JP2011047541A - 防護装置及び燃焼試験設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】爆発源からの衝撃波の衝撃エネルギーを複数回繰り返して吸収することができ、さらに設備コストを低減することが可能な防護装置及び燃焼試験設備を提供する。
【解決手段】防護装置1は、爆発源からの衝撃波Wを受ける防護壁11を側面に備える充填槽10と、充填槽10に充填された流動体12と、蓋部材14と、緩衝装置20と、支持部材30と、を具備して構成されている。防護壁11は、衝撃波Wの進行方向に面する側に配置されている。この防護壁11は、衝撃波Wの衝撃エネルギーを受けると凹状に撓み、充填槽10内部に圧力エネルギーを生じさせる。防護壁11を有する充填槽10の形成材料としては、例えば鉄などの金属材料を用いることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、防護装置及び燃焼試験設備に関するものである。
ロケットエンジン等の燃焼試験設備や火薬等の燃焼貯蔵庫においては、厳格な規制の下で管理された環境であっても、不測の爆発に備える義務が課せられている。この爆発の衝撃波は非常に強い衝撃エネルギーを有しており、爆発により爆発源周囲の設備が破壊されてしまう。例えば、ロケットエンジン等の燃焼試験設備ではエンジンの近傍にエンジンに燃料を供給する燃料タンクが設置されており、エンジンが爆発すると燃料タンクが爆発の衝撃波を受けて爆発するなどの二次災害が発生し、大規模な損害を被ることとなる。このため、爆発源の近傍に配置された燃料タンク等の設備(防護対象)に衝撃波が伝達しないように、爆発源からの衝撃波を防ぐ技術が求められている。
このような要求に応えるための技術が各種検討されており、特許文献としては以下のような技術が開示されている。図7は特許文献1に示す防護装置1000の概略構成を示す模式図である。図7に示すように、防護装置1000は、プラスチック及び樹脂を含む第1の層1001と、複数の成型された幾何学形状を有する第2の層1002と、発泡板を含む第3の層1003と、が複数一体結合された積層体である。これにより、優れた衝撃吸収性を有する構造体となっている。
また、特許文献2に示される防護装置は、爆発源に面する位置に設けられたランダムで複数の孔を有する樹脂板と、樹脂板の外側に設けられた防爆シートとの間に、粒子状樹脂を袋詰にしたものが隙間無く配置されている。これにより、衝撃波の緩衝効果を高めている。
一方、これらと異なる従来技術としては、爆発源と防護対象との間にコンクリート塀や土堤などの頑強な構造体を設ける技術がある。これにより、爆発源からの衝撃波を跳ね返したり上方に逃がしたりすることで防護対象に衝撃波が伝達しないようにしている。
特表2002−531733号公報 特開2006−234179号公報
しかしながら、特許文献1及び2の防護装置では、防護装置自体が押し潰されることで爆発源からの衝撃波の衝撃エネルギーを吸収する構造であるため、一度押し潰されると壊れてしまい、その都度新しい装置を設置しなければならない。このため、新しい装置を設置する度に設備コストがかかってしまう。また、爆発の規模に応じて吸収可能なエネルギー量を決める必要があり、さまざまの規模の事故が起きる可能性がある試験設備の場合は、想定される最大規模の爆発の規模に対応して防護装置を設計するとそれより小さい規模の爆発に対応できない場合があり、設計が難しい。
一方、コンクリート塀や土堤などの頑強な構造体を設ける技術では、構造体を設置するための十分な広さの土台が必要であり、構造体自体も大規模なものとなるため、そのためコストが高くなるほか、爆発源の近傍に設備を配置することが困難な場合もある。例えば、ロケットエンジン等の燃焼試験設備の場合、燃料タンクはエンジンの近傍に設置されることが好ましいが、衝撃波を防ぐ構造体(例えば土堤)が大規模なものになると、燃料タンクをエンジンから遠くに設置せざるを得ない。したがって、燃料の供給経路が長くなり、供給経路を確保するための設備コストがかかってしまう。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、爆発源からの衝撃波の衝撃エネルギーを複数回繰り返して吸収することができ、さらに設備コストを低減することが可能な防護装置及び燃焼試験設備を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、爆発源からの衝撃波を受ける防護壁と、前記防護壁を側面として設置される、流動体が充填された充填槽と、を有することを特徴とする。
このような構成を採用することによって、本発明では、充填槽の側面の防護壁が爆発源からの衝撃波を受け衝撃エネルギーで撓むことにより、充填槽内部に圧力エネルギーが生じる。そして、充填槽内部の流動体が圧力エネルギーにより圧縮されることにより、圧力エネルギーが流動体の摩擦による熱エネルギーに変換されるとともに流動体の衝動(例えば流動や飛散)による運動エネルギーに変換されることによって衝撃エネルギーが吸収される。このため、特許文献1及び2のように防護装置自体が押し潰され壊れる構造となっていないので、爆発源からの衝撃波の衝撃エネルギーを複数回繰り返して吸収することができる。したがって、新しい装置を設置する必要がないので設備コストを低減することが可能となる。また、コンクリート塀や土堤などの頑強な構造体を設ける技術のように十分な広さの土台を必要としないので、防護装置自体をコンパクトなものとすることができる。これにより、爆発源の近傍に設備を配置することが容易となるため、設備コストを抑えることができる。
また、本発明においては、前記充填槽内の上部に空隙を設けた状態で前記流動体が充填されるという構成を採用する。
また、本発明においては、前記流動体として砂が用いられるという構成を採用する。
また、本発明においては、前記充填槽は、前記防護壁を備える側面と反対の側面に配置された緩衝装置を介して支持部材に支持されるという構成を採用する。
また、本発明においては、前記緩衝装置が前記充填槽の両端部に沿って配置されているという構成を採用する。
また、本発明においては、前記充填槽の内部に補強部材が設けられているという構成を採用する。
また、本発明においては、前記充填槽は、前記流動体を充填するための開口部と、該開口部を塞ぐ蓋部材とを備えるという構成を採用する。
また、本発明のロケットエンジンを固定した状態で燃焼状態を試験する燃焼試験設備は、前述した本発明の防護装置を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、爆発源からの衝撃波を受ける防護壁を側面に備える充填槽と、前記充填槽に充填された流動体と、を有するという構成を採用することによって、充填槽の側面の防護壁が爆発源からの衝撃波を受け衝撃エネルギーで撓むことにより、充填槽内部に圧力エネルギーが生じる。そして、充填槽内部の流動体が圧力エネルギーにより圧縮されることにより、圧力エネルギーが流動体の摩擦による熱エネルギーに変換されるとともに流動体の衝動(例えば流動や飛散)による運動エネルギーに変換されることによって衝撃エネルギーが吸収される。このため、特許文献1及び2のように防護装置自体が押し潰され壊れる構造となっていないので、爆発源からの衝撃波の衝撃エネルギーを複数回繰り返して吸収することができる。したがって、新しい装置を設置する必要がないので設備コストを低減することが可能となる。また、コンクリート塀や土堤などの頑強な構造体を設ける技術のように十分な広さの土台を必要としないので、防護装置自体をコンパクトなものとすることができる。これにより、爆発源の近傍に設備を配置することが容易となるため、設備コストを抑えることができる。
したがって、本発明では、爆発源からの衝撃波の衝撃エネルギーを複数回繰り返して吸収することができ、さらに設備コストを低減することが可能な防護装置が提供できる効果がある。
本発明の防護装置の概略構成を示す模式図である。 緩衝装置の概略構成を示す模式図である。 充填槽の内部構造を示す模式図である。 緩衝装置の配置状態を示す模式図である。 本発明の防護装置による衝撃波の衝撃エネルギーの減衰状態を示す図である。 本発明の防護装置を備えた燃焼試験設備の概略構成を示す模式図である。 特許文献1の防護装置の概略構成を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
図1は、本発明の防護装置1の概略構成を示す模式図(側面図)である。図1に示すように、防護装置1は、爆発源からの衝撃波Wを受ける防護壁11を側面に備える充填槽10と、充填槽10に充填された流動体12と、蓋部材14と、緩衝装置20と、支持部材30と、を具備して構成されている。
防護壁11は、衝撃波Wの進行方向(図1中矢印)に面する側に配置されている。この防護壁11は、衝撃波Wの衝撃エネルギーを受けると凹状に撓み、充填槽10内部に圧力エネルギーを生じさせる。防護壁11を有する充填槽10の形成材料としては、例えば鉄などの金属材料を用いることができる。
充填層10は、衝撃波Wの進行方向に面する側の側壁に防護壁11を備えている。また、充填槽10は箱型であり、側面視矩形形状になっている。充填槽10上端部には、流動体12を充填するための開口部13が設けられている。なお、開口部13の位置は充填槽10上端部に限らない。例えば、開口部13の位置は充填槽10下端部や側部でもよく、適宜設定することができる。
また、充填槽10上端部には開口部13を塞ぐ蓋部材14が設けられている。蓋部材14の形成材料としては、充填槽10の形成材料と同様に、例えば鉄などの金属材料を用いることができる。蓋部材14は、充填槽10内部に水分(例えば雨水)が浸入することを防止するためのものである。すなわち、蓋部材14を設けることで、充填槽10内部に水分が浸入することにより充填槽10内部に充填された流動体12の特性(例えば流動性)が変化してしまうことを防止することができる。この蓋部材14は、充填槽10内部に流動体12が充填された後、例えば溶接により充填槽10上端部に固定してもよい。
また、充填槽10内の上部に空隙15が設けられた状態で流動体12が充填される。すなわち、充填槽10に設けられた蓋部材14と、充填槽10内部に充填された流動体12上面との間には空隙15が形成される。これにより、防護壁11が衝撃波Wの衝撃エネルギーを受けて撓んだときの撓み量(充填槽10内部への凹み量)が、空隙15で空気が圧縮されることで吸収されるようになっている。
流動体12は、防護壁11が衝撃波Wの衝撃エネルギーを受けて撓むことにより充填槽10内部に生じた圧力エネルギーによって圧縮されることにより、圧力エネルギーを摩擦による熱エネルギーに変換するとともに衝動(例えば流動や飛散)による運動エネルギーに変換するものである。これによって衝撃波Wの衝撃エネルギーが吸収される。
このように、本実施形態の防護装置1は、特許文献1及び2のように防護装置自体が押し潰され壊れる構造となっていないため、爆発源からの衝撃波の衝撃エネルギーを複数回繰り返して吸収することができる。また、コンクリート塀や土堤などの頑強な構造体を設ける技術のように十分な広さの土台を必要としないので、防護装置自体をコンパクトなものとすることができる。
なお、流動体12としては砂を用いることが好ましい。例えば、砂としては石英や長石を主成分とした粗砂を用いることが好ましく、粗砂のサイズとしては直径0.2mm以上2mm以下の範囲内に設定するのがよい。
これにより、防護壁11が撓むことで生じた圧力エネルギーを摩擦による熱エネルギーに効率よく変換できるとともに衝動(例えば流動や飛散)による運動エネルギーに確実に変換することができる。また、流動体12は粗砂に限らない。例えば、流動体12として金属粒子や石灰などの粒状体を用いてもよく、適宜選定することができる。
緩衝装置20は、充填槽10の防護壁11が備えられた側面と反対の側面に配置され、支持部材30に支持されている。この緩衝装置20は衝撃波Wの進行方向に延在しており、一端が充填槽10に固定され、他端が支持部材30に固定されている。
図2は、緩衝装置20の概略構成を示す模式図である。図2に示すように、緩衝装置20は、弾性部材21と、ピストン22と、ダンパー23と、固定部24,25とを具備して構成されている。緩衝装置20は、上述した流動体12の充填された充填槽10を介して衝撃波Wの衝撃エネルギーを吸収するものである。
弾性部材21は、衝撃波Wの進行方向に延在しており、一端が固定部24に固定され、他端が固定部25に固定されている。弾性部材21は、ピストン22を挟んで2つ設けられている。弾性部材21としては、例えばゴムパッドやコイルスプリングを用いることができる。弾性部材21は、弾性変形(延び、もしくは縮み)によって、衝撃波Wの充填槽を介して伝達された衝撃エネルギーを吸収する。なお、固定部24は充填槽10に固定され、固定部25は支持部材30に固定される。
ピストン22は、弾性部材21と平行な方向に延在しており、一端が固定部24に固定されている。一方、ピストン22の他端はダンパー23内部をストロークするようになっている。
ダンパー23は、内部に粘性抵抗を発生する媒体を含んでいる。ダンパーとしては、例えばオイルダンパーを用いることができる。ダンパー23は、ピストン22がダンパー内部をストロークする際に粘性抵抗を発生して減衰調整する。すなわち、ダンパー23は、弾性部材21に入力される衝撃エネルギーを軽減する機能を有する。
緩衝装置20としては、例えば日本製鋼所(JSW)社製のゴム緩衝器(型式RD13)を用いることができる。なお、緩衝装置20としてはこれに限らず、必要な衝撃エネルギー吸収性能に相当するものを適宜用いることができる。
このように、本実施形態の防護装置1は緩衝装置20を有しているので、衝撃波Wの衝撃エネルギーを格段に低減することが可能となる。
図3は、本実施形態の防護装置1における充填槽10の内部構造を示す模式図である。なお、本図では説明の便宜上、充填槽10内部に充填された流動体12の図示を省略している。
図3に示すように、充填槽10の内部には補強部材16が設けられている。補強部材16としては、例えばH字鋼を用いることができる。これにより、充填槽10の剛性を高めることができる。また、防護壁11の受ける衝撃エネルギーが補強部材16を介して防護壁11と反対の側(緩衝装置20の側)の充填槽10の側壁に伝達される。このため、充填槽10全体として衝撃エネルギーを受けることができる。
図4は、本実施形態の防護装置1における緩衝装置20の配置状態を示す模式図である。本図は、充填槽10に一端が固定された緩衝装置20の配置状態を、衝撃波Wを受ける側(防護壁11の側)から見た正面図である。
図4に示すように、本実施形態の防護装置1は正面視矩形状の充填槽10が2つ隣接して配置されている。緩衝装置20は、充填槽10の両端部に(充填槽10の対向する2辺に沿って)配置されている。なお、本実施形態では緩衝装置20が充填槽10の両端部に沿って6箇所配置されているがこれに限らず、必要に応じて緩衝装置20の配置数を適宜設定することができる。
これにより、充填槽10に備えられた防護壁11が衝撃波Wの衝撃エネルギーによって撓みやすくなる。具体的には、緩衝装置20が充填槽10の両端部に配置されるので、充填槽10の両端が緩衝装置20を介して支持部材30(図示略)に固定されることとなり、充填槽10の中央部が撓むようになる。このため、充填槽10内部に圧力エネルギーを確実に生じさせることができる。したがって、充填槽10内部の流動体12を確実に圧縮させ、衝撃波Wの衝撃エネルギーを流動体12の摩擦による熱エネルギーや衝動による運動エネルギーに効率よく変換することができる。
なお、本実施形態の防護装置1は充填槽10が2つ隣接して配置されているが、これに限らない。例えば、充填槽10が1つのみ配置されていてもよいし、3つ以上隣接して配置されていてもよい。すなわち、防護装置1における充填槽10の配置数は、衝撃波Wが防護対象(例えば燃料タンク)に伝達しないように防護対象のサイズに合わせて、適宜設定することができる。
図5は、本実施形態の防護装置1による衝撃波の衝撃エネルギーの減衰状態を示す図である。図5において、横軸は衝撃波の進行距離、縦軸は衝撃波の衝撃エネルギーを示している。衝撃波の進行距離が小さいほうから順に(横軸の左側から順に)、防護装置衝突前における衝撃波の衝撃エネルギー、充填槽通過後における衝撃波の衝撃エネルギー、緩衝装置通過後における衝撃波の衝撃エネルギーを示している。
図5に示すように、防護装置衝突前における衝撃波の衝撃エネルギーは、立ち上がりが急勾配になっているとともにピーク値が大きくなっている。これにより、衝撃波が非常に強い衝撃エネルギーを有していることが推定できる。
次に、充填槽通過後における衝撃波の衝撃エネルギーを見ると、防護装置衝突前に比べて立ち上がりが緩やかになっているとともにピーク値が小さくなっている。これは、衝撃波が防護壁に衝突すると防護壁が撓み、充填槽内部の流動体が圧縮されることで衝撃エネルギーが緩和されたことによるものと推定できる。
そして、緩衝装置通過後における衝撃波の衝撃エネルギーを見ると、充填槽通過後(緩衝装置通過前)に比べて立ち上がりが緩やかになっているとともにピーク値が小さくなっている。これは、衝撃波が緩衝装置を構成する弾性部材の弾性変形とダンパーの減衰調整とにより衝撃エネルギーが低減されたことによるものと推定できる。
したがって、本実施形態では、充填槽10の側面の防護壁11が爆発源からの衝撃波Wを受け衝撃エネルギーで撓むことにより、充填槽10内部に圧力エネルギーが生じる。そして、充填槽10内部の流動体12が圧力エネルギーにより圧縮されることにより、圧力エネルギーが流動体12の摩擦による熱エネルギーに変換されるとともに流動体12の衝動(例えば流動や飛散)による運動エネルギーに変換されることによって衝撃エネルギーが吸収される。このため、特許文献1及び2のように防護装置自体が押し潰され壊れる構造となっていないので、爆発源からの衝撃波Wの衝撃エネルギーを複数回繰り返して吸収することができる。したがって、新しい装置を設置する必要がないので設備コストを低減することが可能となる。また、コンクリート塀や土堤などの頑強な構造体を設ける技術のように十分な広さの土台を必要としないので、防護装置1自体をコンパクトなものとすることができる。これにより、爆発源の近傍に設備を配置することが容易となるため、設備コストを抑えることができる。
また、本実施形態では、充填槽10内の上部に空隙15が設けられた状態で流動体12が充填されるので、防護壁11が衝撃波Wの衝撃エネルギーを受けて撓んだときの撓み量(充填槽10内部への凹み量)が、空隙15で空気が圧縮されることで吸収される。したがって、衝撃波Wの衝撃エネルギーを格段に低減することができる。
また、本実施形態では、流動体12として砂が用いられるので、防護壁11が撓むことで生じた圧力エネルギーを摩擦による熱エネルギーに効率よく変換できるとともに衝動(例えば流動や飛散)による運動エネルギーに確実に変換することができる。したがって、衝撃波Wの衝撃エネルギーを格段に低減することができる。
また、本実施形態では、充填槽10が緩衝装置20を介して支持部材30に支持されているので、防護装置1全体として衝撃波Wの衝撃エネルギーを格段に低減することが可能となる。具体的には、緩衝装置20を構成する弾性部材21の弾性変形(延び、もしくは縮み)によって、衝撃波Wの充填槽を介して伝達された衝撃エネルギーが吸収される。さらに、ダンパー22内部をピストン22がストロークする際に粘性抵抗が発生することにより減衰調整される。したがって、衝撃波Wの衝撃エネルギーを格段に低減することができる。
また、本実施形態では、緩衝装置20が充填槽10の両端部に沿って配置されているので、充填槽10に備えられた防護壁11が衝撃波Wの衝撃エネルギーによって撓みやすくなる。具体的には、充填槽10の両端が緩衝装置20を介して支持部材30に固定されるので、充填槽10の中央部が撓むようになる。このため、充填槽10内部に圧力エネルギーを確実に生じさせることができる。したがって、充填槽10内部の流動体12を確実に圧縮させ、衝撃波Wの衝撃エネルギーを流動体12の摩擦による熱エネルギーや衝動による運動エネルギーに効率よく変換することができる。したがって、衝撃波Wの衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
また、本実施形態では、充填槽10の内部に補強部材16が設けられているので、充填槽10の剛性を高めることができる。また、防護壁11の受ける衝撃エネルギーが補強部材16を介して防護壁11と反対の側(緩衝装置20の側)の充填槽10の側壁に伝達される。したがって、充填槽10全体として衝撃エネルギーを受けることができ、衝撃波Wの衝撃エネルギーを格段に低減することが可能となる。
また、本実施形態では、充填槽10に開口部13を塞ぐ蓋部材14が設けられているので、充填槽10内部に水分が浸入することを防ぐことができる。したがって、充填槽10内部に充填された流動体12の特性(例えば流動性)が変化してしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態では、充填槽10が側面視矩形形状となっているが、これに限らない。例えば、充填槽10が側面視台形形状となっていてもよいし、側面視楕円形状となっていてもよい。すなわち、充填槽10の側面視形状は衝撃波Wの衝突エネルギーに合わせて適宜設定することができる。
(燃焼試験設備)
図6は、本発明の防護装置1を備えた燃焼試験設備100の概略構成を示す模式図である。燃焼試験設備100は、例えばロケットエンジンを固定した状態で燃焼状態を試験するための設備である。図6に示すように、燃焼試験設備100は、エンジン50と、エンジン50に燃料を供給する燃料タンク40と、架台60と、上述した本発明の防護装置1と、を備えている。
エンジン50は、架台51上面に設置され、配管43を介して燃料タンク40と接続されている。これにより、タンク本体41内部の燃料42がエンジン50に供給されるようになっている。防護装置1は、エンジン50と燃料タンク40との間に配置されており、エンジン50の不測の爆発による衝撃波Wが燃料タンク40に伝達されることを防止するようになっている。防護装置1及び燃料タンク40は架台60の基礎部61上面に設置されている。架台60の脚部62の高さは、エンジン50の高さよりも高くなっている。すなわち、防護装置1及び燃料タンク40の設置高さがエンジン50の高さよりも高くなっている。これにより、エンジン50の不測の爆発によって斜め上方に伝播する衝撃波Wが燃料タンク40に伝達されることを防止できるようになっている。
この燃焼試験設備100によれば、上述した本発明の防護装置1を備えているので、エンジン50の不測の爆発による衝撃波Wの衝撃エネルギーが燃料タンク40に伝達することを防止することができる。また、コンクリート塀や土堤などの頑強な構造体を設ける技術のように十分な広さの土台を必要としないので、防護装置1自体をコンパクトなものとすることができる。これにより、エンジン50の近傍に燃料タンク40を配置することができる。したがって、燃料42の供給経路(配管43)を短くすることができ、供給経路を確保するための設備コストを抑えることができる。
1…防護装置、10…充填槽、11…防護壁、12…流動体、13…開口部、14…蓋部材、15…空隙、16…補強部材、20…緩衝装置、30…支持部材、100…燃焼試験設備

Claims (8)

  1. 爆発源からの衝撃波を受ける防護壁と、
    前記防護壁を側面として設置される、流動体が充填された充填槽と、
    を有する爆発源からの衝撃波に対する防護装置。
  2. 前記充填槽内の上部に空隙を設けた状態で前記流動体が充填されることを特徴とする請求項1に記載の防護装置。
  3. 前記流動体として砂が用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の防護装置。
  4. 前記充填槽は、前記防護壁を備える側面と反対の側面に配置された緩衝装置を介して支持部材に支持されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防護装置。
  5. 前記緩衝装置が前記充填槽の両端部に沿って配置されていることを特徴とする請求項4に記載の防護装置。
  6. 前記充填槽の内部に補強部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の防護装置。
  7. 前記充填槽は、前記流動体を充填するための開口部と、該開口部を塞ぐ蓋部材とを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の防護装置。
  8. ロケットエンジンを固定した状態で燃焼状態を試験する燃焼試験設備において、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の防護装置を備えていることを特徴とする燃焼試験設備。
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