JP2011053016A - 放射電力測定方法および放射電力測定装置 - Google Patents

放射電力測定方法および放射電力測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】結合器内に連続移動機構を設けなくても、送受信間に理想的な結合状態を実現させることができ、コンパクトで低コストにシステム構成できるようにする。
【解決手段】受信アンテナ15と電力測定器の間に可変整合器130を挿入し、被測定物1の放射中心が一方の焦点F1の位置にあり、受信アンテナ15が他方の焦点F2の位置にある状態で、電力測定器150で測定される電力が最大となるように可変整合器13を設定し、そのときの最大電力を第1の測定値として記憶し、信号供給を受けて電波を放射する基準アンテナ160を被測定物1に代えて配置した状態で、電力測定器150で測定される電力が最大となるように可変整合器130を設定し、そのときの最大電力を第2の測定値として記憶する。そして、第1、第2の測定値、基準アンテナ160へ供給される信号の電力および放射効率に基づいて、被測定物1の全放射電力算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、小型無線端末の放射電力を測定するための技術に関し、特に、楕円球型で金属壁面に囲まれた空間を有する結合器を用い、その結合器内の焦点位置の一方に配置した無線端末から放射された電波を他方の焦点位置に配置した受信アンテナに集合させて無線端末の全放射電力を測定する方法および装置において、結合器の内部機構を簡易化してその大型化を防ぐとともに、より確実な結合状態を実現しさらに正確な測定を行えるようにするための技術に関する。
ユビキタス社会の到来を向かえ、RFID(無線タグ)、UWB(Ultra Wide Band)、BAN(Body Area Network)関連の無線機器などの超小型無線端末の爆発的増大が予測されている。
これらの機器は、その寸法の制約や経済的理由から、従来の無線機のように試験用端子を持たないものが多く、機器が放射した電波を受信してその試験をしなければならない。
特に、上記のような小型無線端末は、他の通信への影響、人体への影響などを考慮してその放射電力が厳しく規定されており、放射電力の測定が重要な試験項目となる。
放射電力には、任意方向のeirp(等価等方放射電力)と、全空間に放射される全放射電力(TRP)とがあるが、eirpは測定装置が複雑でかつ測定に長時間を要することから、TRPを扱うことが多くなってきている。
これまで用いられているTRPの測定法としては、以下のものが知られている。
(1)供試機器を包む球面上をプローブでスキャンしメッシュ点での放射電力を測定し、これらを積算する球面スキャニング法。
(2)金属で覆った部屋の中で供試機器から放射された電波を金属羽根の回転で撹拌してランダムフィールドを発生させ、統計的手法に基づき供試機器からの全放射電力を推定する方法。
(3)金属膜で覆った角錐状の空間と電波吸収体で内部にTEM波を発生させるG−TEMセルと呼ばれる装置を用いる方法。
(4)複数のアンテナとそれらに接続するアイソレータと位相調整器およびそれらアレーアンテナの信号を合成する合成器等を有し、アレーの中心線上に置かれた被測定物から放射電力を測定する電磁波結合装置。
上記球面スキャニング法は、精度の高い測定が可能であるが、その反面、大掛かりな設備(電波無反射室、球面スキャナなど)が必要で、かつ測定に長時間を要する。
さらに、全空間のごく一部に放射された電波を受信して電力を求め、その総和をとるので、各測定点における受信感度が非常に小さくなり、スプリアスの測定が困難となるという問題がある。
一方、金属で覆った部屋の中で電波を攪拌する方法では、大型電波無反射室を必要としないという利点はあるが、人為的に発生させたランダムフィールドと理論的確率モデルとの一致性に曖昧さが残り、統計的処理に基づくので結果の不確かさが大きく、測定に長時間を要するなどの問題がある。また、スプリアス測定も球面スキャンと同様難しい。
また、G−TEMセルは内部電界分布の一様性の確保が難しい上、全放射電力を測定するためには、被測定物の向きを全方向に変えられるように2軸の回転台をG−TEMセル中に装備しなければならないという困難な問題がある。
これらの問題を解決する技術として本願発明者らは、楕円球状の閉空間を有する結合器を用いてアンテナの全放射電力を測定する方法を提案した(特許文献1)。
この測定方法は、楕円をその焦点を結ぶ軸を中心に回転して得られる楕円球状で金属の壁面で囲まれた閉空間の焦点位置に被測定物と受信アンテナを配置して、被測定物から放射された電波を壁面で反射させて受信アンテナに集中させることで、被測定物の全放射電力を測定するものである。
国際公開 WO 2009/041513
上記の楕円球空間の結合器を用いた場合、被測定物と受信アンテナとの間の結合度が1となることが理想であるが、実際には、被測定物の大きさやサイドローブ等の影響を受けて、被測定物から放射された電波が異なる位相で焦点近傍に集合して互いに電波を弱め合うキャンセル現象が生じて、全放射電力の正確な測定に困難が生じる場合がある。
このような困難から逃れるために、被測定物に代わる送信基準アンテナと受信アンテナの位置を、焦点を結ぶ線に沿ってその焦点近傍の範囲で距離が変化するように連続的に移動させ、送信基準アンテナの反射係数が最小で、且つ基準アンテナから受信アンテナへの透過係数が最大となる位置を見つけ、その位置を完全結合位置として送信基準アンテナの代わりに被測定物を配置し、被測定物からの電波を受信アンテナで受信し、その時の受信レベルと、送信基準アンテナを用いたときの受信信号レベルとの比および送信基準アンテナへの供給電力から、被測定物の放射電力を求めることも考えられる。
しかしながら、上記技術を用いるには、基準アンテナや受信アンテナを連続的に移動させる機構を、結合器内に二組設ける必要がある。
そしてその移動量は最低でも測定する電波の±1波長分は必要となり、周波数が低い場合、その移動範囲も大きくなり、結合器の大きさもその分を見込んで大きくしなければならず、装置の大型化が避けられず、コストも高くなる。また、たとえ移動機構の駆動部のみを結合器の外に配置する構造を採用しても装置全体として大型化することにかわりない。
また、空間内でより完全な結合位置を見つけるために、二つの焦点を結ぶ軸に沿った一次元変位だけでなく、その軸方向を含む3次元の変位機構を設ける必要が生じるが、そのような複雑な3次元の変位機構を二組設けた場合、装置がさらに大型化してコストもさらに高くなってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、結合器内に連続移動機構を設けなくても、送受信間に理想的な結合状態を実現させ、コンパクトで低コストにシステム構成できる放射電力測定方法および装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の放射電力測定方法は、
楕円をその2つの焦点(F1、F2)を通る軸を中心に回転して得られる楕円球状で金属の壁面(11)で囲まれた閉空間(12)の一方の焦点(F1)の近傍に被測定物(1)の電波の放射中心を一致させ、該被測定物から放射された電波を前記壁面で反射させて他方の焦点(F2)の近傍に配置した受信アンテナ(15)に集中させて、該受信アンテナの出力信号の電力を電力測定器(150)によって測定することで被測定物の全放射電力を測定する放射電力測定方法において、
前記受信アンテナと前記電力測定器の間に可変整合器(130)を挿入し、
前記被測定物の放射中心が前記一方の焦点の近傍位置にあり、前記受信アンテナが他方の焦点の近傍位置にある状態で、前記電力測定器で測定される電力が最大となるように前記可変整合器を設定し、そのときの最大電力を第1の測定値として記憶する段階と、
信号供給を受けて電波を放射する基準アンテナを前記被測定物に代えて配置した状態で、前記電力測定器で測定される電力が最大となるように前記可変整合器を設定し、そのときの最大電力を第2の測定値として記憶する段階と、
前記第1の測定値、第2の測定値および前記基準アンテナへ供給される信号の電力および放射効率に基づいて、前記被測定物の全放射電力を算出する段階とを含むことを特徴とする。
また、本発明の請求項2の放射電力測定方法は、請求項1記載の放射電力測定方法において、
前記第1の測定値として、所定の周波数範囲内の各周波数についての一連の周波数特性を求めるとともに、該周波数特性を、前記被測定物と受信アンテナとの距離を複数通りに変えて複数組求めるようにし、
さらに、前記第2の測定値として、前記所定の周波数範囲内の各周波数についての一連の周波数特性を求めるとともに、該周波数特性を、前記基準アンテナと受信アンテナとの距離を複数通りに変えて複数組求めるようにし、
前記被測定物の全放射電力を算出する際には、被測定物および基準アンテナについてそれぞれ複数組ずつ得られた周波数特性のうち、同一周波数のデータのうちの最大値を選択して用いることを特徴とする。
また、本発明の請求項3の放射電力測定装置は、
楕円をその2つの焦点(F1、F2)を通る軸を中心に回転して得られる楕円球状で、金属の壁面で囲まれた閉空間を有し、電波を放射する被測定物(1)または基準アンテナのいずれか一方の放射体を一方の焦点の近傍位置に支持する第1の支持手段(50)と、該放射体が放射した電波を受けるための受信アンテナ(15)と、該受信アンテナを前記他方の焦点の近傍位置に支持する第2の支持手段(55)とを含み、前記放射体から放射された電波を前記受信アンテナに集中させてその受信信号を前記閉空間から外部へ出力させる結合器(21)と、
前記受信アンテナの出力信号の電力を測定するための電力測定器(150)と、
前記受信アンテナと前記電力測定器の間に設けられた可変整合器(130)と、
前記第1の支持手段に前記基準アンテナが支持されたときに該基準アンテナに前記結合器の外部から信号を供給するための信号供給手段(161、162)と、
前記第1の支持手段に前記被測定物が支持された状態で前記電力測定器によって測定される電力が最大となるように前記可変整合器を設定し、そのとき最大電力を第1の測定値とし、前記被測定物に代わって前記基準アンテナが支持された状態で前記電力測定器によって測定される電力が最大となるように前記可変整合器を設定し、そのときの最大電力を第2の測定値として求め、前記第1の測定値、第2の測定値、前記基準アンテナへ供給される信号の電力および放射効率に基づいて、前記被測定物の全放射電力を算出する測定制御部(190)とを有していることを特徴とする。
また、本発明の請求項4の放射電力測定装置は、請求項3記載の放射電力測定装置において、
前記結合器の前記第1の支持手段と第2の支持手段は、被測定物または基準アンテナと前記受信アンテナの位置を、その距離が変化する方向に前記楕円の焦点を結ぶ軸に沿って複数通り変更できるように形成されており、
前記測定制御部は、
前記第1の測定値として、前記電力測定器が検出する信号の周波数を所定周波数範囲内で順次変更させ、各周波数についての一連の周波数特性を求めるとともに、該周波数特性を、前記被測定物と受信アンテナの位置毎に複数組求め、さらに、前記第2の測定値として、前記所定の周波数範囲内の各周波数についての一連の周波数特性を求めるとともに、該周波数特性を、前記基準アンテナと受信アンテナの位置毎に複数組求め、前記被測定物の全放射電力を算出する際には、被測定物および基準アンテナについてそれぞれ複数組ずつ得られた周波数特性のうち、同一周波数のデータのうちの最大値を選択して用いることを特徴とする。
このように、本発明の放射電力測定方法および装置では、可変整合器を用いて被測定物を結合器にセットした状態で受信電力が最大となるように整合させたときに得られた測定値と、被測定物に代えて基準アンテナを結合器にセットした状態で受信電力が最大となるように整合させたときに得られた測定値とを求めて、被測定物の全放射電力を算出している。
この測定原理は、結合器と可変整合器をそれぞれ4端子網とし、カスケード回路の出力が電力測定器の入力インピーダンスで終端される等価回路を想定した演算によって導かれることであり、結合器の出力側で整合をとれば、系全体の反射係数が0で、透過係数が1、つまり完全結合状態が実現できるという知見に基づくものであって、送受信間に理想的な高い結合状態を実現させ、被測定物の放射電力を正確に求めることができる。
また、結合調整のために放射体や受信アンテナの位置を連続的に動かす必要がないので、コンパクトで低コストにシステム構成できる。
また、ある周波数範囲における全放射電力を求める場合には、アンテナ間距離が異なる複数通りの配置を設定し、各配置についての整合状態におれる測定電力からなる周波数特性を求め、その複数の特性から同一周波数についてのデータのうちの最大値を選択して計算に用いるものでは、落ち込み(ディップ)の影響を受けないで、広い周波数範囲で正確な測定が行える。
本発明の測定方法を説明するための図 本発明の測定方法を説明するための図 トラップ型の可変整合器の構成例を示す図 デジタル移相型の可変整合器の構成例を示す図 L型の可変整合器を用いたときの整合条件を説明するための図 送受信のアンテナがコリニア配置の場合の透過率の周波数特性図 コリニア配置の整合状態における複数の特性の組合せで得られた特性図 送受信のアンテナが対向配置の場合の構成例を示す図 対向配置の場合の透過率の周波数特性図 対向配置の整合状態における複数の特性の組合せで得られた特性図 放射電力測定装置の実施形態の全体構成図 要部の内部構造を示す図 要部の内部構造を示す図 要部の内部構造を示す図 実施形態の動作を説明するためのフローチャート図
(測定方法)
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の測定方法の原理を説明するための図である。
図1の(a)は、被測定物1をセットして測定する場合のシステム構成であり、楕円をその長軸を中心に回転して得られる楕円球状で金属の壁面11で囲まれた閉空間12を有する結合器21の中で、長軸上の一方の焦点F1の位置に被測定物1の電波の放射中心をほぼ一致させ、被測定物1からその周囲に放射された電波を壁面11で反射させて他方の焦点F2の位置に配置した受信アンテナ15に集中させる。
この受信アンテナ15の出力信号は、結合器21の外部に出力され、可変整合器130を介して電力測定器150に入力される。
ここで、結合器21と可変整合器130を図2のようにSパラメータで表される4端子網回路21′、130′と置き換え、その出力を電力測定器150の入力インピーダンスZで終端する回路を考える。
この二つの4端子網回路がカスケード接続された回路全体のSパラメータを用いたS行列は、以下のように表される(途中計算は省略)。
Figure 2011053016
ここで、系が無損失と仮定すれば、|S11|=|S22|であり、さらに出力側で整合をとれば、S11=S22=0、|S21|=|S12|=1が成立する。この状態は、系全体でみて、入力側の反射係数が0、入出力間の透過係数が1の完全結合状態を表している。そして出力側で整合をとるということは、可変整合器130を調整して、電力測定器150に入力される信号電力を最大にすることにほかならない。
図1の(a)のシステムの場合で、被測定物1の放射電力Ptと受信信号電力Prとの関係は、次式で表される。
Pr=Pt・K(1―|S11) ……(2)
ただし、Kは結合係数である
そして、整合をとるとS11=0となるから、以下のようになる。
Pr=Pt・K ……(3)
一方、図1の(b)のように被測定物1の代わりに基準アンテナ160を配置し、信号発生器161から基準アンテナ160に所定電力Psを供給した状態で前記同様に整合を取ったとき、基準アンテナの放射電力Pt′と受信信号電力Pr′との関係は、次式で表される。なお、基準アンテナ160に供給される電力Psは、信号発生器161の出力電力からケーブルロスを減じたものであり既知である。
Pr′=Pt′・K=Ps・η・K ……(4)
ただし、ηは基準アンテナの放射係数(既知とする)
上記式でKを消去すれば、被測定物の放射電力Ptは、次のように表される。
Pt=Ps・η・Pr/Pr′ ……(5)
式(5)で、Ps、ηはともに既知、Pr/Pr′は整合状態で測定された最大電力値の比であるから、式(5)の右辺を計算して、被測定物の放射電力Ptを求めることができる。
なお、上記説明では被測定物1についての測定を行ってから基準アンテナ160についての測定を行っていたが、その順序は逆でもよい。
上記測定方法を用いれば、簡単に且つ確実に被測定物の放射電力を求めることができ、しかも被測定物1、基準アンテナ160、受信アンテナ15を、結合調整のために連続移動させたり、3次元方向の移動機構も不要である。
したがって、装置が大型化することがなく、コンパクトで低コストにシステム構成できる。
なお、可変整合器130としては、図3の(a)〜(c)に示すように、平行線路(主線路)の中間や両端にスタブを設けたトラップ式のものや、図4に示すように、PINダイオードへの順方向電流の供給によってオンする移相ローデッドライン型移相器とハイブリッド型移相器とを組合せ、入力信号を、π、π/2、π/4、π/8またはそれらの組合せの量だけ移相して出力するデジタル移相器を用いたもの等が採用できる。
上記図3のトラップ式整合器には、(a)のL型、(b)のT型、(c)のπ型があり、図中のL1とL2の長さをそれぞれ可変することでインピーダンス変換を行って、入力と出力の間の整合をとる。この方式のうち特に(a)は広帯域な特性を持っており、この用途に最適である。なお、線路長の可変は例えばトロンボーン機構のラインストレッチャーを用いることで実現できる。
例えば、前記L型の可変整合器の場合、長さL1の部分と長さL2の部分にそれぞれラインストレッチャーを用いるが、整合点はL1=0〜λ/2、L2=0〜λ/4の範囲の中で1点だけ存在するため、制御が容易である。
上記のデジタル移相器は、PINダイオードのオンオフで位相を変化させることができるので、高速の位相制御を行うことができるが、挿入損失が大きく、また使用周波数範囲が限られる。これに対し、ラインストレッチャーは、制御速度は遅いが、挿入損失が小さく、使用周波数範囲も広いという特徴を有し、測定装置の移相器には好適である。
なお、図5に示す条件で、結合器内のS行列Scを電磁界シミュレータで求め、回路計算によりL型の整合器のSマトリクスSmを合成して、得られた整合条件は、結合器の出力側の反射係数をSc22(複素数)とし、arg(Sc22)をSc22の位相角とすると、次のようになる。
L1/λ
=(1/4π)[cos−1(−|Sc22|)+arg(Sc22)]
L2/λ
=(1/2π)tan−1[(1−|Sc221/2/2|Sc22|]
また、上記L型の可変整合器をデジタル的に制御する場合、各長さL1、L2を最初は粗く可変して、電力が大きくなる長さを大まかに探し、そのあとに、細かいステップで長さを可変して、最大電力に追い込むことになる。また、このような離散的な制御の場合、真の最大値電力に達しない場合があるが、その場合には複数の測定点から内挿法によって真の最大電力を求めればよい。このような内挿法を用いる場合でシミュレーションした結果、測定点の粗さ(L1、L2の可変ステップ)は、1/40波長程度でよいことが確かめられているので、上記のような機械的な可変整合器を用いた場合でも、短時間に整合させることができる。
上記したように、被測定物1と基準アンテナ16についてそれぞれ可変整合器130によって電力最大となるように設定し、その最大電力の比を求めることで被測定物1の放射電力を算出することが可能である。
上記説明は、周波数を固定した場合で説明しているが、被測定物1が出力する信号の周波数毎の放射電力を求める必要がある場合には、電力測定器150で測定周波数を可変して、上記整合処理を行うことになる。
その場合、結合器21の形状(楕円の離心率、焦点間の距離)と電波の周波数との関係によって、特定周波数で結合器21の透過率が極端に低下(ディップする)ことがある。
したがって、その場合には、被測定物1や基準アンテナ160と、受信アンテナ15との距離(以下、アンテナ間距離と言う)を変えて、上記特定周波数でディップが起きない状態で同様の測定を行い、その特定周波数における放射電力を求めて、データを補うようにすればよい。
ここで、アンテナ間距離を複数通りに変化させる機構が必要となるが、この機構は、単にアンテナの位置を所定距離ずらして固定する機構でよく、連続移動機構は必要ない。
図6は、アンテナ間距離を変更したときの系全体の透過率の周波数特性を示したものであり、(a)の特性U1〜U3は可変整合器がない場合の特性、(b)の特性U1′〜U3′は前記した方法で可変整合器130によって整合をとった場合の特性である。ここで、3通りの位置の特性を示しているが、その一つはアンテナの放射中心(給電点)が焦点位置にある場合(Δz=0)で、別の一つは、各焦点位置から内側に30mm移動した(アンテナ間距離を60mm短くした)場合(Δz=−30mm)で、さらに別の一つは、各焦点位置から外側に30mm移動した(アンテナ間距離を60mm長くした)場合(Δz=+30mm)である。
また、結合器の直径(長軸径)950mm、離心率e=0.5、アンテナは中心周波数2.4GHzの半波長ダイポールで、その長さ方向が楕円の軸に沿ったコリニア配置の場合である。
両者を比較すると、整合を取ることによってほとんどの周波数で、透過率=0dB(即ち完全結合)となることが分かる。また、整合の有無に関わらず、ディップが特定周波数で発生しているが、整合が無い場合のディップの幅は広く、二つの特定周波数が近いと、その間の周波数の透過率まで減少してしまうのに対し、整合状態におけるディップの幅は格段に狭く、特定周波数以外の透過率への影響が極めて少ないことがわかる。また、位置を変えることでディップの周波数が変化する。
したがって、図6の(b)のアンテナ間距離が異なる3組の特性U1′〜U3′の中で、ディップが重ならないような二組以上を用い、同一周波数についての最大値を選択するようにすれば、2.2〜2.6GHzの周波数帯における放射電力の測定が行える。
図7は、アンテナ間距離が異なる場合の整合後の各透過率特性から、同一周波数のデータから最大値を選択して得られたものであり、(a)は、特性U1′とU2′の組合せ、(b)は、特性U1′とU3′の組合せ、(c)は、特性U2′とU3′の組合せ、(d)は、3つの特性U1′〜U3′の組合せである。
この図7で、例えば、(c)の特性のように、周波数範囲2.3〜2.6GHzで大きなディップが生じていないから、この範囲を測定周波数範囲とすれば、+30mmと−30mmというアンテナ間距離の異なる2組の測定データを用いれば済む。
また、2.2〜2.6GHzまでを測定範囲とするならば、3つの特性U1′〜U3′の組合せの(d)の特性を用いればよく、その場合でもアンテナ間距離の異なる3組の測定データを用いれば済む。この場合、共振周波数でも0.5dB程度で放射電力を測定できることがわかる。
なお、実際に測定を行う場合には、アンテナ間距離が異なる2組あるいは3組の測定を全周波数範囲で行って、その互いの特定周波数について補い合う場合と、一組の測定を全周波数範囲について行い、その特定周波数についてだけアンテナ間距離が異なる測定を行い、その周波数におけるデータを補う方法であってもよい。
前記説明は、送信側と受信側のアンテナをダイポール系としその長さ方向が、楕円軸の長さ方向に一致するコリニア配置のものであり、理論上アンテナ間で直接結合しない条件を前提としていたが、本発明では結合器内の結合状態には特に左右されないで前記同様の測定が行える。
例えば、図8のように、送信側と受信側のダイポール系のアンテナが、その長さ方向が楕円軸と直交(つまりアンテナ同士が平行に対向)する対向配置になっていて、アンテナ間の直接結合成分が大きい場合であっても、前記同様の測定結果を得ている。
図9がその測定結果であり、(a)は、特性W1〜W3は、前記同様のアンテナ間距離でおける可変整合器を用いない場合の透過率、(b)の特性W1′〜W3′は、前記同様のアンテナ間距離において、可変整合器130によって整合させたときの透過率であり、この場合でも、整合状態におけるディップの幅は非整合状態に比べて格段に狭い。
そして、この図9の(b)の各特性W1′〜W3を前記同様に組合せて、各周波数について最大値を選択することで得られた特性を、図10の(a)〜(d)に示す。
図10の(a)は特性W1′とW2′の組合せ、(b)は特性W1′とW3′の組合せ、(c)は、特性W2′とW3′の組合せ、(d)は、特性W1′〜W3′の組合せである。
この場合も、二つ特性の組合せで得られたもののうち、(c)の特性であれば2.3〜2.6GHzを測定範囲として用いることができ、また、3つの特性の組合せで得られた(d)の特性であれば、2.2〜2.6GHzの広い帯域で測定することが可能である。しかし、特性は前記したコリニア型の配置の方が優れているので、特別な理由がない限り、コリニア型の配置を採用するのが望ましい。
なお、ここでは、送受信のアンテナを、焦点位置、焦点位置より30mmずつ内側の位置、焦点位置より30mmずつ外側の位置に変更した場合で説明したが、この30mmという距離は、測定中心周波数の2.4GHzのほぼ1/4波長に相当し、アンテナ間の間隔は、基準位置から狭い方へ移動した場合に1/2波長分短くなり、広い方へ移動した場合で1/2波長分長くなり、全体としてほぼ1波長分の変えていることになり、このようにすることで、2組あるいは3組の特性の組合せでディップのほとんどない特性が得られ、広帯域信号の周波数毎の放射電力を正確に求めることができる。
(放射電力測定装置の説明)
図11は、上記測定方法に基づいた放射電力測定装置20の全体構成を示している。
この放射電力測定装置20は、前記した結合器21、可変整合器130、電力測定器150、被測定物の代わりに用いる基準アンテナ160、信号発生器161、基準アンテナ160と信号発生器161の間を接続する同軸ケーブル162、測定制御部190を有している。
この結合器21には、前記した楕円球状の閉空間12を囲む壁面11と、その閉空間12内の一方の焦点F1の位置に被測定物1および基準アンテナ160のほぼ放射中心位置がくるように支持する手段と、他方の焦点F2の位置に受信アンテナ15の中心がくるように支持する手段とが設けられている。また、被測定物1、基準アンテナ160、受信アンテナ15の出し入れができるように、閉空間12を開閉できる構造が必要である。
図12〜図14は、その具体例を示すものであり、結合器21は、下ケース22と上ケース23とに別れた開閉式で、下ケース22の上板22aには、楕円状の穴(図示せず)が形成され、その穴に前記した楕円球状の閉空間12の下半部の外周形状に沿った形状の内壁25aを有する第1の内壁形成体25が取り付けられている。
第1の内壁形成体25は、電波を反射する金属板、金属メッシュ板のプレス加工、あるいは合成樹脂の成形品の内壁に金属膜を設ける等して形成され、その上縁には、僅かに外側へ延びて前記穴の外縁と重なるフランジ26が延設されており、この第1の内壁形成体25は、フランジ26部分が下ケース22の上板22aに固定されている。
一方、上ケース23の下板23aにも、楕円形の穴(図示せず)が設けられ、この穴に、第2の内壁形成体30が装着されている。
第2の内壁形成体30は、第1の内壁形成体25と対称な形状を有している。即ち、前記した楕円球状の閉空間12の上半部の外周形状に沿った形状の内壁30aを有し、その開口側の縁部には、僅かに外側へ延びて上ケース23の前記穴の外縁と重なるフランジ31が延設され、このフランジ31部分が下板23aに固定されている。
上ケース23は、下ケース22に対して図示しないヒンジ機構とロック機構などにより開閉自在に連結されており、上ケース22を下ケース23に重なるように閉じてロックしたとき、図12のように、第1の内壁形成体25のフランジ26と第2の内壁形成体30のフランジ31が全体的に隙間なく面接触して、それぞれの内壁25a、30aが連続して、前記した壁面11で囲まれた楕円球状の閉空間12が形成される。
なお、下ケース22と上ケース23には、閉じたときに、上下の内壁形成体25、30がずれない状態で重なり合うようにするための位置決め機構(例えば図のようにガイドピン40とそれを受け入れるガイド穴41)が形成されている。
また、例えば、図13の(a)のように、一方の内壁形成体30の開口側の内縁のほぼ全周に渡って弾性リブ45を突設させることで、図13の(b)のように他方の内壁形成体25と合わせられたときに、その弾性リブ45を内壁形成体25の開口側の内縁全周に接触させて、内壁形成体25、30のフランジ26、31の接触部を覆い、その接触部に隙間が生じた場合の電波の漏洩等などを低減することができる。
また、ここでは、下ケース22の上板22aと第1の内壁形成体25、上ケース23の下板23aと第2の内壁形成板30とがそれぞれ別体になっている例を示しているが、下ケース22の上板22aと第1の内壁形成体25、および上ケース23の下板23aと第2の内壁形成板30と上板22とを同一材料で一体に形成してもよい。また、ここでは第1の内壁形成体25および第2の内壁形成体30の外周形状を半楕円外周形状にしているが、内壁25a、30aが前記した楕円球に沿っていればよく、外側の形状は任意である。
図11、図12、図14に示しているように、第1の内壁形成体25の開口面上の前記焦点F1の近傍位置には、前記した閉空間12内で被測定物1および基準アンテナ160を支持するための放射体支持部50が設けられ、焦点F2の近傍位置には、受信アンテナ15を支持するための受信アンテナ支持部55が設けられている。
放射体支持部50は、被測定物1および基準アンテナ160の放射中心が焦点F1の位置にほぼ一致する状態を基準位置とし、それらを焦点F1、F2を結ぶ軸に沿って一定距離(例えば±30mm)移動できる状態で支持するものであり、焦点F1、F2を結ぶ軸に沿って移動可能な支持板51と、その支持板51の上に放射体を固定する固定具52と、支持板51の下降を防ぐ基台53および後述する位置決め機構180により構成されている。なお、これらの各構成部材のうち、結合器21内部に配置されたものは、電波に対する透過率が高い(比誘電率が1に近い)合成樹脂材により形成されている。
固定具52は、例えば電波伝搬に影響を与えない伸縮自在なバンドで、被測定物1や基準アンテナ160を支持板51の上の所定位置に固定させる。この支持板51の外側端部には内壁形成体25を貫通摺動する軸部51aが突設され、その軸部51aは、内壁形成体25の外側に固定された第1の位置決め機構180に係合している。軸部51aの両側部には、ネジ止め固定用の穴を有するフランジ51b、51cが突設されている。
第1の位置決め機構180は、断面凹状に形成され、その中央の溝部で支持板51の軸部51aを摺動自在に保持できるようになっており、その溝部の両側には、フランジ51b、51cをネジ止めするための3組のネジ穴180a〜180c、180a′〜180c′が例えば前記した30mmの間隔で設けられている。
そして、図14のように、フランジ51b、51cを中央のネジ穴180a、180a′にネジ止めしたときに、被測定物1(または基準アンテナ160)を基準となる焦点位置(第1の位置)に固定することができる。
また、フランジ51b、51cを内側のネジ穴180b、180b′にネジ止めすれば、被測定物1(又は基準アンテナ160)を焦点位置より30mm内側の位置に固定することができ、逆にフランジ51b、51cを外側のネジ穴180c、180c′にネジ止めすれば、被測定物1(または基準アンテナ160)を焦点位置より30mm外側の位置に固定することができる。
なお、基準アンテナ160を支持する場合には、信号給電用の同軸ケーブル161を外部に引き出すことができるように例えば支持板51の軸部51aの内部に貫通する穴が形成されている。
また、受信アンテナ支持部55も放射体支持部51と同様に、電波に対する透過率が高い合成樹脂材により形成された支持板56と、支持板56の下降を防ぐ基台57、支持板56の上に受信アンテナ15を固定する固定具58および第2の位置決め機構181により構成されている。
ここで、受信アンテナ15は、基板15aに対するエッチング処理でアンテナ素子15bを印刷形成されたものが一般的であり、それを固定するための固定具58は、例えば受信アンテナ15の特性を変化させない合成樹脂性のネジやクリップであり、受信アンテナ15のアンテナ素子の放射中心が支持板56の上の焦点F1、F2を結ぶ楕円軸上の位置に固定させる。
この受信アンテナ15を支持する支持板56にも、その外側端部に内壁形成体25を貫通摺動する軸部56aが突設され、その軸部56aは、内壁形成体25の外側に固定された第2の位置決め機構181に係合している。軸部56aの両側部には、ネジ止め固定用の穴を有するフランジ56b、56cが突設されている。
第2の位置決め機構181は第1の位置決め機構180と同様に断面凹状に形成され、その中央の溝部で支持板56の軸部56aを摺動自在に保持できるようになっており、その溝部の両側には、フランジ56b、56cをネジ止めするための3組のネジ穴181a〜181c、181a′〜181c′が、例えば前記した30mmの間隔で設けられている。
そして、図14に示しているように、フランジ56b、56cを中央のネジ穴181a、181a′にネジ止めしたときに、受信アンテナ15を基準となる焦点位置(第1の位置)に固定することができる。
また、フランジ56b、56cを内側のネジ穴181b、181b′にネジ止めすれば、受信アンテナ15を焦点位置より30mm内側の位置(第2の位置)に固定することができ、逆にフランジ56b、56cを外側のネジ穴181c、181c′にネジ止めすれば、受信アンテナ15を焦点位置より30mm外側の位置(第3の位置)に固定することができる。
なお、受信アンテナ15の同軸ケーブル16を外部に引き出すことができるように例えば支持板56の軸部56aの内部に貫通する穴が形成されている。
なお、図14で示したように受信アンテナ15がダイポール系の場合や、ループ系のような平衡型の場合には、給電点に挿入したバラン15cを介して不平衡型の同軸ケーブル16に接続する。また、ダイポール型としてスリーブアンテナ等を用いることも可能である。
この受信アンテナ15で受信された信号は、同軸ケーブル16を介して結合器21の外部に出力され、前記した可変結合器30に接続される。
なお、受信アンテナ15を支持する支持板56の位置変更に伴い同軸ケーブル16も移動するが、同軸ケーブル16のうち、少なくとも結合器21の外側の部分に可撓性のあるケーブルを用いることで、支持板56の移動を妨げることなく可変整合器130に接続することができる。これは基準アンテナ160に接続する同軸ケーブル162についても同様である。
可変整合器130は、前記したロンボーン式のラインストレッチャーを用いたトラップ型やデジタル移相器型のものが使用できる。なお、ラインストレッチャーを用いた可変整合器は、制御信号により線路長(L1、L2)が可変できる構造とする。
可変整合器130の出力は電力測定器150に入力される。電力測定器150は、広帯域な電力計やスペクトラムアナライザ、周波数選択性のある受信機等が使用でき、前記したようにLNAを併用してもよい。
そして、測定制御部190は、前記した測定方法にしたがって、信号発生器161、電力測定器150の周波数設定、可変整合器130の制御および前記演算処理を行い、被測定物1のTRPを算出する。
図15は、測定制御部19の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて装置の動作説明をする。
始めに、測定の準備として、結合器21を開いて、被測定物1と受信アンテナ15を第1の位置、例えば基準となる焦点位置に支持させ、結合器21を閉じる(S1)。
そして、電力測定器150の周波数を測定周波数のいずれかにセットし、電力測定器150の測定値が最大となるように可変整合器130を制御し、そのとき測定値を記憶するという処理を、測定周波数を変更しながら行い、所望周波数範囲で、第1の位置における整合状態での周波数特性F1を求める(S2)。
次に、被測定物1と受信アンテナ15の位置を、第2の位置、例えば前記したΔ=−30mmの位置に変更して(S3)、処理S2と同様の処理を行い、第2の位置における整合状態での周波数特性F2を求める(S4)。
さらに、被測定物1と受信アンテナ15の位置を、第3の位置、例えば前記したΔ=+30mmの位置に変更して(S5)、処理S2と同様の処理を行い、第3の位置における整合状態での周波数特性F3を求める(S6)。
次に、結合器21を開いて被測定物1に代わって基準アンテナ160を用い、その基準アンテナ160と受信アンテナ15を、前記した第1の位置に設置し、同軸ケーブル162を介して信号発生器161と接続して結合器21を閉じる。
そして、この基準アンテナ160を用いて、前記各位置における整合状態での周波数特性G1〜G3を求める(S7〜S12)。
そして、周波数特性F1〜F3から各周波数での最大値を選択することで前記ディップの少ない特性Fsを生成し(S13)、周波数特性G1〜G3についても同様に、各周波数での最大値を選択することで前記ディップの少ない特性Gsを生成する(S14)。
そして、各測定周波数について、測定で得られた特性Fsの値と特性Gsの値との比、および基準アンテナ16への供給電力等の既知情報に基づいて、式(5)から、各測定周波数における放射電力を求める(S15)。
なお、ここでは、被測定物1についての測定を先に行い、基準アンテナ160を用いた測定を後に行っていたが、その順序は逆でもよい。
1……被測定物、11……壁面、12……閉空間、15……受信アンテナ、15a……基板、15b……素子、15c……バラン、16……同軸ケーブル、20……放射電力測定装置、21……結合器、22……下ケース、23……上ケース、25……第1の内壁形成体、26……フランジ、30……第2の内壁形成体、31……フランジ、40……ガイドピン、41……ガイド穴、45……弾性リブ、50……放射体支持部、51……支持板、55……受信アンテナ支持部、56……支持板、130……可変整合器、150……電力測定器、160……基準アンテナ、161……信号発生器、162……同軸ケーブル、180、181……位置決め機構、190……測定制御部

Claims (4)

  1. 楕円をその2つの焦点(F1、F2)を通る軸を中心に回転して得られる楕円球状で金属の壁面(11)で囲まれた閉空間(12)の一方の焦点(F1)の近傍に被測定物(1)の電波の放射中心を一致させ、該被測定物から放射された電波を前記壁面で反射させて他方の焦点(F2)の近傍に配置した受信アンテナ(15)に集中させて、該受信アンテナの出力信号の電力を電力測定器(150)によって測定することで被測定物の全放射電力を測定する放射電力測定方法において、
    前記受信アンテナと前記電力測定器の間に可変整合器(130)を挿入し、
    前記被測定物の放射中心が前記一方の焦点の近傍位置にあり、前記受信アンテナが他方の焦点の近傍位置にある状態で、前記電力測定器で測定される電力が最大となるように前記可変整合器を設定し、そのときの最大電力を第1の測定値として記憶する段階と、
    信号供給を受けて電波を放射する基準アンテナを前記被測定物に代えて配置した状態で、前記電力測定器で測定される電力が最大となるように前記可変整合器を設定し、そのときの最大電力を第2の測定値として記憶する段階と、
    前記第1の測定値、第2の測定値および前記基準アンテナへ供給される信号の電力および放射効率に基づいて、前記被測定物の全放射電力を算出する段階とを含むことを特徴とする放射電力測定方法。
  2. 前記第1の測定値として、所定の周波数範囲内の各周波数についての一連の周波数特性を求めるとともに、該周波数特性を、前記被測定物と受信アンテナとの距離を複数通りに変えて複数組求めるようにし、
    さらに、前記第2の測定値として、前記所定の周波数範囲内の各周波数についての一連の周波数特性を求めるとともに、該周波数特性を、前記基準アンテナと受信アンテナとの距離を複数通りに変えて複数組求めるようにし、
    前記被測定物の全放射電力を算出する際には、被測定物および基準アンテナについてそれぞれ複数組ずつ得られた周波数特性のうち、同一周波数のデータのうちの最大値を選択して用いることを特徴とする請求項1記載の放射電力測定方法。
  3. 楕円をその2つの焦点(F1、F2)を通る軸を中心に回転して得られる楕円球状で、金属の壁面で囲まれた閉空間を有し、電波を放射する被測定物(1)または基準アンテナのいずれか一方の放射体を一方の焦点の近傍位置に支持する第1の支持手段(50)と、該放射体が放射した電波を受けるための受信アンテナ(15)と、該受信アンテナを前記他方の焦点の近傍位置に支持する第2の支持手段(55)とを含み、前記放射体から放射された電波を前記受信アンテナに集中させてその受信信号を前記閉空間から外部へ出力させる結合器(21)と、
    前記受信アンテナの出力信号の電力を測定するための電力測定器(150)と、
    前記受信アンテナと前記電力測定器の間に設けられた可変整合器(130)と、
    前記第1の支持手段に前記基準アンテナが支持されたときに該基準アンテナに前記結合器の外部から信号を供給するための信号供給手段(161、162)と、
    前記第1の支持手段に前記被測定物が支持された状態で前記電力測定器によって測定される電力が最大となるように前記可変整合器を設定し、そのとき最大電力を第1の測定値とし、前記被測定物に代わって前記基準アンテナが支持された状態で前記電力測定器によって測定される電力が最大となるように前記可変整合器を設定し、そのときの最大電力を第2の測定値として求め、前記第1の測定値、第2の測定値、前記基準アンテナへ供給される信号の電力および放射効率に基づいて、前記被測定物の全放射電力を算出する測定制御部(190)とを有していることを特徴とする放射電力測定装置。
  4. 前記結合器の前記第1の支持手段と第2の支持手段は、被測定物または基準アンテナと前記受信アンテナの位置を、その距離が変化する方向に前記楕円の焦点を結ぶ軸に沿って複数通り変更できるように形成されており、
    前記測定制御部は、
    前記第1の測定値として、前記電力測定器が検出する信号の周波数を所定周波数範囲内で順次変更させ、各周波数についての一連の周波数特性を求めるとともに、該周波数特性を、前記被測定物と受信アンテナの位置毎に複数組求め、さらに、前記第2の測定値として、前記所定の周波数範囲内の各周波数についての一連の周波数特性を求めるとともに、該周波数特性を、前記基準アンテナと受信アンテナの位置毎に複数組求め、前記被測定物の全放射電力を算出する際には、被測定物および基準アンテナについてそれぞれ複数組ずつ得られた周波数特性のうち、同一周波数のデータのうちの最大値を選択して用いることを特徴とする請求項3記載の放射電力測定装置。
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