JP2011052867A - 冷却配送台車 - Google Patents

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崇文 川北
Mitsuhiro Maeda
光裕 前田
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Abstract

【課題】一台の手押し用の台車によって低温の配送物品を所定の冷却温度に維持したまま、且つ、非冷却物品は常温のまま配送することを可能とする冷却配送台車を提供する。
【解決手段】本発明の冷却配送台車1は、移動用の車輪12と、手押し用のハンドル14と、配送物品を収納する貯蔵室を有した断熱箱体20と、貯蔵室内を冷却する冷却装置と、断熱箱体20の開口5を開閉自在に閉塞する断熱扉6と、断熱箱体20上に配設され、配送物品を収容する収容箱体16とを備え、収容箱体16をハンドル14に保持部材19により着脱自在に保持し、断熱箱体20より上方に突出し、収容箱体16のハンドル側から見て左右面に当接する位置決め部材9とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定温度に冷却維持しながら、物品を配送する冷却配送台車に関する。
従来より庫内を低温として物品の配送に用いられるものとして、低温物流用の低温庫がある。この低温庫は、例えば配送ベースにおいて食品など所定の冷却温度に維持が必要とされる配送物品を庫内に収納し、そのまま配送車の荷台に積載されて搬送される。そして、配送車によって配送先まで配送し、その場にて庫内から配送物品を取り出して、宛先人等に引き渡される。
例えば、特許文献1に示される低温庫は、予め冷却装置により蓄冷剤を凍結させておき、その後蓄冷剤の融解潜熱によって貯蔵室内を冷却する。これによれば、蓄冷運転時、交流電源によって蓄電池を充電すると共に、前記交流電源により冷却装置を運転して蓄冷剤と交熱的に設けられる冷却器によって凍結させておき、輸送時には蓄電池を電源として送風機を運転し、蓄冷剤の冷気を貯蔵室に循環して冷却する保冷運転を実行していた。
特開平9−53874号公報
しかしながら、従来の低温庫を用いた配送では、配送車が進入し難い、若しくは、停車し難い市街地やオフィス街、住宅街、ビル街、大型商業施設等おいては、配送先から離れた位置に配送車を駐車しなければならない。そのため、配送先から離れた位置において配送物品は低温庫から取り出され、外気温に晒された状態で、配送が行われることとなる。この間に、配送物品は、温度上昇を余儀なくされ、品質の劣化や、低下を招く原因となっていた。そのため、配送時における信頼性が低下する問題がある。
そこで、このような配送車が進入し難い区域の配送を行う際には、配送物品を断熱効果を有する保冷袋等に収納して、徒歩で配送先へ届けていた。しかしながら、特に日差しや外気温の高い夏季や、暖房設備によって環境温度が高い状況では、保冷袋に収納された配送物品は、時間の経過と共に、温度が上昇する。
上述した如き配送車に搭載された低温庫には、車輪が設けられているため、当該低温庫を手押しすることで配送先まで冷却したまま配送することも考えられるが、当該低温庫は、それ自体の重量が多く、操作性が悪いことから、路地等を移動させることは困難である。また、係る配送車では、庫内は、低温に維持されることから、冷却が不要な物品や書類等の冷却による水濡れが懸念される物品を同時に配送することはできない。
本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、一台の手押し用の台車によって低温の配送物品を所定の冷却温度に維持したまま、且つ、非冷却物品は常温のまま配送することを可能とする冷却配送台車を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の冷却配送台車は、移動用の車輪と、手押し用のハンドルと、配送物品を収容する貯蔵室を有した断熱箱体と、貯蔵室内を冷却する冷却装置と、断熱箱体の上下面以外の面に形成された貯蔵室の開口を開閉自在に閉塞する断熱扉と、断熱箱体上に配設され、配送物品を収容する収容箱体と、断熱箱体より上方に突出し、収容箱体のハンドル側から見て左右面に当接する位置決め部材とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、上記発明において、収容箱体をハンドルに着脱自在に保持する保持部材を設けたことを特徴とする。
請求項3の発明は、上記各発明において、収容箱体のハンドルとは反対側の面に当接する位置決め部材を更に設けたことを特徴とする。
本発明の冷却配送台車は、移動用の車輪と、手押し用のハンドルと、配送物品を収容する貯蔵室を有した断熱箱体と、貯蔵室内を冷却する冷却装置と、断熱箱体の上下面以外の面に形成された貯蔵室の開口を開閉自在に閉塞する断熱扉と、断熱箱体上に配設され、配送物品を収容する収容箱体とを備えているので、要冷却物品を断熱箱体内に形成された貯蔵室内に収納し、冷却を必要としない非冷却物品を当該断熱箱体上に配設された収容箱体内に収容することができる。これにより、それぞれの温度帯に適した配送台車を用いることなく、一台の冷却配送台車によって、要冷却物品と非冷却物品とを同時に配送することができる。
また、断熱箱体より上方に突出し、収容箱体のハンドル側から見て左右面に当接する位置決め部材とを備えたので、ハンドルによる手押し作業時に、当該収容箱体は位置決め部材によって断熱箱体上から左右に移動してしまう不都合を規制できる。
また、請求項2の発明によれば、上記に加えて、収容箱体をハンドルに着脱自在に保持する保持部材を設けたので、収容箱体は保持部材によって着脱自在にハンドルに保持することができ、収容箱体内に重量の大きな物品が収容されている場合であっても、当該収容箱体が断熱箱体から脱落してしまう不都合を解消することができる。これにより、安定し配送を実現することができる。
また、請求項3の発明によれば、上記各発明に加えて、収容箱体のハンドルとは反対側の面に当接する位置決め部材を更に設けたので、ハンドルによる手押し作業時に、当該位置決め部材が収容箱体のハンドルとは反対側、即ち、配送台車の進行方向側の面に当接して、当該収容箱体が進行方向に移動してしまうことを規制することができる。これによっても、収容箱体が断熱箱体から脱落してしまう不都合を解消でき、安定した配送を実現することが可能となる。
本発明の冷却配送台車の斜視図(断熱扉開放状態)である。 図1の冷却配送台車の後方斜視図(断熱扉閉塞状態)である。 図1の冷却配送台車の後方斜視図である。 図1の冷却配送台車の縦断側面図である。 図1の冷却配送台車の縦断背面図である。 収納容器を収納した状態の冷却配送台車の後方斜視図である。 収納容器を引き出した状態の冷却配送台車の斜視図である。 収納容器の斜視図である。 貯蔵室内の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。図1は本発明の冷却配送台車1の斜視図(断熱扉6開放状態)、図2は図1の冷却配送台車1の後方斜視図(断熱扉6閉塞状態)、図3は図1の冷却配送台車1の後方斜視図、図4は図1の冷却配送台車1の縦断側面図、図5は図1の冷却配送台車1の縦断背面図、図6は収納容器30を収納した状態の冷却配送台車1の後方斜視図、図7は収納容器30を引き出した状態の冷却配送台車1の斜視図、図8は収納容器30の斜視図、図9は貯蔵室4内の部分拡大図をそれぞれ示している。
本実施例の冷却配送台車1は、配送ベースにおいて交流電源が接続された状態では、当該交流電源の供給を受けて圧縮機57、各送風機42、59等を運転して貯蔵室4内を所定温度に冷却すると共に、図示しない蓄電池の充填を行い、食品などの冷却配送物品を収納後、交流電源が切断された状態で蓄電池からの給電によって圧縮機57、各送風機42、59等を運転して貯蔵室4内を所定温度に冷却し、手押しにて各家庭やオフィスなどの配送先に直接赴くことを可能とする物流用配送台車である。
この冷却配送台車1は、台車2と、冷却貯蔵庫3と、当該冷却貯蔵庫3上に着脱自在に配設される収容箱体16とから構成される。台車2は、下面四隅に移動用の車輪12・・・を備えた荷台11と、この荷台11の一側(本実施例では冷却配送台車1の前面を構成する側)より上方に起立した手押し用のハンドル14とを有する台車本体13とから構成されている。この台車2は、荷台11に冷却貯蔵庫3を配置した状態で、固定具15により固定されている。
冷却貯蔵庫3は、台車2の荷台11と略同等の幅寸法に構成されており、後面に開口し内部に貯蔵室4が形成される断熱箱体20から本体が構成されている。この断熱箱体20の側方、本実施例では、ハンドル14が設けられる前側には、断熱箱体20の高さ寸法と略同一の高さ寸法を有して冷却貯蔵庫3の機械室7を画成する台脚部50が取り付けられている。
そして、台脚部50により形成される前面は前面パネル51、天面は天面パネル54にて被覆され、両側面は、側面パネル52、53にて被覆されている。これにより、断熱箱体20の前方に機械室7が形成される。
この機械室7内は、一側、即ち、側面パネル53側には、仕切部材55によって、上部機械室7Aと下部機械室7Bとに区画形成されている。上部機械室7A内には、貯蔵室4内に設けられて当該貯蔵室4内を冷却する冷却パイプ(冷却器)40と共に冷却装置の冷凍サイクルを構成する凝縮器58や凝縮器用送風機59が配設されている。そして、下部機械室7B内には、冷却パイプ40、凝縮器58と共に冷却装置を構成する圧縮機57、減圧手段60等、係る冷却パイプ40、凝縮器58以外の冷却装置の構成機器及び電装箱61が配設される。機械室7内に配設される圧縮機57、凝縮器58、減圧手段60、貯蔵室4内の冷却パイプ40等が冷媒配管62によって順次接続され、環状の冷凍サイクルを構成している。
また、機械室7内の他側、即ち、側面パネル52側には、図示しない蓄電池が配設されている。この側面パネル52には、係る蓄電池を冷却配送台車1の側面から容易に挿脱可能とするための開口63が形成されており、当該開口63は、一側を中心として枢支可能とされる鋼板製の扉64により閉塞される(図6参照)。
尚、機械室7の側面を構成する凝縮器58に対向する側面パネル53には、複数の吸込孔53Aが形成されており、対向する側面パネル52には、切り起こしによって複数の吹出孔52Aが形成されている。
このとき、台車2のハンドル14側に、比較的重量が嵩む圧縮機57や蓄電池等が左右の重量が略均等となるように配置されている。そのため、冷却配送台車1のハンドル14側の重量を、ハンドル14の反対側、即ち、手押し作業における進行方向前側に比して重くなるように配設することができる。これにより、当該冷却配送台車1を手押し作業において段差等を乗り越える際には、ハンドル14側上部を押し下げて、ハンドル14と反対側端部(進行方向前側端部)に位置する車輪12を持ち上げて、容易に段差を乗り上げることができる。これにより、多少の段差であれば、回り道をすることなく乗り上げて進むことができ、操作性の向上を実現することができる。
そして、これら断熱箱体20の上面及び機械室7の天面を被覆する天面パネル54は、略面一となるように構成されており、これら断熱箱体20の上面及び天面パネル54上には、詳細は後述する如く収容箱体16が着脱自在に配設される。
次に、断熱箱体20の構成について説明する。この断熱箱体20は、後面に開口するアルミ製、若しくは、鋼板製の外箱21と、この外箱21内に間隔を存して組み込まれた後面に開口する熱良導性材料にて構成された内箱22と、外箱21及び内箱22間に発泡充填された発泡ウレタンからなる断熱材23とから構成されている。本実施例では、ハンドル14が形成されている側を前面としているため、後面に開口5が形成されているが、これに限定されるものではなく、上下面以外の面であればいずれの面であっても良い。
そして、この内箱22内は、食品などの冷却配送物品を収納する貯蔵室4とされる。貯蔵室4を構成する内箱22は、その天井面22Aが中央が高く、側部に行くに従って低く形成された所謂船底天井とされている。そして、この内箱22の天面の断熱材23側及び側面上部の断熱材23側には、上記圧縮機57と共に冷却装置を構成し蒸発器として作用する冷却パイプ40が交熱的に配設されている。
この内箱22の側壁上部の貯蔵室4側には、所定間隔を存してダクト板24が前後に延在して配設されており、当該側壁面とダクト板24との間には図示しない冷気ダクトが形成されている。そして、この冷気ダクト内には、貯蔵室4内の冷気を循環させるための冷気循環用送風機42、42が配設されている。ダクト板24の後面開口5側端は、内箱22の当該側壁面側に向けて所定角度傾斜した傾斜面24Aとされている。
これにより、ダクト板24の下端と貯蔵室4の側壁との間から貯蔵室4内の冷気が当該冷気ダクト内に吸い込まれ、ダクト板24の送風機42と対向する位置に開口された吹出口25より貯蔵室4上部に吹き出される。
そして、この内箱22の底面奥部(後面開口5から離間した前部側)には、貯蔵室4内に貯留されたドレン水を外部に排出するための排水口26が形成されており、当該排水口26は、機械室7を介して外部に引き出されるドレンホース27が接続されている。排水口26の下方に位置する断熱箱体20の底面には、当該断熱箱体20を貫通する図示しない貫通孔が形成されており、ドレンホース27が挿通されている。
機械室7のハンドル14側、即ち、冷却配送台車1の前側には、ハンドル14と冷却貯蔵庫3との間に位置してドレン水の排水口を構成する排水ソケット28が設けられている。この排水ソケット28は、外部に位置する端部開口が、開閉蓋29によって開閉可能に閉塞されている。そのため、貯蔵室4内から排水口26、ドレンホース27を介して排水ソケット28に至ったドレン水は、当該開閉蓋29を開放することにより、外部に排水可能とされる。
本実施例では貯蔵室4内には、冷却配送物品を収納するための収納容器30が後面開口5より納出自在に収容されている。この収納容器30は、熱良導性材料にて構成された上面に開口を有する箱体により構成されている。この収納容器30の両側面上部には、貯蔵室4内に収納された状態で、上記ダクト板24に形成された吹出口25と対向する位置に冷気流通を可能とするための複数の冷気流通孔31・・が穿設されている。また、この収納容器30の少なくとも後面(本実施例では前後面)には、把手部32が形成されている。
これに対し、貯蔵室4の底面4Aには、当該貯蔵室4内に納出自在に収容される収納容器30の下面が当接する複数の複数のレール33・・が配設されている。このレール33は、収納容器30の納出方向、本実施例では、貯蔵室4の後面開口5からの納出方向(前後方向)に延在して構成される。レール33は、板状部材を折曲形成することにより、貯蔵室4の底面4Aに当接して構成される固定面33Aと、当該固定面33Aから所定の高さ寸法存して形成される上面の当接面33Bとから構成されている。
固定面33Aには、各レール33にて仕切られる貯蔵室4の底面4A上の空間を連通する連通孔33C・・が所定間隔を存して複数形成されている。
また、本実施例では、貯蔵室4内のダクト板24が設けられている側の底面4Aには、当該レール33にて納出自在とされる収納容器30がダクト板24に当接してしまうことを防止するためのガイド板34が貯蔵室4の側面内壁と所定間隔を存して上方に起立して設けられている。このガイド板34は、貯蔵室4内に収納される収納容器30の左右方向の位置決めを行うものであり、ガイド板34の後面開口5側の端部は、ダクト板24と同様に内箱22の当該側壁面側に向けて所定角度傾斜した傾斜面34Aとされている。
更に、このガイド板34の傾斜面34Aの前方上端には、当該傾斜面34Aの上端よりも所定寸法だけ上方に突出して形成される突起(被係合部)34Bが形成されている。
この場合、当該ガイド板34に沿って貯蔵室4内に納出自在とされる収納容器30の側面下部の奥行き方向端部(この場合、貯蔵室4内に収納された状態で後面開口5から離間した側)には、レール33上に載置された状態で、ガイド板34側に突出し、且つ、当該ガイド板34の突起34Bよりも低い位置にストッパ(係合部)36が設けられている。
そして、この貯蔵室4の後面開口5は、開口5の下縁部を中心として回動自在に枢支される断熱性の扉6にて開閉自在に閉塞される。開口5の下両端部には、断熱箱体20の外面側に一対のヒンジ部材37が取り付けられており、当該ヒンジ部材37の外方(後方)に突出した端部内面に扉6の下端側面が当接し、回動軸38を中心として回動自在に取り付けられる。
また、この扉6の両側部には、当該扉6の最大回動角度を略90°とするための一対のストッパ39、39が取り付けられている。このストッパ39は、回動軸38を中心とした平面円弧状に形成された板状部材であり、前部から後部に渡って回動軸38を中心とした円弧状の案内溝48が形成されている。ストッパ39の後端(扉6側)は、当該扉6の側面に固定されており、他端(断熱箱体20側)は、案内溝48内に挿通され、断熱箱体20の外面端部(外面後端部)に設けられたネジ41によって断熱箱体20に取り付けられる。
これにより、扉6を下端に設けられた回動軸38を中心として開放方向に回動させると、扉6に取り付けられたストッパ39は、断熱箱体20の外面に固定されたネジ41が案内溝48内を断熱箱体20側(前側)に移動し、当該ネジ41が案内溝48の断熱箱体20側の端縁部(前端縁部)に当接した状態で、それ以上の回動が規制される。本実施例では、扉6が略水平状態で維持される。
この状態から扉6を回動軸38を中心として閉塞方向に回動させると、扉6に取り付けられたストッパ39は、断熱箱体20の外面に固定されたネジ41が案内溝48内を扉6側に移動し、ネジ41が案内溝48の扉6側の端縁部(後端縁部)に当接した状態で、扉6の閉塞状態が維持される。
このとき、ストッパ39は、断熱箱体20の外面に沿って維持することとなるが、当該断熱箱体20の外面には、後面開口5側に開口したストッパ収納部43が設けられており、当該ストッパ収納部43内にストッパ39が収納される。
また、この扉6の貯蔵室4側(内面側)には、内方に突出したレール44が設けられている。このレール44は、扉6が開放されストッパ39にて略水平状態に維持された状態で、上述した如き貯蔵室4の底面4Aに形成されたレール33と共に、収納容器30の納出方向、本実施例では、貯蔵室4の後面開口5からの納出方向(前後方向)に延在して構成される。レール44は、扉6が略水平状態に維持された状態で、収納容器30の下面が当接する面が、貯蔵室4のレール33の高さ寸法と略同一の高さ寸法となるように構成されている。また、扉6が略水平状態とされたレール44の後端部(閉塞状態での上端部)は、外端部(水平状態で後端部、閉塞状態で上端部)に向けて低く傾斜した傾斜面44Aとされている。
そして、閉塞状態における扉6の上端部及びこれに対応する位置の後面開口縁部には、閉塞状態の扉6を保持するための一組のラッチ46A、46Bが取り付けられている。図中47は、係合されたラッチ46Aと46Bとを施錠するための簡易錠である。また、図中45は、扉6の外面両側部に位置して上下に延在して取り付けられるバンパーである。
上述した如く構成される冷却貯蔵庫3の上面、即ち、これら断熱箱体20の上面及び天面パネル54上には、収容箱体16が着脱自在に配設される。この収容箱体16は、例えば冷却を必要としない非冷配送物品を内部に収容する箱体であって、本実施例では、前端及び後端の幅寸法が断熱箱体20や台車2の荷台11と略同等の幅寸法に構成されており、両側端の幅寸法は、断熱箱体20から機械室7の延在方向の寸法と略同等の幅寸法に構成されているものする。
そして、この収容箱体16は、表面に撥水加工が施されたシート材、例えば、ナイロン、ビニロン、テトロン等の樹脂シートにより構成される上面に開口した本体17と、当該上面開口を開閉自在に閉塞する蓋体18により構成されている。この蓋体18は、貯蔵室4内に収納された冷却配送物品の納出作業を行う側、本実施例では、ハンドル14側を前面とした場合の側面の何れか一側の本体17の上面開口縁にヒンジ部が構成されており、当該ヒンジ部を中心として蓋体18が本体上面開口を開閉自在に閉塞する。
また、この収容箱体16の本体17のハンドル14側、本実施例では、前面には、両側部に位置して対向するハンドル14に着脱自在に保持する保持部材19、19が設けられている。本実施例において保持部材19は、本体17の前面から引き出されたバンド部材により構成されており、当該バンド部材をハンドル14に巻き付け、その端部を着脱自在な面ファスナーによって本体17前面に保持させることにより構成されている。尚、保持部材19は、本体17とハンドル14とを着脱自在に保持可能とするものであれば、これに限定されない。
そして、当該収容箱体16が載置される断熱箱体20の両側端(ハンドル14側から見て左右側端。上面両端)には、それぞれ所定寸法、上方に突出した位置決め部材9、9が設けられている。この位置決め部材9は、上端部が少許内方に向けて一段折曲された後、略垂直に延在して構成される。
上述したように前端及び後端の幅寸法が断熱箱体20と略同等の幅寸法に構成されているため、断熱箱体20の上面に載置される収容箱体16は、ハンドル14側から見て左右面がこれら位置決め部材9、9の内面と当接する。
係る構成により、冷却貯蔵庫3上に収容箱体16を配設する際には、ハンドル14及び位置決め部材9、9が設けられていないハンドル14と対向する側(この場合後側)からハンドル14側に向けて収容箱体16を左右の位置決め部材9、9間に差し込むように摺動させて当該冷却貯蔵庫3上に配置する。そして、収容箱体16の前面に設けられた保持部材19、19をそれぞれ対向するハンドル14に巻き付けて保持させる。
これにより、ハンドル14による手押し作業時に、収容箱体16は位置決め部材9、9によって断熱箱体20及び機械室7上から左右に移動してしまう不都合を規制できる。また、収容箱体16は保持部材19、19によって着脱自在にハンドル14に保持されているため、収容箱体16内に重量の大きな物品が収容されている場合であっても、当該収容箱体16が断熱箱体20や機械室7上から脱落してしまう不都合を解消することができる。これにより、安定し配送を実現することができる。
尚、位置決め部材9、9は、長手方向に渡ってより長く延在して設けられていることが望ましい。これにより、当該位置決め部材9、9によって着脱自在に配設される収容箱体16を確実に支持することが可能となる。
また、本実施例では、位置決め部材9は、ハンドル14側から見て左右面にのみ設けられているが、更に、ハンドル14とは反対側の面、即ち、後面に位置して上方に突出し、収容箱体16の後面(側面)に当接する位置決め部材49(図2のみに図示する)を設けても良い。この場合、後面に設けられた位置決め部材によって係る後面から収容箱体16を挿入できないため、断熱箱体20及び機械室7の上方からこれら位置決め部材9、9、49の間に収容箱体16を挿入する。
この場合、ハンドル14による手押し作業時に、当該位置決め部材49が収容箱体16のハンドルとは反対側、即ち、配送台車1の進行方向側の面に当接して、当該収容箱体16が進行方向に移動してしまうことを規制することができる。これによっても、収容箱体16が断熱箱体20上から脱落してしまう不都合を解消でき、安定した配送を実現することが可能となる。
更に、収容箱体16は、シート材により構成されており、表面が撥水処理が施されているため、屋外で使用される場合であっても、雨等が当該収容箱体16内に浸入しがたい構成とすることができる。
以上の構成により、本実施例における冷却配送台車1の動作について説明する。冷却装置を構成する圧縮機57、各送風機42、59等は、蓄電池からの給電によって運転され、貯蔵室4内は所定の冷却温度に冷却される。配送ベースなどにおいて、扉6を開放し、貯蔵室4内に収納される収納容器30内に冷却を必要とする冷却配送物品を収納する。また、冷却貯蔵庫3の上方に載置される収容箱体16内に、冷却を必要としない配送物品を収納する。
尚、本実施例では、収容箱体16は、断熱箱体20(冷却貯蔵庫3)に着脱自在に配設可能とされているため、例えば、配送ベースにおいて当該冷却配送台車1が置かれている場所とは、異なる場所にて、当該収容箱体16内に書類等の非冷却の配送物品の収容作業を行った後、冷却配送台車1が置かれている場所に持ち込み、当該冷却配送台車1の断熱箱体20の上面に配設することが可能となる。これにより、配送ベースにおける物品収納作業性を向上させることができる。
そして、冷却配送物品及び非冷却配送物品を収納した冷却配送台車1によって、各配送先や集配先にハンドル14による手押し作業によって赴く。配送先において、冷却配送物品を取り出す場合には、後面開口5側に回り、ラッチ46A、46Bとの係合を解除して扉6を下縁部の回動軸38を中心として開放側に回動させる。この際、扉6には、最大開放角度90°に規制するためのストッパ39が形成されているため、扉6は略水平状態に維持される。
この状態で、貯蔵室4内に収納される収納容器30を貯蔵室4底面4Aに設けられたレール33及びこれと略同様の高さに設けられる扉6内面側のレール44上を外方側に摺動させて引き出す。扉6の内面上に載置されて上面が開放された状態の収納容器30から収納されていた冷却配送物品を取り出す。
尚、この場合、収納容器30の側面端部には、ガイド板34側に突出したストッパ36が設けられている。そのため、引き出された収納容器30は、ストッパ36がガイド板34の上端前部に形成された突起34Bに当接して、すべての収納容器30が貯蔵室4内から引き出される不都合を防止することができる。これにより、当該ストッパ36と突起34Bによって収納容器30の引出量を規制することができる。尚、最初に収納容器30を貯蔵室4内に収納させる場合には、ガイド板34の傾斜面34Aやダクト板24の傾斜面24Aによって収納容器30は円滑に貯蔵室4内に案内される。このとき、収納容器30に設けられたストッパー36は、一度ガイド板34の突起34Bを奥行き方向に乗り越えさせて収納する。これにより、収納容器30は、ガイド板34と貯蔵室4の側壁面との間に収納され、左右方向の位置決めが行われる。そのため、移動の際に当該収納容器30が貯蔵室4内にて移動してしまう不都合を解消することができる。
収納容器30を貯蔵室4内に収納する場合には、当該収納容器30をレール44及び33上を収納方向に摺動させる。そして、扉6を閉塞方向に回動軸38を中心として回動させる。扉6側のラッチ46Aと、開口縁部側のラッチ46Bとを係合させて閉塞状態を保持する。この際、扉6に取り付けられたストッパ39は、断熱箱体20の外面側に設けられたストッパ収納部43内に収納される。
このように、本実施例における冷却配送台車1によれば冷却を必要とする配送物品を冷却貯蔵庫3の貯蔵室4内に収納し、冷却を必要としない配送物品を当該冷却貯蔵庫3の上方に載置される収容箱体16内に収納することによって、それぞれの温度帯に適した配送台車を用いることなく、一台の冷却配送台車によって、要冷却物品と非冷却物品とを同時に配送することができる。
また、貯蔵室4内に収納された冷却配送物品を収納する収納容器30は、貯蔵室4の底面Aに設けられたレール33と、扉6の内面に設けられたレール44によって、収納容器30の納出方向への移動を容易とでき、利便性の向上を図ることができる。
更に、扉6の内面に設けられたレール44は、当該扉6が閉じられた状態で、貯蔵室4内に突出して設けられることとなり、これによって、貯蔵室4内に収容された収納容器30が移動してしまうことによる収容物品の損傷を低減することができる。また、貯蔵室4の底面4Aに設けられたレール33により、当該底面4Aと収納容器30下面との間に隙間を構成することができ、貯蔵室4内における冷気の循環効率を向上させることができる。
また、扉6の開放時に、略水平状態を安定して維持するストッパ39が設けられているため、扉6上に収納容器30を安定して引き出して保持することができ、収納容器30内への配送物品の納出作業性を容易なものとすることができる。また、当該ストッパ39は、扉6の閉塞時において断熱箱体20の外面に設けられたストッパ収納部43内に収納可能とされているため、開口5付近の断熱箱体20の厚さを薄くすることなく、また、断熱箱体20内に形成される貯蔵室4内の収納容積を狭めることなく、開口5を開放した扉6を略水平状態に維持するストッパ39を安全に取り付けることができる。
本実施例において、貯蔵室4内を冷却する冷却パイプ40は、内箱22の天井面22Aや側面上部に交熱的に設けられている。そのため、当該冷却パイプ40にて冷却された内箱22の壁面を介して貯蔵室4内が冷却される。尚、送風機42は、補助的に運転されて貯蔵室4内が均一の温度に冷却される。
ここで、扉6の頻繁な開放によって、湿度を多く含む外気が貯蔵室4内に侵入し、最も低温となる内箱22の天井面22Aには、結露が生じやすくなる。このとき、内箱22の天井面22Aは、上述したように中央部が最も高く側部にいくに従って低く傾斜される所謂船底天井となるように形成されているため、当該天井面22Aに付着した結露水は、当該天井面22Aを伝って側方に流下し、内箱22の側壁面を伝って貯蔵室4Aの底面に到達する。
そのため、貯蔵室4内に収納された物品の上に天井面22Aから結露水が滴下し、当該物品を濡らしてしまう不都合を解消することができる。
貯蔵室4の底面4Aに至った結露水は、排水口26を介して外部に排出するためのドレンホース27に至る。ここで、底面4Aには、収納容器30の納出方向に延在して設けられるレール33が複数取り付けられているが、当該レール33の貯蔵室底面4Aとの当接面33Bには、複数の連通孔33Cが形成されている。
これにより、係る連通孔33Cによって、各レール33にて仕切られる貯蔵室4の底面4A上の空間を連通させることができ、貯蔵室4の底面4Aに流下した結露水が、係るレール33間に滞留することなく、円滑に排水することができる。これにより、貯蔵室4内の底面4Aが水浸しとなり、貯蔵室4内の収納物品が濡れてしまう不都合を解消することができる。
1 冷却配送台車
2 台車
3 冷却貯蔵庫
4 貯蔵室
4A 底面
5 開口
6 断熱扉
7 機械室
9 位置決め部材
11 荷台
12 車輪
13 台車本体
14 ハンドル
16 収容箱体
17 本体
18 蓋体
19 保持部材
20 断熱箱体
21 外箱
22 内箱
22A 天井面
23 断熱材
26 排水口
27 ドレンホース
28 排水ソケット
30 収納容器
31 冷気流通孔
32 把手部
33 レール
33A 固定面
33B 当接面
33C 連通孔
34 ガイド板
36 ストッパ
37 ヒンジ部材
38 回動軸
39 ストッパ
40 冷却パイプ(冷却器)
43 ストッパ収納部
44 レール
48 案内溝

Claims (3)

  1. 移動用の車輪と、
    手押し用のハンドルと、
    配送物品を収容する貯蔵室を有した断熱箱体と、
    前記貯蔵室内を冷却する冷却装置と、
    前記断熱箱体の上下面以外の面に形成された前記貯蔵室の開口を開閉自在に閉塞する断熱扉と、
    前記断熱箱体上に配設され、配送物品を収容する収容箱体と、
    前記断熱箱体より上方に突出し、前記収容箱体の前記ハンドル側から見て左右面に当接する位置決め部材とを備えたことを特徴とする冷却配送台車。
  2. 前記収容箱体を前記ハンドルに着脱自在に保持する保持部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の冷却配送台車。
  3. 前記収容箱体の前記ハンドルとは反対側の面に当接する位置決め部材を更に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却配送台車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107940892A (zh) * 2017-12-19 2018-04-20 青岛鲜食科技有限公司 一种能够解决食品安全卫生问题的真空冷却机机体

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