JP2011037076A - 帯状ゴム部材の巻付け方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フェスツーン22の前側部35における帯状ゴム部材12の長手方向伸びおよび幅方向収縮を抑制する。
【解決手段】上方に向かって走行する付与コンベア25の走行面34をフェスツーン22の前側部35に接触させることで、該前側部35に付与コンベア25から上方に向かう力を付与する。これにより、フェスツーン22の前側部35に該フェスツーン22の自重によって生じる下方に向かう張力が、前記上方に向かう力により相殺され、この結果、フェスツーン22の前側部35に生じる張力が低減されて帯状ゴム部材12の長手方向伸びおよび幅方向収縮が抑制される。
【選択図】図1
【解決手段】上方に向かって走行する付与コンベア25の走行面34をフェスツーン22の前側部35に接触させることで、該前側部35に付与コンベア25から上方に向かう力を付与する。これにより、フェスツーン22の前側部35に該フェスツーン22の自重によって生じる下方に向かう張力が、前記上方に向かう力により相殺され、この結果、フェスツーン22の前側部35に生じる張力が低減されて帯状ゴム部材12の長手方向伸びおよび幅方向収縮が抑制される。
【選択図】図1
Description
この発明は、帯状ゴム部材を被巻付け体の周囲に巻付ける巻付け方法および装置に関する。
従来の帯状ゴム部材の巻付け方法および装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
このものは、巻きロールから巻出された帯状ゴム部材を前方に向かって送り出す送出ローラと、送出ローラの前方に配置され、駆動回転することにより前記送り出された帯状ゴム部材が周囲に巻付けられる被巻付け体とを備え、送出ローラと被巻付け体との間の帯状ゴム部材にフェスツーンを形成したものである。
ここで、被巻付け体を駆動回転させることで、巻きロールから巻出された帯状ゴム部材を被巻付け体に巻付ける場合には、送出ローラと被巻付け体との双方を、これらの周速度(表面速度)が等速となるよう駆動回転させているが、このように送出ローラと被巻付け体との周速度を高精度で等速とする制御は困難である。このため、通常、送出ローラと被巻付け体との間に、前述のように帯状ゴム部材のフェスツーンを形成し、このフェスツーンにより送出ローラと被巻付け体との周速度の差を吸収することで、帯状ゴム部材に余計な張力が生じるのを防止するようにしている。
しかしながら、前述のような従来の帯状ゴム部材の巻付け方法および装置にあっては、下方に垂れ下がっているフェスツーンには、常時、自重により下方に向かう張力が生じるため、帯状ゴム部材が長手方向に伸びるとともに、幅方向に収縮するという課題があった。そして、このように長手方向伸びや幅方向収縮が生じた帯状ゴム部材を用いてタイヤを製造すると、寸法、形状等が設計値からずれ、製品タイヤの品質が低下してしまうおそれがある。特に、帯状ゴム部材内に長手方向に対して傾斜したスチール等の補強コードが埋設されている場合には、前述した帯状ゴム部材の長手方向伸びにより前記補強コードは長手方向に対する傾斜角が小となるよう傾くため、前記帯状ゴム部材の幅方向収縮がより顕著となる。
この発明は、フェスツーンの前側部における帯状ゴム部材の長手方向伸びおよび幅方向収縮を抑制することができる帯状ゴム部材の巻付け方法および装置を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、送出手段によって前方に送り出された帯状ゴム部材に対しフェスツーンを形成した後、送出手段およびフェスツーンの前方に設置された駆動回転する被巻付け体の周囲に該帯状ゴム部材を巻付けるようにした帯状ゴム部材の巻付け方法において、フェスツーンの前側部に接触している付与手段から該前側部に上方に向かう力を付与することで、該フェスツーンの前側部に自重によって生じている張力を低減させるようにした帯状ゴム部材の巻付け方法により、達成することができる。
第2に、帯状ゴム部材を前方に向かって送り出す送出手段と、送出手段の前方に配置され、駆動回転することにより前記送り出された帯状ゴム部材が周囲に巻付けられる被巻付け体とを備え、前記送出手段と被巻付け体との間の帯状ゴム部材にフェスツーンを形成した帯状ゴム部材の巻付け装置において、フェスツーンの前側部に接触するとともに、該前側部に上方に向かう力を付与する付与手段を設け、前記力によりフェスツーンの前側部に自重によって生じている張力を低減させるようにした帯状ゴム部材の巻付け装置により、達成することができる。
この発明においては、フェスツーンの最下点より前側(下流側)に位置する前側部に接触するとともに、該前側部に上方に向かう力を付与する付与手段を設けたので、フェスツーン前側部に自重によって生じる下方に向かう張力が、付与手段から前側部に付与される上方に向かう力により相殺されて低減され、これにより、帯状ゴム部材の長手方向伸びおよび幅方向収縮を容易に抑制することができる。そして、前述のような伸びおよび収縮が抑制された帯状ゴム部材を用いてタイヤを製造すれば、製品タイヤの品質を向上させることができる。なお、フェスツーンの後側部における張力低減は、この発明の対象外である。
また、請求項3に記載のように構成すれば、構造および制御が簡単でありながら、上方に向かう力を前側部に確実に付与することができる。さらに、請求項4に記載のように構成すれば、フェスツーンの前側部は付与コンベアに確実に接触して上方に向かう力が確実に付与され、これにより、帯状ゴム部材の伸びおよび収縮を効果的に抑制することができる。
また、請求項5に記載のように構成すれば、簡単な構造でありながら、確実にスチールコードが埋設された帯状ゴム部材を付与コンベアに向かって引き寄せることができ、これにより、帯状ゴム部材が長手方向に伸ばされて、傾斜角が小さくなるようスチールコードが傾く事態が抑制される。また、メンテナンスが長期間不要となり低コスト化を図ることができる。
さらに、請求項6に記載のように構成すれば、付与コンベアから帯状ゴム部材に張力が付与されたり、あるいは、付与コンベアと被巻付け体との間の帯状ゴム部材に弛みが生じる事態を回避することができる。また、請求項7に記載のように構成すれば、簡単な構造でありながら、フェスツーンを通過した後の帯状ゴム部材を安定して被巻付け体に導くことができる。
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1において、11は図示していない固定フレームにフリー回転可能に支持された水平なリールであり、このリール11の周囲には、ポリエチレン等のフィルムからなる図示していないライナーと、内部に長手方向に対して傾斜した補強コードが多数本平行に埋設された帯状ゴム部材12、ここではベルトプライとが、互いに重なり合った状態で多数回ロール状に巻付けられている。前述したリール11、ライナー、帯状ゴム部材12は全体として、巻きロール13を構成する。なお、前述の帯状ゴム部材は、カーカスプライ、ワイヤーチェーファー、トレッド、幅狭のリボン状体等であってもよく、また、内部に埋設されている補強コードとしては、スチール、芳香族ポリアミド繊維等を用いることができる。さらに、前記巻きロールはライナーを省略し帯状ゴム部材のみを巻取るようにしてもよい。
図1において、11は図示していない固定フレームにフリー回転可能に支持された水平なリールであり、このリール11の周囲には、ポリエチレン等のフィルムからなる図示していないライナーと、内部に長手方向に対して傾斜した補強コードが多数本平行に埋設された帯状ゴム部材12、ここではベルトプライとが、互いに重なり合った状態で多数回ロール状に巻付けられている。前述したリール11、ライナー、帯状ゴム部材12は全体として、巻きロール13を構成する。なお、前述の帯状ゴム部材は、カーカスプライ、ワイヤーチェーファー、トレッド、幅狭のリボン状体等であってもよく、また、内部に埋設されている補強コードとしては、スチール、芳香族ポリアミド繊維等を用いることができる。さらに、前記巻きロールはライナーを省略し帯状ゴム部材のみを巻取るようにしてもよい。
16は巻きロール13の前方(下流側)に設けられた送出ローラであり、この送出ローラ16はリール11の軸線に平行な軸線回りに回転可能で、その外周の一部にはライナーから剥離された後の帯状ゴム部材12が接触する。そして、この送出ローラ16は図示していない駆動モータから駆動力が付与されると、駆動回転して巻きロール13から帯状ゴム部材12を巻出し下流側(前方)に向かって送出する。前述した送出ローラ16、駆動モータは全体として、巻きロール13から帯状ゴム部材12を巻出すとともに、巻出された帯状ゴム部材12を前方に向かって送り出す送出手段17を構成する。
なお、この実施形態においては、成形された帯状ゴム部材12を一旦ロール状に巻取って一時保管した後、巻取りロール13から巻出すとともに、送出ローラ16により送出するようにしたが、この発明においては、成形装置によって成形された直後の帯状ゴム部材を、ロール状に巻き取ることなくそのまま送出ローラにより送出するようにしてもよい。また、この発明においては、前記送出手段として、帯状ゴム部材を両側から挟持するとともに、挟持部が同一速度で前方に走行するベルトコンベアから構成してもよい。さらに、この発明においては、送出ローラに加え、巻きロールも巻出し位置における周速度が送出ローラの周速度と等速となるよう駆動回転させてもよい。
19は円筒状をした拡縮可能な成形ドラムからなる被巻付け体であり、この被巻付け体19は前記送出ローラ16の前方に配置されている。そして、この被巻付け体19は図示していない駆動部から回転駆動力を受けることで、送出ローラ16の軸線に平行な軸線回りに回転することができる。このように被巻付け体19が回転しているとき、送出ローラ16から帯状ゴム部材12が前方に向かって送出されると、該帯状ゴム部材12は被巻付け体19により引取られながらその周囲に巻付けられる。
なお、この被巻付け体は、断面略トロイダル状となるよう幅方向中央部が膨出した成形ドラムと、該成形ドラムの周囲に貼り付けられたインナーライナー、カーカスプライ等のタイヤ中間体とから構成されていてもよく、あるいは、外表面が加硫済み空気入りタイヤの内表面と同一形状である剛体コアと、該剛体コアの周囲に成形されたタイヤ中間体とから構成されていてもよく、さらには、剛体コア単体から構成されていてもよい。20は被巻付け体19と後述するフェスツーンとの間に設けられたフリー状態のコンベアであり、このコンベア20は図示していない支持フレームに支持された前後方向に離隔している複数のローラ21を有し、前記帯状ゴム部材12を下方から支持しながら被巻付け体19に向かって運搬することができる。
ここで、前記コンベア20としてフリー走行するコンベアベルトを用いてもよいが、この実施形態のようにコンベア20を帯状ゴム部材12の流れ方向に離れたフリー回転可能な複数の互いに平行なローラ21から構成すれば、簡単な構造でありながら、フェスツーンを通過した後の帯状ゴム部材12を安定して被巻付け体19に導くことができる。なお、この発明においては、コンベア20を構成するローラあるいはコンベアベルトを積極的に駆動してもよいが、この場合には、これらローラ、コンベアベルトの周速度、走行速度を被巻付け体の巻付け位置Mにおける周速度と等速とするよう制御する必要がある。
22は送出手段17と被巻付け体19との間、ここでは送出ローラ16とコンベア20を構成するローラ21のうち後端(上流端)に位置するローラ21aとの間において下方に垂れ下がった帯状ゴム部材12のフェスツーンであり、このフェスツーン22は下方に垂れ下がっているため、自重によってその内部に下向きの張力が発生する。そして、このような位置にフェスツーン22を設ければ、送出手段17から送出される帯状ゴム部材12の走行速度と、被巻付け体19の巻付け位置Mにおける周速度(巻付け速度)との間に差が生じても、該フェスツーン22が前記差を吸収し、帯状ゴム部材12に余計な張力が生じる事態を防止することができる。
ここで、このようなフェスツーン22は被巻付け体19の駆動回転が停止しているときに送出ローラ16を駆動回転させることで、あるいは、巻付け位置Mにおける被巻付け体19の周速度を送出ローラ16の周速度より小とすることで形成することができる。25はローラ21aの直下でフェスツーン22の直前に設けられ上下方向、詳しくはフェスツーン22の後述する前側部35に沿って延びる付与コンベアであり、この付与コンベア25は上下方向に延びる図示していないフレームと、このフレームの上、下端にそれぞれ回転可能に支持された上、下ローラ26、27と、これら上、下ローラ26、27間に掛け渡された無端状の付与ベルト28とを有する。
31は図示していない固定フレームに取り付けられた駆動モータであり、この駆動モータ31の駆動回転力はベルト32を介して下ローラ27に伝達される。この結果、前記駆動モータ31が作動して下ローラ27が回転すると、付与コンベア25の後側走行面34は上方に向かって走行する。ここで、前述した付与コンベア25(付与ベルト28)の走行面34はフェスツーン22の最下点より前側(下流側)の前側部35に平行に延びるとともに、該前側部35に広い面積で接触しており、これにより、該前側部35には付与コンベア25から上方に向かう力が付与される。
この結果、フェスツーン22の前側部35に自重により生じている引張力の一部が、付与コンベア25から前側部35に付与される上方に向かう力により相殺されて、前記前側部35に生じている張力が低減される。これにより、帯状ゴム部材12における長手方向の伸びおよび幅方向の収縮を容易に抑制することができる。なお、フェスツーン22の後側部における張力低減は、この実施形態の対象外である。そして、前述のような伸びおよび収縮が抑制された帯状ゴム部材12を用いてタイヤを製造すれば、製品タイヤの品質を向上させることができる。また、このように付与コンベア25によって前側部35に上方に向かう力を付与するようにすれば、構造および制御が簡単でありながら、確実に前側部35に上方に向かう力を付与することができる。
なお、この発明においては、送出手段17とコンベア20との間に複数のフェスツーンを形成してもよく、この場合には、前端に位置するフェスツーンの前側部のみに接触する1台の付与コンベアを設けてもよく、あるいは、各フェスツーンの前側部にそれぞれ接触する複数の付与コンベアを設けてもよい。前述した付与コンベア25、駆動モータ31、ベルト32は全体として、フェスツーン22の前側部35に接触することで、該前側部35に上方に向かう力を付与することができる付与手段36を構成する。ここで、上方とは、横方向や下方ではなく、むしろ上方という意味であり、また、上下方向も、鉛直方向のみならず、鉛直方向に対してある程度傾斜した方向も含むものとする。
また、前記付与コンベア25(走行面34)の走行速度は、帯状ゴム部材12が現在巻付けられている巻付け位置Mにおける被巻付け体19の周速度と実質上同一とすることが好ましい。その理由は、付与コンベア25の走行速度が被巻付け体19の巻付け位置Mにおける周速度より小であると、付与コンベア25と帯状ゴム部材12との間に滑りが生じて、付与コンベア25から帯状ゴム部材12に余計な張力が付与されることがあり、一方、付与コンベア25の周速度が被巻付け体19の巻付け位置Mにおける周速度より大であると、付与コンベア25と被巻付け体19との間の帯状ゴム部材12に弛みが生じることがあるが、前述のように実質上同一とすると、このような事態を容易に回避することができる。
さらに、前記付与コンベア25は、この実施形態のように、フェスツーン22の前側部35における前面に接触させることが好ましい。その理由は、仮に、付与コンベアを前側部の後面に接触させた場合には、フェスツーンの垂れ下がり量が短くなると、フェスツーンと付与コンベアとが干渉するおそれがあり、このような場合には、例えば、付与コンベアを前記垂れ下がり量の変化に追従させて昇降させる昇降手段を設ける必要がある。しかしながら、前述のように付与コンベア25を前側部35の前面に接触させるようにすれば、送出手段17、詳しくは送出ローラ16と被巻付け体19との間に周速度差が生じてフェスツーン22の垂れ下がり量が変化しても、特に、短くなっても、付与コンベア25はこの変化の邪魔となることはなく、この結果、前述のような昇降手段は不要となって装置全体の構造が簡単となり、製作費を安価とすることもできるからである。
図1、2において、40は前記付与コンベア25の内部に設置された引寄せ機構としての1個または複数個、ここでは10個のマグネットであり、これらマグネット40は永久磁石または電磁石から構成することができる。そして、これらマグネット40は付与コンベア25の直後を走行している帯状ゴム部材12の内部に埋設されたスチールコードを付与コンベア25側に磁力によって吸引するため、フェスツーン22の前側部35は付与コンベア25に向かって引き寄せられ、該前側部35と付与コンベア25との接圧が向上する。このように、マグネット40によってフェスツーン22の前側部35を付与コンベア25に向かって引き寄せるようにすれば、簡単な構造でありながら、確実にスチールコードが埋設された帯状ゴム部材12を付与コンベア25に向かって引き寄せることができる。
この結果、フェスツーン22の前側部35は付与コンベア25に確実に接触して該付与コンベア25から上方に向かう力が確実に付与され、これにより、帯状ゴム部材12の長手方向伸びおよび幅方向収縮を効果的に抑制することができる。また、帯状ゴム部材12内に埋設されている傾斜したスチールコードが、長手方向に対する傾斜角が小さくなるよう傾く事態を抑制することもできる。さらに、前述のように前側部35と付与コンベア25との接圧が向上すると、この接圧により前側部35と付与コンベア25との間の滑りが強力に規制され、これにより、前側部35が自重に基づく張力によって長手方向に伸びようとしても、付与コンベア25がこの伸びを効果的に規制することができる。また、マグネット40によりスチールコードを吸引するようにしたので、メンテナンスは長期間不要となり低コスト化を図ることもできる。
なお、この実施形態においては、引寄せ機構としてマグネット40を使用したが、この発明においては、付与コンベアに多数の小孔を形成するとともに、この小孔と真空源とを接続することで、帯状ゴム部材を付与コンベア側に引き寄せるようにしてもよい。また、この発明においては、付与手段を、フェスツーンの前側部に沿って上下方向に離れて設けられた複数のローラと、これらローラをフェスツーンの前側部の走行速度と同一の周速度で回転させる駆動機構とから構成してもよい。この場合、これらローラの外周部にマグネットを埋設したり、あるいは、これらローラの外周面に真空源に接続された多数のバキューム孔を設け、フェスツーンの前側部をローラに引き寄せるようにすれば、より効果的である。
次に、前記実施形態1の作用について説明する。
前述のような帯状ゴム部材の巻付け装置により、被巻付け体19の周囲に帯状ゴム部材12を巻付ける場合には、まず、巻付け体19の駆動回転が停止している状態で送出ローラ16を駆動回転させ、巻きロール13からライナーに支持された帯状ゴム部材12を巻出した後、該ライナーから剥離された帯状ゴム部材12を送出手段17によって前方に送り出すとともに、フェスツーン22を形成する。次に、送出ローラ16と被巻付け体19との双方を、これらの周速度が等速となるよう駆動回転させて、送出手段17およびフェスツーン22の前方に設置された被巻付け体19の周囲に帯状ゴム部材12を巻付ける。
前述のような帯状ゴム部材の巻付け装置により、被巻付け体19の周囲に帯状ゴム部材12を巻付ける場合には、まず、巻付け体19の駆動回転が停止している状態で送出ローラ16を駆動回転させ、巻きロール13からライナーに支持された帯状ゴム部材12を巻出した後、該ライナーから剥離された帯状ゴム部材12を送出手段17によって前方に送り出すとともに、フェスツーン22を形成する。次に、送出ローラ16と被巻付け体19との双方を、これらの周速度が等速となるよう駆動回転させて、送出手段17およびフェスツーン22の前方に設置された被巻付け体19の周囲に帯状ゴム部材12を巻付ける。
このとき、付与コンベア25を駆動モータ31によって駆動し、付与ベルト28の走行面34をフェスツーン22の前側部35の走行速度と実質上同一速度で走行させるとともに、マグネット40により前記前側部35を付与ベルト28の走行面34に引き寄せ接触させる。この結果、フェスツーン22の前側部35に接触している付与コンベア25から、該前側部35内の張力より小さな上方に向かう(張力と逆方向の)力が前側部35に付与され、前側部35に自重によって生じる下方に向かう張力が、前記上方に向かう力により一部が相殺されて低減される。これにより、被巻付け体19に供給される帯状ゴム部材12の長手方向伸びおよび幅方向収縮が抑制され、タイヤ性能の向上を容易に図ることができる。
そして、被巻付け体19の周囲に帯状ゴム部材(ベルトプライ)12が1周分巻付けられる直前に、該帯状ゴム部材12を図示していないカッターにより切断して被巻付け体19の1周長と等長の帯状ゴム部材片を切り出し、その後、該帯状ゴム部材片の残余部を被巻付け体19の周囲に巻付ける。これにより、被巻付け体19の周囲に帯状ゴム部材12が1周分巻付けられる。その後、補強コードが逆方向あるいは同一方向に傾斜した帯状ゴム部材を被巻付け体19の周囲にさらに1層以上巻付け、ベルト層を成形する。次に、被巻付け体19を回転させながらベルト層の外側にトレッドを巻付け、ベルト・トレッドバンドを成形する。その後、該ベルト・トレッドバンドを図示していない成形ドラムに搬送して略半円状に膨出変形したグリーンケースの外側に貼付け、グリーンタイヤを成形する。
次に、試験例について説明する。この試験に当たっては、フェスツーン前側部の直前にマグネットが配置された付与コンベアを設置した実施装置と、前記付与コンベアを省略した以外は実施装置と同一である従来装置とを準備した。そして、このような実施、従来装置を用いて成形ドラムに帯状ゴム部材を巻付けた。ここで、前記帯状ゴム部材として、幅が 400mmで、内部に長手方向に対して52度の傾斜角のスチールコードが埋設されているベルトプライを用いるとともに、成形ドラムとして直径が80cmで巻付け位置における周速が 48.0m/minであるドラムを用い、付与コンベアの走行面も48.0 m/minの走行速度で走行させた。
そして、成形ドラムに巻付けられた帯状ゴム部材の長手方向の伸び率(%)および幅方向の収縮率(%)を測定した。その結果を図3に示すが、実施装置による結果は〇印で表しており、従来装置による結果は×印で表している。この図3に示す結果から明らかなように、内部にマグネットが配置された付与コンベアを設けると、帯状ゴム部材の長手方向伸び率および幅方向収縮率の双方を効果的に低減させることができる。
この発明は、帯状ゴム部材を被巻付け体の周囲に巻付ける産業分野に適用できる。
12…帯状ゴム部材 17…送出手段
19…被巻付け体 20…コンベア
21…ローラ 22…フェスツーン
25…付与コンベア 34…走行面
35…前側部 36…付与手段
40…引寄せ機構
19…被巻付け体 20…コンベア
21…ローラ 22…フェスツーン
25…付与コンベア 34…走行面
35…前側部 36…付与手段
40…引寄せ機構
Claims (7)
- 送出手段によって前方に送り出された帯状ゴム部材に対しフェスツーンを形成した後、送出手段およびフェスツーンの前方に設置された駆動回転する被巻付け体の周囲に該帯状ゴム部材を巻付けるようにした帯状ゴム部材の巻付け方法において、フェスツーンの前側部に接触している付与手段から該前側部に上方に向かう力を付与することで、該フェスツーンの前側部に自重によって生じている張力を低減させるようにしたことを特徴とする帯状ゴム部材の巻付け方法。
- 帯状ゴム部材を前方に向かって送り出す送出手段と、送出手段の前方に配置され、駆動回転することにより前記送り出された帯状ゴム部材が周囲に巻付けられる被巻付け体とを備え、前記送出手段と被巻付け体との間の帯状ゴム部材にフェスツーンを形成した帯状ゴム部材の巻付け装置において、フェスツーンの前側部に接触するとともに、該前側部に上方に向かう力を付与する付与手段を設け、前記力によりフェスツーンの前側部に自重によって生じている張力を低減させるようにしたことを特徴とする帯状ゴム部材の巻付け装置。
- 前記付与手段は、走行面がフェスツーンの前側部に接触する付与コンベアを有し、該付与コンベアの走行面を上方に走行させることで、フェスツーンの前側部に上方に向かう力を付与するようにした請求項2記載の帯状ゴム部材の巻付け装置。
- 前記付与コンベアにフェスツーンの前側部を付与コンベアに向かって引き寄せる引寄せ機構を設けた請求項3記載の帯状ゴム部材の巻付け装置。
- 前記引寄せ機構をマグネットから構成するとともに、帯状ゴム部材の内部に帯状ゴム部材の長手方向に対して傾斜したスチールコードを多数本埋設し、帯状ゴム部材に埋設されたスチールコードを前記マグネットにより付与コンベア側に吸引することで、フェスツーンの前側部を付与コンベアに向かって引き寄せるようにした請求項4記載の帯状ゴム部材の巻付け装置。
- 前記付与コンベアの走行速度を被巻付け体の巻付け位置における周速度と実質上同一とした請求項3〜5のいずれかに記載の帯状ゴム部材の巻付け装置。
- 前記フェスツーンと被巻付け体との間に、フリー回転する複数のローラから構成されたコンベアを設けた請求項2〜6のいずれかに記載の帯状ゴム部材の巻付け装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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