JP2011037395A - Pneumatic tire - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、空気入りタイヤに関する。 The present invention relates to a pneumatic tire.
タイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドを備えている。このトレッドが、ベースと、このベースの半径方向外側に積層されたキャップとから構成されることがある。 The tire includes a tread whose outer surface forms a tread surface. The tread may be composed of a base and a cap that is laminated radially outward of the base.
特開平11−334316号公報及び特開平6−234303号公報には、そのベースが多数の短繊維を含むトレッドを備えた空気入りタイヤが開示されている。特開平11−334316号公報に記載のタイヤでは、そのベースゴム層に含まれる短繊維は周方向に配向されている。特開平6−234303号公報に記載のタイヤでは、そのベーストレッドに含まれる短繊維は軸方向に配向されている。 Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 11-334316 and 6-234303 disclose a pneumatic tire having a tread whose base includes a number of short fibers. In the tire described in JP-A-11-334316, the short fibers included in the base rubber layer are oriented in the circumferential direction. In the tire described in JP-A-6-234303, the short fibers included in the base tread are oriented in the axial direction.
近年、乗用車の性能が向上している。乗用車に高出力なエンジンが搭載されることがある。このような乗用車に使用されるタイヤにおいては、トラクション性能の向上が要求されている。 In recent years, the performance of passenger cars has improved. High-power engines may be installed in passenger cars. In the tire used for such a passenger car, improvement in traction performance is required.
トラクション性能の観点から、高い硬度を有するベースが採用されることがある。このベースは、トレッドの曲げ剛性に影響する。過大な曲げ剛性はトレッドの接地幅を狭めるので、充分な接地面積が得られないという問題がある。この場合、タイヤのグリップ性能が低下してしまう。 From the viewpoint of traction performance, a base having high hardness may be employed. This base affects the bending stiffness of the tread. Excessive bending rigidity reduces the contact width of the tread, so that there is a problem that a sufficient contact area cannot be obtained. In this case, the grip performance of the tire is degraded.
上記配向した短繊維は、トレッドの剛性に異方性を付与しうる。例えば、周方向に配向した短繊維は、トレッドの周方向の剛性に寄与しうる。このトレッドを備えたタイヤでは、そのトラクション性能が効果的に向上する。しかし、この周方向に配向した短繊維はその軸方向の剛性には寄与しえないので、旋回時において充分なサイドグリップが得られない。このタイヤは、旋回性能に劣る。 The oriented short fibers can impart anisotropy to the rigidity of the tread. For example, the short fibers oriented in the circumferential direction can contribute to the circumferential rigidity of the tread. In the tire provided with this tread, the traction performance is effectively improved. However, since the short fibers oriented in the circumferential direction cannot contribute to the rigidity in the axial direction, a sufficient side grip cannot be obtained during turning. This tire is inferior in turning performance.
軸方向に配向した短繊維は、トレッドの軸方向の剛性に寄与しうるが、その周方向の剛性には寄与しえない。このトレッドを備えたタイヤは、充分なサイドグリップが得られるので、旋回性能に優れる。しかし、このタイヤには、トラクション性能が充分でないという問題がある。 The short fibers oriented in the axial direction can contribute to the rigidity in the axial direction of the tread, but cannot contribute to the rigidity in the circumferential direction. A tire equipped with this tread is excellent in turning performance because a sufficient side grip can be obtained. However, this tire has a problem that the traction performance is not sufficient.
本発明の目的は、トラクション性能及び旋回性能に優れた空気入りタイヤの提供にある。 An object of the present invention is to provide a pneumatic tire excellent in traction performance and turning performance.
本発明に係る空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドを備えている。このトレッドは、ベースと、このベースの半径方向外側に位置するキャップとを備えている。このベースは、半径方向に積層された複数の層から構成されている。第一の層は、周方向に配向した短繊維を含んでいる。第二の層は、軸方向に配向した短繊維を含んでいる。 The pneumatic tire according to the present invention includes a tread whose outer surface forms a tread surface. The tread includes a base and a cap positioned on the outer side in the radial direction of the base. The base is composed of a plurality of layers stacked in the radial direction. The first layer includes short fibers oriented in the circumferential direction. The second layer includes short fibers oriented in the axial direction.
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第一の層はゴム組成物に短繊維が配合されたものから形成されている。このゴム組成物は、基材ゴムを含んでいる。この第一の層に含まれる短繊維の配合量が、この基材ゴム100質量部に対して3質量部以上20質量部以下である。 Preferably, in this pneumatic tire, the first layer is formed from a rubber composition blended with short fibers. This rubber composition contains a base rubber. The compounding quantity of the short fiber contained in this 1st layer is 3 to 20 mass parts with respect to 100 mass parts of this base rubber.
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第二の層はゴム組成物に短繊維が配合されたものから形成されている。このゴム組成物は、基材ゴムを含んでいる。この第二の層に含まれる短繊維の配合量は、この基材ゴム100質量部に対して3質量部以上20質量部以下である。 Preferably, in this pneumatic tire, the second layer is formed from a rubber composition in which short fibers are blended. This rubber composition contains a base rubber. The compounding quantity of the short fiber contained in this 2nd layer is 3 to 20 mass parts with respect to 100 mass parts of this base rubber.
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記キャップはゴム組成物から形成されている。このゴム組成物は、上記第一の層のゴム組成物及び上記第二の層のゴム組成物と同等である。 Preferably, in the pneumatic tire, the cap is formed of a rubber composition. This rubber composition is equivalent to the rubber composition of the first layer and the rubber composition of the second layer.
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記ベースは第三の層をさらに備えている。この第三の層は、半径方向に配向した短繊維を含んでいる。 Preferably, in the pneumatic tire, the base further includes a third layer. This third layer contains radially oriented short fibers.
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第三の層は半径方向において上記第一の層と上記第二の層との間に位置している。 Preferably, in the pneumatic tire, the third layer is located between the first layer and the second layer in the radial direction.
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第三の層はゴム組成物に短繊維が配合されたものから形成されている。このゴム組成物は、基材ゴムを含んでいる。この第三の層に含まれる短繊維の配合量は、この基材ゴム100質量部に対して3質量部以上20質量部以下である。 Preferably, in the pneumatic tire, the third layer is formed from a rubber composition in which short fibers are blended. This rubber composition contains a base rubber. The amount of the short fibers contained in the third layer is 3 parts by mass or more and 20 parts by mass or less with respect to 100 parts by mass of the base rubber.
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第三の層のゴム組成物は上記キャップのゴム組成物と同等である。 Preferably, in this pneumatic tire, the rubber composition of the third layer is equivalent to the rubber composition of the cap.
本発明に係る空気入りタイヤでは、第一の層がトラクション性能に寄与しうる。第二の層が、旋回性能に寄与しうる。このタイヤでは、トラクション性能及び旋回性能の両立が達成されている。 In the pneumatic tire according to the present invention, the first layer can contribute to the traction performance. The second layer can contribute to the turning performance. In this tire, both traction performance and turning performance are achieved.
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。 Hereinafter, the present invention will be described in detail based on preferred embodiments with appropriate reference to the drawings.
図1に示されたタイヤ2は、レーシングカートに装着される。このタイヤ2の外径は、300mm以下である。このタイヤ2の偏平率は、0.5以下である。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10及びインナーライナー12を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、その内部に気体が充填され、その内圧が30kPa〜150kPaに調節されて、使用される。なお、この図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。
The
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面14を備えている。このトレッド面14は、路面と接地する。トレッド面14には、溝は刻まれていない。このタイヤ2は、いわゆるスリックタイヤである。トレッド面14が、溝、ブロック等からなるトレッドパターンを備えてもよい。
The
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。サイドウォール6は、カーカス10の軸方向外側に位置している。サイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。このタイヤ2では、サイドウォール6は薄い。このサイドウォール6は、タイヤ2の質量軽減に寄与しうる。
The
ビード8は、サイドウォール6よりも半径方向略内側に位置している。ビード8は、コア16と、このコア16から半径方向外向きに延びるエイペックス18とを備えている。コア16は、リング状である。コア16は、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス18は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス18は、高硬度な架橋ゴムからなる。
The bead 8 is located substantially inward of the
カーカス10は、第一プライ20及び第二プライ22からなる。第一プライ20及び第二プライ22は、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。第一プライ20及び第二プライ22は、コア16の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。
The
図示されていないが、第一プライ20及び第二プライ22は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、20°以上40°以下である。このタイヤ2では、第一プライ20のコードの傾斜方向は、第二プライ22の傾斜方向とは逆である。このタイヤ2のカーカス10は、バイアス構造を有している。このカーカス10は、タイヤ2の剛性に寄与しうる。このタイヤ2は、大きなコーナリングフォースを発生しうる。このタイヤ2は、操縦安定性に優れる。
Although not shown, the
コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。汎用性に優れるという観点から、ポリエステル繊維が好ましい。高い剛性を有するという観点から、アラミド繊維が好ましい。 The cord is made of organic fiber. Examples of preferable organic fibers include polyester fibers, nylon fibers, rayon fibers, polyethylene naphthalate fibers, and aramid fibers. From the viewpoint of excellent versatility, polyester fibers are preferred. From the viewpoint of having high rigidity, an aramid fiber is preferable.
インナーライナー12は、カーカス10の内周面に接合されている。インナーライナー12は、架橋ゴムからなる。インナーライナー12には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー12は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。
The
図2は、図1のタイヤ2の一部が示された拡大断面図である。この図2には、このタイヤ2のトレッド4の一部が示されている。
FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view showing a part of the
このタイヤ2では、トレッド4は、キャップ24と、ベース26とを備えている。キャップ24は、ベース26の半径方向外側に位置している。このキャップ24は、ベース26に積層されている。このキャップ24は、ゴム組成物が架橋され形成されたものである。
In the
キャップ24のゴム組成物は、基材ゴムを含む。この基材ゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリクロロプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びイソブチレン−イソプレン共重合体が例示される。この基材ゴムが、2種以上のゴムから構成されてもよい。このゴム組成物は、充填剤としてのカーボンブラックを含むことができる。このゴム組成物は、カーボンブラック以外の他の充填剤を併用することもできる。この他の充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク及び酸化マグネシウムが例示される。このゴム組成物は、軟化剤、粘着性付与剤、硫黄などの架橋剤、加硫促進剤、架橋助剤、老化防止剤等の薬品も含むことができる。
The rubber composition of the
このタイヤ2では、キャップ24の硬度は40以上70以下が好ましい。この硬度が40以上に設定されることにより、キャップ24がトレッド4の剛性に適切に寄与しうる。このタイヤ2は、トラクション性能に優れる。この観点から、この硬度は45以上がより好ましく、47以上がさらに好ましく、50以上が特に好ましい。この硬度が70以下に設定されることにより、キャップ24によるトレッド4の剛性過大が抑制される。トレッド4が適度な柔軟性を有するので、トレッド面14が充分に路面に接地する。このタイヤ2は、グリップ性能に優れる。この観点から、この硬度は65以下がより好ましく、63以下がさらに好ましく、60以下が特に好ましい。
In the
本発明において硬度は、「JIS K 6253」に準じて、タイプAのデュロメータによって測定される。この硬度は、温度が23℃である条件下で測定される。なお、この測定には、キャップ24を構成するゴム組成物が架橋されることにより形成される試験片が用いられる。この試験片は、温度が160℃である金型内でゴム組成物が10分間保持されることで、得られる。
In the present invention, the hardness is measured with a type A durometer according to “JIS K 6253”. This hardness is measured under conditions where the temperature is 23 ° C. For this measurement, a test piece formed by crosslinking the rubber composition constituting the
ベース26は、キャップ24の半径方向内側に位置している。図示されていないが、このベース26はカーカス10に積層されている。このベース26は、第一の層(以下、内側層28)と、第二の層(以下、外側層30)とから構成されている。内側層28は、カーカス10の半径方向外側に積層されている。この内側層28の半径方向外側に、外側層30が積層されている。この外側層30の半径方向外側に、キャップ24が積層されている。この内側層28と外側層30とは、半径方向に積層されている。このタイヤ2では、内側層28の厚み及び外側層30の厚みは同等である。タイヤ2の仕様等が考慮され、各層28、30が異なる厚みを有するように、このベース26が構成されてもよい。この場合、トラクション性能の観点から、外側層30に対する内側層28の厚みの比は30/70以上が好ましい。サイドグリップの観点から、この厚みの比は70/30以下が好ましい。
The
図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。図3において、上下方向が周方向であり、左右方向が軸方向である。この図3には、内側層28の周方向に沿った断面が示されている。
FIG. 3 is a cross-sectional view taken along line III-III in FIG. In FIG. 3, the vertical direction is the circumferential direction, and the horizontal direction is the axial direction. In FIG. 3, a cross section along the circumferential direction of the
内側層28は、多数の短繊維32を含んでいる。図示されているように、この内側層28は、多数の短繊維32と、マトリクス34とで構成されている。換言すれば、この内側層28は繊維補強ゴム(FRR)からなる。これら短繊維32は、マトリクス34に分散している。これら短繊維32の長手方向は、略周方向に沿っている。
The
加速時又は制動時において、トレッド4は周方向に剪断される。内側層28は、周方向に配向した多数の短繊維32を含むので、周方向におけるトレッド4の剪断応力の向上に寄与しうる。このタイヤ2は、トラクション性能及びブレーキ性能に優れる。
During acceleration or braking, the
図4は、図3の内側層28の短繊維32が示された模式図である。図4において、上下方向が周方向である。矢印θ1で示されているのは、短繊維32の角度である。角度θ1は、直線X1と直線X2とのなす角度の絶対値である。直線X1は、周方向に延びている。直線X2は、短繊維32の一端36及び他端38を通過している。この角度θ1は、短繊維32の長手方向が周方向に対してなす角度である。角度θ1は、0°以上90°以下である。なお、図4中、両矢印Lで示されているのが繊維長である。この繊維長Lは、一端36から他端38までの長さが計測されることにより得られる。
FIG. 4 is a schematic view showing the
トラクション性能及びブレーキ性能の観点から、角度θ1が20°以下である短繊維32の数の、短繊維32の総数に対する比率は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。比率の算出においては、内側層28の、周方向に沿った断面に露出した短繊維32の角度が、測定される。無作為に抽出された100本の短繊維32について、角度の測定がなされる。
From the viewpoint of traction performance and braking performance, the ratio of the number of
図5は、図2のV−V線に沿った断面図である。図5において、上下方向が周方向であり、左右方向が軸方向である。この図5には、外側層30の周方向に沿った断面が示されている。
FIG. 5 is a cross-sectional view taken along line VV in FIG. In FIG. 5, the vertical direction is the circumferential direction, and the horizontal direction is the axial direction. FIG. 5 shows a cross section of the
外側層30は、多数の短繊維40を含んでいる。図示されているように、この外側層30は、多数の短繊維40と、マトリクス42とで構成されている。これら短繊維40は、マトリクス42に分散している。これら短繊維40の長手方向は、略軸方向に沿っている。
The
旋回時において、トレッド4は略軸方向に剪断される。外側層30は、軸方向に配向した多数の短繊維40を含むので、軸方向におけるトレッド4の剪断応力の向上に寄与しうる。このタイヤ2では、充分なサイドグリップが得られる。大きなコーナリングフォースが発生するので、このタイヤ2は旋回性能に優れる。
At the time of turning, the
図5において、矢印θ2で示されているのは、短繊維40の角度θ2である。この角度θ2は、直線Y1と直線Y2とのなす角度の絶対値である。直線Y1は、軸方向に延びている。直線Y2は、この短繊維40の一端44及び他端46を通過している。この角度θ2は、この短繊維40の長手方向が軸方向に対してなす角度である。この角度θ2は、0°以上90°以下である。
In FIG. 5, what is indicated by an arrow θ <b> 2 is the angle θ <b> 2 of the
このタイヤ2では、充分なサイドグリップが得られるという観点から、この角度θ2が20°以下である短繊維40の数の、短繊維40の総数に対する比率は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。この比率は、前述の内側層28と同様にして算出される。
In the
このタイヤ2のベース26は、周方向に配向した短繊維32を含む内側層28と、軸方向に配向した短繊維40を含む外側層30とを備えている。このタイヤ2では、内側層28がトラクション性能に寄与し、外側層30が旋回性能に寄与しうるので、トラクション性能及び旋回性能の両立が達成されている。
The
このタイヤ2では、ベース26を構成する内側層28は、ゴム組成物に多数の短繊維32が配合されたものから形成されている。このゴム組成物は、基材ゴムを含む。この基材ゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリクロロプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びイソブチレン−イソプレン共重合体が例示される。この基材ゴムが、2種以上のゴムから構成されてもよい。このゴム組成物は、充填剤としてのカーボンブラックを含むことができる。このゴム組成物は、カーボンブラック以外の他の充填剤を併用することもできる。この他の充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク及び酸化マグネシウムが例示される。このゴム組成物は、軟化剤、粘着性付与剤、硫黄などの架橋剤、加硫促進剤、架橋助剤、老化防止剤等の薬品も含むことができる。
In the
このタイヤ2では、内側層28の短繊維32が配合されるゴム組成物とキャップ24を構成するゴム組成物とは同等である。換言すれば、この内側層28は、キャップ24を構成するゴム組成物に多数の短繊維32が配合されたものから形成される。このタイヤ2では、路面に接地したトレッド面14がしなやかに曲がる。トレッド面14が充分に接地するので、このタイヤ2はグリップ性能に優れる。このタイヤ2では、短繊維32の種類、配合量等の調整により、トレッド4の剛性が容易に制御されうる。
In the
内側層28に含まれる短繊維32としては、マトリクス34との接着性に優れるという観点から、非金属性のものが好ましい。この非金属性の短繊維32としては、有機繊維及び無機繊維が例示される。有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、レーヨン繊維、ビニロン繊維、コットン繊維及びセルロース繊維が例示される。無機繊維の材質としては、ボロン、グラスファイバー及びカーボンファイバーが例示される。
The
このタイヤ2では、内側層28に含まれる短繊維32の配合量は、基材ゴム100質量部に対して3質量部以上20質量部以下であるのが好ましい。この配合量が3質量部以上に設定されることにより、この内側層28がタイヤ2の剛性に効果的に寄与しうる。このタイヤ2は、トラクション性能及びブレーキ性能に優れる。この観点から、この配合量は7質量部以上がより好ましく、10質量部以上が特に好ましい。この配合量が20質量部以下に設定されることにより、タイヤ2の剛性過大が防止されうる。このタイヤ2では、グリップ性能が適切に維持される。この観点から、この配合量は18質量部以下がより好ましく、15質量部以下が特に好ましい。
In the
このタイヤ2では、内側層28に含まれる短繊維32の繊維長は0.1mm以上5mm以下であるのが好ましい。この繊維長が0.1mm以上に設定されることにより、この短繊維32が内側層28を効果的に補強しうる。この内側層28がタイヤ2の剛性に効果的に寄与しうるので、このタイヤ2はトラクション性能及びブレーキ性能に優れる。この観点から、この繊維長は2mm以上がより好ましい。この繊維長が5mm以下に設定されることにより、短繊維32のマトリクス34との接着性が維持される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この観点から、この繊維長は3mm以下がより好ましい。
In the
このタイヤ2では、内側層28に含まれる短繊維32の繊維径は1μm以上100μm以下であるのが好ましい。この繊維長が1μm以上に設定されることにより、この短繊維32が内側層28を効果的に補強しうる。この内側層28がタイヤ2の剛性に効果的に寄与しうるので、このタイヤ2はトラクション性能及びブレーキ性能に優れる。この観点から、この繊維径は10μm以上がより好ましい。この繊維径が100μm以下に設定されることにより、短繊維32のマトリクス34との接着性が維持される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この観点から、この繊維径は70μm以下がより好ましい。
In the
このタイヤ2では、ベース26を構成する外側層30は、ゴム組成物に多数の短繊維40が配合されたものから形成されている。このゴム組成物は、基材ゴムを含む。この基材ゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリクロロプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びイソブチレン−イソプレン共重合体が例示される。この基材ゴムが、2種以上のゴムから構成されてもよい。このゴム組成物は、充填剤としてのカーボンブラックを含むことができる。このゴム組成物は、カーボンブラック以外の他の充填剤を併用することもできる。この他の充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク及び酸化マグネシウムが例示される。このゴム組成物は、軟化剤、粘着性付与剤、硫黄などの架橋剤、加硫促進剤、架橋助剤、老化防止剤等の薬品も含むことができる。
In the
このタイヤ2では、外側層30の短繊維40が配合されるゴム組成物とキャップ24を構成するゴム組成物とは同等である。換言すれば、この外側層30は、キャップ24を構成するゴム組成物に多数の短繊維40が配合されたものから形成される。このタイヤ2では、路面に接地したトレッド面14がしなやかに曲がる。トレッド面14が充分に接地するので、このタイヤ2はグリップ性能に優れる。このタイヤ2では、短繊維40の種類、配合量等の調整により、トレッド4の剛性が容易に制御されうる。
In the
外側層30に含まれる短繊維40としては、ゴム組成物との接着性に優れるという観点から、非金属性のものが好ましい。この非金属性の短繊維40としては、有機繊維及び無機繊維が例示される。有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、レーヨン繊維、ビニロン繊維、コットン繊維及びセルロース繊維が例示される。無機繊維の材質としては、ボロン、グラスファイバー及びカーボンファイバーが例示される。
The
このタイヤ2では、外側層30に含まれる短繊維40の配合量は、基材ゴム100質量部に対して3質量部以上20質量部以下であるのが好ましい。この配合量が3質量部以上に設定されることにより、この外側層30がタイヤ2の剛性に効果的に寄与しうる。このタイヤ2は、充分なサイドグリップが得られるので、旋回性能に優れるこの観点から、この配合量は7質量部以上がより好ましく、10質量部以上が特に好ましい。この配合量が20質量部以下に設定されることにより、タイヤ2の剛性過大が防止されうる。このタイヤ2では、グリップ性能が適切に維持される。この観点から、この配合量は18質量部以下がより好ましく、15質量部以下が特に好ましい。
In the
このタイヤ2では、外側層30に含まれる短繊維40の繊維長は0.1mm以上5mm以下であるのが好ましい。この繊維長が0.1mm以上に設定されることにより、この短繊維40が外側層30を効果的に補強しうる。この外側層30は、タイヤ2の剛性に効果的に寄与しうる。このタイヤ2は、充分なサイドグリップが得られるので、旋回性能に優れる。この観点から、この繊維長は2mm以上がより好ましい。この繊維長が5mm以下に設定されることにより、短繊維40のマトリクス42との接着性が維持される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この観点から、この繊維長は3mm以下がより好ましい。
In the
このタイヤ2では、外側層30に含まれる短繊維40の繊維径は1μm以上100μm以下であるのが好ましい。この繊維長が1μm以上に設定されることにより、この短繊維40が外側層30を効果的に補強しうる。この外側層30は、タイヤ2の剛性に効果的に寄与しうる。このタイヤ2は、充分なサイドグリップが得られるので、旋回性能に優れる。この観点から、この繊維径は10μm以上がより好ましい。この繊維径が100μm以下に設定されることにより、短繊維40のマトリクス42との接着性が維持される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この観点から、この繊維径は70μm以下がより好ましい。
In the
図2において、両矢印T0はトレッド4の厚みを表している。両矢印T1は、ベース26の厚みを表している。両矢印T2は、キャップ24の厚みを表している。両矢印T3は、内側層28の厚みを表している。両矢印T4は、外側層30を厚みを表している。
In FIG. 2, the double arrow T <b> 0 represents the thickness of the
このタイヤ2では、トレッド4の厚みT0に対するベース26の厚みT1の比率は、10%以上50%以下であるのが好ましい。この比率が10%以上に設定されることにより、ベース26がタイヤ2の剛性に効果的に寄与しうる。このタイヤ2は、トラクション性能及び旋回性能に優れる。この観点から、この比率は15%以上がより好ましく、20%以上が特に好ましい。この比率が50%以下に設定されることにより、ベース26によるトレッド4の剛性過大が防止される。トレッド4が適切な柔軟性を有するので、トレッド面14が路面に充分に接地しうる。このタイヤ2では、優れたグリップ性能が維持されうる。この観点から、この比率は40%以下がより好ましく、30%以下が特に好ましい。
In the
このタイヤ2では、トレッド4の厚みT0に対するキャップ24の厚みT2の比率は、50%以上90%以下であるのが好ましい。この比率が50%以上に設定されることにより、トレッド4の剛性が適切に維持される。トレッド4が適切な柔軟性を有するので、トレッド面14が路面に充分に接地しうる。このタイヤ2では、優れたグリップ性能が維持されうる。この観点から、この比率は75%以上がより好ましく、80%以上が特に好ましい。この比率が90%以下に設定されることにより、トラクション性能が適切に維持されうる。
In the
このタイヤ2では、ベース26の厚みT1に対する内側層28の厚みT3の比率は、30%以上70%以下であるのが好ましい。この比率が30%以上に設定されることにより、内側層28が効果的にトラクション性能に寄与しうる。この観点から、この比率は40%以上がより好ましい。この比率が70%以下に設定されることにより、内側層28によるトレッド4の剛性過大が防止される。トレッド4が適切な柔軟性を有するので、トレッド面14が路面に充分に接地しうる。このタイヤ2では、優れたグリップ性能が維持されうる。この観点から、この比率は60%以下がより好ましい。
In the
このタイヤ2では、ベース26の厚みT1に対する外側層30の厚みT4の比率は、30%以上70%以下であるのが好ましい。この比率が30%以上に設定されることにより、外側層30がサイドグリップの向上に効果的に寄与しうる。このタイヤ2は、旋回性能に優れる。この観点から、この比率は40%以上がより好ましい。この比率が70%以下に設定されることにより、外側層30によるトレッド4の剛性過大が防止される。トレッド4が適切な柔軟性を有するので、トレッド面14が路面に充分に接地しうる。このタイヤ2では、優れたグリップ性能が維持されうる。この観点から、この比率は60%以下がより好ましい。
In the
このタイヤ2では、ベース26を構成する内側層28の硬度は40以上70以下が好ましい。この硬度が40以上に設定されることにより、内側層28がトラクション性能に効果的に寄与しうる。この観点から、この硬度は45以上がより好ましく、47以上がさらに好ましく、50以上が特に好ましい。この硬度が70以下に設定されることにより、この内側層28によるトレッド4の剛性過大が抑制される。トレッド4が適度な柔軟性を有するので、トレッド面14が充分に路面に接地する。このタイヤ2は、グリップ性能に優れる。この観点から、この硬度は65以下がより好ましく、63以下がさらに好ましく、60以下が特に好ましい。なお、この内側層28の硬度は、前述のキャップ24の硬度と同様にして計測される。後述する外側層30の硬度も、同様にして計測される。
In the
このタイヤ2では、ベース26を構成する外側層30の硬度は40以上70以下が好ましい。この硬度が40以上に設定されることにより、外側層30がサイドグリップの向上に効果的に寄与しうる。このタイヤ2は、旋回性能に優れる。この観点から、この硬度は45以上がより好ましく、47以上がさらに好ましく、50以上が特に好ましい。この硬度が70以下に設定されることにより、外側層30によるトレッド4の剛性過大が抑制される。トレッド4が適度な柔軟性を有するので、トレッド面14が充分に路面に接地する。このタイヤ2は、グリップ性能に優れる。この観点から、この硬度は65以下がより好ましく、63以下がさらに好ましく、60以下が特に好ましい。
In the
本発明では、タイヤ2及び後述するタイヤの各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。乗用車用タイヤ2の場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。なお、レーシングカート用タイヤの場合は、内圧が負荷されない状態で寸法及び角度が測定される。
In the present invention, the dimensions and angles of the
図6は、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤ48の一部が示された断面図である。このタイヤ48は、トレッド50、サイドウォール、ビード、カーカス及びインナーライナーを備えている。この図6には、このタイヤ48のトレッド50の一部が示されている。このタイヤ48は、このトレッド50の構成以外は、図1に示されたタイヤ2と同等の構成を有している。したがって、このタイヤ48も、図1のタイヤ2と同様、レーシングカートに装着される。このタイヤ48の外径は、300mm以下である。このタイヤ48の偏平率は、0.5以下である。このタイヤ48は、チューブレスタイプである。このタイヤ48は、その内部に気体が充填され、その内圧が30kPa〜150kPaに調節されて、使用される。なお、この図6において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。
FIG. 6 is a cross-sectional view showing a part of a
トレッド50は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド50は、トレッド面52を備えている。このトレッド面52は、路面と接地する。トレッド面52には、溝は刻まれていない。このタイヤ48は、いわゆるスリックタイヤ48である。
The
トレッド50は、キャップ54と、ベース56とを備えている。キャップ54は、ベース56の半径方向外側に位置している。このキャップ54は、ベース56に積層されている。このキャップ54は、ゴム組成物が架橋され形成されたものである。このゴム組成物の構成は、図1に示されたタイヤ2のトレッド4を構成するキャップ24のそれと同等である。
The
ベース56は、キャップ54の半径方向内側に位置している。図示されていないが、このベース56はカーカスに積層されている。このベース56は、第一の層(以下、外側層58)と、第二の層(以下、内側層60)と、第三の層(以下、中間層62)とから構成されている。
The
このタイヤ48では、外側層58の半径方向外側にキャップ54が積層されている。内側層60は、カーカスの半径方向外側に積層されている。中間層62は、この内側層60の半径方向外側に積層されている。この中間層62の半径方向外側に、外側層58が積層されている。この中間層62は、外側層58と内側層60との間に位置している。このタイヤ48では、内側層60、中間層62及び外側層58は、半径方向に積層されている。このタイヤ48では、内側層60の厚み、中間層62の厚み及び外側層58の厚みは同等である。タイヤ48の仕様等が考慮され、各層58、60、62が異なる厚みを有するように、このベース56が構成されてもよい。
In the
図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図である。図7において、上下方向が周方向であり、左右方向が軸方向である。この図7には、外側層58の周方向に沿った断面が示されている。
7 is a cross-sectional view taken along line VII-VII in FIG. In FIG. 7, the vertical direction is the circumferential direction, and the horizontal direction is the axial direction. In FIG. 7, a cross section along the circumferential direction of the
外側層58は、多数の短繊維64を含んでいる。図示されているように、この外側層58は、多数の短繊維64と、マトリクス66とで構成されている。これら短繊維64は、マトリクス66に分散している。これら短繊維64の長手方向は、略周方向に沿っている。
The
加速時又は制動時において、トレッド50は周方向に剪断される。外側層58は、周方向に配向した多数の短繊維64を含むので、周方向におけるトレッド50の剪断応力の向上に寄与しうる。このタイヤ48は、トラクション性能及びブレーキ性能に優れる。
During acceleration or braking, the
図7において、矢印θ1で示されているのは、短繊維64の角度θ1である。この角度θ1は、直線X1と直線X2とのなす角度の絶対値である。直線X1は、軸方向に延びている。直線X2は、この短繊維64の一端68及び他端70を通過している。
In FIG. 7, what is indicated by an arrow θ <b> 1 is an angle θ <b> 1 of the
このタイヤ48では、トラクション性能及びブレーキ性能の観点から、角度θ1が20°以下である短繊維64の数の、短繊維64の総数に対する比率は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。この比率は、図1に示されたタイヤ2の内側層28と同様にして算出される。
In the
図8は、図6のVIII−VIII線に沿った断面図である。図8において、上下方向が周方向であり、左右方向が軸方向である。この図8には、内側層60の周方向に沿った断面が示されている。
FIG. 8 is a sectional view taken along line VIII-VIII in FIG. In FIG. 8, the vertical direction is the circumferential direction, and the horizontal direction is the axial direction. In FIG. 8, a cross section along the circumferential direction of the
内側層60は、多数の短繊維72を含んでいる。図示されているように、この内側層60は、多数の短繊維72と、マトリクス74とで構成されている。これら短繊維72は、マトリクス74に分散している。これら短繊維72の長手方向は、略軸方向に沿っている。
The
旋回時において、トレッド50は略軸方向に剪断される。内側層60は、軸方向に配向した多数の短繊維72を含むので、軸方向におけるトレッド50の剪断応力の向上に寄与しうる。このタイヤ48では、充分なサイドグリップが得られる。大きなコーナリングフォースが発生するので、このタイヤ48は旋回性能に優れる。
At the time of turning, the
図8において、矢印θ2で示されているのは、短繊維72の角度θ2である。この角度θ2は、直線Y1と直線Y2とのなす角度の絶対値である。直線Y1は、軸方向に延びている。直線Y2は、この短繊維72の一端76及び他端78を通過している。
In FIG. 8, what is indicated by an arrow θ <b> 2 is an angle θ <b> 2 of the
このタイヤ48では、充分なサイドグリップが得られるという観点から、この角度θ2が20°以下である短繊維72の数の、短繊維72の総数に対する比率は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。この比率は、前述の外側層58と同様にして算出される。
In the
図9は、図6のIX−IX線に沿った断面図である。図9において、上下方向が半径方向である。この図9には、中間層62の半径方向に沿った断面が示されている。
9 is a cross-sectional view taken along line IX-IX in FIG. In FIG. 9, the vertical direction is the radial direction. FIG. 9 shows a cross section of the
中間層62は、多数の短繊維80を含んでいる。図示されているように、この中間層62は、多数の短繊維80と、マトリクス82とで構成されている。換言すれば、この中間層62は、繊維補強ゴム(FRR)からなる。これら短繊維80は、マトリクス82に分散している。これら短繊維80の長手方向は、略半径方向に沿っている。
The
回転中にあるタイヤ48には、遠心力が作用する。中間層62は、半径方向に配向した多数の短繊維80を含むので、半径方向の剛性に寄与しうる。このタイヤ48では、この中間層62が走行時に作用する遠心力の影響を抑制しうる。このタイヤ48は、高速走行時の走行安定性に優れる。
Centrifugal force acts on the
図9において、矢印θ3で示されているのは、短繊維80の角度θ3である。この角度θ3は、直線Z1と直線Z2とのなす角度の絶対値である。直線Z1は、半径方向に延びている。直線Z2は、この短繊維80の一端84及び他端86を通過している。この角度θ3は、この短繊維80の長手方向が半径方向に対してなす角度である。
In FIG. 9, what is indicated by an arrow θ3 is an angle θ3 of the
このタイヤ48では、高速走行時の走行安定性の観点から、角度θ3が20°以下である短繊維80の数の、短繊維80の総数に対する比率は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。この比率は、前述の外側層58と同様にして算出される。
In the
このタイヤ48では、ベース56が周方向に配向した短繊維64を含む外側層58と、軸方向に配向した短繊維72を含む内側層60とを備えている。外側層58がトラクション性能に寄与し、内側層60が旋回性能に寄与しうるので、トラクション性能及び旋回性能の両立が達成されている。
In the
このタイヤ48では、中間層62が外側層58と内側層60との間に位置しているので、この中間層62がトレッド50に生じた歪みに伴う応力を効果的に緩和しうる。この中間層62は、トラクション性能及び旋回性能の向上に寄与しうる。
In the
図6において、両矢印T0はトレッド50の厚みを表している。両矢印T1は、ベース56の厚みを表している。両矢印T2は、キャップ54の厚みを表している。両矢印T3は、外側層58の厚みを表している。両矢印T4は、内側層60を厚みを表している。両矢印T5は、中間層62を厚みを表している。
In FIG. 6, a double arrow T <b> 0 represents the thickness of the
このタイヤ48では、トレッド50の厚みT0に対するベース56の厚みT1の比率は、10%以上50%以下であるのが好ましい。この比率が10%以上に設定されることにより、ベース56がタイヤ48の剛性に効果的に寄与しうる。このタイヤ48は、トラクション性能及び旋回性能に優れる。この観点から、この比率は15%以上がより好ましく、20%以上が特に好ましい。この比率が50%以下に設定されることにより、ベース56によるトレッド50の剛性過大が防止される。トレッド50が適切な柔軟性を有するので、トレッド面52が路面に充分に接地しうる。このタイヤ48では、優れたグリップ性能が維持されうる。この観点から、この比率は40%以下がより好ましく、30%以下が特に好ましい。
In the
このタイヤ48では、トレッド50の厚みT0に対するキャップ54の厚みT2の比率は、50%以上90%以下であるのが好ましい。この比率が50%以上に設定されることにより、トレッド50の剛性が適切に維持される。トレッド50が適切な柔軟性を有するので、トレッド面52が路面に充分に接地しうる。このタイヤ48では、優れたグリップ性能が維持される。この観点から、この比率は75%以上がより好ましく、80%以上が特に好ましい。この比率が90%以下に設定されることにより、トラクション性能が適切に維持されうる。
In the
このタイヤ48では、ベース56の厚みT1に対する外側層58の厚みT3の比率は、15%以上70%以下であるのが好ましい。この比率が15%以上に設定されることにより、外側層58が効果的にトラクション性能に寄与しうる。この観点から、この比率は20%以上がより好ましく、25%以上がさらに好ましく、30%以上が特に好ましい。この比率が70%以下に設定されることにより、外側層58によるトレッド50の剛性過大が防止される。トレッド50が適切な柔軟性を有するので、トレッド面52が路面に充分に接地しうる。このタイヤ48では、優れたグリップ性能が維持されうる。この観点から、この比率は40%以下がより好ましい。
In the
このタイヤ48では、ベース56の厚みT1に対する内側層60の厚みT4の比率は、15%以上70%以下であるのが好ましい。この比率が15%以上に設定されることにより、内側層60がサイドグリップの向上に効果的に寄与しうる。このタイヤ48は、旋回性能に優れる。この観点から、この比率は20%以上がより好ましく、25%以下がさらに好ましく、30%以上が特に好ましい。この比率が70%以下に設定されることにより、内側層60によるトレッド50の剛性過大が防止される。トレッド50が適切な柔軟性を有するので、トレッド面52が路面に充分に接地しうる。このタイヤ48では、優れたグリップ性能が維持されうる。この観点から、この比率は40%以下がより好ましい。
In the
このタイヤ48では、ベース56の厚みT1に対する中間層62の厚みT5の比率は、15%以上70%以下であるのが好ましい。この比率が15%以上に設定されることにより、中間層62が効果的に半径方向の剛性に寄与しうる。このタイヤ48は、高速走行時の走行安定性に優れる。この中間層62は、トレッド50に発生した歪みに伴う応力を適切に緩和しうる。この観点から、この比率は20%以上がより好ましく、25%以上がさらに好ましく、30%以上が特に好ましい。この比率が70%以下に設定されることにより、中間層62によるトレッド50の剛性過大が防止される。トレッド50が適切な柔軟性を有するので、トレッド面52が路面に充分に接地しうる。このタイヤ48では、優れたグリップ性能が維持されうる。この観点から、この比率は40%以下がより好ましい。
In the
このタイヤ48では、外側層58はゴム組成物に多数の短繊維64が配合されたものから形成されている。この外側層58の構成は、図1に示されたタイヤ2のベース26の一部である内側層28の構成と同等である。内側層60は、ゴム組成物に多数の短繊維72が配合されたものから形成されている。この内側層60の構成は、図1に示されたタイヤ2のベース26の一部である外側層30の構成と同等である。
In the
このタイヤ48では、中間層62は、ゴム組成物に多数の短繊維80が配合されたものから形成されている。このゴム組成物は、基材ゴムを含む。この基材ゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリクロロプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びイソブチレン−イソプレン共重合体が例示される。この基材ゴムが、2種以上のゴムから構成されてもよい。このゴム組成物は、充填剤としてのカーボンブラックを含むことができる。このゴム組成物は、カーボンブラック以外の他の充填剤を併用することもできる。この他の充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク及び酸化マグネシウムが例示される。このゴム組成物は、軟化剤、粘着性付与剤、硫黄などの架橋剤、加硫促進剤、架橋助剤、老化防止剤等の薬品も含むことができる。
In the
短繊維80としては、ゴム組成物との接着性に優れるという観点から、非金属性のものが好ましい。この非金属性の短繊維80としては、有機繊維及び無機繊維が例示される。有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、レーヨン繊維、ビニロン繊維、コットン繊維及びセルロース繊維が例示される。無機繊維の材質としては、ボロン、グラスファイバー及びカーボンファイバーが例示される。
The
このタイヤ48では、中間層62に含まれる短繊維80の配合量は、基材ゴム100質量部に対して3質量部以上20質量部以下であるのが好ましい。この配合量が3質量部以上に設定されることにより、この中間層62がタイヤ48の剛性に効果的に寄与しうる。このタイヤ48は、トラクション性能及び旋回性能に優れる。この観点から、この配合量は7質量部以上がより好ましく、10質量部以上が特に好ましい。この配合量が20質量部以下に設定されることにより、タイヤ48の剛性過大が防止されうる。このタイヤ48では、グリップ性能が適切に維持される。この観点から、この配合量は18質量部以下がより好ましく、15質量部以下が特に好ましい。
In the
このタイヤ48では、中間層62に含まれる短繊維80の繊維長は0.1mm以上5mm以下であるのが好ましい。この繊維長が0.1mm以上に設定されることにより、この短繊維80が中間層62を効果的に補強しうる。この中間層62は、タイヤ48の剛性に効果的に寄与しうる。このタイヤ48は、トラクション性能及び旋回性能に優れる。この観点から、この繊維長は2mm以上がより好ましい。この繊維長が5mm以下に設定されることにより、短繊維80のマトリクス82との接着性が維持される。このタイヤ48は、耐久性に優れる。この観点から、この繊維長は3mm以下がより好ましい。
In the
このタイヤ48では、中間層62に含まれる短繊維80の繊維径は1μm以上100μm以下であるのが好ましい。この繊維長が1μm以上に設定されることにより、この短繊維80が中間層62を効果的に補強しうる。この中間層62は、タイヤ48の剛性に効果的に寄与しうる。このタイヤ48は、トラクション性能及び旋回性能に優れる。この観点から、この繊維径は10μm以上がより好ましい。この繊維径が100μm以下に設定されることにより、短繊維80のマトリクス82との接着性が維持される。このタイヤ48は、耐久性に優れる。この観点から、この繊維径は70μm以下がより好ましい。
In the
このタイヤ48では、中間層62の硬度は40以上70以下が好ましい。この硬度が40以上に設定されることにより、中間層62がトレッド50の剛性に適切に寄与しうる。このタイヤ48は、トラクション性能及び旋回性能に優れる。この観点から、この硬度は45以上がより好ましく、47以上がさらに好ましく、50以上が特に好ましい。この硬度が70以下に設定されることにより、中間層62によるトレッド50の剛性過大が抑制される。トレッド50が適度な柔軟性を有するので、トレッド面52が充分に路面に接地する。このタイヤ48は、グリップ性能に優れる。この観点から、この硬度は65以下がより好ましく、63以下がさらに好ましく、60以下が特に好ましい。
In the
このタイヤ48では、外側層58、内側層60及び中間層62のそれぞれは、キャップ54を構成するゴム組成物と同等のゴム組成物に短繊維80が配合されたものが架橋され形成されている。このタイヤ48では、路面に接地したトレッド面52がしなやかに曲がる。トレッド面52が充分に接地するので、このタイヤ48はグリップ性能に優れる。このタイヤ48では、短繊維80の種類、配合量等の調整により、トレッド50の剛性が容易に制御されうる。
In the
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。 Hereinafter, the effects of the present invention will be clarified by examples. However, the present invention should not be construed in a limited manner based on the description of the examples.
[実施例1]
図1及び図2に示された基本構成を備え、下記表2に示された仕様を備えた実施例1のフロントタイヤ及びリアタイヤを得た。フロントタイヤのサイズは、10×4.50−5とされた。リアタイヤのサイズは、11×7.10−5とされた。フロントタイヤ及びリアタイヤのそれぞれは、トレッド及びカーカスを備えている。トレッドは、キャップとベースとを備えている。トレッドの厚みT0に対するベースの厚みT1の比率(T1/T0)は、30%とされた。トレッドの厚みT0に対するキャップの厚みT2の比率は、70%とされた。キャップの硬度は、55とされた。このキャップには、短繊維は含まれていない。ベースは、内側層及び外側層から構成される。内側層の硬度は、55とされた。内側層は、周方向に配向した短繊維を含んでいる。この短繊維の配合量は、12質量部である。この短繊維は、アラミド繊維からなる。この短繊維の繊維長は、2mmである。この短繊維の繊維径は、0.06mmである。外側層の硬度は、55とされた。外側層は、軸方向に配向した短繊維を含んでいる。この短繊維の配合量は、12質量部である。この外側層には、内側層と同等の短繊維が含まれている。カーカスは、2枚のプライからなる。各プライは、多数のポリエステル繊維からなるコードを含む。このコードの傾斜角度の絶対値は、30°とされた。このタイヤには、トレッドとカーカスとの間にベルトは設けられていない。この表2において、このタイヤがベルトを備えていないことが、「N」で表されている。
[Example 1]
A front tire and a rear tire of Example 1 having the basic configuration shown in FIGS. 1 and 2 and having the specifications shown in Table 2 below were obtained. The size of the front tire was 10 × 4.50-5. The size of the rear tire was 11 × 7.10-5. Each of the front tire and the rear tire includes a tread and a carcass. The tread includes a cap and a base. The ratio of the base thickness T1 to the tread thickness T0 (T1 / T0) was 30%. The ratio of the cap thickness T2 to the tread thickness T0 was 70%. The hardness of the cap was 55. This cap does not contain short fibers. The base is composed of an inner layer and an outer layer. The hardness of the inner layer was 55. The inner layer includes short fibers oriented in the circumferential direction. The amount of the short fiber is 12 parts by mass. This short fiber consists of an aramid fiber. The fiber length of this short fiber is 2 mm. The fiber diameter of this short fiber is 0.06 mm. The hardness of the outer layer was 55. The outer layer includes short fibers oriented in the axial direction. The amount of the short fiber is 12 parts by mass. This outer layer contains short fibers equivalent to the inner layer. The carcass consists of two plies. Each ply includes a cord composed of a number of polyester fibers. The absolute value of the inclination angle of this cord was 30 °. This tire is not provided with a belt between the tread and the carcass. In Table 2, “N” indicates that the tire does not include a belt.
[実施例7及び比較例4−5]
内側層及び外側層のそれぞれに含まれる短繊維の配向方向を下記表2の通りとした他は実施例1と同様にして、フロントタイヤ及びリアタイヤを得た。
[Example 7 and Comparative Example 4-5]
A front tire and a rear tire were obtained in the same manner as in Example 1 except that the orientation directions of the short fibers contained in each of the inner layer and the outer layer were as shown in Table 2 below.
[実施例2−6及び実施例8−11]
比率(T1/T0)、比率(T2/T0)並びに内側層及び外側層のそれぞれに含まれる短繊維の配合量を下記表1及び表2の通りとした他は実施例1と同様にして、フロントタイヤ及びリアタイヤを得た。
[Example 2-6 and Example 8-11]
The ratio (T1 / T0), the ratio (T2 / T0), and the blending amount of the short fibers contained in each of the inner layer and the outer layer were as shown in Table 1 and Table 2 below, as in Example 1, A front tire and a rear tire were obtained.
[比較例1]
トレッドをその硬度が55である架橋ゴムで構成した他は実施例1と同様にして、フロントタイヤ及びリアタイヤを得た。このトレッドには、短繊維は含まれていない。
[Comparative Example 1]
A front tire and a rear tire were obtained in the same manner as in Example 1 except that the tread was composed of a crosslinked rubber having a hardness of 55. This tread does not contain short fibers.
[比較例2]
ベースをその硬度が65である架橋ゴムで構成した他は実施例1と同様にして、フロントタイヤ及びリアタイヤを得た。このベースには、短繊維は含まれていない。
[Comparative Example 2]
A front tire and a rear tire were obtained in the same manner as in Example 1 except that the base was composed of a crosslinked rubber having a hardness of 65. This base does not contain short fibers.
[比較例3]
トレッドをその硬度が55である架橋ゴムで構成し、トレッドとカーカスとの間にベルトを設けた他は実施例1と同様にして、フロントタイヤ及びリアタイヤを得た。このトレッドには、短繊維は含まれていない。この表2において、このタイヤがベルトを備えていることが、「Y」で表されている。
[Comparative Example 3]
A front tire and a rear tire were obtained in the same manner as in Example 1 except that the tread was made of a crosslinked rubber having a hardness of 55 and a belt was provided between the tread and the carcass. This tread does not contain short fibers. In Table 2, “Y” indicates that the tire includes a belt.
[実施例12]
図6に示された基本構成を備え、下記表3に示された仕様を備えた実施例12のフロントタイヤ及びリアタイヤを得た。フロントタイヤのサイズは、10×4.50−5とされた。リアタイヤのサイズは、11×7.10−5とされた。フロントタイヤ及びリアタイヤのそれぞれは、トレッド及びカーカスを備えている。トレッドは、キャップとベースとを備えている。トレッドの厚みT0に対するベースの厚みT1の比率(T1/T0)は、30%とされた。トレッドの厚みT0に対するキャップの厚みT2の比率は、70%とされた。キャップの硬度は、55とされた。このキャップには、短繊維は含まれていない。ベースは、内側層、中間層及び外側層から構成される。内側層の硬度は、55とされた。内側層は、周方向に配向した短繊維を含んでいる。この短繊維の配合量は、12質量部である。この短繊維は、アラミド繊維からなる。この短繊維の繊維長は、2mmである。この短繊維の繊維径は、0.06mmである。中間層の硬度は、55とされた。中間層は、半径方向に配向した短繊維を含んでいる。この短繊維の配合量は、12質量部である。この中間層には、内側層と同等の短繊維が含まれている。外側層の硬度は、55とされた。外側層は、軸方向に配向した短繊維を含んでいる。この短繊維の配合量は、12質量部である。この外側層には、内側層と同等の短繊維が含まれている。カーカスは、2枚のプライからなる。各プライは、多数のポリエステル繊維からなるコードを含む。このコードの傾斜角度の絶対値は、30°とされた。このタイヤには、トレッドとカーカスとの間にベルトは設けられていない。この表2において、このタイヤがベルトを備えていないことが、「N」で表されている。
[Example 12]
A front tire and a rear tire of Example 12 having the basic configuration shown in FIG. 6 and the specifications shown in Table 3 below were obtained. The size of the front tire was 10 × 4.50-5. The size of the rear tire was 11 × 7.10-5. Each of the front tire and the rear tire includes a tread and a carcass. The tread includes a cap and a base. The ratio of the base thickness T1 to the tread thickness T0 (T1 / T0) was 30%. The ratio of the cap thickness T2 to the tread thickness T0 was 70%. The hardness of the cap was 55. This cap does not contain short fibers. The base is composed of an inner layer, an intermediate layer, and an outer layer. The hardness of the inner layer was 55. The inner layer includes short fibers oriented in the circumferential direction. The amount of the short fiber is 12 parts by mass. This short fiber consists of an aramid fiber. The fiber length of this short fiber is 2 mm. The fiber diameter of this short fiber is 0.06 mm. The intermediate layer had a hardness of 55. The intermediate layer includes short fibers oriented in the radial direction. The amount of the short fiber is 12 parts by mass. This intermediate layer contains short fibers equivalent to the inner layer. The hardness of the outer layer was 55. The outer layer includes short fibers oriented in the axial direction. The amount of the short fiber is 12 parts by mass. This outer layer contains short fibers equivalent to the inner layer. The carcass consists of two plies. Each ply includes a cord composed of a number of polyester fibers. The absolute value of the inclination angle of this cord was 30 °. This tire is not provided with a belt between the tread and the carcass. In Table 2, “N” indicates that the tire does not include a belt.
[実施例13−14及び比較例6−9]
内側層、中間層及び外側層のそれぞれに含まれる短繊維の配向方向を下記表3の通りとした他は実施例12と同様にして、フロントタイヤ及びリアタイヤを得た。
[Examples 13-14 and Comparative Example 6-9]
A front tire and a rear tire were obtained in the same manner as in Example 12 except that the orientation directions of the short fibers contained in each of the inner layer, the intermediate layer, and the outer layer were as shown in Table 3 below.
[走行テスト]
タイヤをリム(フロントタイヤのリムのサイズ=4.75×5.0、リアタイヤのリムのサイズ=8.00×5.0)に組み込み、このタイヤに内圧が80kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、ピレル製のシャーシ及びイアメ製(排気量125cc)2ストロークエンジンを備えた車両に装着した。ドライバーに、この車両をレーシングサーキット(全長=1177m)で運転させて、グリップ性能、トラクション性能、ブレーキ性能及び操縦安定性を評価させた。この結果が、10点を満点とした指数値で、下記の表1、2及び3に示されている。数値が大きいほど好ましい。この走行テストにおいて、サーキットコースを1周走行するのに要する時間(ラップタイム)も計測された。このラップタイムが、下記の表1、2及び3に示されている。数値が小さいほど好ましい。
[Running test]
The tire was assembled into a rim (front tire rim size = 4.75 × 5.0, rear tire rim size = 8.00 × 5.0), and this tire was filled with air so that the internal pressure was 80 kPa. . This tire was mounted on a vehicle equipped with a chassis made of Pyrrell and a 2-stroke engine made by Iame (displacement of 125 cc). The driver was allowed to drive the vehicle on a racing circuit (total length = 1177 m) to evaluate grip performance, traction performance, brake performance, and steering stability. The results are shown in the following Tables 1, 2 and 3 as index values with a maximum of 10 points. Larger numbers are preferable. In this running test, the time (lap time) required for one round of the circuit course was also measured. This lap time is shown in Tables 1, 2 and 3 below. A smaller numerical value is preferable.
表1、表2及び表3に示されるように、実施例は、比較例に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。 As shown in Table 1, Table 2, and Table 3, the examples have higher evaluations than the comparative examples. From this evaluation result, the superiority of the present invention is clear.
以上説明された方法は、種々の空気入りタイヤにも適用されうる。 The method described above can be applied to various pneumatic tires.
2、48・・・タイヤ
4、50・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・インナーライナー
24、54・・・キャップ
26、56・・・ベース
28、60・・・内側層
30、58・・・外側層
32、40、64、72、80・・・短繊維
62・・・中間層
2, 48 ...
Claims (8)
このトレッドが、ベースと、このベースの半径方向外側に位置するキャップとを備えており、
このベースが、半径方向に積層された複数の層から構成されており、
第一の層が、周方向に配向した短繊維を含んでおり、
第二の層が、軸方向に配向した短繊維を含んでいる空気入りタイヤ。 It has a tread whose outer surface forms a tread surface,
The tread includes a base and a cap positioned radially outward of the base,
This base is composed of a plurality of layers stacked in the radial direction,
The first layer includes short fibers oriented in the circumferential direction;
A pneumatic tire in which the second layer includes short fibers oriented in the axial direction.
このゴム組成物が、基材ゴムを含んでおり、
この第一の層に含まれる短繊維の配合量が、この基材ゴム100質量部に対して3質量部以上20質量部以下である請求項1に記載の空気入りタイヤ。 The first layer is formed from a rubber composition blended with short fibers,
This rubber composition contains a base rubber,
2. The pneumatic tire according to claim 1, wherein an amount of the short fibers contained in the first layer is 3 parts by mass or more and 20 parts by mass or less with respect to 100 parts by mass of the base rubber.
このゴム組成物が、基材ゴムを含んでおり、
この第二の層に含まれる短繊維の配合量が、この基材ゴム100質量部に対して3質量部以上20質量部以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。 The second layer is formed from a rubber composition blended with short fibers,
This rubber composition contains a base rubber,
The pneumatic tire according to claim 1 or 2, wherein the amount of the short fibers contained in the second layer is 3 parts by mass or more and 20 parts by mass or less with respect to 100 parts by mass of the base rubber.
このゴム組成物が、上記第一の層のゴム組成物及び上記第二の層のゴム組成物と同等である請求項2又は3に記載の空気入りタイヤ。 The cap is formed of a rubber composition;
The pneumatic tire according to claim 2 or 3, wherein the rubber composition is equivalent to the rubber composition of the first layer and the rubber composition of the second layer.
この第三の層が、半径方向に配向した短繊維を含んでいる請求項1から4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。 The base further comprises a third layer;
The pneumatic tire according to any one of claims 1 to 4, wherein the third layer includes short fibers oriented in a radial direction.
このゴム組成物が、基材ゴムを含んでおり、
この第三の層に含まれる短繊維の配合量が、この基材ゴム100質量部に対して3質量部以上20質量部以下である請求項5又は6に記載の空気入りタイヤ。 The third layer is formed from a rubber composition blended with short fibers,
This rubber composition contains a base rubber,
The pneumatic tire according to claim 5 or 6, wherein a blending amount of the short fibers contained in the third layer is 3 parts by mass or more and 20 parts by mass or less with respect to 100 parts by mass of the base rubber.
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