JP2011052310A - 板状部品の高周波焼入れ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、板状部品における湾曲領域を含む設定焼入れ領域の高周波焼入れを可能とした板状部品の高周波焼入れ方法の提供を目的とする。
【解決手段】焼入対象物である板状部品としての自動車用シートのサイドフレーム100の全外周縁部を設定焼入れ領域8に設定し、そのサイドフレーム100を保持した保持部を、高周波加熱部4に対して可動させることにより、設定焼入れ領域8に沿わせてその設定焼入れ領域8を高周波加熱部4に対して順次通過させるとともに、ノズル口51を、保持部22の移動に際して高周波加熱部4に対して可動させることにより、前記通過に際して加熱昇温された加熱昇温部に追随させながら順次冷却液を噴射させる。
【選択図】図9

Description

本発明は、自動車用シートのサイドフレーム等の板状部品の高周波焼入れ方法に関するものである。
例えば自動車用シートのサイドフレームは、図6〜図8に示すように、板状体を成形加工によって外周縁部に湾曲領域を含む形状にされるが、その成形に際して通常硬度が高いと成形加工がし難くなるので、硬度を低くして行うのが好ましい。その一方、サイドフレームの外周縁部の硬度を高くして強度を高めておくとシートへの組み付け後に変形等し難いものにできるので好ましい。従って、硬度が低い状態で成形加工を施し、成形加工後に、外周縁部にだけ高周波焼入れを施して硬度を高めれば、全体を焼き入れた場合に較べて焼入れ歪を少なくできるとともに、成形加工が容易で、組み付け後の変形をも抑えることができる。
一方、高周波焼入れを行なう装置として、例えば特許文献1に、例えば工作機械のヘッドの摺動面やスピンドル等の部品の焼き入れ加工を施す高周波焼入れ装置が開示されている。この高周波焼入れ装置は、直線方向の案内面に平行に配設される複数の焼入れステーションと、ロボットアームの先端ハンドに交換自在に装着される高周波加熱部(高周波焼入れヘッド)と、交換用の高周波加熱部を格納するストッカーを備えたものである。このようにして、ロボットは焼入対象物(ワーク)の設定焼入れ領域の幅の大きさ等に対応してストッカーの交換用の高周波加熱部を装着し、種々の幅の大きさの設定焼入れ領域の焼入れを可能にしている。
特開平5−263125号公報
しかしながら、特許文献1に開示のものにおいては、高周波加熱部に対して焼入対象物を直線状に送るものであるため、上記自動車用シートのサイドフレームのように外周縁部に湾曲領域を含むものを、その外周縁部に沿って高周波加熱部に対して送ることはできない。従って、特許文献1に開示のものは、例えば自動車用シートのサイドフレームの外周縁部のように湾曲領域を含む設定焼入れ領域の高周波焼入れには適応し難い。
本発明は、板状部品における湾曲領域を含む設定焼入れ領域の高周波焼入れを可能とした板状部品の高周波焼入れ方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、焼入対象物に高周波加熱を施す高周波加熱部と、前記焼入対象物を保持し前記高周波加熱部に対して互いに直交する第1軸としてのX軸と、第2軸としてのY軸と、第3軸としてのZ軸との3軸方向に可動する保持部と、前記高周波加熱部に対して前記3軸方向に可動し前記高周波加熱部によって順次加熱昇温された加熱昇温部に冷却液を噴射するノズル口とを備えた高周波焼入れ装置を用いて、前記焼入対象物として板状部品に高周波焼入れを行なう方法であって、前記板状部品を保持した保持部を、前記高周波加熱部に対して可動させることにより、前記板状部品に、湾曲状に延びる湾曲領域を含むように設定した設定焼入れ領域に沿わせてその設定焼入れ領域を前記高周波加熱部に対して順次通過させるとともに、その通過に際して前記設定焼入れ領域を順次加熱昇温させ、前記ノズル口を、前記保持部の移動に際して前記高周波加熱部に対して可動させることにより、前記加熱昇温された加熱昇温部に追随させながら順次冷却液を噴射させることを特徴とする板状部品の高周波焼入れ方法を提供する。
請求項2に記載のように、前記保持部として、前記高周波焼入れ装置に設けられた装置本体に対して前記3軸方向に可動するものを用いるとともに、高周波加熱部として、装置本体に対して前記Z軸周りに回動可能なものを用い、前記設定焼入れ領域の湾曲領域を前記高周波加熱部に対して通過させる際、前記保持部を前記装置本体に対して可動させると同時に、前記高周波加熱部を、前記装置本体に対して前記Z軸周りに回動させることによって行なうことが好ましい。
又、請求項3のように、前記板状部品として自動車用シートのサイドフレームを、板状のフレーム本体の外周縁部から折り曲げ成形することによって折り曲げ部を前記フレーム本体の全外周縁部に形成し、その後、そのフレーム本体の外周縁部を前記設定焼入れ領域に設定して順次加熱昇温させることが好ましい。
本発明の請求項1によれば、例えば板状部品の外周縁部に湾曲領域を含む場合でも、その湾曲領域を含む部分を予め設定焼入れ領域に設定し、その設定焼入れ領域に沿って高周波加熱部を通過させ、その通過に際して前記設定焼入れ領域を順次加熱昇温できる。
又、その板状部品の高周波加熱部に対する可動に際して、例えば設定焼入れ領域に高低差のある部分が含まれている場合でも、設定焼入れ領域と高周波加熱部との距離を一定に維持させながら行うことができ、常時設定温度に加熱昇温できる。
又、ノズル口を、高周波加熱部に対して3軸方向に可動させ得るため、順次加熱された設定焼入れ領域に追随させることができ、ノズル口を、常時設定焼入れ領域の幅方向の中心位置に配置できる。又、例えば設定焼入れ領域に高低差のある部分が含まれている場合でも、ノズル口と焼入対象物の設定焼入れ領域との距離を常時一定に維持させながら冷却液を噴射することができ、設定焼入れ領域を、同じ条件で冷却でき、設定した焼入れ硬度にすることができる。
請求項2によれば、設定焼入れ領域の湾曲領域を高周波加熱部に対して通過させる際、保持部を装置本体に対して可動させると同時に、高周波加熱部を装置本体に対してZ軸周りに回動させる。
これにより、例えば設定焼入れ領域の湾曲領域が複雑な形状、或いは、曲率半径の小さい円弧状のような場合でも、容易に、しかも迅速に設定焼入れ領域と高周波加熱部との相対位置を合わせることができ、湾曲領域に沿わせて湾曲領域を高周波加熱部に対して通過させることができる。
請求項3によれば、自動車用シートのサイドフレームを、板状のフレーム本体の周縁部から折り曲げ成形することによって折り曲げ部を有するものに形成し、その後、そのフレーム本体の周縁部の全体を前記設定焼入れ領域に設定して順次加熱させる。
これにより、焼入れ歪が生じ易い板状のサイドフレームを、折り曲げ部によって焼入れによる歪の少ないものにできる。
本発明の板状部品の高周波焼入れ方法に用いる高周波焼入れ装置の概略の正面図である。 高周波焼入れ装置の保持アームの平面図である。 高周波焼入れ装置の加熱冷却部の要部拡大側面図である。 高周波焼入れ装置の高周波加熱部の斜視図である。 図3のV−V線断面図である。 自動車用シ−トのサイドフレームの正面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 図6のVIII−VIII線断面図である。 サイドフレームの設定焼入れ領域に高周波焼入れを施す際の上方側からの説明図である。 サイドフレームの設定焼入れ領域における低直部領域に高周波焼入れを施す際の側方側から見た要部の説明図である。 サイドフレームの設定焼入れ領域における傾斜部に高周波焼入れを施す際の側方側から見た要部の説明図である。 サイドフレームの設定焼入れ領域における高直部領域に高周波焼入れを施す際の側方側から見た要部の説明図である。 サイドフレームの設定焼入れ領域における湾曲部に高周波焼入れを施す際に、ノズル口が高周波加熱部に対して移動できない場合の説明図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の板状部品の高周波焼入れ方法に用いる高周波焼入れ装置の概略の正面図、図2は、高周波焼入れ装置の保持アームの平面図、図3は、高周波焼入れ装置の加熱冷却部の要部拡大側面図である。
本発明の板状部品の高周波焼入れ方法の説明に先立って、その方法に用いる実施形態の高周波焼入れ装置1について説明する。この高周波焼入れ装置1は、図1に示すように装置本体10と、保持アーム2と、加熱冷却部3とを備えている。
装置本体10は、保持アーム2を下方側から支持し床面等に設置される第1支持部11と、加熱冷却部3を支持し床面等に設置される第2支持部12と、保持アーム2及び加熱冷却部3を制御する制御部13とを備えている。
保持アーム2は、図1、図2に示すように第1支持部11に支持されたアーム本体21と、アーム本体21の先端側に設けられた保持部22とを備えている。保持部22は、焼入対象物である板状部品を固定状態に保持する。この実施形態では、板状部品として自動車用シ−トの板状のサイドフレーム100を保持する。
ここで、この実施形態で用いるサイドフレーム100について、図6〜図8に基づいて説明する。このサイドフレーム100は、鋼製の薄板状のフレーム本体101と、フレーム本体101の外周から下方に折り曲げ成形された折り曲げ部102とから構成されている。
又、フレーム本体101の略左右中央部には、右側に行くに従って漸次高さの低くなった傾斜部103が設けられている。また、フレーム本体101の外周縁部は、複数の直部領域104と、2つの直部領域104間にそれらを繋ぐように配設された湾曲領域105とを備えている。
又、直部領域104は、傾斜部103の左方側に配設された高直部領域104aと、傾斜部103の右方側に配設され上記高直部領域104aよりも高さの低いと低直部領域104bとからなる。
図2に戻って保持部22の説明を続けると、この実施形態の保持部22は、サイドフレーム100を載置してボルト及びナット(図示せず)を介して固定するようになっている。
アーム本体21は、保持部22を、装置本体10(第1支持部11)に対して、互いに直交するX軸方向(この実施形態では左右方向)及びY軸方向(この実施形態では前後方向)と、それらの2軸を含むXY平面(水平面)に直交するZ軸方向(この実施形態では上下方向、図1に示す)との3軸方向に可動させる機構(図示しない)を有するロボットアームから構成されている。
加熱冷却部3は、図3に示すように高周波加熱部4と、冷却ノズル5とを備えている。高周波加熱部4は、導電性材料から構成されており、図4に示すよう下端に略U字状の環状部41を備えている。
環状部41は、上部側から略直角に左方側に折り曲げられることによって、略XY平面に沿って延ばされている。
又、この高周波加熱部4は、図3に示すように、高周波加熱部4の上方側に設置された高周波電流供給部42の下端に、高周波加熱部4の上端に設けられた取付部材43を介して、高周波電流供給可能に取付けられている。
そして、この高周波電流供給部42から高周波加熱部4に高周波電流が流されることにより、高周波加熱部4に磁力線が発生し得るように構成されている。尚、図1、図3では、高周波加熱部4と高周波電流供給部42とは、説明の都合上、互いに離れてその間に隙間ができるようにあらわれているが、実際には、両者は、接続部材を介してその間に隙間ができないように取り付けられている。
又、この実施形態の高周波加熱部4は、第2支持部12(装置本体10)に対してZ軸回りに回動して、環状部41がXY平面に沿って回動できるように構成されている。
詳しくは、高周波加熱部4を固定した高周波電流供給部42は、装置本体10の第2支持部12に、Z軸周りに回動できるように支持されている。
又、この第2支持部12には、モータ45と、モータ45の回転を上記高周波電流供給部42に伝達する回転伝達手段とが付設されている。
この実施形態の回転伝達手段は、第2支持部12に回動自在に支持された回転軸46を備えている。又、この回転軸46の上部側は、ベルト46aを介してモータ45と回転伝達可能に連結されている。回転軸46の下部側には、回転軸用連結ギヤ46bが固定されており、この連結ギヤ46bが、高周波電流供給部42に設けられた供給部用固定ギヤ42aに回転伝達可能に噛合されている。
又、上記モータ45は、装置本体10の制御部13と無線又は有線(この実施形態では無線)で通信可能に接続され、制御部13で作動の開始・停止及び正・逆回転が制御されるようになっている。
次に、冷却ノズル5について説明する。冷却ノズル5は、図3に示すように、先端にノズル口51を備え、このノズル口51に冷却液を、図示しない冷却液供給手段によって供給し、ノズル口51から冷却液を噴射できるようになっている。
尚、冷却液は、この実施形態では冷却水を用いているが、これに限らず、例えば冷却油を用いることもでき、適宜変更できる。
又、このノズル口51は、ノズル口移動機構によって、高周波加熱部4に対して、X軸方向とY軸方向とZ軸方向との前後左右及び上下方向の3軸方向に可動するようになっている。
この実施形態のノズル口移動機構は、図3及び図5に示すように、外周に雄ネジ部55を有する第1駆動軸52〜第3駆動軸54の3つの駆動軸と、駆動テーブル56とを備えている。
第1駆動軸52は、その軸方向がZ軸方向に沿わされるようにして、その上端が上記第2支持部12に回転自在に支持されている。又、この第1駆動軸52は、図示しないが回転駆動させる駆動軸用モータが連結され、駆動軸用モータの作動に伴い左回転又は右回転するようになっている。又、この駆動軸用モータは、上記制御部13に無線又は有線(この実施形態では無線)で通信可能に接続され、制御部13に作動の開始・停止及び正・逆回転等が制御されている。
駆動テーブル56は、第1駆動軸52に螺合されているとともに、上記第2支持部12に支持された支柱57を摺動可能に支持されており、第1駆動軸52の回転に伴って第1駆動軸52の軸方向に沿ってZ軸方向の上下方向に移動する。
第2駆動軸53は、その軸方向をX軸方向の左右方向に沿って延ばされるようにしてその両端が駆動テーブル56に回転自在に取り付けられている。第3駆動軸54は、その軸方向をY軸方向の前後方向に沿って延ばされるようにしてその両端が駆動テーブル56に回転自在に取り付けられている。
又、これらの第2駆動軸53及び第3駆動軸54には、冷却ノズル5が螺合されている。そして、第2駆動軸53の回転に伴い、冷却ノズル5が第3駆動軸54と共にX軸方向に移動し、第3駆動軸54の回転に伴い、冷却ノズル5が第2駆動軸53と共にY軸方向に移動する。
又、これらの第2駆動軸53及び第3駆動軸54の夫々には、図示しないが駆動軸用モータが連結され、駆動軸用モータの作動に伴い回転するようになっている。また、それらの各駆動軸用モータは、制御部13に無線又は有線(この実施形態では無線)で通信可能に接続され、制御部13に作動の開始・停止及び正・逆回転等が制御されている。
次に、この高周波焼入れ装置を用いて、サイドフレーム100の一部に高周波焼入れを行なう高周波焼入れ方法について説明する。例えば図9に示すように焼入対象物であるサイドフレーム100の全外周縁部の直部領域104及び湾曲領域105を含む領域を、高周波焼入れを行なう領域として設定焼入れ領域8に設定して実施する場合について説明する。
尚、制御部13には、設定焼入れ領域8を特定するためのX軸、Y軸、Z軸夫々の座標点情報が入力され記録されているものとし、又、説明の都合上、サイドフレーム100に対して高周波加熱部4がサイドフレーム100の低直部領域104bに対応した図9のA1位置に、ノズル口51が低直部領域104bに対応した図9のA2位置の中心に、夫々配置されている状態から説明する。また、高周波加熱部4には、高周波電流が流されているものとする。
制御部13は、図10に示す状態から、上記座標点情報に基づいて、ノズル口51及び高周波加熱部4を可動させることなく、保持アーム2だけを可動させ、保持部22を前方側(図10の右側)に可動させてサイドフレーム100を前方に、予め設定された速度で送る。
高周波電流が流された高周波加熱部4には、磁力線が発生し、その磁力線によって渦電流が生じる。そして、この渦電流によって、サイドフレーム100の設定焼入れ領域8が高周波加熱部4を通過する際に順次加熱昇温される。
又、加熱昇温された設定焼入れ領域8の部分は、ノズル口51の下方位置にくると順次冷却液が噴射されて冷却される。これにより、所定の硬度に焼入れされる。
そして、図9、図11に示すようにサイドフレーム100の傾斜部103が高周波加熱部4の下方位置(図9のB1位置)にさしかかるとともに、サイドフレーム100の低直部領域104bがノズル口51の下方位置(図9のB2位置)にくると、制御部13は、上記座標点情報に基づいて、保持アーム2を可動させてサイドフレーム100の傾斜部103が高周波加熱部4の下方側に水平状になるようにサイドフレーム100を送る。
又、その際、サイドフレーム100の傾斜部103と高周波加熱部4との距離t2が、上記高周波加熱部4が上記A1位置にある場合の距離t1(図11に図示)と同じになるようにして送る。これにより、傾斜部103を、低直部領域104bと同条件で加熱昇温できる。
又、傾斜部103を水平状にすると、サイドフレーム100における傾斜部103の右側の低直部領域104bが右上がりになる。そのため、制御部13は、上記座標点情報に基づいて、傾斜部103を水平状にするのとほぼ同時に、ノズル口51を上側に可動させる。
これにより、図11に示すように、サイドフレーム100とノズル口51との距離T2を、上記ノズル口51がA2位置にある場合の距離T1と同じにできる。従って、傾斜部103を、低直部領域104bと同条件で冷却でき、低直部領域104bと同じ硬さで焼入れできる。
更に、図9、図12に示すようにサイドフレーム100の高直部領域104aが高周波加熱部4の下方位置(図9のC1位置)にさしかかるとともに、サイドフレーム100の傾斜部103がノズル口51の下方位置(図9のC2位置)にくると、制御部13は、上記座標点情報に基づいて、保持アーム2を可動させて高直部領域104aが高周波加熱部4の下方側に水平状になるようにサイドフレーム100を送る。
また、その際、高直部領域104aと高周波加熱部4との距離t3が、上記高周波加熱部4が上記A1位置にある場合の距離t1と同じになるように送る。これにより、高直部領域104aを、低直部領域104b及び傾斜部103と同条件で加熱昇温できる。
又、高直部領域104aを水平状にすると、サイドフレーム100の傾斜部103が右下がりになる。そのため、制御部13は、上記座標点情報に基づいて、高直部領域104aを水平状にするのとほぼ同時に、ノズル口51を下方側に可動させる。
これにより、傾斜部103とノズル口51との距離T3が、上記ノズル口51がA2位置にある場合の距離T1と同じになる。従って、高直部領域104aを、低直部領域104b及び傾斜部103と同条件で冷却でき、低直部領域104b及び傾斜部103と同じ硬さで焼入れできる。
さらに、図9に示すように高周波加熱部4がサイドフレーム100の高直部領域104aから湾曲領域105にくると、制御部13は、上記座標点情報に基づいて、保持アーム2を、湾曲領域105の曲率中心を回動の中心にして図9の反時計方向に回動させるように可動させるとともに、高周波加熱部4を、図9の反時計方向に回動させる。
これにより、高周波加熱部4を湾曲領域104bの上方位置に維持できる。その際、保持アーム2だけを可動させることによって高周波加熱部4を湾曲領域104bの上方位置に配置させる場合に較べて、容易に、しかも短時間で行なうことができ、作業効率の良いものにできる。
又、制御部13は、上記座標点情報に基づいて、ノズル口51を高周波加熱部4に対して左前方側に可動させる。上述のように高周波加熱部4とサイドフレーム100とが互いに回動すると、ノズル口51が高周波加熱部4に対して可動しない場合には、図13に示すようにノズル口51が設定焼入れ領域8から外れた位置にきてしまう。しかし、ノズル口51を高周波加熱部4に対して左前方側に可動させることで、ノズル口51を設定焼入れ領域8の上方位置に維持できる。
以下、同様にして、制御部13は、上記座標点情報に基づいて、保持アーム2、高周波加熱部4、及びノズル口51を、適宜可動させることによって、常時高周波加熱部4及びノズル口51を設定焼入れ領域8の上方位置に維持させながら、設定焼入れ領域8の全周に渡って加熱昇温して冷却する。
尚、上記実施形態では、高周波加熱部4を、装置本体10に対してZ軸方向に回動させているが、この形態のものに限らず、高周波加熱部4を、装置本体10に対して可動できないようにしてもよく、適宜変更できる。
又、上記実施形態では、ノズル口51を3軸方向に可動させるノズル口移動機構として、3つの駆動軸と駆動テーブルとを用いたものを採用したが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。例えば保持アーム2と同様な3軸方向に可動するロボットアームの先端に保持させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、設定焼入れ領域8を、サイドフレーム100の外周縁部に設定して高周波焼入れを行なったが、例えばサイドフレーム100の中央部の一部に湾曲状に延びる湾曲領域を設定するとともに、その湾曲領域を含むように設定焼入れ領域を設定してもよい。
また、上記実施形態では、焼入対象物として自動車用シートのサイドフレームを用いたが、焼入対象物はこれに限らず、種々の板状部品に適応でき、適宜変更できる。
又、上記実施形態では、外周縁部に折り曲げ部102を有するサイドフレーム100を焼入対象物としたが、折り曲げ部102を有しないものであってもよく、適宜変更できる。ただし、折り曲げ部102を有するものを高周波焼入れすれば、折り曲げ部102を有しないものに較べて焼入れ歪を少なくできる点で有利である。
また、高周波加熱部4を、リング状部を有するものから構成するとともに、保持部22を、パイプ部材を保持できるものから構成し、その保持部22に保持したパイプ部材を高周波加熱部4のリング状部を通すことにより、パイプ部材の一部又は全体に高周波焼入れを施し得るようにしてもよい。又、その場合において、用いるパイプ部材は、真っ直ぐなもの、一部又は全体が湾曲したもの、又は、一部又は全体が屈曲したものでも良い。
1 高周波焼入れ装置
2 保持アーム
3 加熱冷却部
4 高周波加熱部
5 冷却ノズル
8 設定焼入れ領域
51 ノズル口
100 サイドフレーム(焼入対象物)

Claims (3)

  1. 焼入対象物に高周波加熱を施す高周波加熱部と、前記焼入対象物を保持し前記高周波加熱部に対して互いに直交するX軸とY軸とZ軸との3軸方向に可動する保持部と、前記高周波加熱部に対して前記3軸方向に可動し前記高周波加熱部によって順次加熱昇温された加熱昇温部に冷却液を噴射するノズル口とを備えた高周波焼入れ装置を用いて、前記焼入対象物として板状部品に高周波焼入れを行なう方法であって、
    前記板状部品を保持した保持部を、前記高周波加熱部に対して可動させることにより、前記板状部品に、湾曲状に延びる湾曲領域を含むように設定した設定焼入れ領域に沿わせてその設定焼入れ領域を前記高周波加熱部に対して順次通過させるとともに、その通過に際して前記設定焼入れ領域を順次加熱昇温させ、
    前記ノズル口を、前記保持部の移動に際して前記高周波加熱部に対して可動させることにより、前記加熱昇温された加熱昇温部に追随させながら順次冷却液を噴射させることを特徴とする板状部品の高周波焼入れ方法。
  2. 前記保持部として、前記高周波焼入れ装置に設けられた装置本体に対して前記3軸方向に可動するものを用いるとともに、高周波加熱部として、装置本体に対して前記Z軸周りに回動可能なものを用い、
    前記設定焼入れ領域の湾曲領域を前記高周波加熱部に対して通過させる際、前記保持部を前記装置本体に対して可動させると同時に、前記高周波加熱部を、前記装置本体に対して前記Z軸周りに回動させることによって行なうことを特徴とする請求項1記載の板状部品の高周波焼入れ方法。
  3. 前記板状部品として自動車用シートのサイドフレームを、板状のフレーム本体の外周縁部から折り曲げ成形することによって折り曲げ部を前記フレーム本体の全外周縁部に形成し、その後、そのフレーム本体の外周縁部を前記設定焼入れ領域に設定して順次加熱昇温させることを特徴とする請求項1又は2記載の板状部品の高周波焼入れ方法。
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