JP2011035232A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プロセス条件などに応じてプロセスガスの流れを最適化できるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置1において、処理容器2の壁面を挿通する軸部と前記軸部の前記処理容器の内部に面する側の一端に設けられた前記軸部の径寸法よりも大きい径寸法を有する拡径部とを有する制御ノズル部16と、前記処理容器の内壁面に対する前記拡径部の位置を変化させる移動部17と、前記移動部を制御する制御部14と、前記制御ノズル部を介して、前記処理容器の内部にプロセスガスを供給するガス供給部12と、を備え、前記制御部は、前記壁面を挿通する軸部の外周面に沿って供給されるプロセスガスの流れを、前記処理容器の内壁面に対する前記拡径部の位置を変化させることで制御すること、を特徴とするプラズマ処理装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。
プラズマを利用したドライプロセスは、半導体装置の製造、金属部品の表面硬化、プラスチック部品の表面活性化、無薬剤殺菌など、幅広い技術分野において活用されている。例えば、半導体装置や液晶ディスプレイなどの製造に際しては、アッシング、ドライエッチング、薄膜堆積あるいは表面改質などの各種のプラズマ処理が用いられている。プラズマを利用したドライプロセスは、低コストで、高速であり、薬剤を用いないために環境汚染を低減できる点でも有利である。
このようなプラズマ処理においては、発生させたプラズマによりプロセスガスを励起、活性化させて中性活性種やイオンなどのプラズマ生成物を生成する。そして、この生成した中性活性種やイオンなどにより被処理物のプラズマ処理(例えば、エッチング処理やアッシング処理など)を行う。
この場合、プラズマを発生させる領域にはガス導入口からプロセスガスが導入される(例えば、特許文献1を参照)。ところが、特許文献1に開示されている技術のように、単に1つのガス導入口からプロセスガスを導入するようにするとプラズマを発生させる領域においてプロセスガスの濃度分布が不均一になるおそれがある。そして、プラズマを発生させる領域においてプロセスガスの濃度分布が不均一になると、中性活性種などのプラズマ生成物の生成効率が低下するおそれがある。
そのため、多数のガス導入口を有するガス供給ヘッドを設け、多数のガス導入口からプロセスガスを導入することでプロセスガスの濃度分布の均一化を図る技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示がされた技術のように、開口径や開口方向が固定されたガス導入口を設けるようにすれば、プロセス条件などに応じてプロセスガスの流れ(例えば、流量、流速、流れ方向、拡散領域など)を制御することが困難となるおそれがある。また、特許文献2に開示がされた技術のように多数のガス導入口を有するガス供給ヘッドを設けるようにすれば、プラズマ処理装置の大型化、複雑化を招くことになる。
特開2004−111731号公報 特開2008−60236号公報
本発明は、プロセス条件などに応じてプロセスガスの流れを最適化することができるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供する。
本発明の一態様によれば、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な処理容器と、前記処理容器の内部を所定の圧力まで減圧する減圧部と、前記処理容器の内部に設けられた被処理物を載置する載置部と、前記処理容器の内部にプラズマを発生させるプラズマ発生部と、前記処理容器の壁面を挿通する軸部と、前記軸部の前記処理容器の内部に面する側の一端に設けられた前記軸部の径寸法よりも大きい径寸法を有する拡径部と、を有する制御ノズル部と、前記処理容器の内壁面に対する前記拡径部の位置を変化させる移動部と、前記移動部を制御する制御部と、前記制御ノズル部を介して、前記処理容器の内部にプロセスガスを供給するガス供給部と、を備え、前記制御部は、前記壁面を挿通する軸部の外周面に沿って供給されるプロセスガスの流れを、前記処理容器の内壁面に対する前記拡径部の位置を変化させることで制御すること、を特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、大気圧よりも減圧された雰囲気においてプラズマを発生させ、前記プラズマに向けて導入したプロセスガスを励起させてプラズマ生成物を生成し、前記プラズマ生成物により被処理物をプラズマ処理するプラズマ処理方法であって、処理容器の壁面を挿通する軸部と、前記軸部の前記処理容器の内部に面する側の一端に設けられた前記軸部の径寸法よりも大きい径寸法を有する拡径部と、を備える制御ノズル部を用い、前記壁面を挿通する軸部の外周面に沿って供給されるプロセスガスの流れを、前記処理容器の内壁面に対する前記拡径部の位置を変化させることで制御すること、を特徴とするプラズマ処理方法が提供される。
本発明によれば、プロセス条件などに応じてプロセスガスの流れを最適化することができるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第1の実施形態に係るプラズマ処理装置を例示するための模式断面図である。 ガス流制御部を例示するための模式図である。 他の実施形態に係るガス流制御部を例示するための模式図である。 本発明の第2の実施形態に係るプラズマ処理装置を例示するための模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプラズマ処理装置を例示するための模式断面図である。
図1に例示をするプラズマ処理装置1は、一般に「平行平板型RIE(Reactive Ion Etching)装置」と呼ばれる容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)処理装置である。すなわち、平行平板電極に高周波電力を印加することで発生させたプラズマを用いてプロセスガスGからプラズマ生成物を生成し、被処理物の処理を行うプラズマ処理装置の一例である。
図1に示すように、プラズマ処理装置1は、処理容器2、プラズマ発生部3、電源部4、減圧部7、ガス供給部12、ガス流制御部13、制御部14などを備えている。
処理容器2は、両端が閉塞された略円筒形状を呈し、減圧雰囲気が維持可能な気密構造となっている。そして、処理容器2の内部にはプラズマを発生させるプラズマ発生部3が設けられている。
プラズマ発生部3には、下部電極8、上部電極9が設けられている。
下部電極8は、処理容器2内のプラズマPを発生させる領域の下方に設けられている。下部電極8には、被処理物Wを保持するための図示しない保持部が設けられている。図示しない保持部は、例えば静電チャックなどとすることができる。そのため、下部電極8は、上面に被処理物Wを載置、保持する載置部ともなる。
上部電極9は、下部電極8に対向するようにして設けられている。そして、下部電極8にはブロッキングコンデンサ6を介して電源5が接続され、上部電極9は接地されている。
電源部4には、電源5、ブロッキングコンデンサ6が設けられている。
電源5は、100KHz〜100MHz程度の高周波電力を下部電極8に印加する。ブロッキングコンデンサ6は、プラズマPの中で発生し下部電極8に到達した電子の移動を阻止するために設けられている。
減圧部7には、圧力制御部10、排気部11が設けられている。
排気部11は圧力制御部10を介して処理容器2の底面に接続されており、処理容器2の内部を減圧することができるようになっている。
圧力制御部10は、処理容器2の内圧を検出する図示しない真空計などの出力に基づいて、処理容器2の内圧が所定の圧力となるように制御する。
排気部11は、例えば、ターボ分子ポンプ(TMP:Turbo Molecular Pump)などとすることができる。
処理容器2の側壁上部には、ガス流制御部13を介してガス供給部12が接続されている。そして、ガス供給部12からガス流制御部13を介して処理容器2内のプラズマPを発生させる領域にプロセスガスGを導入することができるようになっている。
処理容器2の内部にプロセスガスGを供給するガス供給部12は、例えば、プロセスガスGを収納した高圧ボンベなどとすることができる。
なお、ガス供給部12には図示しないマスフローコントローラ(MFC:Mass Flow Controller)などが接続されており、これによって供給するプロセスガスGの流量を制御することができるようになっている。
ガス流制御部13は、プロセス条件などに応じてプロセスガスGの流れ(例えば、流量、流速、流れ方向など)を制御する。なお、ガス流制御部13に関する詳細は後述する。
制御部14は、電源5、圧力制御部10、排気部11、ガス供給部12、ガス流制御部13などの制御を行う。
次に、ガス流制御部13についてさらに例示をする。
図2は、ガス流制御部を例示するための模式図である。なお、図2(a)は制御ノズル部16を処理容器2の内壁面から突出させた状態を表し、図2(b)は制御ノズル部16を処理容器2の壁面側に引き込んだ状態を表している。
図2に示すように、ガス流制御部13には制御ノズル部16、移動部17が設けられている。
制御ノズル部16は、軸部16aと、軸部16aの一端に設けられた拡径部16bとを有している。また、制御ノズル部16の両端面間を貫通するノズル孔16cが設けられている。また、拡径部16bの径寸法は、軸部16aの径寸法よりも大きくなっており、処理容器2の壁面と当接させる部分には制御面16dが設けられている。
すなわち、制御ノズル部16は、処理容器2の壁面を挿通する軸部16aと、軸部16aの処理容器2の内部に面する側の一端に設けられた軸部16aの径寸法よりも大きい径寸法を有する拡径部16bと、を備えている。また、制御ノズル部16は、軸方向に貫通するノズル孔16cを備えている。また、拡径部16bは、処理容器2の内壁面に面する側に軸部16aの外周面に沿って供給されるプロセスガスGの流れを制御する制御面16dを有している。
また、処理容器2の壁面には、軸部16aを挿通させるための孔2aが設けられている。孔2aの径寸法は軸部16aの径寸法よりも大きくなっており、孔2aの内周面と軸部16aの外周面との間に形成された空間がプロセスガスGの流路となっている。処理容器内部の孔2aの開口周辺には、制御面16dと当接させるための座部2bが設けられている。また、図2(b)に示すように、制御ノズル部16を処理容器2の壁面側に引き込んだ場合には、制御面16dと座部2bとが当接するとともに拡径部16bの端面と処理容器2の内壁面とが略面一となるようになっている。なお、座部2bには、図3(b)において例示をする封止部22を設けるようにすることもできる。
移動部17は、制御ノズル部16を進退動させる。そして、処理容器2の内壁面に対する拡径部16bの位置を変化させる。また、孔2aの内周面と軸部16aの外周面との間に形成された空間にプロセスガスGが導入できるように貫通孔17aが設けられている。そのため、貫通孔17aと、孔2aの内周面と軸部16aの外周面との間に形成された空間と、が連通され、ガス供給部12から同じプロセスガスGが供給されるようになっている。また、移動部17には、配管15を介してガス供給部12が接続されている。そして、ガス供給部12から供給されたプロセスガスGが配管15を介して貫通孔17aとノズル孔16cとに導入されるようになっている。
ここで、ガス流制御部13の作用について例示をする。
図2(a)に示すように、移動部17により制御ノズル部16を処理容器2の内壁面から突出させた場合には、ガス供給部12から供給されたプロセスガスGはノズル孔16cと、孔2aの内周面と軸部16aの外周面との間に形成された空間と、を介して処理容器2の内部に導入される。この場合、ノズル孔16cを介して導入されるプロセスガスGは、直進するようにしてプラズマPを発生させる領域に到達する。すなわち、制御ノズル部16は、ノズル孔16cを介して、プラズマPを発生させる領域に向けて直進するようにプロセスガスGを導入する。
一方、孔2aの内周面と軸部16aの外周面との間に形成された空間を介して導入されるプロセスガスGは、制御面16dと座部2bとにより進行方向が変更され、拡散するようにしてプラズマPを発生させる領域に到達する。すなわち、制御ノズル部16は、制御面16dによりプロセスガスGの流れ方向を変更することで、プラズマPを発生させる領域に向けて拡散させるようにプロセスガスGを導入する。
この場合、制御部14からの指令に基づいて、移動部17により制御ノズル部16の進退位置を制御することで、制御面16dと座部2bとの間の寸法を任意に変更することができる。そして、制御面16dと座部2bとの間の寸法を変更することで、この部分を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流量や流速を変更することができる。すなわち、制御部14は、壁面を挿通する軸部16aの外周面に沿って供給されるプロセスガスGの流れを、処理容器2の内壁面に対する拡径部16bの位置を変化させることで制御する。
例えば、移動部17により制御ノズル部16の位置を突出方向に移動させることで制御面16dと座部2bとの間の寸法を大きくすることができる。このようにすれば、この部分を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流量を多くすることができる。また、この部分を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流速を遅くすることができる。
また、移動部17により制御ノズル部16の位置を引き込み方向に移動させることで制御面16dと座部2bとの間の寸法を小さくすることができる。このようにすれば、この部分を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流量を少なくすることができる。また、供給されるプロセスガスGの圧力がある程度高ければ、この部分を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流速を速くすることができる。
また、図2(b)に示すように、移動部17により制御ノズル部16を処理容器2の壁面側に引き込むことで制御面16dと座部2bとを当接させた場合には、孔2aの内周面と軸部16aの外周面との間に形成された空間を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流れが閉止される。そのため、この場合には、ノズル孔16cを介して導入されるプロセスガスGのみが、直進するようにしてプラズマPを発生させる領域に到達することになる。
この様に、制御ノズル部16の進退位置を移動部17により制御することで、処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流量、処理容器2の内部に形成されるプロセスガスGの流速、プロセスガスGの流れ方向、プロセスガスGの拡散領域の少なくとも1つを制御することができる。
なお、本明細書におけるプロセスガスGの拡散領域とは、プラズマPを発生させる領域およびその周辺の領域であって、処理容器2の内部に導入されたプロセスガスGが拡がる領域をいう。
また、制御面16dの角度θを適宜変更することでプロセスガスGの噴出方向を変更して、処理容器2の内部に形成されるプロセスガスGの流れ方向や拡散領域を変えることもできる。
また、壁面を挿通する軸部16aの外周面に沿って供給されるプロセスガスと、ノズル孔16cに供給されるプロセスガスとの種類、成分比、濃度などを異なるものとすることができる。すなわち、壁面を挿通する軸部16aの外周面に沿って第1のプロセスガスが供給され、ノズル孔16cに第2のプロセスガスが供給されるようにすることができる。 例えば、プロセスガスの種類を異なるものとすることで処理容器2の内壁面へのデポ物の付着を抑制することができる。具体的には、孔2aの内周面と軸部16aの外周面との間に形成された空間を介して導入される第1のプロセスガスを希ガス(例えば、Arガスなど)とすると、処理容器2の内壁面に沿うように希ガスの流れを形成することができる。この場合、ノズル孔16cを介して導入された第2のプロセスガスによって中性活性種などのプラズマ生成物が生成されるが、この際発生したデポ物が処理容器2の内壁に付着することが希ガスの流れによって抑制されることになる。
また、例えば、プロセスガスの成分比や濃度などを異なるものとすることで、中性活性種などのプラズマ生成物の生成効率を向上させたり、プラズマPを発生させる領域におけるプロセスガスの濃度分布の制御を行ったりすることができる。
なお、壁面を挿通する軸部16aの外周面に沿って第1のプロセスガスを供給し、ノズル孔16cに第2のプロセスガスを供給する場合には、前述したガス供給部12、配管15などを複数設けてそれぞれからプロセスガスが独立して供給されるようにすればよい。
なお、ノズル孔16cは必ずしも必要ではなく、ガス供給部12から供給されたプロセスガスGが孔2aの内周面と軸部16aの外周面との間に形成された空間のみを介して処理容器2の内部に導入されるようにしてもよい。
また、制御ノズル部16の位置の移動は、作業者により適宜手動で行うようにすることもできるし、制御部14により制御することもできる。この場合、制御部14により制御されるものとすれば、より高い位置精度、繰り返し精度などを実現できる。
また、ガス供給部12から処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの全体的な流量を制御することもできる。例えば、前述したように制御ノズル部16の位置を引き込み方向に移動させることで制御面16dと座部2bとの間の寸法を小さくすることができるが、この際、制御ノズル部16におけるガス圧力が上昇するため導入されるプロセスガスGの流量が増加してしまうおそれがある。そのため、例えば、ガス供給部12と移動部17とを接続する配管15に図示しない圧力弁を設け、所定の圧力以上となった場合には供給されるプロセスガスGの一部を外部に排出することで、制御ノズル部16におけるガス圧力を制御し、処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの全体的な流量が略一定となるようにすることもできる。
また、前述したように、ガス供給部12に図示しないマスフローコントローラ(MFC:Mass Flow Controller)を接続するものとすれば、制御ノズル部16の進退位置に合わせて供給するプロセスガスGの流量を制御し、処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの全体的な流量が略一定となるようにすることもできる。
すなわち、制御ノズル部16の移動に合わせて処理容器2内に導入されるプロセスガスGの流量が制御されるようにすることができる。
図3は、他の実施形態に係るガス流制御部を例示するための模式図である。なお、図3(a)は制御ノズル部26を処理容器2の内壁面から突出させた状態を表し、図3(b)は封止部を備えたガス流制御部を表している。
図3(a)、図3(b)に示すように、ガス流制御部23には制御ノズル部26、移動部17が設けられている。
制御ノズル部26は、軸部26aと、軸部26aの一端に設けられた拡径部26bとを有している。また、制御ノズル部26の両端面間を貫通するノズル孔26cが設けられている。また、拡径部26bの径寸法は、軸部26aの径寸法よりも大きくなっており、処理容器2の内壁面と当接させる部分には制御面26dが設けられている。制御面26dは、処理容器2の内壁面と略平行な面となっている。なお、制御面26dは、前述した制御面16dの角度θを略180°とした場合である。
すなわち、制御ノズル部26は、処理容器2の壁面を挿通する軸部26aと、軸部26aの処理容器2の内部に面する側の一端に設けられた軸部26aの径寸法よりも大きい径寸法を有する拡径部26bと、を備えている。また、制御ノズル部26は、軸方向に貫通するノズル孔26cを備えている。また、拡径部26bは、処理容器2の内壁面に面する側に軸部26aの外周面に沿って供給されるプロセスガスGの流れを制御する制御面26dを有している。
また、処理容器2の壁面には、制御ノズル部26を挿通させるための孔2aが設けられている。孔2aの径寸法は軸部26aの径寸法よりも大きくなっており、孔2aの内周面と軸部26aの外周面との間に形成された空間がプロセスガスGの流路となっている。処理容器内部の孔2aの開口周辺は、制御面26dと当接させるための座部2cとなっている。
また、図3(a)に例示をしたものの場合には、制御ノズル部26を処理容器2の壁面側に引き込んだ場合に制御面26dと座部2cとが当接するようになっている。
また、図3(b)に例示をしたものの場合には、座部2cに封止部22が設けられており、制御ノズル部26を処理容器2の壁面側に引き込んだ場合には、制御面26dと封止部22とが当接するようになっている。封止部22は、例えば、弾性材料から形成されるものとすることができる。例えば、封止部22を「Oリング(オーリング)」などの封止部材とすることができる。この様な封止部22を設けるようにすれば、当接部分からプロセスガスGが漏出することを抑制することができる。そのため、ノズル孔26cを介してより狭い範囲にプロセスガスGを導入することができるようになる。
移動部17は、制御ノズル部26を進退動させる。そして、処理容器2の内壁面に対する拡径部26bの位置を変化させる。また、孔2aの内周面と軸部26aの外周面との間に形成された空間にプロセスガスGが導入できるように貫通孔17aが設けられている。そのため、貫通孔17aと、孔2aの内周面と軸部26aの外周面との間に形成された空間と、が連通され、ガス供給部12から同じプロセスガスGが供給されるようになっている。また、移動部17には、配管15を介してガス供給部12が接続されている。そして、ガス供給部12から供給されたプロセスガスGが配管15を介して貫通孔17aとノズル孔26cとに導入されるようになっている。
次に、ガス流制御部23の作用について例示をする。
移動部17により制御ノズル部26を処理容器2の内壁面から突出させた場合には、ガス供給部12から供給されたプロセスガスGはノズル孔26cと、孔2aの内周面と軸部26aの外周面との間に形成された空間と、を介して処理容器2の内部に導入される。この場合、ノズル孔26cを介して導入されるプロセスガスGは、直進するようにしてプラズマPを発生させる領域に到達する。すなわち、制御ノズル部26は、ノズル孔26cを介して、プラズマPを発生させる領域に向けて直進するようにプロセスガスGを導入する。
一方、孔2aの内周面と軸部26aの外周面との間に形成された空間を介して導入されるプロセスガスGは、制御面26dと座部2cとにより進行方向が変更され、拡散するようにしてプラズマPを発生させる領域に到達する。すなわち、制御ノズル部26は、制御面26dによりプロセスガスGの流れ方向を変更することで、プラズマPを発生させる領域に向けて拡散させるようにプロセスガスGを導入する。
この場合、制御面26dが処理容器2の内壁面と略平行な面となっているので、処理容器2の内壁面に沿うようにプロセスガスGが導入されることになる。そのため、より広い範囲にプロセスガスGを導入することができる。
また、制御部14からの指令に基づいて、移動部17により制御ノズル部26の進退位置を制御することで、制御面26dと座部2cとの間の寸法を変更することができる。そして、制御面26dと座部2cとの間の寸法を変更することで、この部分を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流量や流速を変更することができる。すなわち、制御部14は、壁面を挿通する軸部26aの外周面に沿って供給されるプロセスガスGの流れを、処理容器2の内壁面に対する拡径部26bの位置を変化させることで制御する。
例えば、移動部17により制御ノズル部26の位置を突出方向に移動させることで制御面26dと座部2cとの間の寸法を大きくすることができる。このようにすれば、この部分を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流量を多くすることができる。また、この部分を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流速を遅くすることができる。
また、移動部17により制御ノズル部26の位置を引き込み方向に移動させることで制御面26dと座部2cとの間の寸法を小さくすることができる。このようにすれば、この部分を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流量を少なくすることができる。また、供給されるプロセスガスGの圧力がある程度高ければ、この部分を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流速を速くすることができる。
また、図3(a)に示すものの場合には、移動部17により制御ノズル部26を処理容器2の壁面側に引き込むことで制御面26dと座部2cとが当接され、孔2aの内周面と軸部26aの外周面との間に形成された空間を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流れが閉止される。そのため、この場合には、ノズル孔26cを介して導入されるプロセスガスGのみが、直進するようにしてプラズマPを発生させる領域に到達することになる。
また、図3(b)に示すものの場合には、移動部17により制御ノズル部26を処理容器2の壁面側に引き込むことで制御面26dと封止部22とが当接され、孔2aの内周面と軸部26aの外周面との間に形成された空間を介して処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流れが閉止される。この場合、弾性材料などから形成された封止部22と制御面26dとが当接するので、制御面26dと座部2cとが擦れてパーティクルが発生することを抑制することができる。
また、壁面を挿通する軸部26aの外周面に沿って供給されるプロセスガスと、ノズル孔26cに供給されるプロセスガスとの種類、成分比、濃度などを異なるものとすることができる。すなわち、壁面を挿通する軸部26aの外周面に沿って第1のプロセスガスが供給され、ノズル孔26cに第2のプロセスガスが供給されるようにすることができる。 例えば、プロセスガスの種類を異なるものとすることで処理容器2の内壁面へのデポ物の付着を抑制することができる。具体的には、孔2aの内周面と軸部26aの外周面との間に形成された空間を介して導入される第1のプロセスガスを希ガス(例えば、Arガスなど)とすると、処理容器2の内壁面に沿うように希ガスの流れを形成することができる。この場合、ノズル孔26cを介して導入された第2のプロセスガスによって中性活性種などのプラズマ生成物が生成されるが、この際発生したデポ物が処理容器2の内壁に付着することが希ガスの流れによって抑制されることになる。
また、本実施の形態においては、図3に示すように、制御面26dと処理容器2の内壁面とが略平行となっているので、処理容器2の内壁面に沿うように希ガスの流れを形成しやすく、前述したデポ物の付着の抑制効果をより高めることができる。
また、例えば、プロセスガスの成分比や濃度などを異なるものとすることで、中性活性種などのプラズマ生成物の生成効率を向上させたり、プラズマPを発生させる領域におけるプロセスガスの濃度分布の制御を行ったりすることができる。
なお、壁面を挿通する軸部26aの外周面に沿って第1のプロセスガスを供給し、ノズル孔26cに第2のプロセスガスを供給する場合には、前述したガス供給部12、配管15などを複数設けてそれぞれからプロセスガスが独立して供給されるようにすればよい。
なお、ノズル孔26cは必ずしも必要ではなく、ガス供給部12から供給されたプロセスガスGが孔2aの内周面と軸部26aの外周面との間に形成された空間のみを介して処理容器2の内部に導入されるようにしてもよい。
また、制御ノズル部26の位置の移動は、作業者により適宜手動で行うようにすることもできるし、制御部14により制御することもできる。この場合、制御部14により制御するものとすれば、より高い位置精度、繰り返し精度などを実現できる。
また、ガス供給部12から処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの全体的な流量を制御することもできる。例えば、前述したように制御ノズル部26の位置を引き込み方向に移動させることで制御面26dと座部2cとの間の寸法を小さくすることができるが、この際、制御ノズル部26におけるガス圧力が上昇するため導入されるプロセスガスGの流量が増加してしまうおそれがある。そのため、例えば、ガス供給部12と移動部17とを接続する配管15に図示しない圧力弁を設け、所定の圧力以上となった場合には供給されるプロセスガスGの一部を外部に排出することで、制御ノズル部26におけるガス圧力を制御し、処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの全体的な流量が略一定となるようにすることもできる。
また、前述したように、ガス供給部12に図示しないマスフローコントローラ(MFC:Mass Flow Controller)を接続するものとすれば、制御ノズル部26の進退位置に合わせて供給するプロセスガスGの流量を制御し、処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの全体的な流量が略一定となるようにすることもできる。
すなわち、制御ノズル部26の移動に合わせて処理容器2内に導入されるプロセスガスGの流量が制御されるようにすることができる。
本実施の形態においても、制御ノズル部26の進退位置を移動部17により制御することで、処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流量、処理容器2の内部に形成されるプロセスガスGの流速、プロセスガスGの流れ方向、プロセスガスGの拡散領域の少なくとも1つを制御することができる。この場合、制御面26dが処理容器2の内壁面と略平行な面となっているので、図2において例示をしたものに比べて処理容器2の内部に形成されるプロセスガスGの流れの拡散領域をより大きくすることができる。
また、封止部22を設けるようにすれば、制御面26dと座部2cとが擦れてパーティクルが発生することを抑制することができる。
次に、プラズマ処理装置1の作用とともに本実施の形態に係るプラズマ処理方法について例示をする。
まず、図示しない搬送装置により被処理物W(例えば、半導体ウェーハやガラス基板など)が、処理容器2内に搬入され、下部電極8上に載置、保持される。次に、処理容器2内が減圧部7により所定圧力まで減圧される。この際、圧力制御部10により処理容器2内の圧力が調整される。
次に、プラズマ発生部3により中性活性種を含むプラズマ生成物が生成される。すなわち、まず、ガス供給部12から所定量のプロセスガスGが、ガス流制御部13を介して処理容器2内のプラズマPを発生させる領域に導入される。
この際、前述したように、制御ノズル部16の進退位置を制御部14からの指令に基づいて移動部17により制御することで、すなわち、拡径部の位置を変化させることで、処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流量、処理容器2の内部に形成されるプロセスガスGの流速、プロセスガスGの流れ方向、プロセスガスGの拡散領域の少なくとも1つが制御される。
ここで、プロセスガスGとしては、CF、O、Heやこれらの混合ガスがあるが、これらに限定されるわけではなく被処理物Wやプロセス条件に合わせて適宜変更することができる。
次に、電源部4より100KHz〜100MHz程度の高周波電力が下部電極8に印加される。すると、下部電極8と上部電極9とが平行平板電極を構成するため、電極間に放電が起こりプラズマPが発生する。発生したプラズマPによりプロセスガスGが励起、活性化されて中性活性種、イオン、電子などのプラズマ生成物が生成される。この生成されたプラズマ生成物が、処理容器2内を下降して被処理物Wの表面に到達し、所望のプラズマ処理(例えば、エッチング処理やアッシング処理など)が行われる。
この場合、生成されたイオンと電子のうち、質量の軽い電子は動きが速く、下部電極8と上部電極9にすぐに到達する。下部電極8に到達した電子は、ブロッキングコンデンサ6により移動を阻止され下部電極8を帯電させる。下部電極8の帯電圧は400V〜1000V程度に達するが、これを「陰極降下」という。一方、上部電極9は接地されているため、到達した電子は移動が阻止されず、上部電極9はほとんど帯電しない。
そして、陰極降下により発生する垂直な電界に沿ってイオンが下部電極8(被処理物W)方向に移動し、被処理物Wの表面に入射することで物理的なプラズマ処理が行われる。なお、中性活性種は、ガス流、拡散、重力などにより下降して被処理物Wの表面に到達し、化学的なプラズマ処理が行われる。
処理が終了した被処理物Wは、図示しない搬送装置により処理容器2外に搬出される。この後、必要があれば、前述の処理が繰り返される。
すなわち、本実施の形態に係るプラズマ処理方法においては、処理容器2の壁面を挿通する軸部と、軸部の処理容器2の内部に面する側の一端に設けられた軸部の径寸法よりも大きい径寸法を有する拡径部と、を備える制御ノズル部を用い、処理容器2の壁面を挿通する軸部の外周面に沿って供給されるプロセスガスGの流れを、処理容器2の内壁面に対する拡径部の位置を変化させることで制御するようにしている。
ここで、例えば、プロセス条件が変更されるとプラズマPを発生させる領域におけるプロセスガスGの濃度分布が不均一となる場合がある。プラズマPを発生させる領域におけるプロセスガスGの濃度分布が不均一となるとプラズマ生成物の生成効率が悪化するおそれがある。また、濃度の濃い部分に生成された中性活性種が衝突すると散乱が生じて、処理容器2の内壁面などに中性活性種が衝突することで失活してしまうおそれがある。また、プロセスガスGの流速が速すぎたり、プロセスガスGの拡散領域が広すぎたりすれば、生成された中性活性種が散乱して処理容器2の内壁面などに衝突することで失活してしまうおそれがある。
本実施の形態によれば、ガス流制御部により処理容器2の内部に導入されるプロセスガスGの流量、処理容器2の内部に形成されるプロセスガスGの流速、プロセスガスGの流れ方向、プロセスガスGの拡散領域の少なくとも1つを制御することができる。そのため、プロセス条件などに応じてプロセスガスGの流れを最適化することができる。その結果、被処理物Wの処理面上におけるプラズマ生成物の量の面内均一性を向上させることができる。また、生成された中性活性種が失活することを抑制することができるので処理効率を向上させることができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るプラズマ処理装置を例示するための模式断面図である。
図4に例示をするプラズマ処理装置30は、一般に「SWP(Surface Wave Plasma:表面波プラズマ)装置」と呼ばれるマイクロ波励起型のプラズマ処理装置である。すなわち、マイクロ波により励起させたプラズマを用いてプロセスガスからプラズマ生成物を生成し、被処理物の処理を行うプラズマ処理装置の一例である。
図4に示すように、プラズマ処理装置30は、処理容器32、プラズマ発生部31、マイクロ波発生部33、減圧部7、ガス供給部12、ガス流制御部13、制御部14などを備えている。
処理容器32は、有底の略円筒形状を呈し、減圧雰囲気が維持可能な気密構造となっている。そして、処理容器32の内部には図示しない保持部を内蔵した載置部38が設けられている。図示しない保持部は、例えば静電チャックなどとすることができる。そのため、載置部38は、その上面に被処理物W(例えば、半導体ウェーハやガラス基板など)を載置、保持することができるようになっている。
プラズマ発生部31は、処理容器32の内部にプラズマを発生させる。プラズマ発生部31には、透過窓34、導入導波管35が設けられている。透過窓34は平板状を呈し、マイクロ波Mに対する透過率が高くエッチングされにくい材料から形成されている。例えば、透過窓34をアルミナや石英などの誘電体からなるものとすることができる。透過窓34は、処理容器32の上端に気密となるようにして設けられている。
処理容器32の外側であって、透過窓34の上面には導入導波管35が設けられている。なお、図示は省略したが終端整合器やスタブチューナなどを適宜設けるようにすることもできる。導入導波管35は、マイクロ波発生部33から放射されたマイクロ波Mを透過窓34に向けて導波する。
導入導波管35と透過窓34との接続部分には、スロット36が設けられている。スロット36は、導入導波管35の内部を導波されてきたマイクロ波Mを透過窓34に向けて放射するためのものである。
導入導波管35の一端には、マイクロ波発生部33が設けられている。このマイクロ波発生部33は、所定周波数(例えば2.75GHz)のマイクロ波Mを発生させ、導入導波管35に向けて放射することができるようになっている。
減圧部7には、圧力制御部10、排気部11が設けられている。
排気部11は圧力制御部10を介して処理容器32の底面に接続されており、処理容器32の内部を減圧することができるようになっている。
圧力制御部10は、処理容器32の内圧を検出する図示しない真空計などの出力に基づいて、処理容器32の内圧が所定の圧力となるように制御する。
排気部11は、例えば、ターボ分子ポンプ(TMP:Turbo Molecular Pump)などとすることができる。
処理容器32の側壁上部には、ガス流制御部13を介してガス供給部12が接続されている。そして、ガス供給部12からガス流制御部13を介して処理容器32内のプラズマPを発生させる領域にプロセスガスGを導入することができるようになっている。
処理容器32の内部にプロセスガスGを供給するガス供給部12は、例えば、プロセスガスGを収納した高圧ボンベなどとすることができる。
なお、ガス供給部12には図示しないマスフローコントローラ(MFC:Mass Flow Controller)などが接続されており、これによって供給するプロセスガスGの流量を制御することができるようになっている。
ガス流制御部13は、プロセス条件などに応じてプロセスガスGの流れ(例えば、流量、流速、流れ方向、拡散領域など)を制御する。なお、ガス流制御部13やガス流制御部23に関しては前述したものと同様のためそれらの詳細な説明は省略する。
ガス流制御部13との接続部分よりは下方であって載置部38の上方には、載置部38の上面を覆うように整流板37が設けられている。整流板37は、プラズマPにより生成されたプラズマ生成物を含んだガスの流れを整流し、被処理物Wの処理面上におけるプラズマ生成物の量が略均一となるようにするためのものである。
また、整流板37は、多数の孔部37aが設けられた略円形の板状体であり、処理容器32の内壁に固定されている。そして、整流板37と載置部38の上面(載置面)との間の領域が、プラズマ処理が行われる処理空間39となる。また、処理容器32の内壁面、整流板37の表面は、中性活性種と反応しにくい材料(例えば、四弗化樹脂(PTFE)またはアルミナ等のセラミック材料など)で覆われている。
制御部14は、マイクロ波発生部33、圧力制御部10、排気部11、ガス供給部12、ガス流制御部13などの制御を行う。
次に、プラズマ処理装置30の作用とともに本実施の形態に係るプラズマ処理方法について例示をする。
まず、図示しない搬送装置により被処理物W(例えば、半導体ウェーハやガラス基板など)が、処理容器32内に搬入され、載置部38上に載置、保持される。次に、処理容器32内が減圧部7により所定圧力まで減圧される。この際、圧力制御器10により処理容器32内の圧力が調整される。
次に、プラズマ発生部31により中性活性種を含むプラズマ生成物が生成される。すなわち、まず、ガス供給部12から所定量のプロセスガスGが、ガス流制御部13を介して処理容器32内のプラズマPを発生させる領域に導入される。
この際、前述したように、制御ノズル部16の進退位置を制御部14からの指令に基づいて移動部17により制御することで、すなわち、拡径部の位置を変化させることで、処理容器32の内部に導入されるプロセスガスGの流量、処理容器32の内部に形成されるプロセスガスGの流速、プロセスガスGの流れ方向、プロセスガスGの拡散領域の少なくとも1つが制御される。
ここで、プロセスガスGとしては、CF、O、Heやこれらの混合ガスがあるが、これらに限定されるわけではなく被処理物Wやプロセス条件に合わせて適宜変更することができる。
次に、マイクロ波発生部33から所定のパワーのマイクロ波Mが導入導波管35内に放射される。放射されたマイクロ波Mは、導入導波管35内を導波され、スロット36を介して透過窓34に向けて放射される。
透過窓34に向けて放射されたマイクロ波Mは、透過窓34の表面を伝搬して、処理容器32内に放射される。このようにして処理容器32内に放射されたマイクロ波Mのエネルギーにより、プラズマPが発生する。そして、発生したプラズマP中の電子密度が、透過窓34を介して供給されるマイクロ波Mを遮蔽できる密度(カットオフ密度)以上になると、マイクロ波Mは透過窓34の下面から処理容器32内の空間に向けて一定距離(スキンデプス)だけ入るまでの間に反射されるようになる。そのため、このマイクロ波Mの反射面とスロット36の下面との間にはマイクロ波Mの定在波が形成されることになる。その結果、マイクロ波Mの反射面がプラズマ励起面となって、このプラズマ励起面で安定的にプラズマPが励起されるようになる。
このプラズマ励起面で励起された安定的なプラズマP中において、プロセスガスGが励起、活性化されて中性活性種、イオンなどのプラズマ生成物が生成される。生成されたプラズマ生成物は、整流板37で整流されて被処理物Wの表面に到達し、所望のプラズマ処理(例えば、エッチング処理やアッシング処理など)が行われる。
この場合、プラズマ生成物が整流板37を通過する際に、イオンや電子が除去される。そのため、主に中性活性種による等方性処理(例えば、等方性エッチングなど)が行われることになる。なお、バイアス電圧を付加してイオンが整流板37を通過できるようにすることで、異方性処理(例えば、異方性エッチングなど)を行うようにすることもできる。 処理が終了した被処理物Wは、図示しない搬送装置により処理容器32外に搬出される。この後、必要があれば、前述の処理が繰り返される。
すなわち、本実施の形態に係るプラズマ処理方法においては、処理容器32の壁面を挿通する軸部と、軸部の処理容器32の内部に面する側の一端に設けられた軸部の径寸法よりも大きい径寸法を有する拡径部と、を備える制御ノズル部を用い、処理容器32の壁面を挿通する軸部の外周面に沿って供給されるプロセスガスGの流れを、処理容器32の内壁面に対する拡径部の位置を変化させることで制御するようにしている。
本実施の形態においては、整流板37を備えているので被処理物Wの処理面上におけるプラズマ生成物の量の均一化を図ることができる。しかしながら、例えば、プロセス条件が変更されるとプラズマPを発生させる領域におけるプロセスガスGの濃度分布が不均一となる場合があることには変わりがない。そのため、整流板37を備えていても被処理物Wの処理面上におけるプラズマ生成物の量の面内均一性が悪化するおそれがある。また、プラズマPを発生させる領域におけるプロセスガスGの濃度分布が不均一となるとプラズマ生成物の生成効率が悪化するおそれがある。また、濃度の濃い部分に生成された中性活性種が衝突すると散乱が生じて、処理容器2の内壁面などに中性活性種が衝突することで失活してしまうおそれがある。また、プロセスガスGの流速が速すぎたり、プロセスガスGの拡散領域が広すぎたりすれば、生成された中性活性種が散乱して処理容器2の内壁面などに衝突することで失活してしまうおそれがある。
本実施の形態によれば、ガス流制御部により処理容器32の内部に導入されるプロセスガスGの流量、処理容器32の内部に形成されるプロセスガスGの流速、プロセスガスGの流れ方向、プロセスガスGの拡散領域の少なくとも1つを制御することができる。そのため、プロセス条件などに応じてプロセスガスGの流れを最適化することができる。その結果、被処理物Wの処理面上におけるプラズマ生成物の量の面内均一性を向上させることができる。また、生成された中性活性種が失活することを抑制することができるので処理効率を向上させることができる。
以上、本実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、プラズマ処理装置1やプラズマ処理装置30などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 プラズマ処理装置、2 処理容器、2a 孔、2b 座部、2c 座部、3 プラズマ発生部、4 電源部、5 電源、7 減圧部、8 下部電極、9 上部電極、10 圧力制御部、11 排気部、12 ガス供給部、13 ガス流制御部、14 制御部、16 制御ノズル部、16a 軸部、16b 拡径部、16c ノズル孔、16d 制御面、17 移動部、22 封止部、26 制御ノズル部、26a 軸部、26b 拡径部、26c ノズル孔、26d 制御面、30 プラズマ処理装置、31 プラズマ発生部、32 処理容器、33 マイクロ波発生部、34 透過窓、35 導入導波管、36 スロット、37 整流板、38 載置部、G プロセスガス、M マイクロ波、P プラズマ、W 被処理物

Claims (8)

  1. 大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な処理容器と、
    前記処理容器の内部を所定の圧力まで減圧する減圧部と、
    前記処理容器の内部に設けられた被処理物を載置する載置部と、
    前記処理容器の内部にプラズマを発生させるプラズマ発生部と、
    前記処理容器の壁面を挿通する軸部と、前記軸部の前記処理容器の内部に面する側の一端に設けられた前記軸部の径寸法よりも大きい径寸法を有する拡径部と、を有する制御ノズル部と、
    前記処理容器の内壁面に対する前記拡径部の位置を変化させる移動部と、
    前記移動部を制御する制御部と、
    前記制御ノズル部を介して、前記処理容器の内部にプロセスガスを供給するガス供給部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記壁面を挿通する軸部の外周面に沿って供給されるプロセスガスの流れを、前記処理容器の内壁面に対する前記拡径部の位置を変化させることで制御すること、を特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記制御ノズル部は、軸方向に貫通するノズル孔を有することを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 拡径部は、前記処理容器の内壁面に面する側に前記軸部の外周面に沿って供給されるプロセスガスの流れを制御する制御面を有することを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記制御ノズル部は、前記ノズル孔を介して、前記プラズマを発生させる領域に向けて直進するようにプロセスガスを導入すること、を特徴とする請求項2記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記制御ノズル部は、前記制御面によりプロセスガスの流れ方向を変更することで、前記プラズマを発生させる領域に向けて拡散させるようにプロセスガスを導入すること、を特徴とする請求項3記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記制御部は、前記拡径部の位置を変化させることで前記プロセスガスの流量、流速、流れ方向、拡散領域からなる群より選ばれた少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記壁面を挿通する軸部の外周面に沿って第1のプロセスガスが供給され、前記ノズル孔に第2のプロセスガスが供給されること、を特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  8. 大気圧よりも減圧された雰囲気においてプラズマを発生させ、前記プラズマに向けて導入したプロセスガスを励起させてプラズマ生成物を生成し、前記プラズマ生成物により被処理物をプラズマ処理するプラズマ処理方法であって、
    処理容器の壁面を挿通する軸部と、前記軸部の前記処理容器の内部に面する側の一端に設けられた前記軸部の径寸法よりも大きい径寸法を有する拡径部と、を備える制御ノズル部を用い、前記壁面を挿通する軸部の外周面に沿って供給されるプロセスガスの流れを、前記処理容器の内壁面に対する前記拡径部の位置を変化させることで制御すること、を特徴とするプラズマ処理方法。
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