JP2011037801A - 徐放性抗菌剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】抗菌効果をさらに長時間に亘って維持し、また、抗菌剤の徐放性による抗菌効果の維持を確認する。
【解決手段】水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子と、pH指示薬と、賦形剤と、難溶性のコーティング剤とを有する。賦形剤により抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合して混合物を形成し、混合物の表面を少なくとも一部を前記コーティング剤で被覆したコーティング層を形成してなる抗菌成形物を備える。抗菌剤粒子とpH指示薬は、コーティング層の溶解によって同時に溶解する。
【選択図】図1
【解決手段】水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子と、pH指示薬と、賦形剤と、難溶性のコーティング剤とを有する。賦形剤により抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合して混合物を形成し、混合物の表面を少なくとも一部を前記コーティング剤で被覆したコーティング層を形成してなる抗菌成形物を備える。抗菌剤粒子とpH指示薬は、コーティング層の溶解によって同時に溶解する。
【選択図】図1
Description
本発明は、徐放性抗菌剤に関し、特に、水中徐放性を有した抗菌剤に関する。
生活排水や医療排水等の水中に存在する、腐敗を引き起こす要因となる細菌や栄養物によって、排水流路から経時的に腐敗臭が発生する場合がある。このような排水流路からの腐敗臭の発生を予防する対策としてトラップを設けたり、水溶性の抗菌剤や芳香剤を排水流路に定期的あるいは連続的に散布することが行われている。
この散布による方法では、排水が連続的に流れ出すところでは抗菌剤や芳香剤が流出し、効果の持続が望めないという問題があるため、抗菌剤と水硬化性基剤とを混ぜて成形体を成形し、これによって腐敗臭の発生を長時間抑制することが知られている(特許文献1)。
水中徐放性を得る手法として、上記した水硬化性基剤を用いる方法の他に、溶解速度を減少させる薬剤を混ぜる方法(例えば、特許文献2)が知られている。
また、飲料水中にミネラル成分を継続的に一定量又は一定濃度で放出するミネラル水中徐放製剤において、ミネラル成分をバランス良く安定的に放出するために、多糖類溶液とミネラル剤とを混合し、塩化カルシウム溶液中に滴下し、多糖類溶液中の多糖類と塩化カルシウム溶液中の塩化カルシウムの反応によりミネラル剤をゲルカプセル化させてミネラル水中徐放製剤を成形し、多糖類溶液中の多孔質剤によって中心部まで所定透過率を持った多孔質状のゲルカプセルを形成し、多孔質によってミネラル剤の放出を制御することが知られている(特許文献3)。
一定量の抗菌剤を水中に溶解したとき、抗菌効果は経時的に減少するため、長時間に亘って安定的に一定の効果を持続させることはできないという問題がある。この問題に対して、上記したように、抗菌剤と水硬化性基剤とを混ぜて成形体を形成する手法、溶解速度を減少させる薬剤を混ぜる手法、多孔質を利用する手法等が知られている。
上記手法によって、抗菌剤に徐放性を持たせることで抗菌効果の延長について一定の効果を得ることができるものの、さらに長時間に亘って抗菌効果を維持することが求められている。
また、抗菌効果は時間の経過と共に変動するため、抗菌効果が維持されているのかを確認することが求められるが、従来の抗菌剤では抗菌剤効果の有無あるいは低下状態を確認することはできず、専ら経験則によって推定するしかない。
そのため、抗菌効果が失われた抗菌剤を使用し続けるといった状態や、抗菌効果が残存する抗菌剤にさらに新たに抗菌剤を追加するといった状態が生じるおそれがある。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、抗菌効果をさらに長時間に亘って維持することを目的とし、また、抗菌剤の徐放性による抗菌効果の維持を確認することを目的とする。
本発明の徐放性抗菌剤は、抗菌剤として水酸化カルシウムを用いる。水酸化カルシウムを溶液に溶解させると水酸化物イオンが発生し、この水酸化物イオンによって抗菌効果が奏される。このとき、水酸化物イオンの濃度はpH(水素イオン指数)を測定することによって知ることができる。
pH(水素イオン指数)が高い場合には、水酸化物イオン濃度が高く、高い抗菌効果を有している。一方、溶液を大気に解放している場合には、空気中の二酸化炭素が溶液に吸収され、水酸化物イオンが消費され、pH(水素イオン指数)は徐々に低下していく。また、溶液中に有機物が存在する場合には、この有機物の分解反応によって水酸化物イオンは消費され、pH(水素イオン指数)は徐々に低下していく。
本発明の徐放性抗菌剤は、大気中から二酸化炭素の吸収や有機物の分解反応によって消費される水酸化物イオンに対して、徐放性の抗菌剤によって徐々に水酸化物イオンを供給することによって抗菌効果を維持することができる。
また、本発明の徐放性抗菌剤は、水酸化カルシウムが溶液に溶解した際に発生する水酸化物イオンによる抗菌効果を、溶液のpH(水素イオン指数)をpH指示薬によって目視により確認することによって確認することができる。
このとき、抗菌剤粒子とpH指示薬とを同時に溶液中に溶解する構成とすることによって、pH指示薬の検出能力が経時的に劣化することによる誤検出を防ぐことができる。
本発明の徐放性抗菌剤は、二つの形態によって構成することができる。第1の形態は、抗菌剤の徐放性を持たせるための構成として、抗菌剤粒子を難溶解性のコーティング剤で覆う形態であり、第2の形態は、抗菌剤粒子と徐放性の賦形剤とを混合する形態である。
[第1の形態]
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態は、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子と、pH指示薬と、賦形剤と、難溶性のコーティング剤とを有し、賦形剤により抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合して混合物を形成し、混合物の表面の少なくとも一部をコーティング剤で被覆したコーティング層を形成して抗菌成形物を成形する。
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態は、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子と、pH指示薬と、賦形剤と、難溶性のコーティング剤とを有し、賦形剤により抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合して混合物を形成し、混合物の表面の少なくとも一部をコーティング剤で被覆したコーティング層を形成して抗菌成形物を成形する。
抗菌成形物を溶液内に投入すると、混合物は、表面にコーティング層が形成されていない部分は溶液と接触する。抗菌剤粒子とpH指示薬とは賦形剤によって一つの混合物を形成しており、混合物は溶液に比較的速やかに溶解し、混合していた抗菌剤粒子とpH指示薬が同時に溶解を開始する。
抗菌剤が溶解すると水酸化物イオンが生成され抗菌効果が発生する。pH指示薬は溶液のpH(水素イオン指数)を色や濃さで表すことによって、抗菌効果を目視で確認することができる。
一方、コーティング層が形成された部分は、コーティング層の難溶解性によって内部の混合物は溶液と接触せず抗菌効果は生じない。コーティング剤は、新たに抗菌剤粒子とpH指示薬とを同時に溶解させるための遅延要素として作用する。コーティング剤が徐々に溶解した後、内部の混合物は溶液と接触する。コーティング剤が溶解することで、それまでコーティング剤で覆われていた混合物が溶液と接触する。混合物は溶液と接触すると賦形剤の溶解が開始し、賦形剤に混合していた抗菌剤粒子とpH指示薬が同時に溶解を開始する。
コーティング剤の難溶解性によって混合物が溶解する時期をずらせることができるため、長い期間に亘って抗菌効果を維持することができる。
また、抗菌剤粒子が溶液に溶解して得られる水酸化物イオンの抗菌効果、およびpH指示薬がpH(水素イオン指数)を検出する能力(検出感度)は溶解した後、時間経過と共に低減するが、低減中にコーティング剤の溶解が進み、新たに抗菌剤粒子とpH指示薬とを同時に溶解させることで、抗菌効果と検出感度とを長時間に亘って維持することができる。
抗菌剤粒子とpH指示薬の溶解を開始する時期調整は、コーティング層の溶解性に経時特性を持たせることで行うことができる。
コーティング層の溶解性の経時特性は、コーティング層の厚さを異ならせることによって付与することができる。
抗菌生成物はコーティング層の厚さを異にする複数種類の抗菌剤生成物を備え、コーティング層の厚さを異にする複数種類の抗菌生成物を賦形剤により混合して一つの組成物を形成する。コーティング層の厚さを異ならせることによって、混合物が溶液と接触して溶解を開始する時点を変え、コーティング層の溶解性に経時特性を持たせることができる。この経時特性によって、抗菌剤粒子とpH指示薬の溶解時間を制御することができる。
異なる厚さのコーティング層を備える抗菌生成物を溶液に投入すると、溶液中に分散する。このとき、賦形剤に澱粉等の崩壊剤を加えることによって、生成物の崩壊性を高めることができる。溶液中に分散した抗菌生成物の内、コーティング層の厚さが薄いものから順次溶解していき、コーティング層が溶解すると抗菌剤粒子が溶液に溶解する。コーティング層の厚さが最も厚いものが溶解した時点で、最後の抗菌剤粒子の溶解が始まる。
また、抗菌剤粒子とpH指示薬の溶解を開始する時期調整は、コーティング層と混合物層とを積層することで行うことができる。
抗菌生成物は、コーティング層の上層に混合物の層を重ねてなる積層を少なくとも一つ備える。コーティング層の上層に混合物の層を重ねて積層構造とすることによって、上層の混合物が溶解した後、コーティング層が溶解する時間を経た後、下層の混合物が溶解する。コーティング層を挟むことによって、抗菌剤粒子とpH指示薬の溶解時間を制御することができる。
コーティング層と混合物の層との積層において、抗菌生成物は、コーティング層の外側に混合物の層を更に備える構成とする他、コーティング層の外側に混合物の層およびコーティング層を少なくともそれぞれ一層備える構成とすることができる。
本発明の徐放性抗菌剤の形状は、粒塊形状あるいはシート形状とすることができる。
徐放性抗菌剤の粒塊形状は、コア部分に設けた混合物の外周にコーティング層、又は、コーティング層と混合物の層を備えることで形成することができる。
徐放性抗菌剤のシート形状の形状は、シート状の基材上に混合物を面状、帯状、島状の少なくとも何れかの形態で形成し、混合物上の少なくとも一部にコーティング層を積層してシート状に形成することができる。
このシート形状において、積層されるコーティング層は、同一層内の厚さをシートの面内に方向において異ならせる構成とすることができる。コーティング層の厚さがシートの面内に方向において異ならせることによって、コーティング層が溶解する時点が一枚のシート内で順次異ならせることができ、抗菌剤粒子とpH指示薬の溶解を開始する時期を調整することができる。
本発明の徐放性抗菌剤において、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合する賦形剤は乳糖、澱粉、コーンスターチ、麦芽糖、トレハロース、水溶性植物繊維(難溶性デキストリン)等から選択した素材あるいは、これらから選択した複数の素材を混合してなる物を用いることができる。また、この賦形剤に澱粉、デキストリン等を混合することにより、錠剤の溶解性を高めることができる。澱粉などは、錠剤に加えることで、製造時の結着性や錠剤の溶解性を高める複合的な効果を奏することができる。
[第2の形態]
本発明の第2の形態は、抗菌剤粒子と徐放性の賦形剤とを混合する形態である。
本発明の第2の形態は、抗菌剤粒子と徐放性の賦形剤とを混合する形態である。
本発明の徐放性抗菌剤の第2の形態は、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子と、pH指示薬と、徐放性の賦形剤とを有する。賦形剤によって抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合して粒塊状の組成物を形成する。組成物は、抗菌剤粒子およびpH指示薬を粒塊の径方向に分散してなる。
第2の形態の徐放性抗菌剤を溶液に投入すると、賦形剤は表面から徐々に溶液に溶解する。賦形剤の溶解と共に、混合している抗菌剤粒子およびpH指示薬の内、溶解によって表面に現れた抗菌剤粒子およびpH指示薬が溶液に溶解する。
賦形剤の溶解と、抗菌剤粒子およびpH指示薬の溶解が並行して進む。賦形剤の溶解が終了した時点で、抗菌剤粒子およびpH指示薬の溶解も終了する。賦形剤の溶解特性を調整することによって、抗菌剤粒子およびpH指示薬の溶解時間を調整することができる。
第2の形態の徐放性抗菌剤に用いる賦形剤は、乳糖、澱粉、コーンスターチ等から選択した素材あるいは、これらから選択した複数の素材を混合してなる物を用いることができる。
第1の形態と第2の形態の徐放性抗菌剤のpH指示薬は、アントシアン系色素を用いることができる。
以上説明したように、本発明の状態抗菌剤によれば、水酸化カルシウムを溶解した溶液の抗菌効果の指標としてpH(水素イオン指数)を用いることによって、抗菌剤の徐放性による抗菌効果を目視で確認することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態は、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子と、pH指示薬と、賦形剤と、難溶性のコーティング剤とを有している。賦形剤によって抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合して混合物を形成し、さらに混合物の表面を少なくとも一部をコーティング剤で被覆することでコーティング層を形成し、抗菌成形物を成形する。
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態は、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子と、pH指示薬と、賦形剤と、難溶性のコーティング剤とを有している。賦形剤によって抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合して混合物を形成し、さらに混合物の表面を少なくとも一部をコーティング剤で被覆することでコーティング層を形成し、抗菌成形物を成形する。
また、本発明の徐放性抗菌剤の第2の形態は、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子と、pH指示薬と、徐放性の賦形剤とを有する。賦形剤によって抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合して粒塊状の組成物を形成する。
第1の形態および第2の形態は、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合した構成を共通して備え、この構成によって抗菌効果を目視によって確認することができる。
また、抗菌効果を長期間維持するために、第1の形態は混合物の表面にコーティング層を形成し、このコーティング層の徐放性によって抗菌剤粒子とpH指示薬が溶解する時間を制御する。また、第2の形態は抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合する賦形剤に徐放性を持たせ、この賦形剤の徐放性によって抗菌剤粒子とpH指示薬が溶解する時間を制御する。
以下、本発明の徐放性抗菌剤の形態例について図1〜図15を用いて説明する。本発明の第1の形態について、図1〜図13を用いて説明し、本発明の第2の形態について図14,15を用いて説明する。
[第1の形態]
第1の形態において、第1の構成例を図1〜3を用いて説明し、第2の構成例を図4を用いて説明し、第3の構成例を図5、6を用いて説明し、第4の構成例を図7,8を用いて説明し、第5の構成例を図9,10を用いて説明し、第6の構成例を図11を用いて説明し、第7の構成例を図12,13を用いて説明する。
第1の形態において、第1の構成例を図1〜3を用いて説明し、第2の構成例を図4を用いて説明し、第3の構成例を図5、6を用いて説明し、第4の構成例を図7,8を用いて説明し、第5の構成例を図9,10を用いて説明し、第6の構成例を図11を用いて説明し、第7の構成例を図12,13を用いて説明する。
[第1の構成例]
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第1の構成例について図1〜図3を用いて説明する。図1は第1の形態の第1の構成例および使用する抗菌剤生成物の構成例を説明するための概略図であり、図2は第1の形態の第1の構成例による抗菌剤の濃度の経時変化を説明するための図であり、図3は第1の形態の第1の構成例に用いる抗菌生成物の別の構成例を説明するための概略図である。
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第1の構成例について図1〜図3を用いて説明する。図1は第1の形態の第1の構成例および使用する抗菌剤生成物の構成例を説明するための概略図であり、図2は第1の形態の第1の構成例による抗菌剤の濃度の経時変化を説明するための図であり、図3は第1の形態の第1の構成例に用いる抗菌生成物の別の構成例を説明するための概略図である。
図1(a)は抗菌生成物2A〜2Cの構成例を示し、図1(b)は徐放性抗菌剤1Aの第1の構成例を示している。
図1(a)において、抗菌生成物2は、抗菌剤粒子10とpH指示薬12とを賦形剤11で混合して混合物13を形成し、この混合物13の表面をコーティング剤14で覆ってコーティング層を形成することで生成される。
抗菌剤粒子10は、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌性を有する粒子である。本発明に用いる抗菌剤粒子の微細粒子は水酸化カルシウムを主成分するものとすることができる。水酸化カルシウムは、当業者に既知の方法によって得ることができる。例えば、炭酸カルシウムを焼成して酸化カルシウムとした後、水和させることによって得ることができる。
炭酸カルシウム源は、動物性由来のカルシウムを使用することができ、例えば、ホタテ貝殻、アワビ貝殻、サザエ貝殻、ホッキ貝殻、ウニ貝殻の天然あるいは養殖の貝類の他、珊瑚殻等を原料に使用することができる。これらの内、貝殻組成が均一である点および供給量が多いなどの点から、ホタテ貝殻を使用することが好適である。
これらの貝殻は、粉砕して殻等を原料に使用することができる。これらのうち、貝殻組成が均一である点及び供給量が多いなどの点から、ホタテ貝殻を使用することが好ましい。
これらの貝殻は、粉砕して貝殻粉末(あるいは粒状物)とし、800℃〜1500℃で、より好ましくは850℃〜1200℃で、例えば炭酸ガスを導入しながら焼成する。焼成は空気中で行ってもよいし、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行なってもよい。焼成時間は一焼成温度等によって適宜設定されるが、通常、雰囲気温度が所定の焼成温度に到達した後、10〜120分、好ましくは15〜90分である。こうした焼成処理により、不要な有機物を熱分解によって除去する。
焼成後、水和させて水酸化カルシウム主体の微細粒子を得る。焼成又は水和の過程で、必要に応じてさらに粉砕を行い、最終的には平均粒径0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μmの微粉末とする。
賦形剤は、例えば、乳糖、澱粉、コーンスターチ等を用いることができ、固化して錠剤の形態とする他、水溶解性のカプセル内に封入することができる。賦形剤は、溶液に投入することによって比較的に速やかに溶解して、混合している抗菌剤粒子10とpH指示薬12を溶液中に放出する。
溶液中に放出された抗菌剤粒子10は溶解して水酸化物イオンを生成する。溶液中に放出されたpH指示薬12の色素は、例えば、溶液の水素イオン濃度に応じた色あるいは濃度を呈色し、溶液のpH(水素イオン指数)を目視で確認することができる。
水酸化物イオンの抗菌効果と溶液の水素イオン濃度との間には相関関係があるため、溶液のpH(水素イオン指数)を指標として抗菌効果を確認することができる。
コーティング剤14は、例えば、油脂性エステルを用いることができる。コーティング剤14は難溶解性を有し、溶液に投入されると、徐々に溶解する。このコーティング剤14によって混合物13の外表面をコーティングすることによって、抗菌生成物2に徐放性を持たせることができる。この徐放性は、コーティング剤14からなるコーティング層の厚さによって制御することができる。
図1(a)は、コーティング層の厚さを異にする抗菌生成物の例を示している。抗菌生成物2A〜抗菌生成物2Cは、それぞれのコーティング層の厚さta〜tcが順に厚くなる例を示している。
徐放性はコーティング層の厚さで制御することができ、コーティング層の厚さが厚い場合には溶解に要する時間が長くなり、逆に、コーティング層の厚さが薄い場合には溶解に要する時間が短くなる。コーティング層の溶解が完了した後には、コア側に設けた混合物13が溶液内に放出され、抗菌剤粒子10およびpH指示薬12が溶液に溶解する。
したがって、図1(a)に示す抗菌生成物2A〜2Cを同時に溶液中に投入した場合には、コーティング層の薄い抗菌生成物2Aから先に溶解が完了し、コーティング層が最も厚い抗菌生成物2Cが最後に溶解を完了する。
図1(b)において、コーティング層の厚さを異にする複数種類の抗菌生成物2A〜2Cを複数個用意し、これらの抗菌生成物2A〜2Cと抗菌剤粒子10とpH指示薬12とを賦形剤15で混合して徐放性抗菌剤1Aを形成する。
賦形剤15は、例えば、乳糖、澱粉、コーンスターチ等を用いることができ、固化して錠剤の形態とすることができる。
徐放性抗菌剤1Aを溶液内に投入すると、はじめに賦形剤15が溶解して、抗菌生成物2A〜2C、抗菌剤粒子10、およびpH指示薬12を溶液中に放出する。溶液中には抗菌剤粒子10が投入されるため、この抗菌剤粒子10が溶解することによって、水酸化物イオンが生成されて抗菌効果が呈される。また、pH指示薬12も溶液中に放出され、pH指示薬12の色素は、水酸化物イオンの濃度に応じた呈色を示す。
図2(a)は、本発明の徐放性抗菌剤による抗菌効果の経時特性を模式的に示している。なお、図2に示す縦軸は水酸化物イオンの濃度を示し、抗菌効果の程度を示している。
図2(a)において、実線ははじめに溶解する抗菌剤粒子10によって得られる水酸化物イオンの濃度の経時変化を示し、破線は抗菌生成物2Aの抗菌剤粒子10によって得られる水酸化物イオンの濃度の経時変化を示し、一点鎖線は抗菌生成物2Bの抗菌剤粒子10によって得られる水酸化物イオンの濃度の経時変化を示し、二点鎖線は抗菌生成物2Cの抗菌剤粒子10によって得られる水酸化物イオンの濃度の経時変化を示している。
実線で示す水酸化物イオンの濃度の経時変化は、徐放性抗菌剤1Aを溶液に投入した後に所定の濃度に増加し、その後減少する。この間に抗菌生成物2A,2B,2Cのコーティング剤14が徐々に溶解する。抗菌生成物2Aのコーティング層は、時間T1を経過した時点で溶解して、コア部分に備えている混合物13を放出する。混合物13の賦形剤は比較的速やかに溶解して、混合していた抗菌剤粒子10とpH指示薬12を溶液に放出する。
抗菌生成物2から放出された抗菌剤粒子10が溶解することによって、水酸化物イオンの濃度は再び増加する。破線で示す水酸化物イオンの濃度は、抗菌生成物2Aの抗菌剤粒子10によって得られる水酸化物イオンの濃度の経時変化を示している。
破線で示す経時変化は、実線で示した経時変化と同様に、抗菌生成物2Bのコーティング層は時間T2を経過した時点で溶解して、コア部分に備えている混合物13を放出し、所定の濃度に増加した後減少する。
抗菌生成物2Cについても同様に、コーティング層が溶解した後に抗菌剤粒子が溶解して水酸化物イオンの濃度が増減する。抗菌剤粒子の溶解が開始される時期が異なる複数の抗菌生成物を用いることによって、抗菌効果を長時間にわたって維持することができる。
図2(b)はpH指示薬の色素の発色状態の経時変化を模式的に示している。図2(b)において、実線ははじめに溶解するpH指示薬12によって得られる発色状態の経時変化を示し、破線は抗菌生成物2AのpH指示薬12によって得られる発色状態の経時変化を示し、一点鎖線は抗菌生成物2BのpH指示薬12によって得られる発色状態の経時変化を示し、二点鎖線は抗菌生成物2CのpH指示薬12によって得られる発色状態の経時変化を示している。
pH指示薬の色素の発色状態は時間経過と共に低下する傾向を示すが、本発明では、溶解が開始される時期が異なる複数の抗菌生成物を用い、各抗菌生成物において、抗菌剤粒子の溶解と共にpH指示薬を溶液中に投入することによって、pH指示薬の発色状態を長時間にわたって維持することができる。
図3は抗菌生成物の別の構成例を説明するための概略図である。この構成例の抗菌生成物は、コーティング層の上層に混合物の層を重ねてなる積層を少なくとも一つ備える構成であり、この積層によってコーティング層の溶解性に経時特性を持たせ、コーティング層の下層にある抗菌剤粒子とpH指示薬の溶解時間を制御するものである。
図3(a)に示す抗菌生成物2Dは、抗菌剤粒子10aとpH指示薬12aとを賦形剤11aで混合してなる混合物13aを中心のコア部分に設け、この混合物13aの外表面にコーティング剤14によるコーティング層を設け、さらにこのコーティング層の外側に、抗菌剤粒子10bとpH指示薬12bとを賦形剤11bで混合してなる混合物13bの層を設ける。
この抗菌生成物2Dを溶液に投入すると、はじめに最も外側の混合物13bの層が溶解して抗菌剤粒子10bとpH指示薬12bとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10bは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏する。抗菌効果は、pH指示薬12b色素の色あるいは濃度によって目視で確認することができる。
コーティング層は、混合物13bの層が溶解した後、徐々に溶解が進む。コーティング層は、所定時間が経過した後に溶解し、コア部分の混合物13aが溶解して、抗菌剤粒子10aとpH指示薬12aとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10aは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏し、放出されたpH指示薬12aは色素の色あるいは濃度によって、抗菌効果を目視で確認することができる。
図3(b)に示す抗菌生成物2Eは、抗菌剤粒子10aとpH指示薬12aとを賦形剤11aで混合してなる混合物13aを中心のコア部分に設け、この混合物13aの外表面にコーティング剤14によるコーティング層を設け、さらにこのコーティング層の外側に、抗菌剤粒子10bとpH指示薬12bとを賦形剤11bで混合してなる混合物13bの層を設け、この混合物13bの外表面にコーティング剤14によるコーティング層を設け、このコーティング層の外側に、抗菌剤粒子10cとpH指示薬12cとを賦形剤11cで混合してなる混合物13cの層を設ける。
この抗菌生成物2Eを溶液に投入すると、はじめに最も外側の混合物13cの層が溶解して抗菌剤粒子10cとpH指示薬12cとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10cは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏する。抗菌効果は、pH指示薬12cの色素の色あるいは濃度によって目視で確認することができる。
コーティング層は、混合物13cの層が溶解した後、徐々に溶解が進む。コーティング剤14bのコーティング層は、所定時間が経過した後に溶解し、内側の混合物13bの層が溶解して、抗菌剤粒子10bとpH指示薬12bとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10bは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏し、放出されたpH指示薬12bは色素の色あるいは濃度によって、抗菌効果を目視で確認することができる。
コーティング剤14aのコーティング層は、混合物13bの層が溶解した後、徐々に溶解が進む。コーティング層は、所定時間が経過した後に溶解し、コア部分の混合物13aが溶解して、抗菌剤粒子10aとpH指示薬12aとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10aは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏し、放出されたpH指示薬12aは色素の色あるいは濃度によって、抗菌効果を目視で確認することができる。
図3(a)はコア部分の混合物の外側に、コーティング層と混合物の層をそれぞれ1層分積層する構成例を示し、図3(b)はコア部分の混合物の外側に、コーティング層と混合物の層をそれぞれ2層分積層する構成例を示しているが、コア部分の混合物の外側に積層するコーティング層と混合物の層は任意の層数とすることができる。
[第2の構成例]
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第2の構成例について図4を用いて説明する。図4は第1の形態の第2の構成例を説明するための概略図である。
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第2の構成例について図4を用いて説明する。図4は第1の形態の第2の構成例を説明するための概略図である。
図4(a)は徐放性抗菌剤1Bの構成例を示し、図4(b),(c)は溶液中に投入した状態例を示している。
図4(a)において、徐放性抗菌剤1Bは、シート状の基部16上に混合物の層とコーティング剤の層を積層する構成例である。
徐放性抗菌剤1Bは、抗菌剤粒子10aとpH指示薬12aとを賦形剤11aで混合してなる混合物13aをシート状の基部16上に設けて層を形成し、この混合物13aの層に上方にコーティング剤14によるコーティング層を設け、さらにこのコーティング層の上方に、抗菌剤粒子10bとpH指示薬12bとを賦形剤11bで混合してなる混合物13bの層を設ける。
この徐放性抗菌剤1Bを溶液に投入すると、はじめに最も上層の混合物13bの層が溶解して抗菌剤粒子10bとpH指示薬12bとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10bは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏する。抗菌効果は、pH指示薬12bの色素の色あるいは濃度によって目視で確認することができる(図4(b))。
コーティング層は、混合物13bの層が溶解した後、徐々に溶解が進む。コーティング層は、所定時間が経過した後に溶解し、混合物13aの層が溶解して、抗菌剤粒子10aとpH指示薬12aとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10aは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏し、放出されたpH指示薬12aは色素の色あるいは濃度によって、抗菌効果を目視で確認することができる(図4(c))。
[第3の構成例]
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第3の構成例について図5,6を用いて説明する。図5,6は第1の形態の第3の構成例を説明するための概略断面図、および平面図である。
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第3の構成例について図5,6を用いて説明する。図5,6は第1の形態の第3の構成例を説明するための概略断面図、および平面図である。
図5(a)は徐放性抗菌剤1Cの構成例を示し、図5(b)〜(d)は溶液中に投入した状態例を示している。
図5(a)において、徐放性抗菌剤1Cは、シート状の基部16上に混合物の層とコーティング剤の層を積層する構成例であって、コーティング層の厚さを異ならせる構成例である。
徐放性抗菌剤1Cは、抗菌剤粒子10とpH指示薬12とを賦形剤11で混合してなる混合物13をシート状の基部16上に設けて層を形成し、この混合物13の層に上方にコーティング剤14によるコーティング層を設ける。コーティング層の層厚は、シート状の基部16の面方向に異ならせる。図5(a)に示す例では、混合物13cの層の表面にはコーティング層を設けず、混合物13bの層と混合物13aの層の表面にはコーティング層を設ける。ここで、混合物13bの層上に設けるコーティング剤14bのコーティング層の層厚と、混合物13aの層上に設けるコーティング剤14aのコーティング層の層厚とを異ならせる。
この徐放性抗菌剤1Cを溶液に投入すると、はじめに、コーティング層が設けられていない混合物13cの層が溶解して抗菌剤粒子10cとpH指示薬12cとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10cは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏する。抗菌効果は、pH指示薬12cの色素の色あるいは濃度によって目視で確認することができる(図5(b))。
コーティング剤14b,14aのコーティング層は、混合物13cの層が溶解した後、徐々に溶解が進む。層厚が薄いコーティング剤14bのコーティング層は、所定時間が経過した後に溶解し、混合物13bの層が溶解して、抗菌剤粒子10bとpH指示薬12bとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10bは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏し、放出されたpH指示薬12bは色素の色あるいは濃度によって、抗菌効果を目視で確認することができる(図5(c))。
コーティング剤14aのコーティング層は、混合物13bの層が溶解した後、徐々に溶解が進む。層厚が厚いコーティング剤14aのコーティング層は、所定時間が経過した後に溶解し、混合物13aの層が溶解して、抗菌剤粒子10aとpH指示薬12aとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10aは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏し、放出されたpH指示薬12aは色素の色あるいは濃度によって、抗菌効果を目視で確認することができる(図5(d))。
図6(a)は、第3の構成例において、基部16が矩形形状である場合を示している。この構成例では矩形形状の基部16上の混合物13a,13b,13cの層を帯状に形成する例を示している。なお、ここで、混合物13c上にはコーティング層(図示していない)は設けられず、混合物13b,13a上には層厚を異ならせたコーティング層(図示していない)が設けられる。
図6(b)は、第3の構成例において、基部16が円形形状である場合を示している。この構成例では円形形状の基部16上の混合物13a,13b,13cの層を同心円状に形成する例を示している。なお、ここで、混合物13c上にはコーティング層(図示していない)は設けられず、混合物13b,13a上には層厚を異ならせたコーティング層(図示していない)が設けられる。
なお、基部の形状は、上記した矩形形状や円形形状に限らず任意の形状とすることができる。また、一つの基部に混合物の層とコーティング剤の層からなる部分をコーティング層の層厚を異ならせた複数種類のものを設ける構成の他、一つの基部には混合物の層と一つの層厚のコーティング剤の層を設け、異なる層厚ごとに別の基部上に形成する構成としてもよい。
[第4の構成例]
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第4の構成例について図7,8を用いて説明する。図7,8は第1の形態の第4の構成例を説明するための概略断面図、および平面図である。
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第4の構成例について図7,8を用いて説明する。図7,8は第1の形態の第4の構成例を説明するための概略断面図、および平面図である。
図7(a)は徐放性抗菌剤1Dの構成例を示し、図7(b)〜(d)は溶液中に投入した状態例を示している。
図7(a)において、徐放性抗菌剤1Dは、シート状の基部16上に混合物の層とコーティング剤の層を積層する構成例であって、コーティング層の厚さを連続的に異ならせる構成例である。
徐放性抗菌剤1Dは、抗菌剤粒子10とpH指示薬12とを賦形剤11で混合してなる混合物13をシート状の基部16上に設けて層を形成し、この混合物13の層に上方にコーティング剤14によるコーティング層を設ける。コーティング層の層厚は、シート状の基部16の面方向に連続的に異ならせる。図7(a)に示す例では、混合物13の層の表面に、コーティング層を設けない部分と、コーティング層の層厚を連続的に変える部分とを設ける。ここで、コーティング層の層厚は、直線状に変化させる他に、任意の曲線形状で変化させてもよい。
また、シート状基部の面内において、コーティング層の層厚を任意の図形形状に合わせて形成した場合には、コーティング層の溶解部分および未溶解部分が形作る形状が時間経過に伴って変化する。この図形形状において、例えば、時間経過に伴う抗菌効果の変化状態を表す文字や図形を形成しておくことによって、pH指示薬の色や濃度によって抗菌効果の変化を確認する他、文字や図形で確認することができる。
この徐放性抗菌剤1Dを溶液に投入すると、はじめに、コーティング層が設けられていない混合物13の層が溶解して抗菌剤粒子10とpH指示薬12とが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10は水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏する。抗菌効果は、pH指示薬12の色素の色あるいは濃度によって目視で確認することができる(図7(b))。
コーティング剤14のコーティング層は、混合物13の層の一部が溶解した後、徐々に溶解が進む。コーティング層において層厚が薄い部分から順に溶解し、そのコーティング層に下側の混合物13の層が溶解して、抗菌剤粒子10とpH指示薬12とが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10は水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏し、放出されたpH指示薬12は色素の色あるいは濃度によって、抗菌効果を目視で確認することができる(図7(c),(d))。
図8(a)は、第4の構成例において、基部16が矩形形状である場合を示している。この構成例では矩形形状の基部16上の混合物13の層を一方の辺から対向する辺に向かって、コーティング層の層厚を順に変化させて形成する例を示している。
図8(b)は、第4の構成例において、基部16が円形形状である場合を示している。この構成例では円形形状の基部16上の混合物13の層の層厚を径方向に沿って変化させて形成する例を示している。
なお、基部の形状は、上記した矩形形状や円形形状に限らず任意の形状とすることができる。また、一つの基部に混合物の層とコーティング剤の層からなる部分をコーティング層の層厚を異ならせた複数種類のものを設ける構成の他、一つの基部には混合物の層と一つの層厚のコーティング剤の層を設け、異なる層厚ごとに別の基部上に形成する構成としてもよい。
[第5の構成例]
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第5の構成例について図9,10を用いて説明する。図9,10は第1の形態の第5の構成例を説明するための概略断面図、および平面図である。
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第5の構成例について図9,10を用いて説明する。図9,10は第1の形態の第5の構成例を説明するための概略断面図、および平面図である。
図9(a)は徐放性抗菌剤1Eの構成例を示し、図9(b)〜(d)は溶液中に投入した状態例を示している。
図9(a)において、徐放性抗菌剤1Eは、シート状の基部16上に混合物の層とコーティング剤の層を積層する構成例であって、シート状の基部16上に複数の混合物を島状に設け、この混合物の表面を覆うコーティング層の厚さを異ならせる構成例である。
徐放性抗菌剤1Eは、抗菌剤粒子10aとpH指示薬12aとを賦形剤11aで混合してなる混合物13a、抗菌剤粒子10bとpH指示薬12bとを賦形剤11bで混合してなる混合物13b、抗菌剤粒子10cとpH指示薬12cとを賦形剤11cで混合してなる混合物13c等の複数の混合物をシート状の基部16上に島状に形成し、混合物13cはコーティング剤によって覆うことなく露出させ、混合物13bおよび混合物13aは、その上方にコーティング剤14,14bによってコーティング層を設ける。コーティング層の層厚は異ならせる。
図9(a)に示す例では、混合物13cの島部分の表面にはコーティング層を設けず、混合物13aと混合物13bの島部分の表面にはコーティング層を設ける。ここで、混合物13bの島上に設けるコーティング剤14bのコーティング層の層厚と、混合物13aの島上に設けるコーティング剤14aのコーティング層の層厚とを異ならせる。
この徐放性抗菌剤1Eを溶液に投入すると、はじめに、コーティング層が設けられていない混合物13cの層が溶解して抗菌剤粒子10cとpH指示薬12cとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10cは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏する。抗菌効果は、pH指示薬12cの色素の色あるいは濃度によって目視で確認することができる(図9(b))。
コーティング剤14b,14aのコーティング層は、混合物13cの層が溶解した後、徐々に溶解が進む。層厚が薄いコーティング剤14bのコーティング層は、所定時間が経過した後に溶解し、混合物13bの層が溶解して、抗菌剤粒子10bとpH指示薬12bとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10bは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏し、放出されたpH指示薬12bは色素の色あるいは濃度によって、抗菌効果を目視で確認することができる(図9(c))。
コーティング剤14aのコーティング層は、混合物13bの層が溶解した後、徐々に溶解が進む。層厚が厚いコーティング剤14aのコーティング層は、所定時間が経過した後に溶解し、混合物13aの層が溶解して、抗菌剤粒子10aとpH指示薬12aとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10aは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏し、放出されたpH指示薬12aは色素の色あるいは濃度によって、抗菌効果を目視で確認することができる(図9(d))。
図10において、第5の構成例の混合物13はシート状の基部16の表面上に島状に分散させて形成される。
なお、基部の形状は、上記した矩形形状や円形形状に限らず任意の形状とすることができる。また、一つの基部に混合物の層とコーティング剤の層からなる部分をコーティング層の層厚を異ならせた複数種類のものを設ける構成の他、一つの基部には混合物の層と一つの層厚のコーティング剤の層を設け、異なる層厚ごとに別の基部上に形成する構成としてもよい。
[第6の構成例]
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第6の構成例について図11を用いて説明する。図11は第1の形態の第6の構成例を説明するための概略図である。
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第6の構成例について図11を用いて説明する。図11は第1の形態の第6の構成例を説明するための概略図である。
図11(a)は徐放性抗菌剤1Fの構成例を示し、図11(b),(c)は溶液中に投入した状態例を示している。
図11(a)において、徐放性抗菌剤1Fは、筒状のケース17内に混合物の層とコーティング剤の層を形成する構成例である。
徐放性抗菌剤1Fは、抗菌剤粒子10aとpH指示薬12aとを賦形剤11aで混合してなる混合物13a、抗菌剤粒子10bとpH指示薬12bとを賦形剤11bで混合してなる混合物13b、抗菌剤粒子10cとpH指示薬12cとを賦形剤11cで混合してなる混合物13cの各混合物の層と、コーティング剤14a,14bの層とをケース17の内部に交互に積層してなる。ケース17は、少なくとも一方の端部が開放している。
以下、ケース17の一方の端部は開放し、他方の端部は閉じている構成例について説明する。
徐放性抗菌剤1Fを溶液に投入すると、はじめに、ケース17の開口部側に露出している混合物13cの層が溶解して抗菌剤粒子10cとpH指示薬12cとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10cは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏する。抗菌効果は、pH指示薬12cの色素の色あるいは濃度によって目視で確認することができる(図11(b))。
コーティング層14bは、混合物13cの層が溶解した後、徐々に溶解が進む。コーティング層14bは、所定時間が経過した後に溶解し、次に、混合物13bの層が溶解して、抗菌剤粒子10bとpH指示薬12bとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10bは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏し、放出されたpH指示薬12bは色素の色あるいは濃度によって、抗菌効果を目視で確認することができる(図11(c))。
次に、コーティング層14aは、混合物13bの層が溶解した後、徐々に溶解が進む。コーティング層14aは、所定時間が経過した後に溶解し、次に、混合物13aの層が溶解して、抗菌剤粒子10aとpH指示薬12aとが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10aは水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏し、放出されたpH指示薬12aは色素の色あるいは濃度によって、抗菌効果を目視で確認することができる
[第7の構成例]
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第7の構成例について図12,13を用いて説明する。図12,13は第1の形態の第7の構成例を説明するための概略断面図、および平面図である。
本発明の徐放性抗菌剤の第1の形態の第7の構成例について図12,13を用いて説明する。図12,13は第1の形態の第7の構成例を説明するための概略断面図、および平面図である。
図12(a)は徐放性抗菌剤1Gの構成例を示し、図12(b)〜(d)は溶液中に投入した状態例を示している。
図12(a)において、徐放性抗菌剤1Gは、シート状の基部16上に混合物の層とコーティング剤の層を積層する構成例であって、シート状の基部16上に混合物を設け、この混合物の表面を覆うコーティング層の厚さを場所によって異ならせる構成例である。
徐放性抗菌剤1Gは、抗菌剤粒子10とpH指示薬12とを賦形剤11で混合してなる混合物13をシート状の基部16上に形成し、混合物13はコーティング剤によって覆うことなく露出させる部分と、表面上にコーティング剤14によってコーティング層を設ける部分とを備え、コーティング層の層厚は場所によって異ならせる。
図12(a)に示す例では、混合物13の外周部分の表面にはコーティング層を設けず、混合物13の面上で中心側部分の表面にはコーティング層を設ける。ここで、混合物13に設けるコーティング剤14のコーティング層の層厚は、周辺部分を薄くし、中心側部分を厚く形成する。なお、この層厚は、上記構成に限られるものではなく、任意に設定することができる。
例えば、第4の構成例と同様に、シート状基部の面内において、コーティング層の層厚を任意の図形形状に合わせて形成してもよい。この場合には、コーティング層の溶解部分および未溶解部分が形作る形状が時間経過に伴って変化する。この図形形状において、例えば、時間経過に伴う抗菌効果の変化状態を表す文字や図形を形成しておくことによって、pH指示薬の色や濃度によって抗菌効果の変化を確認する他、文字や図形で確認することができる。
この徐放性抗菌剤1Gを溶液に投入すると、はじめに、コーティング層が設けられていない混合物13の部分が溶解して抗菌剤粒子10とpH指示薬12とが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10は水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏する。抗菌効果は、pH指示薬12の色素の色あるいは濃度によって目視で確認することができる(図12(b))。
コーティング剤14のコーティング層は徐々に溶解が進む。層厚が薄いコーティング層から順に溶解し、そのコーティング層の下部にある抗菌剤粒子10とpH指示薬12とが溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10は水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏し、放出されたpH指示薬12は色素の色あるいは濃度によって、抗菌効果を目視で確認することができる(図12(c)、(d))。
図13において、第7の構成例の混合物13はシート状の基部16の表面上に円形形状で形成される。
なお、基部16の形状は、上記した矩形形状に限らず任意の形状とすることができ、また、混合物13の形状は、上記した円形形状に限らず任意の形状とすることができる。
[第2の形態]
第2の形態は抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合する賦形剤に徐放性を持たせ、この賦形剤の徐放性によって抗菌剤粒子とpH指示薬が溶解する時間を制御する構成である。
第2の形態は抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合する賦形剤に徐放性を持たせ、この賦形剤の徐放性によって抗菌剤粒子とpH指示薬が溶解する時間を制御する構成である。
第2の形態について図14,15を用いて説明する。
図14において、徐放性抗菌剤1Hは、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子10と、pH指示薬12と、徐放性の賦形剤18とを有し、賦形剤18により抗菌剤粒子10とpH指示薬12とを混合して粒塊状の組成物19を形成する。組成物19において、抗菌剤粒子10およびpH指示薬12は粒塊の径方向に分散している。
図15は第2の形態による抗菌剤の濃度の経時変化を説明するための図である。なお、図15に示す縦軸は水酸化物イオンの濃度を示し、抗菌効果の程度を示している。
徐放性抗菌剤1Hを溶液に投入すると、賦形剤18が徐々に溶解する。この賦形剤18の溶解に伴って、抗菌剤粒子10およびpH指示薬12が溶液に放出される。放出された抗菌剤粒子10は水酸化物イオンを生成し、これによって抗菌効果を奏する。抗菌効果は、pH指示薬12の色素の色あるいは濃度によって目視で確認することができる。
図15(a)において、水酸化物イオンの濃度の経時変化は、徐放性抗菌剤1Hを溶液に投入した後に所定の濃度に増加した後、ほぼ一定の濃度を維持する。また、図15(b)において、pH指示薬の発色状態はほぼ一定に維持される。
上記した各構成例において、基部上に抗菌剤粒子とpH指示薬とを混合した混合物を設ける構成によれば、混合物の基部上へ形成やコーティング剤の積層は、印刷技術を適用することができ、混合物を所定のパターンで基部上に塗布あるいはプリントしたり、コーティング剤を所定のパターンで混合物上に塗布あるいはプリントすることによって生成することができる。
上記各形態および構成例において、賦形剤は乳糖、澱粉、コーンスターチ、麦芽糖、トレハロース、水溶性植物繊維(難消化性デキストリン)等を用いることができ、コーティング剤は油脂性エステルを用いることができる。
pH指示薬はアントシアン系色素等の天然色素を由来とするものを用いる他、化学合成形指示薬を用いることができる。天然色素の由来の指示薬としては、例えば、アントシアン系のシソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、エルダーベリー色素、ブドウ/ブルーベリー色素等を用いることができる。また、化学合成系指示薬としては、例えば、ラクトン系としてフェノールフタレイン、チモールフタレイン、サルトン系としてフェノールレッド、チモールブルー、ブロムチモールブルー、ジアゾ系としてアリザリンイエローR、エリオクロムブラックTを用いることができる。
本発明は、前記した第1の形態および第2の形態によって、抗菌剤を溶液に投入した後、ゆっくり、少しずつ溶解させることができる。
第1の形態は、抗菌剤を油脂エステルでコーティングすることによって徐放性を付与する。コーティングは、コーティング層の厚さによって溶解時間を調整することができ、厚いほど抗菌粒子が溶解するまでの時間を長くすることができる。コーティング層の厚さを異ならせて、複数の粒子径の粒子を複数個形成し、これらの粒子を賦形剤と混合して混合物を形成する。混合物は、固めて錠剤の形態とする他、カプセルに封入する形態とすることもできる。
pH依存型の色素(アントシアン系色素等)は、乳糖、澱粉、コンスターチ等に混合し、賦形剤として粒子と混合する。
この徐放性抗菌剤を溶液に投入すると、賦形剤は比較的速く溶解し、コーティングした粒子が溶液中に散在する。コーティング厚が薄い粒子から順次、コーティング層の溶解が終了し、溶液中に抗菌剤が溶解していく。コーティング厚が最も厚い粒子の溶解が完了した時点で、抗菌剤の溶解が終了する。
pH依存型の色素の発色状態は抗菌効果の指標となり、pHが下がって色素の発色状態が変化した時点で、抗菌効果が終了したものと認識することができる。
第2の形態は、抗菌剤粒子を賦形剤に直接混合することによって徐放性を付与する。pH依存型の色素(アントシアン系色素等)は、抗菌剤と共に賦形剤に混合する。混合物は、固めて錠剤の形態とすることができ、カプセルに封入する形態には不適である。
この徐放性抗菌剤を溶液に投入すると、表面から徐々に溶液への溶解が進み、賦形剤の溶解と共に、抗菌剤と色素が溶解する。これによって、抗菌剤と色素は、継続的に溶液中に供給される。賦形剤の溶解が終了したとき、同時に抗菌剤と色素の溶解も終了する。
pH依存型の色素の発色状態は抗菌効果の指標となり、pHが下がって色素の発色状態が変化した時点で、抗菌効果が終了したものと認識することができる。
pH依存型の色素は、種類によって、特にアルカリ域では長時間安定な発色を維持できないものがある。そのため、溶液に投入した直後のみにおいて色素が溶解すると、長時間に渡って安定して発色を維持することができず、pH判定を正確に行うことができない場合がある。
これに対して、本発明の形態によれば、色素の溶解を長時間に渡って継続させることができるため、安定した発色を維持することができ、抗菌性の判定を長時間行うことができる。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H 徐放性抗菌剤
2 抗菌生成物
2A,2B,2C,2D,2E 抗菌生成物
10,10a,10b,10c 抗菌剤粒子
11,11a,11b,11c 賦形剤
12,12a,12b,12c 指示薬
13,13a,13b,13c 混合物
14,14a,14b コーティング剤
15 賦形剤
16 基部
17 ケース
18 賦形剤
19 組成物
2 抗菌生成物
2A,2B,2C,2D,2E 抗菌生成物
10,10a,10b,10c 抗菌剤粒子
11,11a,11b,11c 賦形剤
12,12a,12b,12c 指示薬
13,13a,13b,13c 混合物
14,14a,14b コーティング剤
15 賦形剤
16 基部
17 ケース
18 賦形剤
19 組成物
Claims (12)
- 水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子と、pH指示薬と、賦形剤と、難溶性のコーティング剤とを有し、
前記賦形剤により前記抗菌剤粒子と前記pH指示薬とを混合して混合物を形成し、
前記混合物の表面を少なくとも一部を前記コーティング剤で被覆したコーティング層を形成してなる抗菌成形物を備え、
前記抗菌剤粒子と前記pH指示薬は、前記コーティング層の溶解によって同時に溶解することを特徴とする、徐放性抗菌剤。 - 前記抗菌生成物は前記コーティング層の厚さを異にする複数種類の抗菌剤生成物を備え
前記複数種類の抗菌生成物を賦形剤により混合して一つの組成物を形成してなり、
前記コーティング層の異なる厚さによってコーティング層の溶解性に経時特性を持たせ、前記抗菌剤粒子と前記pH指示薬の溶解時間を制御することを特徴とする、請求項1に記載の徐放性抗菌剤。 - 前記抗菌生成物は、前記コーティング層の上層に前記混合物の層を重ねてなる積層を少なくとも一つ備え、
前記積層によってコーティング層の溶解性に経時特性を持たせ、前記抗菌剤粒子と前記pH指示薬の溶解時間を制御することを特徴とする、請求項1に記載の徐放性抗菌剤。 - 前記抗菌生成物は、前記コーティング層の外側に前記混合物の層を更に備えることを特徴とする、請求項3に記載の徐放性抗菌剤。
- 前記抗菌生成物は、前記コーティング層の外側に、前記混合物の層およびコーティング層を少なくともそれぞれ一層備えることを特徴とする、請求項3に記載の徐放性抗菌剤。
- コア部分に設けた混合物の外周に前記コーティング層、又は、前記コーティング層と前記混合物の層を備えて粒塊状に形成してなることを特徴とする、請求項1から5の何れか一つに記載の徐放性抗菌剤。
- シート状の基材上に前記混合物を面状、帯状、島状の少なくとも何れかの形態で形成し、当該混合物上の少なくとも一部に前記コーティング層を積層してシート状に形成してなることを特徴とする、請求項1から5の何れか一つに記載の徐放性抗菌剤。
- 前記積層されるコーティング層は、同一層内の厚さをシートの面内に方向において異ならせることを特徴とする、請求項7に記載の徐放性抗菌剤。
- 前記コーティング剤は油脂性エステルであることを特徴とする、請求項1から8の何れか一つに記載の徐放性抗菌剤。
- 水酸化カルシウムを主成分とする抗菌剤粒子と、pH指示薬と、徐放性の賦形剤とを有し、
前記賦形剤により前記抗菌剤粒子と前記pH指示薬とを混合して粒塊状の組成物を形成し、
前記組成物は、前記抗菌剤粒子および前記pH指示薬を粒塊の径方向に分散してなることを特徴とする、徐放性抗菌剤。 - 前記賦形剤は乳糖、澱粉、コーンスターチの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項10に記載の徐放性抗菌剤。
- 前記pH指示薬は、アントシアン系のシソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、エルダーベリー色素、ブドウ/ブルーベリー色素、ラクトン系のフェノールフタレインあるいはチモールフタレイン、サルトン系のフェノールレッド、又はチモールブルー、あるいはブロムチモールブルー、ジアゾ系のアリザリンイエローR、あるいはエリオクロムブラックTから選択した少なくとも一つを用いることを特徴とする、請求項1から11の何れか一つに記載の徐放性抗菌剤。
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JP2016166150A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 株式会社 阿部産業 | 消毒剤 |
CN111248407A (zh) * | 2018-11-30 | 2020-06-09 | 黑河市蓝天食品有限公司 | 一种玉米食品的加工方法 |
WO2023007874A1 (ja) * | 2021-07-29 | 2023-02-02 | 正 藤本 | 抗菌性または抗ウイルス性シート |
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