器24の動作時間を用いてもよい。
上述した実施形態では、帯電器22によって感光体ドラム21はプラス極性に帯電され、現像ローラ241及び供給ローラ242によってトナーはプラス極性に帯電され、転写ローラ25によって用紙はマイナス極性に帯電される構成である。しかし、画像形成部20は、それぞれを逆の極性に帯電させる構成であってもよい。具体的には、帯電器22が感光体ドラム21をマイナス極性に帯電させ、現像ローラ241及び供給ローラ242がトナーをマイナス極性に帯電させ、転写ローラ25が用紙をプラス極性に帯電させる構成としてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施形態に限定されることはない。
1 画像形成装置
2 制御部
20 画像形成部
21 感光体ドラム(像担持体)
22 帯電器
23 露光器
24 現像器
28 画像形成制御回路(制御部、判別部)
2 制御部
20 画像形成部
21 感光体ドラム(像担持体)
22 帯電器
23 露光器
24 現像器
28 画像形成制御回路(制御部、判別部)
Claims (4)
- 像担持体と、該像担持体を帯電させる帯電器と、該帯電器によって帯電された前記像担持体の帯電面を露光して静電潜像を形成する露光器と、前記像担持体の帯電面に形成された静電潜像を、帯電された現像剤を用いて現像する現像器と、該現像器が装着されてからの印写枚数又は前記現像器の動作時間に対応して、前記静電潜像における帯電電位及び前記現像器に印加される現像バイアス電位の電位差を制御する制御部とを備える画像形成装置において、
装着された前記現像器が用いる現像剤に係る種類を判別する判別部を備え、
前記制御部は、前記判別部が判別した種類に対応して前記電位差を制御するようにしてあることを特徴とする画像形成装置。 - 前記判別部は、前記現像器に初期充填されている現像剤の量を判別するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記現像器に印加される現像バイアス電位の絶対値を、前記印写枚数又は前記現像器の動作時間の増加に伴って段階的に小さい値に制御するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記帯電器が帯電させる前記像担持体の帯電電位の絶対値を、前記印写枚数又は前記現像器の動作時間の増加に伴って段階的に大きい値に制御するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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JP2015197505A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-09 | ブラザー工業株式会社 | 画像形成装置 |
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2009
- 2009-09-04 JP JP2009205140A patent/JP2011053631A/ja active Pending
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