JP2011049409A - パターン描画装置およびパターン描画方法 - Google Patents

パターン描画装置およびパターン描画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パターン描画中に焦点調整の良否を行うことができるパターン描画装置およびパターン描画方法を提供する。
【解決手段】基板表面における複数の表面位置の各々についてピエゾアクチュエータ555が移動指令値に応じて伸張する。これによって対物レンズ541が目標位置に移動して露光用光ビーム3の焦点が基板2の表面に一致し、当該光ビーム3によるパターン描画が実行される。このとき、ピエゾアクチュエータ555の伸張量(対物レンズの移動量)が位置検出センサ57により検出され、当該伸張量が移動指令値と対比される。そして、移動指令値とピエゾアクチュエータ555の移動量(伸張量)との移動誤差を算出するとともに、この移動誤差が所定のしきい値を超えているときにオートフォーカス異常が発生したと判定される。
【選択図】図2

Description

この発明は、光ビームを基板の表面に照射する露光ヘッドを基板に対して相対的に移動して基板の表面にパターンを描画するパターン描画装置および方法に関するものであり、特に光ビームの焦点調整(オートフォーカス制御)に関するものである。なお、上記「基板」には、例えば半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板およびフォトマスク用基板などが含まれる。
感光材料が表面に付与された半導体基板やガラス基板等(以下、「基板」という)に光ビームを照射してパターンを描画するパターン描画装置では、光ビームを出射する露光ヘッドに対して基板が表面に沿う方向に相対的に移動することにより、基板の全体にパターンが描画される。ここで、パターン描画装置にてパターンを精度よく描画するには、光ビームの焦点位置を基板の表面に一致させる必要がある。そこで、特許文献1に記載の装置では、光ビームの露光前にオートフォーカス用の変位センサにより感光材料までの距離を測定し、その測定結果に基づき露光ヘッドに設けたフォーカス機構により対物レンズを光軸方向に移動させて光ビームの焦点を基板の表面に一致させる、いわゆるオートフォーカス制御を行いながらパターンを描画していた。
特開2005−266779号公報
ところで、基板表面に対してゴミや異物などが付着することがある。この場合、基板表面のうち変位センサによる距離測定を行う表面領域にゴミなどが付着していると、当該表面領域での測定結果が他の表面領域に対する測定結果から大きく、しかも急激に変化することがある。このような場合、上記パターン描画装置においては、ゴミ等が付着した領域について光ビームの焦点を基板の表面に一致させるために、フォーカス機構により対物レンズを急激に移動させる必要がある。しかしながら、対物レンズを移動させるためにフォーカス機構に設けられた移動機構は一定の追従特性(立ち上がり時間や遅れ時間など)を有しており、その限界を超えて対物レンズを急激に移動させると、移動誤差が生じてしまう。この「移動誤差」とは、光ビームの焦点位置を基板の表面に一致させるために必要な移動機構の移動量(または対物レンズの移動量)に対し、実際に移動機構が移動した移動量(または移動機構により対物レンズが移動した量)の誤差を意味しており、この移動誤差が対物レンズの焦点深度を超えてしまうと、描画不良を発生させる可能性がある。
このような描画不良は、パターン描画装置を用いて製造される製品の歩留まりと密接に関連しており、当該製品の品質管理上、パターン描画中に描画不良につながる焦点調整の異常検知が要望されている。しかしながら、従来装置では、この点については十分な対応が採られていなかった。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、パターン描画中に焦点調整の良否判定を行うことができるパターン描画装置およびパターン描画方法を提供することを目的とする。
この発明にかかるパターン描画装置は、上記目的を達成するため、基板に対して相対的に移動しながら、移動機構により移動可能に設けられた可動光学系を介して光ビームを基板の表面に照射してパターンを描画する露光ヘッドと、基板の表面における複数位置の各々について当該表面位置までの距離を検出する距離検出ユニットと、複数の表面位置の各々に対応して距離検出ユニットによる検出結果に基づく移動指令値を移動機構に与えて可動光学系を移動させて可動光学系の位置を調整することで光ビームの焦点位置を基板の表面に一致させる駆動制御部と、移動機構の動作に関連する動作情報を検出する検出部と、各表面位置について検出部で検出された動作情報と移動指令値とを対比して焦点調整の良否を判定する判定処理部とを備えたことを特徴としている。
また、この発明にかかるパターン描画方法は、移動機構により移動可能に設けられた可動光学系を介して光ビームを基板の表面に照射する露光ヘッドを基板に対して相対的に移動して基板の表面にパターンを描画するパターン描画方法であって、上記目的を達成するため、基板の表面における複数位置の各々について、当該表面位置までの距離に基づく移動指令値を移動機構に与えて可動光学系を移動させて可動光学系の位置を調整することで光ビームの焦点位置を基板の表面に一致させるとともに、移動機構の動作に関連する動作情報と移動指令値とを対比して焦点調整の良否を判定することを特徴としている。
このように構成された発明(パターン描画装置および方法)では、基板の表面における複数位置の各々について当該表面位置までの距離が検出され、それらの検出結果に基づき移動指令値が移動機構に与えられる。そして、この移動機構により可動光学系を移動させて可動光学系の位置が調整されることで光ビームの焦点位置が基板の表面に一致する。しかしながら、上記「発明が解決しようとする課題」の項で説明したように、上記表面位置にゴミ等が付着すると、その表面位置に対応する移動指令値が急激に変化して移動機構の追従特性を超えてしまい、移動機構により可動光学系を移動指令値に対応する位置まで移動させることができない場合がある。そこで、本発明では、基板表面における複数の表面位置の各々について移動機構の動作に関連する動作情報、つまり移動機構の移動量や移動機構による可動光学系の移動量が検出され、移動指令値と対比される。したがって、パターン描画中に焦点調整の異常、つまりオートフォーカス異常が発生したとしても、上記対比結果に基づいてオートフォーカス異常の発生タイミングや発生位置が正確に検知される。
ここで、光ビームの焦点位置を基板の表面に一致させるために可動光学系を移動させる移動量を移動指令値とし、当該移動指令値を受けて移動機構が移動した移動量を動作情報としたとき、動作情報で示す移動量と移動指令値で示す移動量との誤差を求めてもよい。つまり、この誤差(実施形態での「移動誤差」に相当)は移動指令値と当該指令値に基づく可動光学系の移動量との差を意味しており、この誤差が所定のしきい値を超えているときに焦点調整の異常(オートフォーカス異常)が発生したと判定することができる。このようにパターン描画中にオートフォーカス異常を確実に検知することができる。なお、しきい値として可動光学系を含み光ビームを基板表面に集光させる露光光学系の焦点深度を設定してもよく、これによってパターン描画が良好に行われたか否かを確実に検知することができる。
また、移動機構に追従遅れが発生する場合があるが、この場合、駆動制御部が移動指令値を移動機構に与えてから移動機構の追従遅れ時間が経過した後に動作情報を検出するのが望ましい。また、移動機構の追従遅れ時間は移動機構の移動方向や移動量に応じて異なる場合がある。この場合、移動機構による可動光学系の移動方向または移動量に応じて動作情報の検出タイミングをずらすのが好適である。
この発明によれば、パターン描画中に基板表面における複数の表面位置の各々について移動機構の動作に関連する動作情報を検出し、当該動作情報と移動指令値とを対比して焦点調整の良否を判定することができる。
本発明にかかるパターン描画装置の一実施形態を示す斜視図である。 図1のパターン描画装置の主要部分を示す図である。 対物レンズおよびレンズ駆動部の構成を示す図である。 距離検出ユニット、露光ヘッドおよび各露光ヘッドの描画範囲の位置関係を示す図である。 図1のパターン描画装置によるパターン描画動作を示すフローチャートである。 図1のパターン描画装置によるパターン描画動作を示すフローチャートである。 図1のパターン描画装置によるパターン描画動作を模式的に示す図である。 図1のパターン描画装置によるパターン描画動作を模式的に示す図である。 図1のパターン描画装置によるパターン描画動作を模式的に示す図である。 主走査方向Yの往路方向に動作するときのタイミングチャートである。 主走査方向Yの往路方向に動作するときのタイミングチャートである。 移動指令値、ピエゾ伸張量(実測値)および移動誤差の関係を示すグラフである。 ピエゾアクチュエータの伸縮量とその移動に要する時間との関係を示すグラフである。
図1は本発明にかかるパターン描画装置の一実施形態を示す斜視図である。また、図2は図1のパターン描画装置の主要部分を示す図である。このパターン描画装置1は、基板2の表面に塗布された感光材料(図示せず)に対して光ビーム3を照射することにより当該感光材料に配線等のパターンを描画するパターン描画装置である。パターン描画装置1は、基板2を保持するステージ4と、ステージ4に保持された基板2の表面に光ビーム3を照射する露光ヘッド5と、ステージ4上の基板2の表面までの距離を検出する距離検出ユニット6と、装置全体を制御する制御ユニット7とを有している。
ステージ4には、吸着保持機構(図示せず)が設けられており、基板2の表面、つまり感光材料が塗布された主面を上方に向けた状態で吸着保持機構に基板裏面が吸着され、これによって基板2がステージ4に保持される。また、このステージ4は基台8上に設けられた主走査部81および副走査部82により2次元的に移動する。すなわち、基台8上には、主走査方向Yに延びる2本のレール811、811が副走査方向Xにおけるステージ4の副走査幅より広い間隔だけ離間して互いに平行に配設されている。そして、これらのレール811、811に対して、ステージ4より若干大きな平面サイズを有するプレート812が主走査方向Yで移動自在に配置されている。このプレート812に対してY駆動機構(図示省略)が接続されてプレート812を主走査方向Yに移動させる。このようにレール811、811、プレート812およびY駆動機構により、主走査部81が構成されている。
また、プレート812上には、副走査方向Xに延びる2本のレール821、821が主走査方向Yにおけるステージ4の幅より若干狭い間隔だけ離間して互いに平行に配設されている。そして、これらのレール821、821に対して、ステージ4が副走査方向Xで移動自在に配置されている。ステージ4に対してX駆動機構(図示省略)が接続されてプレート822を副走査方向Xに移動させる。このようにレール821、821およびX駆動機構により、副走査部82が構成されている。これら主走査部81および副走査部82によりステージ4が駆動されることで、次に説明するように露光ヘッド5は固定配置されているものの、基板2に対して相対的に移動する。
本実施形態では、6個の露光ヘッド5が固定配置されている。すなわち、図1に示すように、基台8に門形のゲート83が固定されるとともに、当該ゲート83の梁部分831の主走査方向中央部に6個の露光ヘッド5が副走査方向Xに沿って設けられている。これら6個の露光ヘッド5は同一構成を有している。すなわち、各露光ヘッド5では、図2に示すように、露光用の光源駆動部51が設けられており、制御ユニット7の投光制御部71からの動作指令にしたがってレーザダイオード52を駆動する。そして、光源駆動部51によりレーザダイオード52が発光すると、レーザダイオード52から露光用の光ビーム3が出射する。また、レーザダイオード52の出射側に光変調素子53が配置されており、基板2の表面に描画するパターンに応じて光ビーム3を変調する。この実施形態では、光変調素子53として、例えばGLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(シリコン・ライト・マシーンズ(サニーベール、カリフォルニア)の登録商標)等の回折格子型の光変調素子を用いているが、これ以外の光変調素子を用いてもよい。さらに、光変調素子53で変調された光ビーム3はレンズ光学系54を介して基板2の表面に照射される。このレンズ光学系54はレンズ光学系54の光軸に沿って移動自在な対物レンズ541(図3参照)を有しており、レンズ駆動部55により対物レンズ541を光軸に沿って移動させることで光ビーム3の焦点位置を調整可能となっている。
図3は対物レンズおよびレンズ駆動部の構成を示す図である。同図(a)はレンズ駆動部の正面図であり、同図(b)は同図(a)のA−A線断面図である。このレンズ駆動部55は、レンズ光学系54の光軸方向(本実施形態では鉛直方向Z)に延設されたプレート状のベース部551を有している。このベース部551の中央部には、貫通孔552が設けられており、貫通孔552の下方部位に対してステージ553がすっぽりと入り込む形で遊嵌されている。また、ステージ553の左右上端面、左右下端面と貫通孔552の内周面との間にバネ部材554がそれぞれ介挿されている。これによってステージ553がレンズ光学系54の光軸OAとほぼ平行に移動可能となっている。ここで、ステージ553の移動を安定化させるためにガイドレールによってステージ553の移動を案内するように構成してもよい。
また、貫通孔552の上方部位に対してピエゾアクチュエータ555が配置されている。このピエゾアクチュエータ555の上端部は貫通孔552の内周面に接続される一方、下端部はステージ553の上面中央部に接続されている。そして、制御ユニット7の駆動制御部72からの移動指令値に基づきピエゾ駆動部56がピエゾアクチュエータ555に電気信号を与えることでピエゾアクチュエータ555が鉛直方向に伸張してステージ553をレンズ光学系54の光軸OAとほぼ平行に移動させる。なお、この実施形態では、ステージ553の4隅に対してバネ部材554の付勢力が作用しているため、ステージ553を安定し、しかも円滑に移動させることが可能となっている。
また、図3(b)に示すように、ステージ553の両主面のうちレンズ光学系54と対面する主面に対してレンズ保持部556がほぼ垂直に片持ち状態で取り付けられている。そして、レンズ保持部556の中央部で対物レンズ541が保持されている。このため、上記したようにピエゾアクチュエータ555の伸張によりステージ553とともにレンズ保持部556および対物レンズ541が一体的に鉛直方向Zに移動し、光ビーム3の焦点位置を鉛直方向Zに調整可能となっている。このように、本実施形態では、対物レンズ541およびレンズ光学系54がそれぞれ本発明の「可動光学系」および「露光光学系」に相当している。また、ピエゾアクチュエータ555とピエゾ駆動部56とで対物レンズ541を移動させており、これらが本発明の「移動機構」として機能している。なお、移動機構を構成する駆動源としてピエゾアクチュエータ555以外のアクチュエータやモータなどの駆動源を用いてもよいことは言うまでもない。
また、上記のようにしてピエゾアクチュエータ555は伸張するが、その移動量(伸張量)を検出するための「検出部」の一例として、ステージ553の位置を検出する位置検出センサ57が設けられている。本実施形態では、位置検出センサ57として、一対の構成部品571、572を有する静電容量センサが用いられており、構成部品571がステージ553の下端中央部に取り付けられる一方、構成部品572が構成部品571と対向するように貫通孔552の内周面に取り付けられている。そして、ピエゾアクチュエータ555の伸張量に応じた分だけステージ553が移動して構成部品571、572の距離が変化する。また、構成部品571、572の距離に応じた信号が位置検出センサ57から出力され、制御ユニット7の検出信号処理部73に出力される。このように位置検出センサ57からの出力信号に基づきピエゾアクチュエータ555の移動量(伸張量)やピエゾアクチュエータ555による対物レンズ541の移動量などの動作情報を検出可能となっている。なお、「検出部」としては、上記静電容量センサ以外の位置検出センサも用いることができる。
図1および図2に戻って説明を続ける。このように構成された露光ヘッド5の各々に対して所定の位置関係で距離検出ユニット6がゲート83に固定されている。これら複数(本実施形態では6個)の距離検出ユニット6はいずれも同一構成を有している。つまり、各距離検出ユニット6では、図2に示すように、距離検出用の光源駆動部61が設けられており、制御ユニット7の投光制御部71からの動作指令にしたがって投光器62を駆動する。そして、光源駆動部61により投光器62が発光すると、投光器62から距離検出用の光Lが出射する。この光Lはレンズ63、ミラー64を介して基板表面の法線に対して約45゜の入射角で基板表面に入射される。この距離検出用光Lは基板表面の感光材料を感光させない波長および強度に設定されている。したがって、後述するようにして基板2までの距離を検出する際、感光材料が光Lで感光されることはない。
また、基板表面で反射された光がミラー65、レンズ66およびミラー67を介してラインセンサ68に受光されるように構成されている。このラインセンサ68は、直線状に配列された複数の画素681を有し、投光器62から照射された光Lが基板表面で反射されたときの反射光の光量分布を検出する。ラインセンサ68としては、例えばCCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサを用いることができる。このラインセンサ68は受光素子制御部69に接続されている。この受光素子制御部69は、ラインセンサ68の出力タイミングを制御するとともに、A/D変換によってラインセンサ68のアナログ出力信号をデジタル信号に変換する。また、そのデジタル信号は制御ユニット7の検出信号処理部73に出力される。
このように構成された露光ヘッド5と距離検出ユニット6は図1に示すように一定の位置関係を有しているが、その位置関係について図4を参照しつつ説明する。図4は、距離検出ユニット、露光ヘッドおよび各露光ヘッドの描画範囲の位置関係を示す図である。同図において、符号P6は距離検出ユニット6から照射される光の像の形状および位置を表し、符号P5は露光ヘッド5から照射される光ビームの像の形状および位置を表している。また、符号10は、露光ヘッド5が感光材料上を副走査方向Xに沿って走査露光した走査列を示している。
また、本実施形態では、像P5、P6の形成位置を正確に求めるために、レーザ測長器20およびオートフォーカス制御信号発生部21(以下「AF制御信号発生部21」と称する)が設けられている。すなわち、レーザ測長器20から出力される位置情報がAF制御信号発生部21に入力され、AF制御信号発生部21は同位置情報に基づき露光用光ビーム3が基板2のどの表面位置に照射されて露光処理を施しているのか、また距離検出用の光Lが基板2のどの表面位置に照射されているのかを求め、それらの表面位置に関する情報を投光制御部71および検出信号処理部73に出力する。
さらに、同図に示すように、距離検出ユニット6による検出領域(基板表面の微小領域)P6が露光ヘッド5からの光ビーム3の照射位置P5に対して主走査方向YにおいてΔYだけ離間し、副走査方向XにおいてΔXだけ離間するように、距離検出ユニット6は露光ヘッド5から離間して配置されている。すなわち、距離検出ユニット6が副走査方向Xに沿って走査する基板2上の走査列10は、露光ヘッド5が副走査方向Xに沿って走査する基板2の走査列10に対して1つ以上(本実施形態では1つ)副走査方向Xに離れている。すなわち、距離検出ユニット6は、露光ヘッド5が走査する走査列10を露光ヘッド5よりも先に走査する位置にある。本実施形態では、露光ヘッド5と当該露光ヘッド5に対応する距離検出ユニット6の中心部は、副走査方向XにΔY離れ、主走査方向XにΔX離れている。このΔXは、1つの露光ヘッド5が副走査方向Xに走査露光するときの露光幅に等しい。また、各露光ヘッド5は、例えば副走査方向Xに所定範囲SRを走査する。この場合、露光ヘッド5は、(SR/4)回の副走査方向Xの走査を行うことで、全範囲を走査露光することができる。そして、往路方向の走査と復路方向の走査を交互に行うことにより(SR/4)回の走査が行われる。
図2に戻って装置構成の説明を続ける。制御ユニット7はCPUやメモリなどを有しており、メモリに予め記憶されているプログラムにしたがって装置各部を制御する。この制御ユニット7は、上記した投光制御部71、駆動制御部72および検出信号処理部73の機能ブロックを有している。投光制御部71は上記したように露光ヘッド5および距離検出ユニット6の光源駆動部51、61をそれぞれ制御し、駆動制御部72は上記したようにピエゾ駆動部56を制御する。また、検出信号処理部73は4つの機能ブロック(重心位置算出部731、移動距離算出部732、移動誤差算出部733および異常判定部734)を有している。
重心位置算出部731には、受光素子制御部69からのデジタル信号が入力されるが、そのデジタル信号は距離検出ユニット6における反射光の受光量分布の情報、すなわち、反射光を受光した画素681の位置情報および各画素681が受光した光の光量情報を含んでいる。そして、重心位置算出部731はラインセンサ68により検出された受光量分布のピーク部分の重心位置を算出する。より詳しくは、重心位置算出部731は、各画素681の受光量に基づき受光量分布を求める。この受光量分布には、受光量が急激に増加し減少するピーク部分が存在しており、当該ピーク部分は例えばガウス曲線のような形状となる。そこで、重心位置算出部731は、ピーク部分の重心位置を求め、光Lの反射位置(検出領域P6)に対応付けてメモリ(図示省略)に記憶する。この実施形態では、露光ヘッド5および距離検出ユニット6に対して基板2が主走査方向Yに走査される間に、投光器62は例えば一定の電圧で駆動されて一定の光量の光Lを照射する一方、重心位置算出部731は所定の時間間隔で周期的に上記のようにして基板表面の各部に対応する重心位置をそれぞれ算出する。
また、移動距離算出部732は、受光量分布のピーク部分の重心位置とラインセンサ68の複数の画素681上で予め設定された目標位置との差を算出し、その差に基づいて、感光材料の表面に光ビーム3の焦点が合うように対物レンズ541を移動させる距離を算出する。この「目標位置」は、感光材料の表面に光ビーム3の焦点が合う時に、受光量分布のピーク部分の重心が位置する点であり、例えば特開2004−79681号公報に記載された技術を用いて求められてメモりに予め記憶されている。すなわち、レジスト膜等の感光材料が被着形成された基板の表面の異なる位置が同一パターンにより2種類の露光量でかつそれぞれの露光量において対物レンズ541の位置を変化することでフォーカスを種々変えて逐次露光される。次に、露光された基板は、パターン描画装置1から現像装置(図示省略)へ移送され、現像装置により現像される。続いて、現像された基板は、現像装置から線幅測定装置へ移送され、線幅測定装置により、基板表面のレジスト膜における各位置のパターン線幅がそれぞれ測定される。その線幅測定装置によって測定されたデータから、各フォーカスでの、露光量に対するパターン線幅の変化率がそれぞれ算出される。次に、露光量に対するパターン線幅の変化率が最小となるときのフォーカスが求められ、これに対応する対物レンズ541の位置が上記目標位置として決定されてメモリに記憶される。
このようにして移動距離算出部732は、基板表面の各部に対応して重心位置算出部731で求められた重心位置の各々について目標位置との差を算出し、基板表面の各部に対応して対物レンズ541の移動距離を算出している。そして、複数の移動距離のうち露光用光ビーム3の照射位置P5に対応する移動距離が移動指令とともに駆動制御部72に与えられる。これらを受けた駆動制御部72は当該移動距離に対応する移動指令値をピエゾ駆動部56に与え、ピエゾアクチュエータ555を伸張させて対物レンズ541を上記移動距離だけ移動させる。また、この移動指令値は検出信号処理部73の移動誤差算出部733にも与えられる。
この移動誤差算出部733には、移動指令値以外に位置検出センサ57から出力信号が入力される。そして、移動誤差算出部733は当該信号に基づきピエゾアクチュエータ555の移動量(伸張量)やピエゾアクチュエータ555による対物レンズ541の移動量などの動作情報を検出可能となっている。なお、この実施形態では、レンズ駆動部55は上記のように構成されていることからピエゾアクチュエータ555の伸張量と対物レンズ541の移動量は同一値となっている。また、移動誤差算出部733は移動指令値と動作情報(ピエゾアクチュエータ555の伸張量)とから移動誤差を算出する。すなわち、移動指令値で示される移動量は露光用光ビーム3の焦点位置を基板2の表面に一致させるために対物レンズ541を移動させる移動量であり、移動誤差算出部733は上記移動指令値に基づく対物レンズ541の移動量を動作情報として検出し、両者の差を移動誤差として算出している。
さらに、異常判定部734は移動誤差算出部733で算出された移動誤差を所定のしきい値、例えばレンズ光学系54の焦点深度と対比し、移動誤差が所定のしきい値を超えているときに焦点調整の異常(オートフォーカス異常)が発生したと判定する。このように、本実施形態では、移動誤差算出部733と異常判定部734とで各表面位置について動作情報と移動指令値とを対比して焦点調整の良否を判定しており、これらが本発明の「判定処理部」として機能している。
次に、上記のように構成されたパターン描画装置の動作について、まずパターン描画動作の概要について図5ないし図9を参照しつつ説明し、その後で上記パターン描画動作中に実行されるオートフォーカス異常の検知動作についてオートフォーカス制御と関連付けながら図10ないし図12を参照しつつ詳述する。
図5および図6は図1のパターン描画装置によるパターン描画動作を示すフローチャートである。また、図7ないし図9は図1のパターン描画装置によるパターン描画動作を模式的に示す図である。このパターン描画装置1では、ステージ4上に基板2が図示を省略する搬送ロボットにより搬送されると、制御ユニット7がメモリに記憶された描画プログラムにしたがって装置各部を以下のように制御して所望のパターンを基板2の表面に形成された感光材料に描画する。
まず、ステージ4が主走査方向Y(−Y方向(図4参照))に移動する。これにより、距離検出ユニット6は、主走査方向Y(+Y方向(図4参照))に感光材料の走査を行いつつ、第1の走査列10a(図4,図7の<1>参照)に距離検出用の光Lを照射する(ステップS1)。この光照射により、感光材料の表面に光Lの像P6が形成される。最初に光Lが照射されるのは、基板表面のうち第1の走査列10aの前端部である。次いで、光Lの反射光の受光量分布を算出する(ステップS2)。次いで、受光量分布のピーク部分の重心位置を算出する(ステップS3)。次いで、その重心位置と予め設定された目標位置との差を算出する(ステップS4)。さらに、その差に基づいて、感光材料の表面に光ビーム3の焦点が一致するために必要な移動指令値を算出し、像P6が形成された表面位置と対応付けてメモリに記憶する(ステップS5)。距離検出ユニット6は、第1の走査列10aの前端部から後端部まで、所定の周期でステップS1からステップS5を繰り返す(図7の<1>〜<3>参照)。そして、後端部までステップS1からステップS5を繰り返したとき(ステップS6の「YES」)、後端部が露光ヘッド5の横を通過するまでさらに主走査方向Yに走査し(図7の<4>参照)、ある所まで走査したら主走査方向Y(+Y方向)への走査を停止する(図7の<5>参照)(ステップS7)。
次いで、1つの走査列10の幅に相当する距離分、ステージ4は副走査方向X(+X方向(図4参照))へ移動する(図7の<6>参照)(ステップS8)。これにより、第1の走査列10aの延長線上に露光ヘッド5が位置する。また、第2の走査列10bの延長線上に距離検出ユニット6が位置する。次いで、第1の走査列10aを走査した時とは逆方向(+Y方向)にステージ4を移動させる(図7の<7>参照)(ステップS9)。これにより、第1の走査列10aを走査した時とは逆方向(−Y方向)に走査が行われる。すると、露光ヘッド5が第1の走査列10aの後端部に到達する(図7の<7>参照)(ステップS10)。ピエゾアクチュエータ555は移動距離算出部732で算出された移動指令値で示される移動量分、伸張して対物レンズ541を鉛直方向に移動させる(ステップS11)。このとき、移動指令値が急激に変化してピエゾアクチュエータ555の追従特性を超えてしまうと、ピエゾアクチュエータ555を移動指令値に対応する移動量まで伸張させることができない場合がある。この場合、後述するオートフォーカス異常の検知動作により検知可能となっている。一方、移動指令値の変化が小さくピエゾアクチュエータ555の追従特性の範囲内では対物レンズ541は所望位置に位置決めされて感光材料の表面に露光用の光ビーム3の焦点が一致する。
この光ビーム3の照射により、感光材料の表面に光ビーム3の像P5が形成される。主走査方向Yの走査中、ピエゾアクチュエータ555は像P5を形成する表面位置に対応した移動指令値がメモリから読み出され、当該移動指令値に基づきピエゾアクチュエータ555が伸張してレンズ光学系54の対物レンズ541を光ビーム3の光軸方向(この実施形態では上下方向)に移動させる。
このような走査を続けると、距離検出ユニット6が第2の走査列10の後端部に到達する(図7の<8>参照)(ステップS12)。距離検出ユニット6は、主走査方向Y(−Y方向)に感光材料の走査を行いつつ、第2の走査列10bの後端部に光Lを照射する(ステップS13)。次いで、光Lの反射光の受光量分布を算出する(ステップS14)。次いで、受光量分布のピーク部分の重心位置を算出する(ステップS15)。次いで、その重心位置と予め設定された目標位置との差を算出する(ステップS16)。その差に基づいて、感光材料の表面に光ビーム3の焦点が一致するために必要な移動指令値を算出し、像P6が形成された表面位置と対応付けてメモリに記憶する(ステップS17)。距離検出ユニット6は、第2の走査列10bの後端部から前端部まで、所定の周期でステップS13からステップS17を繰り返す(図7の<8>〜図8の<10>参照)。前端部までステップS13からステップS16を繰り返したら(ステップS18の「YES」)、主走査方向Y(−Y方向)への走査を停止する(図8の<11>参照)(ステップS19)。
このようにステップS1〜S19の説明でわかるように、1回目の主走査方向Yの走査(+Y方向の走査)時に第1走査列10aにおける移動指令値の算出・記憶が各表面位置に対応付けて行われる。2回目の主走査方向Yの走査(−Y方向の走査)時には第1走査列10aの露光と第2走査列10bにおける移動指令値の算出・記憶が並列的に行われる。
その後、最後の走査列10の走査露光が終了したか否かの判断がなされ(ステップS20)、終了していなければ、次の走査列10に対する同様の処理がなされる(ステップS21)。例えば、3回目の主走査方向Yの走査(+Y方向の走査)時には、第2走査列10aの露光と第3走査列10cにおける移動指令値の算出・記憶が並列的に行われる(図8の<13>〜<16>参照)。4回目以降の主走査方向Yの走査時においても、露光と移動指令値の算出・記憶が並列的に行われる。最後の走査列10の走査露光が終了したら(ステップS20の「YES」)、全体の処理を終了する。
次に、図10ないし図12を参照しつつ上記パターン描画動作中に実行されるオートフォーカス制御とオートフォーカス異常の検知動作とについて説明する。図10は主走査方向Yの往路方向に動作するときのタイミングチャートである。図11は主走査方向Yの復路方向に動作するときのタイミングチャートである。往路方向および復路方向におけるオートフォーカス制御、つまり距離検出および露光用光ビームの焦点位置調整は上記に説明したとおり、図10および図11中の丸括弧付きの番号(1)〜(9)で示す動作を実行することで行う。すなわち、往路時には、以下の動作を実行することでオートフォーカス制御が実行される(図10参照)。
(1)オートフォーカス動作の開始を示すオートフォーカス信号(AF)が出力される。
(2)オートフォーカス動作の開始と略同時に往路方向(+Y方向)の走査が開始される。
(3)受光量分布のピーク部分の重心位置を求めるタイミングを示すトリガ信号(TRG)が所定の時間間隔T1で周期的に出力される。
(4)ラインセンサ68は、時間間隔T1より十分に小さい時間間隔で周期的に反射光の受光量分布を出力する。
(5)受光量分布のデータは、順次、メモリ(例えばSRAM)に書き込まれる。
(6)SRAMに書き込まれた受光量分布のデータは、順次、読み出される。
(7)読み出された受光量分布のデータに基づいて、受光量分布のピーク部分の重心位置が順次算出される。さらに、重心位置に基づいて、感光材料の表面に光ビーム3の焦点が一致するために必要な移動指令値が算出され、像P6の形成位置と対応付けてSRAMに書き込まれる。なお、各移動指令値は直後の復路方向の走査時における対物レンズ541の移動位置決めに用いられる。
(8)焦点位置調整のためのピエゾ駆動のタイミングを示す信号が出力される。最初のタイミングは、トリガ信号(TRG)が出力された時点からT2経過した時である。以後、時間T1毎に焦点位置調整のタイミングを示す信号が出力される。
(9)焦点位置調整のタイミングに同期して、直前の復路方向の走査時に取得された移動指令値が読み出され、その移動指令値で示される移動量だけピエゾアクチュエータ555が伸張してレンズ光学系54の対物レンズ541が光ビーム3の光軸方向に移動する。
このようにしてオートフォーカス制御(光ビーム3の焦点位置の調整)が実行されるが、そのパターン描画中に丸括弧付きの番号(8)、(9)で示すようにしてピエゾアクチュエータ555がピエゾ駆動部56により駆動されるのに対応して丸括弧付きの番号(10)および(11)で示すオートフォーカス異常の検知動作が実行される。
(10)ピエゾ駆動のタイミングを示す信号が出力されてから時間T3だけ経過すると、ピエゾ位置検出のタイミングを示す信号が出力される。この実施形態では、ピエゾアクチュエータ555の追従特性、特に追従遅れ時間を考慮し、追従遅れ時間よりも長い時間を時間T3として設定している。このため、ピエゾ駆動のタイミングを示す信号の出力を受けてピエゾアクチュエータ555の駆動が開始され、追従遅れ時間が経過してピエゾアクチュエータ555が完全に移動指令値だけ伸張した状態でピエゾ位置検出のタイミングを示す信号が出力される。
(11)ピエゾ位置検出のタイミングを示す信号の出力に応じて移動誤差算出部733は位置検出センサ57からの出力信号、つまり上記移動指令値に基づく対物レンズ541の移動量を動作情報として受け取る。そして、移動誤差算出部733は移動指令値で示す移動量と対物レンズ541の移動量とから移動誤差を計算する。例えば図12(a)に示すように主走査方向Yの往路方向に移動する基板2の表面位置(Y座標値)に対する移動指令値が駆動制御部72から出力されるのに対し、各移動指令値に基づきピエゾアクチュエータ555が伸張する。同図(b)のグラフは各移動指令値に対応して駆動されたピエゾアクチュエータ555の伸張量(実測値)を示している。そして、各Y座標値について移動指令値に対する移動後のピエゾ伸張量の差が追従誤差となる(同図(c))。同図(a)中の矢印ARで示す表面位置で移動指令値が急激に減少しているが、これは当該表面位置にゴミや異物などが付着しているのに対応したものである。そして、この表面位置に対して露光用光ビーム3を照射する際には同移動指令値に基づきピエゾアクチュエータ555のピエゾ長を急激に変化させる必要があるが、同図(c)に示すようにピエゾアクチュエータ555の追従特性を超えているために当該表面位置での追従誤差は1μmを超えてしまっている。なお、その他の表面位置では、移動誤差算出部733で算出される追従誤差は1μm未満となっており、優れた追従性でピエゾアクチュエータ555が伸張していることがわかる。
こうして算出された移動誤差は異常判定部734に与えられ、所定のしきい値と対比し、移動誤差が所定のしきい値を超えているときに焦点調整の異常(オートフォーカス異常)が発生したと判定する。例えば図12に示す移動指令値とピエゾ伸張量(実測値)の関係が得られる装置1では、しきい値を「1μm」に設定すると、矢印ARで示される表面位置でのオートフォーカス異常の発生を検知することができる。
また、復路時には、以下の動作を実行することでオートフォーカス制御が実行される(図11参照)。
(1)オートフォーカス動作の開始を示すオートフォーカス信号(AF)が出力される。
(2)オートフォーカス動作の開始と略同時に復路方向(−Y方向)の走査が開始される。
(3)すると、受光量分布のピーク部分の重心位置を求めるタイミングを示すトリガ信号(TRG)が所定の時間間隔T1で周期的に出力される。
(4)ラインセンサ68は、T1より十分に小さい時間間隔で周期的に反射光の受光量分布を出力する。
(8)焦点位置調整のためのピエゾ駆動のタイミングを示す信号が出力される。時間T1毎に焦点位置調整のタイミングを示す信号が出力される。
(9)焦点位置調整のタイミングに同期して、直前の往路方向の走査時に取得された移動指令値のデータが読み出され、ピエゾアクチュエータ555が伸張してレンズ光学系54の対物レンズ541が光ビーム3の光軸方向に移動する。
(5)受光量分布のデータは、順次、メモリに書き込まれる。最初に書き込まれるのは、トリガ信号(TRG)が出力された時点からT2経過した時である。以後、時間T1毎に書き込まれる。
(6)SRAMに書き込まれた受光量分布のデータは、順次、読み出される。
(7)読み出された受光量分布のデータに基づいて、受光量分布のピーク部分の重心位置が順次算出される。さらに、重心位置とに基づいて、感光材料の表面に光ビーム3の焦点が一致するようにレンズ光学系54の対物レンズ541を上下方向に移動させるための移動指令値を算出する。移動指令値のデータは各表面位置と対応付けられながら、メモリに書き込まれる。なお、これらの移動指令値のデータは直後の往路方向の走査時における対物レンズ541の移動に用いられる。
このようにしてオートフォーカス制御(光ビーム3の焦点位置の調整)が実行されるが、そのパターン描画中に往路時と同様に丸括弧付きの番号(8)、(9)で示すようにしてピエゾアクチュエータ555がピエゾ駆動部56により駆動されるのに対応して丸括弧付きの番号(10)および(11)で示すオートフォーカス異常の検知動作が実行される。なお、復路時におけるオートフォーカス異常の検知動作は往路時と全く同一である。
以上のように、本実施形態によれば、基板表面における複数の表面位置の各々についてピエゾアクチュエータ555の伸張量(つまり対物レンズ541の移動量)が本発明の「移動機構の動作に関連する動作情報」として位置検出センサ57により検出され、当該伸張量が移動指令値と対比される。そして、移動指令値とピエゾアクチュエータ555の移動量(伸張量)との移動誤差を算出するとともに、この移動誤差が所定のしきい値を超えているときにオートフォーカス異常が発生したと判定している。このようにパターン描画中にオートフォーカス異常を確実に検知することができる。なお、しきい値としてレンズ光学系54の焦点深度を設定してもよく、これによってパターン描画が良好に行われたか否かを確実に検知することができる。
また、ピエゾアクチュエータ555が伸張する際に追従遅れが発生する可能性があるが、本実施形態では駆動制御部72が移動指令値をピエゾ駆動部56に与えてから上記追従遅れ時間が経過した後で位置検出センサ57によりピエゾアクチュエータ555の移動量(伸張量)が検出される。したがって、ピエゾアクチュエータ555の追従遅れの影響を排除してピエゾアクチュエータ555の移動量(伸張量)を正確に求めることができる。その結果、オートフォーカス異常を精度良く検知することができる。
ここで、ピエゾアクチュエータ555の追従遅れ時間はピエゾアクチュエータ555の動作方向や伸張量などの動作条件に応じて異なる場合がある。したがって、それらの動作条件に応じて位置検出センサ57により検出タイミングを適宜ずらすことでさらに高精度な誤差検出を行うことができ、オートフォーカス異常の検知精度をさらに高めることができる。以下、この点について図13を参照しつつ説明する。
図13はピエゾアクチュエータの伸縮量とその移動に要する時間との関係を示すグラフである。ピエゾアクチュエータ555を駆動して対物レンズ541を鉛直方向に移動させる場合、重力の影響により、対物レンズ541を上方向に移動させる際の移動特性(同図中の直線近似Lup)と対物レンズ541を下方向に移動させる際の移動特性(同図中の直線近似Ldw)とは非対称となる。すなわち、対物レンズ541を上方向に移動させる際にはピエゾアクチュエータ555を移動指令前の状態から上方向に所定量ΔZだけ収縮させる必要があるが、その収縮動作に要する時間ΔTdは、次式
ΔTd=−K1(msec/μm)×ΔZ(μm) … (1)式
で直線近似することができる。一方、対物レンズ541を下方向に移動させる際にはピエゾアクチュエータ555を移動指令前の状態から下方向に所定量ΔZだけ伸張させる必要があるが、その伸張動作に要する時間ΔTdは、次式
ΔTd=+K2(msec/μm)×ΔZ(μm) … (2)式
但し、|K1|>|K2|
で直線近似することができる。なお、上記2つの式において、マイナス符号はピエゾアクチュエータ555が上方向に縮むことを示し、プラス符号はピエゾアクチュエータ555が下方向に伸びることを示している。
上記した2つの式(1)、(2)および図13中の移動特性Lup、Ldwが示すように、ピエゾアクチュエータ555の伸縮量が同一であったとしても、下方向に所定量だけ伸びるのに要する時間ΔTdは重力の影響により短くなる傾向にある。逆に、上方向に所定量だけ縮むのに要する時間ΔTdは重力の影響により長くなる傾向にある。したがって、上記実施形態での時間T3をそのまま用いるのではなく、上記式(1)、(2)で導出されるΔTdを加算した値を時間T3として用いることでピエゾ位置検出をさらに適切なタイミングで行うことができる。より具体的には、現在の移動指令値と次の移動指令値との差ΔZに応じて時間ΔTdを求め、ピエゾ位置検出のタイミングを示す信号を遅延回路(例えばシフトレジスタ)によって時間ΔTdだけ遅延させた信号を作成し、この遅延された信号のタイミングでピエゾ位置検出を行えばよい。
なお、ここでは、ΔTdとΔZとの関係を一次式で近似しているが、近似方法についてはこれに限定されるものではなく、種々の近似、例えば二次式などによる曲線近似などを用いることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、対物レンズ541を移動させて露光用光ビーム3の焦点を基板2の表面に一致させるパターン描画装置1に本発明を適用しているが、レンズ光学系54を構成する他のレンズを移動させてオートフォーカス制御を行うパターン描画装置に対しても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、ピエゾアクチュエータ555により対物レンズ541を移動させているが、他の駆動手段により対物レンズ541を移動させるパターン描画装置1に対しても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、基板2をステージ4とともに主走査方向Yおよび副走査方向Xに移動させているが、露光ヘッド5を走査移動させることで露光ヘッド5を基板2に対して相対的に移動してもよい。つまり、露光ヘッドを基板に対して相対的に移動して基板の表面にパターンを描画するパターン描画装置および方法全般に対しても本発明を適用することができる。
また、上記各実施形態では、例えば1個のレーザダイオードからの出力光をGLV等の光変調素子を用いて変調することにより、露光パターンに応じた露光用光ビーム3を生成しているが、本発明における光ビームの生成方法はこれに限定されない。例えば、複数のレーザダイオードを線状に配列してなる発光アレイ素子を用い、各レーザダイオードの明滅を個別に制御することにより、露光パターンに応じた露光用光ビームを生成してもよい。
さらに本発明は、基板上の感光材料に配線等のパターンを走査露光によって描画するパターン描画装置およびパターン描画方法全般に利用可能である。
1…パターン描画装置
2…基板
3…露光用光ビーム
5…露光ヘッド
6…距離検出ユニット
7…制御ユニット
54…レンズ光学系(露光光学系)
56…ピエゾ駆動部(移動機構)
57…位置検出センサ(検出部)
72…駆動制御部
541…対物レンズ(可動光学系)
555…ピエゾアクチュエータ(移動機構)
733…移動誤差算出部(判定処理部)
734…異常判定部(判定処理部)
L…距離検出用光

Claims (8)

  1. 基板に対して相対的に移動しながら、移動機構により移動可能に設けられた可動光学系を介して光ビームを前記基板の表面に照射してパターンを描画する露光ヘッドと、
    前記基板の表面における複数位置の各々について当該表面位置までの距離を検出する距離検出ユニットと、
    前記複数の表面位置の各々に対応して前記距離検出ユニットによる検出結果に基づく移動指令値を前記移動機構に与えて前記可動光学系を移動させて前記可動光学系の位置を調整することで光ビームの焦点位置を前記基板の表面に一致させる駆動制御部と、
    前記移動機構の動作に関連する動作情報を検出する検出部と、
    各表面位置について前記検出部で検出された動作情報と前記移動指令値とを対比して焦点調整の良否を判定する判定処理部と
    を備えたことを特徴とするパターン描画装置。
  2. 前記駆動制御部は光ビームの焦点位置を前記基板の表面に一致させるために前記可動光学系を移動させる移動量を前記移動指令値とし、
    前記検出部は前記移動指令値に基づき前記移動機構が前記可動光学系を移動させた移動量を前記動作情報とし、
    前記判定処理部は、前記動作情報で示す移動量と前記移動指令値で示す移動量との誤差を求める移動誤差算出部と、前記移動誤差算出部により算出された誤差が所定のしきい値を超えているときに焦点調整の異常が発生したと判定する異常判定部とを有する請求項1に記載のパターン描画装置。
  3. 前記異常判定部は、前記可動光学系を含み前記光ビームを前記基板の表面に集光させる露光光学系の焦点深度を前記しきい値として用いる請求項2に記載のパターン描画装置。
  4. 前記検出部は、前記駆動制御部が移動指令値を前記移動機構に与えてから前記移動機構の追従遅れ時間が経過した後に前記動作情報を検出する請求項1ないし3のいずれか一項に記載のパターン描画装置。
  5. 前記検出部は、前記移動機構による前記可動光学系の移動方向または移動量に応じて前記動作情報の検出タイミングをずらす請求項4に記載のパターン描画装置。
  6. 前記距離検出ユニットは前記露光ヘッドと所定の位置関係を有しながら離間して設けられている請求項1ないし5のいずれか一項に記載のパターン描画装置。
  7. 前記距離検出ユニットは前記露光ヘッドとともに前記基板に対して相対的に移動する請求項6に記載のパターン描画装置。
  8. 移動機構により移動可能に設けられた可動光学系を介して光ビームを基板の表面に照射する露光ヘッドを前記基板に対して相対的に移動して前記基板の表面にパターンを描画するパターン描画方法であって、
    前記基板の表面における複数位置の各々について、
    当該表面位置までの距離に基づく移動指令値を前記移動機構に与えて前記可動光学系を移動させて前記可動光学系の位置を調整することで光ビームの焦点位置を前記基板の表面に一致させるとともに、前記移動機構の動作に関連する動作情報と前記移動指令値とを対比して焦点調整の良否を判定する
    ことを特徴とするパターン描画方法。
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