JP2011044199A - 磁気記録媒体用積層フィルムおよび磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁性層とベースフィルムとの間に中間層を有する磁気記録媒体において、電磁変換特性の向上およびエラーレートの低減を達成する手段を提供する。
【解決手段】ベースフィルム14上に樹脂層13を有する磁気記録媒体用積層フィルム。前記樹脂層13は、該樹脂層13において正帯電性を発揮する成分と、樹脂成分と、を含む。上記ベースフィルム14の前記樹脂層13上に、強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層11を有する磁気記録媒体1。
【選択図】図1
【解決手段】ベースフィルム14上に樹脂層13を有する磁気記録媒体用積層フィルム。前記樹脂層13は、該樹脂層13において正帯電性を発揮する成分と、樹脂成分と、を含む。上記ベースフィルム14の前記樹脂層13上に、強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層11を有する磁気記録媒体1。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁気記録媒体用積層フィルムおよびこのフィルムを支持体として含む磁気記録媒体に関するものであり、詳しくは、優れた電磁変換特性と低エラーレートとを両立した磁気記録媒体の作製に好適な磁気記録媒体用積層フィルムおよびこのフィルムを支持体として含む磁気記録媒体に関するものである。
近年、塗布型磁気記録媒体が、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピュータテープ、フレキシブルディスクなど種々の用途で広く用いられている。塗布型磁気記録媒体は、強磁性粉末を結合剤中に分散させた塗布液をベースフィルム上に塗布して磁性層を形成することにより製造される。
上記塗布型磁気記録媒体では、高密度記録化のために磁性層の薄層化および強磁性粉末の充填度の向上が進められている。しかし磁性層中の強磁性粉末の充填度を高めるほど磁性層の破断伸びが小さくなるため、磁性層とベースフィルムとの接着力が低下し、機械的な力を加えることにより磁性層が簡単に破壊されベースフィルムから剥離することがある。また、従来、磁性層にカーボンブラックを添加することにより磁性層表面の導電性を制御することが行われていたが、磁性層の薄層化に伴い磁性層に添加可能なカーボンブラック量は少なくなる傾向にある。かかる状況下、磁性層とベースフィルムとの接着性を高めることや、磁性層表面の導電性を制御することを目的として、磁性層とベースフィルムとの間に中間層を設けることが提案されている(特許文献1〜7参照)。
特許文献1〜7に記載されているように、磁性層とベースフィルムとの間に中間層を設けることは、磁性層とベースフィルムとの密着力向上や磁性層表面の導電性制御のための有効な手段である。しかし上記中間層を有する磁気記録媒体では、ドロップアウトやエラーが多発することにより、電磁変換特性の低下やエラーレートの上昇が発生するという問題がある。
そこで本発明の目的は、磁性層とベースフィルムとの間に中間層を有する磁気記録媒体において、電磁変換特性の向上およびエラーレートの低減を達成する手段を提供することにある。
本願発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
中間層を有する磁気記録媒体における電磁変換特性の低下およびエラーレートの上昇は、製造工程において中間層表面に塵埃が付着した上に、磁性層が形成されることにより発生すると考えられる。この点についてより詳しく説明すると、例えば磁性層とベースフィルムとの密着性を高めるために形成される中間層(接着層)には、主に疎水性の熱可塑性樹脂が用いられるが、疎水性という性質上、一般に接着層の表面電気抵抗は大きい。そのため、製造工程内において、ベースフィルム上に接着層が設けられてから磁性層が塗布されるまでの間に、ベースフィルムを送り出すパスローラーとの間で剥離帯電が起き、接着層表面が帯電することがある。この帯電した接着層表面に塵埃が付着し、その後の工程で磁性層が塗布されると、塵埃が付着した部分を起点とした塗布スジが発生したり、塵埃が付着した部分が磁性層表面で突起となり、ドロップアウトやエラーの要因となる。これが上記の電磁変換特性低下およびエラーレート上昇の原因と考えられる。
ここで一般的な塵埃付着防止手段としては、静電気の発生を防止するため導電性を高めることが挙げられる。そこで上記特許文献1〜6に記載されているように、導電性樹脂の使用または導電性物質の添加により、中間層表面の導電性を高め帯電防止を図ることが考えられる。しかし本願発明者の検討によれば、単に中間層表面の導電性を高めるだけでは、依然として電磁変換特性の向上およびエラーレート低減には不十分であった。
そこで本願発明者は、中間層表面になぜ塵埃が付着するのか更に検討を重ねた結果、塵埃の多くはセルロース系やたん白質といった繊維系の成分からなり、これら成分からなる塵埃はわずかながらプラスに帯電していること、これに対し従来の中間層は一般にマイナスに帯電していること、を新たに見出した。
本願発明者は、上記の新たな知見に基づき、導電性を付与するという一般的な帯電防止手段ではなく、中間層表面の帯電極性を積極的にプラスに転じさせ、プラス同士の静電反発により塵埃の付着を防止することを考え更に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
中間層を有する磁気記録媒体における電磁変換特性の低下およびエラーレートの上昇は、製造工程において中間層表面に塵埃が付着した上に、磁性層が形成されることにより発生すると考えられる。この点についてより詳しく説明すると、例えば磁性層とベースフィルムとの密着性を高めるために形成される中間層(接着層)には、主に疎水性の熱可塑性樹脂が用いられるが、疎水性という性質上、一般に接着層の表面電気抵抗は大きい。そのため、製造工程内において、ベースフィルム上に接着層が設けられてから磁性層が塗布されるまでの間に、ベースフィルムを送り出すパスローラーとの間で剥離帯電が起き、接着層表面が帯電することがある。この帯電した接着層表面に塵埃が付着し、その後の工程で磁性層が塗布されると、塵埃が付着した部分を起点とした塗布スジが発生したり、塵埃が付着した部分が磁性層表面で突起となり、ドロップアウトやエラーの要因となる。これが上記の電磁変換特性低下およびエラーレート上昇の原因と考えられる。
ここで一般的な塵埃付着防止手段としては、静電気の発生を防止するため導電性を高めることが挙げられる。そこで上記特許文献1〜6に記載されているように、導電性樹脂の使用または導電性物質の添加により、中間層表面の導電性を高め帯電防止を図ることが考えられる。しかし本願発明者の検討によれば、単に中間層表面の導電性を高めるだけでは、依然として電磁変換特性の向上およびエラーレート低減には不十分であった。
そこで本願発明者は、中間層表面になぜ塵埃が付着するのか更に検討を重ねた結果、塵埃の多くはセルロース系やたん白質といった繊維系の成分からなり、これら成分からなる塵埃はわずかながらプラスに帯電していること、これに対し従来の中間層は一般にマイナスに帯電していること、を新たに見出した。
本願発明者は、上記の新たな知見に基づき、導電性を付与するという一般的な帯電防止手段ではなく、中間層表面の帯電極性を積極的にプラスに転じさせ、プラス同士の静電反発により塵埃の付着を防止することを考え更に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的は、下記手段により達成された。
[1]ベースフィルム上に樹脂層を有する磁気記録媒体用積層フィルムであって、
前記樹脂層は、該樹脂層において正帯電性を発揮する成分と、樹脂成分と、を含むことを特徴とする磁気記録媒体用積層フィルム。
[2]前記樹脂成分は、負帯電性の成分である[1]に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[3]前記樹脂成分は、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂からなる群から選ばれる[1]または[2]に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[4]前記正帯電性成分は、アジン系染料、アクリル系ポリマーおよび琥珀酸イミド系化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種である[1]〜[3]のいずれかに記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[5]前記琥珀酸イミド系化合物は、ポリブテン琥珀酸イミド系化合物である[4]に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[6]前記アジン系染料は、ニグロシン染料である[4]に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[7]前記ベースフィルムは、ポリエステルフィルムである[1]〜[6]のいずれかに記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[8]前記樹脂層は、最表面における摩擦帯電量が0.00〜30.00nCの範囲である[1]〜[7]のいずれかに記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[9]前記正帯電性を発揮する成分を、前記樹脂層中に0.1〜20質量%含有する[1]〜[8]のいずれかに記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[10][1]〜[9]のいずれかに記載のフィルムの前記樹脂層上に、強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を有する磁気記録媒体。
[11]前記樹脂層上に、非磁性粉末と結合剤とを含む非磁性層と、前記磁性層とをこの順に有する[10]に記載の磁気記録媒体。
[1]ベースフィルム上に樹脂層を有する磁気記録媒体用積層フィルムであって、
前記樹脂層は、該樹脂層において正帯電性を発揮する成分と、樹脂成分と、を含むことを特徴とする磁気記録媒体用積層フィルム。
[2]前記樹脂成分は、負帯電性の成分である[1]に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[3]前記樹脂成分は、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂からなる群から選ばれる[1]または[2]に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[4]前記正帯電性成分は、アジン系染料、アクリル系ポリマーおよび琥珀酸イミド系化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種である[1]〜[3]のいずれかに記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[5]前記琥珀酸イミド系化合物は、ポリブテン琥珀酸イミド系化合物である[4]に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[6]前記アジン系染料は、ニグロシン染料である[4]に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[7]前記ベースフィルムは、ポリエステルフィルムである[1]〜[6]のいずれかに記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[8]前記樹脂層は、最表面における摩擦帯電量が0.00〜30.00nCの範囲である[1]〜[7]のいずれかに記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[9]前記正帯電性を発揮する成分を、前記樹脂層中に0.1〜20質量%含有する[1]〜[8]のいずれかに記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
[10][1]〜[9]のいずれかに記載のフィルムの前記樹脂層上に、強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を有する磁気記録媒体。
[11]前記樹脂層上に、非磁性粉末と結合剤とを含む非磁性層と、前記磁性層とをこの順に有する[10]に記載の磁気記録媒体。
本発明によれば、磁気記録媒体における電磁変換特性向上およびエラーレート低減を達成することができる。
[磁気記録媒体用積層フィルム]
本発明の磁気記録媒体用積層フィルム(以下、「本発明のフィルム」または「本発明の積層フィルム」ともいう)は、ベースフィルム上に樹脂層を有し、前記樹脂層に、該樹脂層において正帯電性を発揮する成分(以下、「正帯電性成分」ともいう)と、樹脂成分と、を含む。
本発明のフィルムは、磁気記録媒体の支持体フィルムとして使用することが好ましく、塗布型磁気記録媒体の支持体フィルムとして好適である。
以下、本発明のフィルムについて、更に詳細に説明する。
本発明の磁気記録媒体用積層フィルム(以下、「本発明のフィルム」または「本発明の積層フィルム」ともいう)は、ベースフィルム上に樹脂層を有し、前記樹脂層に、該樹脂層において正帯電性を発揮する成分(以下、「正帯電性成分」ともいう)と、樹脂成分と、を含む。
本発明のフィルムは、磁気記録媒体の支持体フィルムとして使用することが好ましく、塗布型磁気記録媒体の支持体フィルムとして好適である。
以下、本発明のフィルムについて、更に詳細に説明する。
樹脂層
本発明のフィルムは、ベースフィルム上に直接または間接に樹脂層を有する。樹脂層とは、樹脂成分を構成成分として含む層であり、好ましくはベースフィルムと磁性層(または磁性層の下層として非磁性層を設ける場合には非磁性層)との密着性を高めるために設けられる接着層であるが、磁性層表面の導電性を制御するために導電性成分が添加された導電層であってもよい。
本発明のフィルムは、ベースフィルム上に直接または間接に樹脂層を有する。樹脂層とは、樹脂成分を構成成分として含む層であり、好ましくはベースフィルムと磁性層(または磁性層の下層として非磁性層を設ける場合には非磁性層)との密着性を高めるために設けられる接着層であるが、磁性層表面の導電性を制御するために導電性成分が添加された導電層であってもよい。
樹脂層を構成する樹脂成分としては、各種ポリマー材料を挙げることができ、塗布適性の点から、好ましくは有機溶剤可溶性のポリマー材料である。具体例としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、変性セルロース樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリビニルエーテル、ポリマレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、アルキド樹脂等が挙げられる。この中でも、中間層形成に広く用いられる樹脂としてはポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂を挙げることができ、密着性向上の点からはポリエステル樹脂が最も好適に用いられる。上記樹脂はいずれも負帯電性の成分であり、下記の正帯電性成分が混合されていない状態では、磁性層液塗布工程におけるパスロールとの摩擦帯電によって、マイナスに帯電する。なお負帯電性の成分とは、樹脂成分からなる層の表面において、後述する方法で測定される摩擦帯電量が0.00nCより低いことをいうものとする。
上記樹脂層に使用される樹脂成分のガラス転移温度は、30〜120℃であることが好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。30℃以上であれば端面でのブロッキングを生じることもなく、また、120℃以下であれば樹脂層内の内部応力を緩和することができ、かつ、密着力にも優れている。
本発明に使用可能な樹脂成分は、いずれも公知の方法で合成可能であり、また市販品として入手することもできる。
次に、樹脂層に含まれる正帯電性成分について説明する。
本発明のフィルムにおいて樹脂層に含まれる正帯電性成分は、上記樹脂層において正帯電性を発揮するものである。本発明において、「樹脂層において正帯電性を発揮する」とは、樹脂成分と共存することにより樹脂層最表面の帯電極性をプラスにする成分をいうものとする。先に説明したように、従来の中間層は一般に帯電極性がマイナスであったためプラスに帯電した塵埃を引き付けやすい傾向にあり、これが中間層表面への塵埃付着の原因になっていたと考えられる。これに対し本発明では、上記正帯電性成分を添加することにより、樹脂層の最表面の帯電極性をプラスに転じさせる。これにより、プラスに帯電した塵埃との間でプラス同士の静電反発を起こすことによって、中間層表面への塵埃の付着を抑制できることが、本発明のフィルムを支持体とした磁気記録媒体における電磁変換特性向上およびエラーレート低減に寄与していると、本願発明者は推察している。上記成分が樹脂層において正帯電性を示すことは、樹脂層の摩擦帯電極性を測定することにより容易に確認することができる。摩擦帯電極性の測定方法については後述する。
本発明のフィルムにおいて樹脂層に含まれる正帯電性成分は、上記樹脂層において正帯電性を発揮するものである。本発明において、「樹脂層において正帯電性を発揮する」とは、樹脂成分と共存することにより樹脂層最表面の帯電極性をプラスにする成分をいうものとする。先に説明したように、従来の中間層は一般に帯電極性がマイナスであったためプラスに帯電した塵埃を引き付けやすい傾向にあり、これが中間層表面への塵埃付着の原因になっていたと考えられる。これに対し本発明では、上記正帯電性成分を添加することにより、樹脂層の最表面の帯電極性をプラスに転じさせる。これにより、プラスに帯電した塵埃との間でプラス同士の静電反発を起こすことによって、中間層表面への塵埃の付着を抑制できることが、本発明のフィルムを支持体とした磁気記録媒体における電磁変換特性向上およびエラーレート低減に寄与していると、本願発明者は推察している。上記成分が樹脂層において正帯電性を示すことは、樹脂層の摩擦帯電極性を測定することにより容易に確認することができる。摩擦帯電極性の測定方法については後述する。
上記正帯電性成分としては、例えば、一般的な電子写真用トナーに帯電極性を付与するために使用される成分(一般に、電子写真用トナーの分野では電荷制御剤等と呼ばれる)を使用することができる。使用される樹脂成分と共存することによりプラスの帯電極性を帯びた樹脂層を形成するために好ましい成分としては、アジン系染料、アクリル系ポリマーおよび琥珀酸イミド系化合物が挙げられる。
アジン系染料とは、以下に示すアジン骨格を有する染料の一種である。
アジン系染料としては、ニグロシン染料を使用することが好ましい。ニグロシン染料は、一般に金属触媒存在下でニトロベンゼンとアニリンとの縮重合により得られる多数の成分からなる黒色の混合物であり、公知の方法で合成することができ、また市販品としても入手可能である。市販品としては、オリエント化学工業社製BONTRONシリーズ、NIGROSINEシリーズなどが挙げられる。
アクリル系ポリマーとは、アクリル基またはメタクリル基を含むポリマーをいい、電子写真用トナーにおいて電荷制御剤として使用されるポリマー型アクリルベースを挙げることができる。正帯電性付与能の点からは、スチレン−アクリル共重合体が好ましい。具体例としては、藤倉化成株式会社製アクリベースFCA−P型、FCA−S型等を挙げることができる。
琥珀酸イミド系化合物とは、琥珀酸イミドまたはその誘導体をいう。正帯電性付与能の点から好ましい琥珀酸イミド系化合物としては、ポリブテン琥珀酸イミド系化合物、即ち、ポリイソブチレン琥珀酸イミド等のポリブテン琥珀酸イミド(ポリブチレンスクシンイミド)およびその誘導体が好ましい。ポリブテン琥珀酸イミド系化合物は、一般に内燃機関の潤滑剤添加剤として用いられるものであり、またB. J. Park et al., J. Electroceram., 17, 1031-1033 (2006)には、ポリメチルメタクリレートで修飾されたTiO2ナノ粒子のゼータ電位をマイナスに転じる成分として記載されているが、本願発明者は、この成分が樹脂層の帯電極性をプラスに転じさせる効果を発揮することを新たに見出した。このポリブテン琥珀酸イミド系化合物の市販されている商品名としては、例えば、シェブロン製OLOA1200を挙げることができ、本発明において好適に使用できる。
以上、本発明で使用可能な正帯電性成分の具体例等を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、樹脂層において正帯電性を発揮するものであればいずれも使用可能である。
上記正帯電性成分は、樹脂層の帯電極性をプラスに転じさせる量を使用すればよく、通常、樹脂層全体に対して0.1質量%以上添加することにより、その効果を発揮し得る。また、正帯電性成分と樹脂成分との相溶性が低下すると、上層に積層される層(磁性層、非磁性層等)との密着性が悪化する傾向があるため、樹脂成分との相溶性を良好に維持し得る範囲で添加することが好ましい。樹脂成分との相溶性の点からは、樹脂層全体に対して20質量%以下の量で正帯電性成分を添加することが好ましい。即ち、正帯電性成分は、樹脂層全体に対して0.1〜20質量%の範囲で添加することが好ましい。より好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは2〜10質量%の範囲で添加される。また、正帯電性成分は、1種のみ使用してもよく、2種以上を併用することも可能である。
樹脂層最表面の帯電極性は、例えば一般的なファラデーケージによって測定することができる。磁気記録媒体の製造工程では、塗布工程中で、接着層等の中間層がパスロールによって擦れて摩擦帯電が発生する。そこでこの現象をテーブル実験で再現するために、以下の方法によって帯電極性を測定する。本発明において「帯電極性がプラス」とは、以下の測定方法により測定される摩擦帯電量が0.00nC以上であることをいうものとする。
ベースフィルム上に樹脂層が形成された積層フィルムを、12.65mm幅、20cmの長さに切り、樹脂層面を4mmφのSUS棒で10往復擦り(荷重15g、速度14mm/sec、擦れている部分の長さ15cm)、発生した摩擦帯電量をファラデーケージで測定する。測定環境は、温度23℃、湿度50%RHとする。
本発明のフィルムにおける樹脂層最表面の摩擦帯電量は0.00nC以上である。0.00nCより低い、つまり帯電極性がマイナスになると、たとえ帯電量の絶対値が小さくとも、プラスに帯電した塵埃がマイナスに引き寄せられて樹脂層表面に付着してしまう。また、静電気の発生を抑制する点からは、上記摩擦帯電量は30nC以下であることが好ましい。即ち、樹脂層最表面における上記摩擦帯電量は、好ましくは0.00〜30.00nCである。静電気の発生を抑制しつつ塵埃の付着をより効果的に低減するために、より好ましくは0.05〜25.00nC、さらに好ましくは0.10〜20.00nCの範囲である。
ベースフィルム上に樹脂層が形成された積層フィルムを、12.65mm幅、20cmの長さに切り、樹脂層面を4mmφのSUS棒で10往復擦り(荷重15g、速度14mm/sec、擦れている部分の長さ15cm)、発生した摩擦帯電量をファラデーケージで測定する。測定環境は、温度23℃、湿度50%RHとする。
本発明のフィルムにおける樹脂層最表面の摩擦帯電量は0.00nC以上である。0.00nCより低い、つまり帯電極性がマイナスになると、たとえ帯電量の絶対値が小さくとも、プラスに帯電した塵埃がマイナスに引き寄せられて樹脂層表面に付着してしまう。また、静電気の発生を抑制する点からは、上記摩擦帯電量は30nC以下であることが好ましい。即ち、樹脂層最表面における上記摩擦帯電量は、好ましくは0.00〜30.00nCである。静電気の発生を抑制しつつ塵埃の付着をより効果的に低減するために、より好ましくは0.05〜25.00nC、さらに好ましくは0.10〜20.00nCの範囲である。
ベースフィルム
本発明の積層フィルムに含まれるベースフィルムとしては、一般に磁気記録媒体の支持体フィルムとして使用される各種フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等を挙げることができる。これらの中でも、入手容易性および強度の点からポリエステルが好ましく、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートがより好ましい。これらベースフィルムとして使用可能なフィルムは、いずれも市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。ベースフィルムの表面粗さは、カットオフ値0.25mmにおいて中心平均粗さRaが3〜10nmであることが、磁性層表面の平滑性を高める上で好ましい。
本発明の積層フィルムに含まれるベースフィルムとしては、一般に磁気記録媒体の支持体フィルムとして使用される各種フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等を挙げることができる。これらの中でも、入手容易性および強度の点からポリエステルが好ましく、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートがより好ましい。これらベースフィルムとして使用可能なフィルムは、いずれも市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。ベースフィルムの表面粗さは、カットオフ値0.25mmにおいて中心平均粗さRaが3〜10nmであることが、磁性層表面の平滑性を高める上で好ましい。
積層フィルムの製造
本発明の積層フィルムは、ベースフィルム上に直接または他の層を介して間接に樹脂層を形成することにより製造することができる。ベースフィルムと磁性層等の密着性を高めるためには、ベースフィルム上に直接、樹脂層を形成することが好ましい。樹脂層は、樹脂成分と正帯電性成分とを含む塗布液を、ベースフィルム上に塗布および乾燥することにより形成することができる。塗布液を塗布するベースフィルム表面には、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。また、塗布液調製に使用する有機溶媒は、公知のものが使用できる。例えば、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
本発明の積層フィルムは、ベースフィルム上に直接または他の層を介して間接に樹脂層を形成することにより製造することができる。ベースフィルムと磁性層等の密着性を高めるためには、ベースフィルム上に直接、樹脂層を形成することが好ましい。樹脂層は、樹脂成分と正帯電性成分とを含む塗布液を、ベースフィルム上に塗布および乾燥することにより形成することができる。塗布液を塗布するベースフィルム表面には、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。また、塗布液調製に使用する有機溶媒は、公知のものが使用できる。例えば、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層の厚さは0.1μm以下であることが好ましい。樹脂層の厚さが0.1μm以下であれば、乾燥工程において十分に乾燥させることができるため、未乾燥の部分が製造系内に付着してトラブルの要因となったり、未乾燥部分の磁気特性が変化したりすることを回避することができる。また、密着性向上効果を十分発揮するためには、樹脂層の厚さは0.001μm以上であることが好ましい。上記の点から、樹脂層の厚さは、0.001〜0.08μmの範囲であることがより好ましく、0.002〜0.06μmの範囲であることが更に好ましい。また、樹脂層を含む積層フィルムの総厚は、3〜80μmであることが、磁気記録媒体の支持体フィルムとして使用するうえで好ましい。
前記樹脂層は、樹脂成分と正帯電性成分とを必須成分として含むものである。接着層である場合には、前記樹脂層は、上記必須成分以外の成分を含まないことが、密着性向上の観点からは好ましい。ただし磁性層表面の導電性を制御するための成分等の任意成分を含むことも可能である。任意成分を含む樹脂層を形成する場合には、該任意成分を添加した塗布液を使用すればよい。
以上説明した本発明の積層フィルムは、磁気記録媒体の支持体として使用することができ、塗布型磁気記録媒体の支持体として好適である。
[磁気記録媒体]
本発明の磁気記録媒体は、本発明の積層フィルムを支持体として含むものであり、本発明の積層フィルムの樹脂層上に、強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を有する。
先に説明したように、塵埃の多くはプラスに帯電している。これに対し、前記樹脂層は帯電極性がプラスであるため、塗布工程においてパスロールによって擦れて摩擦帯電した場合にプラスに帯電するので、プラスに帯電した塵埃は静電反発により付着しにくいと考えられる。後述の実施例に示すように、本発明の磁気記録媒体が優れた電磁変換特性と低エラーレートの両立を実現できる理由は、樹脂層表面に付着した塵埃に起因するドロップアウトやエラーの発生を抑制することができることにあると考えられる。
本発明の磁気記録媒体は、本発明の積層フィルムを支持体として含むものであり、本発明の積層フィルムの樹脂層上に、強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を有する。
先に説明したように、塵埃の多くはプラスに帯電している。これに対し、前記樹脂層は帯電極性がプラスであるため、塗布工程においてパスロールによって擦れて摩擦帯電した場合にプラスに帯電するので、プラスに帯電した塵埃は静電反発により付着しにくいと考えられる。後述の実施例に示すように、本発明の磁気記録媒体が優れた電磁変換特性と低エラーレートの両立を実現できる理由は、樹脂層表面に付着した塵埃に起因するドロップアウトやエラーの発生を抑制することができることにあると考えられる。
本発明の磁気記録媒体の一例(模式的断面図)を、図1に示す。図1に示す磁気記録媒体1は、樹脂層13とベースフィルム14から構成される支持体の一方の面(樹脂層側の面)上に、非磁性層12と磁性層11とをこの順に有し、他方の面上にバックコート層15を有する。
以下、本発明の磁気記録媒体について、更に詳細に説明する。
以下、本発明の磁気記録媒体について、更に詳細に説明する。
磁性層
磁性層には、強磁性粉末と結合剤が含まれる。前記樹脂層が接着層である場合、後述する非磁性層を設けないのであれば、密着性向上の観点から、磁性層は樹脂層上に直接設けることが好ましい。
磁性層には、強磁性粉末と結合剤が含まれる。前記樹脂層が接着層である場合、後述する非磁性層を設けないのであれば、密着性向上の観点から、磁性層は樹脂層上に直接設けることが好ましい。
磁性層に含まれる強磁性粉末としては、針状強磁性体、平板状磁性体、または球状若しくは楕円状磁性体を使用することが好ましい。
針状強磁性体としては、針状であるコバルト含有強磁性酸化鉄または強磁性合金粉末等の強磁性金属粉末を例示することができる。そのBET比表面積(SBET)は、好ましくは40〜80m2/g、より好ましくは50〜70m2/gである。結晶子サイズは好ましくは12〜25nm、より好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は20〜50nmであることが好ましく、より好ましくは20〜45nmである。本発明に使用可能な針状強磁性体の詳細については、特開2007−328889号公報段落[0057]〜[0062]を参照できる。
平板状磁性体としては六方晶フェライト粉末が好ましい。六方晶フェライトとしては、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等が挙げられる。平板状磁性体の粒子サイズは、六角板径で10〜50nmであることが好ましい。磁気抵抗ヘッドで再生する場合は、低ノイズにする必要があり、板径は45nm以下が好ましい。板径が上記範囲であれば、熱揺らぎがなく安定な磁化が望める。また、ノイズも低くなるため高密度磁気記録に適する。本発明に使用可能な平板状磁性体の詳細については、特開2007−328889号公報段落[0063]〜[0069]を参照できる。
球状または楕円状磁性体としては、Fe16N2を主相とする窒化鉄系の強磁性粉末が好ましい。本発明に使用可能な球状または楕円状磁性体の詳細については、特開2007−328889号公報段落[0070]および[0071]を参照できる。
磁性層に使用する結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独または複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいのはポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂である。磁性層に使用可能な結合剤の詳細については、特開2007−328889号公報段落[0073]〜[0093]を参照できる。磁性層、更に後述する非磁性層への結合剤の添加量は、強磁性粉末または非磁性粉末100質量部に対して、5〜30質量部とすることが好ましく、10〜20質量部とすることが更に好ましい。
磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。上記添加剤の具体例等の詳細については、例えば特開2007−328889号公報段落[0096]〜[0105]を参照できる。これら添加剤は、後述する非磁性層に添加することもできる。
本発明で使用されるこれらの添加剤は、磁性層、さらに後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じて使い分けることができる。また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層または非磁性層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
非磁性層
本発明の磁気記録媒体は、磁性層と前記積層フィルムとの間に、非磁性粉末と結合剤とを含む非磁性層を有することができる。この場合、非磁性層は前記樹脂層上に設けられる。前記樹脂層が接着層である場合、密着性向上のためには、樹脂層上に直接非磁性層を設けることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、磁性層と前記積層フィルムとの間に、非磁性粉末と結合剤とを含む非磁性層を有することができる。この場合、非磁性層は前記樹脂層上に設けられる。前記樹脂層が接着層である場合、密着性向上のためには、樹脂層上に直接非磁性層を設けることが好ましい。
非磁性層に使用する非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr2O3、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタンなどを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。好ましいものは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜2μmの範囲であることが好ましい。5nm〜2μmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有する磁気記録媒体が得られるため好ましい。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。ただし、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。
非磁性粉末の比表面積は、好ましくは1〜100m2/gであり、より好ましくは5〜70m2/gであり、さらに好ましくは10〜65m2/gである。比表面積が1〜100m2/gの範囲内にあれば、好適な表面粗さを有する磁気記録媒体が得られ、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましく、6〜9の間が特に好ましい。pHが2〜11の範囲にあれば、高温、高湿下または脂肪酸の遊離により摩擦係数が大きくなることを回避することができる。その他、非磁性層に使用可能な非磁性粉末の詳細については、特開2007−328889号公報段落[0107]〜[0115]を参照できる。
非磁性層には、必要に応じてカーボンブラックおよび有機粉末を添加することもできる。これらの詳細については、特開2007−328889号公報段落[0116]〜[0121]を参照できる。
バックコート層
一般に、コンピューターデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い保存安定性を維持させるために、非磁性支持体の非磁性層および磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。バックコート層用塗布液は、研磨剤、帯電防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶媒に分散させることにより得ることができる。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。また、結合剤としては、例えば、ニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。
一般に、コンピューターデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い保存安定性を維持させるために、非磁性支持体の非磁性層および磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。バックコート層用塗布液は、研磨剤、帯電防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶媒に分散させることにより得ることができる。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。また、結合剤としては、例えば、ニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。
層構成
支持体となる本発明の積層フィルムの厚みは、前述のように好ましくは3〜80μmである。バックコート層の厚みは、好ましくは0.1〜1.0μm、より好ましくは0.2〜0.8μmである。
支持体となる本発明の積層フィルムの厚みは、前述のように好ましくは3〜80μmである。バックコート層の厚みは、好ましくは0.1〜1.0μm、より好ましくは0.2〜0.8μmである。
磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、好ましくは0.01〜0.15μmであり、更に好ましくは0.02〜0.10μmである。また、磁性層の厚み変動率は±50%以内が好ましく、さらに好ましくは±40%以内である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
非磁性層の厚みは、2.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましく、0.3〜1.0μmであることがさらに好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10T・m(100G)以下または抗磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
本発明の磁気記録媒体における非磁性層と磁性層と間では、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし保存安定性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りをよくするなどである。
製造方法
磁性層、非磁性層等の各層を形成するための塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなることが好ましい。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。
磁性層、非磁性層等の各層を形成するための塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなることが好ましい。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。
各層形成用塗布液を調製するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用塗布液および非磁性層用塗布液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。ガラスビーズ以外には、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
本発明の磁気記録媒体は、例えば、本発明の積層フィルムをパスローラーにより送り出しながら、樹脂層表面上に非磁性層塗布液を所定の膜厚となるように塗布して非磁性層を形成し、次いでその上に、磁性層塗布液を所定の膜厚となるようにして磁性層を塗布して形成する。複数の磁性層塗布液を逐次または同時に重層塗布してもよく、非磁性層塗布液と磁性層塗布液とを逐次または同時に重層塗布してもよい。塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
また、塗布工程後の媒体には、磁性層の配向処理、表面平滑化処理(カレンダー処理)、熱収縮低減のための熱処理等の各種の後処理を施すことができる。それらの処理の詳細については、例えば特開2007−328889号公報段落[0133]〜[0137]を参照できる。得られた磁気記録媒体は、裁断機、打抜機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし本発明は、実施例に示す態様に限定されるものではない。以下に記載の「部」、「%」は、特に示さない限り質量部、質量%を示す。
1.樹脂層用ポリエステル樹脂の合成例
攪拌機、温度計、還流冷却管、分水管および窒素ガス導入管を備えた1リットル四つ口フラスコに、テレフタル酸(TPA)166.1g、イソフタル酸(IPA)110.3g、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(NaSO3IPA)4.5g、エチレングリコール(EG)73.9g、ジエチレングリコール(DEG)55.2gおよび触媒としてモノブチルスズオキサイド0.20gを仕込んだ。反応成分モル比はTPA/IPA/NaSO3IPA=5.95/3.95/0.1およびEG/DEG=7.1/3.1であり、官能性基比は[OH]/[COOH]=1.02である。窒素ガスを導入しながら攪拌を行い、反応中に生成する水および未反応のジオールを除去しながら、180℃から200℃まで7時間かけて昇温した。その後、1mmHgの減圧下で脱水を行いながら、220℃から240℃まで3時間かけて昇温し、更に4時間反応を続け、ポリエステル樹脂を得た。示差走査熱量計によって測定したTgは67℃、GPCによって測定した重量平均分子量はポリスチレン換算で26,740であった。
2.樹脂層用塗布液の調製例
<樹脂層用塗布液Aの調製>
主樹脂として上記合成例によって得られたポリエステル樹脂19部、正帯電性成分としてポリブチレンスクシンイミド系化合物(シェブロン製OLOA1200) 1部、シクロヘキサノン 800部、メチルエチルケトン 200部を混合し、室温で3時間攪拌させ完全に溶解させた。この液を平均孔径3μmのフィルターでろ過をして、不溶物、不純物を取り除き、樹脂層用塗布液とした。乾燥後のポリブチレンスクシンイミド系化合物の樹脂層中に存在する比率は5質量%となる。
主樹脂として上記合成例によって得られたポリエステル樹脂19部、正帯電性成分としてポリブチレンスクシンイミド系化合物(シェブロン製OLOA1200) 1部、シクロヘキサノン 800部、メチルエチルケトン 200部を混合し、室温で3時間攪拌させ完全に溶解させた。この液を平均孔径3μmのフィルターでろ過をして、不溶物、不純物を取り除き、樹脂層用塗布液とした。乾燥後のポリブチレンスクシンイミド系化合物の樹脂層中に存在する比率は5質量%となる。
<樹脂層用塗布液Bの調製>
樹脂層用塗布液の調製Aにて、ポリエステル樹脂19.6部、正帯電性成分としてのポリブチレンスクシンイミド系化合物(シェブロン製OLOA1200)を0.4部に変更した点以外は、樹脂層用塗布液の調製Aと同様の方法で樹脂層用塗布液Bを作製した。乾燥後のポリブチレンスクシンイミド系化合物の樹脂層中に存在する比率は2質量%となる。
樹脂層用塗布液の調製Aにて、ポリエステル樹脂19.6部、正帯電性成分としてのポリブチレンスクシンイミド系化合物(シェブロン製OLOA1200)を0.4部に変更した点以外は、樹脂層用塗布液の調製Aと同様の方法で樹脂層用塗布液Bを作製した。乾燥後のポリブチレンスクシンイミド系化合物の樹脂層中に存在する比率は2質量%となる。
<樹脂層用塗布液Cの調製>
樹脂層用塗布液の調製Aにて、ポリエステル樹脂18部、正帯電性成分としてのポリブチレンスクシンイミド系化合物(シェブロン製OLOA1200)を2部に変更した点以外は、樹脂層用塗布液の調製Aと同様の方法で樹脂層用塗布液Cを作製した。乾燥後のポリブチレンスクシンイミド系化合物の樹脂層中に存在する比率は10質量%となる。
樹脂層用塗布液の調製Aにて、ポリエステル樹脂18部、正帯電性成分としてのポリブチレンスクシンイミド系化合物(シェブロン製OLOA1200)を2部に変更した点以外は、樹脂層用塗布液の調製Aと同様の方法で樹脂層用塗布液Cを作製した。乾燥後のポリブチレンスクシンイミド系化合物の樹脂層中に存在する比率は10質量%となる。
<樹脂層用塗布液Dの調製>
上記樹脂層用塗布液の調製Aにて、ポリブチレンスクシンイミド系化合物の代わりに、ニグロシン染料(オリエント化学工業社製BONTRON N−01)を1部用いた点以外は、樹脂層用塗布液の調製Aと同様の方法で樹脂層用塗布液Dを作製した。乾燥後のニグロシン染料の樹脂層中に存在する比率は5質量%となる。
上記樹脂層用塗布液の調製Aにて、ポリブチレンスクシンイミド系化合物の代わりに、ニグロシン染料(オリエント化学工業社製BONTRON N−01)を1部用いた点以外は、樹脂層用塗布液の調製Aと同様の方法で樹脂層用塗布液Dを作製した。乾燥後のニグロシン染料の樹脂層中に存在する比率は5質量%となる。
<樹脂層用塗布液Eの調製>
上記樹脂層用塗布液の調製Aにて、ポリブチレンスクシンイミド系化合物の代わりに、ポリマー型アクリルベース(藤倉化成製アクリベースFCA−201PS)を1部用いた点以外は、樹脂層用塗布液の調製Aと同様の方法で樹脂層用塗塗布液Eを作製した。乾燥後のポリマー型アクリルベースの樹脂層中に存在する比率は5質量%となる。
上記樹脂層用塗布液の調製Aにて、ポリブチレンスクシンイミド系化合物の代わりに、ポリマー型アクリルベース(藤倉化成製アクリベースFCA−201PS)を1部用いた点以外は、樹脂層用塗布液の調製Aと同様の方法で樹脂層用塗塗布液Eを作製した。乾燥後のポリマー型アクリルベースの樹脂層中に存在する比率は5質量%となる。
<樹脂層用塗布液Fの調製>
市販のポリウレタン樹脂(東洋紡製UR−1350、ガラス転移温度46℃、重量平均分子量約7万5千、メチルエチルケトン/トルエン混合溶液、固形分濃度33質量%)を58部、正帯電性成分としてポリブチレンスクシンイミド系化合物(シェブロン製OLOA1200) 1部、シクロヘキサノン 768部、メチルエチルケトン 192部を混合し、室温で3時間攪拌させ完全に溶解させた。この液を平均孔径3μmのフィルターでろ過をして、不溶物、不純物を取り除き、樹脂層用塗布液とした。乾燥後のポリブチレンスクシンイミド系化合物の樹脂層中に存在する比率は5質量%となる。
市販のポリウレタン樹脂(東洋紡製UR−1350、ガラス転移温度46℃、重量平均分子量約7万5千、メチルエチルケトン/トルエン混合溶液、固形分濃度33質量%)を58部、正帯電性成分としてポリブチレンスクシンイミド系化合物(シェブロン製OLOA1200) 1部、シクロヘキサノン 768部、メチルエチルケトン 192部を混合し、室温で3時間攪拌させ完全に溶解させた。この液を平均孔径3μmのフィルターでろ過をして、不溶物、不純物を取り除き、樹脂層用塗布液とした。乾燥後のポリブチレンスクシンイミド系化合物の樹脂層中に存在する比率は5質量%となる。
<樹脂層用塗布液Gの調製(比較調製例)>
主樹脂として上記合成例によって得られたポリエステル樹脂19部、カチオン型帯電防止剤(花王製エレクトロストリッパーQN、溶剤イソプロピルアルコールと水の混合、固形分濃度25質量%) 4部、シクロヘキサノン 800部、メチルエチルケトン 200部を混合し、室温で3時間攪拌させ完全に溶解させた。この液を平均孔径3μmのフィルターでろ過をして、不溶物、不純物を取り除き、樹脂層用塗布液とした。乾燥後のカチオン型帯電防止剤の樹脂層中に存在する比率は5質量%となる。
主樹脂として上記合成例によって得られたポリエステル樹脂19部、カチオン型帯電防止剤(花王製エレクトロストリッパーQN、溶剤イソプロピルアルコールと水の混合、固形分濃度25質量%) 4部、シクロヘキサノン 800部、メチルエチルケトン 200部を混合し、室温で3時間攪拌させ完全に溶解させた。この液を平均孔径3μmのフィルターでろ過をして、不溶物、不純物を取り除き、樹脂層用塗布液とした。乾燥後のカチオン型帯電防止剤の樹脂層中に存在する比率は5質量%となる。
<樹脂層用塗布液Hの調製(比較調製例)>
主樹脂として上記合成例によって得られたポリエステル樹脂20部、シクロヘキサノン 800部、メチルエチルケトン 200部を混合し、室温で3時間攪拌させ完全に溶解させた。この液を平均孔径3μmのフィルターでろ過をして、不溶物、不純物を取り除き、樹脂層用塗布液とした。
主樹脂として上記合成例によって得られたポリエステル樹脂20部、シクロヘキサノン 800部、メチルエチルケトン 200部を混合し、室温で3時間攪拌させ完全に溶解させた。この液を平均孔径3μmのフィルターでろ過をして、不溶物、不純物を取り除き、樹脂層用塗布液とした。
<樹脂層用塗布液Iの調製(比較調製例)>
主樹脂として、樹脂層用塗布液の調製Fで用いたポリウレタン樹脂 60部、シクロヘキサノン 800部、メチルエチルケトン 200部を混合し、室温で3時間攪拌させ完全に溶解させた。この液を平均孔径3μmのフィルターでろ過をして、不溶物、不純物を取り除き、樹脂層用塗布液とした。
主樹脂として、樹脂層用塗布液の調製Fで用いたポリウレタン樹脂 60部、シクロヘキサノン 800部、メチルエチルケトン 200部を混合し、室温で3時間攪拌させ完全に溶解させた。この液を平均孔径3μmのフィルターでろ過をして、不溶物、不純物を取り除き、樹脂層用塗布液とした。
3.磁気記録媒体用非磁性支持体(積層フィルム)の実施例・比較例
[実施例1]
ベースフィルムとしてポリエチレンナフタレートフィルム(厚み6μm、中心平均表面粗さRa6.2nm)を用いた。このベースフィルムの一方の面に、樹脂層用塗料液Aを乾燥後の厚みが0.1μmになるようにコイルバーを用いて塗布した後、100℃で90秒乾燥させ、ベースフィルム上に樹脂層が積層されたフィルムを得た。
ベースフィルムとしてポリエチレンナフタレートフィルム(厚み6μm、中心平均表面粗さRa6.2nm)を用いた。このベースフィルムの一方の面に、樹脂層用塗料液Aを乾燥後の厚みが0.1μmになるようにコイルバーを用いて塗布した後、100℃で90秒乾燥させ、ベースフィルム上に樹脂層が積層されたフィルムを得た。
[実施例2]
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Bを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Bを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[実施例3]
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Cを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Cを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[実施例4]
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Dを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Dを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[実施例5]
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Eを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Eを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[実施例6]
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Fを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Fを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[比較例1]
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Gを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Gを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[比較例2]
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Hを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Hを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[比較例3]
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Iを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
樹脂層用塗布液Aの代わりに樹脂層用塗布液Iを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
積層フィルムの評価
1.帯電極性(摩擦帯電量)の測定
実施例、比較例で作製した各積層フィルムを12.65mm幅、20cmの長さに切り、樹脂層面を4mmφのSUS棒で10往復擦り、発生した摩擦帯電量をファラデーケージ(春日電機製KQ−1400)で測定した。測定環境および測定条件は、前述の通りとした。
2.塵埃付着性試験
実施例、比較例で作製した各積層フィルムを10cm角の正方形の大きさに切り、23℃、50%RHの、クリーン環境ではない実験室中に2週間放置した。クリーン環境ではない実験室で行った理由は、塵埃付着性の差をより明確に区別するためである。2週間後に、樹脂層表面に付着した1mm以上の塵埃の数をカウントした。
1.帯電極性(摩擦帯電量)の測定
実施例、比較例で作製した各積層フィルムを12.65mm幅、20cmの長さに切り、樹脂層面を4mmφのSUS棒で10往復擦り、発生した摩擦帯電量をファラデーケージ(春日電機製KQ−1400)で測定した。測定環境および測定条件は、前述の通りとした。
2.塵埃付着性試験
実施例、比較例で作製した各積層フィルムを10cm角の正方形の大きさに切り、23℃、50%RHの、クリーン環境ではない実験室中に2週間放置した。クリーン環境ではない実験室で行った理由は、塵埃付着性の差をより明確に区別するためである。2週間後に、樹脂層表面に付着した1mm以上の塵埃の数をカウントした。
以上の結果を、下記表1に示す。
評価結果
表1に示すように、樹脂層最表面の帯電極性がプラスであった実施例1〜6の積層フィルムは、樹脂層最表面の帯電極性がマイナスであった比較例1〜3の積層フィルムと比べて塵埃の付着が大きく低減された。
表1に示すように、樹脂層最表面の帯電極性がプラスであった実施例1〜6の積層フィルムは、樹脂層最表面の帯電極性がマイナスであった比較例1〜3の積層フィルムと比べて塵埃の付着が大きく低減された。
4.磁気記録媒体の実施例・比較例
[実施例7]
<磁性層塗布液の調製>
強磁性合金粉末(組成:Fe 100原子%に対して、Co 20原子%、Al 9原子%、Y 6原子%、Hc 175kA/m、結晶子サイズ 11nm、SBET 70m2/g、長軸長 45nm、σs 111A・m2/kg(111emu/g)) 100部
をオープンニーダーで10分間粉砕し、
塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製MR110)のシクロヘキサノン30%溶液 30部
ポリウレタン樹脂(東洋紡績(株)製UR8200)のメチルエチルケトン(MEK)/トルエン=1/1 30%溶液 30部
を添加して60分間混練し、次いで、
α−アルミナ(住友化学(株)製HIT55) 10部
カーボンブラック(旭カーボン(株)製#50) 3部
MEK/トルエン=1/1 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに、
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製コロネート3041) MEK/トルエン=1/1 30%溶液 15部
ステアリン酸 1部
ミリスチン酸 1部
イソヘキサデシルステアレート 3部
MEK 100部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層塗布液を調製した。
[実施例7]
<磁性層塗布液の調製>
強磁性合金粉末(組成:Fe 100原子%に対して、Co 20原子%、Al 9原子%、Y 6原子%、Hc 175kA/m、結晶子サイズ 11nm、SBET 70m2/g、長軸長 45nm、σs 111A・m2/kg(111emu/g)) 100部
をオープンニーダーで10分間粉砕し、
塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製MR110)のシクロヘキサノン30%溶液 30部
ポリウレタン樹脂(東洋紡績(株)製UR8200)のメチルエチルケトン(MEK)/トルエン=1/1 30%溶液 30部
を添加して60分間混練し、次いで、
α−アルミナ(住友化学(株)製HIT55) 10部
カーボンブラック(旭カーボン(株)製#50) 3部
MEK/トルエン=1/1 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに、
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製コロネート3041) MEK/トルエン=1/1 30%溶液 15部
ステアリン酸 1部
ミリスチン酸 1部
イソヘキサデシルステアレート 3部
MEK 100部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層塗布液を調製した。
<非磁性層用非磁性液の調製>
針状α−酸化鉄(長軸長 100nm、表面処理層;アルミナ、SBET 52m2/g、pH 9.4) 85部
カーボンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックEC) 15部
をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで、
塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製MR110)のシクロヘキサノン30%溶液 30部
ポリウレタン樹脂(東洋紡績(株)製UR8200) MEK/トルエン=1/1 30%溶液 30部
シクロヘキサノン 20部
を添加して60分間混練し、次いで、
MEK/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに、
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製コロネート3041) MEK/トルエン=1/1の30%溶液 15部
ステアリン酸 1部
ミリスチン酸 1部
イソオクチルステアレート 3部
MEK 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層塗布液を調製した。
針状α−酸化鉄(長軸長 100nm、表面処理層;アルミナ、SBET 52m2/g、pH 9.4) 85部
カーボンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックEC) 15部
をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで、
塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製MR110)のシクロヘキサノン30%溶液 30部
ポリウレタン樹脂(東洋紡績(株)製UR8200) MEK/トルエン=1/1 30%溶液 30部
シクロヘキサノン 20部
を添加して60分間混練し、次いで、
MEK/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに、
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製コロネート3041) MEK/トルエン=1/1の30%溶液 15部
ステアリン酸 1部
ミリスチン酸 1部
イソオクチルステアレート 3部
MEK 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層塗布液を調製した。
非磁性支持体として実施例1で作製した積層フィルムを用いて、樹脂層の上に上記非磁性層塗布液を、さらにその上に上記磁性層塗布液を、乾燥後の厚みがそれぞれ1.0μm、0.1μmになるようにリバースロールを用いて同時重層塗布した。磁性層塗布液が未乾燥の状態で0.5T(5,000G)のCo磁石と0.4T(4,000G)のソレノイド磁石で磁場配向を行い、溶剤を乾燥したものを金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合わせによってカレンダ処理し(速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90℃)、更に50℃で7日間熱処理し、12.65mm幅にスリットし、テープ状の磁気記録媒体を得た。
[実施例8]
実施例2で作製した積層フィルムを用いた点以外は、実施例7と同様の方法でテープ状の磁気記録媒体を得た。
実施例2で作製した積層フィルムを用いた点以外は、実施例7と同様の方法でテープ状の磁気記録媒体を得た。
[実施例9]
実施例3で作製した積層フィルムを用いた点以外は、実施例7と同様の方法でテープ状の磁気記録媒体を得た。
実施例3で作製した積層フィルムを用いた点以外は、実施例7と同様の方法でテープ状の磁気記録媒体を得た。
[比較例4]
比較例1で作製した積層フィルムを用いた点以外は、実施例7と同様の方法でテープ状の磁気記録媒体を得た。
比較例1で作製した積層フィルムを用いた点以外は、実施例7と同様の方法でテープ状の磁気記録媒体を得た。
[比較例5]
比較例2で作製した積層フィルムを用いた点以外は、実施例7と同様の方法でテープ状の磁気記録媒体を得た。
比較例2で作製した積層フィルムを用いた点以外は、実施例7と同様の方法でテープ状の磁気記録媒体を得た。
磁気記録媒体の評価
1.密着力の測定
実施例、比較例で作製した各テープから12.65mm幅、15cmの長さの測定用試料を切り出し、端から10cmに相当する磁性面全面に両面テープを貼り付け固定した。試料を180゜折り曲げ、両面テープが張られていない端を引っ張り、剥離強度を測定した。引っ張り速度は17mm/秒とした。測定環境は、23℃、50%RHで行った。上記方法により測定される密着力が300gf以上であれば、実用上十分な密着力を有すると判断することができる。
2.磁性層表面平均粗さRa
デジタルオプティカルプロフィメーター(WYKO製)を用い光干渉法によりカットオフ0.25mmの条件で中心線平均粗さRaを測定した。
3.電磁変換特性
DDS3ドライブにて4.7MHzの単一周波数信号を最適記録電流で記録し、その再生出力を測定した。比較例5の再生出力を0dBとした相対値で示した。
4.エラー発生数
上記の磁気記録再生システムを用いて1トラック90m長で再生を行い、出力落ちが35%以上かつ4ビット以上の長さの信号欠陥をエラーとして発生回数を測定した。
1.密着力の測定
実施例、比較例で作製した各テープから12.65mm幅、15cmの長さの測定用試料を切り出し、端から10cmに相当する磁性面全面に両面テープを貼り付け固定した。試料を180゜折り曲げ、両面テープが張られていない端を引っ張り、剥離強度を測定した。引っ張り速度は17mm/秒とした。測定環境は、23℃、50%RHで行った。上記方法により測定される密着力が300gf以上であれば、実用上十分な密着力を有すると判断することができる。
2.磁性層表面平均粗さRa
デジタルオプティカルプロフィメーター(WYKO製)を用い光干渉法によりカットオフ0.25mmの条件で中心線平均粗さRaを測定した。
3.電磁変換特性
DDS3ドライブにて4.7MHzの単一周波数信号を最適記録電流で記録し、その再生出力を測定した。比較例5の再生出力を0dBとした相対値で示した。
4.エラー発生数
上記の磁気記録再生システムを用いて1トラック90m長で再生を行い、出力落ちが35%以上かつ4ビット以上の長さの信号欠陥をエラーとして発生回数を測定した。
以上の結果を、下記表2に示す。
評価結果
一般に、電磁変換特性は磁性層表面が粗くなると低下し、エラー回数は磁性層表面の欠陥数が多いほど高くなる。これら電磁変換特性およびエラー回数に影響を及ぼす磁性層の表面性は、ベースフィルムと磁性層との間に設けた樹脂層表面の塵埃付着量が多いほど劣化する。表2に示すように、実施例7〜9の磁気テープが、平均粗さ、電磁変換特性、エラー回数の各評価項目において、比較例4、5の磁気テープと比べて優れた結果を示した理由は、表1に示すように、支持体に含まれる樹脂層表面の塵埃付着量が低減されたことにあると考えられる。また、実施例7〜9の磁気テープは、表2に示すように実用上十分な密着力を示した。この結果から、樹脂層において正帯電性を発揮する成分が、樹脂層の密着性を損なうことなく、塵埃付着防止効果を発揮したことが確認できる。
これに対し、比較例4で使用した比較例1の積層フィルムは、一般的に塵埃防止のために添加される帯電防止剤を添加したにもかかわらず、表1に示すように樹脂層表面への塵埃の付着が顕著であった。この結果から、単に導電性を高める成分の添加では塵埃付着防止には不十分であり、実施例に示すように正帯電性を発揮する成分を添加することによって塵埃の付着を防止できることが確認できる。比較例4の磁気テープが、平均粗さ、電磁変換特性、エラー回数の各評価項目において実施例と比べて劣った結果を示した理由は、塵埃が付着した樹脂層上に磁性層を積層したため、樹脂層表面の塵埃の影響により磁性層平滑性が低下するとともに、表面欠陥が増加したことにあると考えられる。また、比較例4の磁気テープの表面粗さが特に低下した理由については、樹脂層に添加したカチオン型帯電防止剤が磁性層表面にブリードしたことにあると推察している。比較例4の磁気テープにおいて密着力が著しく低下した理由も、カチオン型帯電防止剤の添加による影響と考えられる。
また、比較例5の磁気テープが、平均粗さ、電磁変換特性、エラー回数の各評価項目において実施例と比べて劣った結果を示した理由も、表1に示すように、樹脂層表面の塵埃付着量が多かったことに起因すると考えられる。
以上の結果から、本発明によれば、磁性層の下層に位置する樹脂層表面への塵埃の付着を防止することにより、優れた電磁変換特性と低エラーレートを両立した磁気記録媒体が得られることが示された。
一般に、電磁変換特性は磁性層表面が粗くなると低下し、エラー回数は磁性層表面の欠陥数が多いほど高くなる。これら電磁変換特性およびエラー回数に影響を及ぼす磁性層の表面性は、ベースフィルムと磁性層との間に設けた樹脂層表面の塵埃付着量が多いほど劣化する。表2に示すように、実施例7〜9の磁気テープが、平均粗さ、電磁変換特性、エラー回数の各評価項目において、比較例4、5の磁気テープと比べて優れた結果を示した理由は、表1に示すように、支持体に含まれる樹脂層表面の塵埃付着量が低減されたことにあると考えられる。また、実施例7〜9の磁気テープは、表2に示すように実用上十分な密着力を示した。この結果から、樹脂層において正帯電性を発揮する成分が、樹脂層の密着性を損なうことなく、塵埃付着防止効果を発揮したことが確認できる。
これに対し、比較例4で使用した比較例1の積層フィルムは、一般的に塵埃防止のために添加される帯電防止剤を添加したにもかかわらず、表1に示すように樹脂層表面への塵埃の付着が顕著であった。この結果から、単に導電性を高める成分の添加では塵埃付着防止には不十分であり、実施例に示すように正帯電性を発揮する成分を添加することによって塵埃の付着を防止できることが確認できる。比較例4の磁気テープが、平均粗さ、電磁変換特性、エラー回数の各評価項目において実施例と比べて劣った結果を示した理由は、塵埃が付着した樹脂層上に磁性層を積層したため、樹脂層表面の塵埃の影響により磁性層平滑性が低下するとともに、表面欠陥が増加したことにあると考えられる。また、比較例4の磁気テープの表面粗さが特に低下した理由については、樹脂層に添加したカチオン型帯電防止剤が磁性層表面にブリードしたことにあると推察している。比較例4の磁気テープにおいて密着力が著しく低下した理由も、カチオン型帯電防止剤の添加による影響と考えられる。
また、比較例5の磁気テープが、平均粗さ、電磁変換特性、エラー回数の各評価項目において実施例と比べて劣った結果を示した理由も、表1に示すように、樹脂層表面の塵埃付着量が多かったことに起因すると考えられる。
以上の結果から、本発明によれば、磁性層の下層に位置する樹脂層表面への塵埃の付着を防止することにより、優れた電磁変換特性と低エラーレートを両立した磁気記録媒体が得られることが示された。
本発明の磁気記録媒体は、優れた電磁変換特性と低エラーレートを実現することができるため、高い信頼性が求められるバックアップテープ等として好適である。
Claims (11)
- ベースフィルム上に樹脂層を有する磁気記録媒体用積層フィルムであって、
前記樹脂層は、該樹脂層において正帯電性を発揮する成分と、樹脂成分と、を含むことを特徴とする磁気記録媒体用積層フィルム。 - 前記樹脂成分は、負帯電性の成分である請求項1に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
- 前記樹脂成分は、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂からなる群から選ばれる請求項1または2に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
- 前記正帯電性成分は、アジン系染料、アクリル系ポリマーおよび琥珀酸イミド系化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
- 前記琥珀酸イミド系化合物は、ポリブテン琥珀酸イミド系化合物である請求項4に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
- 前記アジン系染料は、ニグロシン染料である請求項4に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
- 前記ベースフィルムは、ポリエステルフィルムである請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
- 前記樹脂層は、最表面における摩擦帯電量が0.00〜30.00nCの範囲である請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
- 前記正帯電性を発揮する成分を、前記樹脂層中に0.1〜20質量%含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用積層フィルム。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のフィルムの前記樹脂層上に、強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を有する磁気記録媒体。
- 前記樹脂層上に、非磁性粉末と結合剤とを含む非磁性層と、前記磁性層とをこの順に有する請求項10に記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009191036A JP2011044199A (ja) | 2009-08-20 | 2009-08-20 | 磁気記録媒体用積層フィルムおよび磁気記録媒体 |
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JP2009191036A JP2011044199A (ja) | 2009-08-20 | 2009-08-20 | 磁気記録媒体用積層フィルムおよび磁気記録媒体 |
Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015028830A (ja) * | 2013-06-24 | 2015-02-12 | 富士フイルム株式会社 | 磁気記録媒体および磁気記録媒体用塗料組成物 |
-
2009
- 2009-08-20 JP JP2009191036A patent/JP2011044199A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015028830A (ja) * | 2013-06-24 | 2015-02-12 | 富士フイルム株式会社 | 磁気記録媒体および磁気記録媒体用塗料組成物 |
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