JP2011050931A - 水中における水酸基ラジカルの生成方法 - Google Patents
水中における水酸基ラジカルの生成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011050931A JP2011050931A JP2009204887A JP2009204887A JP2011050931A JP 2011050931 A JP2011050931 A JP 2011050931A JP 2009204887 A JP2009204887 A JP 2009204887A JP 2009204887 A JP2009204887 A JP 2009204887A JP 2011050931 A JP2011050931 A JP 2011050931A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- generated
- microbubbles
- hydroxyl radicals
- shape
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
Abstract
【解決手段】 水中に金属体を存在させておき、粒径が50μm以下の微小気泡をそこに供給するかまたはそこで発生させることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
また、請求項2記載の方法は、請求項1記載の方法において、金属体を構成する金属が金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウムの少なくともいずれかの貴金属またはこれらの少なくとも1種を含む合金であることを特徴とする。
また、請求項3記載の方法は、請求項1または2記載の方法において、金属体の形状が粒状、板状、ワイヤ状、棒状のいずれかであることを特徴とする。
また、請求項4記載の方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法において、微小気泡が酸素および/またはオゾンを含むことを特徴とする。
また、請求項5記載の方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法において、水のpHが7以下であることを特徴とする。
また、本発明の酸化対象物の処理方法は、請求項6記載の通り、酸化対象物を含む水中に請求項1記載の方法によって水酸基ラジカルを生成させ、生成した水酸基ラジカルで酸化対象物を酸化することを特徴とする。
例えば、特開2003−265938号公報に記載の方法に従って、4気圧の高圧下で、塩酸でpHを2.5に調整され、かつ、スピントラップ剤であるDMPO(5,5−ジメチル−1−ピロリン−N−オキシド)を約5mg/Lの濃度で含有する水中に酸素を溶解させた後、これを大気圧に開放することにより生じた溶解酸素の過飽和条件から粒径分布が1μm〜50μmの酸素を含む微小気泡を水中に発生させ、これを直径約5mmの銅の粒を約1g入れた5Lのビーカーに供給し、10秒以上、微小気泡を水中で自然浮遊させた後、水中に含まれる反応活性種を電子スピン共鳴法(ESR)により測定した結果(スペクトル)を図1に示す。図1から明らかなように、このスペクトルからは、水酸基ラジカルに特徴的な1:2:2:1の大きさを示す4個のピークが認められ、左右のマンガンマーカー長に対する先頭のピーク長の比率は約40%であった。ピーク長と水酸基ラジカルの生成量は相関しているので、以上の結果から、粒径が50μm以下の酸素を含む微小気泡と銅の粒を水中で共存させることで、水中に多量の水酸基ラジカルを生成させることができることがわかった。
ビーカー中に銅の粒を存在させないこと以外は実施例1と同様の実験を行い、水中に含まれる反応活性種をESRにより測定した結果、実施例1で得られたスペクトルと同様に水酸基ラジカルのピークが認められたが、その先頭のピーク長は、実施例1で得られたスペクトルにおける先頭のピーク長の約1/8.5であった。よって、実施例1と比較例1の結果から、水中に銅の粒を存在させておくと、銅の粒が存在しない場合に比較して水酸基ラジカルの生成量が約8.5倍に増加することがわかった。その理由は必ずしも明らかではないが、水中において微小気泡と銅の粒を接触させることで、銅の粒の表面が水酸基ラジカルの生成に対する何らかの促進作用を発揮することが考えられた(銅のかわりに酸化銅を使用した場合や水中に銅イオンを存在させた場合には水酸基ラジカルの生成量が増加しないことを別途の実験で確認した)。
気体として酸素のかわりに窒素を使用すること以外は実施例1と同様の実験を行い、水中に含まれる反応活性種をESRにより測定した結果、実施例1で得られたスペクトルと同様に水酸基ラジカルのピークが認められた。左右のマンガンマーカー長に対する先頭のピーク長の比率は約20%であったことから、実施例1に比較して水酸基ラジカルの生成量はおよそ半分であったが、ビーカー中に銅の粒を存在させないで同様の実験を行った場合、水酸基ラジカルの生成はそのピークがノイズに埋もれてしまって明確に認めることができない程度に少量であることに鑑みれば、気体として窒素を使用した場合でも、水中に銅の粒を存在させておくことで、水酸基ラジカルを効果的に生成させることができることがわかった。
気体として酸素のかわりに無声放電によってその約3%をオゾンに変換したオゾン含有酸素を使用すること以外は実施例1と同様の実験を行い、水中に含まれる反応活性種をESRにより測定した結果、水酸基ラジカルのピークはノイズに埋もれてしまって明確に認めることができなかった。実験終了後、水中のDMPOを分析すると、そのほとんどが分解されていたので、この現象はDMPOを酸化分解してしまうほど多量に水酸基ラジカルが生成したことによるものと考えられたが、この考察は、微小気泡の水中での自然浮遊時間を数秒の短時間にした場合には水酸基ラジカルのピークが認められたことによって支持された。
散気管を利用して粒径分布が0.5mm〜3mmの酸素を含む気泡を水中に発生させたこと以外は実施例1と同様の実験を行い、水中に含まれる反応活性種をESRにより測定したところ、水酸基ラジカルのピークは全く認めることができなかった。以上の結果から、酸素を含む気泡の大きさが大きすぎると、水中に銅の粒を存在させておいても、そもそも水酸基ラジカルは生成しないことがわかった。
銅のかわりに金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウムのそれぞれを使用した場合においても、使用しない場合に比較して水酸基ラジカルの生成量が増加することを実施例1と同様の実験において確認した。
自体公知の微小気泡発生装置(必要であれば特開2003−265938号公報を参照のこと)を使用して粒径分布が1μm〜50μmの空気を含む微小気泡を水中に連続的に発生させ、これを、繊維工場などからの排水に含まれる難分解性の有機化合物であるポリビニルアルコール(PVA)を酸化対象物として溶解させた水溶液(塩酸でpHを2.2に調整)を満たすとともに、直径約2mm×長さ約200mmの銅ワイヤ(約5g)を入れた5Lのビーカーに連続的に供給し(装置全体は循環ポンプを使用した閉鎖回路)、水中に含まれる全有機炭素量(TOC)の変化を島津製作所社製のTOC分析装置(TOC−V CHS)を使用して経時的に分析した。結果を図2に示す。図2から明らかなように、水中に含まれるTOCは、実験開始から30分後に一時的な増加が認められたが、その後は時間の経過とともに減少し、PVAが効率的に酸化分解されたことがわかった。PVAはオゾンをバブリングさせる方法によっても酸化分解されないほどに難分解性であるにもかかわらずこのような結果が得られたのは、水中に生成した水酸基ラジカルの優れた酸化能力によるものと考えられた。
ビーカー中に銅ワイヤを存在させないこと以外は実施例5と同様の実験を行ったところ、実験開始から2時間以内ではPVAは酸化分解されなかった(PVAの酸化分解はその後において確認できた)。
気体として空気のかわりにオゾンを使用し、PVAのかわりに電子部品工場などからの排水に含まれる難分解性の有機化合物である陰イオン界面活性剤(MBAS)を酸化対象物とすること以外は実施例5と同様の実験を行った。その結果、試験開始直後に液面から大量の発泡(泡沫)が生じたが、約1時間後にはMBASの酸化による不活化によって発泡は収まった。
ビーカー中に銅ワイヤを存在させないこと以外は実施例6と同様の実験を行ったところ、実験開始から3時間以内では発泡は収まらず、MBASの酸化による不活化には時間を要することがわかった。
Claims (6)
- 水中における水酸基ラジカルの生成方法であって、水中に金属体を存在させておき、粒径が50μm以下の微小気泡をそこに供給するかまたはそこで発生させることを特徴とする方法。
- 金属体を構成する金属が金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウムの少なくともいずれかの貴金属またはこれらの少なくとも1種を含む合金であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 金属体の形状が粒状、板状、ワイヤ状、棒状のいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
- 微小気泡が酸素および/またはオゾンを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
- 水のpHが7以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
- 酸化対象物を含む水中に請求項1記載の方法によって水酸基ラジカルを生成させ、生成した水酸基ラジカルで酸化対象物を酸化することを特徴とする酸化対象物の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009204887A JP2011050931A (ja) | 2009-09-04 | 2009-09-04 | 水中における水酸基ラジカルの生成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009204887A JP2011050931A (ja) | 2009-09-04 | 2009-09-04 | 水中における水酸基ラジカルの生成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011050931A true JP2011050931A (ja) | 2011-03-17 |
Family
ID=43940522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009204887A Pending JP2011050931A (ja) | 2009-09-04 | 2009-09-04 | 水中における水酸基ラジカルの生成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011050931A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103496780A (zh) * | 2013-09-18 | 2014-01-08 | 同济大学 | 利用微米气泡去除印染废水中特征污染物的方法 |
CN103739123A (zh) * | 2014-01-24 | 2014-04-23 | 北京三地恒天石油科技有限公司 | 一种用于采油污水深度处理的催化降解方法 |
CN106315822A (zh) * | 2016-10-21 | 2017-01-11 | 华东交通大学 | 一种臭氧‑超微米气泡‑过滤系统及其方法 |
AU2013337588B2 (en) * | 2012-11-01 | 2017-11-30 | Infinite Water Technologies Pty Ltd | Process and apparatus for water treatment |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005000847A (ja) * | 2003-06-13 | 2005-01-06 | Yaskawa Electric Corp | 汚水処理装置 |
WO2005030649A1 (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-07 | Reo Laboratory Co., Ltd. | 微小気泡の圧壊 |
JP2007268469A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Aqua Max Center Chubu:Kk | 廃水処理方法及びその装置 |
JP2008237950A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-09 | Reo Laboratory Co Ltd | 水酸基ラジカルを含む水の製造方法および水酸基ラジカルを含む水 |
JP2009131827A (ja) * | 2007-11-08 | 2009-06-18 | Idemitsu Eng Co Ltd | 汚水処理方法 |
WO2009099138A1 (ja) * | 2008-02-07 | 2009-08-13 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | 半導体ウエハの洗浄方法および洗浄装置 |
JP2009233635A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Ube Ind Ltd | 水浄化装置および水浄化方法 |
-
2009
- 2009-09-04 JP JP2009204887A patent/JP2011050931A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005000847A (ja) * | 2003-06-13 | 2005-01-06 | Yaskawa Electric Corp | 汚水処理装置 |
WO2005030649A1 (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-07 | Reo Laboratory Co., Ltd. | 微小気泡の圧壊 |
JP2007268469A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Aqua Max Center Chubu:Kk | 廃水処理方法及びその装置 |
JP2008237950A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-09 | Reo Laboratory Co Ltd | 水酸基ラジカルを含む水の製造方法および水酸基ラジカルを含む水 |
JP2009131827A (ja) * | 2007-11-08 | 2009-06-18 | Idemitsu Eng Co Ltd | 汚水処理方法 |
WO2009099138A1 (ja) * | 2008-02-07 | 2009-08-13 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | 半導体ウエハの洗浄方法および洗浄装置 |
JP2009233635A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Ube Ind Ltd | 水浄化装置および水浄化方法 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2013337588B2 (en) * | 2012-11-01 | 2017-11-30 | Infinite Water Technologies Pty Ltd | Process and apparatus for water treatment |
CN103496780A (zh) * | 2013-09-18 | 2014-01-08 | 同济大学 | 利用微米气泡去除印染废水中特征污染物的方法 |
CN103496780B (zh) * | 2013-09-18 | 2015-08-19 | 同济大学 | 利用微米气泡去除印染废水中特征污染物的方法 |
CN103739123A (zh) * | 2014-01-24 | 2014-04-23 | 北京三地恒天石油科技有限公司 | 一种用于采油污水深度处理的催化降解方法 |
CN103739123B (zh) * | 2014-01-24 | 2015-08-12 | 北京三地恒天石油科技有限公司 | 一种用于采油污水深度处理的催化降解方法 |
CN106315822A (zh) * | 2016-10-21 | 2017-01-11 | 华东交通大学 | 一种臭氧‑超微米气泡‑过滤系统及其方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5294370B2 (ja) | 反応活性種を含む水の製造方法および反応活性種を含む水 | |
JP2008237950A (ja) | 水酸基ラジカルを含む水の製造方法および水酸基ラジカルを含む水 | |
US8349192B2 (en) | Method for collapsing microbubbles | |
KR100491833B1 (ko) | 절연체 방전계에서 수중방전을 이용한 오존수 발생장치 | |
JP2016221513A (ja) | 測定可能な、酸化性ラジカル又は、還元性ラジカルを有するウルトラファインバブル水及びウルトラファインバブル溶液。 | |
KR101122979B1 (ko) | 기액 혼합 장치 | |
JP4931201B2 (ja) | 極微小気泡を含む水の製造方法および極微小気泡を含む水 | |
US6054048A (en) | Water purification apparatus | |
JP2005246293A (ja) | オゾン水およびその製造方法 | |
JP2005245817A (ja) | ナノバブルの製造方法 | |
JP3645250B2 (ja) | 加圧多層式マイクロオゾン殺菌・浄化・畜養殺菌システム | |
JP2009131770A (ja) | 二酸化炭素ナノバブル水の製造方法 | |
JP2011050931A (ja) | 水中における水酸基ラジカルの生成方法 | |
JP2009056364A (ja) | 配管型の水処理装置 | |
JPWO2016117259A1 (ja) | 水処理装置および水処理方法 | |
JP2006181449A (ja) | 水処理方法および水処理装置 | |
JP2010162519A (ja) | 排ガス処理装置および排ガス処理方法 | |
JP2001010808A (ja) | 高酸化性水の生成方法及び装置 | |
JP5442379B2 (ja) | 陰イオン界面活性剤を含む水の処理方法 | |
JP2014161749A (ja) | 水処理方法 | |
JP2006515225A (ja) | 水酸基の生成増強方法 | |
JPH0671594B2 (ja) | 水中の溶存酸素の除去方法および装置 | |
JP2005152803A (ja) | オゾン水の送水方法 | |
Zainuddin et al. | Development and operational implementation of a novel method for production of ozonated water | |
JP2008173617A (ja) | 水処理装置および水処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120903 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120921 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121107 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130930 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131008 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140401 |