JP2011048208A - 光定着装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】未定着のトナーが存在しない部分にも光を照射しても、記録媒体である紙はレーザ光をほとんど吸収しないため、この照射された光出力は無駄に浪費されることになる。結果として、定着に要する電力が過大に消費される。
【解決手段】記録媒体にレーザ光を照射するため複数のレーザ光源からなる光源ブロックを第1の方向に複数並べて構成された光源手段と、前記光源手段と前記記録媒体とを第1の方向と略直交する第2の方向に相対的に移動させる移動手段と、前記光源ブロックから前記記録媒体に照射される光出力を前記光源ブロック毎に独立に可変できる出力制御手段と、記録媒体上の未定着トナーの密度分布を認識する認識手段とを備え、
前記認識手段にて認識されたトナー密度に応じて、前記出力制御手段は前記記録媒体に照射する光源ブロックからの出射光量を変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光定着装置に係り、特に、記録媒体上に記録された未定着トナー像に、光を照射することで定着させる光定着装置に関する。
複写機、プリンタ等の画像形成装置において、トナー像を記録媒体上に転写する方法としては、定着ローラと加圧ローラによりトナーを溶融、加圧し、記録体上に定着させる、熱加圧方式が一般的に知られている。
熱加圧方式の場合、定着ローラがトナーを溶融するのに十分な温度にまで上昇させるのに時間がかかる。また、装置待機時においても立ち上がり時間の短縮のため、ローラを一定の温度に保持しておく必要があるため、待機時における電力消費が大きいという問題がある。
この待機時の電力消費の削減を目的として、未定着のトナーに対して光を照射し、トナーが光を吸収することで発生する熱を用いてトナーを記録媒体上に定着させる光定着方式が提案されている。上記の光定着方式では、熱加圧方式で用いるような定着ローラを用いないため、待機時の電力消費を削減することが可能となる。
特許文献1では、上記、光定着を実現する光学系の提案がなされている。
記録媒体である紙の搬送方向と直交する方向に半導体レーザアレイを複数整列させ、この光源から記録媒体である紙にレーザ光を照射し、未定着のトナーを定着させるものである。
特開平7−104594
一般的にテキストデータを印刷した印刷物では、記録媒体である紙のほとんどが空白部分であり、トナーが記録されている領域は紙全体で見れば、10%以下程度のほんの一部であることが多い。しかしながら、特許文献1記載の光学系では、紙面全体に一様な光照射がなされるのみである。このため、未定着のトナーが存在しない部分にも光が照射されている。記録媒体である紙はレーザ光をほとんど吸収しないため、この照射された光出力は無駄に浪費されることになる。結果として、特許文献1記載の定着装置では、定着に要する電力が過大に消費されることになる。
本発明は上記の課題を鑑みてなされたものであり、レーザや、レーザアレイ等を光源とする定着装置であって、例えば未定着のトナーを定着させるのに要する電力を削減することが可能な光定着装置を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の光定着装置は、
基体上の物体を定着する定着装置であって、
1つ以上のレーザ光源と、
前記レーザ光源からなる光源ブロックと、
前記光源ブロックを第1の方向に複数並べて構成された光源手段と、
前記光源手段と前記基体とを前記第1の方向とは異なる第2の方向に相対的に主移動させる移動手段と、
前記基体上の前記物体の密度分布を認識する認識手段とを備え、
前記認識手段にて認識された情報に基づいて、前記基体上に照射する出射光量を各光源ブロック毎に独立に制御する出力制御手段を有することを特徴とする。
光源ブロックを第1の方向に複数並べるとは、ある方向に略直線状に並べることを表現し、また、一列にのみ並べるのでなく複数列並べることも表す。
前記認識手段とは、物体密度を例えば画像情報に取り込んで分析する方法や、別途メモリ上に蓄えられた物体の密度を読み出す手段等を表す。
相対的に主移動させるとは、他の方向に移動しても良いが主に相対移動させることを表す。
以上の構成にすることで、物体密度に応じて定着量、即ち光出力を制御すればよく、一定出力で定着する方式に対して、低消費電力化が図れる。例えば、後述する、紙等の記録体上の未定着トナーの定着用途の場合、未定着トナーの無い部分が多く、大幅な低消費電力化が図れる。
前記第2の方向は、前記第1の方向とは略直交する方向であることを特徴とする。
略直交方向とすることで、略直線状に並べられた光源ブロックの長い方向と、光源ブロックの相対移動方向が直交し、定着される領域が矩形となり、定着装置の小型化が可能となる。
前記レーザ光源の個数は複数であることを特徴とする。
レーザ光源は1つでも良いが、複数とするとこで処理時間の短縮が図れる。
前記認識手段は、前記光源ブロック個々の照射領域を単位として前記記録媒体を前記第1の方向のみに複数の領域に分割する、あるいは、前記第2の方向にも複数の領域に分割し、認識された情報から、前記領域内において前記基体に記録されている前記物体の密度を判定し、判定された物体密度のうち、最も高い密度を前記領域の代表物体密度として認識し記憶することを特徴とする。
本構成と刷ることで、光照射領域を細分化することができるため、より定着に要する消費電力を削減することが可能となる。
前記出力制御手段は、予め、代表物体密度に対する前記光源ブロックの光出力量が設定されており、前記認識手段において記憶した各領域の代表物体密度に応じて、前記光源ブロックの光出力を独立に設定することを特徴とする。
本構成とすることで、エネルギー密度を高くすることができ、より少ない消費電力で定着することが可能となり、結果として、定着に要する電力を少なくすることが可能となる。
前記基体上の物体の種類が複数である場合、前記光源ブロックを構成する前記レーザ光源の波長に対する各物体の吸収率に比例した重み係数を画像情報に乗算し、各領域の物体密度を判定し、最も高い密度を代表物体密度として認識することを特徴とする。
上記構成とすることで1種類の物体だけでなく、吸収率の異なる他の物体の定着を、低消費電力で実現することが可能となる。
前記基体は記録媒体であり、前記物体は未定着トナーである、光定着装置は光定着装置であることを特徴とする。
本発明は、紙等の記録体上の未定着トナーの定着用途の場合、未定着トナーの無い部分が多く、大幅な低消費電力化が図れる。よって、光定着装置において、特に効果的である。
電子機器に本発明の光定着装置を備えることで、複写機やプリンタの低消費電力化が図れる。また、光定着方式を採用した生産装置等の電子機器に使用した場合、低消費電力化とともに高処理能力化も図れる。
本発明の光定着装置によれば、基体上に配置されている物体密度に応じて、最適な光出力となるよう出力制御できるため、定着に寄与しない無駄な電力の浪費を抑制することができ、結果として、装置の低消費電力化が達成できる。
本発明の第1の実施形態に係る光定着装置の説明図である。 本発明の第1の実施形態における光定着装置として複写機に用いたときのブロック図である。 本発明の定着装置を用いた場合で、定着されたトナー線幅の比と、積算照射光量との関係を示すグラフである。 基体上の物体密度と、各光源ブロックからの出射領域との関係を示す説明図である。 基体上の物体密度と、各光源ブロックからの出射領域との関係の別の例を示す説明図である。 物体としてトナーを用いた場合で、トナーの吸収率と波長の関係を示すグラフである。 本発明の光定着装置を用いた場合で、本発明の第3の実施形態に係る定着装置の定着部のより詳細なブロック図である。
以下の実施形態の説明では、本発明を実施するために種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の実施形態および図面に限定されるものではない。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る定着装置について、図1〜図4に基づいて説明する。
図1(A)は、第1の実施形態における光定着装置の構成を説明するための説明図である。同図(A)において、1は光源ブロックである半導体レーザアレイ11を第1の方向であるX方向(紙面垂直方向)に複数並べた光源であり、この光源1から、紙等の記録媒体4にレーザ光2を照射する。基体である記録媒体4には定着される物体である未定着のトナー像6が形成されており、レーザ光2を吸収して発熱し、記録媒体4に定着される。また、3A、3Bは記録媒体4を搬送することを目的に搭載される搬送ローラーであり、基体である記録媒体4は保持台5により保持される。このような構成により、本実施の形態1における定着装置は、光源1を構成する半導体レーザアレイ11が並んでいる方向に対して第2の方向である略直行する方向に記録媒体4を移動させる。第2の方向は、略直交方向が第1の方向と組合わせた光定着領域が長方形若しくは正方形となり、装置の小型等の観点から好ましいが、場合によっては、直交でなくとも前記第1の方向と異なる方向であれば良い。ここで、記録媒体4に形成されている未定着トナー像6は、例えば数〜十数μm程度の微小な粒子であるトナーから構成される。そして、記録媒体4上に単層もしくは複数の層を成すように堆積されており、トナーの密度により濃淡を表現する。
また、前記光源1を構成する半導体レーザアレイ11の波長は、記録媒体4上のトナーによく吸収され熱エネルギーに変換され易い波長が好ましい。しかしながら、前記トナーが可視光を吸収するのは、定着物が印刷物として長期使用される観点から、変質等が生じ易くなり好ましくない。よって、前記半導体レーザ光の波長は380nm以下、あるいは780nm以上の紫外光、あるいは赤外光を吸収するトナーであることが好ましい、このため、使用する半導体レーザアレイ11の波長も上記の範囲であることが好ましい。
ここでは、記録媒体4へ定着される未定着のトナー像6は、レーザ光2を吸収して発熱し、記録媒体4に定着されるとしたが、発熱以外の現象により定着しても構わない。例えば、紫外線による硬化を利用した化学反応による定着であっても同様のことが言える。また、以下の別の実施形態においても同様である。
同図(B)は(A)における光源1の構成を詳細に説明するための説明図である。
同図に示すように、光源1は、複数の半導体レーザアレイ11から構成されている。この半導体レーザアレイ11は、記録媒体4の幅全体に位置するように、等間隔Pで並べられる。半導体レーザアレイ11からのレーザ光2は、互いに重なり合い記録媒体4に照射される。
さらに同図(C)は半導体レーザアレイ11のより詳細な構成を説明するための説明図である。同図(C)に示すように、半導体レーザアレイ11は、レーザ発光源111を例えば、間隔Aで複数有している。仮に、Aを300μmとし、記録媒体の幅をA4サイズの横幅と略同等の幅である30cmとすると、レーザ発光源は約1000個必要となる。(C)では1つの半導体レーザアレイ11に15個のレーザ発光源を有する構成としていることより、半導体レーザアレイは計67個必要となる。そして、この半導体レーザアレイ11はそれぞれ独立に出射パワーを制御できるように構成されている。さらに、この半導体レーザアレイの各発光源は、各半導体レーザアレイ内部で直列、あるいは並列に接続されていることが好ましい。内部で接続されていることで、配線が不要になる。特に、直列に接続されている場合、半導体レーザアレイに投入する電流値が少なくてすむという利点がある。一方、製造のしやすさという観点からは並列に接続するほうが容易であるという利点があり、用途により使い分けられる。
また、本実施の形態における定着装置のように、半導体レーザアレイ11を1つの単位として独立に出射パワーを制御できるようにしているのは以下のような理由がある。つまり、例えば、30cmの記録媒体の幅に対して、300μmピッチでレーザ発光源を並べた場合、約1000個もの発光源が必要となる。これらを、半導体アレイを使用せず実現し、独立に制御するには、約1000個の半導体レーザ素子と、同数の制御手段が必要であり、これらを接続するためのハーネスも1000本以上となり、実現することは現実的には困難である。また、半導体レーザ個々の出射光量のばらつきは大きく、それぞれを制御することは非常に困難である。一方、半導体レーザアレイでは、複数の発光源がアレイ状になっていることもあり、均等の放熱状態を実現することが容易である。このことから、光源として半導体レーザアレイを使用することが好ましい。さらに、半導体レーザ素子を1000個以上も並べることは配置スペース的にも事実上不可能であることからも光源は複数の半導体レーザで構成された、半導体レーザアレイであることが好ましい。
一方、高出力が要求される生産装置のような電子機器の場合、半導体レーザでなく場合によりCO2レーザ等が使用される。この場合は、半導体レーザアレイでなく、単体のレーザで、光源ブロックが構成される。
ここで、半導体レーザアレイ11の出射光について説明する。半導体レーザアレイの出力は、各レーザ発光源111からの出射光を合成したものとなる。ここで、各レーザ発光源111の記録媒体上の照射スポットの半値全幅をW、同じく各レーザ発光源の半値半角をθ、レーザ発光源111の間隔をA、記録媒体までの距離をhとすると、
W>10A、あるいは、h>5A/tanθのような関係になると、半導体レーザアレイの出力分布は、ガウス分布となる。言い換えると、半導体レーザアレイ11の出射光は、記録媒体4までの距離が十分に長い時、ガウス分布とすることができる。このガウス分布状の出力を有するレーザアレイを複数並べることで、記録媒体4上に均一なエネルギー分布を得ることが可能となり、安定したトナーの定着が実現できる。
続いて図2(A)、(B)を用いて、本実施の形態1に係る定着装置を用いた複写機の構成を説明する。尚、説明の便宜上、使用するトナーは1種類のいわゆるモノクロ機を対象する。
図2(A)は複写機の全体構成を示すブロック図である。20は操作部、21は制御部であり、全体の動作タイミングのコントロール、動作開始、終了等の制御を行う。22は読み取り部であり原稿等の読み取りを行うものである。23は画像処理部、24は現像部である。25は定着部であり、26は給紙部である。
続いて、本実施の形態における定着部を用いた複写機の動作について説明を行う。操作部20からの入力により、制御部21は読み取り部22にて原稿読み取りを開始する。そして、読み取り部22にて読み取った画像データは画像処理部23に送られる。画像処理部23では読み取った画像を補正等の画像処理を行い、画像データを現像部24、定着部25に転送する。給紙部26は記録媒体を保持しており、この記録媒体を現像部24に転送する。現像部24では画像データに応じて、給紙部26から送られてきた記録媒体にトナー像を形成した後、定着部25に記録媒体を送る。一方、定着部25では、画像処理部23からの画像データを元に、記録媒体上の予め決められた領域におけるトナー密度の最大値を判定し、各領域の代表トナー密度として記憶する。この判定された各領域のトナー密度の最大値に応じて光源である各レーザアレイの出射光量をそれぞれ制御し、記録媒体上の未定着のトナーを定着する。
同図(B)はこの定着部25の更に詳細な構成を示すブロック図である。定着部25は、トナー密度認識部250と出力制御部254と半導体レーザアレイ部255から構成されている。画像処理部23から送られてくる記録媒体全体分の画像データは、予め決めている領域毎にデータを分割する領域分割部251に分割される。252はこの分割されたデータの中で、最もトナー密度の高い部分を認識、判定するトナー密度最大値判定部である。この記録媒体に記録されるトナーの密度は画像データの階調に比例しており、階調が高い、つまり、濃度の高い部分が、トナー密度の高い部分と一致する。このため、画像処理部23から送られてくる画像データの中で、階調の最も高い部分を検索し、その値を代表トナー密度として判定する。このトナー密度最大値判定部252にて判定された各領域の代表トナー密度を記憶部253は記憶する。そして、この記憶部253にて記憶された各領域の代表トナー密度は出力制御部254に送られる。この出力制御部254は半導体レーザアレイ1個につき各1個を有しており、それぞれの半導体レーザアレイの出力を独立に制御、調整するものである。この出力制御部254は内部に、図示しない各領域の代表トナー密度に対応したレーザパワー変換テーブルを有している。そして、この変換テーブルに則り、制御部21からのタイミングに同期して、レーザパワーを設定する。LDアレイ255は出力制御部254にて設定されたレーザ出力で、それぞれ独立に記録媒体にレーザ光を照射する。このことにより、例えば、未定着のトナーが存在しない領域があった場合、その領域を照射する半導体レーザアレイを消灯することが可能となり、不要な電力を消費することを防止することができる。
続いて図3のグラフを用いて、トナーの密度と必要な照射光量に関して説明を行い、トナー密度と、定着に必要な照射光量の関係を説明する。同図は、予め未定着のトナーを記録した記録媒体のある領域に対して、レーザ光を固定して照射した場合の実験結果を示している。なお、実験においてレーザは一定の波高値にて照射を行った。グラフにおいて、横軸は積算光量を、縦軸はトナーが定着された幅とスポット径との比を示している。さらに、グラフ中の○、△、×はトナーの定着性の評価結果を示している。定着性の評価には、定着後のトナーにメンディングテープ810(住友3M社製)を貼り付けた後、剥離させてトナーが剥離するか確認した。この定着性の評価の結果、△、×を付与している条件では、トナーの定着性に難がある結果であったことを示している。本実験において、縦軸のトナーが定着された幅とスポット径との比が1以上ということは、照射した領域のトナーは定着されているということを示している。なお、実験では、トナーの密度が45%のもの(黒べた)、および約6割の密度(中間調)の2種類のサンプルにて評価した。
実験結果としては、黒べたサンプルを定着させるには、積算光量が5J/cm2以上必要であるのに対して、中間調は3J/cm2で定着している。つまり、密度の高い黒べたの未定着トナーを定着させるには、密度の低い中間調の未定着トナーを定着させるよりも積算光量を高くする必要があることを示している。つまり、トナーの密度と積算光量は比例関係にある。これは、トナーを定着させるためには、融点以上に熱してトナー溶融させる必要があるためであり、トナーの密度が高いと溶融させるのに必要なエネルギーが増えることに起因する。(1)式はこのトナー密度と、定着に必要とするエネルギーの関係を示す。
ρ・c・B・(Tm−Ta)・V < E ・・・(1)
但し、Eは定着に必要なエネルギー、ρはトナーの密度、cはトナーの比熱、Bは照射するレーザ光の波長に対するトナーの吸収率である。Tmはトナーの溶融温度、Taは環境温度、Vはトナーの体積を示している。
(1)式で示すように、トナー密度と定着に必要なエネルギーは比例関係にある。本実施の形態における定着装置では、記録媒体上のトナー密度を認識して、トナー密度が低い領域に対する半導体レーザアレイの照射光量を下げる。このことにより、定着に要する消費電力を削減することができる。
続いて、図4を用いて記録媒体4上のトナー密度分布とレーザパワーの例を説明する。図4(A)は光源1を構成する半導体レーザアレイと、記録媒体4上の領域との関係を示す図である。説明の便宜上、図4では半導体レーザアレイは12個としている。記録媒体上の領域はこの半導体レーザアレイと同数の12領域であり、図中の矢印で示される、記録媒体の送り方向と平行な領域で分割している。
図4(A)の例では、記録媒体4上の領域1、2、7、10が中間調、その他の領域が黒べたの未定着のトナー像が形成されている。そして、本画像データが画像処理部23から定着部25に送られる。定着部25では、本画像データに基づいて、各領域のトナー密度の最大値を判定する。仮に、中間調部分のトナー密度をρ1とし、黒べた部分のトナー密度をρ2とする。このトナー密度は、予め、画像の濃淡である階調と1対1に関連付けしておくことが可能であるため、画像データから算出することが可能である。このトナー密度最大値判定部252にて判定した各領域の代表トナー密度(ρ1、ρ2)を記憶部253にて記憶し、各出力制御部254に転送する。この出力制御部254では、判定されたトナー密度ρ1、ρ2に応じたレーザ照射パワーE1、E2を設定し、記録媒体4に照射する。
ここで、E1,E2は(2)、(3)式となるようパワー設定する。
E1 > ρ1・c・B・(Tm−Ta)・V ・・・(2)
E2 > ρ2・c・B・(Tm−Ta)・V ・・・(3)
ここで、先の(1)式と同様、ρ1ρ2はトナーの密度、cはトナーの比熱、Bは照射するレーザ光の波長に対するトナーの吸収率である。Tmはトナーの溶融温度、Taは環境温度、Vは領域全体を黒べたの状態にした場合のトナー体積を示している。
図4(B)はこの照射パワーの例を示している。各領域のトナー密度に応じて、中間調領域は中間調領域用のパワーであるE1、黒べた部分はE2を各半導体レーザアレイが照射していることを示している。このように、一様なパワーでレーザ光を照射するのではなく、それぞれの領域に応じてパワーを設定することが可能であるので、定着に要する消費電力を大幅に削減することが可能である。
なお、図4では前述の通り、記録媒体4を12領域に分割しているが、これに限定されることはない。また、光源の数と領域の数を同等にした例にて説明を実施したが、これにも限定されない。例えば、2つの光源に対して1つの領域とすることも可能である。
しかしながら、半導体レーザアレイと同等の個数の領域に細分化することで、より正確に光量の制御を行うことが可能となり、定着に要する電力の削減効果が大きくなることもいうまでもない。例えば、レーザ発光源111を1000個、半導体レーザアレイ11を67個とするような場合、記録媒体4の領域を67個に分割することが望ましい。
また、本実施の形態では、複写機を例にして説明を行っているが、本発明における定着装置の適用は複写機に限られるものでなく、レーザプリンタ、FAX等、記録媒体にトナーを定着させる機器に適用できる。
さらに、本実施の形態では記録媒体4を移動させることで、記録媒体4全体の定着を実現しているが、記録媒体4を移動させず、光源1を移動させる、あるいは、光源1と記録媒体4との間にガルバノミラー、ポリゴンミラー等の光学素子を挿入することで、光源1と記録媒体4とを相対的に移動させる構成としてもよい。
以上、本発明の定着装置を、複写機、レーザプリンタ、FAXを始めとする電子機器に搭載することで、当該電子機器の消費電力を低減することができる。
また、光定着装置だけでなく、光定着方法として、産業分野へ適用することも可能で、印刷産業のみならず、半導体産業やプリンタブルエレクトロニクス等広く産業上で有効に利用できる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る定着装置について、図5に基づいて説明する。
図5(A)は光源1を構成する半導体レーザアレイと、記録媒体4上の領域との関係を示す図である。先の図4の場合と同様、説明の便宜上、図5では半導体レーザアレイは12個としている。
本発明の第2の実施形態にかかる定着装置では、記録媒体4上の領域分割を記録媒体4の送り方向に平行な方向だけでなく、送り方向に垂直な方向にも分割する。図5(A)では、送り方向に平行な領域は半導体レーザアレイと同数である12個の領域1〜領域12に分割している。一方、送り方向に垂直な方向にA1、A2。A3と3分割している。送り方向に垂直な方向の分割は、記録媒体が光源1からのレーザ光の照射領域を通過するタイミングを判定し、その領域に応じたパワーを半導体レーザアレイは照射する。
図5(B)はこの照射パワー制御の様子を表したものである。
図5(B)の(a)は、記録媒体上の領域A3を光源1が照射している状態での、各半導体レーザアレイの出力の様子を示している。領域A3を通過している状態では、送り方向に平行な領域1、2、7、10がトナー密度ρ1の中間調であり、その他の領域がトナー密度ρ2の黒べた領域である。このため、それぞれ、領域1、2、7、10を照射する半導体レーザアレイの出力はE1、その他の光源はE1よりも大きいパワーであるE2となるよう設定する。送り方向に垂直な領域がA3からA2に移った時点での照射状態は図5(B)の(b)に示すようになる。すなわち、領域3、9〜12を照射する領域の出力をE1、その他の領域をE2とする。さらに、記録媒体4が送られ、領域A1を照射している場合の照射状態は図5(B)の(c)のようにする。
上記のように、実施の形態1よりもさらに領域を細分化することができるため、より定着に要する消費電力を削減することが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る定着装置について説明する。
第3の実施例では、図1(A)における光源1と記録媒体4との間に、X方向に母線を持つシリンドリカルレンズを挿入するものである。このシリンドリカルレンズは子線方向であるY方向において半導体レーザアレイ11からのレーザ光を収束状態とする。このため、レーザ光はシリンドリカルレンズ6の母線方向であるX方向の発散角は変化しない。つまり、半導体レーザアレイ11を並べている方向であるX方向の均一性は維持される。上記のように、シリンドリカルレンズ6を光源1と記録媒体4との間に挿入する構成とすることで、記録媒体4に照射されるスポットのエネルギー密度を高くすることができる。実験によれば、例えば、集光することで、エネルギー密度を3.6倍にすることで、定着に要するエネルギーは80%になるという結果を得ている。
上記のように第3の実施例によると、エネルギー密度を高くすることができるため、より少ない消費電力でトナーを溶融することが可能となり、結果として、定着に要する電力を少なくすることが可能な定着装置を得ることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る定着装置について、図6および図7を用いて説明する。
図6はトナーに照射するレーザ光の波長と、その波長に対する黒、イエロー、シアン、マゼンダの各トナーの吸収率を示すグラフである。同図に示すように、黒色のトナーはほぼ全領域の波長を吸収するが、イエロー、シアン、マゼンダはそれぞれ、吸収する領域と、吸収しない波長領域が存在する。このため、各色のトナーを使用するカラー印刷は、各色のトナーに対してレーザ光の波長を変更することで実現する。あるいは、ある特定の波長、例えば赤外線の波長を吸収する吸収剤を各色のトナーに添加することでも実現可能である。特に、各色のトナーに吸収剤を添加する方式はレーザ光源が1種類ですむことより、トナーの種類が追加された場合も装置構成は変更する必要がないため、より好ましい。
上記のようにカラー印刷を実現するために各トナーに吸収剤を添加した場合、それぞれのトナーの吸収率を一定にすることができれば、各色のトナーのうち、最も密度が高いものを判定することで、照射するパワーを決定することができる。
一方、各色のトナーの吸収率が一定でない場合、各トナーの密度だけでは照射するパワーを決定できない。図7は吸収率が一定でないトナーを用いる場合の定着部25‘の構成を示したブロック図である。256は吸収率重み係数乗算部である。この吸収率重み係数乗算部256は、半導体レーザアレイの波長に対する各トナーの吸収率の差を補正するためのものである。例えば、黒色トナーの吸収率を1として、イエロー、マゼンダ、シアンの吸収率をAy、Am、Acとして、各色の画像データに対してこれらを乗算する。このことにより、各トナーの吸収率の差を吸収することができるため、この補正後のデータを元に、各領域のトナー密度が最も高い部分を判定し、半導体レーザアレイの照射パワーを決定する。
上記構成により、モノクロトナーだけでなく、各色のトナーを使用するカラー印刷を、低消費電力で実現することが可能な定着装置を得ることができる。
以上、本発明は、紙等の記録体上の未定着トナーの定着用途の場合、未定着トナーの無い部分が多く、大幅な低消費電力化が図れる。よって、光定着装置において、特に効果的であり、光定着装置として、電子機器に本発明の光定着装置を備えることで、複写機やプリンタの低消費電力化が図れる。
さらに、本発明の光定着装置を採用した生産装置等の電子機器に使用した場合においても、低消費電力化とともに高処理能力化も図ることができる。
1 光源
3A,3B 搬送ローラ
4 記録媒体
5 保持台
11、255 半導体レーザアレイ
20 操作部
21 制御部
22 読み取り部
23 画像処理部
24 現像部
25 定着部
26 給紙部
111 レーザ発光源
250 トナー密度認識部
251 領域分割部
252 トナー密度最大値判定部
253 記憶部
254 出力制御部
256 吸収率重み係数乗算部

Claims (8)

  1. 基体上の物体を定着する定着装置であって、
    1つ以上のレーザ光源と、
    前記レーザ光源からなる光源ブロックと、
    前記光源ブロックを第1の方向に複数並べて構成された光源手段と、
    前記光源手段と前記基体とを前記第1の方向とは異なる第2の方向に相対的に主移動させる移動手段と、
    前記基体上の前記物体の密度分布を認識する認識手段とを備え、
    前記認識手段にて認識された情報に基づいて、前記基体上に照射する出射光量を各光源ブロック毎に独立に制御する出力制御手段を有することを特徴とする光定着装置。
  2. 前記第2の方向は、前記第1の方向とは略直交する方向であることを特徴とする、請求項1記載の光定着装置
  3. 前記レーザ光源の個数は複数であることを特徴とする請求項1記載の光定着装置。
  4. 前記認識手段は、前記光源ブロック個々の照射領域を単位として前記基体を前記第1の方向のみに複数の領域に分割する、あるいは、前記第2の方向にも複数の領域に分割し、認識された情報から、前記領域内において前記基体に記録されている前記物体の密度を判定し、判定された物体密度のうち、最も高い密度を前記領域の代表物体密度として認識し記憶することを特徴とする請求項1記載の光定着装置。
  5. 前記出力制御手段は、予め、代表物体密度に対する前記光源ブロックの光出力量が設定されており、前記認識手段において記憶した前記各領域の代表物体密度に応じて、前記光源ブロックの光出力を独立に設定することを特徴とする請求項4記載の光定着装置。
  6. 前記基体上の前記物体の種類が複数である場合、前記光源ブロックを構成する前記レーザ光源の波長に対する前記各物体の吸収率に比例した重み係数を画像情報に乗算し、前記各領域の物体密度を判定し、最も高い密度を代表物体密度として認識することを特徴とする請求項4乃至5記載の光定着装置。
  7. 前記基体は記録媒体であり、前記物体は未定着トナーであることを特徴とする請求項1記載の光定着装置。
  8. 請求項1から7に記載の光定着装置を備えたことを特徴とする電子機器
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012203095A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置及びこれを用いた画像形成装置

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