JP2011044102A - 生体認証装置、テンプレート登録方法、生体認証方法およびプログラム - Google Patents

生体認証装置、テンプレート登録方法、生体認証方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像同士の位置合わせを行うことなく、ハフ変換後の生体情報を用いて精度の高い認証を行うことが可能な、生体認証装置、テンプレート登録方法、生体認証方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明に係る生体認証装置は、生体に固有な情報である生体情報をハフ変換するハフ変換部と、複数のハフ変換後の前記生体情報を、生体認証処理の際に基準となる生体情報であるテンプレートとして登録するテンプレート登録部と、ハフ変換後の前記生体情報を、予め登録されている複数の前記テンプレートに基づいて認証する生体情報認証部と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、生体認証装置、テンプレート登録方法、生体認証方法およびプログラムに関する。
近年、生体認証を用いた個人識別技術(バイオメトリックス)の導入が開始されている。生体認証を用いた個人識別技術(以下、生体認証と称する。)では、認証に用いる生体認証用データを予めテンプレートとして登録しておき、認証時には、予め登録されているテンプレートと、認証時に生成された生体認証用データとの照合が行われる。
通常、生体認証では、認証に用いられるテンプレートには、指紋や静脈などの2次元パターンが格納されており、この2次元の画像情報を用いて認証処理が実行される。ここで、認証処理の精度を向上させるために、認証時に生成された生体画像およびテンプレートに対してハフ変換を行い、ハフ変換後の各画像を用いて認証を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2008−269629号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法では、ハフ変換後の各画像を用いて認証を行うに先立ち、ハフ変換前の2次元の画像情報を用いて画像同士の位置合わせを行う必要があるという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、画像同士の位置合わせを行うことなく、ハフ変換後の生体情報を用いて精度の高い認証を行うことが可能な、生体認証装置、テンプレート登録方法、生体認証方法およびプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、生体に固有な情報である生体情報をハフ変換するハフ変換部と、複数のハフ変換後の前記生体情報を、生体認証処理の際に基準となる生体情報であるテンプレートとして登録するテンプレート登録部と、ハフ変換後の前記生体情報を、予め登録されている複数の前記テンプレートに基づいて認証する生体情報認証部と、生体認証装置が提供される。
前記テンプレート登録部は、前記ハフ変換後の生体情報を符号化した後に、前記テンプレートとして登録してもよい。
前記複数のテンプレートは、互いの相対的な位置関係が規定されており、前記生体情報認証部は、前記複数のテンプレートと、前記ハフ変換後の生体情報との類似度をそれぞれ算出し、算出した前記類似度と、前記位置関係とに基づいて、前記ハフ変換後の生体情報の認証を行ってもよい。
前記生体情報認証部は、得られた前記類似度に応じて、前記複数のテンプレートの重み付けを行ってもよい。
前記生体情報認証部は、前記類似度の最高値が得られた前記テンプレートと、当該類似度の最高値が得られたテンプレートの周囲に位置する他のテンプレートとに基づいて、認証の成否を判断してもよい。
前記生体情報認証部は、前記類似度の最高値が得られたテンプレートを基準とし、基準となったテンプレートからの距離の和が所定の範囲内となる位置に存在するテンプレートを前記他のテンプレートとし、前記他のテンプレートに対応する前記類似度の和が所定の閾値以上であった場合に、認証に成功したと判断してもよい。
前記生体認証装置は、生体の一部を撮像した生体撮像画像から前記生体情報を抽出する生体情報抽出部と、抽出された前記生体情報に基づいて前記テンプレートとして登録される生体情報を選択するとともに、選択された前記生体情報に基づいて前記テンプレートとして登録される生体情報を生成するテンプレート生成部と、を更に備えてもよい。
前記テンプレート生成部は、前記選択された生体情報を所定の方向に所定の画素だけ平行移動させて、前記テンプレートとして登録される生体情報を生成してもよい。
前記生体情報認証部は、前記ハフ変換後の生体情報の認証処理を複数回連続して実行し、認証に成功した回数が所定の閾値以上となった場合に、最終的に認証に成功したと判断してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、生体に固有な情報である生体情報を複数抽出するステップと、抽出された複数の前記生体情報をハフ変換するステップと、ハフ変換後の前記複数の生体情報を、生体認証処理の際に基準となる生体情報であるテンプレートとして登録するステップと、を含むテンプレート登録方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、生体に固有な情報である生体情報を抽出するステップと、抽出された前記生体情報をハフ変換するステップと、ハフ変換後の前記生体情報を、生体認証処理の際に基準となる生体情報である複数のテンプレートに基づいて認証するステップと、を含む生体認証方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、コンピュータに、生体に固有な情報である生体情報をハフ変換するハフ変換機能と、複数のハフ変換後の前記生体情報を、生体認証処理の際に基準となる生体情報であるテンプレートとして登録するテンプレート登録機能と、ハフ変換後の前記生体情報を、予め登録されている複数の前記テンプレートに基づいて認証する生体情報認証機能と、を実現させるためのプログラムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、画像同士の位置合わせを行うことなく、ハフ変換後の生体情報を用いて精度の高い認証を行うことが可能である。
一般的な生体認証方法を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る生体認証装置の概要を説明するための説明図である。 同実施形態に係る生体認証装置の構成を説明するためのブロック図である。 同実施形態に係る生体認証装置を説明するための説明図である。 同実施形態に係る生体認証装置を説明するための説明図である。 同実施形態に係るテンプレート生成部を説明するための説明図である。 同実施形態に係るテンプレート生成部を説明するための説明図である。 同実施形態に係るテンプレート生成部を説明するための説明図である。 同実施形態に係るテンプレート登録部の構成を説明するためのブロック図である。 ハフ空間画像の符号化について説明するための説明図である。 ハフ空間画像の符号化について説明するための説明図である。 ハフ空間画像の符号化について説明するための説明図である。 ハフ空間画像の符号化について説明するための説明図である。 ハフ空間画像の符号化について説明するための説明図である。 ハフ空間画像の符号化について説明するための説明図である。 同実施形態に係る生体認証部の構成を説明するためのブロック図である。 同実施形態に係る生体認証部を説明するための説明図である。 同実施形態に係る生体認証部を説明するための説明図である。 同実施形態に係る生体認証部を説明するための説明図である。 同実施形態に係る生体認証部を説明するための説明図である。 同実施形態に係る生体認証部を説明するための説明図である。 同実施形態に係る生体認証部を説明するための説明図である。 同実施形態に係る生体認証部を説明するための説明図である。 同実施形態に係る生体認証部を説明するための説明図である。 同実施形態に係るテンプレート登録方法について説明するための流れ図である。 同実施形態に係る生体認証方法について説明するための流れ図である。 同実施形態に係る生体認証方法について説明するための流れ図である。 本発明の実施形態に係る生体認証装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
以下の説明では、生体認証の一例として、指静脈認証を例にとって説明を行なうものとする。しかしながら、本発明は、指静脈認証のみに限定されるわけではなく、指紋認証、顔認証、虹彩認証など、他の様々な生体認証についても適用することが可能である。
なお、説明は、以下の順序で行うものとする。
(1)概要
(2)第1の実施形態
(2−1)生体認証装置の構成について
(2−2)テンプレート登録方法について
(2−3)生体認証方法について
(3)本発明の実施形態に係る生体認証装置のハードウェア構成について
(4)まとめ
(概要)
本発明の実施形態に係る生体認証装置について詳細に説明するに先立ち、図1および図2を参照しながら、本発明の実施形態に係る生体認証装置の概要について、簡単に説明する。図1は、一般的な生体認証方法を説明するための説明図である。図2は、本発明の実施形態に係る生体認証装置の概要を説明するための説明図である。
まず、図1を参照しながら、一般的な生体認証方法を、指静脈を用いた生体認証処理を例にとって簡単に説明する。
一般的な指静脈認証処理では、認証処理の際に基準となる生体情報(生体に固有な情報)であるテンプレートを、予め認証処理を行うシステムに登録しておく。このテンプレートは、生体の一部を撮影して生成される2次元の画像情報に基づいて生成される情報である。この際、一人のユーザに対して1つのテンプレートを登録しておくのではなく、一人のユーザに対して複数個のテンプレートが登録されていることが多い。
一般的な指静脈認証処理では、ハフ変換後の生体画像のみを用いた認証が困難であるため、テンプレートと生体認証用に生成された認証用画像とを用いて事前に位置合わせを行い、その後、テンプレートおよび認証用画像をハフ変換して、認証処理を行っている。
このように、一般的な指静脈認証処理では、認証処理に先立つ事前の位置合わせが不可欠なため、実際の認証処理に先立ち行われる処理によって認証時間が長くなってしまう。また、一般的な指静脈認証処理では、位置合わせのためにテンプレートを実空間でのデータとして保持する必要があるため、テンプレートの暗号化が必要であった。
そこで、以下で説明する本発明の実施形態に係る生体認証装置では、例えば図2に示したように、1人のユーザに対して複数(例えば、3個)のテンプレートを選択すると、これらのテンプレートに基づいて、新たなテンプレートを更に生成する。新たなテンプレートの生成は、例えば図2に示したように、基準となるテンプレートを、上下にシフトさせる(平行移動させる)ことにより行われる。
本発明の実施形態に係る生体認証装置は、入力されたテンプレートおよび新たに生成したテンプレートからなるテンプレート群をハフ変換し、生体認証処理に利用するテンプレートとして登録する。
また、生体認証装置は、入力された認証用画像に対して認証処理を行う際には、認証用画像をハフ変換した後、ハフ変換後の画像同士を比較することで、画像同士の位置合わせを行うことなく、認証結果の判定を行う。
以下で説明する本発明の実施形態に係る生体認証装置では、ハフ変換後の画像をテンプレートとして保持するため、テンプレート自体を暗号化しなくてよい。なぜなら、ハフ変換された画像を、実空間での画像に逆変換することは非常に困難であるため、ハフ変換後の画像(テンプレート)を取得した第三者が実空間での生体画像を得ることは、困難だからである。また、以下で説明する本発明の実施形態に係る生体認証装置では、ソフトウェアだけの実装も可能となる。
以下、図3〜図20を参照しながら、本発明の実施形態に係る生体認証装置について、詳細に説明する。
(第1の実施形態)
<生体認証装置の構成について>
続いて、図3〜図20を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る生体認証装置の構成について、詳細に説明する。
本実施形態に係る生体認証装置10は、図3に例示したように、生体撮像部101、撮像制御部103、生体情報抽出部105、テンプレート生成部107、ハフ変換部109、テンプレート登録部111、生体情報認証部113および記憶部115を主に備える。
[生体撮像部について]
図4Aに示したように、本実施形態に係る生体認証装置10の生体撮像部101は、光源部LS上に配置された指表面FGを撮像素子Camにより撮像し、指の内部に存在する静脈に関する生体情報である静脈情報の抽出を行う。ユーザは、撮像の際に、長さ方向に沿った軸を回転軸として、軸をほぼ固定したまま指を回転させる。その結果、ユーザの指は、光源部LS上の近傍で平行移動することなく存在することとなる。
この状態で指を撮像すると、撮像対象である指は、図4Bに示したように様々な方向から撮像されることとなる。その結果、同一の指の内部に存在する静脈を、様々な方向から撮像した複数の静脈撮像データが得られることとなる。
以下では、生体撮像部101について、更に詳細に説明する。
生体撮像部101は、指などの生体表面に対して所定波長の近赤外光を照射する光源部(図示せず。)と、生体内を透過した近赤外光を撮像する撮像光学部(図示せず。)を含む。
光源部は、体表面(例えば、指表面)FGに対して所定の波長帯域を有する近赤外光を照射する。近赤外光は、身体組織に対して透過性が高い一方で、血液中のヘモグロビン(還元ヘモグロビン)に吸収されるという特徴を有するため、近赤外光を指や手のひらや手の甲に照射すると、指や手のひらや手の甲の内部に分布している静脈が影となって画像に現れる。画像に表れる静脈の影を、静脈パターンという。このような静脈パターンを良好に撮像するために、発光ダイオード等の光源部は、約600nm〜1300nm程度の波長、好ましくは、700nm〜900nm程度の波長を有する近赤外光を照射する。
ここで、光源部が照射する近赤外光の波長が600nm未満または1300nm超過である場合には、血液中のヘモグロビンに吸収される割合が小さくなるため、良好な静脈パターンを得ることが困難となる。また、光源部が照射する近赤外光の波長が700nm〜900nm程度である場合には、近赤外光は、脱酸素化ヘモグロビンと酸素化ヘモグロビンの双方に対して特異的に吸収されるため、良好な静脈パターンを得ることができる。
また、上述のような波長帯域を有する発光ダイオードのような光源を用いる代わりに、上述の波長帯域を含む光を射出可能な発光ダイオードと、射出された光を光学的に帯域制限するフィルタとを組み合わせたものを使用してもよい。
光源部から射出された近赤外光は、指表面FGに向かって伝搬し、直接光として、生体の側面などから内部に入射する。ここで、人体は良好な近赤外光の散乱体であるため、生体内に入射した直接光は四方に散乱しながら伝搬する。生体内を透過した近赤外光は、撮像部の光学素子に入射することとなる。
撮像光学部は、CCD(Charge Coupled Devices:電荷結合素子)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子とレンズ等の光学素子から構成される光学系とを含む。
撮像光学部を構成する光学系は、1または複数の光学素子と、1または複数の撮像素子と、から構成される。本実施形態に係る撮像光学部の光学系は、静脈の撮像専用のものであってもよく、予め存在している光学系を静脈撮像用の光学系として利用するようにしてもよい。
人体の皮膚は、表皮層、真皮層および皮下組織層の3層構造となっていることが知られているが、静脈の存在する静脈層は、真皮層に存在している。真皮層は、指表面に対して0.1mm〜0.3mm程度の位置から2mm〜3mm程度の厚みで存在している層である。したがって、このような真皮層の存在位置(例えば、指表面から1.5mm〜2.0mm程度の位置)にレンズ等の光学素子の焦点位置を設定することで、静脈層を透過した透過光を、効率よく集光することが可能となる。
光学素子によって集光された静脈層を透過した透過光は、撮像素子に結像されて、静脈撮像データとなる。
[撮像制御部について]
撮像制御部103は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により実現される。撮像制御部103は、所定の時間間隔が経過する毎に、光源部および撮像光学部を制御して、複数の撮像データを生成する。指表面FGの撮像を行う時間間隔は、本実施形態に係る生体認証装置10の処理能力等に応じて任意の値に設定することが可能である。
撮像制御部103は、撮像素子によって生成された撮像データを、後述する生体情報抽出部105に出力させる。なお、生成される撮像データは、RGB(Red−Green−Blue)信号であってもよいし、それ以外の色やグレースケール等の画像データであってもよい。
なお、本実施形態に係る撮像光学部は、光源部から照射され、指内部を透過した透過光を撮像する、いわゆる透過型配置の撮像装置であってもよく、指内部で反射した近赤外光の反射光を撮像する、いわゆる反射型配置の撮像装置であってもよい。
[生体情報抽出部について]
生体情報抽出部105は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。生体情報抽出部105は、生体撮像部101から伝送された撮像データのなかから、ユーザの静脈パターンを表す画像である静脈画像を抽出する。この静脈画像が、ユーザの生体に固有な生体情報となる。この生体情報抽出部105は、例えば、画像平滑化部、輪郭抽出部、マスク画像生成部、切出部、静脈平滑化部、静脈画像2値化部、太線化部、細線化部、サムネイル画像生成部といった処理部を更に有する。
画像平滑化部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。画像平滑化部は、伝送された撮像データに対して、例えばガウシアンと呼ばれる空間フィルタを用いてフィルタ処理を施し、静脈撮像データに対応する静脈画像を平滑化する。
輪郭抽出部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。輪郭抽出部は、画像平滑化部によって平滑化された静脈画像に対して、例えばLog(Laplacian of Gaussian)フィルタと呼ばれる空間フィルタを用いてフィルタ処理を施し、静脈画像における輪郭を強調して浮き彫りにする。
マスク画像生成部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。マスク画像生成部は、輪郭抽出部によって輪郭が強調された静脈画像から、背景部分とのコントラストを基に、指輪郭などの輪郭線を検出する。また、マスク画像生成部は、検出された輪郭線に囲まれる指領域と、それ以外の領域とを、2値で示す画像(以下、これをマスク画像とも称する。)を生成する。
切出部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。切出部は、輪郭抽出部によって輪郭が強調された静脈画像から、マスク画像生成部によって生成されたマスク画像を用いて、指輪郭に囲まれる指領域を含む所定サイズの画像を切り出す。
静脈平滑化部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。静脈平滑部は、切出部によって切り出された静脈画像に対して、例えばメディアンと呼ばれる空間フィルタを用いてフィルタ処理を施し、静脈画像における静脈部分を平滑化する。
静脈画像2値化部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。静脈画像2値化部は、静脈平滑化部によって静脈部分が平滑化された静脈画像を、設定された輝度レベルを基準として、2値レベルに変換する。ここで、仮に、静脈が平滑化される前の静脈画像を2値化対象の画像とした場合、実際には一本の静脈が、2値化によって2本の静脈として分離される確率が高くなる。したがって、静脈が平滑化された静脈画像を2値化対象とすることで、実際の静脈に近似する状態での2値化が可能となる。
太線化部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。太線化部は、静脈画像2値化部によって2値化された静脈画像に対して、例えばダイレーションと呼ばれる空間フィルタを用いてフィルタ処理を施し、静脈画像に含まれる静脈を太線化する。この結果、本来連結された静脈箇所であるにもかかわらず途切れていた静脈箇所が連結される。
細線化部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。細線化部は、太線化部によって静脈部分が太線化された静脈画像に対して、例えばエロージョンと呼ばれる空間フィルタを用いてフィルタ処理を施し、静脈部分の静脈幅を一定とする。
サムネイル画像生成部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。サムネイル画像生成部は、静脈幅が一定となった静脈部分と、背景部分とを2値で示す静脈画像を細線化部から取得し、この静脈画像から、縦横サイズをn分の1倍に圧縮した画像であるサムネイル画像を生成する。
このようにして生体情報抽出部105は、静脈幅が一定とされる静脈部分と背景部分とを2値で示す画像を、生体情報として抽出する。生体情報抽出部105は、抽出した生体情報である静脈画像(細線化された静脈画像)を、テンプレート登録部107、ハフ変換部109へと伝送する。ここで、生体情報抽出部105が生体情報をテンプレート登録部107に伝送するのは、あるユーザのテンプレートを登録する際である。また、生体情報抽出部105が生体情報をハフ変換部109に伝送するのは、あるユーザの認証処理を行う際である。
[テンプレート生成部について]
テンプレート生成部107は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。テンプレート生成部107は、生体情報抽出部105により抽出された生体情報に基づいて、テンプレートとして登録される生体情報を選択するとともに、選択された生体情報に基づいて、テンプレートとして登録される生体情報を生成する。
まず、テンプレート生成部107が有する生体情報の選択処理および選択された生体情報に基づく新たなテンプレートの生成処理という2つの機能のうち、生体情報の選択処理について詳細に説明する。
テンプレート生成部107は、生体情報抽出部105から伝送された複数の生体情報のなかから、一つの生体情報を選択する。ここで、生体情報抽出部105から伝送される生体情報は、生体の内部に存在する静脈のパターンを表すものであり、生体情報抽出部105から、選択するテンプレートの個数に対応する生体情報が伝送されるものとする。選択する生体情報は、静止状態下で撮像された最初の生体情報とすることが好ましい。次に、テンプレート生成部107は、選択した生体情報の撮像範囲を基準として、抽出された生体情報それぞれの回転運動に伴う指の回転方向と回転量とを算出する。回転方向と回転量とを算出する方法としては、様々な方法を用いることが可能であるが、例えば、以下のような方法を用いることができる。
例えば、テンプレート生成部107は、基準として選択した生体情報と、選択したもの以外の生体情報と、の相関値を算出することで、回転方向と回転量とを算出することが可能である。
相関値は、以下の式1で定義されるものであり、2つのデータf1、f2間の類似度を示す統計学指標であって、−1から1までの実数値をとる。相関値が1に近い値を示す場合には、2つのデータは類似していることを示し、相関値が0に近い値を示す場合には、2つのデータは類似していないことを示す。また、相関値が−1に近い値を示す場合には、2つのデータの符号が反転しているような場合を示す。
ここで、本明細書では、f1およびf2は生体情報(すなわち、静脈パターン)を表すデータであり、M行N列からなる画像サイズを有しているとする。また、各静脈パターンの画素を(m,n)と表すこととする。
Figure 2011044102
・・・(式1)
ここで、2つのデータf1およびf2が完全に一致していれば、その相関値の値は1となり、そのピーク位置は、mn平面の略中央となる。そのため、データf1およびf2の双方を、基準として選択した生体情報として相関値を算出すれば、相関値の値は1となり、そのピーク位置が回転方向および回転量を算出する際の基準ピーク位置となる。
次に、テンプレート生成部107は、基準として選択した生体情報をf1とし、選択したもの以外の生体情報をf2として相関値を算出する。算出された相関値が所定の閾値以上であれば、選択したもの以外の生体情報が、実際に回転する指から得られた画像である可能性が高いことを意味する。また、算出したピーク位置の基準ピーク位置からのズレの方向が回転方向に相当し、ピーク位置のズレ量が回転量に相当する。
次に、テンプレート生成部107は、算出した回転方向および回転量に基づいて、撮像範囲のズレ量を算出し、撮像範囲のズレ幅が所定の閾値以上となったか否かを判定する。生成された生体情報の大きさが例えば長さ160ピクセル×幅60ピクセルであるとすると、上記閾値を、例えば基準となる静脈パターンの撮像範囲を表すピクセル量の10%程度、すなわち、6ピクセル程度とすることが可能である。この撮像範囲のズレ幅の閾値が、回転ズレを含むテンプレートの登録範囲となる。
ここで、判定の結果、撮像範囲のズレ幅が所定の閾値以上であった場合には、テンプレート生成部107は、抽出された生体情報全てを登録情報として選択する。
また、判定の結果、撮像範囲のズレ幅が所定の閾値未満であった場合には、テンプレート生成部107は、引き続き生体情報抽出部105から伝送されてくる複数の生体情報について、ズレ幅が所定の閾値以上となるまで判定を継続する。より詳細には、テンプレート生成部107は、伝送されてくる生体情報について、撮像範囲の両端に位置する生体情報を保持する。また、テンプレート生成部107は、両端に位置する生体情報間に存在する複数の生体情報の中から、相隣接する生体情報間距離が略均等に近づく位置に存在するものを選択する。
かかる処理を行うことで、テンプレート生成部107は、生体情報抽出部105から伝送された複数の生体情報の中から、テンプレートとして登録する生体情報を選択することが可能である。
続いて、図5を参照しながら、選択した生体情報に基づく、新たなテンプレートの生成処理について詳細に説明する。なお、図5では、テンプレート生成部107が、生体情報抽出部105から伝送された生体情報の中から、3個の生体情報(図中のA,B,Cで表された生体情報)を抽出した場合について図示している。
なお、先に説明したように、選択された生体情報A,B,Cについては、回転方向および回転量がわかっているため、図5に示したように、それぞれの生体情報がどのような順番で並んでいるかを明確に決定することができる。
テンプレート生成部107は、生体情報抽出部105から伝送された複数の生体情報の中からテンプレートとして登録する生体情報を選択すると、これらの選択された生体情報に基づいて、テンプレートとして登録する新たな生体情報を生成する。本実施形態の場合、図中に示した生体情報A,B,Cは、互いに指の幅方向にズレが生じている生体情報である。そのため、テンプレート生成部107は、指の幅方向と直交する方向である上下方向(すなわち、指の長さ方向)に各テンプレートを所定の画素数分だけ平行移動させて、新たな生体情報を生成する。
すなわち、テンプレート生成部107は、生体情報Aを利用して、生体情報Aを下方に所定のピクセル(図5では、10ピクセル)だけ平行移動させて、生体情報A’を新たに生成する。また、テンプレート生成部107は、生体情報Aを上方に所定のピクセル(図5では、10ピクセル)だけ平行移動させて、生体情報A”を新たに生成する。テンプレート生成部107は、同様にして生体情報B,Cについても、新たな生体情報の生成を行い、生体情報B’,B”および生体情報C’,C”を生成する。
なお、テンプレート生成部107は、平行移動量を、図5に示したように予め設定された定数として扱ってもよく、選択された生体情報のズレ幅に応じて動的に決定してもよい。平行移動量を動的に決定する場合の一例として、選択した生体情報間の平均のズレ量と等しくなるように、平行移動量を決定する方法を挙げることができる。平行移動量を動的に決定することで、選択および生成された生体情報が、ある領域内に均等に位置することとなり、より正確な生体認証処理が可能となる。
テンプレート生成部107は、このようにして選択および生成された複数の生体情報に基づいて、互いの相対的な位置関係を決定することが可能である。すなわち、テンプレート生成部107が選択した生体情報A〜Cについては、回転方向および回転量に基づいて、互いの位置関係を決定することが可能である。また、テンプレート生成部107が生成した生体情報については、生成の基準とした生体情報からの平行移動量として、互いの位置関係を決定することができる。
テンプレート生成部107は、かかる処理を行うことで、各テンプレートがどのような順番で配置されているのかを表す情報を生成することができる。図5に示した例では、テンプレート生成部107は、テンプレートの配置順序に関する情報として、例えば、「左上から順に、B”,A”,C”,B,A,C,B’,A’,C’と3個ずつテンプレートが並んでいる」旨を表す情報を生成する。また、テンプレート生成部107は、このテンプレートの配列順序に関する情報に、互いのテンプレートの離隔距離に関する情報を追記してもよい。
テンプレート生成部107は、かかる新たな生体情報の生成処理が終了すると、選択した生体情報および新たに生成した生体情報の全てを、登録するテンプレートとして、後述するハフ変換部109に伝送する。また、テンプレート生成部107は、テンプレートの配置順序に関する情報を、後述するテンプレート登録部111に伝送する。
なお、図5では、テンプレート生成部107が選択した生体情報それぞれについて、2個の新たな生体情報を生成する場合について説明したが、本発明の実施形態に係るテンプレート生成部107が生成する生体情報の個数が上述の場合に限定されるわけではない。例えば図6の左側に示したように、テンプレート生成部107は、選択した生体情報それぞれについて、4個の新たな生体情報を生成してもよく、それ以上の個数の新たな生体情報を生成してもよい。
また、テンプレート生成部107が選択する生体情報の個数は、図5等に示した個数に限定されるわけではなく、例えば図6の右下に示したように、4個の生体情報を選択してもよく、5個以上の生体情報を選択してもよい。
また、テンプレート生成部107が新たな生体情報を生成する際に行う平行移動の方向は、上下方向に限定されるわけではなく、例えば図7に示したように、斜め方向であってもよい。この場合、各テンプレート間の離隔距離は、図7の下方に示したマトリックスを考慮した際のマス目の個数そのものを利用してもよい。例えば、図7の下方に示したマトリックスにおいて、A−B間の離隔距離を、マス目を用いて3とし、A−A間の離隔距離を、マス目の関係を利用して1.4としてもよい。また、テンプレート間の離隔距離として、先に説明したような相対的な値ではなく、生体情報の回転量そのもの(すなわち、絶対的な値)を利用してもよい。
[ハフ変換部について]
再び図3に戻って、本実施形態に係るハフ変換部について、詳細に説明する。
ハフ変換部109は、例えば、CPU、ROM、RAM等によって実現される。ハフ変換部109は、入力された生体画像(例えば、指静脈画像)に対してハフ変換(Hough transformation)を実行し、ハフ変換後の生体画像であるハフ空間画像を生成する。
ハフ変換は、xy空間上の任意の点(x,y)を、以下の式2によりρθ空間(以下、ハフ空間と称する。)における1本の曲線へと変換する変換である。
ρ=x・cosθ+y・sinθ ・・・(式2)
ハフ変換部109に入力される生体情報は、例えば図5の右側に示したように、指静脈に該当する部分が線分として表された画像である。この指静脈画像は、例えば、指静脈に該当する画素がデータ1となっており、指静脈ではない部分の画素がデータ0となっているバイナリ画像であってもよい。ハフ変換部109は、入力された生体情報における指静脈に該当する画素の座標を、上記式2によりハフ変換し、ハフ変換後の画像(以下、ハフ空間画像と称する。)とする。
ハフ変換部109は、指静脈画像における指静脈部分の座標(x,y)それぞれについて、当該座標(x,y)に対応するハフ空間での曲線上の座標に投票を行う。その結果、生成されたハフ空間画像において、複数の曲線が交差する交点の投票値は、高い値となる。従って、ハフ変換部109によって生成されるハフ空間画像は、ハフ空間画像を構成する各画素における投票値の大小が図示された画像となる。従って、投票値の大小を、画素の色の濃淡で表すようにすれば、ハフ空間画像は、投票値の高い座標ほど濃い色で表される画像となる。
ハフ変換部109には、生体情報抽出部105およびテンプレート生成部107から、生体情報が伝送される。生体情報抽出部105から直接伝送される生体情報は、登録されているテンプレートに基づく生体認証処理に利用される生体情報である。また、テンプレート生成部107から伝送される複数の生体情報は、あるユーザのテンプレートとして登録すべき生体情報である。
ハフ変換部109は、伝送された生体情報を上述の方法でハフ変換してハフ空間画像とする。ハフ変換部109は、生体情報がテンプレート生成部107から伝送された場合、生成したハフ空間画像群を後述するテンプレート登録部111に伝送する。また、ハフ変換部109は、生体情報が生体情報抽出部105から伝送された場合、生成したハフ空間画像を、後述する生体情報認証部113に伝送する。
[テンプレート登録部について]
テンプレート登録部111は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。テンプレート登録部111は、ハフ変換部109から伝送された複数のハフ変換後の生体情報を、生体認証処理の際に基準となる生体情報であるテンプレートとして登録する。テンプレート登録部111は、テンプレートとして登録される生体情報を後述する記憶部115等に登録する際、生体情報を以下で説明する方法で符号化することが好ましい。
このテンプレート登録部111は、例えば図8に示したように、2値化部121と、ブロック検出部123と、符号化データ登録部125と、を更に備える。
2値化部121は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。2値化部121は、ハフ変換部109から伝送されたハフ空間画像を、当該ハフ空間画像の投票値に基づいて2値化し、2値化されたハフ空間画像であるハフ空間2値化画像を生成する。
以下で説明する2値化処理に先立ち、2値化部121は、パラメータρ,θをそれぞれ所定の大きさ(Δρ,Δθ)で離散化することにより、Δρ×Δθの矩形範囲に入る交点座標を全て同一の交点として投票値のカウントを行う。このような離散化を行うことで、投票値を保持すべきデータ点(すなわち、ハフ空間における座標)の個数を削減することが可能となる。
例えば、ハフ空間画像が、ρおよびθについて、−60≦ρ≦60、−90≦θ≦90という範囲を有している場合に、Δρ=2、Δθ=3と設定すると、ハフ空間画像は、60×60=3600画素の画像となり、約450バイト程度のデータ量となる。
2値化部121は、離散化された座標それぞれにおける投票値と、所定の閾値とに基づいて、ハフ空間画像の2値化を行う。この閾値は、ハフ変換後の生体画像を利用した生体認証装置10の本人拒否率(False Rejection Rate:FRR)や他人受け入れ率(False Acceptance Rate:FAR)等に影響を与えるパラメータである。そのため、2値化の際に用いられる閾値は、実際の認証処理結果を統計処理して得られるデータ等に基づき、予め適切な値に設定される。
例えば、2値化部121は、まず、残存画素が比較的多くなるような閾値(換言すれば、値の小さな閾値)Hthr に基づいて、2値化処理を行うハフ空間画像を2値化し、残存画素の個数Nを決定する。残存画素が所定の閾値Nthrよりも多い(N>Nthr)場合には、2値化部121は、閾値Hthr を所定の刻み分ΔHthrだけ大きくして、新たな閾値Hthr (Hthr =Hthr +ΔHthr)を設定する。続いて、2値化部121は、ハフ空間画像に対してHthr を用いて再度2値化処理を行い、残存画素の個数Nを決定する。このような処理を(q+1)回繰り返して(q+1)回目の処理における残存画素Nを決定し、N<Nthrとなった場合に、2値化部121は、残存画素数が収束したと判断する。次に、2値化部121は、一つ手前の処理における閾値Hthr を2値化処理における閾値と決定し、閾値Hthr における残存画素数Nq−1の画像を、2値化されたハフ空間画像であるハフ空間2値化画像とする。
このようにして決定された閾値Hthrを用いて、2値化部121は、ハフ空間画像の2値化処理を行う。2値化部121は、対応する画素(座標)の投票値が閾値Hthr以上であるものについては、該当する画素に投票がなされたと判断し、投票値が閾値Hthr未満である画素については、該当する画素に投票がなされなかったと判断する。このような処理を行うことで、2値化部121は、ハフ空間画像を2値化し、バイナリ画像であるハフ空間2値化画像を生成することができる。例えば図9の中央に示したハフ空間画像は、2値化部121により適切な閾値Hthrで2値化されることにより、図9の右側に示したようなバイナリ画像であるハフ空間2値化画像となる。
かかる処理によりハフ空間画像の2値化を行うことで、ハフ空間画像の各画素における投票値を詳細に保持することが不要となり、ハフ空間画像のデータ容量の削減を図ることが可能となる。
2値化部121は、生成したハフ空間2値化画像を、後述するブロック検出部123へと伝送する。
ブロック検出部123は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。ブロック検出部123は、所定の形状を有するブロックが、ハフ変換後の生体画像(例えば、ハフ空間2値化画像)の中に含まれているか否かを検出する。また、ブロック検出部123は、上記ブロックがハフ変換後の生体画像中に含まれている場合に、ハフ変換後の生体画像中におけるブロックの存在位置を表す存在位置情報を出力する。以下、ブロック検出部123が行うブロック検出処理について、詳細に説明する。
図9から明らかなように、ハフ空間における画像は、正弦波(sin関数曲線)の集合である。そのため、ハフ空間2値化画像では、画素が水平方向につながった横線や画素が鉛直方向につながった縦線が、突出して残存することは少なく、画素が斜め方向につながったものや、複数の画素がまとまって矩形領域を形成しているものが多く存在する。そこで、本実施形態に係るブロック検出部123は、例えば図10に示したようなブロックを利用して、当該ブロックがハフ空間2値化画像のどの場所に何個存在するかを検出する。
まず、ブロック検出部123がブロック検出処理に利用するブロックについて説明する。ブロック検出部123がブロック検出処理に利用するブロックは、例えば図10に示したように1または複数の単位ブロックから構成される。単位ブロックは、ハフ空間2値化画像を構成する単位画素の大きさと同一の大きさを有していることが好ましい。ハフ空間2値化画像を構成する画素がΔρ×Δθで離散化されている場合には、単位ブロックの大きさは、図10に示したように、Δρ×Δθとなる。
ブロック検出処理に用いられる各種のブロックは、例えば図10に示したように、単位ブロックが所定の傾きを有するように複数連結されたものである。また、ブロック検出処理に用いられるブロックとして、単位ブロックそのものを用いてもよい。ブロック検出部123は、例えば図10に示したように、単位ブロック間の連結状態が互いに異なる複数種類のブロックを利用する。
このブロックの例として、図10に示したように、右下がり、右上がり、横並び、縦並びといった単位ブロック間の連結状態が異なる4種類のブロックがある。右下がりのブロックは、図10に示したように、ある単位ブロックの右下の角と、この単位ブロックに隣接する単位ブロックの左上の角とが連結しているブロックである。右上がりのブロックは、図10に示したように、ある単位ブロックの右上の角と、この単位ブロックに隣接する単位ブロックの左下の角とが連結しているブロックである。横並びのブロックは、図10に示したように、ある単位ブロックの右端の辺と、この単位ブロックに隣接する単位ブロックの左端の辺とが連結しているブロックである。縦並びのブロックは、図10に示したように、ある単位ブロックの下端の辺と、この単位ブロックに隣接する単位ブロックの上端の辺とが連結しているブロックである。
以下では、横並びのブロックの傾きを0度と表すこととし、横並びのブロックの傾きを基準として、右上がりのブロックの傾きを45度、縦並びのブロックの傾きを90度、右下がりのブロックの傾きを135度と表すこととする。
また、図10においては、4種類のブロックは全て5つの単位ブロックが連結したものとして表されているが、ブロック検出部105は、図10に示した大きさのブロックのみを利用するわけではない。すなわち、ブロック検出部123は、連結状態が同様であり単位ブロックの個数の異なるブロックを複数利用して、ブロック検出処理を行う。ブロックを構成する単位ブロックの数は、少なくとも2以上である。また、右下がりおよび右上がりのブロックを構成する単位ブロックの数は、最大で、ハフ空間2値化画像の対角線上に位置する画素の個数まで設定可能である。横並びのブロックを構成する単位ブロックの数は、最大で、ハフ空間2値化画像の水平方向の画素数まで設定可能であり、縦並びのブロックを構成する単位ブロックの数は、最大で、ハフ空間2値化画像の高さ方向の画素数まで設定可能である。
ブロック検出部123は、右下がり、右上がり、横並び、縦並びといった各ブロックについて、当該ブロックを構成している単位ブロックの数を、予め設定されている最大単位ブロック数から最小単位ブロック数まで変化させながら、ブロック検出処理を行う。この際、最大単位ブロック数は、ハフ空間2値化画像の大きさから決定される最大値でなくてもよい。また、最小単位ブロック数は、2に設定されていなくともよい。ブロック検出処理は、後述するように、ハフ空間2値化画像を符号化する処理でもあるが、ブロック検出処理に要する時間および符号化の度合いは、この最小単位ブロック数および最大単位ブロック数に依存する。従って、ブロック検出処理に割くことができる時間や、必要とされる符号化の度合いに応じて、最小単位ブロック数および最大単位ブロック数は、適宜設定される。
ここで、ブロック検出部123は、あるブロックについて、単位ブロック数を変化させながらブロック検出処理を行う際に、ブロックを構成する単位ブロックの数を、好ましくは最大単位ブロック数から最小単位ブロック数へと変化させる。ブロックを構成する単位ブロック数を大きな値から小さな値へと変化させることで、ハフ空間2値化画像の中からより長いブロックを検出することが可能となり、効率的に符号化を行うことが可能となる。
また、先に説明したように、ハフ空間2値化画像では、画素が水平方向につながったものや画素が鉛直方向につながったものよりも、画素が斜め方向につながったものの方が多く存在する。従って、ブロック検出部123は、横並びや縦並びのブロックを用いて検出処理を行う前に、右下がりや右上がりのブロックを用いて検出処理を行うことが好ましい。このような順序でブロック検出を行うことで、斜め方向に長くつながった画素を縦並びや横並びのブロックで符号化するという、効率的ではない処理が行われることを抑制することができ、ハフ空間2値化画像を効率的に符号化することができる。
なお、ブロック検出部123がブロック検出処理に利用するブロックの形状は、図10に示した4種類に限定されるわけではなく、ブロック検出部123は、右下がり、右上がりの2種類のみをブロック検出処理に利用してもよい。また、ブロック検出部123は、図10に示した形状のブロックだけでなく、ハフ空間2値化画像に頻出する形状に対応したブロックを利用可能である。
続いて、ブロックを検出する際の画像の検索方向について、図11を参照しながら説明する。ブロック検出部123は、ハフ空間2値化画像の含まれる各ブロックを検出する際に、検出に用いるブロックの種別に応じて、検出を開始する位置(以下、検出開始点と称する。)と、ハフ空間2値化画像中を探索する方向とを変更することが好ましい。
例えば図11の左上の図に示したように、右下がりのブロックを用いてブロック検出処理を実行する場合には、ブロック検出部123は、ハフ空間2値化画像の左上端を検出開始点に設定する。また、ブロック検出部123は、右下がりのブロックを用いて、左上端から右下端に向かって、ブロック検出処理を実行する。図11の左下および右下に示した図のように、横並びのブロックおよび縦並びのブロックを用いたブロック検出処理の場合にも、ブロック検出部123は、ハフ空間2値化画像の左上端を検出開始点とし、左上端から右下端に向かってブロック検出処理を実行する。
また、図11の右上の図に示したように、右上がりのブロックを用いてブロック検出処理を実行する場合には、ブロック検出部123は、ハフ空間2値化画像の左下端を検出開始点に設定する。また、ブロック検出部123は、右上がりのブロックを用いて、左下端から右上端に向かって、ブロック検出処理を実行する。
このように、ブロック検出部123は、それぞれのブロックを用いた検出処理に適切な位置を検出開始点とし、それぞれのブロックに適した探索方向に沿ってブロックの検出処理を行う。これにより、ブロック検出部123は、ハフ空間2値化画像の中からより長いブロックを検出することが可能となり、効率的に符号化を行うことが可能となる。
ブロック検出部123は、図10に示したようなブロックを用いてハフ空間2値化画像を探索し、ハフ空間2値化画像中に、検出に用いているブロックと一致する部分があるか否かを判断する。検出に用いているブロックと一致する部分が存在した場合には、ブロック検出部123は、検出したブロックの形状を現す情報と、ブロックを構成する単位ブロックの数と、ブロックの存在位置を表す存在位置情報と、を互いに関連付けて出力する。その後、ブロック検出部123は、検出したブロックと一致した部分をハフ空間2値化画像から消去して、ブロックの検出処理を継続する。予め設定された単位ブロック数の範囲で全てのブロックについての探索が終了した場合に、ブロック検出部123は、ブロックの検出処理を終了する。
例えば、図12に示したように、ブロック検出部123が、単位ブロック数が11である右下がりのブロックを用いてハフ空間2値化画像に対して検出処理を行っているとする。ここで、ブロック検出部123は、図12に示したように、検出に用いているブロックと一致する部分を検出すると、上述のような情報を出力するとともに、検出したブロックをハフ空間2値化画像の中から消去する。このマッチング部分の消去は、一度検出した部分を再度別のブロックで検出しないようにするための処理であり、このような処理以外にも、一度検出した部分を再度検出しないようにする他の方法を用いてもよい。
ここで、ブロックの形状を現す情報は、検出に用いたブロックを特定するための情報であり、「右下がり」、「右上がり」のようにブロックの種類を表す名称であってもよく、「135°」、「45°」のようにブロックの傾きを表す数値であってもよい。また、ブロックの存在位置を表す存在位置情報として、例えば、ブロックと一致する部分が存在している位置を表す座標を利用することが可能である。ブロックと一致する部分の座標は、例えば、検出に用いているブロックの所定の部分が位置している座標を用いることが可能であり、ブロックの所定の部分は、例えば図13に示したように、それぞれのブロックについて予め設定しておけばよい。図13に示した例では、ハフ空間2値化画像の左上端を原点(0,0)とし、右下がりのブロックの場合はブロックの左上端の座標を、右上がりのブロックの場合はブロックの左下端の座標をそれぞれ出力する旨が設定されている。また、横並びのブロックの場合はブロックの左端の座標を、縦並びのブロックの場合はブロックの上端の座標をそれぞれ出力する旨が設定されている。
ブロック検出部123により出力された全ての情報は、例えば図14に示したように、テーブル化することが可能である。図14に示したテーブルには、ハフ空間2値化画像中に含まれるブロックの形状および単位ブロック数と、このブロックが存在した座標が記載されている。ブロック検出部123により出力されるデータは、検出されたブロック1つについて約2バイト程度である。図13に示したように、検出したブロックについて、予めどの単位ブロックの座標を出力するかを取り決めておくことにより、出力された情報に基づいて、ハフ空間2値化画像を再描画することが可能となる。従って、ブロック検出部123から出力された情報に基づいて生成された図14に示したようなテーブルは、ハフ空間2値化画像を符号化したデータに他ならない。すなわち、ブロック検出部123が行っているブロック検出処理は、ハフ空間2値化画像の符号化処理であるとも言える。
60×60=3600画素からなるハフ空間画像を2種類の閾値を用いて2値化した場合を考える。閾値Hthr=10の場合、ブロック検出部123により検出されたブロックの要素数は70個であり、データ量は約140バイトであった。また、閾値Hthr=15の場合、ブロック検出部123により検出されたブロックの要素数は34個であり、データ量は約68バイトであった。ハフ空間2値化画像のデータ量が約450バイトであるため、かかる符号化処理によって、データ量が約15〜30%になったことがわかる。
なお、ブロック検出処理における最小単位ブロック数を更に大きな値にすることにより、更に少ないバイト数でハフ空間2値化画像を符号化することが可能である。また、最小単位ブロック数を1とすることで、ハフ空間2値化画像における全ての画素が検出されることとなり、ハフ空間2値化画像のロスレス符号化を実現することができる。
上述のような手順でブロック検出処理が終了すると、ブロック検出部123は、例えば図14に示したようなブロックの検出結果(すなわち、符号化されたハフ変換後の生体情報)を、後述する符号化データ登録部125に伝送する。
再び図8に戻り、本実施形態に係る符号化データ登録部125について説明する。
符号化データ登録部125は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。符号化データ登録部125は、ブロック検出部123から伝送された符号化データ(符号化されたハフ変換後の生体情報)を、生体認証処理に用いるテンプレートとして後述する記憶部115に登録する。
また、符号化データ登録部125は、テンプレートとして登録される符号化データに、テンプレートの配列順序に関する情報を関連づける。これにより、後述する生体情報認証部113では、以下で詳述する生体情報の認証処理を行うことが可能となる。
なお、テンプレートは、例えば、CBEFF(Common Biometric Exchange File Format:共通バイオメトリック交換ファイルフォーマットフレームワーク)等の規格に則ったヘッダ情報を有していてもよい。
[生体情報認証部について]
再び図3に戻って、本実施形態に係る生体情報認証部113について詳細に説明する。
生体情報認証部113は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。生体情報認証部113は、ハフ変換部109から伝送されたハフ変換後の生体情報を、予め登録されている複数のテンプレートに基づいて認証する。生体情報認証部113は、例えば図15に示したように、テンプレート復号部131と、類似度算出部133と、条件判定部135と、を更に備える。
テンプレート復号部131は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。テンプレート復号部131は、後述する記憶部115に格納されているテンプレート群(詳細には、符号化されているテンプレート群)を取得し、テンプレートの復号を行う。符号化されたテンプレートは、例えば図14に示したようなデータ形式となっているため、テンプレート復号部131は、ブロックの形状および単位ブロック数と、ブロックが存在する座標と、を用いて、符号化されたテンプレートを復号することができる。
テンプレート復号部131は、符号化されたテンプレート群の復号が終了すると、復号されたテンプレート群を、類似度算出部133に伝送する。
また、テンプレート復号部131は、後述する記憶部115から、符号化されたテンプレートに関する情報とともに、テンプレートの配列順序に関する情報を取得し、類似度算出部133に伝送する。
類似度算出部133は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。類似度算出部133は、ハフ変換部109から伝送された認証処理用の生体情報(ハフ変換後の生体情報)と、テンプレート復号部131から伝送された復号後のテンプレートと、を用いて、生体情報とテンプレートとの類似度を算出する。類似度算出部133が算出する類似度として、例えば、先に挙げた式1のような相関値を挙げることができる。また、類似度算出部133は、相関値のかわりに、差分絶対値和(Sum of Absolute Difference:SAD)または差分自乗和(Sum of Squared Difference:SSD)を算出してもよい。なお、以下の説明では、類似度算出部133が相関値を算出する場合について説明する。
本実施形態に係る生体認証装置10では、例えば図5に示したように、一人のユーザに対して複数の生体情報(詳細には、ハフ変換後の生体情報)がテンプレートとして登録されている。そこで、本実施形態に係る類似度算出部133は、伝送された認証用の生体情報と、テンプレートとして登録されている各生体情報との相関値を算出する。
類似度算出部133は、全ての相関値の算出が終了すると、算出した全ての相関値を、後述する条件判定部135に伝送する。また、類似度算出部133は、算出した全ての相関値とともに、テンプレートの配列順序に関する情報を条件判定部135に伝送する。
条件判定部135は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。条件判定部135は、類似度算出部133から伝送された類似度に応じて認証処理を行うが、例えば、「9枚中N枚の類似度が所定の閾値を超えた場合に認証成功とする」といった判定条件は、使用しない。このような判定条件を用いた場合、稀にテンプレートとして登録した指以外であっても、認証が成功してしまう可能性があるからである。
そこで、条件判定部135は、類似度算出部133により算出された相関値等の類似度と、テンプレートの配列順序に関する情報とに基づき、以下で説明する判定条件が成立するか否かを判定する。なお、条件判定部135が用いることが可能な判定条件は、以下で説明するように3種類に大別されるが、条件判定部135は、そのうちの一つに則して、認証用の生体情報の判定を行う。以下、それぞれの判定条件について、詳細に説明する。なお、以下では、一人のユーザのテンプレートとして、9枚のハフ変換後の生体情報が登録されている場合を例にとって説明を行う。しかしながら、一人のユーザに対応するテンプレートの枚数は、下記の例に限定されるわけではない。
○判定条件−その1
この判定条件では、条件判定部135は、テンプレートの配列順序に関する情報を参照して、各テンプレートがどのような位置関係で配列しているかを考えながら、各テンプレートにおける類似度がどのような値になっているかを判定する。
すなわち、条件判定部135は、各テンプレートにおける類似度のうち、所定の閾値以上の類似度となったテンプレートの位置を特定する。また、条件判定部135は、所定の閾値以上の類似度となったテンプレートに隣接するテンプレートに対応する類似度を参照し、これら隣接するテンプレートの類似度が相対的に高い類似度を有しているか否かを判断する。また、条件判定部135は、閾値以上の類似度となったテンプレートと同じ系列のテンプレート(テンプレート生成部107により同一の生体情報から生成された生体情報群)の類似度が、他のテンプレートに比べ相対的に高い類似度を有しているか否かを判断する。
このように、閾値以上の類似度となったテンプレートが存在し、このテンプレートに隣接するテンプレートと同じ系列のテンプレートの類似度とが他のテンプレートに比べて相対的に高い類似度を有している際に、条件判定部135は、認証に成功したと判断する。
図16を参照しながら、この判定条件について、より具体的に説明する。
例えば図16において、テンプレートC’の類似度が所定の閾値以上となった場合を考える。条件判定部135は、テンプレートC’に隣接するテンプレートC,A’、および、テンプレートC’と同系列のテンプレートC”の類似度が、他のテンプレート(図中で斜線のついていないテンプレート)よりも相対的に高い値となっているか否かを判断する。これらのテンプレートの類似度が相対的に高い値であった場合、条件判定部135は、この生体情報の認証に成功したと判断する。
○判定条件−その2
続いて、上述の判定条件1とは異なる判定条件2について、詳細に説明する。
ユーザ本人の指ではあっても登録した指ではない場合や、他人の指である場合には、いくつかのテンプレートで高い類似度が算出される場合もある。しかしながら、このような場合には、高い値が算出されるテンプレートの位置はまちまち(例えば、B、B”、A”等)である。従って、条件判定部135は、このような特徴を利用して、以下で説明する条件判定2のように、各テンプレートの位置に応じて重み付けを行うことで認証処理を行うことができる。
この判定条件では、条件判定部135は、類似度の最高値が得られたテンプレートと、類似度の最高値が得られたテンプレートの周囲に位置する他のテンプレートとに基づいて、認証の成否を判断する。より詳細には、条件判定部135は、類似度の最高値が得られたテンプレートの位置を、テンプレートの配列順序に関する情報に基づいて特定する。その後、条件判定部135は、最高値が得られたテンプレートを基準として、他のテンプレートとの距離を決定する。
図17に示した場合を例にとりながら、以下で具体的な説明を行う。
テンプレートの配列順序に関する情報を参照することで、条件判定部135は、例えば図17に示したように、9個のテンプレートの位置関係を知ることができる。また、互いのテンプレートの位置関係が決まると、条件判定部135は、テンプレート間の離隔距離を決定することができる。この際、基準となるテンプレートから上下方向または左右方向に1つ移動することで到達できるテンプレートを、離隔距離が1のテンプレートとする。同様に、基準となるテンプレートから、上下方向および左右方向にいくつ移動することで到達するかを考慮することで、条件判定部135は、テンプレート間の離隔距離を決定できる。
例えば図17に示したように、類似度の最高値が得られたテンプレートがテンプレート7であった場合、テンプレート7と他のテンプレートとの離隔距離は、距離1から距離4までの4種類となる。
続いて、条件判定部135は、類似度の最高値が得られたテンプレートを基準とし、基準となったテンプレートからの距離の和が所定の範囲内となる位置に存在するテンプレートを、条件判定の際に考慮するテンプレートとする。条件判定部135は、上述の距離の和を、類似度の最高値が得られたテンプレートの位置に応じて変化させる。例えば、条件判定部135は、最高値が得られたテンプレートの上下左右に他のテンプレートが存在するか否かに応じて、距離の和を変化させる。
この距離の和の基準値は、「最高値が得られたテンプレートの周囲に存在するテンプレートを、生体認証処理の際にどれだけ考慮するか」を表すパラメータである。この距離の和の基準値は、各ユーザのテンプレートとして登録されている生体情報の個数や、生体認証処理に求められる認証精度等に応じて、適宜設定することが可能である。距離の和の基準値を大きな値に設定することで、周囲のテンプレートをより多く考慮することが可能となるが、以下で説明する類似度の和を考慮する際に、場合分けが複雑となる。
続いて、条件判定部135は、それぞれのテンプレートの類似度を最高値から順に並び替え、最高値から所定の順位までの類似度が、それぞれどの位置に存在するテンプレートかを判断する。条件判定部135は、上述のテンプレートの位置が特定できると、最高値が得られたテンプレートからの距離の和が条件を満たす領域内に含まれる、所定の順位までの類似度を有するテンプレートを特定する。
次に、条件判定部135は、距離の和が条件を満たす領域内に含まれていた、所定の順位までの類似度を有するテンプレートの類似度の和を算出する。条件判定部135は、算出した類似度の和が所定の閾値超過であった場合に、生体情報の認証に成功したと判断する。
このように、判定条件2では、各テンプレートに対応する類似度の和と、テンプレート間の距離の和が規定の条件を満たした場合に、生体情報の認証に成功したと判断される。
以下、図18A〜図19Bを参照しながら、登録されているテンプレートが9個の場合を例にとって、この判定条件2について具体的に説明する。なお、図18A〜図19Bにおいて、各テンプレートに記載されている数値は、入力された生体情報と各テンプレートとの類似度を表している。記載されている類似度は、式1に示したような相関値であり、2つのデータが完全に一致した場合に相関値が1000を示す。
テンプレートが9個存在する場合については、判定条件2として、以下のような条件を規定することができる。なお、以下に示した条件における数値は、あくまでも一例であって、以下に示した条件における各数値が以下に示した値に限定されるわけではない。
(1)類似度の最高値(TOP1)が中央に位置している場合:
距離の和D≦5、かつ、TOP1〜TOP5の相関値の合計値>1700である際に、認証に成功したと判断する。
(2)類似度の最高値が中央以外に位置している場合:
距離の和D≦5、かつ、TOP1〜TOP4の相関値の合計値>1400である際に、認証に成功したと判断する。
例えば図18Aに示した例では、類似度の最高値430は、9個のテンプレートのうち中央に位置しているテンプレートにおいて算出された値となっている。従って、条件判定部135は、上記(1)の条件が成立するか否かに基づいて、認証の成否を判断する。
この場合、TOP2〜TOP5の相関値を有するテンプレートは、TOP1の相関値を有するテンプレートを基準として、上下左右の4カ所に位置している。この場合の距離の和Dは、図18Aから明らかなように、4となる。また、TOP1〜TOP5の相関値の合計値は、図18Aから明らかなように、1840である。従って、条件判定部135は、図18Aに示した場合、上記(1)の条件を満足するため、認証に成功したと判断する。
また、図18Bに示した例では、類似度の最高値430は、9個のテンプレートのうち右下に位置しているテンプレートにおいて算出された値となっている。従って、条件判定部135は、上記(2)の条件が成立するか否かに基づいて、認証の成否を判断する。
この場合、TOP2〜TOP4の相関値を有するテンプレートは、TOP1の相関値を有するテンプレートを基準として、上側、左側、左斜め上の3カ所に位置している。この場合の距離の和Dは、図18Bから明らかなように、4となる。また、TOP1〜TOP4の相関値の合計値は、図18Bから明らかなように、1560である。従って、条件判定部135は、図18Bに示した場合、上記(2)の条件を満足するため、認証に成功したと判断する。
また、図18Cに示した例では、類似度の最高値430は、9個のテンプレートのうち右下に位置しているテンプレートにおいて算出された値となっている。従って、条件判定部135は、上記(2)の条件が成立するか否かに基づいて、認証の成否を判断する。
この場合、TOP2〜TOP4の相関値を有するテンプレートは、TOP1の相関値を有するテンプレートを基準として、上側、左斜め上、2つ上の位置の3カ所にある。この場合の距離の和Dは、図18Cから明らかなように、5となる。また、TOP1〜TOP4の相関値の合計値は、図18Cから明らかなように、1560である。従って、条件判定部135は、図18Cに示した場合、上記(2)の条件を満足するため、認証に成功したと判断する。
図18Cに示した例では、TOP2〜TOP4のテンプレートが、TOP1のテンプレートの周りを囲っているわけではない。しかしながら、TOP1〜TOP4のテンプレートは、距離の和に関する条件を満たしながら、互いに関連していると容易に推測可能な1つのグループをつくるように位置しているため、条件判定部135は、認証に成功したと判断する。
また、テンプレートの個数および距離の和の設定値によっては、図19Aおよび図19Bに例示したように、TOP1〜TOP4(またはTOP1〜TOP5)のテンプレートが位置している場合も生じうる。ここで、図19Aおよび図19Bでは、距離の和が5である場合の例について示している。
図19Aに示したように、距離の和が5となる組み合わせが、互いに関連していると容易に推測可能な1つのグループをつくるように位置している場合には、条件判定部135は、先に説明したように、認証に成功したと判断する。
他方、図19Bに示したように、距離の和が5となる組み合わせが、互いに関連していると推測可能なグループと、このグループから孤立している1以上の更なるグループとに分かれる場合も生じうる。図19Bに例示した場合には、孤立した位置に高い類似度を有するテンプレートが存在しているため、条件判定部135は、ユーザ本人としての信頼性が低いと考えられる。そのため、図19Bに示したような孤立した更なるグループが存在している場合には、条件判定部135は、認証に失敗したと判断する。
○判定条件−その3
続いて、上述の判定条件1または判定条件2よる認証結果の連続性を考慮した、第3の判定条件について詳細に説明する。
条件判定部135は、先に説明した判定条件1または判定条件2によって、認証の成否を決定することが可能である。しかしながら、テンプレートを登録したユーザとは異なる他人であっても、一時的に高い類似度が算出され、条件判定部135が誤判定を行う場合が生じうる。そのため、条件判定部135は、以下で説明するように、認証結果の連続性を考慮した認証の成否判定を行ってもよい。
すなわち、条件判定部135は、ユーザが指をかざしている間に、先に説明した判定条件1または判定条件2による認証処理を複数回行い、一定範囲の中に所定の回数以上の認証成功が得られた場合に、認証に成功したと判断してもよい。
例えば図20に示したように、6回の認証処理のうち4回以上の認証成功という結果画得られた場合に、条件判定部135は、生体情報の認証に最終的に成功したと判断してもよい。なお、かかる数値は、あくまでも一例であって、かかる値に限定されるわけではない。
以上、条件判定部135が用いることが可能な3種類の判定条件について、詳細に説明した。
以上説明したように、本実施形態に係る生体認証装置10では、生体部位の様々な箇所におけるテンプレートを複数保持していることにより、位置合わせを行うことなく生体情報の認証処理を実行することができる。
また、本実施形態に係る生体認証装置10では、位置合わせを行うことなく、ハフ空間における認証処理のみを行うため、複数の類似度を複数回算出するような処理を行う場合であっても、比較的短時間に認証処理を完了することができる。
[記憶部について]
再び図3に戻って、本実施形態に係る記憶部115について、説明する。
記憶部115には、テンプレート生成部107により生成され、ハフ変換部109によりハフ変換されたテンプレートが格納される。また、記憶部115には、生体撮像部101により生成された撮像データや、生体情報抽出部105により抽出された生体情報等が一時的に格納されてもよい。また、記憶部115には、テンプレートの登録に関する履歴情報や生体認証処理に関する履歴情報など、各種の履歴情報が記録されていてもよい。さらに、記憶部115には、本実施形態に係る生体認証装置10が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、または、各種のデータベース等が、適宜記録される。この記憶部115は、生体撮像部101、撮像制御部103、生体情報抽出部105、テンプレート生成部107、ハフ変換部109、テンプレート登録部111、生体情報認証部113等が、自由に読み書きを行うことが可能である。
[その他の処理部について]
なお、本実施形態に係る生体認証装置10は、以下で説明する表示制御部(図示せず。)を更に備えてもよい。表示制御部は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。表示制御部は、生体認証装置10に設けられたディスプレイ等の表示部(図示せず。)の表示制御を行う。表示制御部は、撮像制御部103からの要請に応じて、表示部に「指を所定の場所に置いてください。」や、「指を回転させてください。」といったメッセージを表示させる。また、表示制御部は、テンプレート登録部111からの要請に応じて、テンプレートの登録処理が終了した旨やテンプレートの登録処理に失敗した旨のメッセージを、表示部に表示させる。また、表示制御部は、生体情報認証部113からの要請に応じて、表示部に生体認証処理の認証結果を表示させる。
また、本実施形態に係る生体認証装置10は、生体情報認証部113の認証結果に応じて、認証に成功したユーザに対して所定のサービスを提供するサービス提供部を更に有していてもよい。
また、本実施形態に係る生体認証装置10は、生体情報認証部113の認証結果を、外部に設けられた、認証に成功したユーザに対して所定のサービスを提供するサービス提供装置に対して出力してもよい。
以上、本実施形態に係る生体認証装置10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
なお、上述のような本実施形態に係る生体認証装置の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
<テンプレート登録方法について>
続いて、図21を参照しながら、本実施形態に係る生体認証装置10で実施されるテンプレート登録方法について、詳細に説明する。図21は、本実施形態に係るテンプレート登録方法について説明するための流れ図である。
まず、生体認証装置10の生体撮像部101は、所定の位置に載置された生体部位を撮像して、複数の生体撮像画像を生成し(ステップS101)、生体情報抽出部105に伝送する。生体情報抽出部105は、複数の生体撮像画像それぞれから生体情報を抽出して(ステップS103)、テンプレート生成部107に伝送する。
テンプレート生成部107は、生体情報抽出部105から伝送された複数の生体情報の中から、テンプレートとして利用する生体情報を選択する(ステップS105)。この際、テンプレート生成部107は、登録される生体情報がカバーする領域の幅が所定の基準を満たすように、生体情報を選択する。続いて、テンプレート生成部107は、選択した生体情報に基づいて、先に説明した方法に則り、これらの生体情報をシフトさせたもの(平行移動させたもの)を生成する(ステップS107)。生体情報の生成が終了すると、テンプレート生成部107は、選択した生体情報と生成した生体情報とをあわせて、ハフ変換部109に伝送する。
ハフ変換部109は、テンプレート生成部107から生体情報が伝送されると、取得した生体情報をハフ変換する(ステップS109)。ハフ変換が終了すると、ハフ変換部109は、変換後の生体情報を、テンプレート登録部111に伝送する。
テンプレート登録部111は、ハフ変換部109から伝送されたハフ変換後の生体情報全てを、記憶部115にテンプレートとして登録する(ステップS111)。
なお、登録に先立ち、テンプレート登録部111の2値化部121が、伝送されたハフ変換後の生体情報を2値化し、テンプレート登録部111のブロック検出部123が、先に説明したブロック検出処理により2値化された生体情報を符号化することが好ましい。
以上のような手順で処理を行うことで、本実施形態に係る生体認証装置10は、位置合わせを行うことなく生体情報の認証処理を行うことを可能とするテンプレートを、登録することが可能となる。
<生体認証方法について>
続いて、図22および図23を参照しながら、本実施形態に係る生体認証装置10で実施される生体認証方法について、詳細に説明する。図22および図23は、本実施形態に係る生体認証方法について説明するための流れ図である。
[第1の生体認証方法]
まず、図22を参照しながら、本実施形態に係る生体認証方法について説明する。
生体認証装置10の生体撮像部101は、所定の位置に載置された生体部位を撮像して、生体撮像画像を生成し(ステップS121)、生体情報抽出部105に伝送する。生体情報抽出部105は、伝送された生体撮像画像から生体情報を抽出して(ステップS123)、ハフ変換部109に伝送する。
ハフ変換部109は、生体情報抽出部105から生体情報が伝送されると、取得した生体情報をハフ変換する(ステップS125)。ハフ変換が終了すると、ハフ変換部109は、変換後の生体情報を、生体情報認証部113に伝送する。
生体情報認証部113では、まず、テンプレート復号部131が記憶部115から登録されている一連のテンプレートを取得して、符号化されている全てのテンプレートを復号する。その後、生体情報認証部113の類似度算出部133が、ハフ変換後の生体情報と、復号された複数のテンプレートとに基づいて、相関値等に代表される類似度をそれぞれ算出する(ステップS127)。復号されたテンプレートも、ハフ変換後の生体情報と同様にハフ空間における画像データである。登録されているテンプレートは、ユーザのある指の所定の領域をカバーする複数の生体情報を含むため、各テンプレートと生体情報との類似度を算出することで、従前より行われていた生体情報とテンプレートとの位置合わせを行うことが不要となる。
生体情報認証部113の類似度算出部133は、類似度の算出が終了すると、算出した類似度を、生体情報認証部113の条件判定部135に伝送する。条件判定部135は、先に説明した判定条件1または判定条件2に基づいて生体情報の認証の成否を判断する認証処理部である。条件判定部135は、伝送された類似度が、判定に用いている条件を満たすか否かを判断する(ステップS129)。
伝送された類似度が、判定に用いている条件を満足する場合には、条件判定部135は、認証に成功したと判断する(ステップS131)。また、伝送された類似度が、判定に用いている条件を満足しない場合には、条件判定部135は、認証に失敗したと判断する(ステップS133)。
[第2の生体認証方法]
なお、本実施形態に係る生体認証方法は、図23に示したような、判定結果の連続性を考慮した生体認証方法であってもよい。
生体認証装置10の生体撮像部101は、所定の位置に載置された生体部位を撮像して、生体撮像画像を生成し(ステップS141)、生体情報抽出部105に伝送する。生体情報抽出部105は、伝送された生体撮像画像から生体情報を抽出して(ステップS143)、ハフ変換部109に伝送する。
ハフ変換部109は、生体情報抽出部105から生体情報が伝送されると、取得した生体情報をハフ変換する(ステップS145)。ハフ変換が終了すると、ハフ変換部109は、変換後の生体情報を、生体情報認証部113に伝送する。
生体情報認証部113では、まず、テンプレート復号部131が記憶部115から登録されている一連のテンプレートを取得して、符号化されている全てのテンプレートを復号する。その後、生体情報認証部113の類似度算出部133が、ハフ変換後の生体情報と、復号された複数のテンプレートとに基づいて、相関値等に代表される類似度をそれぞれ算出する(ステップS147)。復号されたテンプレートも、ハフ変換後の生体情報と同様にハフ空間における画像データである。登録されているテンプレートは、ユーザのある指の所定の領域をカバーする複数の生体情報を含むため、各テンプレートと生体情報との類似度を算出することで、従前より行われていた生体情報とテンプレートとの位置合わせを行うことが不要となる。
生体情報認証部113の類似度算出部133は、類似度の算出が終了すると、算出した類似度を、生体情報認証部113の条件判定部135に伝送する。条件判定部135は、先に説明した判定条件1または判定条件2に基づいて生体情報の認証の成否を判断する認証処理部である。条件判定部135は、伝送された類似度が、判定に用いている条件を満たすか否かを判断する(ステップS149)。
伝送された類似度が、判定に用いている条件を満足する場合には、条件判定部135は、認証に成功したと判断する(ステップS151)。また、伝送された類似度が、判定に用いている条件を満足しない場合には、条件判定部135は、認証に失敗したと判断する(ステップS153)。ここで、条件判定部135は、得られた認証結果を、所定の領域に一時的に書き込んでおく。
ここで、生体情報認証部113は、先に説明したような認証処理を所定の回数行ったか否かを判断する(ステップS155)。所定の回数を実行していない場合には、生体情報認証部113は、撮像制御部103に生体部位の撮像を要請し、生体認証装置10は、ステップS141から処理を繰り返す。また、かかる認証処理を所定の回数実行している場合には、条件判定部135は、一連の認証処理における認証成功の回数をカウントし、成功回数が所定の規定値以上となっているか否かを判断する(ステップS157)。成功回数が所定の規定値以上である場合、条件判定部135は、最終的に認証に成功したと判断する(ステップS159)。また、成功回数が所定の規定値未満である場合、条件判定部135は、最終的に認証に失敗したと判断する(ステップS161)。
以上のような手順で処理を行うことで、本実施形態に係る生体認証装置10は、位置合わせを行うことなく、生体情報の認証処理を行うことが可能となる。
(ハードウェア構成について)
次に、図24を参照しながら、本発明の実施形態に係る生体認証装置10のハードウェア構成について、詳細に説明する。図24は、本発明の実施形態に係る生体認証装置10のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
生体認証装置10は、先に説明した生体撮像部101以外に、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、生体認証装置10は、更に、ホストバス907と、ブリッジ909と、外部バス911と、インターフェース913と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、通信装置925とを備える。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、生体認証装置10内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、生体認証装置10の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。生体認証装置10のユーザは、この入力装置915を操作することにより、生体認証装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置917は、例えば、生体認証装置10が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、生体認証装置10が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置919は、生体認証装置10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータ等を格納する。
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、生体認証装置10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
接続ポート923は、機器を生体認証装置10に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、生体認証装置10は、外部接続機器929から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器929に各種のデータを提供したりする。
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
以上、本発明の実施形態に係る生体認証装置10の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
(まとめ)
以上説明したように、本発明の実施形態に係る生体認証装置は、複数の生体情報の中から、テンプレートとして利用するいくつかの生体情報を選択し、選択した各生体情報を所定の方向に所定の画素数だけ平行移動させることで、新たな生体情報を更に生成する。その後、本発明の実施形態に係る生体認証装置は、選択した生体情報および生成した生体情報をまとめてハフ変換し、これら複数のハフ変換後の生体情報を、ユーザのテンプレートとして登録する。また、本発明の実施形態に係る生体認証装置は、これらのテンプレートを登録する際に、テンプレートとして登録されるハフ変換後の生体情報を符号化してもよい。
本発明の実施形態に係る生体認証装置は、あるユーザの生体情報を認証する際に、抽出された生体情報をハフ変換し、ハフ空間における生体情報である複数のテンプレートを利用して、類似度の算出を行う。生体認証装置に登録されているテンプレートは、ユーザの生体部位のある領域を、複数の生体情報でカバーしているものであるため、生体認証装置は、認証処理に先立つ生体情報とテンプレートとの位置合わせを行うことなく、生体情報の認証処理を実行できる。
これにより、本発明の実施形態に係る生体認証装置では、ハフ空間における認証処理だけでユーザ本人を認証することが可能となり、位置合わせ等の事前処理が不要となる。また、テンプレートがハフ空間における生体情報であるため、テンプレートを登録する際にテンプレートの暗号化を行うことが不要となり、生体認証処理を全てソフトウェアで実装することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 生体認証装置
101 生体撮像部
103 撮像制御部
105 生体情報抽出部
107 テンプレート生成部
109 ハフ変換部
111 テンプレート登録部
113 生体情報認証部
115 記憶部
121 2値化部
123 ブロック検出部
125 符号化データ登録部
131 テンプレート復号部
133 類似度算出部
135 条件判定部

Claims (12)

  1. 生体に固有な情報である生体情報をハフ変換するハフ変換部と、
    複数のハフ変換後の前記生体情報を、生体認証処理の際に基準となる生体情報であるテンプレートとして登録するテンプレート登録部と、
    ハフ変換後の前記生体情報を、予め登録されている複数の前記テンプレートに基づいて認証する生体情報認証部と、
    を備える、生体認証装置。
  2. 前記テンプレート登録部は、前記ハフ変換後の生体情報を符号化した後に、前記テンプレートとして登録する、請求項1に記載の生体認証装置。
  3. 前記複数のテンプレートは、互いの相対的な位置関係が規定されており、
    前記生体情報認証部は、前記複数のテンプレートと、前記ハフ変換後の生体情報との類似度をそれぞれ算出し、算出した前記類似度と、前記位置関係とに基づいて、前記ハフ変換後の生体情報の認証を行う、請求項2に記載の生体認証装置。
  4. 前記生体情報認証部は、得られた前記類似度に応じて、前記複数のテンプレートの重み付けを行う、請求項3に記載の生体認証装置。
  5. 前記生体情報認証部は、前記類似度の最高値が得られた前記テンプレートと、当該類似度の最高値が得られたテンプレートの周囲に位置する他のテンプレートとに基づいて、認証の成否を判断する、請求項4に記載の生体認証装置。
  6. 前記生体情報認証部は、前記類似度の最高値が得られたテンプレートを基準とし、基準となったテンプレートからの距離の和が所定の範囲内となる位置に存在するテンプレートを前記他のテンプレートとし、
    前記他のテンプレートに対応する前記類似度の和が所定の閾値以上であった場合に、認証に成功したと判断する、請求項5に記載の生体認証装置。
  7. 前記生体認証装置は、
    生体の一部を撮像した生体撮像画像から前記生体情報を抽出する生体情報抽出部と、
    抽出された前記生体情報に基づいて前記テンプレートとして登録される生体情報を選択するとともに、選択された前記生体情報に基づいて前記テンプレートとして登録される生体情報を生成するテンプレート生成部と、
    を更に備える、請求項1に記載の生体認証装置。
  8. 前記テンプレート生成部は、前記選択された生体情報を所定の方向に所定の画素だけ平行移動させて、前記テンプレートとして登録される生体情報を生成する、請求項7に記載の生体認証装置。
  9. 前記生体情報認証部は、前記ハフ変換後の生体情報の認証処理を複数回連続して実行し、認証に成功した回数が所定の閾値以上となった場合に、最終的に認証に成功したと判断する、請求項1に記載の生体認証装置。
  10. 生体に固有な情報である生体情報を複数抽出するステップと、
    抽出された複数の前記生体情報をハフ変換するステップと、
    ハフ変換後の前記複数の生体情報を、生体認証処理の際に基準となる生体情報であるテンプレートとして登録するステップと、
    を含む、テンプレート登録方法。
  11. 生体に固有な情報である生体情報を抽出するステップと、
    抽出された前記生体情報をハフ変換するステップと、
    ハフ変換後の前記生体情報を、生体認証処理の際に基準となる生体情報である複数のテンプレートに基づいて認証するステップと、
    を含む、生体認証方法。
  12. コンピュータに、
    生体に固有な情報である生体情報をハフ変換するハフ変換機能と、
    複数のハフ変換後の前記生体情報を、生体認証処理の際に基準となる生体情報であるテンプレートとして登録するテンプレート登録機能と、
    ハフ変換後の前記生体情報を、予め登録されている複数の前記テンプレートに基づいて認証する生体情報認証機能と、
    を実現させるためのプログラム。

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