JP2011039320A - 気密封止型ファイバフェルールおよびその製造方法 - Google Patents

気密封止型ファイバフェルールおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温環境下や真空環境下で使用した場合であっても、フェルールの貫通孔と光ファイバとの間の気密性を保持でき、かつ耐久性にも優れるフェルールを提供する。
【解決手段】貫通孔を備えたガラス体、およびその貫通孔に挿入されたガラスファイバを含むファイバフェルールであって、前記貫通孔の内壁面と前記ガラスファイバの表面との間に設けられたガラス薄膜により、前記ガラス体と前記ガラスファイバとが密封封止されてなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、貫通孔を有するガラス体にガラスファイバを挿入して気密封止した構造のファイバフェルールおよびそのファイバフェルールの製造方法に関する。
光ファイバ通信の発展に伴い、光ファイバ同士を、高精度、低損失かつ容易に接続できる技術が開発されている。その一例として、図8に示すような光ファイバフェルールが実用化されている。図8は、従来の光ファイバフェルールの正面図および側面図を示したものである。従来の光ファイバフェルールにおいては、複数本の光ファイバが所望間隔Wを保つように高い寸法精度で位置決めして接続されており、フェルール20に複数個の貫通孔23−1および23−2を設け、その貫通孔23−1および23−2内にファイバ22−1および22−2を挿入し、一方の端面25−1側は接着剤24−1および24−2により、他方の端面25−2側は接着剤26−1および26−2によりファイバ22−1および22−2とガラス体21とが固定されてフェルール20が製造されていた。
近年、より特殊な用途、例えば海底内、真空装置内、高温装置内などでもファイバを使用して光信号を送受信できるような用途で使用できるフェルールが希求されている。このような用途においては、ファイバ22−1および22−2を貫通孔23−1および23−2内に気密封止して固定した構造が要求され、かつ高温に耐えるフェルールが要求される。
しかしながら、上記のような特殊な用途に従来のフェルールを用いた場合、以下のような問題があることが判明した。すなわち、300℃以上の高温環境下や真空環境下でフェルールを使用すると接着剤が劣化してしまう。また、フェルールや光ファイバは、通常ガラスやセラミックからなるのに対し、接着剤は樹脂ならなるため、熱膨張係数の差によってファイバの位置ずれが生じやすくなり、所望のファイバ間隔や位置寸法精度が得られなくなると考えられる。
本発明者らは、今般、フェルールの貫通孔の内側表面とガラスファイバの表面との間にガラス薄膜を設けて気密封止することにより、高温環境下や真空環境下でフェルールを使用した場合であっても、気密性を保持でき、かつ耐久性にも優れるフェルールを実現できる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、高温環境下や真空環境下で使用した場合であっても、フェルールの貫通孔と光ファイバとの間の気密性を保持でき、かつ耐久性にも優れるフェルールを提供することである。
そして、本発明によるファイバフェルールは、貫通孔を備えたガラス体、およびその貫通孔に挿入されたガラスファイバを含むファイバフェルールであって、
前記貫通孔の内壁面と前記ガラスファイバの表面との間に設けられたガラス薄膜により、前記ガラス体と前記ガラスファイバとが密封封止されてなることを特徴とするものである。
また、本発明の別の態様としてのファイバフェルールを製造する方法は、上記のファイバフェルールを製造する方法であって、
貫通孔を備えたガラス体の前記貫通孔に、ガラスファイバを挿入し、
前記貫通孔の内壁面と前記ガラスファイバ表面との間の隙間に、珪素系化合物を含む液剤を充填し、
前記ガラス体にマイクロ波を照射して加熱し、
前記液剤をガラス化させてガラス薄膜を形成し、前記貫通孔の内壁面と前記ガラスファイバの表面との間を前記ガラス薄膜で密封封止する、
ことを含んでなることを特徴とするものである。
また、本発明の別の態様としてのファイバフェルールを製造する方法は、上記のファイバフェルールを製造する方法であって、
貫通孔を備えたガラス体の前記貫通孔に、珪素系化合物を含む液剤を充填し、
前記液剤が充填された貫通孔にガラスファイバを挿入し、
前記ガラス体にマイクロ波を照射して加熱し、
前記液剤をガラス化させてガラス薄膜を形成し、前記貫通孔の内壁面と前記ガラスファイバの表面との間を前記ガラス薄膜で密封封止する、
ことを含んでなることを特徴とするものである。
本発明のファイバフェルールによれば、ガラス母体に設けた貫通孔とその貫通孔に挿入されたガラスファイバとの間にガラス薄膜が設けられているため、貫通孔の内壁面とガラスファイバの表面との間の隙間が気密封止される。そのため、真空装置内で光ファイバを用いる場合であっても、真空のリーク無しに光信号の送受信が可能になる。また、フェルールのガラス体、光ファイバおよび気密封止材のすべてがガラス系材料で構成されているため、1000℃程度の高温雰囲気内(例えば、高温炉、高温の化学反応装置、高温焼却装置など)で光ファイバフェルールを使用した場合であっても、フェルールが劣化することがなく安定的に光信号を送受信することが可能となる。さらに、フェルールのガラス体、光ファイバおよび気密封止材のすべてがガラス系材料で構成されているため、それぞれの部材の熱膨張係数、軟化温度などの物性値が近く、周囲温度の変化に対しても気密性を保持しながら安定的に光信号の送受信を行うことができる。
また、本発明のファイバフェルールの製造方法によれば、上記のようなファイバフェルールを簡易かつ安価に製造することができる。また、従来使用されていた接着剤と比べて、珪素系化合物を含む液剤を用いることで、貫通孔の内壁面とガラスファイバ表面との間の隙間に液剤が浸透し易く、隙間全体に均一なガラス薄膜を形成することができるため、気密封止性に優れるファイバフェルールを製造することができる。さらに、珪素系化合物を含む液剤をマイクロ波加熱によりガラス化させるため、極めて簡易かつ短時間でファイバフェルールを製造することができる。
本発明の一実施態様によるファイバフェルールの正面図(a)および左側面図(b)を示したものである。 本発明の他の実施態様によるファイバフェルールの正面図(a)および左側面図(b)を示したものである。 本発明の他の実施態様によるファイバフェルールのB−B断面図(a)および左側面図(b)を示したものである。 本発明の他の実施態様によるファイバフェルールの正面図(a)および左側面図(b)を示したものである。 図1に示したファイバフェルールのA−A断面図を示したものである。 本発明によるファイバフェルールの使用例を示したものである。 本発明によるファイバフェルールの他の使用例を示したものである。 従来のファイバフェルールの正面図(a)および左側面図(b)を示したものである。
本発明を、図面を参照しながら説明するが、これら図面は本発明を概念的に説明するものであり、これら図面に記載された実施形態に本発明が限定されるものではない。
<ファイバフェルール>
図1は、本発明のファイバフェルールの一実施態様を示したものであり、ファイバフェルールの正面図(a)および左側面図(b)を示したものである。ファイバフェルール10は、長さが約20mm、幅が約2mm、厚みが約5mmの石英ガラス体1に、その厚み方向の中心線に沿って2個の貫通孔3−1および3−2が設けられた構造を有しており、貫通孔3−1および3−2内に、2本の石英系ガラスファイバ(例えば、コアがSiO−GeO材料、クラッドがSiO材料からなるシングルモードファイバ)2−1および2−2が挿入され、それら貫通孔2−1および2−2の内壁面と石英系ガラスファイバ2−1および2−2の表面との隙間に、ガラス薄膜4−1および4−2が設けられて、石英ガラス体1と石英系ガラスファイバ2−1および2−2とが気密封止されたものである。上記の寸法は一例に過ぎず、本発明によるファーバーフェルールは上記の形状に限定されるものではなく、フェルールの長さ、幅、厚みは、より厚くてもよく、また短くてもよい。また、形状についても直方体だけでなく、多角柱や円柱状の形状であってもよい。ガラス体1の端面5−1は後で研磨して鏡面状態にするか、またはその後に反射防止膜を設けてもよい。あるいは、端面5−1は反射防止のために斜め研磨されていてもよく、その後に反射防止膜が形成されていてもよい。
石英系ガラスファイバ2−1および2−2の間隔Sは250μmに設定されている。上記2個の貫通孔3−1および3−2の直径は、それぞれ127μmであり、石英系ガラスファイバ2−1および2−2の直径は、それぞれ125μmである。したがって、各貫通孔の内壁面とガラスファイバ表面との隙間は1μmであり、この隙間領域にガラス薄膜4−1および4−2が設けられている。
ガラス体は、石英ガラスの他にも、ガラスにGe、B、P、Na、Kなどのドーパントが多少含まれたものを用いてもよい。また、ガラスファイバは、シングルモードファイバ以外にも、マルチモードファイバ、コアが複数個含まれている構造のマルチコアファイバでもよい。これらのファイバの構造パラメータや構造は問わない。
ガラス薄膜4−1および4−2は、少なくともSiOを含むガラス材料からなる。その原料としては後記するような珪素系化合物を含む液剤が用いられる。珪素系化合物を含む液体としては、珪素系化合物が溶解したアルコール溶液、アルカリ金属シリケート水溶液、屈折率制御用ドーパントの水溶液含むアルカリ金属シリケート水溶液が好ましい。これらの液剤としては、具体的には、ケイ酸カリウム(KSiO)の水溶液、ケイ酸ナトリウム(NaSiO)の水溶液、ケイ酸リチウム(LiSiO)の水溶液、アンモニウムシリケートの水溶液などが挙げられる。また、屈折率制御用のドーパント水溶液としては、屈折率を高めるものとして五酸化リン(P)水溶液、炭酸リチウムLiCOの水溶液などが挙げられ、屈折率を低下させるものとしては、ホウ素化合物(例えばホウ酸(HBO)、三塩化ホウ素(BCl)、三臭化ホウ素(BBr))の水溶液などが挙げられる。また、アルコール溶液に溶解する珪素系化合物としては、例えば、アルコオキシシラン(Si(CO))、トリエチルボレイト(B(CO))、チタニウムエチレート(Ti(GO))などの有機金属化合物を含む珪素系化合物などが挙げられる。
また、必要に応じて、水および上記液剤に、水に相溶性のある共通溶剤や酸性物質を添加してもよい。共通溶剤や酸性物質の添加により、マイクロ波の照射によって、より短時間にガラス薄膜化を実現できる点で有利である。
図2は、本発明の他の実施態様によるファイバフェルールの正面図(a)および左側面図(b)を示したものである。このファイバフェルール11は、長さが約20mm、幅が約2mm、厚みが約5mmの石英ガラス体1に、その厚み方向の中心線に沿って4個の貫通孔3−1、3−2、3−3および3−4が設けられた構造を有しており、貫通孔3−1、3−2、3−3および3−4内に、4本の石英系ガラスファイバ2−1、2−2、2−3および2−4が挿入され、それら貫通孔の内壁面と石英系ガラスファイバ表面との隙間に、ガラス薄膜4−1、4−2、4−3および4−4が設けられて、石英系ガラス体1と石英系ガラスファイバとが気密封止されたものである。
石英系ガラスファイバ2−1と2−2との間隔S1、2−2と2−3との間隔S2、2−3と2−4との間隔S3は、いずれも250μmに設定されている。上記4個の貫通孔3−1、3−2、3−3および3−4の直径は、いずれも127μmであり、石英系ガラスファイバ2−1、2−2、2−3および2−4の直径は、いずれも125μmである。従って、各貫通孔の内壁面とガラスファイバの表面との隙間は1μmであり、この隙間領域にガラス薄膜4−1、4−2、4−3および4−4が設けられている。これらのガラス薄膜は、上記したものと同様の材料を用い、同様の方法により形成することができる。
石英系ガラス体1と石英系ガラスファイバとの隙間に設けられたガラス薄膜は、石英系ガラス体1の左側端面5−1から長さLの領域に形成される。このガラス薄膜形成領域である長さLは、5mm〜15mmの範囲が好ましい。石英系ガラス体の他方の端面5−2からは石英系ガラスファイバ2−1、2−2、2−3および2−4が出ており、この石英系ガラス体1に石英系ガラスファイバ2−1、2−2、2−3および2−4を固定させるために、接着剤6−1、6−2、6−3および6−4が用いられる。この接着剤により、石英系ガラスファイバ2−1、2−2、2−3および2−4が石英系ガラス体1によりしっかりと固定される。
図3は、本発明の他の実施態様によるファイバフェルールのB−B断面図(a)および左側面図(b)を示したものである。ファイバフェルール12は、長さが約20mm、幅が約2mm、厚みが約5mmの石英ガラス体に、その厚み方向の中心線に沿って2個の貫通孔3−1および3−2が設けられた構造を有しており、貫通孔3−1および3−2内に2本の石英系ガラスファイバ2−1および2−2が挿入され、それら貫通孔3−1および3−2の内壁面と石英系ガラスファイバ2−1および2−2の表面との隙間に、ガラス薄膜4−1および4−2が設けられ、石英ガラス体と石英系ガラスファイバ2−1および2−2とが気密封止されたものである。
図3に示す態様において用いられる石英系ガラスファイバ2−1および2−2は、コア部とクラッド部とからなる石英系ガラスファイバである。石英系ガラス体の右側端面側から伸びる石英系ガラスファイバ2−1および2−2には、そのクラッド部の表面に被覆用の樹脂7−1および7−2が被覆されている。そして、樹脂で被覆された石英系ガラスファイバと石英系ガラス体とは、石英系ガラス体の右端面5−2に設けられた接着剤6−1、6−2により固定されている。
図4は、本発明の他の実施態様によるファイバフェルールの正面図(a)および左側面図(b)を示したものである。ファイバフェルール13は、長さが約20mm、幅が約2mm、厚みが約10mmの石英ガラス体に、その厚み方向に沿って、所定の間隔Sをあけて2対の貫通孔3−1および3−2と3−3および3−4とが設けられた構造を有しており、各対の間隔SおよびSは250μmに設定されている。貫通孔3−1、3−2、3−3および3−4内に4本の石英系ガラスファイバ2−1、2−2、2−3および2−4が挿入され、それら貫通孔3−1、3−2、3−3および3−4の内壁面と石英系ガラスファイバ2−1、2−2、2−3および2−4の表面との隙間に、ガラス薄膜4−1、4−2、4−3および4−4が設けられ、石英系ガラス体と石英系ガラスファイバとが気密封止されたものである。上記したように、本発明においてはガラス体には貫通孔は少なくとも2個設けられおり、ガラス体中に貫通孔4個が設けられた一例を示したが、貫通孔の数はこれ以外にも6個以上設けてもよい。
<ファイバフェルールの製造方法>
次に、ファイバフェルールの製造方法について説明する。先ず、ガラス体1からなるフェルール10に設けられた貫通孔3−1と3−2内に、ガラスファイバ2−1および2−2を挿入する。次いで、貫通孔3−1および3−2の内壁面とガラスファイバ2−1および2−2の表面との隙間に、珪素系化合物を含む液剤を充填する。その後、ガラス体1からなるフェルール10を、発振周波数が2450MHz帯のマイクロ波(電力600w)を発生するマイクロ波オーブンに入れて加熱する。この加熱によって、貫通孔3−1および3−2の内壁面とガラスファイバ2−1および2−2の表面との隙間に充填された珪素系化合物がガラス化し、隙間にガラス薄膜が形成される。その結果、貫通孔3−1および3−2の内壁面とガラスファイバ2−1および2−2の表面との隙間が気密封止されることになる。
ガラス体1にマイクロ波を照射すると、珪素系化合物を含む液剤がマイクロ波のエネルギーを吸収して加熱され、液剤中の水分やアルコールが蒸発するとともに、珪素系化合物がガラス化し、ガラス薄膜が短時間で形成される。
石英系ガラスファイバの表面はガラス体の貫通孔に挿入する前に、予め表面処理を施しておくか、界面活性剤で処理を施しておいてもよい。このようにすることにより、珪素系化合物を含む液剤の石英系ガラスファイバ表面へのぬれをよくすることができ、その結果、均一なガラス薄膜を得ることができる。
本発明おける別の態様としては、先ず、ガラス体1からなるフェルール10に設けられた貫通孔3−1および3−2内に、珪素系化合物を含む液剤を充填した後に、貫通孔3−1および3−2内に、ガラスファイバ2−1および2−2を挿入するものである。上記のようにして、貫通孔3−1および3−2の内壁面とガラスファイバ2−1および2−2の表面との隙間に、珪素系化合物を含む液剤を充填することができる。珪素系化合物がガラス化し、隙間にガラス薄膜を形成する方法は、上記と同様にして行うことができる。
本発明においては、上記のようにマイクロ波照射によりガラス薄膜を形成した後に、ガラス薄膜が形成された領域を加熱して、貫通孔の内壁面とガラスファイバの表面とをガラス薄膜によって融着させてもよい。図5は、図1に示したファイバフェルールのA−A断面図を示したものである。マイクロ波の照射により、貫通孔3−1および3−2の内壁面と石英系ガラスファイバ2−1および2−2の表面との間に形成されたガラス薄膜4−1および4−2の周辺領域(図5中の斜線部分8−1および8−2)を、さらに加熱して貫通孔の内壁面と石英系ガラスファイバの表面とをガラス薄膜によって融着させることができる。
加熱手段としては、レーザ照射による局部加熱の他、ガラス薄膜で気密封止されているガラス体の側面部からアーク放電加工機によってガラス体の周りを加熱してガラス薄膜を溶融しても良い。また、ガラス薄膜が形成されたファイバフェルールを電気炉の中に入れて1000℃以下の温度で加熱してもよい。これらの加熱手段のなかでも、レーザ照射による局部加熱が好ましく、例えばCOレーザを用いることができる。ガラス体へのマイクロ波照射による加熱の後、形成したガラス薄膜の周辺領域にCOレーザを照射すると、当該周辺領域が局部的に加熱されてガラス薄膜が溶融し、貫通孔の内壁面と石英系ガラスファイバの表面とを融着させることができる。レーザ照射装置としては、ガラスにレーザ光が吸収されて発熱を生じさせることができるレーザ装置、例えぱ、紫外線レーザ(UVレーザ、Deep UVレーザなど)装置などを好適に用いることができる。
上記の加熱手段としてCOレーザを用いる場合は、ビームスポット径が約50μmで出力が30wの連続発振している装置を用いて、ガラス薄膜の周辺領域(図5中の斜線部分8−1および8−2)を円周上に1mm/secの速度で照射することによって、ガラス薄膜を溶融することができる。貫通孔の内壁面と石英系ガラスファイバの表面とを融着させることにより、より強固に気密封止された構造のファイバフェルールを得ることができる。好ましいレーザ照射領域(斜線領域8−1、8−2)としては、石英系ガラスファイバ2−1および2−2のクラッド断面内の一部とガラス薄膜4−1および4−2の全面およびガラス体の断面の一部である。レーザ照射後のガラス体1の端面5−1は後で研磨して鏡面状態にするか、あるいはその後に反射防止膜を形成してもよい。
<ファイバフェルールの使用例>
図6は、本発明のファイバフェルールの使用例を示したものである。真空装置9(例えば、CVD装置、ドライエッチング装置、蒸着装置など)の一方の側面に設けたファイバフェルール10−Aには光ファイバ2−1Aおよび2−2Aが接続されており、この光ファイバ2−1Aおよび2−2Aから例えばレーザ光のような光信号T−1およびT−2が入力される。そして、ファイバフェルール10−Aの他端(装置9の内側)から出力された光信号は、真空装置9の他方の側面に設けたファイバフェルール10−Bに入力され、ファイバフェルール10−Bに接続された光ファイバ2−1Bおよび2−2Bから光信号P−1およびP−2として出力され、光信号P−1およびP−2は外部に設置した検出装置(図示せず)によりモニターされる。ファイバフェルール10−Aの他端には公知のコリメータを取り付けて、ファイバフェルール10−Bへ確実に光り信号が入力されるようにしてもよい。
真空装置9内での試料の反応状態等により、装置9内を通過する光信号の状態(例えば光の強度や波長等)が変化する。したがって、出力光信号であるP−1およびP−2を検出することにより、真空装置9内の反応状態をモニターでき、さらに、その情報に基づいて真空装置9内での反応を制御することもできる。
図7は、本発明のファイバフェルールの他の使用例を示したものである。高温加熱装置15(例えば、ガス燃焼装置、赤外線電気炉など)の一方の側面に設けたファイバフェルール10−Aには光ファイバ2−1Aおよび2−2Aが接続されており、この光ファイバ2−1Aおよび2−2Aから例えばレーザ光のような光信号T−1およびT−2が入力される。そして、ファイバフェルール10−Aの他端(装置15の内側)から出力された光信号は、高温加熱装置15の他方の側面に設けたファイバフェルール10−Bに入力され、ファイバフェルール10−Bに接続された光ファイバ2−1Bおよび2−2Bから光信号P−1およびP−2として出力され、光信号P−1およびP−2は外部に設置した検出装置(図示せず)によりモニターされる。上記と同様に、ファイバフェルール10−Aの他端には公知のコリメータを取り付けて、ファイバフェルール10−Bへ確実に光り信号が入力されるようにしてもよい。
高温加熱装置15内の燃焼状態(例えば、燃焼している火炎の分布、赤外線の装置内分布成など)によって、装置15内を通過する光信号の状態(例えば光の強度や波長等)が変化する。したがって、出力光信号であるP−1およびP−2を検出することにより、高温加熱装置15内の燃焼状態をモニターでき、さらに、その情報に基づいて高温加熱装置9内での加熱条件や燃焼状態を制御することもできる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
長さが約20mm、幅が約2mm、厚みが約5mmの石英ガラスからなるガラス体を準備し、その厚み方向中心部にその中心線に沿って、250μmの間隔で、直径127μmの貫通孔を2個形成した。ケイ酸カリウム水溶液(K0 8.8%、SiO 19.12%、SiO/KOモル比3.41、比重1.249、商品名オ一カシール、東京応化工業製)を2個の貫通孔のそれぞれの中に充填した。次いで、ケイ酸カリウム水溶液充填された貫通孔に、直径125μmの石英系ガラスファイバを挿入した。続いて、石英系ガラスファイバが挿入された状態で、ガラス体をマイクロ波オーブン内に入れ、出力600W、周波数245MHzの照射条件にて、マイクロ波を約40秒間照射して加熱した。オーブン内からガラス体を取り出して観察したところ、貫通孔の内壁面とガラスファイバ表面との隙間にガラス薄膜が形成されていることが確認できた。また通気試験を行ったところ、得られたファイバフェルールは、気密封止されていることが確認できた。
実施例2
ケイ酸カリウム水溶液に代えて、アルコオキシシランSi(CO) 10ccと水10ccとを混合した液剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてファイバフェルールを製造した。得られたファイバフェルールを観察したところ、貫通孔の内壁面とガラスファイバ表面との隙間にガラス薄膜が形成されていることが確認できた。また通気試験を行ったところ、得られたファイバフェルールは、気密封止されていることが確認できた。

Claims (13)

  1. 貫通孔を備えたガラス体、およびその貫通孔に挿入されたガラスファイバを含むファイバフェルールであって、
    前記貫通孔の内壁面と前記ガラスファイバの表面との間に設けられたガラス薄膜により、前記ガラス体と前記ガラスファイバとが密封封止されてなることを特徴とする、ファイバフェルール。
  2. 前記ガラス体に貫通孔が少なくとも2個設けられている、請求項1に記載のファイバフェルール。
  3. 前記ガラス体および前記ガラスファイバが、石英系ガラス材料ならなる、請求項1または2に記載のファイバフェルール。
  4. 前記ガラス薄膜が、少なくともSiOを含むガラス材料からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のファイバフェルール。
  5. 前記貫通孔の長さが10mm以上であり、ガラス薄膜が設けられた領域の長さが3mm以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のファイバフェルール。
  6. 前記貫通孔内壁表面と前記ガラスファイバ表面とが前記ガラス薄膜を介して融着することにより、前記貫通孔内壁と前記ガラスファイバとが気密封止されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のファイバフェルール。
  7. 前記貫通孔の開口端のいずれか一方において、前記ガラスファイバと前記貫通孔との隙間が接着剤によって補助的に気密封止されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のファイバフェルール。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のファイバフェルールを製造する方法であって、
    貫通孔を備えたガラス体の前記貫通孔に、ガラスファイバを挿入し、
    前記貫通孔の内壁面と前記ガラスファイバ表面との間の隙間に、珪素系化合物を含む液剤を充填し、
    前記ガラス体にマイクロ波を照射して加熱し、
    前記液剤をガラス化させてガラス薄膜を形成し、前記貫通孔の内壁面と前記ガラスファイバの表面との間を前記ガラス薄膜で密封封止する、
    ことを含んでなることを特徴とする、方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のファイバフェルールを製造する方法であって、
    貫通孔を備えたガラス体の前記貫通孔に、珪素系化合物を含む液剤を充填し、
    前記液剤が充填された貫通孔にガラスファイバを挿入し、
    前記ガラス体にマイクロ波を照射して加熱し、
    前記液剤をガラス化させてガラス薄膜を形成し、前記貫通孔の内壁面と前記ガラスファイバの表面との間を前記ガラス薄膜で密封封止する、
    ことを含んでなることを特徴とする、方法。
  10. 前記珪素系化合物を含む液剤が、珪素系化合物が溶解したアルコール溶液、アルカリ金属シリケート水溶液、および屈折率制御用ドーパントの水溶液含むアルカリ金属シリケート水溶液からなる群から選択されるものである、請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記マイクロ波の周波数が2450MHz帯である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記マイクロ波を照射した後に、ガラス薄膜が形成された領域を加熱して、前記貫通孔の内壁面と前記ガラスファイバの表面とをガラス薄膜によって融着させることをさらに含んでなる、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記ガラス薄膜を融着させた後に、前記貫通孔の内周とガラスファイバの外周はガラス薄膜で気密封止した後に、前記貫通孔の開口端のいずれか一方において、前記ガラスファイバと前記貫通孔との隙間を接着剤によって補助的に気密封止することをさらに含んでなる、請求項12に記載の方法。
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