JP2011053150A - 波面測定方法及び波面測定装置 - Google Patents

波面測定方法及び波面測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な構成でありながら、光の波面測定を適切に行うことを可能とした波面測定方法及び波面測定装置を提供する。
【解決手段】測定対象となる光LTの位相分布又は強度分布にランダムに変調を与えるSLM2と、SLM2により変調が与えられた光LTの強度分布を測定するCCDカメラ3と、CCDカメラ3により測定された光の強度分布を用いて、複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返すコンピュータ4とを備え、SLM2とCCDカメラ3との間の距離を一定にしたまま、CCDカメラ3が光LTの位相分布又は強度分布にランダムに変調を与えることにより複数枚の強度分布を取得し、取得した複数枚の強度分布を用いて、コンピュータ4が複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返すことにより、収束した複素振幅分布の位相から光の波面を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、光の波面を測定する波面測定方法及び波面測定装置に関する。
光の波面を測定するための技術として、シャック=ハルトマン・センサがよく知られているが、このセンサは分解能が低かった。そこで、ランダム位相マスクやランダム強度マスクを透過させた光の強度を複数枚に亘って測定し、それらの情報から波面伝搬を用いた反復計算によって光の波面を求める方法が提案されていた(例えば、非特許文献1,2参照)。
A.Anand, G.Pedrini, W.Osten, and P.Almoro, "Wavefront sensing with random amplitude mask and phase retrieval" Opt. Lett. vol.32 No.11 1584-1586 (2007) P.F.Almoro and S.G.Hanson, "Random phase plate for wavefront sensing via phase retrieval and a volume speckle field", Appl. Opt. vol.47 No.16 2979-2987 (2008)
しかしながら、上述した従来の測定方法では、ランダムマスクと撮像素子との間の距離Zを変えながら複数の位置でのスペックル強度を測定するため、撮像素子を光軸方向に移動させるとともに各位置で正確に位置決めする移動機構が必要であった。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、簡便な構成でありながら、光の波面測定を適切に行うことを可能とした波面測定方法及び波面測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様における波面測定方法は、測定対象となる光の位相分布又は強度分布に変調を与え、この変調が与えられた光の強度分布を測定し、異なる変調を与えた複数枚の強度分布を取得し、取得した複数枚の強度分布を用いて、複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返しながら、収束した複素振幅分布の位相から光の波面を求めることを特徴とする。
また、本発明の別の態様における波面測定装置は、測定対象となる光の位相分布又は強度分布に変調を与える光変調手段と、光変調手段により変調が与えられた光の強度分布を測定する光検出手段と、光検出手段により測定された光の強度分布を用いて、複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返す演算手段と、を備え、光変調手段と光検出手段との間の距離を一定にしたまま、光検出手段が光の位相分布又は強度分布に異なる変調を与えることにより複数枚の強度分布を取得し、取得した複数枚の強度分布を用いて、演算手段が複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返すことにより、収束した複素振幅分布の位相から光の波面を求めることを特徴とする。
以上のように、本発明の態様では、光変調手段と光検出手段との間の距離を一定にしたまま、光検出手段が光の位相分布又は強度分布にランダムに変調を与える構成のため、従来のような光変調手段を光軸方向に移動させるための機構を必要とせず、波面測定装置を簡便な構成とすることが可能である。
そして、本発明の態様では、測定対象となる光の位相分布又は強度分布に異なる変調を与えることにより複数枚の強度分布を取得し、取得した複数枚の強度分布を用いて、複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返すことにより、収束した複素振幅分布の位相から光の波面を適切に求めることが可能である。
本発明の実施形態に係る波面測定装置の一構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る波面測定装置の別の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る波面測定方法を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る波面測定方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る波面測定方法を示すフローチャートである。 実施例において測定した光の測定結果を示す図である。 比較例の波面測定方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態における波面測定方法及び波面測定装置について、図面を参照して詳細に説明する。
(波面測定装置)
先ず、本発明の実施形態における波面測定装置について説明する。
本発明の実施形態における波面測定装置は、図1に示すように、ハーフミラー1と、ハーフミラー1を挟んだ一方側に配置された反射型のSLM(Spatial light modulator)2と、ハーフミラー1を挟んだ他方側に配置されたCCD(Charge Coupled Device)カメラ3と、SLM2及びCCDカメラ3に接続されたコンピュータ4とを備えて概略構成されている。
このうち、ハーフミラー1は、測定対象となる光LTをSLM2に向かって反射させると共に、このSLM2で反射された光LTをCCDカメラ3に向かって透過させるもの(ビームスプリッタ)である。また、ハーフミラー1には、プリズム型と平面型とがあり、本例では平面型を用いている。
SLM2は、光LTの位相分布又は強度分布に所定の変調を与える光変調手段として、光変調素子と呼ばれる微小素子を2次元的に複数並べて、光の振幅、位相、偏光などの空間的な分布を電気的に制御することにより、光を変調させるもの(空間光変調器)である。また、SLM2には、位相変調型と強度変調型があり、本例では位相変調型を用いた場合について説明する。
SLM2としては、具体的には、画素ピッチが数μm〜数十μm程度の反射型液晶パネルを用いることができる。液晶パネルは偏光板の有無により強度変調型と位相変調型のいずれとしても構成できる。すなわち、液晶パネルの前面に偏光板を設けない場合には、画素(光変調素子)毎に設定された位相差を光LTに対して付与し、変調を与えた光を反射光として出力する。一方、液晶パネルの前面に偏光板を設ければ、画素毎に透過率を設定し、光LTの強度を変調した光を反射光として出力することができる。そのほか、強度変調型のSLM2としては、DMD(Digital Micromirror Device;登録商標)パネルなどが挙げられる。
また、光変調手段としては、その他にも位相差を付けたガラス基板(透過光に対して付与する位相差に面内分布を有するガラス基板)などを用いることができ、このガラス基板を面内で回転又は平行移動させることで、光の位相分布を変化させることが可能である。なお、この場合は、ガラス基板を移動させる可動部が必要となるが、従来のようなCCDカメラを光軸方向に移動させる場合よりも、簡便な機構とすることが可能である。
また、これらの光変調手段によって与えられる位相(強度)変調は、ランダム分布であっても、グレーティングのような規則的な分布を向きやピッチを色々変えたものであってもよい。
CCDカメラ3は、SLM2により変調が与えられた光LTの強度分布を測定する光検出手段であり、SLM2との画素サイズの違いなどを考慮して、SLM2とは所定の距離だけ離れた位置に固定配置されている。また、光検出手段としては、その他にもCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどの撮像素子を用いることができる。
コンピュータ4は、図1に示す波面測定装置を総合的に制御する制御部であるとともに、測定された光LTの強度分布から光LTの波面を求める演算手段でもある。すなわち、コンピュータ4は、SLM2を駆動制御して光LTに所定の変調を与えるとともに、CCDカメラ3を駆動制御して変調を与えられた光LTの強度分布を測定する。また、CCDカメラ3により測定された光LTの強度分布を用いて、複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返すことで光LTの波面(強度及び位相の分布)を求める。コンピュータ4には、後述する本発明の実施形態における波面測定方法を実行するためのプログラムが予め組み込まれている。
波面測定装置では、上記プログラムの実行により、SLM2とCCDカメラ3との間の距離を一定にしたまま、SLM2が光LTの位相分布又は強度分布に所定のランダム変調を与える一方、CCDカメラ3が与えられたランダム変調ごとに光LTの強度分布を測定する。これにより与えられた変調の異なる複数枚の強度分布が取得される。コンピュータ4は、取得した複数枚の強度分布を用いて、複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返すことにより、収束した複素振幅分布の位相から光の波面を適切に求めることが可能である。
なお、本発明の実施形態における波面測定装置は、上記構成のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図2に示すように、上記ハーフミラー1を省略し、SLM2により光LTに変調を与えるとともに入射方向とは異なる方向に反射させ、反射された光LTをCCDカメラ3に直接導く構成とすることも可能である。また、上記反射型のSLM2の代わりに、透過型のSLM2を用いることも可能である。
また、測定対象となる光LTの光束径によっては、光路中に集光レンズ等を配置してもよい。なお、この場合は、光の伝搬計算方法が変わるものの、計算アルゴリズム自体は同じである。また、光LTをSLM2に導く光路に集光レンズやコリメートレンズを設けてもよい。
(波面測定方法)
次に、本発明の実施形態における波面測定方法について説明する。
図3は、実施形態における波面測定方法の説明図であり、図4及び図5は実施形態における波面測定方法を示すフローチャートである。
本発明の実施形態における波面測定方法は、図4に示すように、測定対象となる光の位相分布又は強度分布に変調を与えるステップS101と、この変調が与えられた光の強度分布を測定するステップS102と、取得した強度分布の枚数を判定し、取得枚数が設定値に等しくない場合にステップS101、S102を再実行させるステップS103と、取得した複数枚の強度分布を用いて、複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返しながら、収束した複素振幅分布の位相から光の波面を求めるステップS104とを含む。
まず、ステップS101では、コンピュータ4は、予め設定されるかあるいはリアルタイムに生成したランダムパターンの位相分布データMn(n=1,2,…,m)をSLM2に設定し、SLM2は入力された位相分布データに基づいて個々の位相変調素子を駆動し、測定対象となる光LTに所定の位相変調を与える。
次いで、ステップS102では、SLM2で位相変調された光LTをCCDカメラ3により観測し、光LTの強度分布I(n=1,2,…,m)を測定する。測定された強度分布Iはコンピュータ4に送信され、図示略の記憶装置に記憶される。
なお、強度分布Inは、位相分布データMnに基づいて変調された光LTの各位相変調素子に対応する位置における強度の集合である。
次に、ステップS103では、取得された強度分布Iの枚数と設定値とを比較し、予め設定された枚数(m枚)の強度分布I,I,…,Iが取得されているかを判定する。取得枚数が設定値に満たない場合には、設定した取得枚数になるまでステップS101、S102を繰り返し実行する。
なお、ステップS101においてSLM2に設定される位相分布データMnは、再実行される毎に異なるランダムパターンの位相分布データが設定される。つまり、ステップS101〜S103により、異なる位相変調を与えられた光LTの強度分布をm枚取得することになる。
以上のステップS101〜S103によりm枚の強度分布I,I,・・・,Iを取得したならば、ステップS104に移行し、コンピュータ4により図5に示すステップS201〜S208の演算処理が実行される。
まず、図5に示すステップS201では、1枚目の強度分布Iから強度測定位置γにおける振幅A(=√I)を算出する。本実施形態では、1〜m枚目の強度測定位置γでの振幅を、変数i(=1,2,…,m)を用いて下記数1のように表する。添字iはi番目の強度分布Iに対応する振幅であることを示し、添字γは複素振幅分布の位置情報を示している。添字ccdは、CCDカメラ3により測定された強度分布Iに基づく振幅であることを示している。
Figure 2011053150
また、初期値として初期位相φを設定する。初期位相φは任意の角度に設定することができ、例えば0[rad]に設定することもでき、0以外の任意の一定角度に設定することもできる。さらに、各々の位相変調素子に対応させたランダムな角度を設定してもよく、規則的に角度を設定してもよい。
そして、上記により算出された振幅及び設定された初期位相φから、数2に示す複素振幅分布(第1の複素振幅分布)が求められる。この複素振幅分布は、1枚目の強度分布Iに対応する光LTの強度測定位置γにおける複素振幅分布である。
Figure 2011053150
次に、ステップS202では、ステップS201で求めた複素振幅分布に対して距離−L(図3参照)の逆伝搬計算を行い、強度測定位置γから距離−Lだけ離れたSLM2の位相変調直後位置βでの複素振幅分布(第2の複素振幅分布)を求める。1枚目の強度分布Iに対応する第2の複素振幅分布を数3に示す。数3において、Rは距離Lを伝搬する演算子を表す。
Figure 2011053150
次に、ステップS203において、上記逆伝搬計算により得られた第2の複素振幅分布から1枚目の位相変調(位相分布データM1)をキャンセルすることで、下記数4に示すように、SLM2の位相変調直前位置αにおける1枚目の複素振幅分布(第3の複素振幅分布)が求まる。数4における右辺末尾の項exp(−iθSLM,1)が、位相分布データM1に基づき付与された位相差をキャンセルする項である。
Figure 2011053150
次に、ステップS204において、位相変調直前位置αにおける第3の複素振幅分布に2枚目の位相変調(位相分布データM2)を与えることで、下記数5に示す位相変調直後位置βでの2枚目の複素振幅分布(第4の複素振幅分布)を求める。数5における右辺末尾の項exp(iθSLM,2)が位相分布データM2に基づいて付与される位相差である。
Figure 2011053150
次に、ステップS205に移行し、上記第4の複素振幅分布に対してSLM2から距離Lだけ離れた強度測定位置γまでの伝搬計算を行うことで、下記数6に示す強度測定位置γにおける複素振幅分布(第5の複素振幅分布)が得られる。
Figure 2011053150
以上のステップS201〜S205により、強度測定位置γからSLM2で折り返して強度測定位置γへ戻る経路における複素振幅分布の変化を計算することができる。
そして本実施形態では、続くステップS206において、ステップS205で得られた第5の複素振幅分布の振幅を、2枚目の強度分布I(位相分布データM2に基づいて変調された光LTを測定して得られた強度分布)から求めた振幅に置換する。これにより、数7に示すように強度測定位置γでの更新された複素振幅分布(第6の複素振幅分布)を求める。
すなわち本実施形態では、任意に設定された初期位相φ1に基づいて強度測定位置γから位相変調直前位置αを往復する経路を順次移動させる伝搬計算において、計算中の複素振幅分布の位置が強度測定位置γに戻ったときに、複素振幅分布の振幅Aを測定に基づく振幅Accdに置き換えることで、伝搬計算に対して測定に基づく情報を順次付加する。
Figure 2011053150
その後、ステップS207では、測定に基づく情報が付加された第6の複素振幅分布を用いてステップS202〜S206の演算を、m枚目の強度分布Iの情報を付加した複素振幅分布の演算が完了するまで実行する。
より詳しくは、2枚目の強度分布Iに基づく振幅と伝搬計算により得られた位相とを含む複素振幅分布に対して、強度測定位置γから位相変調直前位置αを往復する伝搬計算を行い、得られた強度測定位置γにおける複素振幅分布の振幅を、3枚目の強度分布Iに基づく振幅に置換する。同様の演算をm枚目の強度分布Iから求めた振幅に置換した複素振幅分布の演算が完了するまで繰り返す。
さらに、ステップS201〜S207の一連の演算(強度分布I〜Iに基づく演算)を1サイクルとして、複数サイクル(例えば数サイクルから数百サイクル)の演算を繰り返すようにプログラムされている場合には、ステップS201〜S207を設定サイクル数Nまで繰り返して実行する。これにより、位相変調直前位置αにおける複素振幅分布の位相を真の値に収束させる。最終的に得られる複素振幅分布は、下記数8に示すように、位相変調直前位置αでのNサイクル目のm枚目の強度分布Iに対応する複素振幅分布として表される。数8左辺の項における「iφα,m」が測定対象の光LTの位相(波面)を表している。
Figure 2011053150
以上のように、本発明の実施形態では、SLM2とCCDカメラ3との間の距離Lを一定にしたまま、SLM2に設定する位相分布データを異ならせることで、光LTに異なる変調を与え、複数の異なる強度分布を測定可能にしている。したがって、従来のようなCCDカメラを光軸方向に移動させるための機構を必要とせず、上記波面測定装置を簡便な構成とすることが可能である。
そして、本発明の実施形態では、測定対象となる光LTの位相分布又は強度分布にランダムに変調を与えることにより複数枚の強度分布を取得し、取得した複数枚の強度分布を用いて、複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返すことにより、収束した複素振幅分布の位相から光の波面を適切に求めることが可能である。
また本発明の実施形態では、伝搬計算により複素振幅分布を求めているため、最終的に得られる複素振幅分布から、光LTの位相分布(波面)と同時に光LTの強度分布も得ることができる。
なお、測定対象となる光LTがレンズなどの光学素子を通過した光である場合は、この測定対象となる光LTの位相を求めることで、当該光学素子の面形状を測定することも可能である。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
本実施例では、本発明の実施形態における波面測定方法を用いて、光の波面の測定のシミュレーションを行った。
具体的に、本実施例では、測定光に波長0.633μmのHeNeレーザー光を用い、この測定光にSLMがランダムな位相変調を与えて、CCDカメラで20枚の強度分布を取得したと想定した。
なお、SLMは、ピクセル数が512×512(pix)、ピクセル幅が10μm/pixであり、このうち4×4(pix)ずつまとめて深さ0〜1radのランダムな位相を与えたものをSLMでの位相変調とみなした。また、SLMとCCDカメラとの間の距離Lは50mmとした。計算サイズは、256×256(pix)、有効径は128pixである。また、強度分布を取得する際は、計算領域を512×512(pix)とした。
(実施例1)
そして、実施例1では、上記数2で表される初期位相φを0(ゼロ)にして、上記本発明の実施形態における複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を1〜20枚目まで繰り返し、最終的に位相が真の値に収束するまで、この1〜20枚までの伝搬計算を10回に亘って繰り返した。
(実施例2)
一方、実施例2では、上記数2で表される初期位相φを1pixずつランダム位相にして、上記本発明の実施形態における複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を1〜20枚目まで繰り返し、最終的に位相が真の値に収束するまで、この1〜20枚までの伝搬計算を100回に亘って繰り返した。
そして、これら実施例1,2の収束した複素振幅分布の位相から光の位相分布(波面)を得た。その測定結果を図6に示す。なお、図6(a)は、測定光のα位置(図3参照)での波面を示す理想波面の画像であり、0.362rad.rms(root mean square)である。また、図6(b)は、実施例1のシミュレーション結果とその誤差を示す画像であり、図6(c)は、実施例2のシミュレーション結果とその誤差を示す画像である。
図6(b),(c)に示す実施例1,2により得られた波面は、図4(a)に示す元の測定光の波面とほとんど誤差がなく、良好な結果が得られた。
(比較例)
図7は、従来の波面測定装置を示す説明図である。
図7に示す波面測定装置は、測定する光の光路中にランダムマスク100と、ランダムマスク100の後方に配置されたCCDカメラ101とを備えており、ランダムマスク100に入射させた光のスペックル強度をCCDカメラ101により測定する。
またCCDカメラ101は、ランダムマスク100からの距離Zを任意に変更することが可能である。そして、ランダムマスク100とCCDカメラ101との間の距離Zを変化させながら、複数の位置でスペックル強度を測定する。
例えば、N枚のスペックル強度分布を取得し、このN枚のスペックル強度分布からランダムマスク位置での光の波面を求める場合は、先ず、上記取得したN枚の強度分布のうち、1枚目の強度取得位置Zで測定したスペックル強度分布Iから、振幅A=√Iを計算により求める。
次に、1枚目における位相φを適当(定数ゼロでもランダムでもよい。)に仮定して、1枚目の強度取得位置Zでの複素振幅分布u=A*exp(i*φ)とする。そして、これを伝搬計算し、2枚目の強度取得位置Zでの複素振幅分布uを求める。
すなわち、上記の計算結果をu’=A’*exp(i*φ)とすると、この結果とスペックル強度分布Iから、2枚目の強度取得位置Zでの複素振幅分布u=(√I)*exp(i*φ)が求まる。
次に、これを伝搬計算し、3枚目の強度取得位置Zでの複素振幅分布uを同様に求める。以上のような伝搬計算をN枚目の強度取得位置Zまで繰り返し、N枚目の強度取得位置Zでの複素振幅分布u=(√I)*exp(i*φ)を求める。
さらに、上記の伝搬計算をN枚目の強度取得位置Zまで繰り返した後、再び伝搬計算により1枚目の強度取得位置Zでの複素振幅分布uを求め、このような伝搬計算を位相が真の値に収束するまで繰り返す。
そして、この収束した位相を用いることで、ランダムマスク位置での複素振幅分布が求まる。すなわち、この複素振幅からランダムマスク位置での光の位相(波面)を求めることができる。
以上に説明した比較例によれば、比較的高精度に波面を求めることができるが、CCDカメラ101を光軸方向に移動させるとともに、各位置で正確に位置決めする必要があり、装置が複雑であるとともにCCDカメラ101の位置精度が測定に影響する。これに対して、本発明の実施形態では、SLM2とCCDカメラ3との距離Lを一定に固定したままで複数枚の強度分布Iを取得できる。したがって、CCDカメラ3を移動させる機構が不要であることから装置構成を簡素なものとすることができ、また光LTが伝搬する距離Lが不変であることからCCDカメラ3の位置決め精度が波面測定に影響することもない。
1…ハーフミラー 2…SLM(光変調手段) 3…CCDカメラ(光検出手段) 4…コンピュータ(演算手段)

Claims (9)

  1. 測定対象となる光の位相分布又は強度分布に変調を与え、この変調が与えられた光の強度分布を測定し、異なる変調を与えた複数枚の強度分布を取得し、取得した複数枚の強度分布を用いて、複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返しながら、収束した複素振幅分布の位相から光の波面を求めることを特徴とする波面測定方法。
  2. 請求項1に記載の波面測定方法において、
    異なる変調が与えられた複数枚の前記強度分布のうちの第1の変調に対応する強度分布と、初期値として与えた位相とから測定位置における第1の複素振幅分布を求めるステップと、
    前記第1の複素振幅分布の逆伝搬計算により変調直後における第2の複素振幅分布を求めるステップと、
    前記第2の複素振幅分布の復調計算により変調直前における第3の複素振幅分布を求めるステップと、
    前記第3の複素振幅分布に対して前記第1の変調と異なる第2の変調を与える計算により変調直後の第4の複素振幅分布を求めるステップと、
    前記第4の複素振幅分布に対して測定位置までの伝搬計算を行うことで第5の複素振幅分布を求めるステップと、
    前記第5の複素振幅分布における振幅を、複数枚の前記強度分布のうち前記第2の変調に対応する強度分布から算出された振幅に置換することで、測定された強度分布に基づく情報が付加された第6の複素振幅分布を求めるステップと、
    を複数サイクル繰り返して実行することで複素振幅分布の位相を収束させ、得られた位相から光の波面を求めることを特徴とする波面測定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の波面測定方法において、
    測定対象となる光に変調を与える反射型の光変調手段と、変調が与えられた光の強度分布を測定する光検出手段と、前記光変調手段と前記光検出手段との間に設けられた光反射分離手段とを用い、
    前記光反射分離手段で光を反射させることで前記光変調手段に測定対象の光を供給する一方、変調を与えられた光を前記光反射分離手段に透過させて前記光検出手段に入射させることを特徴とする波面測定方法。
  4. 請求項1又は2に記載の波面測定方法において、
    測定対象となる光に変調を与える反射型の光変調手段と、変調が与えられた光の強度分布を測定する光検出手段とを用い、
    測定対象の光を前記光変調手段に入射させ、反射光として射出される変調を与えられた光を前記光検出手段に入射させることを特徴とする波面測定方法。
  5. 測定対象となる光の位相分布又は強度分布に変調を与える光変調手段と、
    前記光変調手段により変調が与えられた光の強度分布を測定する光検出手段と、
    前記光検出手段により測定された光の強度分布を用いて、複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返す演算手段と、を備え、
    前記光変調手段と前記光検出手段との間の距離を一定にしたまま、前記光検出手段が光の位相分布又は強度分布に異なる変調を与えることにより複数枚の強度分布を取得し、取得した複数枚の強度分布を用いて、前記演算手段が複素振幅分布を求める計算アルゴリズムに従って伝搬計算を繰り返すことにより、収束した複素振幅分布の位相から光の波面を求めることを特徴とする波面測定装置。
  6. 請求項5に記載の波面測定装置において、
    異なる変調が与えられた複数枚の前記強度分布のうちの第1の変調に対応する強度分布と、初期値として与えた位相とから測定位置における第1の複素振幅分布を求めるステップと、
    前記第1の複素振幅分布の逆伝搬計算により変調直後における第2の複素振幅分布を求めるステップと、
    前記第2の複素振幅分布の復調計算により変調直前における第3の複素振幅分布を求めるステップと、
    前記第3の複素振幅分布に対して前記第1の変調と異なる第2の変調を与える計算により変調直後の第4の複素振幅分布を求めるステップと、
    前記第4の複素振幅分布に対して測定位置までの伝搬計算を行うことで第5の複素振幅分布を求めるステップと、
    前記第5の複素振幅分布における振幅を、複数枚の前記強度分布のうち前記第2の変調に対応する強度分布から算出された振幅に置換することで、測定された強度分布に基づく情報が付加された第6の複素振幅分布を求めるステップと、
    を複数サイクル繰り返し実行することで複素振幅分布の位相を収束させ、得られた位相から光の波面を求めることを特徴とする波面測定装置。
  7. 請求項5又は6に記載の波面測定装置において、
    反射型の前記光変調手段と、前記光変調手段と前記光検出手段との間に設けられた光反射分離手段とを有することを特徴とする波面測定装置。
  8. 請求項5又は6に記載の波面測定装置において、
    反射型の光変調手段を備え、前記光変調手段は、測定対象の光に変調を与えるとともに入射方向とは異なる方向に反射させ、変調を与えられた光を前記光検出手段に入射させることを特徴とする波面測定装置。
  9. 請求項5から8のいずれか1項に記載の波面測定装置において、
    前記光変調手段として、空間光変調器(SLM:Spatial light modulator)を用いることを特徴とする波面測定装置。
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