JP2011035402A - 原子時計システムおよび方法 - Google Patents

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    • G04F5/14Apparatus for producing preselected time intervals for use as timing standards using atomic clocks
    • G04F5/145Apparatus for producing preselected time intervals for use as timing standards using atomic clocks using Coherent Population Trapping

Abstract

【課題】アルカリビームセルを提供すること。具体的には、ドップラーフリー(Doppler−free)な原子時計標準を提供すること。
【解決手段】原子時計システムであって、アルカリ金属を蒸発させるように構成されたリザーバチャンバと蒸発されたアルカリ金属原子を収集するように構成された検出チャンバとを含むアルカリビームセルと、蒸発されたアルカリ金属原子をポンピングするように構成されたビームインテロゲーションシステムと、蒸発されたアルカリ金属原子の最適な光吸収に対応する該マイクロ波信号の遷移周波数を決定するように構成された光学的検出システムと、該検出チャンバを出る該少なくとも1つの光プローブビームの強度を測定するように構成され、かつ、強度信号を生成するように構成された光検出システムとを含む、システム。
【選択図】なし

Description

(技術分野)
本発明は、一般に、ビームセルセルに関し、具体的には、原子時計システムおよび方法に関する。
(背景)
アルカリビームセルは、非常に正確で安定した周波数を必要とする様々なシステム、例えば、アルカリビーム原子時計等において利用され得る。例えば、アルカリビーム原子時計は、バイスタティックレーダーシステム、グローバルポジショニングシステム(GPS)、ならびに、例えば衛星システム等のその他のナビゲーションシステムおよびポジショニングシステムにおいて用いられ得る。原子時計はまた、通信システム、例えばセルラー電話システムにおいて用いられ得る。
アルカリビームセルは、典型的に、アルカリ金属を含む。例えば、金属はセシウム(Cs)であり得る。光源からの光は、蒸発されたアルカリ金属の原子を基底状態からより高い状態にポンピングし、該蒸発されたアルカリ金属の原子は、その状態から、異なる超微細状態(hyperfine state)になり得る。例えばマイクロ波信号または強度が変調された光ビーム(intensity modulated light beam)等のインテロゲーション信号は、その後、アルカリビームセルに適用され得、そして、インテロゲーション信号を制御する発振器は、特定の周波数にチューニングされ、その結果、初期の基底状態の再生率を最大化し得る。制御された量の光が、アルカリビームセルを介して伝播され得、そして、例えば光検出器等によって検出され、状態検出デバイスを形成し得る。
検出デバイスの出力を検査することによって、制御システムは、様々な制御信号を発振器と光源とに提供して、伝播された光の波長とマイクロ波周波数とが正確に制御され、その結果、マイクロ波入力周波数と超微細遷移周波数とが実質的に同じになることを確実なものとし得る。その後、発振器は、周波数標準または原子時計として用いるために、高い正確性および安定性の周波数の出力信号を提供し得る。しかしながら、測定された超微細遷移周波数のドップラーブロードニングが、光源に対する蒸発されたアルカリ金属原子の非直交平面運動(non−orthogonal planar movement)の結果として、例えば、アルカリ金属のランダムな熱運動の結果として生じ得る。
(概要)
本発明の一実施形態は、原子時計システムを含み、該原子時計システムは、アルカリビームセルと、ビームセルの検出チャンバを照射する光ポンプビームと少なくとも1つの光プローブビームとを生成して、蒸発されたアルカリ金属原子をポンピングするように構成されたインテロゲーションシステムとを含む。光学的検出システム(optical detection system)は、マイクロ波信号を検出チャンバに提供し得、そして、光ポンプビームの強度を測定して、蒸発されたアルカリ金属原子の最適な光吸収に対応する遷移周波数を決定し得る。光検出システム(photodetection system)は、少なくとも1つの光プローブビームの強度を測定し、強度信号を生成し得、該強度信号は、光学的検出システムに提供されて、光ポンプビームと少なくとも1つの光プローブビームとに対する蒸発されたアルカリ金属原子の非直交平面運動の結果として生じる遷移周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルし得る。
本発明の別の実施形態は、原子時計の周波数基準をチューニングする方法を含む。該方法は、光ポンプビームと少なくとも1つの光プローブビームとを生成することであって、該光ポンプビームと該少なくとも1つの光プローブビームとは、蒸発されたアルカリ金属原子がアルカリビームセルの検出チャンバ内に収集されるときに、検出チャンバを照射して、蒸発されたアルカリ金属原子を超微細状態にポンピングするように構成されている、ことと、制御された周波数を有するマイクロ波信号を検出チャンバに提供することとを含む。該方法はまた、マイクロ波信号の周波数スペクトルにわたって、検出チャンバを出る光ポンプビームの強度を測定して、蒸発されたアルカリ金属原子の最適な光吸収に対応するマイクロ波信号の遷移周波数を示す吸収スペクトルを生成することを含む。該方法はまた、マイクロ波信号の周波数スペクトルにわたって、検出チャンバを出る少なくとも1つの光プローブビームの強度を測定して、少なくとも1つの光プローブビームの該強度に対応する強度信号を生成することを含む。該方法はまた、強度信号と吸収スペクトルとを組み合わせて、光ポンプビームと少なくとも1つの光プローブビームとに対する蒸発されたアルカリ金属原子の非直交平面運動の結果として生じる遷移周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルすることを含む。該方法はさらに、制御された周波数のマイクロ波信号を遷移周波数にロックし、原子時計の実質的に正確な周波数基準を提供することを含む。
本発明の別の実施形態は、原子時計システムを含む。該システムは、光ポンプビームを生成する手段であって、該光ポンプビームは、蒸発されたアルカリ金属原子がアルカリビームセルの検出チャンバ内に収集されるときに、検出チャンバを照射し、蒸発されたアルカリ金属原子を超微細状態にポンピングする手段と、光プローブビームを生成する手段であって、該光プローブビームは、光ポンプビームと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームと実質的に反対方向にある、手段とを含む。該システムはまた、制御された周波数を有するマイクロ波信号を検出チャンバに提供する手段と、マイクロ波信号の周波数スペクトルにわたって、検出チャンバを出る光ポンプビームの強度を測定して、蒸発されたアルカリ金属原子の最適な光吸収に対応するマイクロ波信号の遷移周波数を示す吸収スペクトルを生成する手段とを含む。該システムはさらに、マイクロ波信号の周波数スペクトルにわたって、検出チャンバを出る光プローブビームの強度を測定し、かつ、少なくとも1つの光プローブビームの強度に対応する強度信号を生成する手段を含む。強度信号は、光ポンプビームの強度を測定する手段に提供されて、光ポンプビームと光プローブビームとに対する蒸発されたアルカリ金属原子の非直交平面運動の結果として生じる遷移周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルし得る。
(項目1)
原子時計システムであって、
アルカリ金属を蒸発させるように構成されたリザーバチャンバと蒸発されたアルカリ金属原子を収集するように構成された検出チャンバとを含むアルカリビームセルと、
該蒸発されたアルカリ金属原子が該検出チャンバ内に収集されるときに、該検出チャンバを照射する光ポンプビームと少なくとも1つの光プローブビームとを生成し、該蒸発されたアルカリ金属原子をポンピングするように構成されたビームインテロゲーションシステムと、
制御された周波数を有するマイクロ波信号を該検出チャンバに提供するように構成され、かつ、該検出チャンバを出る該光ポンプビームの強度を測定して、該蒸発されたアルカリ金属原子の最適な光吸収に対応する該マイクロ波信号の遷移周波数を決定するように構成された光学的検出システムと、
該検出チャンバを出る該少なくとも1つの光プローブビームの強度を測定するように構成され、かつ、強度信号を生成するように構成された光検出システムであって、該強度信号は、該光学的検出システムに提供されて、該光ポンプビームと該少なくとも1つの光プローブビームとに対する該蒸発されたアルカリ金属原子の非直交平面運動の結果として生じる遷移周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルする、光検出システムと
を含む、システム。
(項目2)
上記少なくとも1つの光プローブビームは、第1の光プローブビームと第2の光プローブビームとして構成される、上記項目に記載のシステム。
(項目3)
上記光検出システムは、上記第1の光プローブビームに対応する第1の強度を測定するように構成された第1の光検出器と、上記第2の光プローブビームに対応する第2の強度を測定するように構成された第2の光検出器とを含み、上記強度信号は、該第1の強度と該第2の強度との差として生成される、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目4)
上記第1の光プローブビームは、上記光ポンプビームと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームと実質的に反対方向に提供され、上記第2の光プローブビームは、該光ポンプビームと実質的に平行に、かつ、上記検出チャンバの体積内の該光ポンプビームから離間して提供される、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目5)
上記少なくとも1つの光プローブビームは、上記光ポンプビームよりも実質的に低い強度において生成される、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目6)
上記光学的検出システムは、
上記マイクロ波信号を生成するように構成されたマイクロ波信号生成器と、
該マイクロ波信号の周波数を制御して、広い周波数レンジにわたって掃引するように構成された局所発振器と、
該マイクロ波信号生成器の該掃引された周波数に応答して、吸収スペクトルを生成するように構成されたポンプビーム光検出器と
を含む、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目7)
上記強度信号は、上記ポンプビーム光検出器に提供されて、上記光ポンプビームに対する直交平面運動を有する上記蒸発されたアルカリ金属原子に対して、上記マイクロ波信号の上記遷移周波数に対応する吸収スペクトル上に少なくとも1つのピークを生成する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目8)
上記光学的検出システムは、上記局所発振器を上記遷移周波数にロックして、上記原子時計システムに対して実質的に正確な周波数を提供するようにさらに構成されている、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目9)
上記少なくとも1つのプローブビームは、単一の光プローブビームを含み、該単一の光プローブビームは、上記光ポンプビームと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームと実質的に反対方向に提供される、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目10)
上記単一の光プローブビームは、上記光ポンプビームの強度よりも低いか、または、該光ポンプビームの強度とほぼ等しい強度を有する、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(項目11)
原子時計の周波数基準をチューニングする方法であって、
該方法は、
光ポンプビームと少なくとも1つの光プローブビームとを生成することであって、該光ポンプビームと該少なくとも1つの光プローブビームとは、蒸発されたアルカリ金属原子がアルカリビームセルの検出チャンバ内に収集されるときに、該検出チャンバを照射し、該蒸発されたアルカリ金属原子を超微細状態にポンピングするように構成されている、ことと、
制御された周波数を有するマイクロ波信号を該検出チャンバに提供することと、
該マイクロ波信号の周波数スペクトルにわたって、該検出チャンバを出る該光ポンプビームの強度を測定し、該蒸発されたアルカリ金属原子の最適な光吸収に対応する該マイクロ波信号の遷移周波数を示す吸収スペクトルを生成することと、
該マイクロ波信号の該周波数スペクトルにわたって、該検出チャンバを出る該少なくとも1つの光プローブビームの強度を測定することと、
該少なくとも1つの光プローブビームの該強度に対応する強度信号を生成することと、
該強度信号と該吸収スペクトルとを組み合わせて、該光ポンプビームと該少なくとも1つの光プローブビームとに対する該蒸発されたアルカリ金属原子の非直交平面運動の結果として生じる遷移周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルすることと、
局所発振器を該遷移周波数にロックして、該原子時計の実質的に正確な周波数基準を提供することと
を含む、方法。
(項目12)
上記少なくとも1つの光プローブビームを生成することは、
第1の光プローブビームを生成することであって、該第1の光プローブビームは、上記光ポンプビームと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームと実質的に反対方向にある、ことと、
第2の光プローブビームを生成することであって、該第2の光プローブビームは、上記光ポンプビームと実質的に平行に、かつ、上記検出チャンバの体積内の該光ポンプビームから離間している、ことと
を含む、上記項目に記載の方法。
(項目13)
上記少なくとも1つの光プローブビームの強度を測定することは、上記第1の光プローブビームに対応する第1の強度を測定することと、上記第2の光プローブビームに対応する第2の強度を測定することとを含み、上記強度信号を生成することは、該第1の強度と該第2の強度との差として該強度信号を生成することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
上記少なくとも1つの光プローブビームを生成することは、上記光ポンプビームの強度よりも実質的に低い強度において該少なくとも1つの光プローブビームを生成することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
上記少なくとも1つの光プローブビームを生成することは、単一の光プローブビームを生成することを含み、該単一の光プローブビームは、上記光ポンプビームと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームと実質的に反対方向にある、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
上記強度信号と上記吸収スペクトルとを組み合わせることは、上記光ポンプビームに対する直交平面運動を有する上記蒸発されたアルカリ金属原子に対して、上記マイクロ波信号の遷移周波数に対応する吸収スペクトル上に少なくとも1つのピークを生成することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
上記単一の光プローブビームを生成することは、上記光ポンプビームの強度よりも低いか、または、該光ポンプビームの強度とほぼ等しい強度において、該単一の光プローブビームを生成することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
原子時計システムであって、
光ポンプビームを生成する手段であって、該光ポンプビームは、蒸発されたアルカリ金属原子がアルカリビームセルの検出チャンバ内に収集されるときに、該検出チャンバを照射して、該蒸発されたアルカリ金属原子を超微細状態にポンピングする手段と、
光プローブビームを生成する手段であって、該光プローブビームは、該光ポンプビームと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームと実質的に反対方向にある、手段と、
制御された周波数を有するマイクロ波信号を該検出チャンバに提供する手段と、
該マイクロ波信号の周波数スペクトルにわたって、該検出チャンバを出る該光ポンプビームの強度を測定して、該蒸発されたアルカリ金属原子の最適な光吸収に対応する該マイクロ波信号の遷移周波数を示す吸収スペクトルを生成する手段と、
該マイクロ波信号の該周波数スペクトルにわたって、該検出チャンバを出る該光プローブビームの強度を測定し、かつ、該少なくとも1つの光プローブビームの該強度に対応する強度信号を生成する手段であって、該強度信号は、該光ポンプビームの強度を測定する手段に提供されて、該光ポンプビームと該光プローブビームとに対する該蒸発されたアルカリ金属原子の非直交平面運動の結果として生じる遷移周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルする手段と
を含む、システム。
(項目19)
上記検出チャンバの体積内の上記光ポンプビームから離間された第2の光プローブビームを生成する手段と、
上記マイクロ波信号の周波数スペクトルにわたって、該検出チャンバを出る該第2の光プローブビームの強度を測定する手段と
をさらに含み、
該強度信号は、該第1の光プローブビームの強度と該第2の光プローブビームの強度との間の差を示す、上記項目に記載のシステム。
(項目20)
局所発振器を上記遷移周波数にロックして、上記原子時計システムの実質的に正確な周波数基準を提供する手段をさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載のシステム。
(摘要)
本発明の一実施形態は、原子時計システムを含み、該原子時計システムは、アルカリビームセルと、ビームセルの検出チャンバを照射する光ポンプビームと少なくとも1つの光プローブビームとを生成し、蒸発されたアルカリ金属原子をポンピングするように構成されたインテロゲーションシステムとを含む。光学的検出システムは、マイクロ波信号を検出チャンバに提供し得、そして、光ポンプビームの強度を測定して、蒸発されたアルカリ金属原子の最適な光吸収に対応する遷移周波数を決定し得る。光検出システムは、少なくとも1つの光プローブビームの強度を測定し、強度信号を生成し得、該強度信号は、光学的検出システムに提供され、光ポンプビームと少なくとも1つの光プローブビームとに対する蒸発されたアルカリ金属原子の非直交平面運動の結果として生じる遷移周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルし得る。
図1は、本発明の一局面にしたがう、原子時計システムのダイヤグラムの例を示す。 図2は、本発明の一局面にしたがう、アルカリビームセルの検出チャンバを含むダイヤグラムの例を示す。 図3は、本発明の一局面にしたがう、アルカリビームセルの検出チャンバを含むダイヤグラムの別の例を示す。 図4は、本発明の一局面にしたがう、吸収スペクトルの例を示す。 図5は、本発明の一局面にしたがう、原子時計の周波数基準をチューニングする方法の例を示す。
(詳細な説明)
本発明は、一般に、アルカリビームセルに関し、具体的には、ドップラーフリー(Doppler−free)な原子時計標準に関する。例えば原子時計に実装され得るアルカリビームセルは、リザーバチャンバと検出チャンバとを含む。アルカリビームセルの動作の間、リザーバチャンバは、例えばセシウム(Cs)等のアルカリ金属を保持し得、該アルカリ金属は、熱に応答して蒸発し得る。検出チャンバは、蒸発されたアルカリ金属を収集し得る。ビームインテロゲーションシステムは、光ポンプビームを生成して検出チャンバを照射するように構成されたポンプレーザを含み得る。そして、検出チャンバを通って運動する蒸発されたアルカリ金属原子は、光ポンプビームから光子を吸収することによって、特定の超微細基底状態にポンピングされ得、そして、超微細遷移に対応する制御された周波数を有するマイクロ波信号に応答して、光子を放出または吸収することによって、逆に、初期の超微細基底状態にポンピングされ得る。制御された周波数が、広い周波数範囲にわたって掃引され得、その結果、吸収スペクトルが獲得されて、非常に狭い線幅を有する最適な遷移周波数に対応する蒸発されたアルカリ金属原子の遷移周波数を確定し得る。そして、例えばマイクロ波の周波数を制御することが可能な局所発振器は、原子時計に対する周波数基準を獲得するために、遷移周波数にロックされ得る。
アルカリ金属は、十分な蒸発密度を生成するために十分高温(例えば、セ氏80度よりも高いか、または、ほぼセ氏80度に等しい温度)に加熱されなければならないので、蒸発されたアルカリ金属原子は、検出チャンバを通る非常にランダムな運動方向を有し得る。その結果、光ポンプビームに対する非直交平面内を運動する蒸発されたアルカリ金属原子からの光子の吸収および放出は、最適吸収周波数線幅のドップラーブロードニングを生じ得る。本明細書中に記載されるとき、光ポンプビームに対して実質的に直交する平面内を運動する蒸発されたアルカリ金属原子は、「定常的(stationary)」原子であり、光ポンプビームに対する非直交平面内を運動する蒸発されたアルカリ金属原子は、「非定常的(non−stationary)」である。その結果、遷移周波数は、マイクロ波信号の明確な周波数のドップラーブロードニングに基づいて容易に確定可能ではないことがあり得る。よって、局所発振器の周波数、ひいては原子時計の周波数基準は、正確ではないことがあり得る。
最適吸収周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルするために、ビームインテロゲーションシステムはまた、ポンプビームと同じ波長を有する少なくとも1つの光プローブビームを生成し得る。例えば、プローブビームは、光ポンプビームと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームと実質的に反対方向に構成され得る。光プローブビームの強度は、強度信号を生成するために測定され得る。定常的な蒸発されたアルカリ金属原子は、光ポンプビームと光プローブビームとの両方に同時に共鳴するので、これらの蒸発されたアルカリ金属原子は、光プローブビームに対して、光ポンプビームからの光子の著しく高い吸収の確率を有し得る。よって、光プローブビームの相対的な送信強度は、定常的な蒸発されたアルカリ金属原子の超微細状態の遷移周波数に共鳴するマイクロ波信号の周波数に応答して、著しく高いものとなり得る。そして、強度信号は、光ポンプビームに対して生成された吸収スペクトルと組み合わされて、実質的に定常的な原子のみに対して感応する信号を提供する。その結果、最適吸収周波数のドップラーブロードニングは、実質的にキャンセルされ得、その結果、実質的に正確な最適吸収周波数を生じ得る。
図1は、本発明の一局面にしたがう、原子時計システム10のダイヤグラムの例を示す。例えば、原子時計システム10は、衛星アプリケーション(例えば、グローバルポジショニング衛星またはGPS)、または、正確なタイミング、小さなサイズ、長い動作寿命を必要とするその他の様々なアプリケーションのうちのいずれかに実装され得る。原子時計システム10は、リザーバチャンバ14と検出チャンバ16とを有するアルカリビームセル12を含む。例えば、リザーバチャンバ14と検出チャンバ16との各々は、例えばPyrex(登録商標)等のガラスのチャンバとして構成され得、リザーバチャンバ14と検出チャンバ16とを接続する1つ以上の穴を含むアパーチャを介して結合され得る。このように、アルカリビームセル12は、完全にシールされ得る。
アルカリビームセル12のリザーバチャンバ14は、初期において、例えばセシウム(Cs)またはルビジウム(Rb)等の所定の量のアルカリ金属を格納し得る。外部熱源18は、例えばリザーバチャンバ14の側壁に沿って、アルカリビームセル12に対して熱(例えば、セ氏80度よりも高いか、または、ほぼセ氏80度に等しい熱)を適用し得る。その結果、アルカリ金属の蒸発された原子は、実質的に一定のレートで、極めて予測可能な方法で、そして、制御された速度プロファイルを有して、検出チャンバ16の中へと、リザーバチャンバ14から検出チャンバ16まで移動し得る。そして、本明細書中に記載されているように、アルカリ金属ビームが、検出チャンバ16内で形成され、これが、原子時計システム10に対する正確な周波数基準を確立し得る。
原子時計システム10はまた、ポンプレーザ22と少なくとも1つのプローブレーザ24とを含むビームインテロゲーションシステム20を含む。ポンプレーザ22と少なくとも1つのプローブレーザ24とは、別個のコンポーネントとして示されているが、ポンプレーザ22と少なくとも1つのプローブレーザ24とは、同じソースから生成され得ることが理解されるべきである。ポンプレーザ22は、光ポンプ信号OPMPを生成するように構成され、該光ポンプ信号OPMPは、検出チャンバ16を照射して、蒸発されたアルカリ金属が光子を吸収することに基づいて、蒸発されたアルカリ金属原子を、初期の超微細基底状態から励起された超微細状態にポンピングする。原子時計システム10はまた、光学的検出システム26を含み、該光学的検出システム26は、マイクロ波信号生成器28と、局所発振器30と、ポンプビーム光検出器32とを含む。マイクロ波信号生成器28は、マイクロ波信号MWを生成し得、該マイクロ波信号MWは、検出チャンバ16に向けられて、特定の超微細基底状態をポンピングし得、その結果、蒸発されたアルカリ金属原子が、初期の超微細基底状態を再生し得る。
マイクロ波信号MWの周波数は、局所発振器30によって制御され得る。例えば、局所発振器30は、広い周波数範囲を通してマイクロ波信号MWを掃引するようにチューニングされ得る。よって、ポンプビーム光検出器32は、光ポンプ信号OPMP’が検出チャンバを出るときに、該光ポンプ信号OPMP’の強度をモニタし得、例えば、マイクロ波信号MWの周波数の関数として吸収周波数スペクトルを生成し得る。したがって、吸収周波数スペクトルは、蒸発されたアルカリ金属原子の最適吸収周波数に対応する周波数等の遷移周波数を決定するように実装され得る。よって、局所発振器30は、遷移周波数にロックされ、原子時計システム10に対する実質的に正確な周波数基準を提供し得る。
熱源18によって生成される熱は、リザーバチャンバ14内のアルカリ金属を蒸発させるために非常に高温であり得る。その結果、蒸発されたアルカリ金属原子は、検出チャンバ16を通る非常にランダムな方向の運動を有し得る。図2は、本発明の一局面にしたがう、アルカリビームセル12の検出チャンバ16を含むダイヤグラム50の例を示す。ダイヤグラム50は、第1の蒸発されたアルカリ金属原子52を示しており、該第1の蒸発されたアルカリ金属原子52は、矢印54によって示されているように、光ポンプビームOPMPに対する直交平面内を運動するものとして示されている。よって、第1の蒸発されたアルカリ金属原子52は、光ポンプビームOPMPの軸に対して定常的であり、その結果、該第1の蒸発されたアルカリ金属原子52は、本明細書中に記載されているような、定常的な蒸発されたアルカリイオン原子となっている。ダイヤグラム50はまた、第2の蒸発されたアルカリ金属原子56を示しており、該第2の蒸発されたアルカリ金属原子56は、矢印58によって示されているように、光ポンプビームOPMPに対する非直交平面内を運動するものとして示されている。具体的には、図2の例において、第2の蒸発されたアルカリ金属原子56は、矢印60によって示されている運動のベクトル成分を有するものとして示されており、該ベクトル成分は、光ポンプ信号OPMPの方向の反対方向にある。よって、第2の蒸発されたアルカリ金属原子56は、光ポンプビームOPMPの軸に対して非定常的であり、その結果、該第2の蒸発されたアルカリ金属原子56は、本明細書中に記載されているような、非定常的な蒸発されたアルカリ金属原子となっている。光ポンプ信号OPMP同じ方向におけるベクトル成分を有する蒸発されたアルカリ金属原子は、同様に、光ポンプ信号OPMPに対する非直交平面内を運動することが理解されるべきである。
非定常的な蒸発されたアルカリ金属(例えば、図2の例における第2の蒸発されたアルカリ金属原子56等)によって、光ポンプビームOPMPから、または、マイクロ波場から吸収される光子は、最適吸収周波数線幅のドップラーブロードニングを生じ得る。よって、局所発振器30は、マイクロ波信号MWに対する蒸発されたアルカリ金属原子56のドップラーブロードニングの周波数応答に基づいて、最適吸収周波数に正確にロックされることが可能ではないことがあり得る。例えば、ルビジウム原子は、ほぼ6MHzの固有の線幅を有する応答線を有し得る。しかしながら、セ氏80度またはそれよりも高い温度において、ドップラーブロードニングの線幅は、ほぼ500〜800MHzの範囲に存在し得る。その結果、局所発振器30がロックされる周波数は、正確に獲得されないことがあり得、その結果、原子時計システム10に対する不正確な周波数基準を生じ得る。
再び図1の例を参照すると、最適吸収周波数線幅のドップラーブロードニングをキャンセルするために、レーザ(単数または複数)24は、それぞれ、少なくとも1つの光プローブビームOPRBを生成し、該少なくとも1つの光プローブビームOPRBもまた、同様に、検出チャンバ16を照射する。例えば、プローブレーザ(単数または複数)24は、単一の光プローブビームOPRBを生成し得、該単一の光プローブビームOPRBは、光ポンプビームOPMPと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームOPMPと実質的に反対方向にある。別の例として、プローブレーザ(単数または複数)24は、プローブビームOPRBのペアを生成し得、該ペアのうちの一方は、光ポンプビームOPMPと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームOPMPと実質的に反対方向にあり、該ペアのうちの他方は、光ポンプビームOPMPと実質的に平行に、かつ、該光ポンプビームOPMPと実質的に反対方向にあり、そして、検出チャンバ16内の光ポンプビームOPMPから離間されている。光プローブ(単数または複数)OPRBは、光ポンプビームOPMPの強度の大きさよりも小さいか、または該光ポンプビームOPMPの強度の大きさとほぼ等しい強度の大きさを有し得る。例えば、光プローブビームOPRBは、該光ポンプビームOPMPの強度のほぼ10%である強度を有し得る。光プローブビームOPRBは、ビームOPRB’として検出チャンバを出て、光検出システム34に提供される。該光検出システム34は、それぞれが光プローブビームOPRBの強度を測定するように構成された1つ以上の光検出器36を含む。
図3は、本発明の一局面にしたがう、アルカリビームセル12の検出チャンバ16を含むダイヤグラム100の別の例を示す。ダイヤグラム100は、光ポンプビームOPMPと第1の光プローブビームOPRB1とを示し、これらは、実質的に共線であり、かつ、反対方向に伝播する。第1の光プローブビームOPRB1は、第1の光プローブビームOPRB1’として検出チャンバ16を出て、第1のプローブビーム光検出器102に提供される。ダイヤグラム100はまた、第2の光プローブビームOPRB2を示しており、これは、第1の光プローブビームOPRB1と実質的に平行であり、そして、これは、第1の光プローブビームOPRB1と検出チャンバ16の長さ内の光ポンプビームOPMPとから実質的に離間されている。第2の光プローブビームOPRB2は、第2の光プローブビームOPRB2’として検出チャンバ16を出て、第2のプローブビーム光検出器104に提供される。例えば、第1の光プローブビーム光検出器102と第2の光プローブビーム光検出器104とは、図1の例における光検出システム34における光検出器36に対応する。ダイヤグラム100はさらに、定常的な蒸発されたアルカリ金属原子106を示しており、これは、矢印108によって示されているように、光ポンプビームOPMPと第1の光プローブビームOPRB1と第2の光プローブビームOPRB2とに対する直交平面内の運動として示されている。
再び図1の例を参照すると、光検出システム34は、強度信号INTを生成するように構成されており、該強度信号INTは、検出チャンバ16を出る1つ以上の光プローブ信号OPRB’の強度に対応する。例えば、強度信号INTは、単一の光プローブビームOPRB1’の強度に対応し得るか、または、第1の光プローブビームOPRB1’の強度と第2の光プローブビームOPRB2’の強度との間の差に対応し得る。図1の例において、強度信号INTは、光学的検出システム26に提供される。光学的検出システム26は、強度信号INTと吸収周波数スペクトルとを組み合わせるように構成され得、該吸収周波数スペクトルは、局所発振器30のチューニングされた周波数にわたって光ポンプ信号OPMP’に対して生成される。よって、強度信号INTは、光ポンプビームOPMPに対する直交平面内を運動する蒸発されたアルカリ金属原子のみの光子の吸収または放出を示す表示を光学的検出システム26に提供し得る。例えば、強度信号INTは、ポンプビーム光検出器32によって生成された現在の出力信号と組み合わされ得、そして、吸収周波数スペクトルをアセンブルするために用いられ得る。したがって、吸収周波数スペクトルは、強度信号INTに基づいて改変され得、その結果、実質的に定常的な原子のみに対して感応し得、そして、蒸発されたアルカリ金属原子の最適吸収周波数に対応する遷移周波数のドップラーブロードニングをキャンセルし得る。
再び図3の例を参照すると、非定常的な蒸発されたアルカリ金属原子は、光ポンプビームOPMPと第1の光プローブビームOPRB1とを通るので、光ポンプビームOPMPと第1の光プローブビームOPRB1とのうちの一方からの、他方に対する蒸発したアルカリ金属原子による光子の吸収の確率は、容易に予測されないことがあり得る。これは、原子の運動のベクトル方向、マイクロ波周波数のチューニング、ビームにおける光の波長に基づいて、光ポンプビームOPMPに対する非直交平面内を運動する蒸発されたアルカリ金属原子が、光ポンプビームOPMPと第1の光プローブビームOPRB1とのうちの一方と共鳴し得ること(他方についてはそうではない)、または、その一方からのより大きい吸収の確率を有し得ること(他方についてはそうではない)ということによる。よって、第1の光プローブビーム光検出器102とポンプビーム光検出器32との各々は、遷移周波数以外のマイクロ波信号MWの周波数における第1の光プローブビームOPRB1’と光ポンプビームOPMP’との各々に対するドップラーブロードニングの強度応答、または、定常的な原子と共鳴しない光ビームの波長に対するドップラーブロードニングの強度応答と実質的に同じ強度応答を知覚する。
しかしながら、定常的な蒸発されたアルカリ金属原子、例えば原子106は、マイクロ波信号MWの遷移周波数において、実質的により大きい吸収の確率を有する。具体的には、定常的な蒸発されたアルカリ金属原子は、光ポンプビームOPMPと第1の光プローブビームOPRB1との両方に実質的に等しく共鳴する。よって、最適な吸収に対応するマイクロ波信号MWの遷移周波数において、光ポンプビームOPMPに対する第1の光プローブビームOPRB1からの光子の吸収の確率は、著しく低減される。その結果、マイクロ波信号MWの遷移周波数において、第1のプローブビーム光検出器102は、マイクロ波信号MWの間遷移周波数以外のその他の周波数よりも実質的に大きい第1の光プローブビームOPRB1’の相対的強度を知覚する。
例えば、第1の光プローブビームOPRB1と光ポンプビームOPMPとは、ほぼ同じ強度を有し得る。上述のように、第1のプローブビーム光検出器102とポンプビーム光検出器32との各々は、遷移周波数以外のマイクロ波信号MWの周波数において、第1の光プローブビームOPRB1’と光ポンプビームOPMP’とのそれぞれに対する実質的に同じドップラーブロードニングの強度応答を知覚する。よって、第1のプローブビーム光検出器102とポンプビーム光検出器32とは、遷移周波数以外のマイクロ波信号MWの周波数スペクトルにわたってほぼ同じ強度を知覚する。しかしながら、マイクロ波信号MWの遷移周波数において、定常的な蒸発されたアルカリ金属原子は、第1の光プローブビームOPRB1と光ポンプビームOPMPとの各々からの光子のほぼ等しい吸収の確率(例えば、約50%)を有する。よって、検出チャンバ16から出る第1の光プローブビームOPRB1’の測定強度は、定常的な原子との相互作用に実質的に依存し、その他の周波数においてよりも、マイクロ波信号MWの遷移周波数において著しく変化する。したがって、図1の例における強度信号INTによって記述される、第1の光プローブビームOPRB1’の強度における測定可能な変化は、蒸発されたアルカリ金属原子の最適吸収周波数に対応するマイクロ波信号MWの遷移周波数を示し得(すなわち、非常に狭い線幅を有し得る)、その結果、最適吸収周波数のドップラーブロードニングは、実質的にキャンセルされる。
上述の例は、1つの光プローブビーム(例えば、第1の光プローブビームOPRB)のみに基づく最適吸収周波数のドップラーブロードニングのキャンセルを示している。別の例として、光学的検出システム26は、第1の光プローブビームOPRB1と第2の光プローブビームOPRB2との両方に基づいて、最適吸収周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルし得る。具体的には、第2のプローブビーム光検出器104は、光ポンプビームOPMP’がマイクロ波信号MWの全周波数範囲にわたって(マイクロ波信号MWの遷移周波数におけるときを含む)、光ポンプビームOPMP’とほぼ同じ第2の光プローブビームOPRB2’のドップラーブロードニングの強度応答を測定し得る。しかしながら、第1の光プローブビームOPRB1’は、上述のように応答し得、その結果、第1の光プローブビームOPRB1’の測定強度は、その他の周波数に対してマイクロ波信号MWの遷移周波数において著しく変化し得る。よって、第1の光プローブビームOPRB1’の強度と第2の光プローブビームOPRB2’の強度との間の測定される差は、非定常的なアルカリ原子からのドップラーブロードニングを伴わず、ちょうど定常的な原子に対するマイクロ波信号MWの遷移周波数を示し得る。そして、図1の例における強度信号INTは、第1の光プローブビームOPRB1’の強度と第2の光プローブビームOPRB2’の強度との間の差を記述する信号として提供され得る。
第1の光プローブビームOPRB1の強度と第2の光プローブビームOPRB2の強度とが、様々な強度にセットされ得るということが理解されるべきである。例えば、単一の光プローブビームを実装する場合、第1の光プローブビームOPRB1は、光ポンプビームOPMPよりも小さいか、または、それと等しい強度を有し得、そして、マイクロ波信号MWの遷移周波数は、吸収スペクトルにわたる第1の光プローブビームOPRB1’の測定強度における変化に基づいて決定される。別の例として、光プローブビームのペアを実装する場合、第1の光プローブビームOPRB1と第2の光プローブビームOPRB2とは、実質的に等しい強度を有し得、そして、マイクロ波信号MWの遷移周波数は、吸収スペクトルにわたる第1の光プローブビームOPRB1’の強度と第2の光プローブビームOPRB2’の強度との間の差に基づいて決定される。例えば、第1の光プローブビームOPRB1と第2の光プローブビームOPRB2との各々は、光ポンプビームOPMPの強度のほぼ10%である強度を有し得る。
再び図1の例を参照すると、強度信号INTは、光学的検出システム26に提供されて、第1の光プローブビームOPRB1’の測定強度と吸収スペクトルにわたる光ポンプビームOPMPの測定強度とを混合するか、または、第1の光プローブビームOPRB1’と第2の光プローブビームOPRB2’との測定強度と吸収スペクトルにわたる光ポンプビームOPMPの測定強度とを混合する。例えば、吸収スペクトルは、マイクロ波信号MWの周波数の関数として、第1の光プローブビームOPRB’の吸収を示し得る。したがって、1つ以上のピークが、マイクロ波信号MWの周波数の範囲にわたる吸収スペクトルにおいて生成され得る。そして、1つ以上のピークの各々は、定常的な蒸発されたアルカリ金属原子の吸収の測定の結果として生じた、蒸発されたアルカリ金属の狭い線幅の遷移周波数に対応し得る。
図4は、本発明の一局面にしたがう、吸収スペクトル150の例を示す。吸収スペクトル150は、ポンプビーム光検出器32の測定強度と強度信号INTとの組み合わせを示し、図4においては「測定強度」として示されている。例えば、強度信号INTは、第1の光プローブビームOPRB1’の測定強度であり得るか、または、第2の光プローブビームOPRB2’と第1の光プローブビームOPRB1’との間の差であり得る。よって、測定強度は、ポンプビーム光検出器32の現在の出力成分を含む発光ダイオードの現在の信号と強度信号INTであり得る。吸収スペクトル150は、測定強度を、マイクロ波信号MWの周波数Fの関数としてプロットする。
吸収スペクトル150は、周波数fと周波数fとを含み、これらの間で、測定強度が、ディップ(dip)として示されている。よって、周波数fと周波数fとの間の周波数範囲は、例えばポンプビーム光検出器32によって測定される、ドップラーブロードニングの最適吸収周波数を示す。さらに、吸収スペクトル150は、複数のピーク152を含む。具体的には、ピーク152は、周波数fにおける第1のピークと、周波数fにおける第2のピークと、周波数fにおける第3のピークとを含む。ピーク152の各々は、蒸発されたアルカリ金属原子の分離されたそれぞれの狭い線幅の遷移周波数に対応し得、例えば、強度信号INTとポンプビーム光検出器32によって測定された光ポンプ信号OPMP’の強度との組み合わせから生じ得る。具体的には、ピーク152は、破線154によって示されているように、ポンプビーム32によって知覚されるドップラーブロードニングの最適吸収周波数の上に重ね合わせられる。その結果、局所発振器30は、周波数f、f、fのうちの1つにチューニングされて、原子時計システム10に対する正確な周波数基準を獲得し得、例えば、従来の原子時計の精度の数百倍以上、原子時計システム10の精度を向上させ得る。
吸収スペクトル150は、簡略化されて示されており、そして、必ずしも一定の比率で示されてはいないということが理解されるべきである。例えば、ピーク152は、周波数fと周波数fとの間のドップラーブロードニングの吸収周波数よりも数百倍以上狭いものであり得る。別の例として、吸収スペクトル150はまた、1つ以上のクロスオーバーピークを含み得る(図示されてはいない)。例えば、クロスオーバーピークは、非定常的な蒸発されたアルカリ金属原子から生じたピークのペア152の間に配置されたピークであり得、該非定常的な蒸発されたアルカリ金属原子は、光ポンプビームOPMPと第1の光プローブビームOPRB1とのうちの一方と実質的に完全に共振し、光ポンプビームOPMPと第1の光プローブビームOPRB1とのうちの他方とは共振しないものであり得る。具体的には、クロスオーバーピークは、非定常的な蒸発されたアルカリ金属原子に対応し得、該非定常的な蒸発されたアルカリ金属原子は、光ポンプビームOPMPと第1の光プローブビームOPRB1とのうちの一方に対して、上方にドップラーシフトされるか、または、下方にドップラーシフトされたものであり得、該クロスオーバーピークは、隣接するピーク152のうちの1つと共振し得る。しかしながら、クロスオーバーピークは、局所発振器30の周波数をピーク152によって示される1つ以上の遷移周波数にロックすることを目的として、容易に識別され、無視され得る。
本発明の様々な局面にしたがう方法は、上述の構造的特徴および機能的特徴を踏まえて、図5を参照して、より良好に理解することができる。説明を簡略化する目的のために、図5の方法は、直列的に実行するものとして示され、記載されているが、本発明は、示されている順序に限定されるものではないということが理解されるべきである。これは、本発明にしたがう一部の局面が異なる順序で生じること、および/または、本発明にしたがう一部の局面が本明細書中に示され記載されているその他の局面と同時に生じることがあるからである。さらに、本発明にしたがう方法を実装するために、示されている特徴の全てが必要とされるわけではない。
図5は、本発明の一局面にしたがう、原子時計の周波数基準をチューニングする方法200の例を示す。202において、光ポンプビームと少なくとも1つの光プローブビームとが生成され、これらは、検出チャンバを照射して、蒸発されたアルカリ金属原子がアルカリビームセルの検出チャンバ内に収集されるときに、該蒸発されたアルカリ金属原子を超微細状態にポンピングするように構成されている。蒸発されたアルカリ金属原子は、CsまたはRbであり得る。少なくとも1つの光プローブビームは、単一の光プローブビーム(光ポンプ信号と実質的に共線であり、かつ、該光ポンプ信号と実質的に反対方向である)であり得るか、または、第2の光プローブ信号(光ポンプビームと実質的に平行であり、かつ、検出チャンバの体積内の光ポンプビームから離間している)を含み得る。
204において、制御された周波数を有するマイクロ波信号が、検出チャンバに提供される。マイクロ波信号の周波数は、吸収スペクトルを獲得するために、局所発振器によって制御され得、そして、広い周波数範囲にわたって掃引され得る。マイクロ波信号は、光ポンピングの結果として、蒸発されたアルカリ金属原子によって吸収される光子の放出を刺激するように構成され得る。206において、検出チャンバを出る光ポンプビームの強度は、マイクロ波信号の周波数スペクトルにわたって測定されて、蒸発されたアルカリ金属原子の最適な光吸収に対応するマイクロ波信号の遷移周波数を示す吸収スペクトルを生成する。最適な光吸収スペクトルは、光ポンプビームに対する非直交平面内を運動する非定常的な蒸発されたアルカリ金属原子の光子の放出に基づいてドップラーブロードニングがなされたものであり得る。
208において、検出チャンバを出る少なくとも1つの光プローブビームの強度は、マイクロ波信号の周波数スペクトルにわたって測定される。少なくとも1つの光プローブビームの測定は、関連付けられた光検出器の出力信号から生じ得る。210において、少なくとも1つの光プローブビームの強度に対応する強度信号が生成される。強度信号は、単一の光プローブビームの強度に対応するものであり得るか、または、光プローブビームのペアの強度における差を表し得る。
212において、強度信号は、吸収スペクトルと組み合わされて、光ポンプビームと少なくとも1つの光プローブビームとに対する蒸発されたアルカリ金属原子の非直交平面運動から生じる遷移周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルし得る。強度信号は、実質的に共線にある光プローブビームがマイクロ波信号の周波数範囲において実質的に高い強度を有するとき、このように、定常的な蒸発されたアルカリ金属原子の遷移周波数に対応していることを示し得る。214において、局所発振器は、遷移周波数にロックされ、原子時計の実質的に正確な周波数基準を提供する。
上述したことは、本発明の例である。当然ながら、本発明を記載する目的のために、コンポーネントまたは方法の全ての考えられる組み合わせを記載することは不可能であるが、当業者は、本発明の多くのさらなる組み合わせおよび置き換えが可能であることを認識することができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲に含まれる、そのような代替、改変、変形の全てを包含することを意図している。
10 原子時計システム
12 アルカリビームセル
14 リザーバチャンバ
16 検出チャンバ
18 熱源
20 ビームインテロゲーションシステム
22 ポンプレーザ
24 プローブレーザ
26 光学的検出システム
28 マイクロ波送信器
30 局所発振器
32 ポンプビーム光検出器
34 光検出システム
36 光検出器

Claims (20)

  1. 原子時計システムであって、
    アルカリ金属を蒸発させるように構成されたリザーバチャンバと蒸発されたアルカリ金属原子を収集するように構成された検出チャンバとを含むアルカリビームセルと、
    該蒸発されたアルカリ金属原子が該検出チャンバ内に収集されるときに、該検出チャンバを照射する光ポンプビームと少なくとも1つの光プローブビームとを生成し、該蒸発されたアルカリ金属原子をポンピングするように構成されたビームインテロゲーションシステムと、
    制御された周波数を有するマイクロ波信号を該検出チャンバに提供するように構成され、かつ、該検出チャンバを出る該光ポンプビームの強度を測定して、該蒸発されたアルカリ金属原子の最適な光吸収に対応する該マイクロ波信号の遷移周波数を決定するように構成された光学的検出システムと、
    該検出チャンバを出る該少なくとも1つの光プローブビームの強度を測定するように構成され、かつ、強度信号を生成するように構成された光検出システムであって、該強度信号は、該光学的検出システムに提供されて、該光ポンプビームと該少なくとも1つの光プローブビームとに対する該蒸発されたアルカリ金属原子の非直交平面運動の結果として生じる遷移周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルする、光検出システムと
    を含む、システム。
  2. 前記少なくとも1つの光プローブビームは、第1の光プローブビームと第2の光プローブビームとして構成される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記光検出システムは、前記第1の光プローブビームに対応する第1の強度を測定するように構成された第1の光検出器と、前記第2の光プローブビームに対応する第2の強度を測定するように構成された第2の光検出器とを含み、前記強度信号は、該第1の強度と該第2の強度との差として生成される、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記第1の光プローブビームは、前記光ポンプビームと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームと実質的に反対方向に提供され、前記第2の光プローブビームは、該光ポンプビームと実質的に平行に、かつ、前記検出チャンバの体積内の該光ポンプビームから離間して提供される、請求項2に記載のシステム。
  5. 前記少なくとも1つの光プローブビームは、前記光ポンプビームよりも実質的に低い強度において生成される、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記光学的検出システムは、
    前記マイクロ波信号を生成するように構成されたマイクロ波信号生成器と、
    該マイクロ波信号の周波数を制御して、広い周波数レンジにわたって掃引するように構成された局所発振器と、
    該マイクロ波信号生成器の該掃引された周波数に応答して、吸収スペクトルを生成するように構成されたポンプビーム光検出器と
    を含む、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記強度信号は、前記ポンプビーム光検出器に提供されて、前記光ポンプビームに対する直交平面運動を有する前記蒸発されたアルカリ金属原子に対して、前記マイクロ波信号の前記遷移周波数に対応する吸収スペクトル上に少なくとも1つのピークを生成する、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記光学的検出システムは、前記局所発振器を前記遷移周波数にロックして、前記原子時計システムに対して実質的に正確な周波数を提供するようにさらに構成されている、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記少なくとも1つのプローブビームは、単一の光プローブビームを含み、該単一の光プローブビームは、前記光ポンプビームと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームと実質的に反対方向に提供される、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記単一の光プローブビームは、前記光ポンプビームの強度よりも低いか、または、該光ポンプビームの強度とほぼ等しい強度を有する、請求項9に記載のシステム。
  11. 原子時計の周波数基準をチューニングする方法であって、
    該方法は、
    光ポンプビームと少なくとも1つの光プローブビームとを生成することであって、該光ポンプビームと該少なくとも1つの光プローブビームとは、蒸発されたアルカリ金属原子がアルカリビームセルの検出チャンバ内に収集されるときに、該検出チャンバを照射し、該蒸発されたアルカリ金属原子を超微細状態にポンピングするように構成されている、ことと、
    制御された周波数を有するマイクロ波信号を該検出チャンバに提供することと、
    該マイクロ波信号の周波数スペクトルにわたって、該検出チャンバを出る該光ポンプビームの強度を測定し、該蒸発されたアルカリ金属原子の最適な光吸収に対応する該マイクロ波信号の遷移周波数を示す吸収スペクトルを生成することと、
    該マイクロ波信号の該周波数スペクトルにわたって、該検出チャンバを出る該少なくとも1つの光プローブビームの強度を測定することと、
    該少なくとも1つの光プローブビームの該強度に対応する強度信号を生成することと、
    該強度信号と該吸収スペクトルとを組み合わせて、該光ポンプビームと該少なくとも1つの光プローブビームとに対する該蒸発されたアルカリ金属原子の非直交平面運動の結果として生じる遷移周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルすることと、
    局所発振器を該遷移周波数にロックして、該原子時計の実質的に正確な周波数基準を提供することと
    を含む、方法。
  12. 前記少なくとも1つの光プローブビームを生成することは、
    第1の光プローブビームを生成することであって、該第1の光プローブビームは、前記光ポンプビームと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームと実質的に反対方向にある、ことと、
    第2の光プローブビームを生成することであって、該第2の光プローブビームは、前記光ポンプビームと実質的に平行に、かつ、前記検出チャンバの体積内の該光ポンプビームから離間している、ことと
    を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記少なくとも1つの光プローブビームの強度を測定することは、前記第1の光プローブビームに対応する第1の強度を測定することと、前記第2の光プローブビームに対応する第2の強度を測定することとを含み、前記強度信号を生成することは、該第1の強度と該第2の強度との差として該強度信号を生成することを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記少なくとも1つの光プローブビームを生成することは、前記光ポンプビームの強度よりも実質的に低い強度において該少なくとも1つの光プローブビームを生成することを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1つの光プローブビームを生成することは、単一の光プローブビームを生成することを含み、該単一の光プローブビームは、前記光ポンプビームと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームと実質的に反対方向にある、請求項11に記載の方法。
  16. 前記強度信号と前記吸収スペクトルとを組み合わせることは、前記光ポンプビームに対する直交平面運動を有する前記蒸発されたアルカリ金属原子に対して、前記マイクロ波信号の遷移周波数に対応する吸収スペクトル上に少なくとも1つのピークを生成することを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記単一の光プローブビームを生成することは、前記光ポンプビームの強度よりも低いか、または、該光ポンプビームの強度とほぼ等しい強度において、該単一の光プローブビームを生成することを含む、請求項15に記載の方法。
  18. 原子時計システムであって、
    光ポンプビームを生成する手段であって、該光ポンプビームは、蒸発されたアルカリ金属原子がアルカリビームセルの検出チャンバ内に収集されるときに、該検出チャンバを照射して、該蒸発されたアルカリ金属原子を超微細状態にポンピングする手段と、
    光プローブビームを生成する手段であって、該光プローブビームは、該光ポンプビームと実質的に共線に、かつ、該光ポンプビームと実質的に反対方向にある、手段と、
    制御された周波数を有するマイクロ波信号を該検出チャンバに提供する手段と、
    該マイクロ波信号の周波数スペクトルにわたって、該検出チャンバを出る該光ポンプビームの強度を測定して、該蒸発されたアルカリ金属原子の最適な光吸収に対応する該マイクロ波信号の遷移周波数を示す吸収スペクトルを生成する手段と、
    該マイクロ波信号の該周波数スペクトルにわたって、該検出チャンバを出る該光プローブビームの強度を測定し、かつ、該少なくとも1つの光プローブビームの該強度に対応する強度信号を生成する手段であって、該強度信号は、該光ポンプビームの強度を測定する手段に提供されて、該光ポンプビームと該光プローブビームとに対する該蒸発されたアルカリ金属原子の非直交平面運動の結果として生じる遷移周波数のドップラーブロードニングを実質的にキャンセルする手段と
    を含む、システム。
  19. 前記検出チャンバの体積内の前記光ポンプビームから離間された第2の光プローブビームを生成する手段と、
    前記マイクロ波信号の周波数スペクトルにわたって、該検出チャンバを出る該第2の光プローブビームの強度を測定する手段と
    をさらに含み、
    該強度信号は、該第1の光プローブビームの強度と該第2の光プローブビームの強度との間の差を示す、請求項18に記載のシステム。
  20. 局所発振器を前記遷移周波数にロックして、前記原子時計システムの実質的に正確な周波数基準を提供する手段をさらに含む、請求項18に記載のシステム。
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