JP2011053111A - 電気泳動システム及び電気泳動方法 - Google Patents

電気泳動システム及び電気泳動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有効泳動長を自由に変更し、様々な泳動条件を必要とする分離媒体の測定を自動化し、分析コストの低減を図ることが可能な電気泳動システム及び電気泳動方法を提供する。
【解決手段】分離流路16を有した透明材料からなるマイクロチップ(15,17)、分離流路16に分離媒体を導入する導入用リザーバ12i、マイクロチップを搭載し、分離流路16の幅よりも広い幅を有し、分離流路16の長手方向に伸延する光学的経路形成手段22を一部に有する保持基板21を備えた電気泳動装置2と、光学的経路形成手段22を介して分離流路16に導入された分離媒体からの反射光若しくは透過光を測定する光学測定系5とを備え、分離流路16の長手方向に沿って、光学測定系5を電気泳動装置2に対し相対的に移動させることにより、導入用リザーバ12iの位置から光学測定系5の分離流路16における検出位置までの距離を連続的に変化せる。
【選択図】 図1

Description

本発明はマイクロチップを用いた電気泳動システム、及びこの電気泳動システムを用いた電気泳動方法に関する。
内径0.05〜0.2mm程度のキャピラリー管(毛管)を用いて、10kV〜30kV程度の高電圧をかけて電気泳動を行うキャピラリー電気泳動法(細管電気泳動法)では、キャピラリーの外壁に保護のためのポリイミド膜等の保護膜のコーティングが施されている。石英ガラスや溶融石英のキャピラリーを物理的・化学的に安定させるためである。但し、電気泳動測定等を行う際に、検出手段に紫外線吸収法等の光学的手段を用いるので、光学的検出部において、信号の検出効率の低下を招くため、外壁のコーティングを薄くするか、除去して光学的検出を実施しているので、光学的検出部は他の箇所と比べ強度が低下している。この強度低下を補うため、光学的検出部にはキャピラリーの強度を補完する機構を備える等の工夫がなされており、キャピラリー流路全長において連続的に光学的検出を実施するためには複雑な機構が必要となる(特許文献1参照。)。したがって、異なる有効泳動長を必要とする条件下では、予め異なる光学的検出部が設定された複数のキャピラリーを準備する必要がある。ここで、「有効泳動長」とは、分離開始位置から光学的検出部までの距離を意味する。
一般に泳動分離は、長い有効泳動長を持つキャピラリーを用いて行う方が長鎖の塩基対数を有するDNAフラグメントまでの分離を高い分離度で行うことができるが、分離に時間を要する問題がある。そのため、短鎖の塩基対数を有するDNAフラグメントの分離のみ必要な場合には、短い有効泳動長のキャピラリーで分離を行うことが有益である。例えば、DNAシーケンスにおいて、長鎖の塩基対数を有するDNAフラグメントまでの解読が必要なサンプルと、短鎖の塩基対数を有するDNAフラグメントのみを短時間に解読したいサンプルが混在している場合は、異なる有効泳動長を実現できる電気泳動装置が必要となる。前述したようにキャピラリーでは有効泳動長の変更は困難であるため、複数のキャピラリーを準備し、有効泳動長の変更を要する際に、その都度、条件に合わせたキャピラリーに変更する必要がある。
図17は、異なる泳動条件下でのDNAシーケンスにおける、塩基対数と分離度との相関図で、図18は、図17と同一の分離泳動における、塩基対数と分離に要する時間との相関図である。黒塗りの菱形(◆)で示す泳動Aは、分離媒体a、有効泳動長395mm、分離電界強度125V/cm、泳動温度50℃の条件で泳動分離を実施した測定結果を示す。黒塗りの3角形(▲)で示す泳動Bは、分離媒体b、有効泳動長85mm、分離電界強度225V/cm、泳動温度60℃で泳動分離を実施した測定結果を示す。図17に示すように、有効泳動長を短く設定した泳動Bの方が、短鎖のDNAフラグメントの分離において優れている。又、図17及び図18に示すように、有効泳動長を短く設定した泳動Aの方が、長鎖のDNAフラグメントまでの分離を高い分離度で行うことができるが、泳動Bと比べて長時間を要している。
特開平5−52806号公報
本発明は、1本の分離流路につき、有効泳動長が自由に変更でき、様々な泳動条件を必要とする分離媒体の測定を自動化し、分析コストの低減を図ることが可能な電気泳動システム及びこの電気泳動システムを用いた電気泳動方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の様態は、(イ)分離流路とこの分離流路の両端に設けられた導入用液溜部及び排出用液溜部を有した透明材料からなるマイクロチップ、導入用液溜部に接続され分離流路に分離媒体を導入する導入用リザーバ、排出用液溜部に接続され分離流路から分離媒体を排出する排出用リザーバ、この導入用リザーバ及び排出用リザーバにそれぞれ挿入され、分離流路に電気泳動用の電圧を印加する一対の電極、マイクロチップを搭載し、分離流路の幅よりも広い幅を有し、分離流路の長手方向に伸延する光学的経路形成手段を少なくとも一部に有する保持基板を備えた電気泳動装置と、(ロ)保持基板の下方に配置され、光学的経路形成手段を介して分離流路に導入された分離媒体からの反射光若しくは透過光を測定する光学測定系とを備える電気泳動システムであることを要旨とする。第1の様態に係る電気泳動システムの光学的経路形成手段は、光学測定系の光路に対して阻害がなく、分離流路の長手方向に沿って、光学測定系を電気泳動装置に対し相対的に移動させることにより、導入用リザーバの位置から光学測定系の分離流路における検出位置までの距離を連続的に変化せることが可能である。
本発明の第2の様態は、(イ)分離流路とこの分離流路の両端に設けられた導入用液溜部及び排出用液溜部を有した透明材料からなるマイクロチップ、マイクロチップの上に配置され、導入用液溜部に接続され分離流路に分離媒体を導入する導入用リザーバ、マイクロチップの上に配置され、排出用液溜部に接続され分離流路から分離媒体を排出する排出用リザーバ、導入用リザーバ及び排出用リザーバにそれぞれ挿入され、分離流路に電気泳動用の電圧を印加する一対の電極、マイクロチップを搭載する保持基板を備えた電気泳動装置と、(ロ)保持基板の上方に配置され、上部光学的経路を介して分離流路に導入された分離媒体からの反射光若しくは透過光を測定する光学測定系とを備える電気泳動システムであることを要旨とする。第2の様態に係る電気泳動システムの上部光学的経路は、光学測定系の光路に対して阻害がない光学的経路であり、分離流路の長手方向に沿って、光学測定系を電気泳動装置に対し上部光学的経路を相対的に移動させることにより、導入用リザーバの位置から光学測定系の分離流路における検出位置までの距離を連続的に変化せることが可能である。
本発明の第3の様態は、分離流路とこの分離流路の両端に設けられた導入用液溜部及び排出用液溜部を有した透明材料からなるマイクロチップ、導入用液溜部に接続され分離流路に分離媒体を導入する導入用リザーバ、排出用液溜部に接続され分離流路から分離媒体を排出する排出用リザーバ、この導入用リザーバ及び排出用リザーバにそれぞれ挿入され、分離流路に電気泳動用の電圧を印加する一対の電極、マイクロチップを搭載し、分離流路の幅よりも広い幅を有し、分離流路の長手方向に伸延する光学的経路形成手段を少なくとも一部に有する保持基板を備えた電気泳動装置と、保持基板の下方に配置され、光学的経路形成手段を介して分離流路に導入された分離媒体からの反射光若しくは透過光を測定する光学測定系と、有効泳動長を自動的に変更し、有効泳動長の変更に合わせて分離媒体及び分離条件を決定するプログラムを格納したプログラム記憶装置を有する制御解析装置を備える電気泳動システムを用いた電気泳動方法に関する。第3の様態に係る電気泳動方法では、制御解析装置が、プログラムに従い、導入用リザーバの位置から光学測定系の分離流路における検出位置までの距離を自動的に変更するとともに、距離の変更に合わせて導入用リザーバに導入する分離媒体の種類の決定及び、電気泳動装置を用いた分離条件を決定する。
本発明の第4の様態は、分離流路とこの分離流路の両端に設けられた導入用液溜部及び排出用液溜部を有した透明材料からなるマイクロチップ、マイクロチップの上に配置され、導入用液溜部に接続され分離流路に分離媒体を導入する導入用リザーバ、マイクロチップの上に配置され、排出用液溜部に接続され分離流路から分離媒体を排出する排出用リザーバ、導入用リザーバ及び排出用リザーバにそれぞれ挿入され、分離流路に電気泳動用の電圧を印加する一対の電極、マイクロチップを搭載する保持基板を備えた電気泳動装置と、保持基板の上方に配置され、上部光学的経路を介して分離流路に導入された分離媒体からの反射光若しくは透過光を測定する光学測定系と、有効泳動長を自動的に変更し、有効泳動長の変更に合わせて分離媒体及び分離条件を決定するプログラムを格納したプログラム記憶装置を有する制御解析装置を備える電気泳動システムを用いた電気泳動方法に関する。第3の様態に係る電気泳動方法では、制御解析装置が、プログラムに従い、導入用リザーバの位置から光学測定系の分離流路における検出位置までの距離を自動的に変更するとともに、距離の変更に合わせて導入用リザーバに導入する分離媒体の種類の決定及び、電気泳動装置を用いた分離条件を決定する。
本発明によれば、1本の分離流路につき、有効泳動長を自由に変更でき、様々な泳動条件を必要とする分離媒体の測定を自動化し、分析コストの低減を図ることが可能な電気泳動システム及びこの電気泳動システムを用いた電気泳動方法が提供できる。
マイクロチップの断面図を中心として、本発明の第1の実施の形態に係る電気泳動システムの基本的な構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電気泳動システムに用いる電気泳動装置、光学測定系及びXYステージの構造及びこれらの配置関係を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電気泳動システムに用いるマイクロチップ、保持基板、ガラス板及び上蓋の組み立て状態を例示する斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る 電気泳動方法によって得られる測光検出信号を図示した一例である。 本発明の第1の実施の形態に係る 電気泳動方法を説明するフローチャートである。 マイクロチップの断面図を中心として、本発明の第2の実施の形態に係る電気泳動システムの基本的な構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電気泳動システムに用いる電気泳動装置、光学測定系及びXYステージの構造及びこれらの配置関係を示す斜視図である。 マイクロチップの断面図を中心として、本発明の第3の実施の形態に係る電気泳動システムの基本的な構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電気泳動システムに用いる電気泳動装置、光学測定系及びXYステージの構造及びこれらの配置関係を示す斜視図である。 本発明の第4の実施の形態に係る電気泳動システムに用いる電気泳動装置の構造を説明する斜視図である。 マイクロチップの断面図を中心として、図10で示した電気泳動装置と光学測定系の配置関係を示すブロック図である。 マイクロチップの断面図を中心として、本発明の第5の実施の形態に係る電気泳動システムの基本的な構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施の形態に係る電気泳動システムに用いる光学測定系、電気泳動装置及びXYステージの構造及びこれらの配置関係を示す斜視図である。 マイクロチップの断面図を中心として、本発明の第6の実施の形態に係る電気泳動システムの基本的な構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施の形態に係る電気泳動システムに用いる照射光学系系、XYステージ、電気泳動装置、検出光学系及びXYステージの構造及びこれらの配置関係を示す斜視図である。 マイクロチップの断面図を中心として、本発明の第7の実施の形態に係る電気泳動システムの基本的な構成を示すブロック図である。 異なる泳動条件下でのDNAシーケンスにおける、塩基対数と分離度との関係を示す図である。 図17と同一の分離泳動における、塩基対数と分離に要する時間と関係を示す図である。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第7の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
又、以下に示す第1〜第7の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る電気泳動システムは、図1に示すように電気泳動を行う分離流路16を有する電気泳動装置2と、電気泳動装置2の分離流路16に分離媒体(緩衝液)を圧送する圧送機構4と、分離媒体(緩衝液)中を電気泳動する複数の被測定物質(化学種)を分離するために、分離流路16中の複数の被測定物質を光学的に観察する光学測定系5と、光学測定系5の位置を電気泳動装置2に対し相対的に移動させ、分離流路16の有効泳動長の調節行うXYステージ6と、圧送機構4、光学測定系5及びXYステージ6のそれぞれの動作を制御し、分離流路16からの蛍光、反射光若しくは透過光のデータを解析する制御解析装置1とを備える。
電気泳動装置2は、平板状の保持基板21と、この保持基板21上に搭載され、表面近傍の上部に分離流路16を有し、透明材料からなるマイクロチップ(15,17)と、マイクロチップ(15,17)の上を保護する樹脂製の上蓋14と、分離流路16に電気泳動に必要な高電圧を印加する一対の電極11a,11bとを備えている。マイクロチップ(15,17)は、厚さ1.5〜2mm程度の平板からなるベースプレート17と、ベースプレート17の上に配置され、底部にベースプレート17に対向して設けられた、U字型若しくはコの字型形状の溝部を有するカバープレート15とを備える。カバープレート15の底部に設けるU字型若しくはコの字型形状の溝部は、半導体製造技術を発展させた微小電気機械システム(MEMS)技術等により形成すればよい。カバープレート15及びベースプレート17は、それぞれ、ソーダ石灰ガラスや石英ガラス等の透明材料からなり、互いに接合されて一体構造のマイクロチップ(15,17)を構成している。この結果、マイクロチップ(15,17)の上部近傍に、例えば、幅40〜200μm程度、深さ20〜50μm程度の微小な溝(マクロチャネル)が分離流路16として埋め込まれる。
尚、図1に示す構造の代わりに、図3に示すように、ベースプレート17の表面にU字型若しくはコの字型形状の溝部を設けて、ベースプレート17に設けた溝部の両端に対応する位置に上面から下面への貫通口を持つ平坦なカバープレート15をベースプレート17の上に接合して、マイクロチップ(15,17)に分離流路16を埋め込むようにしてもよい。或いは、表面にU字型若しくはコの字型形状の第1の溝部を設けたベースプレート17と、下面に第2の溝部を有するカバープレート15とをそれぞれ用意し、第1の溝部と第2の溝部との位置が合わされるように、ベースプレート17の上にカバープレート15を接合して、マイクロチップ(15,17)の中間部に、分離流路16を埋め込むようにしてもよい。
保持基板21は、透明材料からなるマイクロチップ(15,17)の底部から、分離流路16に紫外線等の光を照射し、マイクロチップ(15,17)及び分離流路16からの反射光若しくは蛍光を測定するために、分離流路16の長手方向に沿って延伸し、且つ保持基板21の上面から下面へ垂直方向に貫通するスリット状の開口部からなる光学的経路形成手段22を有する。保持基板21に分離流路16の長手方向に沿って延伸するスリット状の開口部からなる光学的経路形成手段22を設けることにより、分離流路16の長手方向のほぼ全域にわたり光学測定系5に対する光学的な阻害のないようにすることができる。なお、光学的経路形成手段22は、スリット状の開口部に限定されるものではない。光学的経路形成手段22は、光学測定系5に対する光学的な阻害のないような構造(機構)であればよいので、例えば、保持基板21を透明材料で構成し、保持基板21の少なくとも一部を光学的経路形成手段22として定義することも可能である。
光学的経路形成手段22は、広範な種類の被測定物質(化学種)について有効泳動長を調節できるように、分離流路16の長手方向と同程度のスリット長を持ち、流路幅より大きなスリット幅を持つ。即ち、光学測定系5の位置を分離流路16の長手方向に相対的に移動することによって、分離流路16に沿って、分離開始位置となる導入用リザーバ12iの位置から分離流路16の光学的検出位置までの距離を任意に選択できる。よって、第1の実施の形態に係る電気泳動システムによれば、1本のマイクロチャネルに対し、任意に有効泳動長の変更を行うことが可能となる。
マイクロチップ(15,17)は、保持基板21の上に分離流路16の位置が、光学的経路形成手段22の位置に合うようにして固定される。図1〜図3に例示したように、分離流路16の両端には、被測定物質及び分離媒体を収納するために、ほぼ円筒形の導入用液溜部及び排出用液溜部を有する。カバープレート15は分離流路16の両端の液溜部に対応する位置にそれぞれ開口部を有して、分離流路16の上部を覆っている。保持基板21は、図示を省略したヒータを内蔵し、分離流路16を電気泳動する被測定物質及び分離媒体の温度を制御する。ヒータは、ヒータ駆動回路24に接続され、ヒータ駆動回路24により駆動される。
上蓋14は分離流路16の両端に対応する位置の上部に2つのリザーバ12i,12oを備える。2つのリザーバ12i,12oはそれぞれカバープレート15に対して垂直に立設され、2つのリザーバ12i,12oのそれぞれの中心に分離流路16の両端の液溜部の中心位置が位置合わせされている。液溜部の形状は、特に円筒形に限定されるものではないが、液溜部及びリザーバ12i,12oが円筒形を基礎とする場合は、液溜部の内径はリザーバ12i,12oの内径以下にするのが好ましい。例えば、液溜部及びリザーバ12i,12oが矩形の筒形を基礎とする場合は、液溜部の対角線の長さはリザーバ12i,12oの対角線の長さ以下にするのが好ましい。片側の導入用液溜部の上に設けられた導入用リザーバ12iには導入バルブVinが設けられており、他方の排出用液溜部の上に設けられた排出用リザーバ12oには排出バルブVoutが設けられている。
圧送機構4は、図1に示すように、分離媒体を吐出するポンプ41と、ポンプ41を駆動するポンプ駆動回路42とを備える。導入バルブVinの上流側には圧送機構4を構成するポンプ41の吐出部が接続されている。図示を省略しているが、排出バルブVoutの下流側には分離流路16から分離媒体を排出する排出用ポンプを備えるようにしてもよい。又、2つのリザーバ12i,12oのそれぞれには、分離媒体及び被測定物質が注入された分離流路16に電気泳動に必要な高電圧を印加するための一対の電極11a,11bが挿入されており、一対の電極11a,11bのそれぞれは電圧源71と接続されている。電圧源71は、電圧源駆動回路72と接続されて、電圧源駆動回路72により駆動される。電極11a,11bに電圧源71からの電圧を印加すると、分離媒体中の被測定物質が電気泳動をし、その分子量に依存して被測定物質が分離される。分離した被測定物質はスリット状の開口部からなる光学的経路形成手段22を介して光学測定系5を用いて検出される。
光学測定系5は、図1に例示したように、光源51、励起フィルタ52、ダイクロイックミラー53、吸収フィルタ54、検出器55、光源駆動回路58及び検出器駆動回路59等を有するようにすればよい。光源駆動回路58は光源51を駆動し、光源51は、光学的経路形成手段22の下方に配置され、上方のマイクロチップ(15,17)に設けられた分離流路16の底部に向け光を照射し、ベースプレート17の底部を透過して、分離流路16中を流れる分離媒体に光が照射される。励起フィルタ52は光源51の上方に、光の進行方向に対し垂直に配置されている。励起フィルタ52の上方には分離媒体からの反射光が吸収フィルタ54に向かって反射するようにダイクロイックミラー53が配置されている。吸収フィルタ54を通過した光は光電子増倍管や半導体検出器等の検出器55へと入射する。検出器55は検出器駆動回路59により駆動され、分離媒体からの反射光を、一定のサンプリング時間で時々刻々サンプル検出する。検出器55としてCCDカメラを用いてもよい。検出器55の出力信号は、制御解析装置1のCPU(演算処理部)3に逐次、入力される。光学測定系5はXYステージ6の上に設置され、XYステージ6により、分離流路16の長手方向と平行な第1の方向(X方向)及び第1の方向と直交する第2の方向(Y方向)に沿って、水平面(X−Y平面)上を移動する。XYステージ6はXYステージ駆動回路64に接続され、XYステージ駆動回路64により駆動される。
制御解析装置1のCPU(演算処理部)3は、XYステージ制御手段301、電圧源制御手段302、ヒータ制御手段303、ポンプ制御手段304、検出器制御手段305、光源制御手段306、光学データ入力手段307、流路判定手段308及び再処理命令手段309を論理構造として有する。CPU3のXYステージ制御手段301は、XYステージ駆動回路64と接続され、XYステージ駆動回路64を制御している。同様に、電圧源制御手段302は電圧源駆動回路72と、ヒータ制御手段303はヒータ駆動回路24と、ポンプ制御手段304は圧送機構4のポンプ駆動回路42と、検出器制御手段305は光学測定系5の検出器駆動回路59と、光源制御手段306は光学測定系5の光源駆動回路58と、それぞれ接続され、電圧源駆動回路72、ヒータ駆動回路24、ポンプ駆動回路42、検出器駆動回路59及び光源駆動回路58をそれぞれ制御している。又、光学データ入力手段307には検出器55からの出力信号が、時系列のデータとして、入力される。
CPU3には、更に、入出力制御部84、光学データ記憶部85、データ記憶装置86及びプログラム記憶装置87が接続されている。プログラム記憶装置87は、有効泳動長を自動的に変更し、有効泳動長の変更に合わせて分離媒体や分離条件を決定するためのプログラムの他、第1の実施の形態に係る 電気泳動方法をCPU3に実施させるために必要な一連の動作のプログラムを格納している。データ記憶装置86には、CPU3が光学データの解析、演算を実行するに必要な所定のデータや、CPU3が有効泳動長、印加電圧等の測定条件の制御に必要な所定のデータ等、CPU3の演算処理に必要な種々の入出力データ、解析パラメータ及びその履歴や演算途中のデータなどが格納されている。光学データ入力手段307は、光学測定系5の検出器55が逐次、出力する光学データ(測定検出信号)を、時系列のデータとして、入力して、一時的に光学データ記憶部85に格納する。
流路判定手段308は、分離流路16を横切るように、光学測定系5を第2の方向(Y方向)へ沿って分離流路16に対し相対的に移動しながら、光学測定系5の光源51から光をマイクロチップ(15,17)に照射し、マイクロチップ(15,17)からの蛍光を光学測定系5の検出器55によって逐次取得して、図4に示すようなマイクロチップ(15,17)からの蛍光強度のY方向移動距離依存性を示す光学データ(測定検出信号)を得る。光学測定系5がマイクロチップ(15,17)から取得した光学データ(測定検出信号)は、光学データ記憶部85に時系列のデータとして格納する。図4に示す光学データは、分離媒体及び被測定物質を分離流路16に注入する前のマイクロチップ(15,17)から発せられる蛍光強度の第2の方向(Y方向)移動距離依存性である。図4に示すマイクロチップ(15,17)からの蛍光強度のY方向移動距離依存性を示す波形の中央部における信号強度の落ち込みから、分離流路16の中心線の位置が確認できるので、流路判定手段308は、分離流路16の中心線の位置に光学測定系5を位置合わせする。
再処理命令手段309は、XYステージ制御手段301、電圧源制御手段302、ヒータ制御手段303、ポンプ制御手段304等に対し、予め設定された分離媒体導入から有効泳動長の調節をして電気泳動をする分離媒体を測定するまでの一連の処理を再度行わせる再処理命令を出力する。
入力装置81、出力装置82及び表示装置83は、入出力制御部84を介して、CPU3とのデータの送受信を行う。図1において、入力装置81はキーボード、マウス、ライトペン等で構成される。入力装置81を介して測定実行者は、入出力データの指定、許容誤差の値及び誤差の程度の設定、出力データの形態等の解析パラメータの設定、演算の実行や中止等の指示の入力等が可能である。出力装置82はプリンタ装置等により構成される。表示装置83は、ディスプレイ装置等により構成されるが、表示装置83は入出力データや解析結果や解析パラメータ等を表示する。
図2に示すようにXYステージ6は矩形平板からなるステージベース601と、ステージベース601の上を分離流路16の長手方向と平行な第1の方向(X方向)に直線運動をする第1ステージ611と、第1ステージ611の上を水平面上で第1の方向と直交する第2の方向(Y方向)に直線運動をする第2ステージ621とを備えている。ステージベース601の上面には一対の平行なレール状の第1ガイド613a,613bが第1の方向に沿って設置されており、その上方から、第1ガイド613a,613bを、それぞれ挟み込む溝部を脚部として持つ第1ステージ611が設置されている。ステージベース601には、更に、上面に第1の直線運動駆動源614を備える。第1の直線運動駆動源614には、例えばステッピングモータや、サーボモータ等の電気電動機が採用可能で、送りねじ615を回転させる。第1ステージ611の下面に設置された雌ねじ部によって、送りねじ615の回転運動は、第1の方向の直線運動へと変換され、第1ステージ611を第1の方向へ直線運動をさせる。第1の直線運動駆動源614及び送りねじ615等からなる第1の直線運動駆動機構(614,615)の代わりに、油圧シリンダや空気圧シリンダ等他の機構(X軸駆動機構)を用いても構わない。
第1ステージの上面には、第2の方向に平行な一対のレール状の第2ガイド623a,623bが設置されており、その上方から第2ガイド623a,623bを、それぞれ挟み込む溝部を脚部とする第2ステージ621が設置されている。片方若しくは両方の第2ガイド623a,623bには、第2の直線運動駆動機構(Y軸駆動機構)624が内蔵されており、第2ステージ621を第2の方向に直線運動させる。第2の直線運動駆動機構624には、例えば静電アクチュエータ、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ、電歪アクチュエータ、磁歪アクチュエータ、磁歪材料と圧電材料を組み合わせた複合アクチュエータ等が採用可能であるが、高精度な位置合わせをするために、ミクロンレベルからナノメータレベルの微小な駆動制御が可能なマイクロアクチュエータを用いるのが好ましい。
保持基板21はその上面がマイクロチップ(15,17)を搭載するに十分な面積を有した矩形平板である。光学的経路形成手段22は分離流路16に対して、光学測定系5の光路を相対的に位置決めされる必要がある。光学的経路形成手段22の分離流路16の長手方向に沿った長さは、広範な種類の被測定物質に対して有効泳動長を設定できるように分離流路16と同程度のスリット長を有し、短手方向の長さ(幅)は、分離流路16の幅のすべてを光学的に観察できるように、分離流路16の幅より大きなスリット幅を有する。図2では、マイクロチップ(15,17)の表面に1本の分離流路16が設けられた例を示しているが、これは説明を簡単にするためであり、実際には2本以上の複数の分離流路16をMEMS技術により形成可能であり、例えば30本から400本程度の本数等にしても構わない。
以上のように、第1の実施の形態に係る電気泳動システムによれば、光学的な阻害がない光学的経路形成手段22を分離流路16の長手方向に沿って有しているので、分離開始位置となる導入用リザーバ12iの位置から分離流路16の光学的検出位置までの距離を任意に選択できるので、広範な種類の被測定物質に対して有効泳動長を設定できる。
−電気泳動方法−
図5のフローチャートを用いて、第1の実施の形態に係る電気泳動方法の一例について説明する。尚、以下に述べる電気泳動方法は、一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲内であれば、この変形例を含めて、これ以外の種々の電気泳動方法が実現可能であることは勿論である:
(イ)先ず、ステップS101において、予め設定された有効泳動長を構成するように、XYステージ制御手段301はXYステージ駆動回路64を介して第1ステージ611を第1の方向(X方向)に沿って、予め設定された距離移動し、電気泳動装置2に対し光学測定系5を相対的に移動移動させる。
(ロ)第1の方向の有効泳動長が達成されたら、ステップS102において、マイクロチップ(15,17)から発せられる蛍光強度を、第2ステージ621を第2の方向(Y方向)へ移動させながら測定し、分離流路16の中心と光学測定系5のY方向に沿った位置合わせを行う。ステップS102においては、光学測定系5をY方向に沿って移動しながら、光学測定系5の光源51から上方へ出射した光を、分離媒体及び被測定物質を分離流路16に注入する前のマイクロチップ(15,17)に逐次照射することにより、マイクロチップ(15,17)からの蛍光を光学測定系5の検出器55によって逐次検出し、図4に示すようなマイクロチップ(15,17)からの蛍光強度のY方向移動距離依存性のデータを取得する。取得した蛍光強度のY方向移動距離依存性のデータから、流路判定手段308は、ステップS102において、蛍光強度が最小になるY方向の位置を決定し、XYステージ駆動回路64が第2ステージ621をマイクロメータレベルで制御して、分離流路16の中心と光学測定系5のY方向の位置合わせを行う。
(ハ)その後、ステップS103において、ポンプ制御手段304は、圧送機構4のポンプ駆動回路42を制御するための信号を出力し、ポンプ41がポンプ駆動回路42を介して駆動させられる。ポンプ41が駆動すると、導入バルブVin及び排出バルブVoutを開け、ポンプ41から導入用リザーバ12iへ測定対象の分離媒体の導入が開始され、分離媒体が分離流路16中を排出バルブVout方向へ進行する。ステップS104において、ヒータ制御手段303は、ヒータ駆動回路24を制御するための信号を出力し、保持基板21に設けられたヒータがヒータ駆動回路24を介して駆動させられる。ヒータが駆動すると、予め設定された温度となるように温度調節を開始する。
(ニ)ステップS105において、電圧源制御手段302は電圧源駆動回路72を介して電圧源71を駆動させ、2つのリザーバ12i,12oからそれぞれ挿入された一対の電極11a,11bによって分離流路16に充填された分離媒体及び被測定物質に高電圧を印加し、光学測定系5による測定を開始する。
(ホ)ステップS106において、予定された一連の処理が終了しているか否かを判定する。予定された一連の処理が終了していない場合は、再処理命令手段309がステップS107において、導入バルブVin及び排出バルブVoutを開き分離の終了した分離媒体及び被測定物質を排出し、再度分離媒体を導入する準備をした後、ステップS101に戻らせる。再処理命令手段309は、更に、プログラム記憶装置87に記憶された内容に基づき、次回の有効泳動長を自動的に決定し、ステップS101でXYステージ制御手段301が決定された新たな有効泳動長に設定し、ステップS102〜ステップS105の一連の処理を行う。その際、ステップS103では、ポンプ制御手段304は、プログラム記憶装置87に記憶された有効泳動長の変更がされた場合の新たな分離媒体を決定するプログラムに従い、圧送機構4のポンプ駆動回路42を制御して対応する新たな分離媒体を導入用リザーバ12iに供給する。ステップS104では、ヒータ制御手段303は、プログラム記憶装置87に記憶された有効泳動長の変更がされた場合の新たな分離条件を決定するプログラムに従い、ヒータ駆動回路24を制御して新たな温度に保持基板21の温度を変更する。ステップS105では、プログラム記憶装置87に記憶された有効泳動長の変更がされた場合の新たな分離条件を決定するプログラムに従い、電圧源制御手段302は電圧源駆動回路72を介して電圧源71を駆動させ、リザーバ12i,12oにそれぞれ挿入された電極11a,11bに新たな高電圧を印加した後、光学測定系5による測定を開始する。プログラム記憶装置87に格納されたプログラムが、ステップS106において、予定されたすべての処理が終了したとの判定をした場合は、第1の実施の形態に係る 電気泳動方法を終了する。
以上のように、第1の実施の形態に係る電気泳動方法によれば、分離流路16の長手方向のほぼ全域にわたり光学測定系5に対する光学的な阻害のない電気泳動装置2を用意し、光学測定系5による検出位置を、分離流路16の長手方向に対し相対的に移動することによって、1本のマイクロチャネルにおいて有効泳動長の変更を行うことが可能である。 更に、第1の実施の形態に係る電気泳動方法によれば、本来、被測定物質の解析に用いる光学測定系5の機能を転用して、分離流路16の長手方向に直交する方向における、分離流路16と光学測定系5との位置合わせに必要なデータを取得して、ミクロンレベルからナノメータレベルの位置合わせを自動的に実施することができる。
背景技術の欄で既に説明したとおり、キャピラリー電気泳動法では、キャピラリーに検出窓を構成するためにキャピラリーの保護コーティングを光学的検出部で除去しているため、光学的検出部に保護機構を設ける必要があり、1本のキャピラリーにつき複数の有効泳動長を実現できる構造とすることは困難である。第1の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、MEMS技術により透明材料からなるマイクロチップ(15,17)の表面にミクロンオーダーの微少な溝(マイクロチャネル)を形成して、分離流路16を構成しているので機械的強度を十分に強くでき、キャピラリー電気泳動法のように、強度を得るためのキャピラリーの外壁へのコーティングは不要である。
したがって、第1の実施の形態に係る電気泳動システムによれば、有効泳動長等の複数の泳動条件を要する場合においても、有効泳動長を可変とすることで、条件に合わせた複数のキャピラリーを要せず、分析コストの低減を図ることが可能となる。更に、第1の実施の形態に係る電気泳動システムによれば、プログラム記憶装置87に格納されたプログラムに従い、有効泳動長を自動的に変更するとともに、有効泳動長の変更に合わせて分離媒体や分離条件を自動的に決定して、有効泳動長の変更を必要とする複数の分離媒体及び被測定物質を自動的に分析することが可能となる。
(第2の実施の形態)
図1及び図2に示す第1の実施の形態に係る電気泳動システムの構成は例示であり、固定された電気泳動装置2に対して、光学測定系5を移動させ有効泳動長の変更する手法に限定されるものではなく、図6及び図7に示すように、光学測定系5を固定し、電気泳動装置2が開口部をXYステージ6a(以下において「オープンXYステージ6a」という。)によって移動して有効泳動長の変更を行う構成としてもよい。
図6及び図7に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る電気泳動システムのオープンXYステージ6aは矩形平板からなり、上面から下面へ貫通するステージベース光学窓602cを有するステージベース601cと、ステージベース601cの上を分離流路16の長手方向と平行な第1の方向(X方向)に直線運動し、上面から下面へ貫通する第1ステージ光学窓612cを有する第1ステージ611cと、第1ステージ611cの上を水平面上で第1の方向と直交する第2の方向(Y方向)に直線運動し、上面から下面へ貫通する第2ステージ光学窓622cとを有する第2ステージ621cを備えている。ステージベース601cの上面には一対の平行なレール状の第1ガイド613ac,613bcが第1ステージ光学窓612cの両端に第1の方向に沿って設置されており、その上方から、第1ガイド613ac,613bcを挟み込む溝部を脚部として持つ第1ステージ611cが設置されている。第2の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、ステージベース光学窓602cと、第1ステージ光学窓612cと、第2ステージ光学窓622cとで第2の光学的経路形成手段を構成している。なお、第2の光学的経路形成手段22は、ステージベース光学窓602cと、第1ステージ光学窓612cと、第2ステージ光学窓622cのようなスリット状の開口部に限定されるものではない。第2の光学的経路形成手段は、光学測定系に対する光学的な阻害のないような構造(機構)であればよいので、例えば、ステージベース601c、第1ステージ611c、第2ステージ621cの少なくとも一部を透明材料で構成して光学的経路形成手段として機能するようにすることも可能である。
ステージベース601cの上には、第1の直線運動駆動源614cが設けられ、第1の直線運動駆動源614cは、例えばステッピングモータや、サーボモータ等の電気電動機が採用可能で、送りねじ615cを回転させる。第1ステージ611cの下面に設置された雌ねじ部によって、送りねじ615cの回転運動は、第1の方向の直線運動へと変換され、第1ステージ611cを第1の方向へ直線運動をさせる。第1の直線運動駆動源614cと送りねじ615cからなる第1の直線運動駆動機構(614c,615c)の代わりに、油圧シリンダや空気圧シリンダ等他の機構を用いても構わない。
第1ステージ611cの上面には、第2の方向(Y方向)に平行な一対のレール状の第2ガイド623ac,623bcが設置されており、その上方から第2ガイド623ac,623bcを挟み込む溝部を脚部として持つ第2ステージ621cが設置されている。片方、若しくは両方の第2ガイド623ac,623bcには、第2の直線運動駆動機構624cが内蔵されており、第2ステージ621cを第2の方向に直線運動させる。第2の直線運動駆動機構624cは、例えば静電アクチュエータ、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ、電歪アクチュエータ、磁歪アクチュエータ、磁歪材料と圧電材料を組み合わせた複合アクチュエータ等が採用可能で、ミクロンレベルからナノメータレベルの微小な駆動制御が可能である。オープンXYステージ6aは、第2ステージ光学窓622cから下方に、第1ステージ光学窓612c、ステージベース光学窓602cを通して、XYステージ6の下面まで貫通しており、その間に光学的な阻害がない。
光学測定系5から出射された光はステージベース光学窓602c、第1ステージ光学窓612c、第2ステージ光学窓622cを、順に通過し、第2ステージ621cの上面に設置された保持基板21の光学的経路形成手段22を通過してマイクロチップ(15,17)及びマイクロチップ(15,17)の分離流路16へ照射される。マイクロチップ(15,17)及びマイクロチップ(15,17)の分離流路16からの反射光は、光学的経路形成手段22、第2ステージ光学窓622c、第1ステージ光学窓612c、ステージベース光学窓602cを順に通過した後、光学測定系5へ戻る。
以上のように、第2の実施の形態に係る電気泳動システムによれば、光学測定系5の光路に対して阻害がない光学的経路形成手段22、第2ステージ光学窓622c、第1ステージ光学窓612c、ステージベース光学窓602cを分離流路16の長手方向に沿って有しているので、分離開始位置となる導入用リザーバ12iの位置から分離流路16の光学的検出位置までの距離を任意に選択できるので、広範な種類の被測定物質に対して有効泳動長を自在に設定でき、有効泳動長を自動的に変更することができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る電気泳動システムは、第1及び第2の実施の形態に係る電気泳動システムと同様に制御解析装置1、電気泳動装置2、圧送機構4、光学測定系5及びオープンXYステージ6aを備えるが、図8及び図9に示すように、光学測定系5が、電気泳動装置2の上方に配置されており、光学測定系5から下方へ光を出射してマイクロチップ(15,17)の分離流路16の光学的な検出を行う点が、第1及び第2の実施の形態に係る電気泳動システムとは異なる。
このため、第6の実施の形態に係る上蓋14は、図8及び図9に示すように、上蓋14の上面から下面への垂直に貫通する開口部18を上部光学的経路として有している。開口部18は、分離開始位置となる導入用リザーバ12iの位置から分離流路16の光学的検出位置までの距離を任意に選択して、広範な種類の被測定物質について有効泳動長を設定できるよう、分離流路16の長手方向と同程度の長さを持ち、流路幅より大きな幅を持つ。
オープンXYステージ6aの上に設置された光学測定系5は光源51、励起フィルタ52、ダイクロイックミラー53、吸収フィルタ54、検出器55、検出器駆動回路59及び光源駆動回路58を有する。光源駆動回路58は光源51を駆動し、光源51は、上部光学的経路をなす開口部18の上方に配置され、下方のマイクロチップ(15,17)に設けられた分離流路16の上部に向け光を照射し、XYステージ6の第2ステージ光学窓622c、第1ステージ光学窓612c、ステージベース光学窓602c、電気泳動装置2の開口部18を順に通過し、マイクロチップ(15,17)の上部を透過して、分離流路16中を流れる分離媒体に光が照射される。励起フィルタ52は光源51の下方に、光の進行方向に対し垂直に配置されている。励起フィルタ52の下方には分離媒体からの反射光が吸収フィルタ54に向かって反射するようにダイクロイックミラー53が配置されている。吸収フィルタ54を通過した光は光電子増倍管や半導体検出器等の検出器55へと入射する。検出器55は検出器駆動回路59により駆動され、分離媒体からの反射光を、一定のサンプリング時間で時々刻々サンプル検出する。検出器55としてCCDカメラを用いてもよい。検出器55の出力信号は、CPU(演算処理部)3に逐次、入力される。
光学測定系5はXYステージ6の上に設置され、XYステージ6により、分離流路16の長手方向である第1の方向(X方向)及び第1の方向と水平面上で直交する第2の方向(Y方向)へ、水平面上を移動する。XYステージ6はXYステージ駆動回路64に接続され、XYステージ駆動回路64により駆動される。
第3の実施の形態に係る電気泳動システムの構造の他の部分の説明は、第1の実施の形態の構造の説明と同様であるので、重複する説明を省略する。又、 電気泳動方法、泳動分離の動作説明は第1の実施の形態に係る電気泳動システムの動作説明と同一であるので、重複した説明を省略する。
本発明の第3の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、第1の実施の形態に係る電気泳動システムと同様に、MEMS技術によりマイクロチップ(15,17)の表面にミクロンオーダーのマイクロチャネルを形成して、分離流路16を構成しているので機械的強度を十分に強くでき、キャピラリー電気泳動法のように、強度を得るためのキャピラリーの外壁へのコーティングは不要である。
本発明の第3の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、電気泳動装置2の上方から光学測定系5による光学的な検出を行うので、分離開始位置となる導入用リザーバ12iの位置から分離流路16の光学的検出位置までの距離を任意に選択できる。よって、本発明の第3の実施の形態に係る電気泳動システムによれば、広範な種類の被測定物質に対して有効泳動長を自在に設定でき、有効泳動長を自動的に変更することができる。尚、本発明の第3の実施の形態に係る電気泳動システムにおいて、マイクロチップ(15,17)の下方に、光学的な検出用の光学的経路形成手段22は特に必要ないが、あっても構わない。
(第4の実施の形態)
図8及び図9に示す第3の実施の形態に係る電気泳動システムの構成は例示であり、例えば、図10及び図11に示す本発明の第4の実施の形態に係る電気泳動システムのように、上蓋14に上部光学的経路をなす開口部18を設けず、透明材料からなる上蓋14の一部を上部光学的経路として用いて、光学測定系5による上方からの光が上蓋14を透過してマイクロチップ(15,17)及び分離流路16を照射するようにしてもよい。
第4の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、電気泳動装置2の上方から、透明材料からなる上蓋14を介して光学測定系5による光学的な検出を行うので、分離開始位置となる導入用リザーバ12iの位置から分離流路16の光学的検出位置までの距離を任意に選択できる。よって、本発明の第4の実施の形態に係る電気泳動システムによれば、広範な種類の被測定物質に対して有効泳動長を自在に設定でき、有効泳動長を自動的に変更することができる。尚、本発明の第4の実施の形態に係る電気泳動システムにおいて、マイクロチップ(15,17)の下方に、光学的な検出用の光学的経路形成手段22は特に必要ないが、あっても構わない。
(第5の実施の形態)
図8〜図11に示す第3及び第4の実施の形態に係る電気泳動システム構成は例示であり、固定された電気泳動装置2に対して、光学測定系5を移動させ有効泳動長の変更を行う構成に限定されるものではない。
即ち、図12及び図13に示す本発明の第5の実施の形態に係る電気泳動システムのように、光学測定系5を固定し、電気泳動装置2をXYステージ6によって移動して有効泳動長の変更及び分離流路16の検出を行う構成としてもよい。
図12及び図13に示すように、本発明の第5の実施の形態に係る電気泳動装置2は、XYステージ6の上に設置されている。
本発明の第5の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、光学測定系5を固定して、電気泳動装置2をXYステージ6によって移動し、電気泳動装置2の上方から光学測定系5による光学的な検出を行うので、分離開始位置となる導入用リザーバ12iの位置から分離流路16の光学的検出位置までの距離を任意に選択できる。よって、本発明の第5の実施の形態に係る電気泳動システムによれば、広範な種類の被測定物質に対して有効泳動長を自在に設定でき、有効泳動長を自動的に変更することができる。
尚、第5の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、電気泳動装置2の上方から光学測定系5による光学的な検出を行うので、電気泳動装置2の下方に位置するXYステージ6には、貫通口である光学的経路形成手段は特に必要ないが、あっても構わない。
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態に係る電気泳動システムは、制御解析装置1、電気泳動装置2、圧送機構4及びXYステージ6を備えている点では第1〜第5の実施の形態に係る電気泳動システムと同様であるが、マイクロチップ(15,17)及び分離流路16から光学的経路形成手段22を介して出射する蛍光若しくは反射光を検出器55で検出する反射型の光学系でなく、図14に示すように、マイクロチップ(15,17)及び分離流路16に光を照射する照射光学系5aと、マイクロチップ(15,17)及び分離流路16からの蛍光若しくは透過光を測定する検出光学系5bとを備える透過型の光学測定系を有する点が、第1〜第5の実施の形態に係る電気泳動システムとは異なる。
図14に示す本発明の第6の実施の形態に係る可変有効長電気泳動システムにおいては、照射光学系5aは、マイクロチップ(15,17)の上方に配置されたオープンXYステージ6aの上に設置され、電気泳動装置2の上方から電気泳動装置2のマイクロチップ(15,17)及びマイクロチップ(15,17)の分離流路16に向かって下方に光を照射する光源51と、光源51の下方において、光源51から出射した光がマイクロチップ(15,17)及び分離流路16に向かって進む光路中に設けられた励起フィルタ52と、光源51を駆動させるために光源51と接続された光源駆動回路58とを有する。光源51から出射した光がマイクロチップ(15,17)及び分離流路16に照射可能なように、上蓋14のマイクロチップ(15,17)の分離流路16の上方に位置する箇所には、上面から下面へ貫通するスリット状の開口部18が上部光学的経路として設けられている。光源51を出射した光は、励起フィルタ52を透過し、オープンXYステージ6aの第2ステージ光学窓622c、第1ステージ光学窓612c、ステージベース光学窓602c、開口部18を順に通過し、上部光学的経路としての開口部18の下方に配置されたマイクロチップ(15,17)のカバープレート15を透過して、マイクロチップ(15,17)、分離流路16及び分離流路16を電気泳動する被測定物質に光が照射される。
マイクロチップ(15,17)の下方に配置された検出光学系5bは、マイクロチップ(15,17)の下方において、XYステージ6の上に設置され、保持基板21のマイクロチップ(15,17)の分離流路16の下方にスリット状に設けられた光学的経路形成手段22の下方に配置されたダイクロイックミラー53と、ダイクロイックミラー53で反射した光が透過する吸収フィルタ54と、吸収フィルタ54を介して、マイクロチップ(15,17)から出射した蛍光若しくは透過光を検出する検出器55と、検出器55を駆動させるために検出器55と接続された検出器駆動回路59とを有する。検出器55は、図1において説明したように、光電子増倍菅や半導体検出器等が採用可能である。検出光学系5bのダイクロイックミラー53を省略して、マイクロチップ(15,17)の分離流路16から出射した蛍光若しくは透過光を、直接バンドパスフィルタ54を介して検出器55に入射されるような光学配置でも構わない。オープンXYステージ6a及びXYステージ6は互いに、XYステージ駆動回路64により、タイミング、相対的位置を同期させて駆動される。尚、図14とは逆に、電気泳動装置2の下方にマイクロチップ(15,17)及び分離流路16に光を照射する照射光学系5aを設け、電気泳動装置2の上方にマイクロチップ(15,17)及び分離流路16からの蛍光若しくは透過光を測定する検出光学系5bを設けるようにしてもよい。
図15に示すように、第6の実施の形態に係る電気泳動装置2の上蓋14は、透明材料からなるマイクロチップ(15,17)の上方から、マイクロチップ(15,17)及び分離流路16に紫外線等の光を照射し、透過光若しくは蛍光を検出するために、上蓋14の上面から下面へ垂直方向に貫通するスリット状の開口部18を上部光学的経路として有する。開口部18は、広範な種類の被測定物質について有効泳動長を調節できるように、分離流路16の長手方向と同程度の長さを持ち、流路幅より大きな幅を持つほぼ矩形(長方形)のスリットである。上部光学的経路としての開口部18を通過した光は、マイクロチップ(15,17)及び分離流路16を透過し保持基板21に設けられた上面から下面へ貫通する光学的経路形成手段22を通過する。開口部18及び分離流路16は光学的経路形成手段22に対応するように設置される。
第6の実施の形態に係る電気泳動システムの構造の他の部分の説明は、第1〜第5の実施の形態に係る電気泳動システムの構造の説明と同様であるので、重複する説明を省略する。有効泳動長の変更、泳動分離、解析の動作説明は第1の実施の形態に係る電気泳動システムの動作説明と同一であるので、重複した説明を省略する。
本発明の第6の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、第1〜第5の実施の形態に係る電気泳動システムと同様に、MEMS技術によりマイクロチップ(15,17)の表面にミクロンオーダーのマイクロチャネルを形成して、分離流路16を構成しているので機械的強度を十分に強くでき、キャピラリー電気泳動法のように、強度を得るためのキャピラリーの外壁へのコーティングは不要である。
本発明の第6の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、あらゆる分離媒体に対して有効泳動長を設定できるように、マイクロチップ(15,17)に設けられた分離流路16の上方に上部光学的経路としての開口部18を、下方に光学的経路形成手段22を設けており照射光学系5aからマイクロチップ(15,17)及び分離流路16、マイクチップ(15,17)及び分離流路16から検出光学系5bまでの間に光学的に阻害がないので、マイクロチップ(15,17)を取り替えることなく、有効泳動長を自由に変更して使用できる。即ち、第6の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、一度保持基板21にセットしたマイクロチップ(15,17)に対して、上方に照射光学系5aをオープンXYステージ6aの上に、下方に検出光学系5bをXYステージ6の上に設置し、照射光学系5a及び検出光学系5bの検出用の機構を可動にして、マイクロチップ(15,17)及び分離流路16の光学的な検出を行い、有効泳動長を自動的に変更することにより、異なる条件下での電気泳動が、簡単且つ短時間で実施できる。
(第7の実施の形態)
図14及び図15に示す第6の実施の形態に係る電気泳動システムの構成は例示であり、例えば、図16に示すように、照射光学系5a及び検出光学系5bを固定し、照射光学系5a及び検出光学系5bの中間部に、オープンXYステージ6aの上に設置された電気泳動装置2を移動可能に配置するようにしてもよい。 即ち、図16に示す本発明の第7の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、オープンXYステージ6aの上に設置された電気泳動装置2の上方にマイクロチップ(15,17)の分離流路16に光を照射する照射光学系5aと、電気泳動装置2の下方にマイクロチップ(15,17)及び分離流路16からの蛍光若しくは透過光を測定する検出光学系5bを備える点が、第6の実施の形態に係る電気泳動システムとは異なる。
図16に示す第7の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、照射光学系5aは、オープンXYステージ6aの上に設置された電気泳動装置2の上方から電気泳動装置2のマイクロチップ(15,17)及びマイクロチップ(15,17)の分離流路16に向かって下方に光を照射する光源51と、光源51の下方において、光源51から出射した光がマイクロチップ(15,17)及び分離流路16に向かって進む光路中に設けられた励起フィルタ52と、光源51を駆動させるために光源51と接続された光源駆動回路58とを有する。光源51から出射した光がマイクロチップ(15,17)及び分離流路16に照射可能なように、上蓋14のマイクロチップ(15,17)の分離流路16の上方に位置する箇所には、上面から下面へ貫通する開口部18が上部光学的経路として設けられている。光源51を出射した光は、励起フィルタ52を透過し、開口部18を通過し、開口部18の下方に配置されたマイクロチップ(15,17)のカバープレート15を透過して、マイクロチップ(15,17)及び分離流路16に光が照射される。マイクロチップ(15,17)及び分離流路16から出射される透過光若しくは蛍光は、光学的経路形成手段22、オープンXYステージ6aの第2ステージ光学窓622、第1ステージ光学窓612、ステージベース光学窓602を順に通過し、検出光学系5bへ向かって入射される。
検出光学系5bは、保持基板21のマイクロチップ(15,17)の分離流路16の下方の位置に設けられた光学的経路形成手段22の下方に配置されたダイクロイックミラー53と、ダイクロイックミラー53で反射した光が透過する吸収フィルタ54と、吸収フィルタ54を介して、マイクロチップ(15,17)から出射した蛍光若しくは透過光を検出する検出器55と、検出器55を駆動させるために検出器55と接続された検出器駆動回路59とを有する。検出器55は、図1において説明したように、光電子増倍菅や半導体検出器等が採用可能である。検出光学系5bのダイクロイックミラー53を省略して、マイクロチップ(15,17)の分離流路16から出射した蛍光若しくは透過光を、直接バンドパスフィルタ54を介して検出器55に入射されるような光学配置でも構わない。
第7の実施の形態に係る電気泳動システムにおいては、照射光学系5a及び検出光学系5bを固定して、電気泳動装置2をXYステージ6によって移動し、電気泳動装置2の上方から電気泳動装置2に光を照射する照射光学系5aと、電気泳動装置2の下方において、マイクロチップ(15,17)及び分離流路16からの蛍光若しくは透過光を測定する検出光学系5bを備え、照射光学系5aから検出光学系5bに至る光路が、電気泳動装置2を移動しても光学的に阻害がないように構成されているので、分離開始位置となる導入用リザーバ12iの位置から分離流路16の光学的検出位置までの距離を任意に選択できる。よって、本発明の第7の実施の形態に係る電気泳動システムによれば、広範な種類の被測定物質に対して有効泳動長を自在に設定でき、有効泳動長を自動的に変更することができる。
尚、図16とは逆に、電気泳動装置2の下方にマイクロチップ(15,17)及び分離流路16に光を照射する照射光学系5aを設け、電気泳動装置2の上方にマイクロチップ(15,17)及び分離流路16からの蛍光若しくは透過光を測定する検出光学系5bを設けるようにしてもよい。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第7の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
第1〜第7の実施の形態の説明においては、保持基板21に設けられた貫通口である光学的経路形成手段22について説明したが、光学的な検出を行うための機構は、貫通口に限定されるものではなく、既に第1の実施の形態において説明したとおり、光学的経路形成手段22は、光学測定系5に対する光学的な阻害のないような構造(機構)であれば種々の構造(機構)が採用可能であり、例えば、保持基板21を透明材料で構成し、保持基板21の少なくとも一部を光学的経路形成手段22として定義することも可能である。第4の実施の形態の説明において、透明材料からなる上蓋14を用いることにより光学的な検出が可能であることについて説明したのも同様な趣旨である。
又、第6及び第7の実施の形態において、開口部18の代わりに透明材料からなる上蓋14を用いて上部光学的経路を実現するように構成してもよく、上蓋14を用いずに上部光学的経路を実現するように構成してもよい。上蓋14を用いないで上部光学的経路を形成する場合は、2つのリザーバ12i,12oは、それぞれ単独でマイクロチップ(15,17)の上面に貼り付けられることは勿論である。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…制御解析装置
2…泳動装置
2…電気泳動装置
3…CPU
4…圧送機構
5…光学測定系
5a…照射光学系
5b…検出光学系
6…XYステージ
6a…XYステージ
11a,11b…電極
12i…導入用リザーバ
12o…排出用リザーバ
14…上蓋
15…カバープレート
16…分離流路
17…ベースプレート
18…上部光学的経路
21…保持基板
22…光学的経路形成手段
24…ヒータ駆動回路
31…ポンプ制御手段
41…ポンプ
42…ポンプ駆動回路
51…光源
52…励起フィルタ
53…ダイクロイックミラー
54…吸収フィルタ
54…直接バンドパスフィルタ
55…検出器
58…光源駆動回路
59…検出器駆動回路
60…泳動温度
64…XYステージ駆動回路
71…電圧源
72…電圧源駆動回路
81…入力装置
82…出力装置
83…表示装置
84…入出力制御部
85…光学データ記憶部
86…データ記憶装置
87…プログラム記憶装置
301…XYステージ制御手段
302…電圧源制御手段
303…ヒータ制御手段
304…ポンプ制御手段
305…検出器制御手段
306…光源制御手段
307…光学データ入力手段
308…流路判定手段
309…再処理命令手段
601,601c…ステージベース
602,602c…ステージベース光学窓
611,611c…第1ステージ
612,612c…第1ステージ光学窓
612c…第1ステージ光学窓
613a,613ac…第1ガイド
614,614c…第1の直線運動駆動源
615…送りねじ
621,621c…第2ステージ
622,622c…第2ステージ光学窓
623a,623ac…第2ガイド
624,624c…第2の直線運動駆動機構

Claims (13)

  1. 分離流路と該分離流路の両端に設けられた導入用液溜部及び排出用液溜部を有した透明材料からなるマイクロチップ、前記導入用液溜部に接続され前記分離流路に分離媒体を導入する導入用リザーバ、前記排出用液溜部に接続され前記分離流路から分離媒体を排出する排出用リザーバ、該導入用リザーバ及び排出用リザーバにそれぞれ挿入され、前記分離流路に電気泳動用の電圧を印加する一対の電極、前記マイクロチップを搭載し、前記分離流路の幅よりも広い幅を有し、前記分離流路の長手方向に伸延する光学的経路形成手段を少なくとも一部に有する保持基板を備えた電気泳動装置と、
    前記保持基板の下方に配置され、前記光学的経路形成手段を介して前記分離流路に導入された前記分離媒体からの反射光若しくは透過光を測定する光学測定系
    とを備え、
    前記光学的経路形成手段は、前記光学測定系の光路に対して阻害がなく、前記分離流路の長手方向に沿って、前記光学測定系を電気泳動装置に対し相対的に移動させることにより、前記導入用リザーバの位置から前記光学測定系の分離流路における検出位置までの距離を連続的に変化せることが可能であることを特徴とする電気泳動システム。
  2. 前記光学的経路形成手段は、前記保持基板に設けられた開口部であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動システム。
  3. 前記光学的経路形成手段は、少なくとも一部が透明材料からなる前記保持基板の前記透明材料からなる部分の少なくとも一部に定義された領域であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動システム。
  4. 分離流路と該分離流路の両端に設けられた導入用液溜部及び排出用液溜部を有した透明材料からなるマイクロチップ、前記マイクロチップの上に配置され、前記導入用液溜部に接続され前記分離流路に分離媒体を導入する導入用リザーバ、前記マイクロチップの上に配置され、前記排出用液溜部に接続され前記分離流路から分離媒体を排出する排出用リザーバ、前記導入用リザーバ及び前記排出用リザーバにそれぞれ挿入され、前記分離流路に電気泳動用の電圧を印加する一対の電極、前記マイクロチップを搭載する保持基板を備えた電気泳動装置と、
    前記保持基板の上方に配置され、上部光学的経路を介して前記分離流路に導入された前記分離媒体からの反射光若しくは透過光を測定する光学測定系
    とを備え、
    前記上部光学的経路は、前記光学測定系の光路に対して阻害がない光学的経路であり、前記分離流路の長手方向に沿って、前記光学測定系を電気泳動装置に対し前記上部光学的経路を相対的に移動させることにより、前記導入用リザーバの位置から前記光学測定系の分離流路における検出位置までの距離を連続的に変化せることが可能であることを特徴とする電気泳動システム。
  5. 前記導入用リザーバと前記排出用リザーバとを有し、前記マイクロチップの上を保護する上蓋を更に備え、
    前記上部光学的経路が、前記上蓋に設けられた開口部によって実現されることを特徴とする請求項4に記載の電気泳動システム。
  6. 前記導入用リザーバと前記排出用リザーバとを有し、少なくとも一部が透明材料からなり、前記マイクロチップの上を保護する上蓋を更に備え、
    前記上部光学的経路が、前記透明材料からなる部分の少なくとも一部に定義された領域によって実現されることを特徴とする請求項4に記載の電気泳動システム。
  7. 前記分離流路の長手方向に沿った第1の方向に前記光学測定系を電気泳動装置に対し相対的に移動させる第1の直線運動駆動機構と、
    前記第1の方向に直交する第2の方向に前記光学測定系を電気泳動装置に対し相対的に移動させる第2の直線運動駆動機構
    とを有するXYステージを更に備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気泳動システム。
  8. 前記XYステージの動作を制御するXYステージ制御手段と、
    前記光学測定系の動作を制御する光源制御手段及び検出器制御手段と、
    前記第2の方向に前記光学測定系を電気泳動装置に対し相対的に移動させながら、前記光学測定系を用いて、前記分離媒体が前記分離流路に注入される前の前記マイクロチップから発せられる蛍光強度の前記第2の方向移動距離依存性を取得し、該第2の方向移動距離依存性のデータから、前記分離流路の中心線の位置を決定する流路判定手段
    とを有する制御解析装置を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の電気泳動システム。
  9. 前記制御解析装置が、有効泳動長を自動的に変更し、前記有効泳動長の変更に合わせて分離媒体及び分離条件を決定するプログラムを格納したプログラム記憶装置を更に有することを特徴とする請求項8に記載の電気泳動システム。
  10. 前記制御解析装置が、前記プログラムに従い、前記導入用リザーバの位置から前記光学測定系の分離流路における検出位置までの距離を自動的に変更することを特徴とする請求項9に記載の電気泳動システム。
  11. 前記制御解析装置が、前記プログラムに従い、前記導入用リザーバの位置から前記光学測定系の分離流路における検出位置までの距離を自動的に変更するとともに、前記距離の変更に合わせて前記導入用リザーバに導入する分離媒体の種類の決定及び、前記電気泳動装置を用いた分離条件を決定することを特徴とする請求項9に記載の電気泳動システム。
  12. 分離流路と該分離流路の両端に設けられた導入用液溜部及び排出用液溜部を有した透明材料からなるマイクロチップ、前記導入用液溜部に接続され前記分離流路に分離媒体を導入する導入用リザーバ、前記排出用液溜部に接続され前記分離流路から分離媒体を排出する排出用リザーバ、該導入用リザーバ及び排出用リザーバにそれぞれ挿入され、前記分離流路に電気泳動用の電圧を印加する一対の電極、前記マイクロチップを搭載し、前記分離流路の幅よりも広い幅を有し、前記分離流路の長手方向に伸延する光学的経路形成手段を少なくとも一部に有する保持基板を備えた電気泳動装置と、前記保持基板の下方に配置され、前記光学的経路形成手段を介して前記分離流路に導入された前記分離媒体からの反射光若しくは透過光を測定する光学測定系と、有効泳動長を自動的に変更し、前記有効泳動長の変更に合わせて分離媒体及び分離条件を決定するプログラムを格納したプログラム記憶装置を有する制御解析装置を備える電気泳動システムを用いた電気泳動方法であって、
    前記制御解析装置が、前記プログラムに従い、前記導入用リザーバの位置から前記光学測定系の分離流路における検出位置までの距離を自動的に変更するとともに、前記距離の変更に合わせて前記導入用リザーバに導入する分離媒体の種類の決定及び、前記電気泳動装置を用いた分離条件を決定することを特徴とする電気泳動方法。
  13. 分離流路と該分離流路の両端に設けられた導入用液溜部及び排出用液溜部を有した透明材料からなるマイクロチップ、前記マイクロチップの上に配置され、前記導入用液溜部に接続され前記分離流路に分離媒体を導入する導入用リザーバ、前記マイクロチップの上に配置され、前記排出用液溜部に接続され前記分離流路から分離媒体を排出する排出用リザーバ、前記導入用リザーバ及び前記排出用リザーバにそれぞれ挿入され、前記分離流路に電気泳動用の電圧を印加する一対の電極、前記マイクロチップを搭載する保持基板を備えた電気泳動装置と、前記保持基板の上方に配置され、上部光学的経路を介して前記分離流路に導入された前記分離媒体からの反射光若しくは透過光を測定する光学測定系と、有効泳動長を自動的に変更し、前記有効泳動長の変更に合わせて分離媒体及び分離条件を決定するプログラムを格納したプログラム記憶装置を有する制御解析装置を備える電気泳動システムを用いた電気泳動方法であって、
    前記制御解析装置が、前記プログラムに従い、前記導入用リザーバの位置から前記光学測定系の分離流路における検出位置までの距離を自動的に変更するとともに、前記距離の変更に合わせて前記導入用リザーバに導入する分離媒体の種類の決定及び、前記電気泳動装置を用いた分離条件を決定することを特徴とする電気泳動方法。
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