JP2011036019A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】200V系電源に接続される倍電圧整流回路とインバータ回路を備えた200V系電源用の電力変換装置を提供する。
【解決手段】200V系の交流電源(1)に接続され、該交流電源(1)からの電流を倍電圧整流するように構成されたコンバータ回路(20)と、6つのスイッチング素子(31)を有してコンバータ回路(20)により倍電圧整流された直流を交流に変換するインバータ回路(30)を備えている。スイッチング素子(31)は、ワイドバンドギャップ半導体が用いられたユニポーラ素子であるSiC-MOSFETからなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、倍電圧整流回路とスイッチング素子を有するインバータ回路とを備えた電力変換装置に関する。
従来より、例えば特許文献1に開示されているように、交流電源に接続され、倍電圧整流するコンバータ回路と、複数のスイッチング素子を有して該コンバータ回路の出力電流を交流に変換するインバータ回路とを備えた電力変換装置が知られている。
特開2001−259281号公報
ところで、一般に上記特許文献1のような倍電圧整流するコンバータ回路を備えた電力変換装置は100V系の電源系統用として用いられているが、200V系の電源系統にも適用可能としインバータ回路等の素子の共通化を図りたいという要望がある。しかしながら、以下のような問題があった。
このような倍電圧整流する電力変換装置のインバータ回路では、上記特許文献1のものもそうであるが、スイッチング素子にIGBTが用いられることが多い。ここで、このような電力変換装置を200V系の電源系統に用いる場合について考える。この場合、倍電圧整流によってインバータ回路の入力電流が半分になるが、スイッチング素子にIGBTなどの素子を用いていると、インバータ回路の導通損失はそれ程低減されない。つまり、IGBTはオン電圧降下を有する素子であるため電流が低下してもそれ程オン抵抗が小さくならず導通損失はそれ程(例えば、半分程しか)低減されない。一方、倍電圧整流によってインバータ回路の入力電圧が2倍になるため、IGBTなどのスイッチング素子の耐圧を2倍に上げるべく例えばスイッチング素子を厚くすると、スイッチング素子のオン抵抗が2倍となり導通損失も2倍となる。これらの結果、倍電圧整流するにも拘わらず、スイッチング素子の導通損失は殆ど低減されないという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、200V系の交流電源に対して、倍電圧整流する回路を備えつつも、低損失および高耐圧の電力変換装置を提供することにある。
第1の発明は、200V系の交流電源(1)に接続され、該交流電源(1)からの電流を倍電圧整流するように構成されたコンバータ回路(20)と、ユニポーラ素子からなる複数のスイッチング素子(31)を有し、該スイッチング素子(31)のオンオフ動作により、上記コンバータ回路(20)で倍電圧整流された直流を交流に変換するインバータ回路(30)とを備えているものである。
上記第1の発明では、電源電圧(200V)がコンバータ回路(20)により2倍の電圧(400V)となってインバータ回路(30)に出力される。また、電源電流はコンバータ回路(20)により半分の電流となってインバータ回路(30)に出力される。ここで、インバータ回路(30)のスイッチング素子(31)にはオン電圧降下のないユニポーラ素子が用いられている。つまり、IGBTのようにオン電圧降下がある素子ではなくオン電圧降下のないユニポーラ素子がスイッチング素子(31)に用いられている。そのため、インバータ回路(30)において入力電流が半分(1/2)となることによってスイッチング素子(31)のオン抵抗が小さくなり、そのスイッチング素子(31)の導通損失は1/4(=(1/2)×(1/2))となる。一方、インバータ回路(30)には電源電圧の2倍の電圧が入力されることから、スイッチング素子(31)の耐圧を高くするため例えばスイッチング素子(31)を厚くすると、そのスイッチング素子(31)のオン抵抗が2倍となり導通損失も2倍となる。したがって、本発明のインバータ回路(30)では導通損失が1/2(=(1/4)×2)となる。なお、ユニポーラ素子としては、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やJFET(Junction FET)、HFET(Heterostructure FET)などが挙げられる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記スイッチング素子(31)の少なくとも1つはワイドバンドギャップ半導体が用いられたユニポーラ素子からなる。
上記第2の発明では、スイッチング素子(31)の少なくとも1つが例えばSiC(シリコンカーバイド)やGaN(窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップ半導体のユニポーラ素子で構成されている。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記スイッチング素子(31)の少なくとも1つがノーマリオン型のものである。
上記第3の発明では、ノーマリオフ型よりもオン抵抗が小さいノーマリオン型のスイッチング素子(31)が用いられている。なお、ノーマリオン型の素子としては、JFETやHFETなどが挙げられる。
第4の発明は、上記第3の発明において、上記インバータ回路(30)は、それぞれ上記スイッチング素子(31)を有する上アームおよび下アームから構成され、該上アームおよび下アームの何れか一方のスイッチング素子(31)がノーマリオン型のものである。
上記第4の発明では、インバータ回路(30)の上アームまたは下アームがノーマリオン型のスイッチング素子(31)を有している。
第5の発明は、上記第1または第2の発明において、上記スイッチング素子(31)の内部に逆方向電流が流れる所定のタイミングで該スイッチング素子(31)をオンにして上記インバータ回路(30)の同期整流を行う制御部(40)を備えているものである。
上記第5の発明では、例えば、スイッチング素子(31)に逆方向電流が流れる際には該スイッチング素子(31)はオフ状態になっており、逆方向電流が流れてから所定時間(例えば、図3に示すデッドタイム期間)の経過後にスイッチング素子(31)がオン状態になる。そうすると、逆方向電流がスイッチング素子(31)を流れる。このような同期整流を行うことにより、スイッチング素子(31)に対して還流ダイオードを別途設けなくても逆方向電流がスイッチング素子(31)を流れる。
第6の発明は、上記第1または第2の発明において、空気調和機に使用されるものである。
上記第6の発明では、空気調和機に設けられる冷媒回路の圧縮機を駆動するためのモータの電力変換装置として用いられる。
第7の発明は、上記第6の発明において、上記空気調和機の暖房中間負荷条件における上記スイッチング素子(31)の電流実効値(Irms)とオン抵抗(Ron)との関係が、Irms<0.9/Ronになるように構成されているものである。
上記第7の発明では、スイッチング素子(31)を選定して同期整流を行えば、暖房中間負荷条件において、還流ダイオードを別途設けなくても、同等以上の効率で運転することができる。
以上説明したように、本発明にれば、200V系の交流電源(1)に接続される電力変換装置(10)において、コンバータ回路(20)を倍電圧整流回路として構成し、且つ、インバータ回路(30)の各スイッチング素子(31)をユニポーラ素子で構成するようにした。そのため、スイッチング素子(31)の耐圧を2倍にすることによりスイッチング素子(31)の導通損失が2倍となる一方、入力電流が半分になることに対してはスイッチング素子(31)の導通損失が1/4となる。したがって、全体としては、スイッチング素子(31)の導通損失を半分にすることができる。これにより、200V系の交流電源(1)に対して、倍電圧整流する回路を備えつつも、低損失および高耐圧の電力変換装置(10)を提供することができる。
また、上記第2の発明によれば、スイッチング素子(31)の少なくとも1つがワイドバンドギャップ半導体を用いたユニポーラ素子からなっているため、より低損失で且つ高速・高温動作可能な電力変換装置(10)を提供することができる。
また、上記第3の発明によれば、スイッチング素子(31)の少なくとも1つがノーマリオン型の素子を用いているため、より低損失の電力変換装置(10)を提供することができる。
また、上記第5の発明によれば、スイッチング素子(31)を逆方向電流が流れる所定のタイミングでスイッチング素子(31)をオン状態にする同期整流を行うようにした。さらに具体的に言うと、本発明では、逆方向電流がスイッチング素子(31)を流れるタイミングではスイッチング素子(31)をオフ状態にし、スイッチング素子(31)を逆方向電流が流れてから所定時間が経過した後(所定のタイミングで)スイッチング素子(31)をオン状態にする同期整流を行う。このような同期整流により、逆方向電流をスイッチング素子(31)の内部を流すことができる。つまり、SiC-SBDなどの還流ダイオードを別途設けなくても、スイッチング素子(31)に逆方向電流を流すことが可能となる。したがって、還流ダイオードが不要になるため、小型化およびコストダウンを図ることが可能となる。また、逆方向電流が還流ダイオードを流れる場合に比べて、導通損失を低減することができる。その結果、小型且つより低損失の電力変換装置(10)を提供することができる。
上記第7の発明によれば、空気調和機の暖房中間負荷条件における上記スイッチング素子(31)の電流実効値(Irms)とオン抵抗(Ron)との関係が、Irms<0.9/Ron になるようにスイッチング素子を選定して同期整流を行えば、暖房中間負荷条件において、還流ダイオードを別途設けなくとも、同等以上の効率を達成でき、コストダウンと高効率化を両立させることが可能となる。
図1は、実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。 図2は、実施形態に係る同期整流の動作を説明するための図である。 図3は、実施形態に係る同期整流を行う制御部の信号波形図である。 図4は、実施形態に係る同期整流時の動作を示す回路図である。 図5は、SiC-MOSFET、SiC-MOSFETの寄生ダイオード、SiC-SBDの電圧‐電流特性の概略を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
図1に示すように、本実施形態の電力変換装置(10)は、コンバータ回路(20)とインバータ回路(30)と制御部(40)とを備えている。
上記コンバータ回路(20)は、単相の商用電源である交流電源(1)に接続され、該交流電源(1)を倍電圧整流する。また、交流電源(1)は200V系の電源である。インバータ回路(30)は、コンバータ回路(20)によって倍電圧整流された直流を三相交流に変換してモータ(2)に供給する。このモータ(2)は、空気調和機の冷媒回路に設けられる圧縮機を駆動するものである。
上記コンバータ回路(20)は、リアクトル(21)と、4つのダイオード(22)と、2つのコンデンサ(23,24)と、平滑コンデンサ(25)とを備えている。4つのダイオード(22)は、ブリッジ結線されたダイオードブリッジ回路を構成し、交流電源(1)に接続されている。2つのコンデンサ(23,24)は、互いに直列に接続され、上記ダイオードブリッジ回路の出力側に接続されている。この2つのコンデンサ(23,24)の出力側に平滑コンデンサ(25)が接続され、その出力側にインバータ回路(30)が接続されている。リアクトル(21)は、交流電源(1)とダイオードブリッジ回路との間に設けられている。このように、コンバータ回路(20)は倍電圧整流するように構成されている。
上記インバータ回路(30)は、6個のスイッチング素子(31)を有し、それらが三相ブリッジ結線されている。このインバータ回路(30)では、図1の上側が上アームを構成し、図1の下側が下アームを構成している。スイッチング素子(31)は、ワイドバンドギャップ半導体を用いたユニポーラ素子(ここでは、SiC-MOSFET)によって構成されている。ユニポーラ素子はオン電圧降下(オン電圧ドロップ)がない素子である。このSiC-MOSFET(31)は寄生ダイオード(32)が内蔵されている。つまり、この寄生ダイオード(32)は外付けされるダイオードではなくSiC-MOSFET(31)の内部に形成されるものである。本実施形態のインバータ回路(30)では、SiC-MOSFET(31)の寄生ダイオード(32)が還流ダイオードとして使用される。
上記制御部(40)は、インバータ回路(30)の各スイッチング素子(31)をスイッチング制御(オンオフ制御)して同期整流を行うように構成されている。この同期整流の動作については後述する。
この電力変換装置(10)では、交流電源(1)の電源電圧(200V)がコンバータ回路(20)によって2倍の電圧(400V)となってインバータ回路(30)に出力される。また、交流電源(1)の電源電流はコンバータ回路(20)によって半分の電流となってインバータ回路(30)に出力される。ここで、インバータ回路(30)のSiC-MOSFET(31)はオン電圧降下のないユニポーラ素子であるため、インバータ回路(30)において入力電流が半分(1/2)となることによってSiC-MOSFET(31)のオン抵抗が小さくなり、そのSiC-MOSFET(31)の導通損失は1/4(=(1/2)×(1/2))となる。一方、インバータ回路(30)には電源電圧の2倍の電圧が入力されるが、SiC-MOSFET(31)が高耐圧の素子であるため、例えば素子自体を厚くしなくても充分に対応し得る。よって、SiC-MOSFET(31)のオン抵抗を増加させずにすむ。したがって、本実施形態のインバータ回路(30)では、従来の倍電圧整流する電力変換装置を200V系の電源に用いた場合と比べて、導通損失が1/4に低減することができる。これにより、200V系の交流電源(1)に対して、倍電圧整流する回路を備えつつも、低損失および高耐圧の電力変換装置(10)を提供することができる。また、本実施形態では、スイッチング素子(31)を厚くするなどして耐圧を上げなくてもすむため、電力変換装置(10)の小型化が可能となる。
また、本実施形態のスイッチング素子(31)では、ノーマリオン型のユニポーラ素子としてJFETまたはHFETで構成するようにしても同様の効果を奏する。この場合、スイッチング素子(31)において寄生ダイオード(32)が省略される。ノーマリオン型の素子はノーマリオフ型の素子に比べてオン抵抗が小さい。したがって、インバータ回路(30)における導通損失をより低減することができ、より低損失の電力変換装置(10)を提供することができる。
また、本実施形態のインバータ回路(30)では、上アームおよび下アームの一方のスイッチング素子(31)をノーマリオン型のユニポーラ素子で構成するようにしてもよい。その場合、スイッチング素子(31)の駆動回路の状態に関係なく、過電流や過電圧異常を防止することができる。
上記制御部(40)は図3に示すようにスイッチング制御して同期整流を行う。先ず、制御部(40)には出力電圧指令が送信される。出力電圧指令は、空気調和機の負荷に対するモータ(2)の必要出力電圧の信号であり、空気調和機の制御部から発信される。制御部(40)は、インバータ回路(30)の出力電圧が受信した必要出力電圧となるように、インバータ回路(30)の各スイッチング素子(31)をスイッチングする。具体的に、制御部(40)は、上アームのSiC-MOSFET(31)と下アームのSiC-MOSFET(31)のそれぞれを所定のタイミングでオン・オフさせる。つまり、制御部(40)は上アームのSiC-MOSFET(31)と下アームのSiC-MOSFET(31)とを交互にオンさせる。ここで、下アームのSiC-MOSFET(31)は、上アームのSiC-MOSFET(31)がオンしている期間(期間A)のあと直ぐにはオンされず所定のデッドタイム期間を置いてオンされる。同様に、上アームのSiC-MOSFET(31)は、下アームのSiC-MOSFET(31)がオンしている期間(期間B)のあと直ぐにはオンされず所定のデッドタイム期間を置いてオンされる。このデッドタイム期間は、いわゆるショートするのを回避するため、インバータ回路(30)の全てのSiC-MOSFET(31)をオフ状態にする期間である。
上述した制御部(40)のスイッチング制御により、インバータ回路(30)で同期整流が行われる。例えば、電流i(図2を参照。)が正(>0)の場合では、下アームのSiC-MOSFET(31)が図4に示すように同期整流される。先ず、上アームのSiC-MOSFET(31)がオン状態で、該SiC-MOSFET(31)を順方向電流が流れる(図4(a)の状態。)。次に、上アームのSiC-MOSFET(130)がオフにされ、下アームのSiC-MOSFET(31)は、逆方向電流が流れるタイミングでオフ状態になっており、逆方向電流が該下アームのSiC-MOSFET(31)の寄生ダイオード(32)を流れる(図4(b)の状態。)。即ち、デッドタイム期間は、逆方向電流が寄生ダイオード(32)を流れる。そして、デッドタイム期間が経過すると、下アームのSiC-MOSFET(31)がオンにされて逆方向電流が寄生ダイオード(32)ではなく該SiC-MOSFET(31)の内部を流れる(図4(c)の状態。)。この下アームのSiC-MOSFET(31)の同期整流により、出力電圧v0(i>0)(v0は図2を参照。)は図3に示すとおりとなる。一方、電流i(図2を参照。)が負(<0)の場合では、上アームのSiC-MOSFET(31)が上記と同様に(図4に示すように)同期整流される。この上アームのSiC-MOSFET(31)の同期整流により、出力電圧v0(i<0)(v0は図2を参照。)は図3に示すとおりとなる。これから分かるように、何れの同期整流においても、逆方向電流が寄生ダイオード(32)を流れるデッドタイム期間では寄生ダイオード(32)の導通損失により電圧降下が生じる。しかしながら、デッドタイム期間の経過後はSiC-MOSFET(31)をオンにして逆方向電流が該SiC-MOSFET(31)の内部を流れるようにしているので、電圧降下を回避することができる。即ち、インバータ回路(30)では、同期整流を行うことによって、逆方向電流が寄生ダイオード(32)に殆ど流れることなく導通損失の極めて低いSiC-MOSFET(31)の内部に流れる。これにより、インバータ回路(30)における導通損失を低減することが可能となる。また、還流ダイオードを別途設ける必要がないため、電力変換装置(10)の小型化およびコストダウンを図ることが可能となる。このように、本実施形態の同期整流は、SiC-MOSFET(31)の内部にある寄生ダイオード(32)に逆方向電流が流れる所定のタイミングで該SiC-MOSFET(31)をオンにするものである。さらに具体的に言えば、本実施形態の同期整流は、SiC-MOSFET(31)の内部にある寄生ダイオード(32)に逆方向電流が流れるタイミングで該SiC-MOSFET(31)をオフにし、該オフしてから所定のタイミングで(所定のデッドタイム期間の経過後に)該SiC-MOSFET(31)をオンにして寄生ダイオード(32)を除く該SiC-MOSFET(31)の内部に逆方向電流を流すものである。
また、本実施形態のスイッチング素子(31)をJFETまたはHFETで構成するようにしても同様の同期整流が可能である。この場合は、上述したようにスイッチング素子(31)において寄生ダイオード(32)が省略される。ここでは、代表してJFET(31)の場合の同期整流について説明する。この場合、先ず、上アームのJFET(31)がオン状態で、順方向電流が流れる。次に、上アームのJFET(130)がオフにされ、下アームのJFET(31)は逆方向電流が流れるタイミングでオフ状態になっており、逆方向電流が該下アームのJFET(31)の内部を流れる。即ち、デッドタイム期間は、逆方向電流がオフ状態のJFET(31)を流れる。そして、デッドタイム期間が経過すると、下アームのJFET(31)がオンにされて逆方向電流がそのままオン状態の該JFET(31)の内部を流れる。ここで、JFET(31)のオフ状態はオン状態よりも導通損失が高い。そのため、逆方向電流がオフ状態のJFET(31)を流れるデッドタイム期間は、上記SiC-MOSFET(31)の場合と同様に電圧降下が生じる。しかしながら、デッドタイム期間の経過後はJFET(31)をオンにして逆方向電流がオン状態のJFET(31)を流れるようにしているので、電圧降下を回避することができる。即ち、この場合は、同期整流を行うことによって、逆方向電流がオフ状態のJFET(31)に殆ど流れることなく導通損失の極めて低いオン状態のJFET(31)に流れる。これにより、インバータ回路(30)における導通損失を低減することが可能となる。なお、JFET(31)の場合は、ワイドバンドギャップ半導体としてSiCが用いられ、HFET(31)の場合は、ワイドバンドギャップ半導体としてGaN(窒化ガリウム)やGaAs(ガリリウム砒素)などが用いられる。
ここで、寄生ダイオードを還流ダイオードとして使用し同期整流を行う従来技術として、Si-MOSFETの寄生ダイオードを還流ダイオードとして使用する技術がある。しかしながら、Si-MOSFETの寄生ダイオードの立ち上がり電圧(オン電圧)が低いため(約0.7V)、同期整流をしても、すぐに寄生ダイオードが導通する。したがって同期整流の効果は小さい。これに対して、本実施形態のようにSiC-MOSFET(31)の寄生ダイオード(32)を還流ダイオードとして使用した場合には、SiC-MOSFET(31)の寄生ダイオード(32)の立ち上がり電圧(オン電圧)が高いため(約3V)、同期整流をすると、電流が大きくならなければ寄生ダイオード(32)が導通しない。ゆえに、本実施形態のようにSiC-MOSFET(31)の寄生ダイオード(32)を還流ダイオードとして使用すれば、Si-MOSFETの寄生ダイオードを還流ダイオードとして使用する場合よりも、同期整流の効果は大きくなる。
なお、図1ではインバータ回路(30)内の6個のスイッチング素子(31)すべてに対して寄生ダイオード(32)を還流ダイオードとして使い同期整流を行う構成を適用しているが、一部のスイッチング素子(31)にのみ適用することも可能である。
次に、空気調和機の効率とスイッチング素子(31)の選定条件について説明する。本実施形態のインバータ回路(30)では同期整流によりSiC-MOSFET(31)が通電し、従来の構成(例えば、SiC-MOSFET(31)に並列にSiC-SBD(ショットキーバリヤダイオード)を接続して還流ダイオードとして使用する構成)ではSiC-SBDが通電する。図5に示すように、SiC-MOSFET(31)は定抵抗特性を示す。SiC-SBDの立ち上がり電圧(オン電圧)は約1V、SiC-MOSFET(31)の寄生ダイオード(32)の立ち上がり電圧(オン電圧)は約3Vである。なお、立ち上がり電圧は物性値により決まっており任意に設定できない。
本実施形態の構成と従来構成の特性を比較して考えると、端子電圧がSiC-SBDの立ち上がり電圧以下では、本実施形態のほうが効率がよい。しかしながら、さらに電流が流れると、従来構成のほうが効率がよくなる。そのため、定格条件,重負荷といった、大きな電流を流す運転状態ではSiC-SBDを使用した従来構成のほうが効率がよくなる。一方、軽負荷では、SiC-SBDの効果は低く、SiC-MOSFET(31)のみの本実施形態の構成のほうが効率がよい。
ここで、電流としてi=(√2)Irmssinθを流した時の、本実施形態と従来構成の損失はそれぞれ以下の(式1)〜(式3)で表される。
・本実施形態
(式1)Ron×Irms 2
・従来構成
(式2)Vf×(2√2/π)Irms …ただし、Vf=const.
(式3)αIrms 2+β(2(√2)/π)Irms …ただし、Vf(i)=αi+β
Irmsは電流実効値,RonはSiC-MOSFET(31)のオン抵抗値、VfはSiC-SBDの端子電圧である。(式2)はVfを一定値で近似したものであり、(式3)はVfを一次近似したものである。
図5や上式から分かるように、定格負荷や重負荷では本実施形態の損失が大きくなるが、軽負荷では本実施形態の方が損失は小さくなる。定格負荷での効率が重要視される一般的な負荷とは異なり、空調用途では軽負荷での運転時間が長い。そのため、実省エネのためには軽負荷での運転効率が要求される。日本国内において実省エネに最も影響するのが、暖房定格能力に対して1/2の能力を出す条件である、暖房中間負荷と呼ばれる運転条件である。
暖房中間負荷での電流実効値をIrms1とした時、以下の(式4)と(式5)に示す条件が成り立つようにSiC-MOSFET(31)を選定する。
(式4)Irms1<(2(√2)/π)Vf/Ron …ただし、Vf=const.
(式5)Irms1<(2(√2)/π)β/(Ron−α) …ただし、Vf(i)=αi+β
このようにスイッチング素子を選定して同期整流を行えば、暖房中間負荷において、SiC-SBDを使用しなくとも、同等以上の効率を達成でき、コストダウンと高効率化を両立させることが可能となる。
さらに、SiC-SBDの立ち上がり電圧は約1Vである点を考慮し、Vfを1Vとすると、上記(式4)は以下の(式6)のように簡略化できる。
(式6)Irms1<0.9/Ron
これによりスイッチング素子選定がさらに容易になる。
なお、上記実施形態ではワイドバンドギャップ半導体を用いたユニポーラ素子の一例としてSiC-MOSFETを示したが、GaNやダイヤモンドなど他のワイドバンドギャップ半導体を用いたユニポーラ素子でも同様に考えることができる。
以上説明したように、本発明は、倍電圧整流するコンバータ回路とスイッチング素子を有するインバータ回路とを備えた電力変換装置について有用である。
1 交流電源
10 電力変換装置
20 コンバータ回路
30 インバータ回路
31 スイッチング素子
40 制御部

Claims (7)

  1. 200V系の交流電源(1)に接続され、該交流電源(1)からの電流を倍電圧整流するように構成されたコンバータ回路(20)と、
    ユニポーラ素子からなる複数のスイッチング素子(31)を有し、該スイッチング素子(31)のオンオフ動作により、上記コンバータ回路(20)で倍電圧整流された直流を交流に変換するインバータ回路(30)とを備えている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1において、
    上記スイッチング素子(31)の少なくとも1つは、ワイドバンドギャップ半導体が用いられたユニポーラ素子からなる
    ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1または2において、
    上記スイッチング素子(31)の少なくとも1つは、ノーマリオン型のものである
    ことを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項3において、
    上記インバータ回路(30)は、それぞれ上記スイッチング素子(31)を有する上アームおよび下アームから構成され、該上アームおよび下アームの何れか一方のスイッチング素子(31)がノーマリオン型のものである
    ことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1または2において、
    上記スイッチング素子(31)の内部に逆方向電流が流れる所定のタイミングで該スイッチング素子(31)をオンにして上記インバータ回路(30)の同期整流を行う制御部(40)を備えている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項1または2において、
    空気調和機に使用されるものである
    ことを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項6において、
    上記空気調和機の暖房中間負荷条件における上記スイッチング素子(31)の電流実効値(Irms)とオン抵抗(Ron)との関係が、Irms<0.9/Ronになるように構成されている
    ことを特徴とする電力変換装置。
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