JP2011053580A - 表示装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】単一導電型の素子で構成された走査線駆動回路を有する表示装置において、電源供給の遮断時に画素に蓄積された電荷を一斉放電させる回路構成を提供する。
【解決手段】出力信号を出力端子に出力する出力回路と、方向信号によって前記出力回路に入力する信号を選択して前記出力回路に出力する切替回路と、を有した複数の単位回路からなり、1つの前記単位回路の前記切替回路が他の複数の前記単位回路から出力される前記出力信号のうちの一つを選択して当該1つの単位回路の前記出力回路に出力することで、当該1つの単位回路の前記出力端子から前記出力信号が出力されるように構成されたスキャナーにおいて、外部から供給される電源電圧の低下を検出する制御回路を設け、該電源電圧の降下検出時に前記切替回路を遮断することにより効率よく画素に蓄積された電荷を一斉に放電させる。
【選択図】図7
【解決手段】出力信号を出力端子に出力する出力回路と、方向信号によって前記出力回路に入力する信号を選択して前記出力回路に出力する切替回路と、を有した複数の単位回路からなり、1つの前記単位回路の前記切替回路が他の複数の前記単位回路から出力される前記出力信号のうちの一つを選択して当該1つの単位回路の前記出力回路に出力することで、当該1つの単位回路の前記出力端子から前記出力信号が出力されるように構成されたスキャナーにおいて、外部から供給される電源電圧の低下を検出する制御回路を設け、該電源電圧の降下検出時に前記切替回路を遮断することにより効率よく画素に蓄積された電荷を一斉に放電させる。
【選択図】図7
Description
本発明は、表示装置及びこの表示装置を備えた電子機器に関し、特に、複数の単位回路からなるスキャナーを有する表示装置に関する。
トランジスターなどのアクティブ素子が形成されたアクティブマトリックス基板を用いた表示装置(例えば液晶表示装置)を低コスト化する手法として、アクティブマトリックス基板と同一基板上に、画素を駆動するための駆動回路を内蔵する技術が知られている。このとき、n型もしくはp型のどちらかの導電型のトランジスターのみで駆動回路を構成すれば、トランジスターの製造プロセスが複雑にならずコスト削減効果は大きくなる。このようなどちらかの導電型のトランジスターのみで回路が構成された単位回路からなるスキャナーが数多く提案されている。
例えば、供給信号をブートストラップを用いて選択的に走査線へ出力する出力トランジスターを有し、前段の走査線が選択電位になるときに出力トランジスターのゲート電極も同時に選択電位に充電して出力トランジスターを導通状態にし、後段の走査線が選択電位になると、今度は出力トランジスターのゲート電極に非選択電位を充電して出力トランジスターを非導通状態にするように構成された単位回路からなるスキャナーが提案されている(例えば特許文献1)。
また、例えば表示装置が液晶表示装置である場合は、液晶表示装置に対して外部から供給される電源が遮断された時、画素内(画素電極)に残った電荷により液晶素子や配向膜にダメージが加わり、表示ムラやコントラスト低下などの発生によって表示品位を低下せしめることがある。そこで、このような表示品位の低下を防止するため、電源の遮断によって表示装置内で生ずる電源にかかわる電圧の低下を検出したときに、全段の走査線に選択電位を印加し、全画素電極の電荷を一斉放電する技術が提案されている(例えば特許文献2,3)。
しかしながら、特許文献1のような回路構成を有するスキャナーの場合、特許文献2または特許文献3に開示された技術を用い、全画素電極の電荷を一斉放電するべく、全段の走査線に選択電位を一斉に印加すると、各段の出力トランジスターのゲート電極に選択電位と非選択電位とが同時に書き込まれる場合が存在する。このため、回路に貫通電流が流れてスキャナーの回路動作が不安定化する問題点がある。この結果、走査線に選択電位を供給することができない場合が生じ、画素電極に残った電荷を放電することができずに表示品位が低下する虞があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]出力信号を出力端子に出力する出力回路と、方向信号によって前記出力回路に入力する信号を選択して前記出力回路に出力する切替回路と、を有した複数の単位回路からなり、1つの前記単位回路の前記切替回路が他の複数の前記単位回路から出力される前記出力信号のうちの一つを選択して当該1つの単位回路の前記出力回路に出力することで、当該1つの単位回路の前記出力端子から前記出力信号が出力されるとともに、前記出力信号の出力順となるスキャン方向が切り替えられるように構成されたスキャナーと、前記スキャナーに前記方向信号を含む制御信号を供給するとともに、外部から供給される電源電圧の低下を検出する制御回路と、前記複数の単位回路のそれぞれの前記出力端子に接続された走査線と、前記走査線のそれぞれに接続された画素スイッチング素子と、を有した表示装置であって、前記制御回路は、前記電源電圧の低下を検出した際には、前記制御信号を第1の状態に変化させ、前記制御信号が前記第1の状態にある間は、前記切替回路は、前記他の複数の単位回路から出力される出力信号が、前記1つの単位回路の前記出力回路に出力することを停止し、全ての前記単位回路の出力回路は、前記画素スイッチング素子を導通状態にする選択電位を、前記出力端子から出力するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、複数の単位回路から構成されたスキャナーにおいて、スキャン前段の単位回路からの出力信号とスキャン後段の単位回路からの出力信号が同時に選択されても第1の状態にある間は切替回路から出力回路への出力が抑制される。従って、単位回路内で短絡が生じるなどの不具合が生じることがなく、全走査線に画素スイッチング素子を導通状態にする選択電位を出力することができる。この結果、表示装置に対して外部から供給される電源が突然遮断され、正常な終了シーケンスを完了することが出来なくとも、全ての画素電極の電荷を安定して一斉放電することができる。
[適用例2]上記表示装置であって、前記切替回路は、一ないし複数の方向スイッチから構成され、前記制御信号が前記第1の状態にある間は、前記一ないし複数の方向スイッチが非導通状態となることによって、前記他の複数の単位回路の出力信号が、前記1つの単位回路の前記出力回路に出力することを停止するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、切替回路をスキャン方向を選択する方向スイッチとするので、素子数の増大がなく、回路面積が増加しないスキャナーを構成することができる。従って、表示装置に対して外部から供給される電源が遮断されても、スキャナーの回路動作が不安定化することなく全ての画素電極の電荷を一斉に放電することができるとともに、表示装置の大型化を抑制したり製造負荷を軽減したりすることができる。
[適用例3]上記表示装置であって、前記単位回路は、前記出力信号が前記出力回路より前記出力端子に出力されない非選択期間中に、前記出力端子の電位を、前記複数の画素スイッチング素子を非導通状態にする非選択電位に保持するためのプルダウントランジスターを有しており、前記制御信号が前記第1の状態にある間は、前記プルダウントランジスターによる前記出力端子への前記非選択電位の出力を停止するように構成されていることを特徴とする。
表示装置に対して外部から供給される電源が遮断された状態において、走査線への選択電位の書き込みをする際、プルダウントランジスターによる非選択電位の書き込み動作を続けたままだと選択電位の書き込みが不十分となって画素電極に残った電荷の放電が妨げられる。そこで、このように構成すれば、表示装置に対して外部から供給される電源が遮断された時に、プルダウントランジスターの非選択電位の書き込みを停止するので、スキャナーの回路動作が不安定になることなく走査線に正しく選択電位が書き込まれる。従って、画素スイッチング素子が導通状態となって全ての画素電極の電荷を一斉に放電することができる。
[適用例4]上記表示装置であって、前記出力回路は前記出力信号を前記出力端子に出力する出力トランジスターを有し、前記出力トランジスターのゲート電極にはスイッチング素子が接続され、前記制御信号が前記第1の状態にある間は、前記スイッチング素子が導通状態となって前記出力トランジスターの前記ゲート電極に特定電位が書き込まれ、前記出力トランジスターが非導通状態となるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、電源供給停止時に選択されていた走査線にも非選択であった走査線にも等しく電圧を印加でき、画素の放電を均一に実施できる。この結果、表示装置に対して外部から供給される電源が遮断されても、スキャナーの回路動作が不安定化することなく、また画面の一部のみで不具合を生じることなく、全ての画素電極の電荷を一斉に放電することができる。
[適用例5]上記表示装置であって、前記制御回路は、前記制御信号を供給することによって、電源立ち上げから前記スキャナーがスキャン動作を開始するまでの間に、前記スイッチング素子を一定期間導通状態とし、前記出力トランジスターの前記ゲート電極に特定電位を書き込んで前記スキャナーのリセット動作を行うように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、表示装置に対して外部から供給される電源が遮断されても、スキャナーの回路動作が不安定化することなく全ての画素電極の電荷を一斉に放電することができるとともに、スイッチング素子をリセットスイッチと兼ねることから、素子の増大がなく、回路面積が増加しないスキャナーを備えた表示装置を実現できる。
[適用例6]上記表示装置であって、前記単位回路は複数のトランジスターを有して構成され、前記複数のトランジスターは同一導電型のトランジスターであることを特徴とする。
この構成によれば、表示装置に対して外部から供給される電源が遮断されても、単位回路における回路動作が不安定化することなく全ての画素電極の電荷を一斉に放電することができる表示装置を、コストの上昇を抑制して製造することができる。
[適用例7]上記表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
この構成によれば、表示装置に対して外部から供給される電源が遮断された時に、画素電極に残った電荷を一斉に放電することによって表示品位の低下を抑制することができる電子機器を提供することが可能である。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以降の説明において使用する図面は、説明の都合上構成要素の寸法を誇張して図示している場合もあり、必ずしも実際の大きさを示すものでないことは勿論である。
〔第1の実施形態〕
図1は本実施形態に係る表示装置としての液晶表示装置910の斜視構成図(一部断面図)である。液晶表示装置910は、アクティブマトリックス基板101と対向基板912とをシール材923により一定の間隔で貼り合わせ、例えばネマティック相の液晶材料922を挟持してなる。
図1は本実施形態に係る表示装置としての液晶表示装置910の斜視構成図(一部断面図)である。液晶表示装置910は、アクティブマトリックス基板101と対向基板912とをシール材923により一定の間隔で貼り合わせ、例えばネマティック相の液晶材料922を挟持してなる。
アクティブマトリックス基板101上には、図示しないが、ポリイミドなどからなる配向材料が塗布されラビング処理されて配向膜が形成されている。また、対向基板912は、図示しないが、画素に対応したカラーフィルターと、光抜けを防止してコントラストを向上させるための低反射・低透過率樹脂よりなるブラックマトリックスとが形成される。液晶材料922と接触する面には、ポリイミドなどからなる配向材料が塗布され、アクティブマトリックス基板101の配向膜ラビング処理方向と平行かつ逆向きにラビング処理されている。さらに対向基板912の外側には、上偏光板924が、アクティブマトリックス基板101の外側には、下偏光板925が各々配置され、これらは、互いの偏光方向が直交するよう(クロスニコル状)に配置されている。
さらに下偏光板925のアクティブマトリックス基板101と反対側(図面下側)には、バックライトユニット926と導光板927が配置されている。バックライトユニット926は、導光板927に向かって光を照射する。導光板927は、照射されたバックライトユニット926からの光をアクティブマトリックス基板101に向かって垂直かつ均一な面光源となるように光を反射屈折させることで液晶表示装置910のバックライトとして機能する。
バックライトユニット926はコネクター929を通じて、液晶表示装置910が組み込まれる電子機器(後述する)などから供給される電源に接続され、発光するように構成されている。なお、バックライトユニット926は、本実施形態では発光ダイオード(LED)を用いることができる。あるいは、冷陰極管(CCFL)や熱陰極管(HCFL)を用いることもできる。
また、図示しないが、液晶表示装置910は、さらに必要に応じて、その周囲が外殻で覆われるようにしても良い。あるいは上偏光板924の外表面(図面上方向)に、保護用のガラスやアクリル板が取り付けられても良いし、視野角改善のため光学補償フィルムが貼られても良い。
さて、アクティブマトリックス基板101には、対向基板912から張り出す張り出し部110が設けられている。この張り出し部110には、可撓性基板としてのFPC928及び駆動IC921が実装されている。FPC928は、張り出し部110上に設けられた信号入力端子320(図2参照)と接続され、信号入力端子320を通じて、駆動IC921と電気的に接続されている。FPC928は、例えば液晶表示装置910が組み込まれる電子機器に設けられた回路から出力され、アクティブマトリックス基板101に設けられた回路を動作させるのに必要な信号と電源電位(後述する)とを、駆動IC921に供給する。
なお、本実施形態では、張り出し部110に駆動IC921を実装するCOG(Chip On Glass)実装としたが、張り出し部110にはFPC928のみを実装し、駆動IC921をFPC928に実装するCOF(Chip On Film)実装としてもよい。
図2はアクティブマトリックス基板101の構成図である。アクティブマトリックス基板101上には480本の複数の走査線201(201−1〜201−480)と1920本の複数のデータ線202(202−1〜202−1920)がほぼ直交して形成されている。走査線201−1〜201−480は走査線駆動回路301に接続されている。また、データ線202−1〜202−1920はデータ線駆動回路302に接続されている。そして、走査線駆動回路301およびデータ線駆動回路302に対して、適用例に記載の制御回路として機能する駆動IC921から信号と電源電位が供給され、各走査線201と各データ線202に所定の信号(電圧信号)が所定のタイミングで出力されるように構成されている。この結果、各走査線201と各データ線202との交差部付近に設けられた画素電極402(図3参照)の印加電圧が制御されることによって、液晶表示装置910として組み立てられた際は各画素電極の位置に対応する複数の画素の透過率が変化し、表示領域310において画像が表示されるように構成されている。
本実施形態では、走査線駆動回路301およびデータ線駆動回路302を構成する薄膜トランジスターは、後述する画素スイッチング素子401(401−n−m)と同一の製造工程でアクティブマトリックス基板上に製造されている。従って、本実施形態のアクティブマトリックス基板101は、いわゆる駆動回路内蔵型のアクティブマトリックス基板である。
図3は表示領域310におけるm番目のデータ線202−mとn番目の走査線201−nの交差部付近の画素の回路図である。走査線201−nとデータ線202−mの各交点にはnチャネル型電界効果ポリシリコン薄膜トランジスター(n型のトランジスター)よりなる画素スイッチング素子401−n−mが形成されており、そのゲート電極は走査線201−nに、ソース・ドレイン電極はそれぞれデータ線202−mと画素電極402−n−mに接続されている。
画素電極402−n−mは共通電極COMと誘電体をはさんでコンデンサーを形成し、また本実施形態の液晶表示装置910では、画素電極402−n−mは液晶材料922を介しても共通電極COMとの間で同様にコンデンサーを形成する。ここで、共通電極COMはアクティブマトリックス基板101上の表示領域310全体に配置された透明な電極である。そして、各画素電極402−n−mとの間でアクティブマトリックス基板101上でコンデンサーを形成したとき、電界がアクティブマトリックス基板101と平行な方向に印加されるいわゆるIPS(In Plane Switching)モードの液晶表示装置910となるように構成されている。従って、データ線202−mに出力される所定の信号VIDEOに応じて、液晶材料に電界が印加され、透過率が制御されて画像を表示する。このとき、本実施形態では、共通電極COMの電位が一定周期で反転するAC駆動が行なわれる。なお、共通電位COMが常に一定電位を保つDC駆動であっても差し支えない。
ここで、データ線202−mに出力される所定の信号VIDEOd(d=1〜640)を制御するデータ線駆動回路302について説明する。図4はデータ線駆動回路302の回路図であり、1:3のデマルチプレクサー回路構成となっている。1920本のデータ線202−1〜202−1920にn型のトランジスターであるデータ線スイッチ451−1〜451−1920のドレイン電極がそれぞれ接続される。データ線スイッチ451−1〜451−3のソース電極は信号VIDEO1に接続され、データ線スイッチ451−4〜451−6のソース電極は信号VIDEO2に接続され、以下同様にデータ線スイッチ451−(d×3−2)〜451−(d×3)のソース電極は信号VIDEOdに接続される。またデータ線スイッチ451−1,451−4,451−7,…,451−1918のゲート電極は信号RENBに、データ線スイッチ451−2,451−5,451−8,…,451−1919のゲート電極は信号GENBに、データ線スイッチ451−3,451−6,451−9,…,451−1920のゲート電極は信号BENBに、それぞれ接続される。
図5はデータ線駆動回路302の動作を説明するためのタイミングチャートである。信号RENBは、各走査線201−n(n=1〜480)が選択された(High:+15Vになった)タイミング(後述する)から2μ秒後にHigh(+15V)になり、7μ秒後にLow(0V)に戻る信号である。信号GENBは信号RENBから9μ秒、信号BENBは信号RENBから18μ秒、それぞれ位相がずれている他は信号RENBと同一の信号である。信号RENB、信号GENB、信号BENBは、いずれも駆動IC921から0V/+15V振幅で供給される。また、図示しない信号VIDEO1〜信号VIDEO640は駆動IC921から供給される5V〜9Vのアナログ電位信号であり、信号RENB、信号GENB、信号BENBに同期したタイミングで、画像に対応した適切な電位が供給される。
次に、第1の実施形態におけるスキャナーとしての走査線駆動回路301について説明する。図6は走査線駆動回路301のブロック図である。走査線駆動回路301は同一導電型のトランジスター(ここではn型のトランジスター)で構成された480個の単位回路としての単位走査線駆動回路510−1〜510−480よりなり、各単位走査線駆動回路510−n(n=1〜480)の出力端子は各走査線201−nに接続されている。また、図示するように、単位走査線駆動回路510−nは走査線201−n−1及び走査線201−n+1にも接続されている。ただし、単位走査線駆動回路510−1及び単位走査線駆動回路510−480は信号GSP(後述する)に接続されている。
図7は第1の実施形態におけるn番目(n=1〜480)の単位走査線駆動回路510−nの回路図である。出力端子OUTには、n番目の走査線201−nと、出力トランジスターとしての第1のトランジスター411−nの一端と、プルダウントランジスターとしての第2のトランジスター412−nの一端と、第7のトランジスター417−nの一端と、第1のコンデンサー441−nの一端とが接続されている。
出力トランジスターとしての第1のトランジスター411−nの他端には、信号GEN1(nが奇数の場合)または信号GEN2(nが偶数の場合)が接続されている。第1のトランジスター411−nのゲート電極はブートストラップノード521−nに接続され、ブートストラップノード521−nは第1のコンデンサー441−nの他端と電圧制限トランジスター450−nの一端にも接続されている。電圧制限トランジスター450−nの他端は、第5のトランジスター415−nの一端と、リセットスイッチ410−nの一端と、第6のトランジスター416−nの一端と、第4のトランジスター414−nのゲート電極と、第1の方向スイッチ431−nの一端と、第2の方向スイッチ432−nの一端とに接続されている。プルダウントランジスターとしての第2のトランジスター412−nのゲート電極は、第3のトランジスター413−nの一端と、第4のトランジスター414−nの一端と、第6のトランジスター416−nのゲート電極に接続されている。第5のトランジスター415−nのゲート電極は、第3の方向スイッチ433−nの一端と、第4の方向スイッチ434−nの一端に接続されている。なお、第1のトランジスター411−n、第5のトランジスター415−n、第6のトランジスター416−n、電圧制限トランジスター450−n、第7のトランジスター417−n、リセットスイッチ410−n、および第1のコンデンサー441−nは、適用例に記載の出力回路に相当する。
第1の方向スイッチ431−nと第3の方向スイッチ433−nのゲート電極には、第1の方向信号UDが供給され、第2の方向スイッチ432−nと第4の方向スイッチ434−nのゲート電極には、第2の方向信号XUDが供給される。第1の方向スイッチ431−nの他端は第1の整流素子421−nの一端に接続され、第2の方向スイッチ432−nの他端は第2の整流素子422−nの一端に接続されている。第1の整流素子421−nの他端およびゲート電極と第4の方向スイッチ434−nの他端は、前段の走査線201−n−1(n=2〜480の場合)もしくは信号GSP(n=1の場合)に接続されている。第2の整流素子422−nの他端およびゲート電極と第3の方向スイッチ433−nの他端は、次段の走査線201−n+1(n=1〜479の場合)もしくは信号GSP(n=480の場合)に接続されている。なお、第1の方向スイッチ431−n、第2の方向スイッチ432−n、第3の方向スイッチ433−n、および第4の方向スイッチ434−nは、適用例に記載の切替回路に相当する。
第3のトランジスター413−nの他端は信号XPDに接続され、第3のトランジスター413−nのゲート電極と電圧制限トランジスター450−nのゲート電極は第1の電源電位としての電位VGHに接続されている。プルダウントランジスターとしての第2のトランジスター412−nと、第4のトランジスター414−n、第5のトランジスター415−n、第6のトランジスター416−n、およびリセットスイッチ410−nの各他端は、第2の電源電位としての電位VGLに接続されている。リセットスイッチ410−nのゲート電極は信号RSTに接続され、第7のトランジスター417−nの他端とゲート電極は信号PDに接続されている。
ここで信号GEN1、信号GEN2、信号GSP、信号RST、信号PD、信号XPDは、信号入力端子320を介して外部から与えられる信号と電源電位を制御して、駆動IC921から0V/+15Vの電位振幅で走査線駆動回路301に供給されるタイミング信号である。第1の電源電位としての電位VGHと第2の電源電位としての電位VGLは、同じく駆動IC921から出力されるDC電源であって、第1の電源電位としての電位VGHは15V、第2の電源電位としての電位VGLは0Vに設定される。第1の方向信号UDならびに第2の方向信号XUDは駆動IC921から出力される電位であって、スキャン方向に応じて15Vもしくは0VのDC電位に設定される。
また、第1のトランジスター411−n、第2のトランジスター412−n、第3のトランジスター413−n、第4のトランジスター414−n、第5のトランジスター415−n、第6のトランジスター416−n、第7のトランジスター417−n、第1の方向スイッチ431−n、第2の方向スイッチ432−n、第3の方向スイッチ433−n、第4の方向スイッチ434−n、第1の整流素子421−n、第2の整流素子422−n、リセットスイッチ410−nは、いずれもnチャネル型電界効果ポリシリコン薄膜トランジスターよりなり、アクティブマトリックス基板101上に形成されている。
これらのトランジスターは同一工程で製造されているので、概略同じ特性を有し、本実施形態ではその閾値電圧Vthは+2Vとなるように製造されている。なお、本実施形態では、上述した画素スイッチング素子401−n−mも同一工程で製造され、アクティブマトリックス基板101上に形成されている。
また、本実施形態では、安定したブートストラップ電圧を得るために第1のコンデンサー441−nを設けている。なお、トランジスターの設計パラメーターに応じてトランジスターに形成される容量によってブートストラップ電圧が得られる場合は、第1のコンデンサー441−nは設けなくてもよい。また、第6のトランジスター416−nは非選択期間中、出力トランジスターである第1のトランジスター411−nのゲート電極を0Vに固定し続けるために設けているが、これも同様にトランジスターの設計パラメーターによっては設けなくてもよい。さらに、電圧制限トランジスター450−nについても、第6のトランジスター416−n、リセットスイッチ410−n、第5のトランジスター415−n、第4のトランジスター414−nなどの耐圧が十分高ければ省略することが可能である。
次に、本実施形態における走査線駆動回路301の動作について、以下
(A)順方向スキャン時における通常動作
(B)逆方向スキャン時における通常動作
(C)電源の供給が遮断された電源供給停止時の動作
の順序で説明する。
(A)順方向スキャン時における通常動作
(B)逆方向スキャン時における通常動作
(C)電源の供給が遮断された電源供給停止時の動作
の順序で説明する。
(A)順方向スキャン時における通常動作
図8は、第1の実施形態における走査線駆動回路301において、液晶表示装置910への電源投入時の立ち上がりと、走査線への電圧信号の出力が走査線201−1から順に走査線201−480へ移る順方向のスキャン時における通常動作を示すタイミングチャートである。
図8は、第1の実施形態における走査線駆動回路301において、液晶表示装置910への電源投入時の立ち上がりと、走査線への電圧信号の出力が走査線201−1から順に走査線201−480へ移る順方向のスキャン時における通常動作を示すタイミングチャートである。
図示するように、本タイミングチャートの開始時点では、例えば液晶表示装置910が組み込まれた電子機器が電源オフ状態であり、従って液晶表示装置910に電源が供給されない状態であるので、全ての電源及び信号は0V(接地電位GND)にプルダウンされている。次に図中POWER−ONで示したタイミングで電子機器に電源が投入されると、液晶表示装置910の駆動IC921にFPC928を介して電源電位VDDが供給されはじめ、最終的に電源電位VDDとして+2.8VのDC電位が供給される。
駆動IC921では電源電位VDDが供給されると、供給された電源電位VDDをもとに6倍チャージポンプ回路によってDC昇圧を行う。そして、+2.8VのDC電位は16V前後の電位に昇圧され、昇圧された16Vの電位はレギュレーターに入力されて15V電位として生成される。生成された15Vの電位は、第1の電源電位となる電位VGHとして走査線駆動回路301に供給される。この電位VGHは、同じく走査線駆動回路301に供給される信号GEN1、信号GEN2、信号GSP、信号RST、信号PD、信号XPD、第1の方向信号UD、第2の方向信号XUDのHigh電源電位でもある。また、初期状態でHigh出力になる信号である信号XPD、および第1の方向信号であるUD信号も電位VGHとほぼ同時に15Vになる。一方、第2の電源電位としての電位VGLは0Vに設定されており、駆動IC921は接地電位GNDを用いて0V電位である電位VGLを出力する。
POWER−ON直後、例えば図示しない電子機器において走査線駆動回路301のスキャン方向が順方向で動作すべきか逆方向で動作すべきかを判断し、可撓性基板としてのFPC928を介して、電子機器から駆動IC921に設定コマンドを送る。駆動IC921は設定コマンドを受けて、順方向動作時は、図8に示したように第1の方向信号UDは15V、第2の方向信号XUDは0VのDC電位を出力するように設定される。このため立ち上がり後は第1の方向スイッチ431−nと第3の方向スイッチ433−nは常時導通状態であり、第2の方向スイッチ432−nと第4の方向スイッチ434−nは常時非導通状態である。また、電源立ち上げ及び通常駆動中、信号PDは0Vに固定され、第7のトランジスター417−nは常時非導通状態である。また、信号XPDは通常駆動中15VのDC電位を出力するように設定される。
信号RSTは電源立ち上げ後、最初の信号GSPがHigh(15V)になる前に一回だけ一定期間High(15V)となるリセット信号であり、信号GSPは16.667m秒周期(フレーム周期)で一回、28μ秒間Highとなる信号である。信号GEN1は信号GSPがHighになってから34.6μ秒後にHigh(15V)となって、以下69.2μ秒毎に28μ秒間High(15V)となるのを240回繰り返す信号であり、信号GEN2は信号GEN1と同様で34.6μ秒位相が遅れた信号である。
電源投入(POWER−ON)後、信号RSTが一定期間(本実施形態では40μ秒間)High(=15V)になると、全段のリセットスイッチ410−nが導通状態になり、常に導通状態である電圧制限トランジスター450−nを介して電位VGL(0V)がブートストラップノード521−nに充電さる。また、第4のトランジスター414−nのゲート電極も電位VGL(0V)が充電されるため、プルダウントランジスターとしての第2のトランジスター412−nのゲート電極に第3のトランジスター413−nを介して信号XPD(15V)から閾値電圧Vth(=2V)分ドロップした電位(13V)が充電される。
この結果、出力トランジスターとしての第1のトランジスター411−nは非導通状態になり、第2のトランジスター412−nは導通状態となるため、全走査線201−1〜201−480には電位VGL(0V)が充電され、全ての画素スイッチング素子401−n−mは非導通状態となる。これらが走査線駆動回路301の初期リセット動作であり、この動作を初期に行うことでこれ以降の回路動作を安定化させることができる。なお、本実施形態では初期リセット動作は電源投入直後の一回だけ行っているが、各垂直ブランク期間において毎回行ってもよい。
次に信号GSPがHigh(=15V)になると、初段(n=1)の第1の整流素子421−1はONし、第1の方向スイッチ431−1、電圧制限トランジスター450−1を介してブートストラップノード521−1に充電が行われる。このとき、第1の整流素子421−1から第1の方向スイッチ431−1に印加される電位は閾値電圧Vth(Vth=2V)分低下して13Vとなる。しかし、第1の方向スイッチ431−1、電圧制限トランジスター450−1のゲート電位はおのおの15Vであり、印加された電位(13V)+閾値電圧(2V)ちょうどとなる。従って、第1の方向スイッチ431−1、電圧制限トランジスター450−1による電位低下はほぼ生じず、ブートストラップノード521−1の電位は電位VA1=13Vとなり、出力トランジスターとしての第1のトランジスター411−nは導通状態となる。
このとき、第4のトランジスター414−1のゲート電極も電位VA1=13V電位となり、第4のトランジスター414−1は導通状態となる。このため、第4のトランジスター414−1と第3のトランジスター413−1間に貫通電流が流れるが、第4のトランジスター414−1のチャネル幅を第3のトランジスター413−1のチャネル幅に対して十分大きくとるようにする。こうすることでプルダウントランジスターとしての第2のトランジスター412−1と第6のトランジスター416−1のゲート電極におおむね0Vを書き込むことができ、第2のトランジスター412−1と第6のトランジスター416−1は非導通状態となる。信号GSPがLow(=0V)になると第1の整流素子421−1はOFFするからブートストラップノード521−1は13Vを保つ。
次に信号GEN1がHigh(=15V)に反転すると、ブートストラップノード521−1の電位は、第1のコンデンサー441−1の容量と第1のトランジスター411−1のゲート容量の和が配線の平行容量や交差容量などに比べ十分大きいとすれば15V上昇して電位VA2=28Vにブートストラップされる。この結果、走査線201−1は、信号GEN1の電位15Vがそのまま書き込まれる。
このとき、電圧制限トランジスター450−1のゲート電位は15Vであり、閾値電圧は2Vであるから、電圧制限トランジスター450−1のソース電位が13V以上になると非導通状態になって、電圧制限トランジスター450−1の他端は13Vより上にあがることはない。従って、第1の方向スイッチ431−1、第2の方向スイッチ432−1、第5のトランジスター415−1、リセットスイッチ410−1、第6のトランジスター416−1、第4のトランジスター414−1、に13V以上の電圧をかけることはなく、素子破壊や特性変動による誤動作などを引き起こす心配がない。
次に28μ秒後に信号GEN1がLow(=0V)になると走査線201−1も0Vに戻る。このとき、ブートストラップノード521−1の電位も電位VA1(=13V)に戻る。
次段(n=2)は、信号GEN1がHigh(=15V)に反転し、走査線201−1が15Vとなったタイミングで、第1の整流素子421−2がONし、第1の方向スイッチ431−2を介してブートストラップノード521−2に電位VA1=13Vの充電が行われる。信号GEN1がHigh(=15V)になってから34.6μ秒後、つまり信号GEN1がLow(=0V)になってから6.6μ秒後に信号GEN2がHigh(=15V)に反転すると、ブートストラップノード521−2は電位VA2=28Vにストラップされて走査線201−2には15Vが書き込まれる。このとき、1段目の第5のトランジスター415−1のゲート電極には第3の方向スイッチ433−1を通じて13Vが書き込まれ、第5のトランジスター415−1は導通状態となる。従ってブートストラップノード521−1は電位VGL(0V)となって第1のトランジスター411−1と第4のトランジスター414−1は非導通状態となる。一方、第2のトランジスター412−1のゲート電極および第5のトランジスター415−1のゲート電極には第3のトランジスター413−1により13Vが書き込まれて導通状態となる。この結果、走査線201−1は電位VGL(0V)と第2のトランジスター412−nを介して導通し、第1のトランジスター411−1は非導通状態になるから、次のフレームまで信号GEN1と走査線201−1の間は遮蔽され、走査線201−1は非選択電位(0V)に保持されることになる。以下同様にして走査線201−nがn=1,2,3,4,5…の順方向に順次選択されることになり、順方向スキャン時における通常動作が行われる。
(B)逆方向スキャン時における通常動作
図9は第1の実施形態における走査線駆動回路301の動作を説明するための電源投入時の立ち上がりと、走査線への電圧信号の出力が走査線201−480から順に走査線201−1へ移る逆方向のスキャン時における通常動作を示すタイミングチャートである。
図9は第1の実施形態における走査線駆動回路301の動作を説明するための電源投入時の立ち上がりと、走査線への電圧信号の出力が走査線201−480から順に走査線201−1へ移る逆方向のスキャン時における通常動作を示すタイミングチャートである。
図示するように、逆方向のスキャン動作時は、第1の方向信号UDは0V、第2の方向信号XUDは15VのDC電位が与えられる。このため第1の方向スイッチ431−nと第3の方向スイッチ433−nは常時非導通状態になっており、第2の方向スイッチ432−nと第4の方向スイッチ434−nは常時導通状態となっている。また信号GEN2と信号GEN1のタイミングは図8に対して入れ替わっており、信号GEN1は信号GEN2と同様で34.6μ秒位相が遅れた信号となっているが、それ以外は図8と同様のタイミング信号が入力される。
信号GSPがHigh(=15V)になると終段(n=480)の第1の整流素子421−480がONし、ブートストラップノード521−480が電位VA1(=13V)となる。次に信号GEN2がHigh(=15V)に反転すると、ブートストラップノード521−480の電位は電位VA2=28Vとなって走査線201−480には15Vが書き込まれる。このとき、前段(n=479)の第1の整流素子421−479がONし、第1の方向スイッチ431−479を介してブートストラップノード521−479に電位VA1=13Vの充電が行われる。以下同様にして走査線201−nがn=480,479,478,477,476…の順に順次選択されることになり、逆方向にスキャンされる。その他は図8の順方向スキャンと全く同様である。
前述の通り、駆動IC921が図8で示した順方向スキャンのシーケンスを実施するか、図9で示した逆方向スキャンのシーケンスを実施するかはPOWER−ON直後に電子機器によって判断され、駆動IC921に設定コマンドを送付することで決定される。
(C)電源の供給が遮断された電源供給停止時の動作
図10は第1の実施形態における走査線駆動回路301が順方向スキャンの駆動中に、例えば、電子機器に取り付けられたバッテリーが外れて電源が突如として供給できなくなった場合など、表示装置に対して外部から供給される電源が遮断された時の動作を説明するタイミングチャート、つまり電源供給停止時のタイミングチャートである。本実施形態では電源供給が停止するタイミングでは液晶表示装置910は全白画面を表示していたものとする。また、本実施形態では液晶モードはノーマリーブラックモードであり、駆動中、共通電極COMと信号VIDEO1〜信号VIDEO640とは、互いに逆相の5V・9V反転信号が与えられるものとする。
図10は第1の実施形態における走査線駆動回路301が順方向スキャンの駆動中に、例えば、電子機器に取り付けられたバッテリーが外れて電源が突如として供給できなくなった場合など、表示装置に対して外部から供給される電源が遮断された時の動作を説明するタイミングチャート、つまり電源供給停止時のタイミングチャートである。本実施形態では電源供給が停止するタイミングでは液晶表示装置910は全白画面を表示していたものとする。また、本実施形態では液晶モードはノーマリーブラックモードであり、駆動中、共通電極COMと信号VIDEO1〜信号VIDEO640とは、互いに逆相の5V・9V反転信号が与えられるものとする。
図示するように、BATTERY−OUTで示したタイミングでバッテリーからの電源供給が途絶えると、電源電位VDDは急速に低下を始める。第1の電源電位である電位VGHは電源電位VDDの6倍昇圧によって生成されているから、電源電位VDDが約2.5V程度になると15Vを生成することはできなくなり、電源電位VDDより遅れて低下を始める。また、電位VGHは各信号の出力回路の電源でもあるから、信号GEN1、信号GEN2、信号XPD、信号UD、信号RENB、信号GENB、信号BENBなども同時にHigh電位が低下を始める。
次に、本実施形態では、図中POWER−DOWNで示した電源電位VDDが2.1Vになるタイミングで、駆動IC921は、バッテリーつまり外部から供給される電源電圧の低下を検出し、電源が供給停止したと認識して強制停止シーケンスに入る。すなわち、PD信号をHigh(=電位VGH)、XPD信号およびUD信号をLow(=0V)にそれぞれ反転させる。もとより、本図は順方向スキャン中の場合であるが、逆方向スキャン中であった場合は第2の方向信号XUDをLow(=0V)に反転して固定するようにする。また、信号GEN1および信号GEN2をHigh(=電位VGH)に固定し、共通電極COM及び信号VIDEO1〜信号VIDEO640の電位は0V(GND)に固定する。なお、この状態が適用例に記載の第1の状態に相当する。
このとき、電位VGHは、電源回路に接続された図示しない出力コンデンサーの容量等に依存して、電源電位VDDの低下とともに15Vの電位から徐々に下がっていく。ちなみに、本実施形態では、駆動IC921が電源電圧の低下を検出するPower−Downで示したタイミングにおいて、電位VGHは13V程度である。また、本図ではPower−Downで示したタイミングで走査線駆動回路301はn番目(nは奇数)の走査線201−nを選択しているものとしている。
強制停止シーケンスでは、信号XPDが0Vになるため、全ての段の第3のトランジスター413−n(n=1〜480)によって第2のトランジスター412−nのゲート電極には電位VGL(0V)が書き込まれ、第2のトランジスター412−nは非導通状態となる。一方、選択されている走査線201−nとその次段走査線201−n+1は、第1のトランジスター411−nおよび第1のトランジスター411−n+1が導通状態にあるので、信号GEN1のHigh電位(=電位VGH、約13V)が書き込まれる。また同時に、信号PDもHigh電位になるため、第7のトランジスター417−n、417−n+1を介した電流経路でも走査線201−nにHigh電位が書き込まれる。
このとき走査線に書き込まれる電位は、ブートストラップノード521−n及びブートストラップノード521−n+1の電位に依存して定まり、High電位13Vから、最低でもHigh電位13Vより閾値電圧Vthの2V分低下した約11Vの間の値となる。ちなみに、本実施形態では、実際にPOWER−DOWNタイミングでブートストラップノード521−nは21Vであったので、走査線201−nには約13Vが書き込まれる。また、ブートストラップノード521−n+1は9Vであったので、走査線201−nには信号PDの電位約13Vに対して2V低い約11Vが書き込まれる。
これら以外の走査線201−k(k=1〜n−1,n+2〜480)はブートストラップノード521−kがPower−Downのタイミングで全て0Vであるから、第1のトランジスター411−kは全て非導通状態である。従って、第7のトランジスター417−kによって電位VGHより閾値電圧Vth分低下した約11Vが書き込まれる。
このように、表示装置に対して外部から供給される電源が遮断されたとき、全ての走査線201−nには約13Vないし約11VのHigh電位が書き込まれる。このとき、前述の通り、第2のトランジスター412−n(n=1〜480)は非導通状態になっているので、電源VGL(0V)と走査線201−n(n=1〜480)の間は非導通となり、書き込まれた電位が走査線201−nと電源VGLとの間での貫通電流によって低下するという不具合が生じない。
以上のように、本実施形態ではVDDが2.1Vまで低下すると速やかに全ての走査線201−1〜201−480を、画素スイッチング素子を導通状態にする選択電位となる11V〜13Vに書き込むことができるので全ての画素スイッチング素子401−n−m(n=1〜480、m=1〜1920)は導通状態となる。このとき、信号RENB、信号GENB、信号BENBは全てHigh(=電位VGH、約13V)であるのでデータ線スイッチ451−1〜451−1920も全て導通状態である。また、信号VIDEO1〜信号VIDEO640は全て0Vであるからデータ線202−1〜202−1920も0Vに書き込まれており、従って全ての画素電極402−n−m(n=1〜480、m=1〜1920)には0Vが書き込まれ、共通電極COMと電位差の無い状態に放電される。
さらに、本実施形態では、強制停止シーケンスにおいて、信号UD(および信号XUD)を0Vにしているので、第3の方向スイッチ433−n、第4の方向スイッチ434−nが非導通状態である。このため、全段の第5のトランジスター415−n(n=1〜480)は直前の状態を保持し、n−1段目の第5のトランジスター415−n−1は導通状態であり、それ以外の段の第5のトランジスター415−p(p=1〜n−2、n〜480)は非導通状態のままである。また、信号UD(および信号XUD)を0Vにしているので、第1の方向スイッチ431−n、第2の方向スイッチ432−nも非導通である。このため、前段の走査線201−n−1とブートストラップノード521−nの間も短絡することはない。従って貫通電流が流れることはなく、ブートストラップノード521−nはフローティング状態となって、リーク電流による降下を除けば電位をそのまま保持する。
このため、選択されている走査線201−nは第1のトランジスター411−nにより信号GEN1と、その次段の走査線201−n+1は第1のトランジスター411−n+1により信号GEN2と、それぞれ短絡した状態になっており、電位VGHとほぼ同時に降下していく。それら以外の走査線201−k(k=1〜n−1,n+2〜480)は第1のトランジスター411−kが非導通状態であるからフローティング状態であって、それよりかなり遅れて0Vに達する。
このように、全ての方向スイッチを非導通とすることで、全段の第5のトランジスター415−n(n=1〜480)と、その次段のブートストラップノード521−n+1との間は非導通状態となり貫通電流が流れることがない。もし第1の方向スイッチ431−n(n=1〜480)が導通状態である場合は、全ての走査線201−nは次段の第1の整流素子421−n+1、第1の方向スイッチ431−n+1、第5のトランジスター415−n+1を介して電源VGLと導通してしまい、大きな貫通電流が流れる。この場合、走査線201−nの電位は本実施形態よりも低い電位までしか上がらないうえに消費電流が大きくなるので、電源電位VDD及び電位VGHの低下速度が速くなり、画素電極402−n−m(n=1〜480、m=1〜1920)の放電が不十分となるのである。
その後、電位VGHは電源電位VDDの低下に伴って電位を下げていき、信号GEN1、信号GEN2、信号RENB、信号GENB、信号BENB、信号PDも同様に電位を下げていく。この過程で信号PDの電位が走査線201−n(n=1〜480)の電位を下回ると第7のトランジスター417−nは非導通状態となる。しかしながら、この段階では既に全ての画素電極402−n−m(n=1〜480、m=1〜1920)には0Vが書き込まれ、共通電極COMと電位差の無い状態であるので、液晶素子や配向膜にダメージが加わらず、従って表示品位を損なう恐れはない。
以上説明したように、本実施形態では切替回路としての方向スイッチを貫通防止スイッチで兼用するので、素子数の増大がなく、回路面積が増加しないスキャナーを構成することができる。従って、表示装置に対して外部から供給される電源が遮断されても、単位回路における回路動作が不安定化することなく全ての画素電極の電荷を一斉に放電することができるとともに、表示装置の大型化を抑制したり製造負荷を軽減したりすることができる。なお、図10で説明したシーケンスは外部から供給される電源の遮断による強制停止時の動作であるが、例えば電子機器において通常行われる手順として、表示装置に供給する電源を遮断する電源OFFが行われるような場合、電源OFF時において上述した画素の放電動作を行ってもよい。
〔第2の実施形態〕
上記第1の実施形態では、選択されている走査線201−nと次段の走査線201−n+1は、信号GEN1あるいは信号GEN2と短絡した接続状態になっているため、これら以外の走査線201−k(k=1〜n−1,n+2〜480)に比べて、走査線の電圧降下が早くなっていた。本実施形態は、出力トランジスターのゲート電極と接続状態にあるスイッチング素子を用いて出力トランジスターをオフ状態にし、選択されている走査線201−nと次段の走査線201−n+1をフローティング状態にすることによって、これらの走査線の電圧降下を他の走査線と同等にしようとするものである。
上記第1の実施形態では、選択されている走査線201−nと次段の走査線201−n+1は、信号GEN1あるいは信号GEN2と短絡した接続状態になっているため、これら以外の走査線201−k(k=1〜n−1,n+2〜480)に比べて、走査線の電圧降下が早くなっていた。本実施形態は、出力トランジスターのゲート電極と接続状態にあるスイッチング素子を用いて出力トランジスターをオフ状態にし、選択されている走査線201−nと次段の走査線201−n+1をフローティング状態にすることによって、これらの走査線の電圧降下を他の走査線と同等にしようとするものである。
本実施形態の液晶表示装置の構成は、第1の実施形態の液晶表示装置910におけるアクティブマトリックス基板101、走査線駆動回路301、データ線駆動回路302の構成と、全く同一であるので、これらの説明は省略する。
図11は走査線駆動回路301が順方向にスキャンする通常駆動中に、バッテリーが外れるなどして液晶表示装置910に供給される電源が遮断された電源停止時の場合において、第2の実施形態となる動作を説明するためのタイミングチャートである。図中、BATTERY−OUTで示したタイミングでバッテリーからの電源供給が途絶え、電源電位VDDが低下し、それより遅れて電位VGHと信号GEN1、信号GEN2、信号XPD、信号UD、信号RENB、信号GENB、信号BENBのHigh電位が低下していく。そして、図中POWER−DOWNで示した電源電位VDDが2.1Vになったタイミングで、駆動IC921は電源の供給が遮断されたことを検出し、強制停止シーケンスに入るところまでは第1の実施形態と同じである。また、強制停止シーケンスに入ったタイミングで第1の方向信号UD及び第2の方向信号XUDをLow(=0V)に固定し、PD信号をHigh(=電位VGH)、XPD信号をLow(=0V)にそれぞれ反転させ、信号GEN1および信号GEN2をHigh(=電位VGH)に固定し、共通電極(COM)及び信号VIDEO1〜信号VIDEO640の電位を0V(GND)に固定する点も第1の実施形態と同一である。本実施形態では、強制停止シーケンスに入ったタイミングでさらに信号RSTをHigh(=電位VGH)に反転させる点が異なる。
このような信号を入力すると、全段のブートストラップノード521−n(n=1〜480)は、第1のトランジスター411−nのゲート電極に接続されたスイッチング素子としてのリセットスイッチ410−nによって、電位VGL(0V)レベルに充電される。この結果、全段の第1のトランジスター411―nは非導通状態となる。従って、全ての走査線201−nは第7のトランジスター417−nによって約11Vに充電され、その後、電位VGHは0Vになるが、全走査線201−nはそれよりかなり遅れて0Vに達する。
なお、本実施形態では第1の実施形態と同様にPOWER−DOWNのタイミングで信号GEN1および信号GEN2をHigh(=電位VGH)に固定したが、全段の出力トランジスターとしての第1のトランジスター411―nは非導通状態になるので、High・Lowどちらにしても差し支えない。
上記第1の実施形態では、電源供給停止のタイミング(POWER−DOWN)で選択されていた段とその次段のみ、走査線の電位が早く低下してしまうため、電源の低下が急速になると、選択されていた段とその次段に接続された画素電極のみ電荷が十分抜けず、ライン状の不良になる懸念があった。上述するように本実施形態では、強制停止シーケンスに入ったタイミング(POWER−DOWN)以降でリセット信号(RST)をHighにすることで、ブートストラップノードの電位を全段VGL電位に充電し、全ての出力トランジスターを非導通状態にすることによって、このようなライン状の不良になる不具合を防止している。しかも、ブートストラップノードの電位を降下させるのにリセットスイッチを用いているので、素子が増えて回路面積が増大することも抑制している。
〔第3の実施形態〕
前述した第1の実施形態および第2の実施形態では、BATTERY−OUT以降のタイミングで全ての走査線201−n(n=1〜480)に対して、第7のトランジスター417−nを介し、信号PDによってHigh電位を書き込むようにしている。また、プルダウントランジスターとしての全ての第2のトランジスター412−nのゲート電極を第3のトランジスター413−nを介し、信号XPDによってLow電位を書き込むようにしている。このため、強制停止シーケンスに入った際、信号PDと信号XPDを通じて買き込む容量は非常に大きくなるので、これらの信号の出力インピーダンスは非常に低いことが必要である。また、BATTERY−OUTタイミング後、全ての第2のトランジスター412−nのゲート電極の電圧を速やかにVGL電位に書き込まないと貫通電流が第7のトランジスター417−nと第2のトランジスター412−nの間で流れてしまうため、前述したように第3のトランジスター413−nのチャネル幅サイズをある程度大きくしておく必要がある。しかしながら、これは通常駆動の選択タイミングで第3のトランジスター413−nと第4のトランジスター414−nの間の貫通電流増大につながるため、駆動中の消費電力との背反になるという課題が存在している。
前述した第1の実施形態および第2の実施形態では、BATTERY−OUT以降のタイミングで全ての走査線201−n(n=1〜480)に対して、第7のトランジスター417−nを介し、信号PDによってHigh電位を書き込むようにしている。また、プルダウントランジスターとしての全ての第2のトランジスター412−nのゲート電極を第3のトランジスター413−nを介し、信号XPDによってLow電位を書き込むようにしている。このため、強制停止シーケンスに入った際、信号PDと信号XPDを通じて買き込む容量は非常に大きくなるので、これらの信号の出力インピーダンスは非常に低いことが必要である。また、BATTERY−OUTタイミング後、全ての第2のトランジスター412−nのゲート電極の電圧を速やかにVGL電位に書き込まないと貫通電流が第7のトランジスター417−nと第2のトランジスター412−nの間で流れてしまうため、前述したように第3のトランジスター413−nのチャネル幅サイズをある程度大きくしておく必要がある。しかしながら、これは通常駆動の選択タイミングで第3のトランジスター413−nと第4のトランジスター414−nの間の貫通電流増大につながるため、駆動中の消費電力との背反になるという課題が存在している。
本実施形態では、このような課題を回避しつつ、表示装置に対して外部から供給される電源が遮断された時にプルダウントランジスターを確実にオフし、スキャナーの回路動作が不安定になることなく、走査線に正しく選択電位を書き込もうとするものである。
図12は第3の実施形態におけるn番目(n=1〜480)の単位走査線駆動回路510−nの回路図である。なお、第3の実施形態における、液晶表示装置910、アクティブマトリックス基板101、データ線駆動回路302の構成は第1の実施形態および第2実施形態と全く同一であるので説明を省略する。また走査線駆動回路301の構成は、単位査線駆動回路として、単位走査線駆動回路510−nに対して回路構成が異なる単位走査線駆動回路511−nを用いる以外は第1の実施形態および第2の実施形態と同一である。
図示するように、本実施形態の単位走査線駆動回路511−nでは、第1の実施形態で図7を用いて説明した単位走査線駆動回路510−nと比較して、第9のトランジスター419−nが、プルダウントランジスターとしての第2のトランジスター412−nと出力端子OUTの間に直列に追加される。すなわち、第2のトランジスター412−nの一端は出力端子OUTにかわって第9のトランジスター419−nの一端に接続され、第9のトランジスター419−nの他端は出力端子OUTおよび走査線201−nに接続される。また第9のトランジスター419−nのゲート電極は信号XPDに接続される。
また、本実施形態の単位走査線駆動回路511−nでは、第3のトランジスター413−nの他端は信号XPDにかわって第1の電源電位としての電位VGHに接続され、第7のトランジスター417−nの他端は信号XPDではなく第1の電源電位としての電位VGHに接続される。上記で説明した以外は、第1の実施形態の単位走査線駆動回路510−nと同一の構成となっているので同じ記号を付与し、ここでの説明は省略する。また、通常駆動時のタイミングチャートも第1の実施形態の図5、図8、図9と何ら変わりはないので同様に説明は省略する。
本実施形態の電源供給停止時のタイミングチャートは、第2の実施形態の図11と同一のものになる。図11のBATTERY−OUT以降のタイミングで、第2のトランジスター412−n(n=1〜480)のゲート電極はHigh電位のままであるので第2のトランジスター412−nは導通状態であるが、第9のトランジスター419−nのゲート電極は信号XPDに接続されているため非導通状態になる。この結果、プルダウントランジスターとしての第2のトランジスター412−nによる走査線201−nへの電位VGLからの電流は遮断されるため、第2の実施形態と同様の動作になり、走査線201−nに書き込まれた電位が低下することは無い。
本実施形態では、全ての走査線201−n(n=1〜480)に対して、信号PDではなく第1の電源電位である電位VGHを用いて第7のトランジスター417−nを介しHigh電位に書き込むこととしている。また、第2のトランジスター412−nのゲート電極に対して、BATTERY−OUT時に電位を書き換える必要がないようにしている。従って、信号PD及び信号XPDの駆動能力を、例えば信号GEN1、信号GEN2などと比較して特に高く設定する必要がないため、これらの信号を出力する駆動IC921の製造コストを抑えることができる。また、第3のトランジスター413−nのチャネル幅サイズを大きくする必要がないため、消費電力との背反がなく設計できる。
一方で、前述した第2の実施形態に比べて、第9のトランジスター419−nを追加し、第7のトランジスター417−nに電源VGHを供給するように配線を引き回す必要があるため、回路面積は大きくなるという欠点をかかえている。第2の実施形態と第3の実施形態のどちらを選択するかは、上記のように駆動IC921のコスト、求められる消費電力、回路面積などを勘案して総合的に選択採用すればよい。
なお、第2の実施形態に対して、第3の実施形態の一部を適用した回路構成をとることももちろん可能である。すなわち、第2の実施形態で第7のトランジスター417−nの他端を電位VGHに接続する変更だけ加えても良いし、ゲート電極が信号XPDに接続された第9のトランジスター419−nを追加する変更だけ加えても良い。
このように、本実施形態の走査線駆動回路によれば、前段の出力信号を出力トランジスターのゲート電極に接続している構成をとっているために少ない素子数のトランジスターでスキャナーを構成できる。さらに、バッテリーが抜けるなどの電源の供給が遮断した時に、速やかに画素電極の電荷を放電できるため、画素電極に残った電荷により液晶素子や配向膜にダメージが加わって表示品位を低下せしめるということが抑制される。
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。以下変形例を挙げて説明する。
〔第1の変形例〕
上述した各実施形態では、切替回路が方向スイッチで構成されることとし、この方向スイッチの導通を制御することで、電源の供給が遮断された時に走査線の電位をHigh電位に保つようにしたが、必ずしもこれに限るものでないことは勿論である。例えば、切替回路を方向スイッチと一つのトランジスター(第8のトランジスター)とを加えた構成とし、この第8のトランジスターのオン・オフを制御することで、電源の供給が遮断された時に走査線の電位をHigh電位に保つようにしてもよい。
上述した各実施形態では、切替回路が方向スイッチで構成されることとし、この方向スイッチの導通を制御することで、電源の供給が遮断された時に走査線の電位をHigh電位に保つようにしたが、必ずしもこれに限るものでないことは勿論である。例えば、切替回路を方向スイッチと一つのトランジスター(第8のトランジスター)とを加えた構成とし、この第8のトランジスターのオン・オフを制御することで、電源の供給が遮断された時に走査線の電位をHigh電位に保つようにしてもよい。
図13は本変形例におけるn番目(n=1〜480)の単位走査線駆動回路512−nの回路図である。なお、本変形例における液晶表示装置910、アクティブマトリックス基板101、データ線駆動回路302の構成は第1の実施形態と全く同一であるので説明を省略する。また走査線駆動回路301の構成は、単位走査線駆動回路510−nにかわって単位走査線駆動回路512−nを用いる以外は第1の実施形態と全く同一である。
図13に示した単位走査線駆動回路512−nでは、図7に示した単位走査線駆動回路510−nと比較して、第8のトランジスター418−nが存在する点のみが相違する。この第8のトランジスター418−nのゲート電極は、信号XPDに接続されている。また、第8のトランジスター418−nのソース・ドレイン電極のうち一端は、第1の方向スイッチ431−nの一端と、第2の方向スイッチ432−nの一端とに接続され、他端は、電圧制限トランジスター450−nの一端と、第5のトランジスター415−nの一端と、リセットスイッチ410−nの一端と、第6のトランジスター416−nの一端と、第4のトランジスター414−nのゲート電極とに接続されている。その他は同一の構成となっているので同じ記号を付与し、ここでの説明は省略する。
なお、本実施例においては、第1のトランジスター411−n、第5のトランジスター415−n、第6のトランジスター416−n、電圧制限トランジスター450−n、第7のトランジスター417−n、リセットスイッチ410−n、および第1のコンデンサー441−nが出力回路に相当し、、第1の方向スイッチ431−n、第2の方向スイッチ432−n、第3の方向スイッチ433−n、第4の方向スイッチ434−n、および第8のトランジスター418−nが切替回路に相当する。
前述するように、信号XPDは通常駆動時においては、High(=15V)であるので、第8のトランジスター418−nは常に導通状態である。従って、タイミングチャートも順方向スキャンの通常動作、逆方向スキャンの通常動作とも、第1の実施形態の図5、図8、図9で説明したタイミングと何ら変わりはないので、説明は省略する。
図14は、第1の変形例における走査線駆動回路301が順方向スキャンの通常動作中に、電源の供給が遮断された電源供給停止時の場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。図中、電源電位VDD、電位VGH、信号GEN1、信号GEN2、信号XPD、信号UD、信号RENB、信号GENB、信号BENBについては、図中POWER−DOWNで示した電源電位VDDが2.1Vになったタイミングまでは同じ出力状態である。つまり、駆動IC921が電源の供給停止を検出し、強制停止シーケンスに入るところまでは上記各実施形態と全く同一である。また、強制停止シーケンスに入ったタイミングでは、信号UDがHigh状態のままであり、Lowには反転させない点が異なるがその他の信号、すなわち信号XPD、信号PD、信号GEN1、信号GEN2などの出力も上記第1の実施形態と同様である。
さて、本変形例では、POWER−DOWNで示したタイミング後、信号XPDがLowに固定されるため第8のトランジスター418−nはオフする。従って、切替回路から、前段の走査線信号が出力回路(特に第5のトランジスター415−n)へ入力しないように遮断して、出力回路への出力を停止する。
このように、本変形例では、第1の方向スイッチ431−nは導通状態であるが、第8のトランジスター418−nを非導通とすることによって、全段の第5のトランジスター415−n(n=1〜480)と、その前段の走査線201−n−1との間は非導通状態となり貫通電流が流れることがない。もし第8のトランジスター418−nが存在しない場合は、全ての走査線201−nは次段の第1の整流素子421−n+1、第1の方向スイッチ431−n+1、第5のトランジスター415−n+1を介して電源VGLと導通してしまい、大きな貫通電流が流れる。この場合、走査線201−nの電位は本実施形態よりも低い電位までしか上がらないうえに消費電流が大きくなるので、電源電位VDD及び電位VGHの低下速度が速くなり、画素電極402−n−m(n=1〜480、m=1〜1920)の放電が不十分となるのである。
(第2の変形例)
上記の各実施形態では、本発明の態様を表示装置として捉え説明したが、これに限らず、本発明の態様を、表示装置を備えた電子機器として捉えることもできる。本変形例の一例となる電子機器について、図15および図16を用いて説明する。
上記の各実施形態では、本発明の態様を表示装置として捉え説明したが、これに限らず、本発明の態様を、表示装置を備えた電子機器として捉えることもできる。本変形例の一例となる電子機器について、図15および図16を用いて説明する。
図15は本変形例に係る電子機器1000の具体的な構成を示すブロック図である。液晶表示装置910は図1で説明した液晶表示装置であって、外部電源回路784、画像処理回路780が可撓性基板としてのFPC928およびコネクター929を通じて必要な信号と電源を液晶表示装置910に供給する。外部電源回路784は、バッテリー785と接続されてバッテリー785から電力が供給され、バッテリー785の電源電圧を所望の設定電圧に変換して出力するように構成されている。
電子機器1000では、外部電源回路784から液晶表示装置910上の制御回路800を内蔵する駆動IC921に対して、+2.8Vの電源電位である電位VDD及び0VのGND電位が供給され、駆動IC921内の図示しない電源回路で+15Vの電源電位である電位VGHを生成する。生成された電位VGHは、+0Vの電源電位である電位VGLとともにアクティブマトリックス基板101上の走査線駆動回路301及びデータ線駆動回路302に供給されるように構成されている。
中央演算回路781は外部I/F回路782を介して入出力機器783からの入力データを取得する。入出力機器783とは、例えばキーボード、マウス、トラックボール、LED、スピーカー、アンテナなどである。中央演算回路781は外部からのデータをもとに各種演算処理を行い、結果をコマンドとして画像処理回路780あるいは外部I/F回路782へ転送する。画像処理回路780は中央演算回路781からのコマンドに基づき画像情報を更新し、液晶表示装置910への信号を変更することで、液晶表示装置910の表示画像が変化する。
ここで電子機器1000とは具体的にはモニター、TV、ノート型パーソナルコンピューター、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話、フォトビューワー、ビデオプレイヤー、DVDプレイヤー、オーディオプレイヤーなどである。
一例として、電子機器1000を、液晶表示装置910を備えた携帯電話1010とした場合を図16に示した。図示するように、携帯電話1010は、ケース1011に液晶表示装置910が組み込まれ、ケース1012に組み込まれた図示しない外部電源回路784および画像処理回路780からの信号を、FPC928を介して液晶表示装置910に供給するように構成されている。なお、本変形例の携帯電話1010において、制御回路800を駆動IC921に含まない構成としてもよい。この場合、制御回路800を、ケース1011内や、あるいは図中二点鎖線で示したようにケース1012内に備える構成としてもよい。
本変形例の携帯電話1010によれば、バッテリー785の脱落などの理由で電源供給が突然遮断された場合に、画素電極に残った電荷を一斉に放電することができるので、表示品位の低下を抑制することが可能な携帯電話(電子機器)を提供することができる。
(その他の変形例)
上記実施形態の液晶表示装置910はIPSモードに限定されるものではなく、TNモードや垂直配向モード(VAモード)などの液晶表示装置であっても構わない。また、全透過型のみならず全反射型、反射透過兼用型であっても構わない。
上記実施形態の液晶表示装置910はIPSモードに限定されるものではなく、TNモードや垂直配向モード(VAモード)などの液晶表示装置であっても構わない。また、全透過型のみならず全反射型、反射透過兼用型であっても構わない。
また、上記実施形態では、スキャナーの回路を構成するトランジスターは全てnチャネル型電界効果ポリシリコン薄膜トランジスターよりなることとしたが、これに限らず、全てpチャネル型電界効果ポリシリコン薄膜トランジスターよりなることとしてもよい。この場合、アクティブマトリックス基板101に設けられた回路を動作させるのに必要な信号と電源電位は、pチャネル型電界効果ポリシリコン薄膜トランジスターに応じた信号(逆極性の信号)に変更されることは言うまでもない。
また、上記実施形態では表示装置が液晶表示装置910であることとしたが、これに限らず、表示装置として、画素に残った電荷が表示に不具合を生じさせるものであれば、電気泳動素子やOLEDなどのアクティブマトリックス型表示装置全般に応用可能である。
なお、本発明は上記実施形態および変形例のスキャナーの回路構成に限定されるものではないことは勿論である。走査線の前段の出力信号と後段の出力信号とを用いてスキャン方向を制御する回路構成を有するスキャナー回路であれば、全てのスキャナー回路に対して本発明を適用することが可能である。
101…アクティブマトリックス基板、110…張り出し部、201…走査線、202…データ線、301…走査線駆動回路、302…データ線駆動回路、310…表示領域、320…信号入力端子、401…画素スイッチング素子、402…画素電極、410…リセットスイッチ、411,412,413,414,415,416,417,418,419…トランジスター、421,422…整流素子、431,432,433,434…方向スイッチ、441…コンデンサー、450…電圧制限トランジスター、451…データ線スイッチ、510,511,512…単位走査線駆動回路、521…ブートストラップノード、780…画像処理回路、781…中央演算回路、782…外部I/F回路、783…入出力機器、784…外部電源回路、785…バッテリー、800…制御回路、910…液晶表示装置、912…対向基板、921…駆動IC、922…液晶材料、923…シール材、924…上偏光板、925…下偏光板、926…バックライトユニット、927…導光板、928…FPC、929…コネクター、1000…電子機器、1010…携帯電話、1011…ケース、1012…ケース、COM…共通電極。
Claims (7)
- 出力信号を出力端子に出力する出力回路と、方向信号によって前記出力回路に入力する信号を選択して前記出力回路に出力する切替回路と、を有した複数の単位回路からなり、1つの前記単位回路の前記切替回路が他の複数の前記単位回路から出力される前記出力信号のうちの一つを選択して当該1つの単位回路の前記出力回路に出力することで、当該1つの単位回路の前記出力端子から前記出力信号が出力されるとともに、前記出力信号の出力順となるスキャン方向が切り替えられるように構成されたスキャナーと、
前記スキャナーに前記方向信号を含む制御信号を供給するとともに、外部から供給される電源電圧の低下を検出する制御回路と、
前記複数の単位回路のそれぞれの前記出力端子に接続された走査線と、
前記走査線のそれぞれに接続された画素スイッチング素子と、
を有した表示装置であって、
前記制御回路は、前記電源電圧の低下を検出した際には、前記制御信号を第1の状態に変化させ、
前記制御信号が前記第1の状態にある間は、
前記切替回路は、前記他の複数の単位回路から出力される出力信号が、前記1つの単位回路の前記出力回路に出力することを停止し、
全ての前記単位回路の出力回路は、前記画素スイッチング素子を導通状態にする選択電位を、前記出力端子から出力するように構成されている
ことを特徴とする表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置であって、
前記切替回路は、一ないし複数の方向スイッチから構成され、
前記制御信号が前記第1の状態にある間は、前記一ないし複数の方向スイッチが非導通状態となることによって、前記他の複数の単位回路の出力信号が、前記1つの単位回路の前記出力回路に出力することを停止するように構成されている
ことを特徴とする表示装置。 - 請求項1または2に記載の表示装置であって、
前記単位回路は、前記出力信号が前記出力回路より前記出力端子に出力されない非選択期間中に、前記出力端子の電位を、前記複数の画素スイッチング素子を非導通状態にする非選択電位に保持するためのプルダウントランジスターを有しており、
前記制御信号が前記第1の状態にある間は、前記プルダウントランジスターによる前記出力端子への前記非選択電位の出力を停止するように構成されている
ことを特徴とする表示装置。 - 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の表示装置であって、
前記出力回路は前記出力信号を前記出力端子に出力する出力トランジスターを有し、
前記出力トランジスターのゲート電極にはスイッチング素子が接続され、
前記制御信号が前記第1の状態にある間は、前記スイッチング素子が導通状態となって前記出力トランジスターの前記ゲート電極に特定電位が書き込まれ、前記出力トランジスターが非導通状態となるように構成されている
ことを特徴とする表示装置。 - 請求項4に記載の表示装置であって、
前記制御回路は、前記制御信号を供給することによって、電源立ち上げから前記スキャナーがスキャン動作を開始するまでの間に、前記スイッチング素子を一定期間導通状態とし、前記出力トランジスターの前記ゲート電極に特定電位を書き込んで前記スキャナーのリセット動作を行うように構成されている
ことを特徴とする表示装置。 - 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の表示装置であって、
前記単位回路は複数のトランジスターを有して構成され、前記複数のトランジスターは同一導電型のトランジスターであることを特徴とする表示装置。 - 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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