JP2011048651A - 把持感覚提示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】物体を把持した感覚を人の手に提示するための把持感覚提示装置を提供する。
【解決手段】把持感覚提示装置100は、ガイド部102と保持用取手部104とがT字型に組み合わされている。押圧部110aと110bとは、それぞれ、スライダ112aと112bとによりガイド部102に沿って移動可能なようにガイド部102に取り付けられている。押圧部110aと110bとが、ユーザの把持に応じて、力覚付与部120に接すると、以後は、力覚付与部120は、押圧部110aと110bとに対して、仮想物体からの反力に相当する力を加える。
【選択図】図4

Description

本発明は、人に力覚を提示する力覚提示デバイスに関し、特に、仮想物体を把持した感覚を人の手に提示するための把持感覚提示装置に関する。
近年、仮想現実感を人に提示する技術の研究が盛んに行なわれている。このような技術の代表的なものに、バーチャルリアリティ(Virtual Reality)やミクストリアリティ(Mixed Reality)がある。バーチャルリアリティとは、コンピュータグラフィックスや音響効果を組み合わせて、 人工的に現実感を作り出す技術で
ある。ミクストリアリティとは、インタラクティブな3次元コンピュータグラフィックスと実空間を融合させる技術である。
これらの仮想現実感を提示する技術は、たとえば、業務用や家庭用のゲーム機などでの利用の他、たとえば、医学教育の分野でも力覚提示デバイスを応用して、触診により病巣を発見するための練習機器としての利用のなどのために研究が進められている。
仮想現実感の提示にあたっては、実際に物体があるかのように人の五感に刺激を与える必要がある。特に、力覚の提示は、仮想現実感の生成に重要である。力覚提示の研究は、これまでからなされており、力覚を提示するデバイスは、すでにいくつか開発されている。
図1は、力覚提示デバイスの代表的なものである、PHANTOM(登録商標)(例えば、非特許文献1を参照)の外観を示す図である。図1を参照して、PHANTOM(登録商標)は、ペン形のスタイラス2000を備える。また、PHANTOM(登録商標)は、スタイラス2000に力を与えるモータを備える。モータがスタイラス2000に与える力は、スタイラス2000の位置に応じて定められている。したがって、PHANTOM(登録商標)のユーザは、スタイラス2000をつかんで動かすと、スタイラスの位置に応じて、硬い、柔らかいなどの力覚を感じる。
これまでに、PHANTOM(登録商標)を用いた仮想現実感の提示について様々な研究がなされている。例えば、非特許文献2には、力覚提示装置PHANTOM(登録商標)で提示する力覚情報と、物に触れたときに発生する音声情報とをユーザに同時に提示し触ったときの臨場感を高める研究についての開示がある。非特許文献2には、様々なものに触れたときの触れ方をPHANTOM(登録商標)が検知し、それに適合する音を自動生成するプログラムが開示されている。
PHANTOM(登録商標)と同様によく知られている力覚提示デバイスに、SPIDARがある(例えば、非特許文献3、非特許文献4を参照)。SPIDARの外観を図2に示す。SPIDARは、力覚ポインタ3100と、力覚ポインタ3100に接続された複数のワイヤ3200とを備える。SPIDARは、各ワイヤ3200の長さから力覚ポインタ3100の位置および姿勢を計算し、位置および姿勢に応じた力覚をワイヤ3200の張力により提示する。
ここで、非特許文献5では、SPIDARのようなワイヤ駆動型力覚ディスプレイにおいて、安定な力覚提示を実現するために、提示力の正確性とともに、ワイヤ張力の連続性を考慮して、張力を計算するアルゴリズムについて開示されている。
http://www.sensable.com/products−haptic−devices.htm Juan Liu,Hiroshi Ando "Hearing How You Touch: Real−Time Synthesis of Contact Sounds for Multisensory Interaction"、IEEE Conference on Human System Interaction (HSI 2008)、2008年5月 赤羽ら"10kHzの更新周波数による高解像度ハプティックレンダリング"、日本バーチャルリアリティ学会論文誌、Vol.9、No.3、pp.217−226(2004) 長谷川晶一、井上雅晴、金時学、佐藤誠、"張力型力覚提示装置のための張力計算法"、日本ロボット学会誌、Vol.22、No.6、pp.1〜6(2004) 井上雅晴、長谷川晶一、金時学、佐藤誠、"2次計画法を用いたワイヤ駆動型力覚ディスプレイのための張力計算アルゴリズム"、日本バーチャルリアリティ学会第6回大会論文集(2001年9月)、pp.91−94
上記のPHANTOM(登録商標)やSPIDARは、物体を複数の指で把持したときの感覚を提示するのには、向いていない。
まず、これらの装置を用いて、力覚を複数の箇所に提示することは難しい。これらの装置は、各々、力覚を提示する箇所が1ヶ所であり、力覚を複数の箇所に提示することはできない。力覚を複数の箇所に提示するために、これらの装置を複数組み合わせることも考えられるが、この方法では、装置構成が複雑になる。
また、PHANTOM(登録商標)やSPIDARは、ワイヤをモーターで引っ張ることで指先に力を伝えるデバイスであるが、提示できる力の範囲がモーターの制御の範囲に制限されてしまう。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、物体を把持した感覚を人の手に提示するための把持感覚提示装置を提供することを課題とする。
本発明の他の目的は、提示できる力覚の範囲を所望の範囲に設定することが可能な把持感覚提示装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、携帯型の把持感覚提示装置を提供することである。
この発明の1つの局面に従うと、仮想物体の接触感覚をユーザに提示するための把持感覚提示装置であって、ユーザの指からの押圧力を受ける押圧部と、押圧力による押圧部の変位に応じた反力を押圧部に対して与える力覚付与部とを備え、力覚付与部は、反力の源となる駆動力を発生するための駆動部と、駆動力を、力覚付与部から出力される反力に変換するための駆動力変換部とを含み、駆動力変換部は、駆動部からの駆動力を反力として押圧部に伝達するためのワイヤと、第1の回転軸のまわりに回転することで、ワイヤを巻き取り、あるいは、ワイヤの巻き取りを開放することで、駆動力を伝達するための部材とを含み、部材は、ワイヤの巻き取り量に応じて、第1の回転軸からワイヤの力点までの軸半径または第1の回転軸からワイヤの作用点までの軸半径が変化する形状を有している。
好ましくは、部材は、らせん形状の滑車である。
好ましくは、部材は、回転自在に第1の回転軸において支持され、力点に駆動力を受け、ワイヤが巻き取り可能に巻きつけられており、部材は、ワイヤの巻き取り量に応じて、ワイヤが部材に巻き取られ始める箇所である力点から第1の回転軸までの距離が変化し、ワイヤは、部材の作用点から反力を押圧部に伝達する。
好ましくは、部材は、第1の回転軸において支持され、第1の回転軸のまわりの回転を駆動する駆動力を駆動部から受け、ワイヤが巻き取り可能に巻きつけられており、部材は、ワイヤの巻き取り量に応じて、ワイヤが部材に巻き取られ始める箇所である力点から第1の回転軸までの距離が変化し、駆動力変換部は、第2の回転軸において支持され、部材からのワイヤが掛けられた定滑車をさらに備え、ワイヤは、定滑車の作用点から反力を押圧部に伝達する。
好ましくは、らせん形状は、アルキメデスらせんの形状であり、駆動部の駆動力は、変位に比例して増加する。
好ましくは、らせん形状は、滑車の半径に対する部材の力点から支点までの距離の比が、変位に反比例する形状である。
好ましくは、部材は、把持感覚提示装置に対して着脱可能であり、他の形状の部材と置換可能である。
好ましくは、部材は、機械的にらせんの形状を変更可能である。
本発明の把持感覚提示装置では、把持に伴う反力の変化は、駆動力変換部の機械的な構成により制御されるため、センシングにより電気・電子的に制御して反力を生成する場合に比べて、時間遅れを小さくできる。
また、本発明の把持感覚提示装置では、空間内での移動範囲の制限が少ないため、腕を動かせる場所のどこでも仮想物体の硬さを提示できる。
PHANTOM(登録商標)の外観を示す図である。 SPIDARの外観を示す図である。 本発明の実施の形態の把持感覚提示システム1000の構成を示す機能ブロック図である。 把持感覚提示装置100をユーザが把持した状態を示す外観図である。 コンピュータ200の構成を示すブロック図である。 反力の特性を再現する機構の原理を説明するための概念図である。 把持感覚提示装置100の構成を示す図である。 駆動部140がコイル状のばねにより駆動力を生成する場合の駆動力変換部の構成の一例を説明するための概念図である。 ばねを駆動力源として、図8に示したような構成の場合の変位Xと反力Fの大きさとの関係を示す図である。 ばねを駆動力源として、異なるらせん形状の場合の変位Xと反力Fとの関係を示す図である。 駆動力源であるモータの回転力を円柱部材156によりワイヤ162bに伝達する構成を示す図である。 モータを駆動力源として、駆動力変換部150bにおいてらせん形状のワイヤ巻き取り機構を採用した場合の変位Xと反力Fとの関係を示す図である。 駆動力変換部150bにおいて異なる形状のワイヤ巻き取り機構を採用した場合の駆動力変換部の構成の一例を説明するための概念図である。 図13に示した異なる形状のワイヤ巻き取り機構を採用した場合の変位Xと反力Fとの関係を示す図である。 把持感覚提示システム1000の動作を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部分には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
(1.全体構成)
図3は、本発明の実施の形態の把持感覚提示システム1000の構成を示す機能ブロック図である。
把持感覚提示システム1000は、把持感覚提示装置100と、システムの制御を行なうためのコンピュータ200と、把持感覚提示装置100の空間内の位置を検出するための位置検出センサ202と、把持感覚提示装置100からの信号を受けて、コンピュータ200に対応する信号に変換して出力するための把持感覚提示装置制御部300と、コンピュータ200からの画像信号出力に応じて、対応する画像を表示するディスプレイ400とを含む。つまり、この限りでは、把持感覚提示装置制御部300は、コンピュータ200と把持感覚提示装置100とのインタフェース装置として機能する。
後に詳しく説明するように、把持感覚提示装置100は、ユーザが仮想物体をつかんだときに仮想物体から受ける力を提示する。ここで、仮想物体がユーザに与える力(反力)の特性は、把持感覚提示装置100内で、駆動力を応力に変換する機構により、決定される。
把持感覚提示装置制御部300は、必ずしも限定されないが、把持感覚提示装置100の構成によっては、コンピュータ200からのコマンドに応じて、把持感覚提示装置100における反力の特性を変更するための信号を把持感覚提示装置100に対して出力する。ここで、「反力の特性」とは、ユーザが仮想物体を指で押圧したきの変位の大きさに応じた、仮想物体がユーザに与える力(反力)の変化のことをいう。なお、反力の特性の変更は、このようなコンピュータ200からのコマンドによるばかりではなく、把持感覚提示装置100において、反力を提示する機構の一部の部品を他の部品に変更することや、機械的に手動で機構の駆動力の変更の比率を変更することによっても実現できる。
位置検出センサ202は、たとえば、把持感覚提示装置100に付けられたLED(light Emitting Diode)タグにより、把持感覚提示装置100の空間内での位置と向きとを検出するためのセンサ群を示す。なお、位置検出センサ202は、把持感覚提示装置100の空間内での位置と向きとを検出できる機構であれば、必ずしも、このような構成に限定されるものではない。
ディスプレイ400に表示される画像は、少なくとも、仮想空間内に存在する物体の画像を含む。このとき、これを把持しようとするユーザの手を表す仮想的な画像が表示されても良い。この場合は、ユーザはディスプレイ400上に表示される物体の画像とユーザの手の画像により、仮想的に物体を把持する状態を視覚的に確認することができる。
あるいは、物体の画像を周知の方法で立体画像として表示してもよい。このときは、ユーザは、このような物体の立体画像と自分自身の現実の手を視認しながら把持する構成となる。
なお、ディスプレイ400は、図3においては、フラットパネルディスプレイとして図示されているが、必ずしもこのような構成に限定されるものではなく、たとえば、プロジェクタにより画像を映し出す構成であっても良いし、あるいは、ヘッドマウントディスプレイのようなものであってもよい。
コンピュータ200の動作については、後に、さらに説明する。
図4は、把持感覚提示装置100をユーザが把持した状態を示す外観図である。
図4に示すように、把持感覚提示装置100は、ガイド部102と保持用取手部104とがT字型に組み合わされている。押圧部110aと110bとは、それぞれ、スライダ112aと112bとによりガイド部102に沿って移動可能なようにガイド部102に取り付けられている。したがって、押圧部110aと110bとは、ユーザの指(図4では、人差し指と親指)による把持によって、ガイド部102をガイドとしてスライドする。
押圧部110aと110bとが、ユーザの把持に応じて、力覚付与部120に接すると、以後は、力覚付与部120は、後に説明する機構により、押圧部110aと110bとに対して、仮想物体からの反力に相当する力を加える。
なお、図4においては、説明の簡単のために、力覚付与部120を簡単化された外観で示している。押圧部110aと110bが力覚付与部120に与える圧力に関する情報は、把持感覚提示装置制御部300を介して、コンピュータ200に送信される。すなわち、後に説明するように、力覚付与部120の側面と押圧部110aと110bが、それぞれ接する面には、圧力を検知するための圧力センサ(図示せず)が設けられている。
また、保持用取手部104の内部には、上記反力の源となる駆動力を発生するための駆動部(図示せず)が設けられており、この駆動力が、仮想物体からの反力に相当する力となるように変換されて、力覚付与部120から押圧部110aと110bに加えられる。
再び、図3にもどって、コンピュータ200において、位置検出部210は、位置検出センサ202からの信号に応じて、把持感覚提示装置100の向きおよび空間内の位置を検出するとともに、把持感覚提示装置100からの信号に基づいて、押圧部110aと110bの位置をそれぞれ検出する。把持物体情報記憶部220には、仮想物体の形状、位置、固さ等の仮想物体の属性に関する情報が格納されている。
仮想画像生成部240は、把持物体情報記憶部220に格納された情報に基づいて、ディスプレイ400に仮想物体の画像を表示する。さらに、仮想画像生成部240は、位置検出部210からの把持感覚提示装置100の位置と向きならびに押圧部110aと110bの位置に基づいて、対応する仮想的なユーザの手の画像を生成し、ディスプレイ400に当該画像を表示する。
なお、把持感覚提示装置100の位置に応じて、把持物体情報記憶部220に格納された情報に基づき、仮想画像生成部240は、ディスプレイ400に表示する仮想物体の画像を更新してもよい。たとえば、仮想画像生成部240は、当初は、第1の仮想物体の画像を表示させ、把持感覚提示装置100の位置の変化に応じて、別の第2の仮想物体の画像を表示させる、といった制御を行なってもよい。
また、上述したように、反力制御部230は、把持感覚提示装置100の構成によっては、コンピュータ200からのコマンドに応じて、把持感覚提示装置100における反力の特性を変更するための信号を把持感覚提示装置100に対して出力する。
図5に、コンピュータ200の構成をブロック図形式で示す。図5に示されるようにこのコンピュータ200は、光学ディスクドライブ50およびFDドライブ52に加えて、それぞれバス66に接続されたCPU(Central Processing Unit )56と、ROM(Read Only Memory) 58と、RAM (Random Access Memory)60と、ハードディスク54と、通信インタフェース68とを含んでいる。光学ディスクドライブ50にはCD−ROM(またはDVD−ROM)62が装着される。FDドライブ52にはFD64が装着される。
把持感覚提示システム1000が提供する仮想現実感は、コンピュータハードウェアと、CPU56により実行されるソフトウェアとにより実現される。一般的にこうしたソフトウェアはCD−ROM(またはDVD−ROM)62、FD64等の記憶媒体に格納されて流通し、光学ドライブ50またはFDドライブ52等により記憶媒体から読取られてハードディスク54に一旦格納される。または、当該装置がネットワークに接続されている場合には、ネットワーク上のサーバから一旦ハードディスク54にコピーされる。そうしてさらにハードディスク54からRAM60に読出されてCPU56により実行される。なお、ネットワーク接続されている場合には、ハードディスク54に格納することなくRAM60に直接ロードして実行するようにしてもよい。
このようにして、CPU56が実行する機能が、図3における位置検出部210、仮想画像生成部240、反力制御部230の機能に対応し、把持物体情報記憶部220は、たとえば、ハードディスク54またはRAM60などの記憶装置に対応する。
図5に示したコンピュータのハードウェア自体およびその動作原理は一般的なものである。したがって、本発明においてユーザに把持感覚を仮想的に提示する処理の一部を担うのは、CD−ROM(またはDVD−ROM)62、FD64、ハードディスク54等の記憶媒体に記憶されたソフトウェアである。
(2.把持感覚提示部)
まず、把持感覚提示装置100が、特定の仮想物体の反力の特性を再現する機構の原理について説明する。
図6は、このような反力の特性を再現する機構の原理を説明するための概念図である。
図6を参照して、ここでは、一例として、駆動機構として「コイル状のバネ(図では引っ張りバネ)」を用い、力の伝達機構として「てこ」を用いて原理的な説明を行なっている。
図6(a)に示すように、てこの位置PAにバネが配置され、てこに力を加えているものとする。ここでは、駆動機構であるばねがてこに力を作用させる点を「力点」と呼ぶ。ばねの支点をはさんで、逆側に指からの押圧力が作用しているものとする。ここでは、指の押圧力がてこに作用する点を「作用点」と呼ぶ。
ばねが生み出す駆動力Wは、一般には、ばねの変位yに対して、比例する(W=Ky,K:ばね定数)。
作用点の変位Xに対して、(支点から力点までの距離)/(支点から作用点までの距離)の比をRとすると、y=RXが成り立つので、押圧力Fに対する反力Fは、F=RKXとなる。
ところで、図6(b)に示すように、ばねの位置を位置PAから、位置PB、位置PCへ移動させると、比Rが変化するために、これに応じて、変位Xに対する反力Fの変化(反力の特性)も変化する。
言い換えると、力点のてこに対する位置が一定である限り、ばねを駆動力とするのであれば、変位Xについて反力Fは、単純に比例する関係であるものの、変位Xに応じて、力点の位置も変化するのであれば、変位Xと反力Fとの関数関係を、異なったものとすることができることになる。
図7は、把持感覚提示装置100の具体的な詳細構成を示す図である。図7(a)は上面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIa−VIIa’断面の正面側の断面図であり、図7(c)は、図7(a)のVIIb−VIIb’断面の側面側の断面図である。
上述のとおり、押圧部(指置き台)110aと110bとは、それぞれ、スライダ112aと112bとによりガイド部102に沿って移動可能なようにガイド部102に取り付けられている。
把持感覚提示装置100は、さらに、コイル状ばね130によりワイヤ161aおよび161bを介して、それぞれ内側の滑車に力を受けるプーリー132aおよび132bを含む。プーリー132aおよび132bの外側の滑車によりワイヤ161aおよび161bを介して、それぞれスライダ112aと112bとが引張り力を受けるので、自由状態では、押圧部110aと110bとは、このコイル状ばね130の自然長で決まる所定の間隔で隔てられることになり、ユーザが指で、押圧部110aと110bとを把持することで、押圧部110aと110bとは、力覚付与部120に接触するまで移動する。
一方、押圧部110aと110bに力覚を提示するための力覚提示機構は、力覚付与部120と、保持用取手部104内に設けられている駆動部140と、駆動部140で発生した力を変位に対するその大きさを変換して力覚付与部120に伝達するための駆動力変換部150a,150b,150cと、駆動部140で発生した力を力覚付与部120に伝達するためのワイヤ162aと162bとを含む。
力覚付与部120は、より詳しくは、駆動部140から発生される駆動力により、それぞれ、押圧部110aが接触した際に、押圧部110aに向かう方向に平行な力を押圧部110aに対して及ぼすための力覚提示部122aと、押圧部110bが接触した際に、押圧部110bに向かう方向に平行な力を押圧部110bに対して及ぼすための力覚提示部122bとを含む。
力覚提示部122aおよび122bは、それぞれ、スライダ126aおよび126bにより、ガイド部102に沿って移動可能なようにガイド部102に取り付けられている。スライダ126aおよび126bは、ワイヤ162aと162bにより、それぞれ、駆動部140からの駆動力を受ける構成となっている。
力覚提示部112aと112bの表面には、それぞれ、圧力センサ124aおよび124bが設けられている。圧力センサ124aおよび124bの検出結果は、把持感覚提示装置制御部300を介してコンピュータ200に伝達される。
以下に説明するように、反力を提示する機構の一部の部品である駆動力変換部150a,150b,150c、あるいは、駆動力発生部140を他の部品に変更することによって、「反力の特性」を変更することが可能である。
図8は、駆動部140がコイル状のばねにより駆動力を生成する場合の駆動力変換部の構成の一例を説明するための概念図である。
図8(a)を参照して、図において、駆動部140コイル状ばね(図示せず)に接続されたワイヤ152により、柱状部材154が点OPにおいて、図において紙面の上から下に向かう力を受ける。柱状部材は154は、紙面と並行な回転軸により回転自在に保持されているものとする。これに応じて、柱状部材154に巻かれたワイヤ162bにより駆動力変換部150bに駆動力が伝達される。ここで、例えば、駆動力変換部150bは、円錐表面にらせんが切られた形状をした「らせん形状の滑車」であるものとする。特に限定されないが、たとえば、駆動力変換部150bのらせんは、図8(b)に示すような、いわゆる「アルキメデスらせん」の形状を有している。
ここで、「アルキメデスらせん」とは、半径rと回転角θとによる極座標では、その上面からみた形状は、r=aθ(a:定数)となるような「らせん」である。
したがって、スライダ126bが力覚提示部122bが押圧部110bからユーザの指による押圧力を受けるのに対して、反力が駆動力変換部150bを介してワイヤ162bによりスライダ126bに与えられる。
ここで、駆動力変換部150aの側にも、同様の構成が設けられているものとし、説明は省略する。
なお、ここで、通常の滑車やらせん形状の滑車においても、「てこ」の場合に準じて、駆動力がワイヤを介してこれらの滑車に働く点を力点OP1と呼び、この駆動力により滑車から負荷に力を伝達するワイヤに力が働く点を作用点OP2と呼ぶことにする。
したがって、ワイヤ162bは、柱状部材154にワイヤ162bが巻き取られると、ワイヤ162bがらせんから巻き取りが開放されることにより、駆動力変換部150bのらせんの回転軸(支点)から力点OP1までの距離が、巻き取りの開放量に応じて、大きくなる。逆にいうと、押圧部110bがユーザの指からの力により、スライダ126bが変位Xだけ移動すると、つまり、変位Xが大きくなるほど、ワイヤ162bがらせんに巻き取られるので、巻き取り量に応じて回転軸(支点)から力点OP1までの距離が小さくなる。一方、回転軸(支点)から作用点OP2までの距離は、らせんの最下段の一定半径部分にワイヤ162bがまかれているために、巻き取り量が変化しても、変化しないものとする。
図9は、ばねを駆動力源として、図8に示したような構成の場合の変位Xと反力Fの大きさとの関係を示す図である。
図9に示すとおり、駆動機構としてコイル状ばねを用いているにも関わらず、反力Fは、変位Xに対して、ある範囲では、実質的に一定となる。
このような関係が成り立つことをさらに詳しく説明すると、以下のとおりである。
ここでは、ばね側の軸半径r1(駆動力変換部150bにおいて回転軸から力点OP1までの半径)に対する駆動力変換部150bのらせんの支点(回転軸)から作用点OP2までの半径(軸半径)r2の比をR(=r2/r1)とする。軸半径r2は一定であるのに対して、軸半径r1は変位とともに変化する。
押圧部110bが力覚提示部122bに接した後、指による押圧部110bの変位Xに対して、ばねの変位をδとする。このとき、X=δRが成り立つ。
このとき、らせんが「アルキメデスらせん」であることにより、以下の関係も成り立つ。
R=cδ(c:定数)
ばね定数をKとすると、反力Fは、以下の式で表される。
F=Kδ/R
R=cδであるから、F=K/c(一定)となる。
図10は、ばねを駆動力源として、異なるらせん形状の場合の変位Xと反力Fとの関係を示す図である。
図10においては、図8に示した駆動力変換部150bにおいて、らせんの形状が、変位Xに対して、以下の関係を有するものとする。
R=C’/X
このとき、図10に示すように、変位Xに対して、反力Fは、2次関数として変化する。
すなわち、図9と同様に、押圧部110bが力覚提示部122bに接した後、指による押圧部110bの変位Xに対して、ばねの変位をδとする。このとき、X=δRが成り立つ。
図9と同様に、ばね定数をKとすると、反力Fは、以下の式で表される。
F=Kδ/R
出力が2次関数(F=CX2)となるようにすると、以下の関係がなりたつ。
Kδ/R=CX2
したがって、以下のように変形できる。
R=Kδ/CX
δ=X/Rであるので、
R=K(X/R)/CX2=K/(CRX)
ここで、C’=K/CRとすると、以下の関係が成り立つ。
R=C’/X
逆にいえば、このような関係が成り立つようにらせんの形状を予め設定しておけば、駆動力として、コイル状ばねを用いた場合でも、変位Xに対して、反力Fを2次関数として変化させることができる。
(駆動力源がモータの場合)
以上の説明では、駆動力源をばねとして説明した。駆動力源がモータの場合には、i)モータに巻き取られるワイヤの変位Xに対して、モータ自身の駆動力、すなわち、仮に駆動力変換部150bで変換することなく反力を供給した場合駆動力は一定と制御することも可能であるし、ii)モータに巻き取られるワイヤの変位Xに対して、モータ自身の駆動力、すなわち、仮に駆動力変換部150bで変換することなく反力を供給した場合駆動力は変位Xに比例すると制御することも可能である。
図11は、駆動力源であるモータの回転力を円柱部材156によりワイヤ162bに伝達する構成となっている。したがって、図11では、柱状部材156が点OPにおいて、図において、反時計回りにワイヤ162bに対して力を及ぼしている。ここでは、力点側と作用点側でワイヤを別としている。
このときは、柱状部材156から駆動力変換部150bに力を伝達するワイヤが駆動力変換部150bに巻き取られるほど、駆動力変換部150bの回転軸から力点OP1までの距離が大きくなるようにワイヤが巻かれる一方、駆動力変換部150bからスライダ126bに力を伝達するワイヤについては、ワイヤの巻き取り量に関係なく、駆動力変換部150bの回転軸から作用点OP2までの距離が一定となるようにワイヤが巻かれているものとする。
したがって、変位Xが大きくなるようにワイヤが巻き取られると、駆動力変換部150bにおいて回転軸から力点OP1までの半径r1が比例して大きくなるのに対して、駆動力変換部150bのらせんの回転軸から作用点OP2までの半径r2は一定であるものとする。この結果、比R(=r2/r1)=C’/X(C’:定数)が成り立つ。
また、ここでも、駆動力変換部150aの側にも、同様の構成が設けられているものとし、説明は省略する。
図12は、モータを駆動力源として、駆動力変換部150bにおいてらせん形状のワイヤ巻き取り機構を採用した場合の変位Xと反力Fとの関係を示す図である。
図12においては、図11に示した駆動力変換部150bにおいて、らせんの形状が、変位Xに対して、上述のとおり、以下の関係を有するものとする。
R=C’/X
このとき、図12に示すとおり、モータの駆動力自身は、変位に対して、一定であるにも関わらず、駆動力変換部150bを介して、スライダ126bに及ぼされる反力は、変位Xに比例することになる。
すなわち、押圧部110bが力覚提示部122bに接した後、指による押圧部110bの変位Xに対して、モータ側から巻き取られるワイヤ162bの変位をδとする。このとき、X=δRが成り立つ。
モータの駆動力は変位Xに関わらず一定(W)であるとすると、反力Fは、以下の式で表される。
F=W/R
出力が1次関数(F=CX)となるようにすると、以下の関係がなりたつ。
W/R=CX
したがって、以下のように変形できる。
R=W/CX
ここで、C’=W/Cとすると、以下の関係が成り立つ。
R=C’/X
次に、図13は、モータを駆動力源として、駆動力変換部150bにおいて異なる形状のワイヤ巻き取り機構を採用した場合の駆動力変換部の構成の一例を説明するための概念図である。
すなわち、図13においては、図11の駆動力変換部150bにおいて、ワイヤ162bの巻き取り機構の形状が以下の条件を満たすものとする。
R=cδ (変位X≦7mm)
R=cδ/5 (変位X>7mm)
なお、このとき、モータの駆動力は、変位Xに比例して増加するように制御されるものとする。あるいは、駆動力は、ばねで与えられるとしてもよい。
図13(a)に示すように、ワイヤの巻き取りが、変位X≦7mmの範囲では、らせんの半径は、1.00〜2.75まで巻き取り量に比例して大きくなり、変位X=7mmの付近で、らせんの半径が2.75から0.55まで小さくなった後に、巻き取りが進むと、0.55〜1.00まで巻き取り量に比例して大きくなる。なお、らせんの1つのピッチは、1mmであるものとして図示している。
ここで、図13(b)に示すように、変位X=7mmの付近で、らせんの半径が2.75から0.55まで変化するのは、直線的に急激に変化するように巻き取りのガイドを設けても良いし、図13(c)に示すように、たとえば、0.5mm程度の軸方向の変化の幅の中で、らせん状に滑らかに変化するものとしてもよい。
図14は、図13に示した異なる形状のワイヤ巻き取り機構を採用した場合の変位Xと反力Fとの関係を示す図である。
変位X≦7mmでは、R=cδであり、モータ出力が変位δに対して比例するので、反力Fは一定となる。変位X>7mmでは、R=cδ/5となって、モータの駆動力Wがより大きく伝達されるので、反力(指先への提示力)は大きくなる。
なお、以上の説明では、駆動力変換部150bにおいて、変位Xに応じて、ワイヤを巻き取るらせん上で、半径r1と半径r2との比Rが変化する構成としたが、たとえば、モータを駆動力として、駆動力変換部cの側、すなわち、部材156をらせん形状とすることとし、駆動力変換部150a,150bの側は一定半径とすることで、変位Xに対する反力Fの大きさを制御する構成としてもよい。この場合は、駆動力変換部150a,150bの側は、ワイヤによる駆動力の伝達方向を変更する定滑車として機能する。
図15は、以上のような構成において、把持感覚提示システム1000の動作を説明するためのフローチャートである。
図15を参照して、処理が開始されると、まず、システムの初期化処理が行われる(ステップS100)。
続いて、仮想画像生成部240は、仮想物体および仮想的な手の画像をディスプレイ400上へ表示する(ステップS102)。
位置検出部210は、位置検出センサ202からの信号に基づいて、把持感覚提示装置100の空間内の位置および向きを検出し(ステップS104)、把持感覚定時装置制御部300からの信号に基づいて、押圧部110aおよび110bの位置を検出する(ステップS106)。
仮想画像生成部240は、位置検出部210からの情報に基づいて、仮想的な手の画像の表示を、現在の把持感覚提示装置100の空間内の位置および向きならびに押圧部110aおよび110bの位置に整合するように、更新する(ステップS108)。
所定時間が経過し(ステップS114)、処理が終了していないときは(S124)、処理はステップ104に復帰する。一方、ステップS124において、(たとえば、ユーザからの終了指示により)処理が終了していると判断されると、把持感覚提示システム1000は、処理を停止する。
以上のように、仮想的に把持する感覚をユーザに提示するにあたり、把持に伴う反力の変化は、駆動力変換部150a,150b,150c(図7参照)の機械的な構成により制御されるため、コンピュータ200がセンシングにより電気・電子的に制御して反力を生成する場合に比べて、時間遅れを小さくできるという利点がある。
(変形例)
なお、以上の説明では、駆動力変換部150a,駆動力変換部150bにおいて、または、駆動力変換部150cにおいて、ワイヤの巻き取り機構の形状は、固定的なものであるとして説明を行なってきた。
しかし、まず、駆動力変換部150a,駆動力変換部150bまたは駆動力変換部150cにおいて、駆動力を伝達するらせん形状の滑車については、これを把持感覚提示装置100から着脱可能として、他の形状を有するらせん形状の滑車に置換可能とすることで、異なる把持感覚を提供することが可能である。
また、文献1:特許公開2007−71389(発明の名称 : 可変駆動装置及びシステム、出願人 : イートン コーポレーション 発明者 : ドミトリィ アリー シャーミス)に開示された機構を用いれば、らせん上の一つ一つの円の半径を、電気的制御で事前に可変的に固定することが可能である。すなわち、この文献1に開示された発明は、ワイヤを巻きつける軸径を変化させる機構なので、これを軸方向に複数個、らせん状に配置することで、らせんの個々の半径を変更できる。
これによって、たとえば、図15の初期化処理(ステップS102)において、このようならせん形状の変更の設定を反力制御部230が行なう構成としてもよい。
あるいは、上述したようなワイヤの巻き取り機構の軸半径は、機械的にねじ等を回すことで可変とする構成として、必ずしも、コンピュータ側からのコマンドにより変更するのではなく、手動で変更することとしてもよい。
あるいは、ワイヤをベルトに変更し、ベルト式無段変速機に使われている可変径プーリ(可変プーリ,円錐プーリ)をらせん状に配置することによっても、らせん形状を初期設定処理において変更することが可能となる。
以上のとおり、本実施の形態に係る把持感覚提示装置100は、把持感覚を提示するのに十分な性能を有する。
把持感覚提示装置100は、2本の指で把持する2つの押圧部(指置き台)110aおよび110bを備える。この押圧部110aおよび110bに力覚を提示する力覚提示部122aおよび122bは、駆動力発生源の駆動力を駆動力変換部150a,150b,150cにより変換された駆動力で駆動されるので、仮想物体がユーザに与える力(反力)の特性を、駆動力発生源自体の特性に比べて、より自由度を広げて設定することが可能となる。
また、把持感覚提示装置100は、PHANTOM(登録商標)やSPIDARなどの従来機器より小さくて軽い。また、把持感覚提示装置100は、空間内での移動範囲の制限が少ない携帯型デバイスである。そのため、把持感覚提示装置100は、腕を動かせる場所のどこでも仮想物体の硬さを提示できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 把持感覚提示装置、110a,110b 押圧部、112a,112b スライダ、120 力覚付与部、124a,124b 圧力センサ、122a,122b 力覚提示部、126a,126b スライダ、130 コイル状ばね、132a,132b プーリー、140 駆動部、150a,150b,150c 駆動力変換部、160a,160b,161a,161b,162a,162b ワイヤ、200 コンピュータ、202 位置検出センサ、210 位置検出部、220 把持物体情報記憶部、230 反力制御部、240 仮想画像生成部、300 把持感覚提示装置制御部、400 ディスプレイ。

Claims (8)

  1. 仮想物体の接触感覚をユーザに提示するための把持感覚提示装置であって、
    前記ユーザの指からの押圧力を受ける押圧部と、
    前記押圧力による前記押圧部の変位に応じた反力を前記押圧部に対して与える力覚付与部とを備え、
    前記力覚付与部は、
    前記反力の源となる駆動力を発生するための駆動部と、
    前記駆動力を、前記力覚付与部から出力される前記反力に変換するための駆動力変換部とを含み、
    前記駆動力変換部は、
    前記駆動部からの前記駆動力を前記反力として前記押圧部に伝達するためのワイヤと、
    第1の回転軸のまわりに回転することで、前記ワイヤを巻き取り、あるいは、前記ワイヤの巻き取りを開放することで、前記駆動力を伝達するための部材とを含み、
    前記部材は、前記ワイヤの巻き取り量に応じて、前記第1の回転軸から前記ワイヤの力点までの軸半径または前記第1の回転軸から前記ワイヤの作用点までの軸半径が変化する形状を有している、把持感覚提示装置。
  2. 前記部材は、らせん形状の滑車である、請求項1記載の把持感覚提示装置。
  3. 前記部材は、回転自在に前記第1の回転軸において支持され、力点に前記駆動力を受け、前記ワイヤが巻き取り可能に巻きつけられており、
    前記部材は、前記ワイヤの巻き取り量に応じて、前記ワイヤが前記部材に巻き取られ始める箇所である前記力点から前記第1の回転軸までの距離が変化し、
    前記ワイヤは、前記部材の作用点から前記反力を前記押圧部に伝達する、請求項2記載の把持感覚提示装置。
  4. 前記部材は、前記第1の回転軸において支持され、前記第1の回転軸のまわりの回転を駆動する前記駆動力を前記駆動部から受け、前記ワイヤが巻き取り可能に巻きつけられており、
    前記部材は、前記ワイヤの巻き取り量に応じて、前記ワイヤが前記部材に巻き取られ始める箇所である前記力点から前記第1の回転軸までの距離が変化し、
    前記駆動力変換部は、第2の回転軸において支持され、前記部材からのワイヤが掛けられた定滑車をさらに備え、
    前記ワイヤは、前記定滑車の作用点から前記反力を前記押圧部に伝達する、請求項2記載の把持感覚提示装置。
  5. 前記らせん形状は、アルキメデスらせんの形状であり、
    前記駆動部の前記駆動力は、前記変位に比例して増加する、請求項2記載の把持感覚提示装置。
  6. 前記らせん形状は、前記滑車の半径に対する前記部材の前記力点から前記支点までの距離の比が、前記変位に反比例する形状である、請求項2記載の把持感覚提示装置。
  7. 前記部材は、前記把持感覚提示装置に対して着脱可能であり、他の形状の部材と置換可能である、請求項2記載の把持感覚提示装置。
  8. 前記部材は、機械的にらせんの形状を変更可能である、請求項2記載の把持感覚提示装置。
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